JP4217422B2 - 乱数列生成装置及び乱数列生成方法、並びに伝搬モデルシミュレーション装置及び方法 - Google Patents

乱数列生成装置及び乱数列生成方法、並びに伝搬モデルシミュレーション装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の確率分布にしたがい、かつ時間的あるいは空間的に相関のあるN次元の乱数列を生成する方法および装置に関する。また、他の発明は、係る乱数列を用いた伝搬モデルシミュレーション装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乱数系列は、製造した製品の性能を試験したり、あるいは銀行などの窓口での待ち時間評価や通信ネットワークのような大きな系が全体としてどのように動くかを評価したりするのに幅広く利用されている。通信路における雑音や、振動、個々の客の要求や動き、通信ネットワークへ印加される情報量などを表すのに使われる。このように、乱数列を生成する手法や装置は現代の技術、特にコンピュータを利用したシミュレーション評価には欠くことのできないものとなっている。
【0003】
このように乱数系列を用いたシミュレーション評価は、各分野多岐に亘るが、その一つとして移動通信の伝搬モデルシミュレーションに用いるものがある。
【0004】
現在普及している携帯電話のような移動通信システムでは、サービスエリア全体をセルと呼ばれる比較的小さな無線ゾーンに分割してサービスを行っている。
【0005】
このようなシステムでは、基地局からある送信電力で送信された電波は減衰しながら空間を伝搬し受信点に到達する。電波が受ける減衰量は送信点と受信点の距離が遠くなるほど大きくなるという性質があるため、基本的に遠い基地局から送信されるチャネルは弱い受信レベルで、近い基地局から送信されるチャネルは強い受信レベルで受信される。
【0006】
現実には、伝搬損失の大小は距離だけではなく、地形や建造物などの状況により異なってくるため、移動局の移動に伴って各基地局からのチャネルの受信電力は大きく変動する。各基地局からのチャネルの受信レベルが常に変動する状況にあっては、所要の受信レベル以上となるチャネルは常に入れ替わっており、それまで受信していたチャネルの受信レベルが急に低くなり受信不能となったり、逆にそれまで受信不能だったチャネルの受信レベルが急に高くなり受信可能となったりする。
【0007】
このような現象は、シャドウイングあるいはシャドウフェージングなどとよばれている。また、一カ所から送信された電波が複数の物体により反射されて受信点に到達することにより生じるいわゆるレイリーフェージングと呼ばれる現象も移動通信では考慮する必要がある。
【0008】
移動通信では、このような状況を模擬し、移動局装置の受信性能や、複数の基地局への追随性能を評価することが必要となる。レイリーフェージングについては、例えば文献(桑原守二監修「ディジタル移動通信」科学新聞社1992年)にフェージングシミュレータとして紹介されている装置を用いることで評価するのが一般的である。また、同様の手法をコンピュータ上のソフトウェアで実現することにより、コンピュータシミュレーションにも簡単に適用できる。
【0009】
一方、シャドウフェージングについては時系列的な評価はあまり行われておらず、シャドウフェージングによる減衰量が対数正規分布するということが広く知られているのみである。
【0010】
したがって、例えば文献(Ishikawa and Umeda,“Capacity Design and Perfomance of Call Admission Control in Cellular CDMA Systems,”IEEE Journal on Selected Areas in Communications, Vol.15, No.8, Oct. 1997)に示されているように、対数正規分布にしたがう乱数を発生させてある時点での評価を行い、これを多数回繰り返すという評価がしばしば行われている。
【0011】
移動通信のシャドウフェージングについて実地で測定を行うことによりその空間的な自己相関特性を調べた結果が文献(M.Gudmandson,“Correlation Model for Shadow Fading in Mobile Radio Systems,”Electronics Letters, vol.27, November 7, 1991, No.23, pp.2145-2146)に示されている。この結果から、シャドウフェージングによる減衰をdB表示した値の自己相関関数が指数分布する。つまり、自己相関関数が2地点間の距離Δxにより
【数1】
Figure 0004217422
と表されることが説明されている。また、前式で、相関係数が0.5となる距離dcorは都市部でほぼ20mであることなどが述べられている。
【0012】
シャドウフェージングを時系列的に発生させる装置についての検討として、公報特開平7−177107号「フェージングシミュレータ」あるいは、より一般的に時系列的に相関のある系列を発生させる方法として公報特開平5−216630号「相関のある乱数発生器」を挙げることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報特開平7−177107号に開示された技術では、互いに相関を持つ複数のシャドウフェージングの系列を発生させることを目的とするものである。ところが、この技術では、フィルタを通すことで時系列的に相関を持たせることができるが、所望の分布や相関特性を持たせるよう設定する機能を備えるものではないことから、時間的あるいは空間的に相関のある種々のパラメータを任意に設定して、操作者が所望する現象を適切に模擬した伝搬モデルを再現することはできない。
【0014】
一方、公報特開平5−216630号に開示された技術では、所望の確率分布や相関特性を持った乱数を生成することができる反面、非常に多数の記憶素子を必要とし複雑な設定を必要とするため実用性が低いという問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、操作者が所望する特定の確率分布、標準偏差、相関特性のある乱数列を簡易に発生させることのできる乱数列生成装置及び乱数列生成方法を提供することを目的とする。また、他の発明は、上記乱数生成装置または乱数生成方法を用いて、時間的あるいは空間的に相関のある種々のパラメータを任意に設定して、操作者が所望する現象を適切に模擬した伝搬モデルを再現することのできる伝搬モデルシミュレーション装置及び方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、所定の確率分布に従って乱数を順次生成し、生成した乱数をN次元の第1の配列に格納し、所定の定数を第1の配列よりも要素数の少ない第2の配列に格納し、第1の配列上の要素と対応する第2の配列の要素との積を算出し、第2の配列の全要素について算出された積の総和を、N次元の第3の配列として生成し、第3の配列を乱数配列として出力することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、第1のN次元の乱数に第2のN次元の定数を乗算し、第3のN次元の配列を生成させるという簡単な処理によりN次元の乱数列を生成することから、演算処理の負担を増大させることなく、簡易的に乱数を生成することができる。
【0018】
上記発明においては、生成された第3の配列を記憶手段に記憶し、第1の配列のうち第3の配列と対応する要素と、第3の配列の各要素とを積算し、この積算結果を記憶手段に記憶された配列の各要素に加算することが好ましい。
【0019】
例えば、結果として得られる第3のN次元乱数列の標準偏差をσとして、第2のN次元配列の各要素の2乗値の総和をC2とすると、標準偏差が
【数2】
Figure 0004217422
となるような乱数を発生させ第1のN次元配列に格納することが可能である。
【0020】
上記発明においては、正規分布する乱数を生成することが好ましい。また、上記発明においては、第2の配列に格納される要素のうち、特定の要素を基準要素とし、基準要素以外の他の要素は、基準要素からの相対距離に応じた相関係数とすることが好ましい。
【0021】
上記発明においては、乱数列の標準偏差を設定し、第2の配列の各要素の2乗値の総和の平方根を取得し、これらの標準偏差と平方根とに基づいて乱数を生成することが好ましい。例えば、第3のN次元乱数列の標準偏差をσとして、第2のN次元配列の各要素の2乗値の総和の平方根をC1とすると、標準偏差がσ/C1となるような乱数を発生させ第1のN次元配列に格納するように構成することができる。
【0022】
上記発明においては、第3の配列のうち、出力する範囲を設定し、この設定された範囲の乱数列を出力することが好ましい。上記発明においては、第3の配列上の任意の要素を用いて、補間値を生成することが好ましい。
【0023】
他の発明は、上記発明を用いた移動通信における伝搬モデルを模擬するシミュレーションに関するものであり、上記発明により出力された乱数配列を移動通信における受信電波の変動として伝搬モデルを生成することを特徴とする。
【0024】
このような他の発明によれば、操作者により相関係数や標準偏差を設定することによって、相関関係のあるN次元の乱数を生成することができ、空間的あるいは時系列的に相関関係を有する受信電波を模擬することができ、移動通信シミュレーションにおいて、実情に即した伝搬モデルを再現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
(乱数列生成装置の構成)
以下に本発明の第1実施形態に係る乱数列生成装置について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る乱数列生成装置の構成を示すブロック図である。
【0026】
同図に示すように、本実施形態に係る乱数列生成装置は、ガウス乱数発生器1と、相関係数計算機4と、メモリ2,3,7と、座標変換器5と、積和計算機6と、出力手段8と、各種設定を行う設定手段9とを備えている。
【0027】
ガウス乱数発生器1は、所定の確率分布に従って乱数を順次生成する乱数生成手段であり、本実施形態では、正規分布する乱数を生成する機能を備える。具体的には、このガウス乱数発生器1は、設定手段9により設定された標準偏差σと、定数取得手段94により取得された定数Cに基づいて、標準偏差がσ/Cとなるような正規(ガウス)分布に従って乱数を生成する。
【0028】
メモリ2は、ガウス乱数発生器1が生成した乱数をN次元の第1の配列に格納し、メモリ3は、所定の定数を、第2の配列に格納し、メモリ7は、第2の配列の全要素について算出された積の総和を、N次元の第3の配列として格納する記憶装置である。
【0029】
相関係数計算機4は、第2の配列中の各要素に格納される相関係数ρ , を算出するものである。具体的には、配列中の最下段右端の要素を基準要素EMMとし、これと他の各要素Eijとの間の距離に基づいて計算される相関係数ρ , を算出する。基準要素EMMは、自分自身との相関となることから、1が格納されることになる。なお、本実施例では、最下段右端の要素EMMを基準にとり相関値を設定したが、これは必ずしもこの位置である必要はなく、第2の配列のM×M個の要素のいずれをも基準とすることができる。
【0030】
積和計算機6は、第1の配列上の要素と対応する第2の配列の要素との積を算出する第3配列生成手段であり、具体的には、第1の配列の一部に第2の配列を重ね、互いに重なり合う第1と第2の配列の各要素の値を乗算し、M×M個の乗算の結果の総和を計算する。
【0031】
座標変換器5は、積和計算機6によって、第1の配列と第2の配列とについての演算を行う際に、第1の配列に対する第2の配列の位置を変位させるためのものであり、第2の配列の、第1の配列に対する相対座標を順次演算するものである。
【0032】
出力手段8は、前記第3の配列を乱数配列として出力するインターフェースである。本実施形態に係る出力手段8は、第3の配列のうち、出力する範囲を設定する出力範囲設定手段81を備え、この出力範囲設定手段81により設定された範囲の乱数列を出力する。また、出力手段8は、第3の配列上の任意の要素を用いて、補間値を生成する補間手段82を備える。
【0033】
設定手段9は、ガウス乱数発生器1により生成される乱数列の標準偏差σを設定する標準偏差設定手段の機能を備えるとともに、相関係数計算機4から定数Cを取得する定数取得手段94が接続されており、この設定手段9により設定された標準偏差σと、定数取得手段94から取得した定数Cに基づいて、ガウス乱数発生器1は、乱数を生成する。
【0034】
定数取得手段94は、第2の配列の各要素の2乗値の総和の平方根定数Cを取得する演算処理装置であり、相関係数計算機4から相関係数ρ , を取得し、これに基づいて定数Cを算出し、算出結果を設定手段9に出力する。
【0035】
また、設定手段9には、第1乃至第3の配列を生成する第1乃至第3の配列生成手段91〜93が接続されている。設定手段9は、これらの配列生成手段91〜93に対して、各々が生成するN次元配列のサイズを設定する。これら各配列生成手段91〜93により生成された配列は、メモリ2,3,5に送出される。
【0036】
なお、本実施形態において、第1配列生成手段91により生成される第1の配列のサイズは、(M−1+N)×(M−1+N)であり、第2配列生成手段92により生成される第2の配列のサイズは、M×Mであり、第3配列生成手段93により生成される第3の配列のサイズは、N×Nである
第2の配列は、その要素のうち、特定の要素を基準要素とし、基準要素以外の他の要素は、基準要素からの相対距離に応じた相関係数が格納されている。
【0037】
(動作)
以上の構成を有する本実施形態に係る乱数列生成装置を用いた乱数列の生成方法について説明する。なお、本実施形態では、説明の簡単のために2次元の場合について説明する。しかし、これは本発明の適用形態を限定するものではない。
【0038】
図2は、本実施形態に係る乱数生成方法の手順を示す説明図である。この図2(a)に示すように、第2配列生成手段92により、第2の2次元配列を生成(定義)し、これに相関係数計算機4により、各要素の相関係数ρ , を計算し、メモリ3において第2の配列に格納する。
【0039】
第2の配列への格納が終わったら、定数取得手段94により定数Cを計算する。Cは、図中に示したように各要素の二乗和により求められる。計算された定数Cは、設定手段9を介して、ガウス乱数発生器1に送出される。
【0040】
次に、図2(b)に示すように、第1配列生成手段91により第1の配列を生成(定義)し、これにガウス乱数発生器1で生成された乱数を、メモリ2において格納する。このとき、第1の配列の端(図中、ハッチングにより示した第1の配列の上側と左側部分)にそれぞれM−1行、M−1列の助走区間を設け、この助走区間の要素にも乱数を格納する。この助走区間は、第1の配列のN×Nの部分を計算する際に、計算に用いられる要素数が少なくなって計算の精度が低下することを避けるためのものであり、なお、助走区間は、本発明の実施形態を限定するものではなく、これがなくても本発明の実施は可能である。また、助走区間を広く設けることもできる。
【0041】
ガウス乱数発生器1による乱数の生成は、設定手段9により設定された標準偏差σと、定数取得手段94により取得された定数Cにより、平均0、標準偏差σ/Cの正規(ガウス)分布に従って行う。また、この正規分布する乱数は互いに独立であるので、第1の配列への乱数の格納は、どのような順序でも行うことができる。
【0042】
次に、生成された第1と第2の配列を用いて、第3の配列を生成する。すなわち、図2(c)に示したように、積和計算機6によって、第1の配列の一部に第2の配列を重ね、互いに重なり合う第1と第2の配列の各要素の値を乗算し、M×M個の乗算の結果の総和を計算する。この結果を第2の配列の基準要素の位置に対応する第3の配列の要素に設定する。
【0043】
なお、基準要素の位置は、必ずしも第2の配列の最下段右端である必要はない。ただし、第2の配列の各要素に相関値を設定するときに基準にした要素の位置に対応する、第3の配列中の位置とする必要がある。
【0044】
そして、座標変換器5により、第2の配列の第1の配列に対する位置を順次変位させ、第3の配列の全要素が設定されるまで上記の操作を繰り返して終了する。このとき、第3の配列のどの要素から設定するかの順番には特に制限はなく、任意の順序とすることができる。
【0045】
ここで、第3の配列に設定された値の持つ性質について詳述する。ガウス乱数発生器1により生成され、第1の配列に設定される値をXi,jとすると、結果として第3の配列に出力される値Yk,mは次のように表される。
【0046】
【数3】
Figure 0004217422
Mの値がある程度大きければ、Yk,mその確率分布はほぼ正規分布になる。特に乱数生成手段から生成される値が正規分布に従うならば、Yk,mも正規分布に従う。Yk,mの分散Var[Yk,m]は、
【数4】
Figure 0004217422
と計算される。従って、ガウス乱数発生器1により発生する乱数の標準偏差が
【数5】
Figure 0004217422
であれば、
Var[Yk,m]=σ
となり、所望の標準偏差σが得られる。
【0047】
また、2つの出力値Yk,mとYp,qの間の相関係数は以下のように計算でき、近似的に前述の文献に示された指数相関特性を持つ2次元の乱数列を生成することができる。すなわち、
【数6】
Figure 0004217422
である。計算の過程で、各要素の持つ相関値は、基準となる要素との距離dでrd(rは定数)のように指数関数で表されるという仮定をおいている。さらに、2-1/Dと設定すれば、Yの自己相関特性は前述の文献に示された指数相関特性を持つことになる。
【0048】
(第1実施形態の変更例1)
なお、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような変更を加えることができる。
【0049】
例えば、積和計算機6によって、第1の配列のうち第3の配列と対応する要素と、第3の配列の各要素とを積算し、この積算結果をメモリ7に記憶された配列の各要素にさらに加算する機能を設けることもできる。
【0050】
また、例えば、図3(a)に示すように、第2配列の基準要素を、第2配列外に配置するようにしてもよい。この場合、第1配列の助走区間は、第2配列のサイズと同等とするとともに、第3の配列のサイズは、基準要素の移動範囲とする。
【0051】
[第2実施形態]
(伝搬モデルシミュレータの基本構成)
以下に本発明の第2実施形態に係る伝搬モデルシミュレーション装置について詳細に説明する。本実施形態では、上述した第1実施形態で説明した乱数列生成装置を、移動通信における、希望波とN波の干渉波に生じるシャドウイングの相関を考慮した通信路をシミュレートするフェージングシミュレータに応用することをその要旨とする。
【0052】
すなわち、本実施形態では、移動通信における電波伝搬環境上で生じるレイリーフェージングや、周波数選択性フェージング、シャドウイング等の現象、及びこれらの現象が復号して生じる伝搬モデルについて模擬を行う。
【0053】
ここで、レイリーフェージングとは、伝搬距離の差が搬送波波長オーダ程度の波が合成された信号を受信するため、送信局あるいは受信局が搬送波波長オーダ程度移動すると受信レベルが大きく変動する現象である。
【0054】
周波数選択性フェージングとは、伝搬距離の差が信号帯域幅の逆数オーダ以上の波が合成される場合、ゴーストや符号間干渉による歪が生じる現象である。
【0055】
シャドウイングとは、送信局あるいは受信局周囲のビルや樹木等の障害物によって、信号が遮られることによる受信信号レベルが変動する現象である。
【0056】
図4は、本実施形態に係る伝搬モデルシミュレーション装置を示す説明図であり、(a)は、シミュレーションの前提となる移動通信システムを示す概念図であり、(b)は、本実施形態に係る伝搬モデルシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
【0057】
図4(a)に示すように、第2実施形態では、図4(a)に示すように、分割された無線ゾーン113をカバーする複数の基地局111と、これら基地局111との間に無線チャネルを設定して通信を行う移動局112により構成された移動通信システムを前提とする。
【0058】
そして、本実施形態2では、このような移動通システムにおいて伝搬される無線信号を、上述した乱数列生成装置100を用いて生成し、シミュレータ300により模擬を行う。本実施形態に係る伝搬モデルシミュレーション装置は、図4(b)に示すように、乱数列生成装置100と、データ補正部200と、シミュレータ300とから構成される。
【0059】
乱数列生成装置100は、上述した第1実施形態と同様の構成を有するため、説明は省略する。また、シミュレータ300は、公知の技術であり、種々のハードウェアやソフトウェアで実現することができる。
【0060】
データ補正部200は、乱数列生成装置100により生成される乱数列を、シミュレータ300のサンプリング周波数に整合させるものである。具体的にこのデータ補正部200は、乱数列生成装置100が乱数を生成する周期と、シミュレータ300のサンプリング周波数が一致しない場合に、乱数列生成装置100から出力されるデータを補充したり、削除したりする。
【0061】
このデータ補正部200によるデータの補充は、前回乱数列生成装置100により生成された乱数を保持しておき、次の乱数が発生されるまでの間は、保持した乱数を繰り返し出力することにより行う。また、データの削除は、シミュレータ300のサンプリング周波数と合致しないタイミングの乱数を廃棄することにより行う。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の乱数列生成装置及び乱数列生成方法によれば、操作者が所望する特定の確率分布、標準偏差、相関特性のあるN次元の乱数列を簡易に発生させることができる。また、他の発明の伝搬モデルシミュレーション装置及び方法によれば、上記乱数生成装置または乱数生成方法を用いることにより、時間的あるいは空間的に相関のある種々のパラメータを任意に設定して、操作者が所望する現象を適切に模擬した伝搬モデルを再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る乱数列生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る乱数列生成方法の手順を示す説明図である。
【図3】第1実施形態の変更例に係る乱数列生成方法の手順を示す説明図である。
【図4】第2実施形態に係る伝搬モデルシミュレーション装置を示す説明図であり、(a)は、シミュレーションの前提となる移動通信システムを示す概念図であり、(b)は、本実施形態に係る伝搬モデルシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ガウス乱数発生器
2,3,7…メモリ
2…メモリ
3…メモリ
4…相関係数計算機
5…座標変換器
6…積和計算機
7…メモリ
8…出力手段
9…設定手段
81…出力範囲設定手段
82…補間手段
91…第1配列生成手段
92…第2配列生成手段
94…定数取得手段
100…乱数列生成装置
111…基地局
112…移動局
113…無線ゾーン
200…データ補正部
300…シミュレータ

Claims (8)

  1. 所定の確率分布に従って乱数を順次生成する乱数生成手段と、
    第1配列を構成するLx×Lyの第1要素のそれぞれに、前記乱数生成手段が生成した乱数を格納する第1配列生成手段と、
    第2配列を構成するMx(<Lx)×My(<Ly)の第2要素のそれぞれに、前記第2要素のそれぞれの位置と基準要素の位置との相対距離に応じて算出された相関係数を格納する第2配列生成手段と、
    前記第1配列の一部に前記第2配列及び前記基準要素を重ね、前記第1要素に格納された値と前記第1要素に重なる前記第2要素に格納された値との積の総和を算出し、算出された総和を、第3配列を構成するNx(<Lx)×Ny(<Ly)の第3要素のうち、前記基準要素の位置に対応する要素に格納する第3配列生成手段と、
    前記第1配列に対する前記第2配列及び前記基準要素の位置を変位させる変位手段と、
    前記第3配列の少なくとも一部を出力する出力手段とを有しており、
    前記第3配列生成手段は、前記第1配列に対する前記第2配列及び前記基準要素の位置を変位させる毎に、前記第1要素に格納された値と前記第1要素に重なる前記第2要素に格納された値との積の総和を算出し、算出された総和を、前記第3配列を構成するNx(<Lx)×Ny(<Ly)の前記第3要素のうち、前記基準要素に対応する要素に格納し、
    前記第2配列と同一平面において、前記基準要素と前記第2要素のそれぞれとの相対的な位置関係は不変であることを特徴とする乱数列生成装置。
  2. 前記乱数生成手段は、正規分布を有する乱数を生成することを特徴とする請求項1に記載の乱数列生成装置。
  3. 前記乱数生成手段によって生成される乱数の標準偏差を設定する標準偏差設定部と、
    前記第2配列に含まれる前記第2要素の2乗値の総和の平方根を取得する定数取得手段とをさらに有しており、
    前記乱数生成手段は、前記標準偏差設定部によって設定された標準偏差と、前記定数取得手段によって取得された定数とに基づいて乱数を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の乱数生成装置。
  4. 前記第3配列の中から、前記出力手段が出力する前記第3配列の範囲を設定する出力範囲設定部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の乱数生成装置。
  5. 移動通信における受信電波の変動を模擬するシミュレーション装置であって、
    第1配列を構成するLx×Lyの第1要素のそれぞれに、前記乱数生成手段が生成した乱数を格納する第1配列生成手段と、
    第2配列を構成するMx(<Lx)×My(<Ly)の第2要素のそれぞれに、前記第2要素のそれぞれの位置と基準要素の位置との相対距離に応じて算出された相関係数を格納する第2配列生成手段と、
    前記第1配列の一部に前記第2配列及び前記基準要素を重ね、前記第1要素に格納された値と前記第1要素に重なる前記第2要素に格納された値との積の総和を算出し、算出された総和を、第3配列を構成するNx(<Lx)×Ny(<Ly)の第3要素のうち、前記基準要素の位置に対応する要素に格納する第3配列生成手段と、
    前記第1配列に対する前記第2配列及び前記基準要素の位置を変位させる変位手段と、
    前記第3配列の少なくとも一部を出力する出力手段と、
    前記出力手段から出力された前記第3配列を用いて、受信電波の変動を模擬するシミュレート手段とを有しており、
    前記第3配列生成手段は、前記第1配列に対する前記第2配列及び前記基準要素の位置を変位させる毎に、前記第1要素に格納された値と前記第1要素に重なる前記第2要素に格納された値との積の総和を算出し、算出された総和を、前記第3配列を構成するNx(<Lx)×Ny(<Ly)の前記第3要素のうち、前記基準要素に対応する要素に格納し、
    前記第2配列と同一平面において、前記基準要素と前記第2要素のそれぞれとの相対的な位置関係は不変であることを特徴とするシミュレーション装置。
  6. 前記乱数生成手段は、正規分布を有する乱数を生成することを特徴とする請求項5に記載のシミュレーション装置。
  7. 前記乱数生成手段によって生成される乱数の標準偏差を設定する標準偏差設定部と、
    前記第2配列に含まれる前記第2要素の2乗値の総和の平方根を取得する定数取得手段とをさらに有しており、
    前記乱数生成手段は、前記標準偏差設定部によって設定された標準偏差と、前記定数取得手段によって取得された定数とに基づいて乱数を生成することを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載のシミュレーション装置。
  8. 前記第3配列の中から、前記出力手段が出力する前記第3配列の範囲を設定する出力範囲設定部をさらに有することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のシミュレーション装置。
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