JP3576981B2 - Fpcコネクタ - Google Patents

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JP3576981B2 JP2001021053A JP2001021053A JP3576981B2 JP 3576981 B2 JP3576981 B2 JP 3576981B2 JP 2001021053 A JP2001021053 A JP 2001021053A JP 2001021053 A JP2001021053 A JP 2001021053A JP 3576981 B2 JP3576981 B2 JP 3576981B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機などの電気機器装置に使用するフレキシブルプリント基板(FPCという)を電気機器の回路基板に接続するFPCコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
FPCを接続するための電気コネクタとしてのFPCコネクタが広く用いられている。図5に一般的なFPCコネクタの1例を示す。図5(a)において、FPCコネクタは、FPCを挿入するハウジング(インシュレータ)21と、ハウジング21に起倒可能に枢支され、ハウジング21に挿入されたFPC22をハウジング21に押さえつけて固定するアクチュエータ23との組み合わせからなるものである。
【0003】
ハウジング21は、正面および上面が開放された有底の箱型であり、内底部には、ハウジング21の前後方向に上傾又は下傾するコネクタのコンタクト24が付され、アクチュエータ23は、図5(b)に示すように正面開放縁に向けてハウジング21内に起倒可能に枢支されているものである。以下、説明の都合上、この形式のコネクタを開閉式コネクタという。
【0004】
アクチュエータ23は板状であり、両側面の後縁寄りには、ハウジング21のリブ穴25に枢支させるリブ26が突設され、前縁側には、ハウジング21の凹部27に係止させる突出部28が設けられている。一方、ハウジング21には、図5(c)に示すように、アクチュエータ23のリブ26を受け入れるリブ穴25と、アクチュエータ23の突出部28 を受け入れる凹部27が両側の立ち上がり部の後部と、開口側の前部寄りにそれぞれ設けられているものである。
【0005】
ハウジング21内に差し込まれるFPC22には、図5(d)に示すように前記コンタクト24と対応する位置にランドパタン29を有している。このFPCコネクタにFPC22を接続するときには、まず、リブ26を中心にアクチュエータ23を起立させてハウジング21を開放した状態で、図5(e)のようにFPC22をハウジング21内に正面から差込み、次いで図5(f)のようにアクチュエータ23を矢印Cの方向に回転させてFPC22上に倒し、アクチュエータ23の突出部28をハウジング21の凹部27に嵌合させることによって、アクチュエータ23をロックし、FPC22のランドパタン29をコンタクト24に接触させるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、このような開閉式コネクタにおいては、FPC22のランドパタン29を圧接させる力は、アクチュエータ23の突出部28がハウジング21の凹部27に嵌合することによってFPC22に作用する摩擦力だけであったため、開閉式コネクタの第1の問題としてFPCがコネクタの正面側(図5(f)に示す矢印Fの方向)に引っ張られると、その力を受けてアクチュエータが開いてFPCが抜けやすいという問題があった。
【0007】
また、開閉式コネクタの第2の問題として、FPCのランドパタン29または、コンタクト24上に異物が付着したときには、ランドパタン29と、コンタクト24とは、間に異物が挟まったまま圧着されることになって、電気的な接触不良を誘発するという問題が生ずる。
【0008】
図6に示す実開平11−224746号公報(先行例1)は、開閉式のコネクタについて上記問題に着目されたものである。図6(a)は、アクチュエータを倒した状態、(b)は、アクチュエータを起立させた状態を示している。図6において、絶縁体(ハウジング)31の係合孔(固定手段)32を嵌合口側寄りに設け、この係合孔(固定手段)32が設けられた位置にFPC押さえ板(アクチュエータ)33の係合軸34を設けることによって、FPC35が引っ張られても押さえ板33が回転することがなく、したがってFPC35が抜けることがない電気コネクタを提案している。確かに先行例1によれば、前記第1の問題点の解決が意識されているものの、その保持力は、もっぱら摩擦抵抗力だけに依存しているため、必ずしもFPC35の抜け止めが保証されるわけではない。また、第2の問題点については、全く意識されていない。
【0009】
本発明の目的は、開閉式コネクタについて、上記問題点、すなわち、FPCが抜け出さず、しかも、FPCのランドパタンと、ハウジングのコンタクト間に異物が挟み込まれないFPCコネクタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明によるFPCコネクタにおいては、掛止部を有するハウジングと、固定部を有するアクチュエータとの組合せから成るFPCコネクタであって、
ハウジングは、正面および上面が開放された箱体であり、内底面にFPCのランドパタンに接触させるコンタクトが前後方向に上傾または下傾姿勢で付され、
アクチュエータは、ハウジングに対し正面側から起倒可能で、且つハウジングの底面に沿って前後方向にスライド可能に結合され、アクチュエータに差し込まれたFPCを保持してこれをハウジングに圧着させるものであり、
ハウジングの掛止部は、アクチュエータの固定部を受け入れる垂直溝部分と、垂直溝部分に連通してアクチュエータの固定部をハウジングの正面側方向に誘導する水平溝部分とを有する切欠きであり、ハウジングの両側壁に形成され、ハウジング上に倒され、ハウジングの正面側方向にスライドされたアクチュエータを受け入れてアクチュエータをハウジングに掛止させる部分であり、
アクチュエータの固定部は、FPCを支えてハウジングの掛止部に保持させる部分であり、保持部を有し、
保持部は、アクチュエータの起立姿勢で、FPCの両耳部を受け入れ、切欠きの垂直溝部分を通して水平溝部分内に受け入れられ、アクチュエータをハウジングにロックさせるものであり、
FPCは、ハウジングのコンタクトに接触させるランドパタンを有し、両側に突出する耳部を有し、耳部は、アクチュエータの固定部に保持された状態で、ハウジングの掛止部に固定されるものである。
【0014】
また、ハウジングは、リブ穴を有し、
リブ穴は、アクチュエータの両側に張り出したリブを受け入れ、切欠きの垂直溝部分に嵌合されたアクチュエータの固定部を水平溝部分に沿ってロック位置にまで変位させるに必要な長さの横長の穴である。
【0015】
また、アクチュエータの固定部はストッパを有し、
ストッパは、ハウジングの側壁に当接してアクチュエータの固定部がハウジングの切欠きの水平溝部分内でロックされる正規の位置に受け入れられたことを表示するものである。
【0016】
また、ストッパは、アクチュエータの固定部の後縁より上方に張り出して形成され、ハウジングの掛止部の垂直溝部分の壁面に当接して位置決めされるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図によって説明する。図1において、本発明によるFPCコネクタは、インシュレータであるハウジング1と、アクチュエータ2との組合せからなっている点は従来の開閉式コネクタと同じである。本発明においては、アクチュエータ2は、ハウジング1に起倒ならびにハウジングの前後方向にスライド可能に連結されている。図2(a)はハウジング、図2(b)はアクチュエータ、図2(c)はFPCを示している。ハウジング1は、正面および上面が開放された有底の箱体であり、内底面には、コンタクト5が長さ方向に上傾又は下傾姿勢で付されている。
【0018】
コンタクト5は、FPC3のランドパタン4に接触させるためのものである。アクチュエータ2は、ハウジング1に差し込まれたFPC3を支えてこれをハウジング1に圧着させるものである。FPC3は、基板の下面にランドパタン4が付され、基板の一部両側に張り出して耳部8が設けられている。
【0019】
ハウジング1の立ち上がり部である両側壁部分には、掛止部6が形成され、アクチュエータ2には、固定部7が設けられている。掛止部6は、ハウジング1上に倒されたアクチュエータ2を受け入れてハウジング1に掛止させる部分であり、ハウジング1の両側壁に形成された切欠きである。
【0020】
掛止部6は、ハウジング1の側壁立ち上がり部分のほぼ中央部分に開口された垂直溝部分6aと、垂直溝部分6aから正面側に向けて伸びる水平溝部分6bとからなっている。垂直溝部分6aは、アクチュエータ2の固定部7を掛止部6内に受け入れる部分であり、水平溝部部分6bは、垂直溝部分6aに連通し、掛止部6内に受入れられたアクチュエータ2の固定部7をハウジング1の内底面に沿って箱体の正面開口部の方向に誘導する部分である。アクチュエータ2の固定部7は、FPC3の両側に形成された耳部8を嵌合保持する部分である。
【0021】
ハウジング1は、両側壁の後部内面にリブ穴9を有している。リブ穴9は、アクチュエータ2の後部両側に突設されたリブ10を受け入れ、掛止部6の垂直溝部分6aに受入れたアクチュエータ2の固定部7を水平溝部分6bに沿って一定の範囲にわたり変位させるに必要な長さの横長の穴である。
【0022】
図3(a)において、本発明のFPCコネクタに、FPC3を接続する場合には、ます、アクチュエータ2を矢印Pにて示す上傾方向に回動させてハウジング1に対し一定の角度の起立姿勢に保持し、その状態でFPC3の両耳部8をアクチュエータの固定部7に差し込む。次に、図3(b)に示すように、アクチュエータ2を矢印Cにて示す下向きに回動させてハウジング1上に押し下げ、アクチュエータ2の固定部7をハウジング1の掛止部6内に垂直溝部分6bを通して嵌合させる。
【0023】
これによって、FPCに付されたランドパタン4は、図3(c)のように、ハウジング1の底面に付されたコンタクト5に接触する。次に図3(d)のように、アクチュエータ1の天面部を矢印Sの方向に押しながらアクチュエータ2をハウジング1の正面開口方向にスライドさせる。
【0024】
これによって、アクチュエータ2の固定部7は、ハウジング1の掛止部6の水平溝部分6bを移動し、その内端に達してロックされる。FPC3のランドパタン4は、ハウジング1のコンタクト5上を滑りながらその傾斜面を移動し、アクチュエータ2から加えられる圧力により、図3(e)のようにコンタクト5に圧着され、コンタクト5と、ランドパタン4とが電気的に導通する。このように、アクチュエータ2をハウジング1に重ね合わせた状態で相対変位させるため、FPC3のランドパタン4または、ハウジング1のコンタクト5の面のいずれかに異物が付着していても、ドパタン4とコンタクト5間の摩擦力で除去されて電気的な導通が確保される。
【0025】
図4は、アクチュエータ2の固定部7にストッパ11を一体に設けた例である。この実施形態において、ストッパ11は、図4(a)のようにアクチュエータ2の固定部7の後縁より上方に張り出して形成されている。アクチュエータ2にFPC3を保持させてこれを矢印Cの方向に回転させてハウジング1上に押し下げると、図4(b)のように固定部7は掛止部6に受入れられるが、ストッパ11は、掛止部6の水平溝部分6b上に張り出す。
【0026】
ついでアクチュエータ2を矢印Sの方向にスライドさせたときに、ストッパ11は、ハウジング1の垂直溝部分6aの内壁面に当接して位置決めされ、アクチュエータ2の固定部7が掛止部6の水平溝部分6b内で正規の位置に受け入れられたことがストッパ11によって表示される。すなわち、ストッパ11は、アクチュエータがロックされていることを表示するものである。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、起立姿勢のアクチュエータにFPCを保持させ、アクチュエータをハウジング上に倒し、次いで、アクチュエータをハウジングと平行にスライドさせてロックするため、FPCが強い引っ張り力を受けてもコネクタから抜け出すことがない。
【0028】
また、FPC実装したアクチュエータをスライドしながら、ハウジングとロックさせるため、接触の安定性に欠けるZIF構造のコネクタでも、ワイピング効果を得ることができ、FPCのランドパタンあるいはハウジングのコンタクトに異物が付着していても相互のすり合わせによる摩擦力によって、異物を除去し、電気的導通を確保することができる。
【0029】
さらに、本発明によるときには、FPCの両耳部を把持させたアクチュエータの固定部のスライド長さは、ハウジングの掛止部の水平溝部分の長さに規制されるため、コンタクトに対するFPCの挿入長さを一定に保持することができ、FPCに負荷がかからず、したがって、パタン断線などの不具合をなくすことができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるFPCコネクタの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明による第1の実施形態のFPCコネクタの分解図と、FPCを示す図である。
【図3】(a)〜(e)は、FPCコネクタにFPCを接続する要領を示す図である。
【図4】本発明によるFPCコネクタの第2の実施形態を示すもので、(a)は、アクチュエータを開いた状態、(b)は閉じた状態を示す図である。
【図5】(a)〜(f)は、従来の開閉式FPCコネクタと、FPCコネクタにFPCを接続する要領を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、従来の開閉式FPCコネクタの改良例を示す図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 アクチュエータ
3 FPC
4 ランドパタン
5 コンタクト
6 掛止部
6a 垂直溝部分
6b 水平溝部分
7 固定部
8 耳部
9 リブ穴
10 リブ
11ストッパ

Claims (4)

  1. 掛止部を有するハウジングと、固定部を有するアクチュエータとの組合せから成るFPCコネクタであって、
    ハウジングは、正面および上面が開放された箱体であり、内底面にFPCのランドパタンに接触させるコンタクトが前後方向に上傾または下傾姿勢で付され、
    アクチュエータは、ハウジングに対し正面側から起倒可能で、且つハウジングの底面に沿って前後方向にスライド可能に結合され、アクチュエータに差し込まれたFPCを保持してこれをハウジングに圧着させるものであり、
    ハウジングの掛止部は、アクチュエータの固定部を受け入れる垂直溝部分と、垂直溝部分に連通してアクチュエータの固定部をハウジングの正面側方向に誘導する水平溝部分とを有する切欠きであり、ハウジングの両側壁に形成され、ハウジング上に倒され、ハウジングの正面側方向にスライドされたアクチュエータを受け入れてアクチュエータをハウジングに掛止させる部分であり、
    アクチュエータの固定部は、FPCを支えてハウジングの掛止部に保持させる部分であり、保持部を有し、
    保持部は、アクチュエータの起立姿勢で、FPCの両耳部を受け入れ、切欠きの垂直溝部分を通して水平溝部分内に受け入れられ、アクチュエータをハウジングにロックさせるものであり、
    FPCは、ハウジングのコンタクトに接触させるランドパタンを有し、両側に突出する耳部を有し、耳部は、アクチュエータの固定部に保持された状態で、ハウジングの掛止部に固定されるものであることを特徴とするFPCコネクタ。
  2. ハウジングは、リブ穴を有し、
    リブ穴は、アクチュエータの両側に張り出したリブを受け入れ、切欠きの垂直溝部分に嵌合されたアクチュエータの固定部を水平溝部分に沿ってロック位置にまで変位させるに必要な長さの横長の穴であることを特徴とする請求項に記載のFPCコネクタ。
  3. アクチュエータの固定部はストッパを有し、
    ストッパは、ハウジングの側壁に当接してアクチュエータの固定部がハウジングの掛止部の水平溝部分内でロックされる正規の位置に受け入れられたことを表示するものであることを特徴とする請求項に記載のFPCコネクタ。
  4. ストッパは、アクチュエータの固定部の後縁より上方に張り出して形成され、ハウジングの掛止部の垂直溝部分の壁面に当接して位置決めされるものであることを特徴とする請求項に記載のFPCコネクタ。
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