JP5995542B2 - 鋳型造型方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高さが異なる2種類以上の鋳枠を用いて鋳型を造型するとともに、鋳型の背面側からと模型面側からとの両面からスクイズを行う造型方法及びその方法を実施するための鋳型造型装置に関する。
従来、造型設備を計画するにあたり、造型に使用する鋳枠の丈は、最も生産量の多い製品に対応する高さ(模型の丈)のものが鋳枠の丈として決定される。そして、生産量が多い製品に対応する丈の鋳枠のグループから外れる鋳枠を使用して造型するものは、別の造型設備で生産される。しかし、異なった丈の鋳枠毎に、それぞれ造型設備を使用して造型すると、投資に必要な設備コストが増加するとともに、使用されずに遊んでしまう造型設備を生じるため、製造コストの増大を招く。
そのため、1台の造型装置で、高低の模型の丈に対応した丈の異なる2種類の鋳枠を用いて造型することが考えられた。そのような造型を行う造型装置として特許文献1には、鋳型造型ステーションと鋳型造型ヘッドとの空間に丈の高い厚枠用盛枠と交互に出入り可能に配設された丈の低い薄枠用盛枠と、鋳型造型ステーションの上方における薄枠用盛枠と鋳型造型ヘッドとの空間に出入り可能に配設されたスペース保持装置とを含み、スペース保持装置が、水平方向に往復動可能な台車と、該台車に上下に摺動自在に取り付けられて鋳型造型ヘッドの下面および薄枠用盛枠の上面の少なくとも4隅位置に対応するスペーサとを含むものが記載されている。
これは、鋳砂の盛量が少ない薄鋳枠(丈の低い低鋳枠)および薄枠用盛枠を使用した時に、スクイズフートの下降範囲に入るおそれのある模型の損傷防止のため、薄枠用盛枠と鋳型造型ヘッドの間にスペーサを介在させることで、スクイズフートの下降端でも模型が接触しないようにするものである。これによって、厚鋳枠(丈の高い高鋳枠)と薄鋳枠とを同じ造型装置で使用して造型することを可能にする。
特許第3264418号公報
しかし、特許文献1の造型装置では、丈の異なる模型に対応させるために造型ステーションの上方に薄鋳枠用盛枠と厚鋳枠用盛枠とを交互に出入り可能に配設するための特別な装置が必要となり、設備コストを増大させるという問題があった。また、鋳枠(重合枠)内に装填された鋳物砂を背面からのみスクイズするものであり、模型面側の鋳型強度が十分に確保されず高品質の鋳型を造型できないという問題があった。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、特別な設備装置を使用することなく丈の異なる模型に対応する丈の異なる鋳枠を使用して、容易に高品質の鋳型を造型することができる造型方法およびその造型方法を使用した装置を提供することである。
請求項1に係る発明の構成上の特徴は、造型経路に沿って互いに対向して相対的に駆動装置により進退移動されるスクイズテーブル及びスクイズヘッドと、前記スクイズテーブルに載置されて昇降され模型が上面に取付けられたマスタープレートと、前記模型を囲んで前記造型経路方向に移動可能に前記マスタープレートに設けられた下盛枠と、該下盛枠上に載置可能な鋳枠と、該鋳枠上に載置可能な上盛枠と、が順に重ねられた重合枠と、前記スクイズヘッドに設けられ、ピストン部の下端が前記上盛枠の上端面に当接して前記上盛枠の前記スクイズヘッドに対する相対的な上方移動を規制可能とするシリンダ機構を有する上盛枠ストッパと、前記下盛枠をその上端面が前記マスタープレートの上面に一致する後退位置と前記上面より模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置と、を備えた鋳型造型装置において、前記上盛枠として、丈の高い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた高模型用鋳枠と丈の低い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた低模型用鋳枠とに共通して使用される丈の低い薄上盛枠を配置する工程と、前記マスタープレートに設けられた前記下盛枠に前記鋳枠および前記薄上盛枠を重ねる重合枠形成工程と、を備え、前記スクイズテーブル上面に、前記丈の低い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記低模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、
前記下盛枠進退装置により、前記後退位置に位置決めされた低模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決めする下盛枠位置決め工程と、前記下盛枠が前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上端面まで鋳物砂を投入する鋳物砂投入工程と、前記下盛枠進退装置により、前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定する模型面スクイズ代設定工程と、前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズする予備スクイズ工程と、前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズする模型面スクイズ工程と、前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする背面スクイズ工程と、を備えた低模型用鋳枠使用の鋳型製造工程を実行し、前記スクイズテーブル上面に、前記丈の高い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記高模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、前記下盛枠進退装置により、前記前進位置に位置決めされた高模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決めする下盛枠位置決め工程と、前記下盛枠が前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上端面まで鋳物砂を投入する鋳物砂投入工程と、前記下盛枠進退装置により、前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定する模型面スクイズ代設定工程と、前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズする予備スクイズ工程と、前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズする模型面スクイズ工程と、前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする背面スクイズ工程と、を備えた高模型用鋳枠使用の鋳型製造工程を実行することである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、造型経路に沿って互いに対向して相対的に駆動装置により進退移動されるスクイズテーブル及びスクイズヘッドと、前記スクイズテーブルに載置されて昇降され模型が上面に取付けられたマスタープレートと、前記模型を囲んで前記造型経路方向に移動可能に前記マスタープレートに設けられた下盛枠と、該下盛枠上に載置可能な鋳枠と、該鋳枠上に載置可能な上盛枠と、が順に重ねられた重合枠と、前記スクイズヘッドに設けられ、ピストン部の下端が前記上盛枠の上端面に当接して前記上盛枠の前記スクイズヘッドに対する相対的な上方移動を規制可能とするシリンダ機構を有する上盛枠ストッパと、前記下盛枠をその上端面が前記マスタープレートの上面に一致する後退位置と前記上面より模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置と、を備えた鋳型造型装置において、前記上盛枠として、丈の高い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた高模型用鋳枠と丈の低い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた低模型用鋳枠とに共通して使用される丈の低い薄上盛枠を配置する配置部と、前記マスタープレートに設けられた前記下盛枠に前記鋳枠および前記薄上盛枠を重ねる重合枠形成装置と、を備え、前記スクイズテーブル上面に、前記丈の低い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記低模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、前記下盛枠進退装置により、前記後退位置に位置決めされた低模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決め、前記下盛枠が前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上面まで鋳物砂を投入、前記下盛枠進退装置により、前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズし、前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズ前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする低模型用鋳枠使用の鋳型製造制御部と、前記スクイズテーブル上面に、前記丈の高い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記高模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、前記下盛枠進退装置により、前記前進位置に位置決めされた高模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決め記下盛枠が前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上面まで鋳物砂を投入、前記下盛枠進退装置により、前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズし、前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズ前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする高模型用鋳枠使用の鋳型製造制御部と、を備えたことである。
請求項1に係る発明によると、下盛枠位置決め工程により、丈の低い模型が取り付けられたマスタープレートに対応して下盛枠を位置決めする低模型用下盛枠位置、および丈の高い模型が取り付けられたマスタープレートに対応して下盛枠を位置決めする高模型用下盛枠位置を選択して行なう。これによって、例えば、丈の低い模型に対応して使用される先に選択された薄上盛枠と丈の高い高鋳枠とを含んで構成された重合枠(丈の高い模型を使用したもの)に対して、マスタープレートに対する下盛枠の位置を高模型用下盛枠位置とすることで重合枠の容量を増加させるので、薄上盛枠を使用することで不足する量を補って鋳物砂を投入することができる。そして、模型面スクイズ代設定工程により、低模型用下盛枠位置または高模型用下盛枠位置に位置決めされた下盛枠を模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定することで、マスタープレートに対するいずれの下盛枠の位置からでも模型面スクイズを行なう準備を行なうことができる。そして、模型面スクイズ工程により、模型面側から鋳物砂をスクイズすることにより、模型面側の鋳型の強度を確保し、背面スクイズ工程により、背面側からスクイズすることにより背面側の鋳型の強度を確保することができる。
このように、丈の異なる模型に対応させて、丈の高い高鋳枠または丈の低い低鋳枠を選択し、選択された丈の高い高鋳枠または丈の低い低鋳枠に対応させて下盛枠のマスタープレートに対する位置を位置決めすることで、重合枠に投入される鋳物砂の量を調節できるので、特別な設備装置を使用することなく丈の異なる鋳枠を使って、容易に高品質の鋳型の造型を行うことができる。
請求項2に係る発明によると、下盛枠位置決め制御部により、丈の低い模型が取り付けられたマスタープレートに対応して下盛枠を位置決めする低模型用下盛枠位置、および丈の高い模型が取り付けられたマスタープレートに対応して下盛枠を位置決めする高模型用下盛枠位置を選択して行なう。これによって、例えば、丈の低い模型に対応して使用される先に選択された薄上盛枠と丈の高い高鋳枠とを含んで構成された重合枠(丈の高い模型を使用したもの)に対して、マスタープレートに対する下盛枠の位置を高模型用下盛枠位置とすることで重合枠の容量を増加させるので、薄上盛枠を使用することで不足する量を補って鋳物砂を投入することができる。そして、模型面スクイズ代設定部により、低模型用下盛枠位置または高模型用下盛枠位置に位置決めされた下盛枠を模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定することで、マスタープレートに対するいずれの下盛枠の位置からでも模型面スクイズを行なう準備を行なうことができる。そして、模型面スクイズ制御部により、模型面側から鋳物砂をスクイズすることにより、模型面側の鋳型の強度を確保し、背面スクイズ制御部により、背面側からスクイズすることで背面側の鋳型の強度を確保することができる。
このように、丈の異なる模型に対応させて、丈の高い高鋳枠または丈の低い低鋳枠を選択し、選択された丈の高い高鋳枠または丈の低い低鋳枠に対応させて下盛枠のマスタープレートに対する位置を位置決めすることで、重合枠に投入される鋳物砂の量を調節できるので、特別な設備装置を使用することなく丈の異なる鋳枠を使って、容易に高品質の鋳型の造型を行う造型装置を提供することができる。
低鋳枠を使用した本発明の鋳型造型装置の第1の実施形態の全体概要を示す側面図。 重合枠の形成工程を示す図。 制御系統、データ送信系統を示すブロック図。 作動工程を示すフローチャート。 低模型用下盛枠位置への位置決めおよび鋳物砂投入工程を示す図。 模型面スクイズ前進位置への位置決め工程を示す図。 予備スクイズ工程を示す図。 模型面スクイズ工程を示す図。 背面側からの背面スクイズ工程を示す図。 脱型工程を示す図。 高鋳枠を使用した第1の実施形態の全体概要を示す側面図。 重合枠の形成工程を示す図。 高模型用下盛枠位置への位置決めおよび鋳物砂投入工程を示す図。 模型面スクイズ前進位置への位置決め工程を示す図。 予備スクイズ工程を示す図。 模型面スクイズ工程を示す図。 背面側からの背面スクイズ工程を示す図。 脱型工程を示す図。 第2実施形態における低模型用下盛枠位置への位置決めおよび鋳物砂投入工程を示す図。 模型面スクイズ前進位置への位置決め工程を示す図。 予備スクイズ工程を示す図。 模型面スクイズ工程を示す図。 背面側からの背面スクイズ工程を示す図。 脱型工程を示す図。
本件発明にかかる鋳型造型装置を使用した第1の実施形態を図に基づいて以下に説明する。鋳型造型装置2は、模型18が上面に載置された模型定盤4と、模型定盤4を上面に固定したマスタープレート12を上下方向の造型経路に沿って昇降させるスクイズテーブル6と、マスタープレート12を囲む下盛枠8と、下盛枠8上に載置される鋳枠10と、鋳枠10上に載置される上盛枠14と、下盛枠8の上端面8aがマスタープレート12の上面12aと一致する後退位置RPと、下盛枠8の上端面8aをマスタープレート12の上面12aより模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置20と、下盛枠8、鋳枠10および上盛枠14を重ねて形成する重合枠22が形成する造型空間に鋳物砂24を投入する鋳物砂投入装置26と、スクイズテーブル6に上方で対向する位置に割り出されてスクイズテーブル6の上昇により前記造型空間内の鋳物砂24を背面側からスクイズするスクイズヘッド28とを有し、スクイズテーブル6、スクイズヘッド28および下盛枠進退装置20の駆動を制御する作動制御装置29を備えている。
スクイズテーブル6は、断面長方形に形成され、装置本体30に固定された下部シリンダ装置(駆動装置)32のピストン部32aの上端に固定されて上下方向に進退するようになっている。下部シリンダ装置32は、シリンダ部32bの上部および下部に連通し、下部シリンダ装置32を駆動させる油圧ポンプ34が設けられている。油圧ポンプ34からの油圧の供給は油圧ポンプ34と下部シリンダ装置32との間に設けられた電磁切替弁36によって制御される。下部シリンダ装置32の下部に連通する部分と電磁切替弁36との間には圧力センサ38が設けられ、この圧力センサ38により模型定盤4に生ずる圧力を検知する。
作動制御装置29は、図3に示すように、演算部、記憶部、制御部を有し、圧力センサ38の検出する圧力値、第2軸部材42の突出量を検出する変位量検出センサ41やピストン部32aの突出量を検出する位置センサ(図略)の変位値に基づいて電磁切替弁36,50,72,74を作動させることで、下部シリンダ装置32、下部油圧シリンダ40、上盛枠ストッパ68等の駆動を制御する。この作動制御装置29により、下盛枠位置決め制御部、模型面スクイズ代設定部、予備スクイズ制御部、模型面スクイズ制御部等が構成される。
例えば、作動制御装置29が、電磁切替弁36を右側位置36Rに切り替えると、下部シリンダ装置32のシリンダ部32bの下部が、油圧ポンプ34に連通し、ピストン部32aを前進させてスクイズテーブル6を上昇させる。上昇させる圧力は、圧力センサ38の検出値に基づいて調節される。作動制御装置29が、電磁切替弁36を左側位置36Lに切り替えると、シリンダ部32bの上部が油圧ポンプ34に連通し、シリンダ部32bの下部がドレインに連通することで、ピストン部32aを後退させてスクイズテーブル6を下降させる。作動制御装置29が、電磁切替弁36を中央位置36Cに切り替えると、ピストン部32aの進退がブロックされ、スクイズテーブル6は、位置決めされた位置で保持される。
スクイズテーブル6の四隅には、下盛枠進退装置20の一部を構成する下部油圧シリンダ40が配設されている。下部油圧シリンダ40は有底で天部にガイド穴を備え、ガイド穴には下部に鍔部を備えた第2軸部材42が上下動可能に嵌挿されている。第2軸部材42は下部油圧シリンダ40の最下端に後退した時に、第2軸部材42の先端位置がスクイズテーブル6の上面に略一致するようになっている。また、第2軸部材42の下部油圧シリンダ40からの突出量は、前述の変位量検出センサ41により検出され、作動制御装置29にフィードバックされる。下部油圧シリンダ40は、上部および下部において油圧ポンプ44に連通されている。油圧ポンプ44と下部油圧シリンダ40との間には圧力調節油圧回路としてチェック弁46が並設されたリリーフ弁48と、電磁切替弁50とが設けられている。電磁切替弁50が右側位置50Rに切り替えられると、下部油圧シリンダ40の下部が圧力調節油圧回路を介して油圧ポンプ44と連通するとともに、下部油圧シリンダ40の上部がドレイン52に連通し、第2軸部材42が下部油圧シリンダ40から前進する。この場合、下部油圧シリンダ40の下部に過度な圧力が負荷されるのを圧力調節油圧回路によって調節する。圧力調節油圧回路は、このようにリリーフ弁48を使用したものに限定されず、例えばカウンタバランス弁などの圧力制御弁を利用したものでもよい。電磁切替弁50が左側位置50Lに切り替えられると、下部油圧シリンダ40の上部が油圧ポンプ44と連通するとともに、下部油圧シリンダ40の下部がドレイン52に連通し、第2軸部材42が下部油圧シリンダ40内に後退する。電磁切替弁50が中央位置50Cに切り替えられると、下部油圧シリンダ40の上部および下部がブロック位置に位置決めされ、第2軸部材42の進退が位置決めされた位置で固定される。
また、マスタープレート12の丈、模型定盤4の厚み、使用する下盛枠8の丈、後述するガイドロッド(第1軸部材)の長さのデータを作動制御装置29の記憶装置に予め入力しておくことで、下部油圧シリンダ40からの第2軸部材42の突出量を変位量検出センサ41で検出することによって、下盛枠8の上端面8aのマスタープレート12の上面12aに対する相対位置を検知できるようになっている。下部油圧シリンダ40、変位量検出センサ41および第2軸部材42により下盛枠進退装置20の主要部が構成される。
作動制御装置29は、この変位量検出センサ41が検出する変位量に基づいて電磁切替弁50を作動させ、下部油圧シリンダ40からの第2軸部材42の突出量を変化させることで、下盛枠8の上端面8aのマスタープレート12の上面12aに対する相対位置(例えば低模型用下盛枠位置(後退位置)RP、後述する、高模型用下盛枠位置FP、模型面スクイズ前進位置SFP1等)の位置決めを制御する。
スクイズテーブル6の上方には、図1に示すように、マスタープレート交換装置54が配置されている。このマスタープレート交換装置54は、図1および図2に示すように、装置本体30に設けられ、互いに平行に延在する一対のローラ支持部材とローラ支持部材の内側に対向して複数個回転自在に支承されたローラとを備えた下方ローラコンベヤ56を有している。
マスタープレート12は、直方体の下部側面の両側に突出する例えば図略のフランジ部が設けられ、フランジ部の各端部にはそれぞれストッパロッド(図略)が突設されている。これらのストッパロッドには下盛枠8が下面に形成された有底の係合穴(図略)において支持されている。このストッパロッドにより下盛枠8が、下盛枠8の上端面8aとマスタープレート12(模型定盤4)の上面12aとが面一となる後退位置RPよりもマスタープレート12に対して後退することが防止される。マスタープレート12は下方ローラコンベヤ56上で図略の停止装置によりスクイズテーブル6と対向する交換位置に位置決めされ、下部シリンダ装置32によって上昇されるスクイズテーブル6上に着脱可能に載置されるようになっている。
マスタープレート12の上面には模型18が取り付けられた模型定盤4が固定され、模型定盤4の外周には下盛枠8が模型定盤4を囲んで上下方向に進退可能に装架されている。なお、本実施形態では、マスタープレート12の上面12aと模型定盤4の上面との垂直方向の位置が一致する設定となっている。下盛枠8の四隅には第1軸部材58が下方に向かってそれぞれ突設され、各第1軸部材58はそれぞれ第2軸部材42に対向する位置に位置決めされている。各第1軸部材58は先端部がマスタープレート12の下端面に略一致するよう構成されている。マスタープレート交換装置54によりマスタープレート12が交換される際には、第2軸部材42の先端と第1軸部材58の先端との間にわずかな隙間(図略)が生ずるようになっている。この隙間によって、第1軸部材58と第2軸部材42との当接状態が解かれ、スクイズテーブル6上からマスタープレート12が外れて、下方ローラコンベヤ56上を交換のために移動可能とする。
マスタープレート交換装置54には丈の高い模型18aが取り付けられた模型定盤4を備えたマスタープレート12と丈の低い模型18bが取り付けられた模型定盤4を備えたマスタープレート12とが交互に載置されている。
マスタープレート交換装置54の上方には、鋳枠受渡装置60が配設されている。鋳枠受渡装置60は、互いに離間した状態で水平方向(マスタープレート交換装置54の下方ローラコンベヤ56と平行する方向)に延在する一対の上方ローラコンベヤ62を有している。上方ローラコンベヤ62は互いに平行に延在する一対のローラ支持部材62aとローラ支持部材62aの内側に対向して複数個回転自在に支承されたローラ62bとを備えている。この上方ローラコンベヤ62によって鋳枠10の両側下面がマスタープレート交換装置54の上方において係脱可能に支持されている。上方ローラコンベヤ62上には、丈の高い模型18aに使用される丈の高い高鋳枠(高模型用鋳枠)10aと丈の低い模型18bに使用される丈の低い低鋳枠(低模型用鋳枠)10bとが、交互に並べられている。次に型込めされる鋳枠10(図1において低鋳枠10b)は、上方ローラコンベヤ62上で図略の停止装置によりスクイズテーブル6と対向する鋳枠受渡位置に位置決めされている。そして、下部シリンダ装置32により上昇されるスクイズテーブル6上に載置されたマスタープレート12に嵌合された下盛枠8が上昇され、上方ローラコンベヤ62より低鋳枠10bを下盛枠8の上端面8aの鋳枠当接面上に受け取るようになっている。
鋳枠受渡装置60上には上盛枠支持部材64が各ローラ支持部材62aの上部より上方に突出して設けられ、上盛枠支持部材64には上盛枠が下方から支持されている。この上盛枠は、丈の低い模型18bを使用する場合に対応する丈の低い薄上盛枠14である。上盛枠支持部材64は先端にテーパ状のガイド部(図略)を備えた棒材であり、上盛枠支持部材64の先端が薄上盛枠14の下面の四隅に設けられた各支持孔(図略)に係脱可能に嵌合する。上盛枠支持部材64は高鋳枠10aの丈よりも長く形成され、高鋳枠10aまたは低鋳枠10bの上面と薄上盛枠14の下面との間で、間をあけて薄上盛枠14を支持するようになっている。鋳枠10に載置される薄上盛枠14はこの上盛枠支持部材64によって鋳枠10の上方に支持される。下部シリンダ装置32によるスクイズテーブル6の上昇につれて、下盛枠8が嵌合したマスタープレート12がスクイズテーブル6上に載置され、さらに下盛枠8上に鋳枠10(高鋳枠10a又は低鋳枠10b)、薄上盛枠14が順次重合される。下部シリンダ装置32、マスタープレート交換装置54、鋳枠受渡装置60、上盛枠支持部材64などによって重合枠形成装置の主要部が構成される。
装置本体30の上方には、水平方向に移動するシャトル装置66が設けられ、シャトル装置66には鋳物砂投入装置26とスクイズヘッド28とが並設されている。シャトル装置66は図略の油圧源に連通され、シャトル装置66と油圧源との間には図略の電磁切替弁が設けられている。この電磁切替弁の作動は、作動制御装置(シャトル位置制御部)29により制御される。鋳物砂投入装置26とスクイズヘッド28とは、シャトル装置66のシャトルシリンダ66aによって、スクイズテーブル6に鋳物砂投入装置26を対向させる砂供給位置と、スクイズテーブル6にスクイズヘッド28を対向させるスクイズ位置と、に夫々割出されて位置決めされるようになっている。
鋳物砂投入装置26は鋳物砂24を蓄える容器本体の下端部に複数枚の底板からなるシャッター(図略)を備え、シャッターは作動制御装置29により駆動が制御される図略の回動装置により水平軸線回りに夫々回動される。シャッターの底板が水平状態に回動されると鋳物砂24を蓄え、底板が垂直状態に回動されると鋳物砂24が落下する。シャトル装置66により前記砂供給位置に割出されたときに、重合された下盛枠8、鋳枠10(高鋳枠10aまたは低鋳枠10b)及び薄上盛枠14に鋳物砂投入装置26が対向し、計量された鋳物砂24を重合枠22内に充填する。
スクイズヘッド28は、装置本体30に固定されたものであり、重合枠22内に上方より嵌挿可能で、前記スクイズテーブル6の上昇により上昇された重合枠22内の鋳物砂24の上面を押圧するスクイズ面を有している。スクイズヘッド28の4隅には上盛枠ストッパ68が設けられている。上盛枠ストッパ68は、下方に向けて進退する下向きピストン部68aを備えた油圧シリンダ機構を有している。下向きピストン部68aの下端は、上盛枠14の上端に当接可能になっており、油圧シリンダ機構は、油圧ポンプ70に連通されている。また、油圧シリンダ機構と油圧ポンプ70の間には電磁切替弁72が設けられ、電磁切替弁72の開閉によって油圧が制御される。また、油圧シリンダ機構と電磁切替弁72の途中には電磁切替弁74が設けられ、これらの電磁切替弁72と電磁切替弁74とによって、上盛枠ストッパ68の加圧、開放、状態維持が行われる。
例えば、上盛枠ストッパ68の下向きピストン部68aを下向きに加圧させる場合、電磁切替弁72を油圧ポンプ70に連通する右側位置72Rに位置決めし、電磁切替弁74を右側位置74Rのブロック位置に位置決めする。下向きピストン部68aを圧力がかからない開放状態とする場合、電磁切替弁72を左側位置72Lのブロック位置に位置決めし、電磁切替弁74を左側位置74Lのドレイン位置に位置決めする。下向きピストン部68aを上下動しない状態維持とする場合、電磁切替弁72及び電磁切替弁74を共にブロック位置72L,74Rに位置決めする。
次に、上記のように構成された鋳型造型装置2の作動を、図4のフローチャートに基づいて以下に説明する。まず、図1及び図2に示すように、シャトル装置66によって鋳物砂投入装置26が、砂供給位置に割り出され、スクイズテーブル6の上方に対向して配置される。その際、スクイズテーブル6と鋳物砂投入装置26の間に、マスタープレート交換装置54上に載置されたマスタープレート12、マスタープレート12上に載置固定された模型定盤4、及び模型定盤4の盤面に固定された模型18が配置される。さらに、模型定盤4の上方には、鋳枠受渡装置60の受渡位置に保持された鋳枠10と上盛枠支持部材64に支持された上盛枠(薄上盛枠)14が配置される。
この実施形態においては、生産計画に基づいて、まず丈の低い模型18bを使用した丈の低い鋳型が造型されるため、作動制御装置29は、鋳枠受渡装置60において、丈の低い模型18bに対応した丈の低い低鋳枠10bが、スクイズテーブル6と対向する鋳枠受渡位置に配置される。模型18とその模型に適合する鋳枠10とは、例えば、模型定盤4に固定された模型18に付与された識別コードと鋳枠10に付与された識別コードとを、図略の識別コードリーダで読み取ることで確認し、丈の高い模型18aに対して高鋳枠10aが、丈の低い模型18bに対して低鋳枠10bが、それぞれ対応して重ねられるようになっている。
また、本実施形態において、上盛枠は、後述する丈の高い模型18aと高鋳枠10aとが、使用される造型においても共通して使用される丈の低い薄上盛枠14が選択されて上盛枠支持部材64に支持される(薄上盛枠選択工程、ステップ101以下「S101」という。)。この薄上盛枠14の選択は、例えば、予め作動制御装置29に入力された生産計画のデータに基づいて行なわれ、作動制御装置29により薄上盛枠選択部が構成される。
次に、作動制御装置29は、電磁切替弁36を右側位置36Rに切り替えることで下部シリンダ装置32を駆動させてスクイズテーブル6を上昇させ、スクイズテーブル6上にマスタープレート12を載置する。作動制御装置29は、スクイズテーブル6をさらに上昇することで、鋳枠受渡装置60から低鋳枠10bを受け取り、マスタープレート12の上面(鋳枠当接面)に低鋳枠10bを載置する。続いて、スクイズテーブル6を上昇することで、上盛枠支持部材64より薄上盛枠14を受け取って低鋳枠10bの上面に薄上盛枠14を載置する。このように、下盛枠8、低鋳枠10b及び薄上盛枠14を重ねることで、重合枠22を形成し、重合された重合枠22の内面と、模型定盤4及び丈の低い模型18bの表面とで造型空間が形成される(重合枠形成工程、S102)。
次に、作動制御装置29は、重合枠22を構成する鋳枠10が、丈の高い高鋳枠10aか、丈の低い低鋳枠10bかを識別コード或いは生産データなどによって確認する(鋳枠確認工程、S103)。
本実施形態では低鋳枠10bであると確認され、下盛枠進退装置20によって、下盛枠8を、下盛枠8の上端面8aとマスタープレート12の上面12aとが一致する後退位置(低模型用下盛枠位置)RPに下盛枠8を位置決めする(下盛枠位置決め工程、S104)。この際、作動制御装置29は、電磁切替弁50を左側位置50Lに切替え、第2軸部材42を最下端位置まで後退させる。
次に、作動制御装置29は、図5に示すように、鋳物砂投入装置26に計量されて蓄えられていた鋳物砂24を、鋳物砂投入装置26のシャッターの底板を垂直状態に回動することで造型空間内に投入する(鋳物砂投入工程、S105)。鋳物砂24は、薄上盛枠14の上端面より少し多く投入される。
続いて、作動制御装置29は、シャトル装置66のシャトルシリンダ66aの駆動により、鋳物砂投入装置26に替えてスクイズヘッド28を、スクイズテーブル6に対向する位置に割り出す。この際に、薄上盛枠14の上端面を越えて積まれた鋳物砂24は、鋳物砂投入装置26の下端部に水平に延在する図略のスクレーパによって、鋳物砂24の上面が薄上盛枠14の上端面に一致するよう掻き取られる。
次に、作動制御装置29は、図6に示すように、下盛枠進退装置20により下盛枠8を上昇させて、後工程で実施される模型面スクイズに必要なスクイズ代STを確保した模型面スクイズ前進位置SFP1に下盛枠8を位置決めする(模型面スクイズ代設定工程、S106)。この際、作動制御装置29は、電磁切替弁50を右側位置50Rに切替え、油圧ポンプ44を下部油圧シリンダ40の下部に連通させることで、第2軸部材42を最下端位置より上方に前進させ、第2軸部材42と当接する第1軸部材58を押し上げることで、下盛枠8をマスタープレート12の上面12aよりも上昇させる。模型面スクイズ代STは、例えば、作動制御装置29の記憶部に入力された鋳物砂の質、鋳物砂の粒度、鋳物砂に含まれる水分量、製作される砂型の厚み等のデータにより設定される。そして、第2軸部材42の突出量が、変位量検出センサ41によって検出されて作動制御装置29にフィードバックされることで、正確な模型面スクイズ代STが設定される。鋳物砂24は、スクイズ前であり鋳枠10bの内壁とは離れ易いため、鋳枠10bが下盛枠8とともに上昇しても、鋳物砂24の自重によってマスタープレート12上の位置で保持される。
そして、図7に示すように、下部シリンダ装置32を駆動させてスクイズテーブル6を重合枠22とともに上昇させることで、スクイズヘッド28を薄上盛枠14の上部に嵌挿させることで、鋳型の背面側から予備スクイズする(予備スクイズ工程、S107)。この際、作動制御装置29は、電磁切替弁50を中央位置50Cに切り替え、第2軸部材42の進退をブロックすることで、スクイズテーブル6の上昇に伴って重合枠22が上昇するようにする。同時に、作動制御装置29は、電磁切替弁72を左側位置72Lのブロック位置に位置決めするとともに、電磁切替弁74を左側位置74Lのドレイン位置に切り替えることで、上盛枠ストッパ68をフリー状態にする。予備スクイズのスクイズ量は、下部シリンダ装置32に設けられた位置センサ(図略)によって検出され、検出された値が作動制御装置29にフィードバックされることでスクイズ量が制御される。予備スクイズが終了してスクイズテーブル6の上昇を停止させるときには、電磁切替弁36を中央位置36Cに切り替える。
予備スクイズが終了すると、図8に示すように、作動制御装置29は、スクイズテーブル6を下部シリンダ装置32により模型面スクイズ代ST分上昇させて、模型面スクイズを行なう(模型面スクイズ工程、S108)。この際、作動制御装置29は、電磁切替弁36を右側位置36Rに切替えて下部シリンダ装置32のピストン部32aを上昇させる。また、電磁切替弁50を左側位置50Lに切り替えて第2軸部材42を後退させ、電磁切替弁72を右側位置72Rに切り替え、電磁切替弁74を右側位置74Rに切り替えることで、上盛枠ストッパ68のピストン部68aを前進させて薄上盛枠14を押圧することで重合枠22の上昇を規制する。これによって、重合枠22に対してスクイズテーブル6が相対的に上昇して、模型面スクイズがおこなわれる。このとき、下盛枠8の上端面8aはマスタープレート12の上面12aと一致する後退位置RPとなり、第2軸部材42は最下端位置まで後退する。
次に、作動制御装置29は、図9に示すように、スクイズテーブル6を同様にして下部シリンダ装置32によって上昇させる。重合枠22は、最下端位置に位置する第2軸部材42によって下方から押圧され、スクイズテーブル6とともに上昇し、スクイズヘッド82が、低鋳枠10bの上端面まで相対的に下降することで、背面側からの本スクイズをおこなう(背面スクイズ工程、S109)。この場合、作動制御装置29は、電磁切替弁72を左側位置72Lに切り替えるとともに、電磁切替弁74を左側位置74Lに切り替えることで、上盛枠ストッパ68のピストン部68aをフリー状態にして後退可能とする。作動制御装置29により背面スクイズ制御部が構成される。
次に、作動制御装置29は、電磁切替弁36を左側位置36Lに切替えてスクイズテーブル6を下部シリンダ装置32によって下降させる。図10に示すように、薄上盛枠14が上盛枠支持部材64に載置されて低鋳枠10bから離れ、低鋳枠10bが鋳枠受渡装置60に受け渡されることで、マスタープレート12から離れ脱型される(脱型工程、S110)。鋳枠受渡装置60に載置された鋳枠(鋳型を含む)10bは、上方ローラコンベヤ62により図略の注湯ステーションに搬送される。スクイズテーブル6が下降端に下降される前に、マスタープレート12はマスタープレート交換装置54上に受け渡しされる。そして、スクイズテーブル6が下降端に位置決めされる。
次に、作動制御装置29は、鋳型の生産が終了か継続かを判断する(生産終了判断工程、S111)。この場合、作動制御装置29は鋳型の生産は継続と判断し、ステップ102に移行する。
そして、図11および図12に示すように、丈の低い模型18bおよび低鋳枠10bを使用した造型に続いて、丈の高い模型18aが取付けられたマスタープレート12を交換位置に位置決めし、丈の高い高鋳枠10aを鋳枠受渡位置に位置決めする。
そして、シャトル装置66によって鋳物砂投入装置26が、砂供給位置に割り出され、スクイズテーブル6の上方に対向して配置される。スクイズテーブル6と鋳物砂投入装置26の間に、マスタープレート交換装置54上に載置されたマスタープレート12、マスタープレート12上に載置固定された模型定盤4、及び模型定盤4の盤面に固定された模型(丈の高い模型18a)18を配置する。さらに、模型定盤4の上方には、鋳枠受渡装置60の受渡位置に保持された鋳枠(高鋳枠10a)10と上盛枠支持部材64に支持された上盛枠(薄上盛枠)14とを配置する。そして、作動制御装置29は、丈の低い模型18bおよび低鋳枠10bを使用したときと同様に、重合枠22を形成する(重合枠形成工程、S102)。
次に、作動制御装置29は、鋳枠10が、丈の高い高鋳枠10aか、丈の低い低鋳枠10bかを前記識別コード或いは生産データなどによって確認する(鋳枠確認工程、S103)。
本実施形態では高鋳枠10aであると確認され、作動制御装置29は、図13に示すように、下盛枠進退装置20によって、下盛枠8の上端面8aがマスタープレート12の上面12aより模型側に前進した高模型用下盛枠位置FPに下盛枠8を位置決めする(下盛枠位置決め工程、S112)。上盛枠に薄上盛枠14を使用することによる投入される鋳物砂の不足分を、補うため、後退位置RPよりも下盛枠8を模型側に前進させた位置FPに位置決めされる。例えば、本来高鋳枠10aに対応して使用される丈の高い厚上盛枠と、使用される薄上盛枠14との丈の差分の長さが、高模型用下盛枠位置FPとして下盛枠8の上端面8aをマスタープレート12の上面12aから前進させた位置となる。第2軸部材42の突出量が、変位量検出センサ41により検出されることで、高模型用下盛枠位置FPが正確に位置決めされる。
次に、作動制御装置29は、図13に示すように、鋳物砂投入装置26に計量されて蓄えられていた鋳物砂24を、鋳物砂投入装置26のシャッターの底板を垂直状態に回動することで造型空間内に投入する(鋳物砂投入工程、S113)。鋳物砂24は、薄上盛枠14の上端面より少し多く投入される。
続いて、作動制御装置29は、シャトル装置66のシャトルシリンダ66aの駆動により、鋳物砂投入装置26に替えてスクイズヘッド28を、スクイズテーブル6に対向する位置に割り出す。この際に、薄上盛枠14の上端面を越えて積まれた鋳物砂24は、丈の低い模型18bおよび低鋳枠10bを使用したときと同様に、鋳物砂投入装置26の下端部に水平に延在する図略のスクレーパによって、薄上盛枠14の上端面に一致するよう掻き取られる。
次に、作動制御装置29は、図14に示すように、下部シリンダ装置32によりスクイズテーブル6およびマスタープレート12を上昇させて、後工程で実施される模型面スクイズに必要なスクイズ代STを確保した模型面スクイズ前進位置SFP2に下盛枠8を位置決めする(模型面スクイズ代設定工程、S114)。なお、この実施形態では、模型面スクイズ前進位置SFP2の位置決めにおいて、マスタープレート12を上昇させ、下盛枠8を相対的に後退させたが、高模型用下盛枠位置FPとの位置関係により、下盛枠8をマスタープレート12に対し、さらに前進させて位置決めする場合もある。この場合も、第2軸部材42の突出量が変位量検出センサ41によって検出され、正確な模型面スクイズ前進位置SFP2に位置決めされる。また、鋳物砂24は、スクイズ前であり鋳枠10aの内壁とは離れ易いため、高鋳枠10aが下盛枠8とともに相対的に下降しても、鋳物砂24の自重によってマスタープレート12が上昇した位置で保持される。
そして、図15に示すように、下部シリンダ装置32を駆動させてスクイズテーブル6を重合枠22とともに上昇させることで、スクイズヘッド28を薄上盛枠14の上部に嵌挿させることで、鋳型の背面側から予備スクイズする(予備スクイズ工程、S107)。予備スクイズのスクイズ量は、下部シリンダ装置32に設けられた位置センサ(図略)によって検出され、検出された値が作動制御装置29にフィードバックされることでスクイズ量が制御される。
予備スクイズが終了すると、図16に示すように、作動制御装置29は、スクイズテーブル6を下部シリンダ装置32により模型面スクイズ代ST分上昇して、模型面スクイズを行なう(模型面スクイズ工程、S108)。下盛枠8の上端面8aは、マスタープレート12の上面12aに一致する後退位置RPとなる。
次に、作動制御装置29は、図17に示すように、スクイズテーブル6を下部シリンダ装置32によって重合枠22とともに上昇させ、背面側からの本スクイズ(背面スクイズ)をおこなう(背面スクイズ工程、S109)。
次に、作動制御装置29は、図18に示すように、スクイズテーブル6を下部シリンダ装置32によって下降させる。薄上盛枠14が上盛枠支持部材64に載置されて高鋳枠10aから離れ、高鋳枠10aが造型された鋳型とともに鋳枠受渡装置60に受け渡されることで、マスタープレート12から離れる脱型がおこなわれる(脱型工程、S110)。
そして、生産計画に基づいて鋳型の生産が終了と作動制御装置29が判断すると生産を終了する(生産終了判断工程、S111)。
作動制御装置29が、鋳型の生産を継続と判断した場合には、丈の高い模型18aおよび高鋳枠10aを使用した造型に続いて、丈の低い模型18bが取付けられたマスタープレート12が交換位置に位置決めされ、低鋳枠10bが鋳枠受渡位置に位置決めされ、前述のサイクルが繰り返される。
以上の説明で明らかになったように、上記のように構成された鋳型造型装置2によると、作動制御装置29により、丈の低い模型18bが取り付けられたマスタープレート12に対応して下盛枠8を位置決めする低模型用下盛枠位置(後退位置RP)、および丈の高い模型18aが取り付けられたマスタープレート12に対応して下盛枠8を位置決めする高模型用下盛枠位置FPを選択して行なう。これによって、例えば、丈の低い模型18bに対応して使用される丈の低い薄上盛枠14と丈の高い高鋳枠10aとを含んで構成された重合枠(丈の高い模型を使用したもの)22に対して、マスタープレート12に対する下盛枠8の位置を高模型用下盛枠位置FPとすることで重合枠22の容量を増加させるので、薄上盛枠14を使用することで不足する量を補って鋳物砂24を投入することができる。なお、丈の低い模型18bに対応して使用される丈の低い薄上盛枠14と丈の低い低鋳枠10bとを含んで構成された重合枠(丈の低い模型を使用したもの)22については、通常の後退位置RPで鋳物砂24の投入が行なわれる。
そして、模型面スクイズ代設定部29により、低模型用下盛枠位置RPまたは高模型用下盛枠位置FPに位置決めされた下盛枠8を模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置SFP1,SFP2に位置決め設定することで、マスタープレート12に対するいずれの下盛枠8の位置からでも模型面スクイズを行なう準備を行なうことができる。そして、背面側から予備的にスクイズする予備スクイズ制御部29により、模型面スクイズ時のつき固まりの均一性を担保し、模型面スクイズ制御部29により、模型面側から鋳物砂24をスクイズすることにより、模型面側の鋳型の強度を確保することができる。
このように、丈の異なる模型18に対応させて、丈の高い高鋳枠10aまたは丈の低い低鋳枠10bを選択し、選択された丈の高い高鋳枠10aまたは丈の低い低鋳枠10bに対応させて下盛枠8のマスタープレート12に対する位置を位置決めすることで、重合枠22に投入される鋳物砂24の量を調節できるので、特別な設備装置を使用することなく丈の異なる鋳枠10を使って、容易に高品質の鋳型の造型を行う造型装置を提供することができる。
なお、スクイズ作業において、予備スクイズを行ってから、模型側から行なう模型面スクイズと模型の背面側から行なう背面からの本スクイズ(背面スクイズ)とをおこなうものとしたが、模型の形状や鋳物砂の状態によって予備スクイズを省略してもよい。
次に、本件発明にかかる鋳型造型装置を使用した第2の実施形態を図に基づいて以下に説明する。
本実施形態の鋳型造型装置80は、図19に示すように、スクイズヘッド82には、複数のスクイズフート84が、スクイズテーブル6に向かって造型経路方向に向かって進退可能に装架されている点において第1の実施形態と相違する。スクイズヘッド82のヘッド本体86には複数のシリンダ88が造型経路方向に穿設され、各シリンダ88にはスクイズフート84のピストン部84aがそれぞれ摺動可能に嵌合して収納されている。
シリンダ88の各々に対応して電磁開閉弁90がヘッド本体86上に取り付けられている。各電磁開閉弁90の一方ポート90aは対応するシリンダ88に接続され、全電磁開閉弁90の他方ポート90bはヘッド本体86に穿設された共通油路92に接続されている。電磁開閉弁90は、一方ポート90aと他方ポート90bとの間を遮断するブロック位置を有している。共通油路92には、電磁圧力制御弁94の一方ポートが接続され、電磁開閉弁90により共通油路92に連通されたシリンダ88の背圧を設定圧力に制御する。電磁圧力制御弁94の他方ポートは電磁切替弁96により油圧ポンプ98およびドレイン100に選択的に接続されるようになっている。共通油路92と電磁切替弁96との間には、チェック弁102が電磁圧力制御弁94と並列に接続されている。
その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、同じ符号を付与して説明を省略する。
この実施形態においても、第1の実施形態と同様にして、薄上盛枠14が選択された(薄上盛枠選択工程、S101)のち、薄上盛枠14、低鋳枠10bおよび下盛枠8が重ねられて重合枠22が形成され(重合枠形成工程、S102)、鋳枠が低鋳枠10bであることが確認される(鋳枠確認工程、S103)。そして、低模型用下盛枠位置(後退位置)RPに下盛枠8が位置決めされる(下盛枠位置決め工程、S104)。先の実施形態と同様にシャトル装置によって、スクイズヘッド82と交替でスクイズテーブル6に対向する位置に割り出される鋳物砂投入装置26によって、重合枠22内に鋳物砂24が投入される(鋳物砂投入工程、S105・図19参照)。
次に、図20に示すように、作動制御装置29は、下盛枠進退装置20により模型面スクイズ前進位置SFP1に下盛枠8を位置決めする(模型面スクイズ代設定工程、S106)。
次に、図21に示すように、作動制御装置29は、スクイズテーブル6とともに重合枠22を上昇させ、スクイズフート84で鋳型の背面側から予備スクイズを行う(予備スクイズ工程、S107)。この際、作動制御装置29は、電磁開閉弁90をブロック位置に位置決めして、スクイズフート84のピストン部84aが鋳物砂24の圧力によって後退するのを規制する。また、模型18bの形状によって、鋳物砂24が充填されにくい難充填箇所に対向するスクイズフート84を残りのスクイズフート84よりも突出させて予備スクイズすることで、難充填箇所の深部まで予備スクイズ圧力が伝達され、難充填箇所の鋳型硬度を高めることができる。
次に、図22に示すように、作動制御装置29は、重合枠22の上昇を上盛枠ストッパ68で規制した状態で、スクイズテーブル6を上昇させることで、模型面スクイズを行なう(模型面スクイズ工程、S108)。この場合においても、作動制御装置29は、電磁開閉弁90をブロック位置に位置決めして、スクイズフート84のピストン部84aが鋳物砂24の圧力によって後退するのを規制する。下盛枠8は後退位置RPに位置決めされる。
次に、作動制御装置29は、スクイズテーブル6の上下位置を保持した状態で、電磁切替弁96を共通油路92が油圧ポンプ98に連通する位置に切替えるとともに、各電磁開閉弁90をシリンダ88および共通油路92が連通する位置に切り替える。これによって、図23に示すように、スクイズフート84のピストン部84aを前進させて背面側からの本スクイズ(背面スクイズ)を行なう(背面スクイズ工程、S109)。なお、鋳物砂24が充填されにくい難充填箇所に対向するスクイズフート84を残りのスクイズフート84よりも突出させて行なうスクイズを、前述の予備スクイズ時でなく、この本スクイズ時に行なってもよい。
次に、作動制御装置29は、図24に示すように、スクイズテーブル6を下部シリンダ装置32によって下降させる。薄上盛枠14が上盛枠支持部材64に載置されて高鋳枠10aから離れ、高鋳枠10aが鋳枠受渡装置60に受け渡されることで、マスタープレート12から離れる脱型がおこなわれる(脱型工程、S110)。
次に、図示はしないが、丈の低い模型18bおよび低鋳枠10bを使用した造型に続いて、丈の高い模型18aが取付けられたマスタープレート12が交換位置に位置決めされ、高鋳枠10aが鋳枠受渡位置に位置決めされ、前述のサイクルが繰り返される。
その他の作動は、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
本実施形態の鋳型造型装置によると、模型の形状が複雑であるためにスクイズの際に、鋳物砂24が充填されにくい難充填箇所に対向するスクイズフート84を突出させてスクイズすること、および丈の高い高鋳枠10aまたは丈の低い低鋳枠10bを選択し、選択された丈の高い高鋳枠10aまたは丈の低い低鋳枠10bに対応させて下盛枠8のマスタープレート12に対する位置を位置決めすることで、特別な設備装置を使用することなく丈や形状の異なった模型を使って、容易に高品質の鋳型を造型できる造型装置を提供することができる。
なお、上記実施形態において、丈の高い模型18aに対応した高鋳枠10aと、丈の低い模型18bに対応した低鋳枠10bとの2種類の丈の鋳枠を、薄上盛枠に対して交替して使用して重合枠とするものとしたが、これに限定されず、例えば上盛枠を1番目に丈の低い模型に対応して設け、1番目に丈の低い模型に対応して設けられた上盛枠を共通して使用し、1番目に丈の低い模型に対応した1番低鋳枠を含む重合枠、2番目に丈の低い模型に対応した2番低鋳枠を含む重合枠、3番目に丈の低い模型に対応した3番低鋳枠を含む重合枠、を形成するなど、3つ以上の丈の鋳枠を交替して使用して重合枠とする鋳型造型装置であってもよい。
また、低模型用下盛枠位置は、下盛枠8の上端面8aがマスタープレート12の上面12aに面一となる後退位置RPに限定されるものではなく、例えば後退位置RPよりも模型側に前進する位置に設定されてもよい。
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
2…鋳型造型装置、6…スクイズテーブル、8…下盛枠、10…鋳枠、10a…高模型用鋳枠(高鋳枠)、10b…低模型用鋳枠(低鋳枠)、12…マスタープレート、14…上盛枠(薄上盛枠)、18…模型、20…下盛枠進退装置、22…重合枠、24…鋳物砂、26…鋳物砂投入装置、28…スクイズヘッド、29…薄上盛枠選択部・下盛枠位置決め制御部・模型面スクイズ代設定部・予備スクイズ制御部・模型面スクイズ制御部(作動制御装置)、32…駆動装置・重合枠形成装置(下部シリンダ装置)、40…下盛枠進退装置(下部油圧シリンダ)、42…下盛枠進退装置(第2軸部材)、54…重合枠形成装置(マスタープレート交換装置)、60…重合枠形成装置(鋳枠受渡装置)、80…鋳型造型装置、82…スクイズヘッド、FP…高模型用下盛枠位置、RP…低模型用下盛枠位置・後退位置、SFP1…模型面スクイズ前進位置(低鋳枠使用時)、SFP2…模型面スクイズ前進位置(高鋳枠使用時)、ST…模型面スクイズ代。

Claims (2)

  1. 造型経路に沿って互いに対向して相対的に駆動装置により進退移動されるスクイズテーブル及びスクイズヘッドと、
    前記スクイズテーブルに載置されて昇降され模型が上面に取付けられたマスタープレートと、
    前記模型を囲んで前記造型経路方向に移動可能に前記マスタープレートに設けられた下盛枠と、該下盛枠上に載置可能な鋳枠と、該鋳枠上に載置可能な上盛枠と、が順に重ねられた重合枠と、
    前記スクイズヘッドに設けられ、ピストン部の下端が前記上盛枠の上端面に当接して前記上盛枠の前記スクイズヘッドに対する相対的な上方移動を規制可能とするシリンダ機構を有する上盛枠ストッパと、
    前記下盛枠をその上端面が前記マスタープレートの上面に一致する後退位置と前記上面より模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置と、を備えた鋳型造型装置において、
    前記上盛枠として、丈の高い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた高模型用鋳枠と丈の低い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた低模型用鋳枠とに共通して使用される丈の低い薄上盛枠を配置する工程と、
    前記マスタープレートに設けられた前記下盛枠に前記鋳枠および前記薄上盛枠を重ねる重合枠形成工程と、を備え、
    前記スクイズテーブル上面に、前記丈の低い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記低模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、
    前記下盛枠進退装置により、前記後退位置に位置決めされた低模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決めする下盛枠位置決め工程と、
    前記下盛枠が前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上面まで鋳物砂を投入する鋳物砂投入工程と、
    前記下盛枠進退装置により、前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定する模型面スクイズ代設定工程と、
    前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズする予備スクイズ工程と、
    前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズする模型面スクイズ工程と、
    前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする背面スクイズ工程と、
    を備えた低模型用鋳枠使用の鋳型製造工程を実行し、
    前記スクイズテーブル上面に、前記丈の高い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記高模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、
    前記下盛枠進退装置により、前記前進位置に位置決めされた高模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決めする下盛枠位置決め工程と
    記下盛枠が前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上面まで鋳物砂を投入する鋳物砂投入工程と、
    前記下盛枠進退装置により、前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定する模型面スクイズ代設定工程と、
    前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズする予備スクイズ工程と、
    前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズする模型面スクイズ工程と、
    前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする背面スクイズ工程と、
    を備えた高模型用鋳枠使用の鋳型製造工程を実行する鋳型造型方法。
  2. 造型経路に沿って互いに対向して相対的に駆動装置により進退移動されるスクイズテーブル及びスクイズヘッドと、
    前記スクイズテーブルに載置されて昇降され模型が上面に取付けられたマスタープレートと、
    前記模型を囲んで前記造型経路方向に移動可能に前記マスタープレートに設けられた下盛枠と、該下盛枠上に載置可能な鋳枠と、該鋳枠上に載置可能な上盛枠と、が順に重ねられた重合枠と、
    前記スクイズヘッドに設けられ、ピストン部の下端が前記上盛枠の上端面に当接して前記上盛枠の前記スクイズヘッドに対する相対的な上方移動を規制可能とするシリンダ機構を有する上盛枠ストッパと、
    前記下盛枠をその上端面が前記マスタープレートの上面に一致する後退位置と前記上面より模型側に位置する前進位置との間で進退させる下盛枠進退装置と、を備えた鋳型造型装置において、
    前記上盛枠として、丈の高い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた高模型用鋳枠と丈の低い模型が取り付けられたマスタープレートに重ねられた低模型用鋳枠とに共通して使用される丈の低い薄上盛枠を配置する配置部と、
    前記マスタープレートに設けられた前記下盛枠に前記鋳枠および前記薄上盛枠を重ねる重合枠形成装置と、を備え、
    前記スクイズテーブル上面に、前記丈の低い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記低模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、
    前記下盛枠進退装置により、前記後退位置に位置決めされた低模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決め
    前記下盛枠が前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上面まで鋳物砂を投入
    前記下盛枠進退装置により、前記低模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定
    前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズし、
    前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズ
    前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする低模型用鋳枠使用の鋳型製造制御部と、
    前記スクイズテーブル上面に、前記丈の高い模型が取り付けられた前記マスタープレートに前記高模型用鋳枠が重ねられて取り付けられた場合は、
    前記下盛枠進退装置により、前記前進位置に位置決めされた高模型用下盛枠位置に前記下盛枠を位置決め
    記下盛枠が前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記重合枠の枠内に、前記薄上盛枠の上面まで鋳物砂を投入
    前記下盛枠進退装置により、前記高模型用下盛枠位置に位置決めされた前記下盛枠を前記後退位置よりも模型面スクイズ代分前進した模型面スクイズ前進位置に位置決め設定
    前記スクイズテーブルを前記重合枠とともに前記スクイズヘッドに対して相対移動させ、前記スクイズヘッドを前記薄上盛枠の上部に挿入させることで背面側から予備スクイズし、
    前記上盛枠ストッパを前記薄上盛枠に当接させて前記重合枠の前記スクイズヘッドに対する相対的上昇を規制し、前記スクイズテーブルを前記重合枠に対して前記模型面スクイズ代分の長さを相対的に上方移動させて模型面側からスクイズ
    前記スクイズヘッドの下端面が前記鋳枠の上端面に一致するまで前記重合枠に対して前記スクイズヘッドを相対的に下方移動させることで背面側からスクイズする高模型用鋳枠使用の鋳型製造制御部と、
    を備えた鋳型造型装置。
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