JP3577450B2 - 鋳型造型方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型の造型方法及びその方法を実施するための鋳型造型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開昭56−1245号公報に記載された鋳型造型装置においては、シリンダ装置によるスクイズテーブルの上昇につれて、外周に下盛枠を昇降可能に嵌合した模型をスクイズテーブル上面に模型交換位置で受取り、鋳枠を前進位置に位置した下盛枠の上面に鋳枠受渡位置で受取り、上盛枠を鋳枠上面に当接させ、これら重ね合わせられた下盛枠と鋳枠と上盛枠内に鋳物砂を供給し、鋳物砂の供給後にスクイズヘッドに設けたシリンダ装置により上盛枠の上昇を規制した状態で前記スクイズテーブルを前記下盛枠の鋳枠との当接面が後退位置に後退するまで上昇させて鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記シリンダ装置による上盛枠の上昇規制を解除して前記スクイズテーブルを上昇させて鋳物砂を背面側スクイズしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の鋳型造型装置では、鋳物砂の供給直後にスクイズヘッドに設けたシリンダ装置により上盛枠の上昇を規制した状態でスクイズテーブルを下盛枠の鋳枠との当接面が後退位置に後退するまで上昇させて鋳物砂を模型面側スクイズしているので、鋳物砂のコンパクタビリティのバラツキが、模型面を所定距離だけ移動させる模型面側スクイズによる鋳物砂の加圧力に大きなバラツキを生じさせる不具合があった。即ち、コンパクタビリティが高すぎる場合は鋳物砂の加圧力不足で充分な鋳型強度を得ることができず、低すぎる場合は模型下面と鋳枠下面とが一致するまでスクイズテーブルを上昇させることができなくなってしまう。また、模型面側スクイズにより鋳物砂を鋳枠厚さの10%程度圧縮させるものにおいては、鋳型の強度が不十分で、各部位における強度にバラツキが生じ、鋳物製品の形状精度を向上させるために、鋳型の強度を高くし、且つ各部位における強度の均一性を向上させることが鋳型造型に求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、模型を取付けた模型定盤が固定されたスクイズテーブルと前記模型定盤を取り囲む下盛枠とを相対的に移動可能に嵌合し、前記下盛枠の鋳枠当接面に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、スクイズヘッドをスクイズテーブルに対向して相対的に移動可能に装置本体に設け、鋳枠当接面が模型定盤の盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置するように前記スクイズテーブルと下盛枠とを相対的に位置決めした状態で前記重合枠に鋳物砂を供給し、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及び前記スクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズテーブルを前記盤面と鋳枠当接面とが一致するまで前記重合枠及び前記スクイズヘッドに相対的に接近させて模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及び前記スクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることである。
【0005】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の鋳型造型方法において、前記背面側予備スクイズ圧力が0.2乃至0.35MPaであり、背面側スクイズ圧力が0.7乃至1.5MPaであることである。
【0006】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、模型を取付けた模型定盤が固定されたスクイズテーブルと前記模型定盤を取り囲む下盛枠とを相対的に移動可能に嵌合し、前記下盛枠の鋳枠当接面に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、スクイズヘッドをスクイズテーブルに対向して相対的に移動可能に装置本体に設け、前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを互いに進退させる駆動装置を設け、鋳枠当接面が模型定盤の盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置するように前記スクイズテーブルと下盛枠とを相対的に位置決めした状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズテーブルを前記盤面と鋳枠当接面とが一致するまで前記重合枠及びスクイズヘッドに相対的に接近させて前記鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることである。
【0007】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、駆動装置により造型経路に沿って互いに対向して相対的に進退移動されるスクイズテーブルとスクイズヘッドとを装置本体に設け、前記スクイズテーブルとの間で鋳枠を受け渡しする鋳枠受渡装置を前記造型経路内に設け、上盛枠を該鋳枠受渡装置と前記スクイズヘッドとの間で造型経路に沿って移動可能に設け、下盛枠を模型が取付けられた模型定盤を囲んで前記経路方向に進退可能にスクイズテーブルに設け、前記下盛枠を鋳枠当接面が前記模型定盤の盤面と一致する後退位置と前記盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置を前記スクイズテーブルに設け、前記駆動装置によるスクイズテーブルの前進に連れて順次積み重ねられた下盛枠と鋳枠と上盛枠とで重合枠を構成し、前記下盛枠が前進位置に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを前記駆動装置により互いに接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を規制した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを前記駆動装置により前記下盛枠が後退位置に後退するまで互いに接近させて前記鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを前記駆動装置により互いに接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることである。
【0008】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、模型を取付けた模型定盤が固定され該模型定盤を取り囲む下盛枠を移動可能に嵌合されたスクイズテーブルを装置本体に設け、前記スクイズテーブルに向かって駆動装置により進退移動されるスクイズヘッドを装置本体に装架し、前記下盛枠を鋳枠当接面が前記模型定盤の盤面と一致する後退位置と前記盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置を前記スクイズテーブルに設け、前記下盛枠の鋳枠当接面上に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、前記下盛枠が前進位置に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズヘッドを前記スクイズテーブルに前記駆動装置により接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を規制した状態で前記スクイズヘッドを前記駆動装置により前記スクイズテーブルに前記下盛枠が後退位置に後退するまで接近させて前記鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズヘッドを前記駆動装置により前記スクイズテーブルに接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることである。
【0009】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項3又は請求項5に記載の鋳型造型装置において、前記背面側予備スクイズ圧力が0.2乃至0.35MPaであり、背面側スクイズ圧力が0.7乃至1.5MPaであることである。
【0010】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、模型を取付けた模型定盤が固定されたスクイズテーブルと前記模型定盤を取り囲む下盛枠とを相対的に移動可能に嵌合し、下盛枠の鋳枠当接面に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、スクイズヘッドをスクイズテーブルに対向して相対的に移動可能に設け、鋳枠当接面が模型定盤の盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給した後に、スクイズヘッドを重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、スクイズテーブルを前記盤面と鋳枠当接面とが一致するまで重合枠及びスクイズヘッドに対し相対的に接近させて模型面側スクイズし、その後にスクイズヘッドを重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズするようにしたので、鋳物砂のコンパクタビリティのバラツキの影響を受けずに均一化された状態で、鋳物砂の圧縮割合が大きい模型面側スクイズを安定して行うことができ、強度が高く且つ各部位の強度のバラツキが少ない鋳型を造型することができる。
【0011】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に記載の鋳型造型方法において、0.2乃至0.35MPaで背面側予備スクイズし、0.7乃至1.5MPaで背面側スクイズするので、鋳物砂のコンパクタビリティを揃えるのに適した圧力で背面予備スクイズし、この均一化された状態で、鋳物砂の圧縮割合が大きい模型面側スクイズを安定して行い、さらに十分な圧力で背面側スクイズすることにより、強度が高く且つ各部位の強度のバラツキが少ない鋳型を造型することができる。
【0012】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、模型を取付けた模型定盤が固定されたスクイズテーブルと模型定盤を取り囲む下盛枠とを相対的に移動可能に嵌合し、下盛枠の鋳枠当接面に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、スクイズヘッドをスクイズテーブルに対向して相対的に移動可能に設け、鋳枠当接面が模型定盤の盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後にスクイズヘッドを重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、スクイズテーブルを前記盤面と鋳枠当接面とが一致するまで重合枠及びスクイズヘッドに対し相対的に接近させて模型面側スクイズし、その後にスクイズヘッドを重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズするようにしたので、鋳物砂のコンパクタビリティのバラツキの影響を受けずに均一化された状態で鋳物砂の圧縮割合が大きい模型面側スクイズを安定して行うことができ、強度が高く且つ各部位の強度のバラツキが少ない鋳型の造型が可能な鋳型造型装置を提供することができる。
【0013】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、スクイズテーブルに進退可能に嵌合された下盛枠を鋳枠当接面が模型定盤の盤面と一致する後退位置と前記盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する前進位置との間で進退させ、スクイズテーブルの前進に連れて順次積み重ねられた下盛枠と鋳枠と上盛枠とで重合枠を構成し、下盛枠が前進位置に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後にスクイズヘッドと重合枠との相対移動を許容した状態でスクイズテーブル又はスクイズヘッドを互いに接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、スクイズヘッドと重合枠との相対移動を規制した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを下盛枠が後退位置に後退するまで互いに接近させて鋳物砂を模型面側スクイズし、その後に前記スクイズヘッドと前記上盛枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを互いに接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズするようにしたので、請求項3に記載の発明の効果を奏することができ且つ鋳枠の自動受渡可能な鋳型造型装置を提供することができる。
【0014】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、模型定盤が固定されたスクイズテーブルに下盛枠を鋳枠当接面が模型定盤の盤面と一致する後退位置と前記盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する前進位置との間で進退可能に嵌合し、前記下盛枠の鋳枠当接面上に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、下盛枠が前進位置に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後にスクイズヘッドと重合枠との相対移動を許容した状態でスクイズヘッドをスクイズテーブルに接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、スクイズヘッドと重合枠との相対移動を規制した状態でスクイズヘッドをスクイズテーブルに下盛枠が後退位置に後退するまで接近させて鋳物砂を模型面側スクイズし、その後にスクイズヘッドと重合枠との相対移動を許容した状態でスクイズヘッドをスクイズテーブルに接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズするようにしたので、請求項3に記載の発明の効果を奏することができ且つ鋳物砂が充填された鋳枠の移動を少なくした鋳型造型装置を提供することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の鋳型造型装置において、0.2乃至0.35MPaで背面側予備スクイズし、0.7乃至1.5MPaで背面側スクイズするので、鋳物砂のコンパクタビリティを揃えるのに適した圧力で背面側予備スクイズし、この均一化された状態で、鋳物砂の圧縮割合が大きい模型面側スクイズを安定して行い、さらに十分な圧力で背面側スクイズすることにより、強度が高く且つ各部位の強度のバラツキが少ない鋳型の造型が可能な鋳型造型装置を提供することができる。
【0016】
【実施の形態】
以下本発明に係る鋳型造型方法及びこの方法を実施するための装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は装置本体2に上下方向の造型経路に沿って移動可能に装架された断面長方形のスクイズテーブルで、装置本体2に固定されたシリンダ装置3のピストン4(図9)のピストンロッド4a上端に固定されて上下方向に進退移動されるようになっている。5は装置本体2に取付けられて水平方向に互いに平行に延在する一対のローラコンベアで、直方体のマスタプレート6の下方フランジ部の両側下面を係脱可能に支持している。次に使用されるマスタプレート6はローラコンベア5上で図略の停止装置によりスクイズテーブル1と対向する交換位置に位置決めされ、シリンダ装置3によって上昇されるスクイズテーブル1上に着脱可能に載置されるようになっている。スクイズテーブル1上に着脱可能に載置されるマスタプレート6を交換位置に係脱自在に保持するマスタプレート交換装置7は、一対のローラコンベア5に替えて、ターンテーブルで構成してもよい。マスタプレート6の両側下面を係脱可能に支持するフォーク状の支持部を両端に設けた交換アームを装置本体2に水平面内で割出し旋回可能に設け、次に使用されるマスタプレート6を支持した支持部がスクイズテーブル1と対向する交換位置に割出されるようにアームを割出し旋回し、下降するスクイズテーブル1上に載置された使用済みのマスタプレート6を交換位置に割出された空の支持部で受取るようにしてもよい。
【0017】
マスタプレート6の上面には模型8が取付けられた模型定盤9が固定され、外周には下盛枠10が模型定盤9を囲んで上下方向に進退可能に装架されている。スクイズテーブル1の4隅には、シリンダ装置11が夫々垂直に取付けられ、マスタプレート6をスクイズテーブル1上に載置した状態でシリンダ装置11のピストン12を上昇させると、ピストンロッド12aの上端が下盛枠10の4隅に下方に向けて突設されたロッド14の下面に当接し、下盛枠10をその上端の鋳枠当接面15が模型定盤9の盤面16より模型8側に位置する前進位置に前進させる。ピストン12を下降させると、下盛枠10は自重により鋳枠当接面15が模型定盤9の盤面16一致する後退位置まで後退する。シリンダ装置11、ロッド14等により、下盛枠10を鋳枠当接面15が模型定盤9の盤面16と一致する後退位置と盤面16より後述する鋳枠31の厚さの15乃至25%の距離だけ模型8側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置17が構成されている。
【0018】
図2に示すように、下盛枠10の各辺には下面から上方に向かって有底穴20が夫々設けられ、各有底穴20に嵌合する棒状の係止部材21がマスタプレート6の下方フランジ部22から上方に立設されている。この有底穴20の底部が係止部材21の頭部に当接することにより下盛枠10は鋳枠当接面15が模型定盤9の盤面16と一致する後退位置に位置される。23は模型定盤の外周に嵌合してマスタプレート6の上面に固定されたスペーサで、その上面は盤面16と、外周面はマスタプレート6の外周面と一致している。下盛枠10の上方内周面にライナ24が固定され、ライナ24の内周面にはスペーサ23が摺動可能に嵌合されている。ライナ24の上端には下盛枠10の上面を覆うフランジが外方に向かって設けられ、このフランジの上面に鋳枠当接面15が形成されている。
【0019】
30は装置本体2に取付けられて水平方向に互いに平行に延在する一対のローラコンベアで、鋳枠31の両側下面をマスタプレート交換装置17の上方において係脱可能に支持している。次に型込めされる鋳枠31はローラコンベア30上で図略の停止装置により造型経路内でスクイズテーブル1と対向する鋳枠受渡位置に位置決めされ、シリンダ装置3によって上昇されるスクイズテーブル1上に載置されたマスタプレート6に嵌合された下盛枠10がシリンダ装置11により前進位置に上昇され、下盛枠10に一体的に設けたライナ24の鋳枠当接面15上に鋳枠31をローラコンベア30から受取るようになっている。スクイズテーブル1に載置されたマスタプレート6との間で鋳枠31を受け渡しする鋳枠受渡装置32は、ローラコンベア30等により構成されている。
【0020】
35は鋳枠31の上面に係脱可能に載置される上盛枠で、装置本体2に造型経路内で上下方向に移動可能に装架されている。シリンダ装置3によるスクイズテーブル1の上昇に連れてマスタプレート6がスクイズテーブル1上に載置され、シリンダ装置17の作動で前進位置に上昇された下盛枠10上に鋳枠31、上盛枠35が順次積み重ねられる。スクイズテーブル1の上昇に連れて順次積み重ねられた下盛枠と鋳枠と上盛枠とで重合枠36が構成される。
【0021】
シリンダ装置3はスクイズテーブル1を図3に示す鋳物砂供給位置に停止させ、上盛枠10がシリンダ装置11により前進位置に位置された状態で鋳物砂が公知の鋳物砂供給装置40によって重合枠36に供給される。図1に示すように、装置本体2の上方にはシャトル41が水平方向に移動可能に装架され、シリンダ装置42により供給位置とスクイズ位置に割出し位置決めされるようになっている。鋳物砂供給装置40はシャトル41の下面に取付けられ、シャトル41が供給位置に割出されたとき、重合枠36に鋳物砂供給装置40が対向し、計量された鋳物砂62を重合枠36内に充填する。
【0022】
シャトル41の下面にはスクイズヘッド45が鋳物砂供給装置40と並んで取付けられ、シャトル41がスクイズ位置に割出されるとスクイズヘッド45がスクイズテーブル1と対向するようになっている。スクイズヘッド45のヘッド本体46には複数のシリンダ47が垂直に設けられ、シリンダ47に摺動可能に嵌合されたピストン48の下方に突出したピストンロッド先端に加圧ヘッド49が固定されている。加圧ヘッド49は鋳枠31の内側全域に亙って配置され、鋳枠31に充填された鋳物砂62を万遍なくスクイズするようになっている。図9に示すように、全てのシリンダ47の上室47aは、レリーフ弁69とシリンダ70の左室70aとに並列に接続されている。ヘッド本体46の4隅にはシリンダ50が垂直に設けられ、シリンダ50にはピストン51が上下方向に摺動可能に勘合され、ピストン51のピストンロッド51aがヘッド本体46の下方に突出し上盛枠35の4隅に係脱可能に当接するようになっている。
【0023】
上記のように構成した実施形態の作動を図9に示す油圧回路に基づいて説明する。マスタプレート6及び鋳枠31がローラコンベア5,30上を搬送され交換位置及び鋳枠受渡位置に夫々位置決めされ、シャトル41がシリンダ装置42により供給位置に割出し位置決めされている状態で、電磁切替弁55が右位置に切替えられ、ポンプPから供給される圧油がシリンダ装置3の下室3aに供給され、スクイズテーブル1はピストン4により上昇されて交換位置でマスタプレート6をローラコンベア5から受取る。マスタプレート6がスクイズテーブル上に載置されると、電磁切替弁56が左位置に切替わり圧油が同調シリンダ57の隔壁で相互に隔離された4個のシリンダ室58の各左室58aに供給される。各シリンダ室58にはピストン59が夫々嵌合され、4個のピストン59はピストンロッド60で互いに連結されているので、圧油が各シリンダ室58の左室58aに供給されて4個のピストン59が右進すると、各シリンダ室58の右室58bから同量の圧油が送出され、4個のシリンダ装置11の下室11aに供給され、4個のピストン12,ピストンロッド12aが同じ距離だけ同調して上昇し、ロッド14に当接して下盛枠10を平行に前進位置まで上昇させる。ピストン59の右進端はピストンロッド60に位置調節可能に固定された停止部材61が同調シリンダ57の側壁に当接することにより規制されるので、停止部材61の位置調整により各シリンダ室58の右室58bからシリンダ装置11の下室11aに供給される圧油量が調整されて下盛枠10の前進位置が設定される。下盛枠10が前進位置に上昇されると電磁切替弁56は中立位置に切替えられ、同調シリンダ57の各左室58aは、レリーフ弁63を介してタンクに連通される。これにより下盛枠10は、下方に押圧する力が一定値以上になりシリンダ装置11の各下室11aから排出される圧油延いては同調シリンダ57の各左室58aから送出される圧油がレリーフ弁63のレリーフ圧以上になるまでは前進位置に保持される。
【0024】
スクイズテーブル1はシリンダ装置3により更に上昇され、シリンダ装置11によって前進位置に上昇された下盛枠10が鋳枠31を鋳枠受渡位置でローラコンベア30から鋳枠当接面15上に受取り、鋳枠31が上盛枠35を上面に載せて重合枠36を構成した後に、電磁切替弁55が中立位置に切替わり、シリンダ装置3の上下室3a,3bがブロックされてスクイズテーブル1は鋳物砂供給位置で一旦停止する。スクイズテーブル1の上方に割出し位置決めされている鋳物砂供給装置40が作動し、下盛枠10がシリンダ装置11によって前進位置に位置された状態で重合枠36内に所定量の鋳物砂62が供給、充填される(図3)。
【0025】
重合枠36内に鋳物砂62の充填が完了すると、シャトル41がシリンダ装置42によりスクイズ位置に割出され、スクイズヘッド45がスクイズテーブル1と対向する。そして、スクイズテーブル1又はスクイズヘッド45を互いに接近させて鋳物砂62をスクイズして鋳型を造型する。
【0026】
即ち、電磁切替弁65,66を左位置に切替えてシリンダ50の上室50aをタンクに連通し、ピストン51、ピストンロッド51aを自由後退可能として上盛枠35延いては重合枠36のスクイズヘッド45に対する相対的上方移動を許容する状態にする。電磁切替弁67を左位置に切替えて全シリンダ47の上室47aをレリーフ弁69を介してタンクに連通し、電磁切替弁68を右位置に切替えてシリンダ70の右室70bをタンクに連通する。この状態でスクイズテーブル1がシリンダ装置3により上昇されスクイズヘッド45に接近されると、重合枠36内に充填された鋳物砂62が一緒に上昇されるので、ピストン51はピストンロッド51aと上盛枠35との当接により上方に移動される。加圧ヘッド49が鋳物砂62に押されて上昇し、ピストン48が上昇すると全シリンダ47の上室47aから送出される圧油はシリンダ70の左室70aに供給され、シリンダ70の右室70bから送出される圧油は電磁切替弁68を介してタンクに排出される。シリンダ70に嵌合するピストン71が右進端まで移動すると全シリンダ47の上室47aを互いに連通してシリンダ70の左室70aに接続する管路はブロックされるので、各加圧ヘッド49は鋳物砂62上面の硬さに応じて若干進退するが、複数のピストン48は全体として上方移動を規制されるので、スクイズテーブル1の上昇により重合枠36内の鋳物砂62が各加圧ヘッド49により背面側予備スクイズ圧力0.2乃至0.35MPaで背面側予備スクイズされる(図4)。これによりシリンダ装置3の下室3a内の圧力が上昇し、この下室3aに圧油を供給する配管途中に接続された圧力センサ72により下室3a内の圧力が第1所定圧力に達したことが検出されると、電磁切替弁65が右位置に切替わり模型面側スクイズに移行する。第1所定圧力は、各加圧ヘッド49が鋳物砂62を加圧する背面側予備スクイズ圧力を0.2乃至0.35MPa発生させるために必要なシリンダ装置3の下室3a内の圧力である。多数の実験を重ねた結果、背面側予備スクイズ圧力を0.2乃至0.35MPaにすると、鋳物砂62のコンパクタビリティを低くし過ぎることなく、且つ鋳物砂のコンパクタビリティのバラツキを減少させた状態で、鋳物砂の圧縮割合が大きい模型面側スクイズを安定して行うことができることを習得した。
【0027】
電磁切替弁65が右位置に切替わるとシリンダ50の上室50aがブロックされてピストン51、ピストンロッド51aの後退が規制され、上盛枠35延いては重合枠36のスクイズヘッド45に対する相対的な上方移動が規制される。この状態でスクイズテーブル1はシリンダ装置3により更に上昇され、下盛枠10がマスタプレート6に対し後退位置に相対的に後退する(図5)。即ち、後退を規制されたピストンロッド51aと当接する上盛枠35及びこれと重合する鋳枠31、下盛枠10は上昇を規制されているので、スクイズテーブル1の上昇によりマスタプレート6の下面フランジ部22から上方に立設した各係止部材21の頭部が下盛枠10の各有底穴20の底部に当接するまでマスタプレート6が下盛枠10に対し相対的に上昇し、下盛枠10は鋳枠当接面15と模型定盤9の盤面16とが一致する後退位置にマスタプレート6に対して相対的に後退される。これにより加圧ヘッド49により後退を規制された鋳物砂62は模型8及び模型定盤9により下盛枠10の前進位置と後退位置との間の距離である鋳枠31の厚さの15乃至25%の距離だけ模型面側スクイズされる。このとき、下盛枠10を進退させるシリンダ装置11の進退移動を制御する電磁切替弁56は中立位置に切替えられているので、下盛枠10がスクイズテーブル1に対して強制的に後退され、各シリンダ装置11の下室11a延いては同調シリンダ57の各左室58aから送出される圧油はその圧力がレリーフ弁63のレリーフ圧より大きくなってレリーフ弁63からタンクに排出される。
【0028】
背面側予備スクイズにより鋳物砂62のコンパクタビリティのバラツキが減少されているので、模型面側スクイズにおいて、鋳物砂62のコンパクタビリティが低く過ぎて下盛枠10が後退位置に後退する前に、スクイズヘッド45に設けたシリンダ47の上室47a内の圧力がレリーフ弁69のレリーフ圧以上になることは殆どないが、万一、上室47a内の圧力がレリーフ弁69のレリーフ圧以上になるとピストン48、加圧ヘッド49が後退し、鋳物砂62、模型定盤9が上昇して下盛枠10は鋳枠当接面15と模型定盤9の盤面16とが一致する後退位置に後退する。下盛枠10が後退位置に後退すると、スクイズテーブル1の上昇が規制され、シリンダ装置3の下室3a内の圧力は上昇する。この下室3a内の圧力上昇が圧力センサ72により検出されると、電磁切替弁65が左位置に切替わり背面側スクイズに移行する。
【0029】
電磁切替弁65が左位置に切替わるとシリンダ50の上室50aがタンクに連通し、ピストン51、ピストンロッド51aを自由後退可能として上盛枠35延いては重合枠36のスクイズヘッド45に対する相対的上方移動を許容する状態にし、電磁切替弁67を右位置に切替えてレリーフ弁69をチェック弁73、減圧弁74を介してポンプPに連通する。ポンプPから吐出される圧油は減圧弁74により低圧に減圧されているが、模型面側スクイズ終了後のシリンダ47の上室47aから減圧弁74に圧油が逆流することは逆止弁73により阻止される。この状態でスクイズテーブル1がシリンダ装置3により更に上昇され、スクイズテーブル1の上昇により、重合枠36内の鋳物砂62が加圧ヘッド49により背面側スクイズ圧力0.7乃至1.5MPaで背面側スクイズされる(図6)。これによりシリンダ装置3の下室3a内の圧力が上昇し、この下室3aに圧油を供給する配管途中に接続された圧力センサ72により下室3a内の圧力が第2所定圧力に達したことが検出されると、背面側スクイズは完了する。第2所定圧力は、各加圧ヘッド49が鋳物砂62を加圧する背面側スクイズ圧力を0.7乃至1.5MPa発生させるために必要なシリンダ装置3の下室3a内の圧力である。多数の実験を重ねた結果、背面側スクイズ圧力を0.7乃至1.5MPaにすると、鋳枠の厚さの15乃至25%の距離だけ鋳物砂62を模型面側スクイズした場合の鋳型の模型面側の強度との整合性が極めてよくなり、強度が高く且つ各部位の強度のバラツキが少ない鋳型を造型できることを習得した。
【0030】
背面側スクイズが完了すると、スクイズテーブル1はシリンダ装置3により下降され、鋳枠31が上盛枠35から離れる。電磁切替弁56が左位置に切替わり、圧油が同調シリンダ57の各左室58aに供給され、各右室58bから送出される圧油がシリンダ装置11の下室11aに供給される。これにより下盛枠10が前進位置に上昇され、鋳枠当接面15に載置された鋳枠31もマスタプレート6、模型定盤9、模型8に対して相対的に上昇されるので、鋳枠31がローラコンベア30に上に受け渡される前に、模型8は鋳枠31内に形成された鋳型から離型する(図7)。
【0031】
スクイズテーブル1は更に下降され、下盛枠10はローラコンベア30上に載置された鋳枠31から離れる。鋳枠31はローラコンベア30により図略の注湯ステーションに搬送される。スクイズテーブル1が下降端に下降される前に、マスタプレート6はローラコンベア5上に受け渡される(図8)。
【0032】
スクイズテーブル1が下降端に位置すると、電磁切替弁55を中立位置に切替えてシリンダ装置3を停止させ、電磁切替弁56を右位置に切替えてシリンダ装置11のピストン12を下降端に戻し、電磁切替弁65,66を右位置に切替えてピストン51を下降端に復帰させ、電磁切替弁68を左位置に切替えてピストン71を左進端に、各ピストン48を下降位置に戻す。そして、先に上型の鋳型を造型したのであれば、次は下型用の模型8が取付けられたマスタプレート6が交換位置に位置決めされ、空の鋳枠31が鋳枠受渡位置に位置決めされ、前述のサイクルが繰返される。
【0033】
次に、本発明に係る鋳型造型方法と従来の方法で鋳型を造型し、両方法で造型した鋳型の強度を測定したテスト結果について説明する。テストには4個の円板状の模型8を取付けた模型定盤9を使用して図10(a)に示すような鋳型を造型し、図10(b)に示す1乃至9の部位における鋳型の硬さを測定して比較した。比較した鋳型は、本発明方法で造型した鋳型と従来方法で造型した鋳型である。本発明方法では、鋳枠厚さの20%の距離だけ模型面側スクイズし、従来方法では、鋳枠厚さの10%の距離だけ模型面側スクイズした。模型面側スクイズの距離以外の条件については、本発明方法で造型した鋳型は上記実施形態の説明で示した条件とし、従来方法で造型した鋳型は背面スクイズの圧力は本発明方法で造型した鋳型と同じ圧力としたが、背面側予備スクイズの圧力は最大の鋳型強度が得られるように0.4乃至0.5MPaとした。このようにして造型した鋳型の各部位、即ち鋳枠と模型間の部位1,4、模型部間の部位2,3及び、模型部の各部位5乃至9の鋳型強度の測定結果を図11に示す。図11から明らかなように、本発明方法で造型した鋳型は、従来方法で造型した鋳型に比して、各部位で鋳型強度が向上しており、特に従来方法で造型した鋳型において鋳型強度が他の部位に比して低かった鋳枠の壁面に近い部位1,2,4,6,9の鋳型強度が著しく向上し、鋳型の各部位における強度のバラツキが極めて小さくなった。これにより注湯時に鋳型の強度が不足する部位で溶湯圧力により局部的に膨らむ現象が解消され、寸法精度の高い鋳物製品を鋳造することができるようになった。
【0034】
なお、鋳枠31厚さの30%の距離だけ模型面側スクイズした場合、この距離だけ鋳物砂を圧縮させることができず、模型面側スクイズにより正常な状態で模型定盤9の盤面16を鋳枠当接面15と一致させることができなかた。また、鋳枠31の側壁部近傍の鋳型強度が局部的に上昇し、中央部の鋳型強度との差が著しく大きくなり、鋳型全体の強度のバラツキが却って大きくなった。
【0035】
上記実施形態では、シリンダ装置3によるスクイズテーブル1の上昇移動により、背面側予備スクイズ、模型面側スクイズ、背面側スクイズの全てを行っているが、スクイズヘッド45をシリンダ装置を介してシャトル41に取付け、スクイズテーブル1が図3に示す鋳物砂供給位置に停止され、積み重ねられた下盛枠10、鋳枠31、上盛枠35に鋳物砂が充填されると、シャトル41をスクイズ位置に割出してスクイズヘッド45をスクイズテーブル1に対向させ、その後、スクイズヘッド45をシリンダ装置により下降してスクイズテーブル1に接近させ、背面側予備スクイズ、模型面側スクイズ、背面側スクイズを行うようにしてもよい。
【0036】
上記実施形態では、シリンダ装置31、ロッド14等で下盛枠10を進退させる下盛枠進退装置17を構成しているが、図12に示すように、マスタプレート6の下方フランジ部22の上面と下盛枠10の下面との間に圧縮スプリング80を介装し、マスタプレート6の下方フランジ部22に穿設した段付き孔81に嵌合し圧縮スプリング80を貫通して上方に延在するロッド82の上端を下盛枠10の下面に固定し、このロッド82の下端に設けた大径の停止部83が段付き孔81の肩部に当接することにより下盛枠10を前進端に位置決めするようにして下盛枠進退装置17を構成してもよい。この場合、圧縮スプリング80の撥力により下盛枠10は前進位置に前進され、重合枠36のスクイズヘッド45に対する相対的な上方移動を規制された状態でスクイズテーブル1が上昇されることにより、下盛枠10が圧縮スプリング80の撥力に抗して後退位置に後退される。
【0037】
上記実施形態では、スクイズテーブル1にマスタプレート6を着脱可能に載置し、マスタプレート交換装置7によりマスタプレート6を交換可能としているが、同一模型の鋳型を多数造型する場合は、マスタプレート6の交換を行わないようにし、スクイズテーブル1とマスタプレート6とを一体で構成するようにしてもよい。
【0038】
上記実施形態では、スクイズヘッド45を複数の加圧ヘッド49を備えたマルチセグメントヘッドとしたが、鋳枠31の内側と略同形の単一のヘッドとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳型造型装置を示す図である。
【図2】マスタプレートの一部拡大断面図である。
【図3】鋳物砂を重合枠内に充填した状態を示す図である。
【図4】背面側予備スクイズを行っている状態を示す図である。
【図5】模型面側スクイズを行っている状態を示す図である。
【図6】背面側スクイズを行っている状態を示す図である。
【図7】離型状態を示す図である。
【図8】1サイクル完了時の状態を示す図である。
【図9】本発明に係る鋳型造型装置の油圧回路図である。
【図10】鋳型強度の比較を行うために本発明方法と従来方法とで造型した鋳型を示す図である。
【図11】本発明方法と従来方法とで造型した鋳型の各部位の強度を示す図である。
【図12】下盛枠進退装置の第2の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1…スクイズテーブル、2…装置本体、3,11,42…シリンダ装置、6…マスタプレート、7…マスタプレート交換装置、8…模型、9…模型定盤、10…下盛枠、15…鋳枠当接面、16…盤面、17…下盛枠進退装置、31…鋳枠、32…鋳枠受渡装置、35…上盛枠、36…重合枠、40…鋳物砂供給装置、41…シャトル、45…スクイズヘッド、49…加圧ヘッド、50…シリンダ、51…ピストン、55,56,65,66,67,68…電磁切替弁、57…同調シリンダ、63,69…レリーフ弁、72…圧力センサ。

Claims (6)

  1. 模型を取付けた模型定盤が固定されたスクイズテーブルと前記模型定盤を取り囲む下盛枠とを相対的に移動可能に嵌合し、前記下盛枠の鋳枠当接面に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、スクイズヘッドをスクイズテーブルに対向して相対的に移動可能に装置本体に設け、鋳枠当接面が模型定盤の盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置するように前記スクイズテーブルと下盛枠とを相対的に位置決めした状態で前記重合枠に鋳物砂を供給し、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及び前記スクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズテーブルを前記盤面と鋳枠当接面とが一致するまで前記重合枠及び前記スクイズヘッドに相対的に接近させて模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及び前記スクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることを特徴とする鋳型造型方法。
  2. 請求項1に記載の鋳型造型方法において、前記背面側予備スクイズ圧力が0.2乃至0.35MPaであり、背面側スクイズ圧力が0.7乃至1.5MPaであることを特徴とする鋳型造型方法。
  3. 模型を取付けた模型定盤が固定されたスクイズテーブルと前記模型定盤を取り囲む下盛枠とを相対的に移動可能に嵌合し、前記下盛枠の鋳枠当接面に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、スクイズヘッドをスクイズテーブルに対向して相対的に移動可能に装置本体に設け、前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを互いに進退させる駆動装置を設け、鋳枠当接面が模型定盤の盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置するように前記スクイズテーブルと下盛枠とを相対的に位置決めした状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズテーブルを前記盤面と鋳枠当接面とが一致するまで前記重合枠及びスクイズヘッドに相対的に接近させて前記鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドを前記重合枠及びスクイズテーブルに相対的に接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることを特徴とする鋳型造型装置。
  4. 駆動装置により造型経路に沿って互いに対向して相対的に進退移動されるスクイズテーブルとスクイズヘッドとを装置本体に設け、前記スクイズテーブルとの間で鋳枠を受け渡しする鋳枠受渡装置を前記造型経路内に設け、上盛枠を該鋳枠受渡装置と前記スクイズヘッドとの間で造型経路に沿って移動可能に設け、下盛枠を模型が取付けられた模型定盤を囲んで前記経路方向に進退可能にスクイズテーブルに設け、前記下盛枠を鋳枠当接面が前記模型定盤の盤面と一致する後退位置と前記盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置を前記スクイズテーブルに設け、前記駆動装置によるスクイズテーブルの前進に連れて順次積み重ねられた下盛枠と鋳枠と上盛枠とで重合枠を構成し、前記下盛枠が前進位置に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを前記駆動装置により互いに接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を規制した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを前記駆動装置により前記下盛枠が後退位置に後退するまで互いに接近させて前記鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズテーブル及びスクイズヘッドを前記駆動装置により互いに接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることを特徴とする鋳型造型装置。
  5. 模型を取付けた模型定盤が固定され該模型定盤を取り囲む下盛枠を移動可能に嵌合されたスクイズテーブルを装置本体に設け、前記スクイズテーブルに向かって駆動装置により進退移動されるスクイズヘッドを装置本体に装架し、前記下盛枠を鋳枠当接面が前記模型定盤の盤面と一致する後退位置と前記盤面より鋳枠厚さの15乃至25%の距離だけ模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置を前記スクイズテーブルに設け、前記下盛枠の鋳枠当接面上に鋳枠及び上盛枠を順次積み重ねて重合枠を構成し、前記下盛枠が前進位置に位置する状態で前記重合枠に鋳物砂を供給する装置を設け、鋳物砂の供給後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズヘッドを前記スクイズテーブルに前記駆動装置により接近させて鋳物砂を背面側予備スクイズ圧力で背面側予備スクイズし、前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を規制した状態で前記スクイズヘッドを前記駆動装置により前記スクイズテーブルに前記下盛枠が後退位置に後退するまで接近させて前記鋳物砂を模型面側スクイズし、該模型面側スクイズの終了後に前記スクイズヘッドと前記重合枠との相対移動を許容した状態で前記スクイズヘッドを前記駆動装置により前記スクイズテーブルに接近させて鋳物砂を前記背面側予備スクイズ圧力より高い背面側スクイズ圧力で背面側スクイズすることを特徴とする鋳型造型装置。
  6. 請求項3又は請求項5に記載の鋳型造型装置において、前記背面側予備スクイズ圧力が0.2乃至0.35MPaであり、背面側スクイズ圧力が0.7乃至1.5MPaであることを特徴とする鋳型造型装置。
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