JP3576892B2 - 光加工機及び光加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光加工機及び光加工方法に関し、例えば紫外線レーザ等の強力なコヒーレント光を用い、直接的に、加工物にアブレーション現象を起こし、所望の形状(例えば複数の開口を配列したパタン)に加工する、アブレーション加工方法を利用した、インクジェット方式のプリンタに使用するオリフスプレート等を製造する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりレーザ光を利用して加工物に穴をあけたりするレーザ加工は、非接触で精密な加工ができる一方法として重用されている。このうち、アブレーション加工は、紫外線レーザなどを、光吸収の大きい物質に照射し、単位体積あたりの内部エネルギーを極端に増加させ、光照射部の極近傍を、爆発・蒸発させ、除去加工する方法として、近年、利用が活発である。
【0003】
このアブレーション加工の特徴として、
(ア−1)COレーザなどを用いた直接的な、熱プロセスに比べると、熱化率が小さいので、加工精度がよく、変形・変質も少ない。
(ア−2)被加工物上で除去された対象を細かく四散させるため、目的によっては、品質が向上する場合がある。
(ア−3)極微小な表面のみの加工が可能であるため、粗さや、欠陥、機能性表面処理、光沢感などの表面処理が可能である場合がある。
(ア−4)エネルギー依存性が比較的はっきりしているため、レーザと光学系の性能を反映した加工設計を行うことができる。
などがある。
【0004】
図8は、従来のインクジェットプリンタの、吐出穴部(オリフスプレート)の加工用の光学系の概略図である。同図では、一列に等間隔に並んだ穴を、一括アブレーション加工する加工装置の光学系を示している。
【0005】
70は、光源であるレーザ光源、71は、光源を分割するプリズムユニット、72は、光源幅を規制する遮光マスク、73は、縦横の発散角を制御する、シリンドリカルレンズ、74は、照明用のフィールドレンズ用凸レンズ、75は、加工形状が描画されているフォトマスク、77は、投射レンズ(対物レンズもしくは、投影レンズとも称する)の絞り面、76は、投射レンズ、78は、加工対象(加工物)である。
【0006】
図8において、レーザ70を射出したレーザ光は、プリズムユニット71で複数の平行光に分かれ、マスク72とシリンドリカルレンズ73で、大きさと発散角を指定、フィールドレンズ74で分割された光源をケラー照明としてマスク75上に投影し、均一で所定の広がりを持つマスク像を生成する。マスク75のフーリエ変換パタンは絞り77上に形成される。マスク像は投射レンズ76で、加工対象78上に結像され、アブレーション加工が施されて、加工物に穴列を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ等の準平行光や準単色光を光加工用の光として用いた場合、たとえ、光源を分割して、有限の光源側NAを持つ光源群となし、ケラー照明系を構築したとしても、元々のコヒーレンスの良さを反映した、波動光学的現象が顕在化する場合がある。
【0008】
この現象は、瞳、光線追跡といった、幾何光学的な考え方では理解出来ず、むしろ透過型の光学顕微鏡などの、再結像光学系の、波動光学的結像理論に近い考え方をする必要がある。
【0009】
図8において、投影レンズ76に生ずる現象を考察する。この系で周期的に並んだ穴マスクを、準平行光で照明したばあい、ピッチに依存した、高次回折光が生成される。
【0010】
図4の望遠鏡タイプのレンズ群41,42の2群より成る投影レンズPLの模式図を用いて説明する。
【0011】
今、マスク43の穴ピッチをp、レーザ光44の波長をλ、投影レンズPLの前群41の焦点距離をfとすると、フーリエ変換面である、絞り45上で近軸的に、
g=f・λ/p
のピッチで回折光列が生じる。
【0012】
この回折光列は、互いにコヒーレントな2次光源として作用し、投影レンズPLの後群42によリコリメートされる。
【0013】
加工対象46上での、0次光と1次光のなす角度をθとすると、投影される像の穴ピッチhは、2光束干渉の干渉ピッチとなるので投影レンズPLの後群42の焦点距離をFとすると、
h=λ/θ
=λF/g
=(F/f)p
exp(−iπu(N−1)T)sin(πuNT)/sin(πuT)
総和第2項は
−2isin(πuS)exp(−iπuS)
であるため、
F=(sin(πuS)/uπ)exp(−iπu((N−1)T+S))
×sin(uTNπ)/sin(uTπ)
ここで、空間周波数を次数mを単位として変更すると
m=uT
F=Ssinc(mπS/T)exp(−imπ(N−1+S/T))sin(Nmπ)/sin(mπ)
したがって、次数0と次数mの電場強度の比は
=Mp
となる。M=F/fは、この投影レンズPLの結像倍率に他ならない。
【0014】
ここで、後群42のレンズの中を、0次光と1次光が通過する範囲について考察すると、図5は、絞り45を通過した、0次光と、1次光が、後群レンズ42により、対象物面46上に平行投影される様子を模式的に表したものであり、当然、後群レンズ42は、1枚の単レンズではありえない。
【0015】
後群レンズ42内で、0次光と、1次光が通過する範囲は、当然異なり、図5のように、0次光と1次光がオーバーラップする部分と、しない部分とが生じる。
【0016】
また、0次光と1次光がオーバーラップした部分を多く通過してきて結像した部分(B部)と、オーバーラップした部分をあまり使用しないで結像した部分(A部)とが生じる。
【0017】
この時、問題になるのは、0次光の方がはるかに強く、高い形状成分を司る、高次の回折光が弱いため、レンズの劣化度合いが部分によって異なるということである。
【0018】
この回折強度を計算すると、マスク43の穴ピッチをT、穴の幅(開口)をSとし、穴数をNとすると、そのフーリエ変換Fは、Xを穴並び方向位置、uを空間周波数として
F=Σ(n=0〜N−1)∫(nT〜nT+S)exp(−2πiux)dx
=(1/−i2πu)Σexp(−i2πunT)(exp(−i2πuS)−1)
ここで、総和第1項は
R=sinc(mπS/T)
であらわされる。
【0019】
通常開口比S/Tは1/2を越えることが多いのでエネルギー強度(電場の二乗)は、2倍以上異なる場合が多い。
【0020】
なお、これまでの説明は、平行光束を光源とするクリティカル照明として、議論してきておるため、ケラー照明系の時は一般性がないように思われるかもしれないが、コヒーレント光を照明として使う時には、多くの場合、光源を有限個の無限遠光に分割して照明形成するため、程度差だけの問題で一般性は失われない。
【0021】
さて、石英に代表される、レーザ用ガラスは、強いエネルギーにさらされると、アニーリングが進み、屈折率変化と、形状変化を生じる。この結果、レンズ系は波面収差を生じ、その波面変化量は、レーザエネルギーの二乗に比例するとされている[参考文献:PAUL SCHERMERHORN,SPIE−The International Society for Optical Engineering Vol.1835(1992)]。
【0022】
このガラス劣化が、エネルギー依存をもつため、各次数の光の位相差が、レンズの使用部分ごとに違いを生じ、従って、像面での、次数ごとの位相差を生じる。
【0023】
この、波動光学的損傷の結果、わずかλ/20以下程度の収差発生であるにもかかわらず、穴や溝の形状が、形成不可能なほどの損傷をうけることになる。
【0024】
従来、発明者は、このような収差を、除去するため、投影レンズの後群の硝材に、高耐久のCaFや、十分アニーリングの進行した石英などを利用し、レンズの耐久・長寿命化をおこなってきたが、以下の問題点があった。
(イ−1)アブレーションは、本質的に破壊加工であり、金属やプラスチックの破壊閾値がいかにガラスより小さくても、かなリガラスの破壊レベルに近いエネルギーを用いており、最終的に、ガラスヘの損傷を避けることはできない。
(イ−2)高耐久のガラスは、高価であり、加工性も悪く、供給も少ないため、安価で安定な生産を行うことが困難である。
【0025】
本発明は耐久性の低いガラスでも、レーザアブレーション加工用のレンズとして用いられるよう、フォトマスクによる回折光の位置と光量を制御することにより加工物を安定して光加工することができる光加工機及び光加工方法の提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の光加工機は、光源手段からのコヒーレント光束でマスク上のパタンを照明し、該マスク上のパタンを投影レンズで加工物上に投影して該加工物をアブレーション作用で光加工する光加工機において該マスクは複数の開口を一定の周期で配列した開口パタンを有し、該開口パタンは1つおきに通過する光に対してλ/2の位相差を与えていることを特徴としている。
【0027】
請求項2の発明の光加工方法は、コヒーレント光を用い、フォトマスクのパタンを加工物上に投影して、所定の形状にアブレーション加工する光加工方法において、前記加工物に加工すべき形状は、概ね等間隔に配列された、穴または、溝であり、該フォトマスク上の複数の開口パタンは、1つおきに、通過光に二分の一波長の位相差をもたせている位相マスクを用いたことを特徴としている。
【0028】
請求項3の発明は請求項2の発明において、前記マスクの全面に、二分の一波長の位相差を有する薄膜を製作した後、アブレーション加工にて、前記マスクの開口パタン上の、前記薄膜を除去し、所望の位相差分布を製作したマスクを使用することを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光加工機の実施形態1の要部概略図である。本実施形態はレーザ光を利用してフォトマスク8のパタンを被加工物に投影して、その面に平行溝をアブレーション加工(穿孔)するときフォトマスク8として位相シフト膜を施したマスクを用いている。
【0033】
同図において1は、光源手段であるところのKrFエキシマレーザであり、強力なパルスでコヒーレントなレーザ光1aを放射している。2は、光路調整用のミラーであり、エキシマレーザ1からのレーザ光1aを反射偏向させている。3は、光量プロフィール調整用の回折格子であり、ミラー2からのレーザ光1aのプロフィールを均一化している。4は、ビームエキスパンダー用の前側レンズであり、回折格子3からのレーザ光を、アパーチャ5からは発散したレーザ光が射出し、ビームエキスパンダー用の後側レンズ6に入射している。後側レンズ6からは光束径の拡大されたレーザ光が射出している。7は、上下反転重ね合わせ用のプリズムである。8は、位相シフトを用いたマスク(フォトマスク)であり、被加工物12に対する複数の穴空けパタンが形成されており、該穴空けパタンのうち奇数番目のパタンにはλ/2(KrFレーザでλ=248.3nm)だけ位相シフトするような膜が施されている。マスク8は不透明な基板上に多数のピンホールを複数個、等間隔に一次元方向に配置した構成より成っている。フォトマスク8上のマスクパタンの複数の開口は1つおきに1/2波長の位相差をもたせている。9は、投影レンズPLの前側レンズ群、10は、高次回折光をカットする絞りであり、この絞り10の開口幅は、縦横とも可変となっている。尚、絞り10を開口径の異なる複数の絞りより構成し、そのうちの1つの絞りを光路中に装着するようにしても良い。11は、投影レンズPLの後側レンズ群である。12は、加工物であり、その面上に投影レンズPLによってマスク8のパタンが投影結像している。
【0034】
次に光学的作用について説明する。
【0035】
エキシマレーザ1より射出したレーザ光1aは、光路をミラー2で調整し、光軸に一致させている。
【0036】
一般的にレーザ光は不均一なプロフィールを持つため、そのプロフィールをうち消すパタンに製作された回折格子3を透過させ、レンズ4の焦点位置に設けたアパーチャ5で不要成分を除くことで、均一なプロフィールを得ている。ビームエキスパンダ用の後側レンズ6で、断面が所定の大きさの光束となるようにコリメートしている。
【0037】
その後、レーザビーム1aをプリズム7で上下対象に切り出し、重ね合わせて、より均一な平行光としてプリズム7を通過させ、上下対象なうねり成分を軽減した光束として、位相シフト膜を施したマスク8を平行光によって照明している。
【0038】
位相シフトマスクの光学的原理により、0次光の存在しない回折光群に切り出された光は、投影レンズPLの前側レンズ群9によりフーリエ変換され、絞り10上にファーフィールドパタンを結像して、高次不要成分を除去している。
【0039】
そして後側レンズ群11によりコリメートされた光束は、加工物12上にマスクパタン8の縮小像を構築し、これによってアブレーション加工を行っている。
【0040】
本実施例の効果として、以下の点をあげる。
(ウ−1)照明用のレーザ光が平行光のまま均一化してマスクを照明しているため、マスク上に構築した位相差どおりの位相差を、レーザ光に与えることが出来るため、複雑なマスク構成を必要としない。
(ウ−2)絞り10の開口径が変更可能なため、マスクの周期により、所望される次数の回折光を開口に位置させることができる。
【0041】
次に、等間隔に複数の穴を、1列、加工した位相シフト効果のないフォトマスクを用いたときと、フォトマスクの穴列の、偶数番と奇数番の穴を透過した光に、λ/2の位相差をもたせた場合の光学的な違いを説明する。
【0042】
この回折強度を計算すると、マスクの穴ピッチをT、穴の幅(開口)をSとし、穴数をNとすると、そのフーリエ変換F’は、Xを穴並び方向位置、uを空間周波数として
Figure 0003576892
と空間を次数mを単位として変更すると、偶数項、奇数項の位相変化を表す部分は、それぞれ
exp(−2πi(2nm))
exp(−2πi((2n+1)m)−1/2)
となる。
【0043】
これらは明らかに、mが整数(0を含む)のとき打ち消しあい、半整数(±1/2,±3/2・・・)のとき、強めあう。
【0044】
したがって、強烈な0次光と、弱い±1次光による3光束干渉という従来の結像とは異なり、図6に示すように±0.5次の位置で、対象な光路を通る2光束干渉による結像となる。
【0045】
1.5次以上の光は、強度的にも弱く、司る形状成分も、0.5次光よりは細かい成分なので、問題にならない場合が多い。また照明条件によっては、絞りによってけられる程度の、照明側NAに設定される場合もある。
【0046】
このような結像は以下のような長所をもつ。
(エ−1)従来の3光束の干渉の場合、図5に示すようにレンズ42の劣化により、+1次または−1次のどちらかが、レンズの一部分で、他の2つの光束と位相差を持つようになるため、左右で非常に不均一な加工形状変形を起こした。これに対し、2光束干渉では、図7に示すように、2光束が光軸中心に対して対象であり、共通光路部が多く、位相変動に強い構造となる。
(エ−2)2光束干渉であるため、焦点進度方向の干渉縞変化がすくないので、焦点進度が増大し、特に奥行きのある穴堀加工に効果が大きい。
(エ−3)位相差が少ない共通光路部が、画角のすみの結像を行うため、加工上重要であることが多い周辺部の変形が少なくなる。
【0047】
図2は、本発明の実施形態2の要部概略図である。図2は本発明に係る位相シフトを施したマスク(フォトマスク)を製作する方法を説明している図面である。
【0048】
マスク28の複数の穴は1次元方向に配列されており、一端から数えたとき偶数番目の穴と奇数番目の穴を通過する光(レーザ光)にλ/2の位相差をもたせるようにしている。
【0049】
本実施形態ではマスクパタン27の全面に、二分の一波長の位相差を有するSiO薄膜25を製作した後、アブレーション加工にて、前記マスクパタン上の前記薄膜を除去し、所望の位相差分布を製作している。
【0050】
同図において21は光源手段であるArFレーザであり、コヒーレントなレーザ光21aを放射している。22はレーザ光束を広げて、均一な照度領域を拡大する凹レンズ、23は被加工物面上の加工範囲を規定する、開口を有するマスク、24は縮小投影レンズであり、マスク23の開口を被加工物上に投影している。25はλ/2の厚さに製膜された位相シフト用のSiO膜である。26はCaF基板である。27はCaF基板26上にCr蒸着膜でつくられたマスクパタンであり、その面上には複数の穴が製作されて穴列を形成している。28は完成した位相シフトを施したマスク(フォトマスク)の要部断面図である。
【0051】
本実施形態ではあらかじめ市販品等の基板26に作られたマスクパタン27のパタンの背面にSiO膜25をλ/2の厚さに製膜する。これを加工対象として、位相シフトマスクを製作する。
【0052】
ArFレーザ(波長=193nm)21より射出したレーザ光21aは、凹レンズ22により光束径が拡大され、比較的均一なレーザ光が、マスク23を照明する。
【0053】
マスク23の開口により切り出されたレーザ光は、縮小投影レンズ24によりSiO膜25上に結像される。
【0054】
結像光は、SiO膜をアブレーションし、マスクパタン27の偶数番目の穴パタンに相当するSiO膜を削除して、ここを通過するレーザ光に位相差が生じないようにしている。
【0055】
1つの穴の加工が終了した後、図示されていないマスク駆動装置でマスクパタン27の次の偶数番目の穴の上のSiO膜を除去する。
【0056】
本実施形態ではこのようにSiO膜25上を順次走査しながらマスク23の開口を投影することにより位相シフトを施したマスク28を製作している。
【0057】
本実施例の効果として、以下の点をあげる。
(オ−1)ArF工キシマレーザ21は、他のレーザよリSiOの吸収が大きいため、加工精度、加工速度のよい加工を行うことができる。
(オ−2)マスク基板26にCaFを用いることにより、ArFレーザによる基板ダメージが少なくなるため、SiO加工に用いるレーザエネルギーを大きくすることが出来る。その結果、加工速度、加工精度ともに向上する。
(オ−3)あらかじめ裏面に、穴加工したマスクパタン27が形成されているため、穴を通過したレーザ光が、Cr膜を痛めることが少ない。また、SiO加工の進行状況をモニターする光量測定にも用いることが出来る。
【0058】
位相シフトマスクは、LSI製造用のステッパ投影光学系に用いられることが多かったが、LSI製造用のマスクは
(カ−1)パタンが小さく、精度が高い必要性がある。
(カ−2)パタンが単純繰り返しではない。
(カ−3)NAが非常に大きい。
【0059】
しかし、アブレーション加工のうち、数μmを越えるような比較的大きな周期構造を製作するばあい、マスク上の構造は、10〜50μmを越える。また、NAも、分解能がそれほどいらないため、低くてもよい場合が多い。
【0060】
従って、単純な周期構造に位相差を作り込むことは、比較的容易である。
【0061】
しかし、たとえば、インクジェットプリンタの穴を一括加工する場合、100ヶから1000ヶ程度の穴をあけるため、そのためのマスク自体をつくる手間は非常に大きいものがあった。
【0062】
そこで、本実施形態では、まず、マスク全体に位相差分の薄膜を形成し、その中で位相差が必要な部分だけ、レーザアブレーションすることにより、位相差マスクを効果的に製作している。
【0063】
図3は、本発明の実施形態3の要部概略図である。図3は本発明に係る位相シフトマスクを製作する方法を説明している図面である。
【0064】
同図3(A)において31は、第1光源手段であるパルス発振するYAGレーザの3倍波発生装置(波長355nm)である。32は、第2の光源手段である、ArFレーザであり、コヒーレントのレーザ光を放射している。33は、YAGレーザ31からの3倍波レーザ光を透過し、ArFレーザ32からのレーザ光を反射するダイクロックミラーである。34は、レーザ光の光束径を広げて、均一な部分を拡大する凹レンズである。35は、加工範囲を規定する開口を有する、マスクである。36は、YAGレーザ31からの3倍波レーザ光と、ArFレーザ32からのレーザ光で色収差を補正した縮小レンズ、37は、SiO38上に設けたCr蒸着膜(Cr膜)より成る、マスクパタンであり、複数の穴列が製作されている。38は、λ/2の厚さに製膜された位相シフト用のSiO膜である。39は、CaF基板である。40は、完成した位相シフトマスクの要部断面図である。
【0065】
本実施形態では、あらかじめ、CaF基板39上にλ/2厚のSiO膜38を製膜し、さらに、その上にCr蒸着膜37を製膜しておく。その基板39にまずYAGレーザ31からの3倍波を順次照射して、Cr膜37上に穴パタンを制作する。
【0066】
YAGレーザ31から射出した光は、ダイクロックミラー33を通過して、凹レンズ34により広げられ、均一なレーザ光が、マスク35を照射する。マスク35の開口により切り出された光は、縮小レンズ36によりCr蒸着膜37上を縮小投影され、Cr膜37面上を加工し、穴パタンを形成する。基板39を、順次走査し、必要な個数の穴パタンをCr膜37上に製作する。
【0067】
必要な個数の穴だけ、Cr膜37を加工した後、今度は図3(B)に示すようにArFレーザ32からのレーザ光を利用して、SiO膜38を加工する。
【0068】
ArFレーザ32から射出したレーザ光は、ダイクロックミラー33で反射し、凹レンズ34により広げられ、均一な光が、マスク35を照射する。マスク35の開口により切り出された光は、縮小レンズ36により縮小投影されマスクパタンの奇数番目のCr膜37の穴パタンの下のSiO膜38に、穴パタンを加工し、λ/2厚の位相差を構築する。基板39を、順次走査し、SiO膜38に必要な個数の位相差を有した穴を製作する。
【0069】
本実施例の効果として、以下の点をあげる。
(キ−1)位相差膜38とCr膜37が近接してあるため、位置の違いによる位相誤差が非常に少ない。
(キ−2)Cr膜37がSiO膜38の非加工部分を保護するため、SiO膜38の品位が損なわれることが少ない。
(キ−3)Cr膜37の加工と、位相差膜38の加工に、ほぼ同軸の加工系を用いるため、位置ズレが非常にすくない。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性の低いガラスでも、レーザアブレーション加工用のレンズとして用いられるよう、フォトマスクによる回折光の位置と光量を制御することにより加工物を安定して光加工することができる光加工機及び光加工方法を達成することができる。
【0071】
この他本発明によれば、フォトマスクによる回折光の位置と光量を制御することにより、耐久性の低いガラスでも、レーザアブレーション加工用のレンズとして用いられるようになる。同時に焦点深度の深い、均一な品位のレーザ加工を施すことができるようになる。
【0072】
また、レーザ加工用の位相シフトマスクを、安価、簡便に得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】本発明の実施形態2の要部概略図
【図3】本発明の実施形態3の要部概略図
【図4】従来のマスクを用いた光学系の結像原理図
【図5】従来のマスクを用いた光学系の回折光の光路図
【図6】本発明のマスクを用いた光学系の結像原理図
【図7】本発明のマスクを用いた光学系の回折光の光路図
【図8】従来例の光加工機の光学系の概略図
【符号の説明】
1、KrFエキシマレーザ
2、光路調整用のミラー
3、光量プロフィール調整用の回折格子
4、ビームエキスパンダー用の前側レンズ
5、アパーチャ
6、ビームエキスパンダー用の後側レンズ
7、上下反転重ね合わせ用のプリズム
8、位相シフトマスク
9、投影レンズの前側レンズ群
10、絞り
11、投影レンズの後側レンズ群
12、加工物
21、ArFレーザ
22、凹レンズ
23、マスク
24、縮小レンズ
25、SiO
26、CaF基板
27、Cr蒸着膜マスクパタン
28、位相シフトマスク
31、パルスYAGレーザの3倍波発生装置
32、ArFレーザ
33、ダイクロックミラー
34、凹レンズ
35、マスク
36、縮小投影レンズ
37、Cr蒸着膜
38、SiO
39、CaF基板
40、完成した位相シフトマスク
70、レーザ光源
71、プリズムユニット
72、適光マスク
73、シリンドリカルレンズ
74、凸レンズ
75、フォトマスク
76、投射レンズの絞り面
77、投射レンズ
78、加工対象

Claims (3)

  1. 光源手段からのコヒーレント光束でマスク上のパタンを照明し、該マスク上のパタンを投影レンズで加工物上に投影して該加工物をアブレーション作用で光加工する光加工機において該マスクは複数の開口を一定の周期で配列した開口パタンを有し、該開口パタンは1つおきに通過する光に対してλ/2の位相差を与えていることを特徴とする光加工機。
  2. コヒーレント光を用い、フォトマスクのパタンを加工物上に投影して、所定の形状にアブレーション加工する光加工方法において、前記加工物に加工すべき形状は、概ね等間隔に配列された、穴または、溝であり、該フォトマスク上の複数の開口パタンは、1つおきに、通過光に二分の一波長の位相差をもたせている位相マスクを用いたことを特徴とする光加工方法。
  3. 前記マスクの全面に、二分の一波長の位相差を有する薄膜を製作した後、アブレーション加工にて、前記マスクの開口パタン上の、前記薄膜を除去し、所望の位相差分布を製作したマスクを使用することを特徴とする、請求項の光加工方法。
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