JP3578944B2 - 伝搬シミュレーション方法、伝搬シミュレーション装置、及び伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

伝搬シミュレーション方法、伝搬シミュレーション装置、及び伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動無線通信における伝搬環境を再現する伝搬シミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムを設計評価する上で、室内信号伝送実験及び計算機シミュレーションを行うことは非常に有効な手段である。しかしながら、そのためには実際の伝搬路を室内または計算機上で再現する必要がある。これを実現する方法の1つとして、レイトレーシングがある。この方法は、送信アンテナから放射されたレイが建築物に反射、回折を繰り返し受信アンテナに受信されるまでの過程を、建築物等の幾何学データに基づき計算することにより再現する。そのため、比較的複雑な環境でも正確に伝搬路を計算することができるという特徴を持つ。
【0003】
一方、従来から計算機シミュレーションで用いられている手法として、Nパスモデルがある。この方法では、受信信号をそれぞれ違う到来方向、到来時間を持つN個のパスの合成と坂定して、伝搬路を再現している。この方法は、計算量が非常に少ないという特徴を持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
移動通信においては、移動機の移動に伴いフェージングという現象が発生し受信特性が著しく変動する。このため移動通信システムを設計する上では、フェージングを考慮することが必須となる。しかしながらレイトレーシングでは、フェージングを再現するためには送信波の波長以下の位置間隔毎にレイトレーシングを行う必要があるため、処理に非常に時間がかかる。このためレイトレーシングによる伝搬データを用いて計算機シミュレーションを行うことは、非常に困難であった。
【0005】
一方、Nパスモデルでは、パス数、到来時間、到来方向については、モデルを仮定して設定しているため、実際の伝搬路と比較して違いが大きく、精度の良いシミュレーションを行うことができなかった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、移動通信のシミュレーションで必須となるフェージングを考慮した精度の高い伝搬路のシミュレートを少ない計算量で実現できる伝搬シミュレーション方法、伝搬シミュレーション装置、及び伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明による伝搬シミュレーション方法は、レイトレーシングによりパス数、各パスの信号レベル、到来時間データ、到来方向データを求め、前記パスがレイリー分布則に従うものと仮定して前記信号レベルと前記到来時間データを用いて受信信号データを求める方法である。
【0007】
本発明による伝搬シミュレーション方法は次のように構成することもできる。すなわち、本発明による伝搬シミュレーション方法は、周波数設定値と地理的データからパス数、パスの信号レベル、到来方向データ、到来時間データを求め、素波数設定値と前記信号レベルから素波レベルを求め、前記素波数設定値から素波角度設定値を求め、車速設定値、前記素波角度設定値、前記周波数設定値、及び前記パス数からドップラ周波数設定値を求め、前記素波数設定値と前記パス数から初期位相データを求め、前記ドップラ周波数設定値、前記到来時間データ、前記素波レベル、前記初期位相設定値、伝送レート設定値、及び送信信号データから受信信号データを求めるように構成する。
【0008】
上記の構成において、前記受信信号データ、前記到来方向データ、及びアレイ形状設定値からアレイレスポンス信号データを求めるようにすることもできる。
また、次の構成によっても上記の課題を解決することができる。
本発明は移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション装置であって、レイトレーシングによりパス数、パスの信号レベル、到来時間データ、到来方向データを求める手段と、前記パスがレイリー分布則に従うものと仮定して前記信号レベルと前記到来時間データを用いて受信信号データを求める手段を備えるよう構成する。
【0009】
更に、本発明は移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション装置であって、周波数設定値と地理的データからパス数、パスの信号レベル、到来方向データ、到来時間データを求める手段と、素波数設定値と前記信号レベルから素波レベルを求める手段と、前記素波数設定値から素波角度設定値を求める手段と、車速設定値、前記素波角度設定値、前記周波数設定値、及び前記パス数からドップラ周波数設定値を求める手段と、前記素波数設定値と前記パス数から初期位相データを求める手段と、前記ドップラ周波数設定値、前記到来時間データ、前記素波レベル、前記初期位相設定値、伝送レート設定値、及び送信信号データから受信信号データを求める手段を備えるよう構成する。
【0010】
上記の構成において、前記受信信号データ、前記到来方向データ、及びアレイ形状設定値からアレイレスポンス信号データを求める手段を更に備えるようにすることもできる。
また、本発明は上記の伝搬シミュレーション方法を実行するプログラムを記録した記録媒体であり、そのプログラムをコンピュータにローディングして実行することによっても上記の課題を解決することができる。
【0011】
本発明によれば、まずレイトレーシングによってパスデータを求め、そのパスがレイリー分布則に従うものとして計算を行うため、レイトレーシングを繰り返す方法と比較して計算量を削減でき、また、Nパスモデルによる方法と異なり、フェージングを考慮した地形データに基づく精度の良い伝搬路シミュレーションを行うことができる。
【0012】
すなわち、移動通信においては、移動機の移動によりフェージング現象が発生し、特性が劣化する。フェージング現象は、ランダムな定在披(波長は送信電波と同一)中を移動機が移動するために起る。レイトレーシング法は、共に静止している2点間の伝搬をシミュレートする方法であり、移動機の移動は含まれていないため、フェージング現象は発生しない。フェージング現象を再現するためには実際の現象と同様に、定在波中を移動機が移動する環境を再現する必要がある。つまり、定在波の波長と同等の送信電場の波長に比べ、数倍の間隔(送信周波数3GHzとすると波長が10cm、つまり数センチ間隔)毎に繰り返しレイトレーシングの計算をし、受信信号を計算する必要がある。一方、Nパスモデルでは、パス数、到来時間、到来方向を設定しなければ動作しないため、地形データに基づく評価が行えない。その反面、パスを数個の素波の合成として表現し、かつそれぞれの素波がレイリ一分布則に従うと定義するため、フェージング現象が容易に実現できる。ところで、レイトレーシングにより計算された、それぞれのパスの信号強度、遅延時間、到来方向は、数センチの移動では、顕著な変化はみとめられない。そのため、一度レイトレーシング法において、上記の信号強度、遅延時間、到来方向を計算し、それぞれのパスがレイリー分布則に従うと仮定して計算することにより、受信信号を計算すれば、計算量を削減することができ、かつ地形データに基づく受信信号を計算できる。
【0013】
また、レイトレーシングの計算量は、Nパスモデルの計算と比較して非常に膨大な計算量を必要とする。本発明ではレイトレーシングの計算を繰り返して行うことを必要としないため、レイトレーシングを用いてフェージング環境を再現する方法にくらべ、計算量は大幅に削減される。その定量的な評価として、本発明を1m間隔でレイトレーシング計算を行った場合、計算量は10分の1程度に削減される。
【0014】
この結果、本発明によって、移動通信のシミュレーションで必須となるフェージングを考慮した精度の高い伝搬路のシミュレートを少ない計算量で実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による伝搬シミュレータの第1の実施例を図1に示す。本発明による伝搬シミュレータは、伝搬パラメータ生成手段10、素波レベル生成手段12、初期位相生成手段14、素波角度生成手段16、ドップラ周波数生成手段18、受信信号生成手段20から構成される。動作の概要は次のとおりである。
【0016】
伝送パラメータ生成手段10が入力信号からレイトレーシングを用いてパス信号を出力し、また、素波角度生成手段16が素波角度設定信号をドップラ周波数生成手段18に出力する。前記のパス信号等から、素波レベル生成手段12がレイリー分布則を用いて素波レベル信号を出力し、初期位相生成手段14が初期位相設定信号を出力し、ドップラ周波数生成手段18がドップラ周波数設定信号を出力する。そして、それらの出力信号から受信信号生成手段20が受信信号を出力する。
【0017】
次に、各構成要素について詳細に説明する。
伝搬パラメータ生成手段10は、図2に示すように、生き残りパス生成手段22、到来方向生成手段24、到来時間生成手段26、パスレベル生成手段28から構成され、地理的データ信号と周波数設定信号を入力とし、パス数信号、到来方向データ信号と到来時間データ信号とパスレベル信号を出力する。地理的データ信号は、建築物および自然物の幾何学的構成、材質、及び、送信点、受信点の位置を表わす信号で、具体的には、高さ、誘電率、透磁率、及び、建築物、送信点、受信点の座標から構成されている。周波数設定信号は、送信波のキャリア周波数である。
【0018】
伝搬パラメータ生成手段10は、レイトレーシング法を用いて、上記の入力データからパス数と各々のレベル、到来方向、到来時間を計算する。レイトレーシング法には大別して2つの方法があり、各々、鏡像法(参考文献:今井哲郎、藤井輝也、“レイトレースを用いた市街地対応移動通信伝搬推定システム”、信学技報、RCS97−37、1997)及び、レイラウンチング法(参考文献:森浩徳、平和昌、長谷良裕、若菜弘充,“レイトレース法を用いたマイクロセル遅延波到来方向特性の検討”、信学技報、RCS97−40、1997)と呼ばれる。ここでは、鏡像法を用いた場合について説明する。
【0019】
鏡像法は、反射物による送信点の鏡像を架空の送信点として、パスを探す方法である。最大反射回数をNmax 、反射物の数をRとすると、考えられるパスは
[Nmax (Nmax −1) −2]/(Nmax −2) 個となる。
生き残りパス生成手段22は、この中から地理的データ信号を用いて、実際に送信点から受信点へ到達可能なパスを調べる。回折も同様に、すべての回折エッジに対して実際に到達可能かを調べる。そして、到達可能なパスの数を、パス数信号Nとして出力する。また、到達可能なパスのデータ信号を生き残りパスデータ信号として各手段に出力する。
【0020】
次に、到来方向生成手段24は、受信点へ到達する最後の反射(回折)点と受信点から、受信点への各パスの到来方向を計算し、到来方向データ信号ψ(1≦n≦N)を出力する。
到来時間生成手段26は、送信点からそのパスに含まれるすべての反射(回折)点を通り、受信点へ至るまでの距離を光速で割ることにより、各パスが受信点へ至るまでの時間を計算し、到来時間データ信号τ(1≦n≦N)を出力する。
【0021】
パスレベル生成手段28は、距離減衰、反射減衰、回折減衰を合計することにより送信電力に対する減衰量を計算し、パスレベル信号P(1≦n≦N)として出力する。
上記のように伝搬パラメータ生成手段10は、レイトレーシング法を用いて、パス数と各々のレベル、到来方向、到来時間を計算する。
【0022】
次に、図1の素波レベル生成手段12は、素波数設定信号とパスレベル信号を入力とし、素波レベル信号を出力する。素波数設定信号は、それぞれのパスを構成する素波の数Mを設定する信号である。このMについては、生成するフェージング波が統計的に実測値と一致するような値に設定すればよく、例えば8または16に設定できる。
【0023】
ここではまず、パスレベル信号により与えられる信号電力P(1≦n≦N)を素波数M個に等分配する。次にその分配された電力値を分散とするレイリー分布則に従うような電力値を1つ選んで出力する。以上の計算を各素波全てに対して行い、N×M個の素波レベル信号pn,m (1≦n≦N、1≦m≦M)として出力する。
【0024】
初期位相生成手段14は、パス数信号Nと素波数設定信号Mを入力とし、素波の初期位相を表す初期位相設定信号を出力する。すなわち、N×M個の素波に対応する初期位相を一様分布に従う確率分布より計算し、N×M個の初期位相設定信号ξn,m (1≦n≦N、1≦m≦M)として出力する。
素波角度生成手段16は、素波角度初期値と素波数設定信号を入力とし、素波角度設定信号を出力する。m番目(1≦m≦M)の素波の送信方向と送信点の移動方向とのなす角度を素波角度設定信号θとし、素波数設定信号をM、素波角度初期値をθとすると、θは以下の式で表わされる。
【0025】
【数1】
Figure 0003578944
【0026】
素波角度生成手段16はこの式による計算を行うことにより素波角度設定信号θを出力する。
ドップラ周波数生成手段18は、移動速度を表わす車速設定信号と周波数設定信号とパス数信号と素波数設定信号Mと素波角度設定信号を入力とし、ドップラ周波数設定信号を出力する。車速設定信号をν、周波数設定信号をf、パス数信号をN、素波数設定信号をM、素波角度設定信号をθ(1≦m≦M)とすると、ドップラ周波数設定信号fn,m (1≦n≦N,1≦m≦M)は以下の式で表わされる。
【0027】
【数2】
Figure 0003578944
【0028】
ただし、cは光速を表わしている。ドップラ周波数生成手段18はこの式による計算を行うことによりドップラ周波数設定信号fn,m を出力する。
受信信号生成手段20は、到来時間データ信号τと素波レベル信号と初期位相設定信号とドップラ周波数設定信号と伝送レート設定信号fと送信信号s(t)を入力とし、受信信号を出力する。ここで、到来時間データ信号τ(1≦n≦N)は、信号が送信されてから各パスを通り、受信されるまでの時間であり、伝送レート設定信号fは、送信信号の伝送レートである。また、送信信号s(t)は送信点から送信される信号の複素ベースバンド信号である。
【0029】
図3に受信信号生成手段20の詳細構成を示す。受信信号生成手段20は、時間信号生成手段30、位相回転量生成手段32、受信シンボル生成手段34から構成される。次に各手段の機能を説明する。
時間信号生成手段30は、時間信号tを出力する。位相回転量生成手段32は初期位相設定信号ξn,m とドップラ周波数設定信号と伝送レート設定信号fを入力とし、位相回転量を出力する。位相回転量Θn,m (1≦n≦N、1≦m≦M)は以下のように表わされる。
【0030】
【数3】
Figure 0003578944
【0031】
位相回転量生成手段32はこの式による計算を行うことにより位相回転量Θn,m を出力する。
受信シンボル生成手段34は、位相回転量と、素波レベル信号と、送信信号と、到来時間データ信号を入力とし、基準点における受信信号を出力する。各パスの受信信号s(t) (1≦n≦N)は以下の式で表わされる。
【0032】
【数4】
Figure 0003578944
【0033】
受信シンボル生成手段34はこの式による計算を行うことによって基準点における受信信号s(t) を出力する。
図4に本発明による伝搬シミュレータの第2の実施例を示す。第2の実施例は、第1の実施例にアレイレスポンス生成手段36が付加された構成をとる。
アレイレスポンス生成手段36は、アレイ形状設定信号と到来方向データ信号ψと受信信号s(t) を入力とし、アレイレスポンス信号を出力する。図5に示すように、アレイ形状設定信号は、基準点からp番目のアンテナまでの距離d(1≦p≦P)と角度φ(1≦p≦P)により構成されている。受信信号s(t) は、基準点における受信信号である。アレイレスポンス信号s(t) (1≦p≦P)は以下の式で表わされる。
【0034】
【数5】
Figure 0003578944
【0035】
アレイレスポンス生成手段36はこの式による計算を行うことによってアレイレスポンス信号s(t) を出力する。
上記の実施例において、伝搬シミュレータの各々の構成要素をソフトウェア(プログラム)で構築し、コンピュータシステムにそのプログラムを実行させることにより伝搬シミュレーションを行うことが可能である。
【0036】
図6は上記コンピュータシステムのハードウェア構成の例を示す図である。このコンピュータシステムは、処理を実行するCPU51、プログラムやデータを記憶するメモリ52、メモリ52またはCPU51で使用するプログラムやデータを蓄積する外部記憶装置53、データを表示するディスプレイ54、データまたは命令を入力するキーボード55、ネットワークを介して他のコンピュータシステム等と通信を行うための通信処理装置56から構成される。上記プログラムはCPU51により実行される。
【0037】
本発明の記録媒体はメモリ52または外部記憶装置53に相当する。メモリ52または外部記憶装置53に本発明の伝搬シミュレーション方法による処理を実行するプログラムが格納され、そのプラグラムをCPU51が実行することにより伝搬シミュレーションを行うことができる。また、本発明の記録媒体は、電子メモリ、ハードディスク、又は、フロッピーディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等の可搬記録媒体等によっても実現できる。また、本発明の記録媒体に記録されたプログラムはコンピュータシステムにプレインストールされ得る。
【0038】
本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、時間と空間の両方の成分を含む伝搬路を容易にシミュレートできる。また、移動通信のシミュレーションで必須となるフェージングを考慮した精度の高い伝搬路のシミュレートを少ない計算量で実現できる。この結果、例えば時間空間的信号処理を含む等化器の性能について、屋外で実際に電波を出して実験を行う場合と同等の精度で室内実験、伝搬シミュレータ、もしくは計算機上で評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における伝搬シミュレータの構成図である。
【図2】伝搬パラメータ生成手段の構成図である。
【図3】受信信号生成手段の構成図である。
【図4】本発明の第2の実施例における伝搬シミュレータの構成図である。
【図5】アレイ形状設定信号を表わす図である。
【図6】コンピュータシステムの構成図である。
【符号の説明】
10 伝搬パラメータ生成手段
12 素波レベル生成手段
14 初期位相生成手段
16 素波角度生成手段
18 ドップラ周波数生成手段
20 受信信号生成手段
22 生き残りパス生成手段
24 到来方向生成手段
26 到来時間生成手段
28 パスレベル生成手段
30 時間信号生成手段
32 位相回転量生成手段
34 受信シンボル生成手段
36 アレイレスポンス生成手段
51 CPU
52 メモリ
53 外部記憶装置
54 ディスプレイ
55 キーボード
56 通信処理装置

Claims (9)

  1. 移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション方法であって、
    レイトレーシングによりパス数、各パスの信号レベル、到来時間データ、到来方向データを求め、
    前記パスがレイリー分布則に従うものと仮定して前記信号レベルと前記到来時間データを用いて受信信号データを求めることを特徴とする伝搬シミュレーション方法。
  2. 移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション方法であって、
    周波数設定値と地理的データからパス数、各パスの信号レベル、到来方向データ、到来時間データを求め、
    素波数設定値と前記信号レベルから素波レベルを求め、
    前記素波数設定値から素波角度設定値を求め、
    車速設定値、前記素波角度設定値、前記周波数設定値、及び前記パス数からドップラ周波数設定値を求め、
    前記素波数設定値と前記パス数から初期位相データを求め、
    前記ドップラ周波数設定値、前記到来時間データ、前記素波レベル、前記初期位相設定値、伝送レート設定値、及び送信信号データから受信信号データを求めることを特徴とする伝搬シミュレーション方法。
  3. 前記受信信号データ、前記到来方向データ、及びアレイ形状設定値からアレイレスポンス信号データを求める請求項1又は2に記載の伝搬シミュレーション方法。
  4. 移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション装置であって、
    レイトレーシングによりパス数、各パスの信号レベル、到来時間データ、到来方向データを求める手段と、
    前記パスがレイリー分布則に従うものと仮定して前記信号レベルと前記到来時間データを用いて受信信号データを求める手段を備えることを特徴とする伝搬シミュレーション装置。
  5. 移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション装置であって、
    周波数設定値と地理的データからパス数、各パスの信号レベル、到来方向データ、到来時間データを求める手段と、
    素波数設定値と前記信号レベルから素波レベルを求める手段と、
    前記素波数設定値から素波角度設定値を求める手段と、
    車速設定値、前記素波角度設定値、前記周波数設定値、及び前記パス数からドップラ周波数設定値を求める手段と、
    前記素波数設定値と前記パス数から初期位相データを求める手段と、
    前記ドップラ周波数設定値、前記到来時間データ、前記素波レベル、前記初期位相設定値、伝送レート設定値、及び送信信号データから受信信号データを求める手段を備えることを特徴とする伝搬シミュレーション装置。
  6. 前記受信信号データ、前記到来方向データ、及びアレイ形状設定値からアレイレスポンス信号データを求める手段を更に備える請求項4又は5に記載の伝搬シミュレーション装置。
  7. 移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション処理をコンピュータに実行させる伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体であって、
    レイトレーシングによりパス数、各パスの信号レベル、到来時間データ、到来方向データを求める手順と、
    前記パスがレイリー分布則に従うものと仮定して前記信号レベルと前記到来時間データを用いて受信信号データを求める手順を有することを特徴とする伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体。
  8. 移動通信における伝搬環境をシミュレートする伝搬シミュレーション処理をコンピュータに実行させる伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体であって、
    周波数設定値と地理的データからパス数、各パスの信号レベル、到来方向データ、到来時間データを求める手順と、
    素波数設定値と前記信号レベルから素波レベルを求める手順と、
    前記素波数設定値から素波角度設定値を求める手順と、
    車速設定値、前記素波角度設定値、前記周波数設定値、及び前記パス数からドップラ周波数設定値を求める手順と、
    前記素波数設定値と前記パス数から初期位相データを求める手順と、
    前記ドップラ周波数設定値、前記到来時間、前記素波レベル、前記初期位相設定値、伝送レート設定値、及び送信信号データから受信信号データを求める手順を有することを特徴とする伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体。
  9. 前記受信信号データ、前記到来方向データ、及びアレイ形状設定値からアレイレスポンス信号データを求める手順を更に有する請求項7又は8に記載の伝搬シミュレーションプログラムを記録した記録媒体。
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