JP3576757B2 - クリーニング装置、及び定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーを用いて現像する電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に使用されるクリーニング装置、及び定着装置関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の定着装置においては、加熱ヒータを内側に配した定着ローラと弾性材層を有する加圧ローラとで普通紙等の転写材を加熱挟持搬送することにより、現像剤としてのトナーを転写材上に定着させることが行なわれている。その際、転写材に定着され得なかった現像剤はオフセットして定着ローラへ付着する。
【0003】
ところで、オフセットした現像剤を除去して定着ローラをクリーニングする方法としては、シリコンオイル等の離型剤を含んだ耐熱性繊維を定着ローラに当接させる方法、ブラシ状のクリーニングローラを定着ローラに当接させた状態で回転させる方法、離型剤を含んだシート状の耐熱性ペーパー(以後、ウエブと称す)の片面を弾性スポンジローラ(以後、ウエブローラと称す)によって定着ローラに当接させて定着ローラのクリーニングを行なう方法等があった。
【0004】
特に、ウエブを用いるクリーニング方法においては、クリーニング性を向上させるために、ウエブの定着ローラに当接させる面とは反対側の裏面を、定着ローラに当接させたクリーニングローラの表面に当接させてクリーニングする方法が提案されている(実開昭59−104159号公報参照)。又、更にウエブの有効利用を図るため、ウエブの表面のみならず裏面をも定着ローラに直接当ててクリーニングを行なう方法も提案されている。
【0005】
ここで、第1の主たる従来例として、ウエブの表面と裏面を直接定着ローラに当接させるクリーニング法の従来例を図10に基づいて説明する。
【0006】
図10に示すように、現像剤像Tが転写された転写材である転写紙Pは紙ガイド3に沿って定着ローラ1の所定位置へと送り出され、加熱ヒータ6とサーミスタ4によって一定温度に加熱された定着ローラ1と加圧ローラ2によって挟持搬送され、該転写紙P上に担持された現像剤Tがこの転写紙P上に定着される。
【0007】
その際、定着され得なかった現像剤Tはオフセットトナーとして定着ローラ1上に付着する。そして、定着ローラ1に付着した現像剤Tは、スポンジローラ13によって定着ローラ1に圧接されたウエブ12の第1の接触面によって払拭され、現像剤Tが付着したウエブ12は巻き取り軸9に巻き取られてゆく。
【0008】
次に、ウエブ12の第1の接触面によって拭き取られないで定着ローラ1上に残留する現像剤Tは、スポンジローラ13’によって定着ローラ1に圧接されたウエブ12の第2の接触面(第1の接触面の裏面)によって拭き取られる。
【0009】
而して、ウエブ12の上記第1及び第2の接触面は清掃と同時に定着ローラ1へのシリコンオイルの塗布も行ない、現像剤Tの定着を受けた転写紙Pは分離爪5によって定着ローラ1から分離される。
【0010】
以上のように転写紙Pが1枚通過する度に、ウエブ12は所定量だけ巻き取り軸9に巻き取られてゆき、ウエブ12の終端付近になるとそれを予告するための例えば赤い帯22が現われる。尚、この赤い帯22はウエブ12の製造段階で着色しておき、この赤い帯22が確認されるとウエブ12の交換が行なわれる。
【0011】
また、上記のような周知の画像形成装置における画像定着装置としては、熱源をそなえて一定温度に加熱した定着ローラと、これに圧接する弾性加圧ローラとの圧接ニップ部に、トナー像を静電的に担持する転写材を通過させて加熱、加圧し、転写材の上のトナーを転写材に溶融固定するように構成したものが広く実用されている。
【0012】
この種の定着装置では、転写材が前記ニップ部を通過する際、トナーが直接定着ローラに当接するので、トナーの一部が該ローラ表面に付着し、さらにこれが加圧ローラにも付着し、後続して該ニップ部に到来する転写材の表裏面に転移付着するオフセット現象を生じて画質の劣化を招来する恐れがある。
【0013】
このような問題に対処すべく、とくに定着ローラ表面をフッ素系樹脂膜で覆ったり、該表面にシリコンオイルなどの離型剤を塗布することによってオフセット現象の発生を防止することが提案されているが、このような手段のみでは充分オフセット現象を阻止することが困難であった。
【0014】
このため、クリーニングブラシを定着ローラに当接回転させる方法、離型剤を含浸させたウエブを定着ローラに当接、摺擦させて該ローラに付着したトナーを除去させる方法等が提案実施されていることは良く知られている通りである。
【0015】
また、ウエブの有効利用を図るべく、ウエブの表面を使用後、未使用の裏面を再度使用するように構成したものが、例えば特開平7−140830号公報などに開示されている。
【0016】
ここで、第2の主たる従来例として、ウエブの一面使用後、裏面を定着ローラに当接させて再利用する公知の定着装置の一例について略述する。図9はこのような定着装置の構成を略示する側面図であって、定着ローラ101、加圧ローラ102を内装して、不図示の転写部位において転写を終了した転写材を受容して定着を行う定着装置本体115の上部に、長尺のクリーニングウエブを装着したウエブユニット114が着脱自在に装着してある。
【0017】
トナー像Tを担持した転写材Pが、ガイド103を経て、加熱源106を内装する定着ローラ101と加圧ローラ102との圧接ニップ部を通過し、このときの熱と圧力とでトナー像が転写材に定着された後、機外に排出されるものとする。なお、図示符号105は定着後、転写材が定着ローラに沿って付着走行するのを阻止する分離爪、符号104は定着ローラの温度検知用のサーミスタである。上記定着装置本体115の上部に配置されたウエブユニット114には、図示のように、ウエブ112を装架するための巻取巻戻し兼用軸108、109が配装してあり、図示の場合は軸108に巻回されたウエブ112が、ウエブローラ110、110’を経て軸109に固定されている。
【0018】
図示のようにウエブユニット114を本体115に装着したとき、ウエブローラ110が定着ローラ側に位置し、該ウエブローラを支持する軸に装架したばね111がウエブローラ110を介してウエブ112を定着ローラ101に圧接している。従って適宜の駆動源でウエブを逐次軸109に巻回してゆくことによって、ウエブローラ110によって定着ローラ101に当接するウエブ部位が該ローラ表面を摺擦クリーニングする。
【0019】
このような構成のウエブユニット114には、その側壁適所に切欠孔107a、107bが形成してあり、図示の装着位置のように、その一方の切欠孔107aにウエブユニットを本体に装着した場合、切欠孔107aに対応する本体側位置にダボ113が設けてあるので、両者が係合して、ウエブユニット114が本体115上の定位置にセットされるものとする。
【0020】
前述のように、ウエブ112が軸109にすべて巻き取られたときには、ウエブユニット114を本体115から取りはずし、天地反転することによって前記切欠孔107bが、本体側のダボ113に対応する画像形成装置の定着装置位置にくるので、両者を係合させて本体115にウエブユニット114をセットする。
【0021】
これによって、第1面を使用したウエブが軸109に巻回された状態での軸108の位置に持ちきたされ、ウエブローラ110’に当接するウエブ部位が定着ローラ101に当接してばね111’によってこれに圧接摺擦されることになる。この際、ウエブ112は未使用の第2面が定着ローラに当接するので、以後当初の場合と同様に摺擦クリーニングが行われる。
【0022】
このような構成によって、クリーニングウエブを表裏両面にわたって有効に利用することができる。なお、ウエブの軸108、109に近い部分に、例えば縁に赤線など適宜のマークを付しておくことによって、ウエブユニットの位置反転時期を的確に判断できる。また、ウエブの裏面を使用する場合には含浸されている離型剤の量が少なくなっているので、該面使用の場合には、転写材1枚あたりのウエブ送り量を多くする、即ち、送り速度を大きくすることによって離型剤量の不足を補償することが可能である。
【0023】
また第3の主たる従来例として、定着装置に用いられる円筒形で表面にフッ素系の表面層をコーティングした定着ローラ内部にハロゲンランプによる加熱式の定着加熱手段が知られている。この定着ローラは平行に対を成して当接しニップ部を形成する加圧ローラを用いている。
【0024】
定着ローラと、加圧ローラのニップ部に画像形成手段にてトナー画像を形成した転写されたシート(紙葉)を搬送手段によって運搬し、前記定着装置のニップ部を通過させる。この時加圧、加熱によりトナー画像をシート上に固着させるが、加熱により溶融したトナーは全てシート上に固着されるわけではなく、一部は定着ローラにオフセットされる。このオフセットした溶融トナーを定着ローラ表面から拭き取るためにシート状の不織布を心材に巻き取ったクリーニングウエブを定着ローラ表面に当接させ摺擦させながらウエブにて拭き取るようにしている。
【0025】
一般的にウエブにはシリコンオイルを含浸させてあり、定着ローラ表面に油分を与えながら巻き取られていくため、定着ローラ表面にはトナーは極力付着しにくいようにしてある。このウエブは徐々に駆動手段によって汚れを拭き取りながら巻き取られていくが、巻き取られた片面が汚れたウエブは定期メンテナンスや使用完了、交換表示によって交換し、使い捨てとなってしまう。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記第1の従来例については、省資源化が進む複写機においては、少ないウエブで長期にわたるクリーニングウエブ使用法が求められるが、単に両面を使用するだけでは長寿命化を達成することは困難である。更に、ウエブ12の表面と裏面を共に定着ローラ1に接触させるために、ローラ表面にコーティングされたフッ素系保護層の摺擦による摩耗も増えるため、装置としての信頼性が低下すると同時に、排出されたシート表面の画像品質の低下を招く恐れがある。
【0027】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的の1つは、簡単な動作でクリーニング部材の両面使用が可能であり、クリーニング部材の取り付け、取り外しが容易で作業時間の短縮、サービス性の向上が図られるとともに、装置の信頼性向上、サービスメンテナンスのコストダウン、省資源化等を図ることができる定着装置を提供することにある。
【0028】
上記第2の従来例については、ウエブの第1面と第2面使用時で、送り量が著しく異なるので、そのための変速機構が複雑となってコスト、所要スペース等の面で、また、ウエブの寿命からみても不利たるを免れず、さらに摺擦速度が大となることによる定着ローラの摩耗の可能性がある。
【0029】
本発明のこのような事態に対処すべくなされたものであって、本発明の他の目的は、定着装置の定着ローラに当接するクリーニングウエブの表裏両面を利用するような定着装置において、該ウエブの各クリーニング面の使用に際して離型剤塗布量を均一化してその機能の安定化をはかり、ウエブの長寿命化を可能とする定着装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る第の発明は、支持フレームと、ウエブの表面と裏面を反転させる第1及び第2のウエブローラを支持し、該支持フレームに揺動自在に支持された揺動アームと、該支持フレームに該揺動アームが支持される揺動支軸と兼用されロール状ウエブを支持する支持手段と、該支持フレームに設けられウエブの一端を巻き取るウエブ巻取り手段と、該揺動アームを駆動し、第1又は第2のウエブローラにより選択的にウエブの表面又は裏面をクリーニング対象に当接させる駆動手段を有することを特徴とする。
【0031】
本出願に係る第の発明の定着装置は、現像剤像をシートに加熱固定する定着ローラ、及び該シートを該定着ローラに押圧する加圧ローラを具備する定着手段と、請求項に記載のクリーニング装置とを有し、該クリーニング装置のウエブにより定着ローラをクリーニングすることを特徴とする。
詳細な説明
【0032】
【作用】
上記手段によりウエブの表裏面を短時間にて使用する揺動手段によってウエブの表裏面で離型剤が極力同等になるように定着ローラに当接させることができる。そして、一旦使用したウエブは巻き取られて収納されるため、再び天地逆にウエブ面を設置することが無いようにするとともに、一度クリーニングしたウエブはそのまま機外に容易に取り外すことができるようにし、メンテナンスにおいて着脱交換性を向上させる。
【0033】
また、定着ローラや定着手段のシート搬送面に汚れが落下して定着画像に悪影響を及ぼさないようにしてある。さらに、揺動するアームが定着ローラから離間しても非通紙状態であるため汚れが画像に付着しないようにしてある。これによって、定着ウエブを両面使用でき、定着性能や画像品質に影響を与えない安定したクリーニング手段が達成できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に沿って説明する。
【0035】
図8は、本発明のシート収納装置が適用されている画像形成装置の一例を示している。同図において、画像形成装置の装置本体900には、原稿載置台206、光源907、レンズ系908、給紙ブロワ909、画像形成部902等を備えている。
【0036】
給紙部909は、シートを収納して装置本体900に着脱自在なカセット(収納容器)910、911及びペディスタル912に配置された給紙デッキ913を有し、カセット1には、給紙ローラ(給紙手段)4が配設されている。
【0037】
画像形成部902には、円筒状の像担持対である電子写真感光ドラム914(画像形成部)を内蔵したプロセスカートリッジに現像器915、転写用帯電器916、分離帯電器917、クリーナ918、一次帯電器919等がそれぞれ配設されている。画像形成部902の下流側には、搬送装置920、定着装置904、排出ローラ905等が配設されている。この画像形成装置の作動を説明する。装置本体900側に設けられている図示しない制御装置から給紙信号が出力されると、光源907から原稿載置台206に載置されている原稿Dに当てられて反射した光は、レンズ系908を介して感光ドラム914に照射される。感光ドラム914は、あらかじめ一次帯電器919により帯電されており、光が照射されることにより静電潜像が形成され、次いで現像器915により潜像は現像されてトナー像が形成される。
【0038】
給紙部909から給送されたシート材Sは、レジストローラ910で斜行が補正され、さらにタイミングが合わされて画像形成部902へ送られる。画像形成部902では、転写用帯電器916によって送られてきたシートSに感光ドラム914のトナー像が転写され、転写されたシートSは分離帯電器917によって転写用帯電器916と逆極性に帯電されて感光ドラム914から分離される。
【0039】
そして、分離されたシートSは、搬送装置920により定着装置904に搬送されて、定着装置904によりシートSに未定着転写画像が永久定着される。画像が定着されたシート材Sは排出ローラ905により装置本体906から排出される。
【0040】
このようにして、給紙部909から給送されたシート材Sは画像が形成されて排出される。
【0041】
次に、画像形成装置における定着装置の一実施形態を図面を参照にして説明する。
【0042】
図1は、本発明に係る定着装置の定着器と、クリーニング手段を示す断面図であり、図において、ニップ部を形成する定着ローラ209と加圧ローラ215は、転写済シートをニップ部を通過させてトナー画像を加熱固着させる。この上部にはクリーニング手段300が装着されていて、上ステイ304に係止爪305とビス306によって、クリーニング手段300のフレーム307を保持固定して装着される。
【0043】
このフレーム307には未使用ウエブ301を回転保持し、ウエブローラ302と架張ローラ304とを保持揺動する揺動アーム308を揺動自在に支軸309を嵌合させて保持し、また、使用済ウエブ巻き取りローラ310を回転巻き取り自在に軸支し、駆動源より伝達されたギヤトレインなどによって必要な量ずつ巻き取られる。
【0044】
このとき支軸309にはトルクリミッタなどのトルク負荷をあたえたり、ロータリーオイルダンパなどを用いて適当な負荷を与えながら未使用ウエブ301は引き出される。
【0045】
揺動アーム308から延出されたアーム部308aは電磁ソレノイド311のプランジャ312に接続連結されていて、画像形成装置本体に設けられている制御部からの出力信号によって吸引動作を行う。また、ソレノイド311のプランジャ312には圧縮ばね313が設けられていて、プランジャ312の非吸引時には圧縮ばね313の反力で押し戻す。このソレノイド311の動作によって揺動アーム308を揺動させることができるようにしてある。
【0046】
図2、及び図3はクリーニング手段300の揺動アームの動作している状態を示し、図において未使用ウエブ301は回動、回転中心支軸309に巻回保持され、ウエブ一端が引き出され、表面ウエブローラ302aに周巻されていて、更に、架張ローラ304を経て裏面ウエブローラ302bに周巻されていて、その後使用済のウエブを巻き取る巻き取りローラ310に巻き取られるように架張してある。
【0047】
図2は定着ローラ209に表面ウエブローラ302aが当接している状態であり、表面片面が定着ローラ209と接触するため、表面片面のみで定着ローラ209表面外周を第一のクリーニング当接部においてクリーニング作用する。この時、電磁ソレノイド311は非通電状態であってプランジャ312は吸引されないため圧縮ばね313の反力によって位置を保持するようにしてある。なお、この際のソレノイドをラッチングソレノイドによって構成しても同様に動作させることが可能である。
【0048】
図3は同様に前記電磁ソレノイド311に通電し、ウエブ301bの裏面を使用することができるように動作した状態を示し、ソレノイド311のプランジャ312が吸引されて移動するため連結されている揺動アーム308は回動し、裏面ウエブローラ302bは、定着ローラ209と当接し、第2のクリーニング当接部314を形成し、ここでクリーニング動作を行う。このようにして表面ウエブローラ302aか裏面ウエブローラ302bの何れかがクリーニング動作できるようにしてある。
【0049】
このようにして、電磁ソレノイド311の通電を制御するだけで容易にウエブ301bの表面と裏面の両面を使用することができる。また、例えばシート上に多量のトナー画像が転写されている場合、例えばベタ黒画像や写真等のように定着ローラ表面209に多量に残留トナーがオフセットされて汚れている場合などは、これをクリーニングするウエブも汚れがひどくなる。このような場合は、表面から浸透して裏面近くまで汚れが到達する場合も有るため片面表面だけを使用するように画像情報によって、ソレノイド311をコントロールすればよい。
【0050】
図4は本発明に係る画像形成装置の定着器904の1実施形態の縦断面図であって、図に示すように、例えばガラスやセラミック等の部材からなる円筒状の円筒形回転体211の外周面に、パターン電極201が配置されていて、円筒形回転体211の円筒端部近傍には電気供給のための電極パターン201a、201b、201cが露出していてブラシ接点202と接触している。ブラシ接点202は、制御手段203に接続され、電源部204に接続されている。
【0051】
また、パターン電極201a、201b、201cは絶縁体205により互いに電気的絶縁を行い、積層されて、円筒形回転体211の長手中央各ポジションに露出したパターン電極201d、201e、201fとなり、絶縁体205の外形と同じ面になるように加工されて、電極パターンを形成する。この電極は一般的には金属であり導電性を有する。例えば銅や、燐青銅などによって実現できる。
【0052】
この中央部に露出したパターン電極201d、201e、201fの上に抵抗発熱体206を積層するようにコーティングし、画像形成幅より広くなるように皮膜を形成する。例えば、カーボンブラックによって形成するか、或いは必要によって、導電性ゴムなどを混ぜ合わせたもので形成することでゴム系の弾性体を使用するコーティングされた表面は弾性力を有するようになる。
【0053】
更に抵抗発熱体206の上表面に金属箔207をコーティングして電極とする。この金属箔207はアルミニウム或いは銅などの電気的抵抗の低い導電性膜によって形成されている。
【0054】
更に、その上層部にはフッ素樹脂膜208(PFA,PTFE)の皮膜をコーティングしてあり、この長手端部は金属箔207が露出するようにしてあり、ブラシ接点202と電気的に導通するようにしてある。また、パターン電極201と抵抗発熱体206と金属箔207は電気的に十分に接続できるように密着させる。場合によっては、導電性接着剤を用いてもよい。
【0055】
以上のようにして一体的に固着させた円筒形回転体211は定着器904の定着上ローラ209として用いる。定着上ローラ209の円筒形両端部は外形よりも小さくなるように絞った突起部210を設けベアリング212を嵌合させて両端部にて軸支し、回転可能とする。
【0056】
突起部210とベアリング212はギャップ213をわずかに持たせる。このギャップ213は定着上ローラ209が加熱したときに線膨張した際に軸支間でスラスト方向で突っ張らないようにする為であり、これにより、回転方向の摺動トルクに悪影響を及ぼさないようにする。
【0057】
一方、上記のように設置された定着ローラの一端部には画像形成装置の駆動手段に連結される駆動伝達用の駆動ギヤ214が取り付けられていて、定着上ローラを回転させるようにしてある。
【0058】
また、定着上ローラ209と平行に加圧ローラ215が設けられていて、加圧ローラ215は、金属シャフト216に一体的なシリコン系の材質の円筒ゴム217を有し、定着上ローラ209とニップ部を形成するように金属シャフト216の両端部を軸受け218に軸支し、かつ加圧バネ219によって加圧するように構成している。以上の構成の定着手段は前側板、後側板、上ステイ、下ステイなどの筐体220によってユニット化されている。
【0059】
図5は図4におけるA−Aの断面図を示し、筐体220の上ステイ220bには定着入り口上ガイド221、下ステイ220aには定着入り口下ガイド222がそれぞれ装着されていて画像形成装置上流の搬送手段から送られてきたシートは、矢印の方向に回転する定着上ローラ209と加圧ローラ215によって定着ニップ部223に案内されて定着動作を行うようになっている。
【0060】
ニップ部223を通過したシートはシート上にトナー画像を固着されて、上分離爪224と下分離爪225により最終的には各ローラから強制的に引き離されて排紙上ガイド226と排紙下ガイド227に案内されて、排紙ローラ(カール矯正)対228を通過して定着動作を完了する。
【0061】
上分離爪224と定着入り口上ガイド221の間の定着ローラ209の回転方向内に当接するクリーニング手段229を設け、トナー画像が定着ローラ209表面に付着したトナー汚れを除去清掃する。また、クリーニング手段229の外側には蓄熱手段230を設けてあり、クリーニング手段229のトナーが固着し難くするとともに定着ローラ209の温度が周囲の空気によって空冷され難くし、保温できることにより定着ローラの熱的効率を向上させ、省エネルギーとなるようにしたものである。
【0062】
更に、蓄熱手段230の外側には断熱手段231を設けてあり、蓄熱手段が保温されるようにしたものである。このクリーニング手段229と、蓄熱手段230と、断熱手段231は、上ステイ220bに取り付けられていて、クリーニング手段229は定期的に交換可能としてあり、定着ローラ209の表面を常に清浄に保つことができるようにしてある。
【0063】
図6は電気系の供給手段を説明し、一対の定着ローラ209と加圧ローラ215が配置された断面図であり、定着ローラ209は図4において説明したパターン電極201cの上層に抵抗発熱体206、更に電極導電層232が積層してあり、電源部204から供給される電気は制御手段203によりコントロールされていて、その出力はブラシ接点202bに接続されている。このブラシ接点202bは定着ローラ209の電極導電層232に接触導通していて、電極導電層232に必要な電圧を印加している。
【0064】
供給された電気は抵抗発熱体206通りパターン電極201cに流れる。更に、パターン電極201cにはブラシ接点202が電気的に接触していてブラシ接点202から電源部204に戻る回路を形成している。
【0065】
この時、パターン電極201cは回転することによりブラシ接点202と接触し通電するが、通電する範囲は定着ニップ部223より回転方向にて上流方向に伸延して接触するように配置してある。
【0066】
電気が印加されると、接点ブラシ一端部である202sにてパターン電極201cが接触すると導通が開始され発熱抵抗体206に通電され発熱が開始される。矢印方向に定着ローラ209は回転しニップ部223に到達するまで発熱抵抗体206は温度上昇しつつ一定温度になるように制御手段203によってコントロールされるようになっている。
【0067】
したがって、予め導通を開始し、高温になるまで常に電気の供給できる回路が形成される。また、ニップ部223を回転しながら通過するとパターン電極201cはブラシ接点202から離れるため電気の供給は断たれてしまう。そこで、温度が徐々に低下しはじめるが図5にて説明した蓄熱手段230、断熱手段231の保護によって、熱的に温度が低下することを極力防止するようしている。
【0068】
この抵抗発熱体206は急速加熱ができるため定着ローラ209全体を加熱することが不要であるため、ニップ部223にて必要な温度が得られればよいため、それよりも上流部で加熱を開始すれば間に合うようになっている。
【0069】
したがって、低回転数の低速機では、ニップ部223から僅かな距離だけ戻る長さのブラシ接点202でも十分な温度に達成することができ、また、高速回転する場合は、ブラシ接点202の長さを長くなるように変えるだけで同様にニップ部の温度が最適になるようにできる。これによって、掛かる電気供給を極力減らすことができ省エネルギーの定着装置ができ、ウエイトタイムレスの定着器が提供できる。
【0070】
一方、図7は定着ローラ209の部分断面図であって、パターン電極の構成を示し、円筒回転体基部211は絶縁体でできていて、パターン電極201を円周方向に等間隔に配置してある。また、パターン電極201の一端部201a、201b、201cは円筒形端部にて同じ高さになるように配置して並べられている。
【0071】
また、各電極パターン201は回転体基部211の絶縁体内部に埋め込まれていて、画像形成装置のシート通過領域にて紙のサイズに幅に合致するように配置して再び表面に現れるように配置してある。
【0072】
例えば、小サイズのシートの定着を行う場合はブラシ接点202aのみに電圧が印加される。すると、電気は電極パターン201aから201fに流れ、抵抗発熱体206のパターン当接面のみが加熱されて、電極導電層232からブラシ接点202bに接続される。
【0073】
一方、画像形成装置フルサイズのシートが定着器にて加熱される場合は、ブラシ接点202a、202c、202dの全てに電圧が印加される。同様に電極パターン201d、201e、201fに導通し、抵抗発熱体206は全体が加熱されることによりシート全域を加熱することができる。
【0074】
また、一般的に発熱抵抗体による温度制御した場合、円筒形長手方向の通紙部を一様に加熱しようと同じ電圧を印加しても抵抗発熱体の特性上端部が温度上昇しやすく一定にならない傾向がある。
【0075】
本構成によれば端部は別の回路に分割することができるため必要によっては表面温度をフィードバックして、円筒形中央部と同じ温度になるように制御するようにする。一般的にはPWM方式による制御が効率よく安定して、急速に温度が変化する抵抗発熱体の変化に合わせることができる。このようにして、必要な温度になるようにパターンを分割し、かつ必要な範囲のみを加熱し、安定した定着手段が提供できるようになる。
【0076】
また、このように環状導電パターンによって定着ローラ表面を発熱させる方式を取っているため、電源投入後定着動作が可能になるまでの応答時間は10秒以下となり、熱応答性に優れ、しかも低消費電力化を図ることができる。
【0077】
なお、前記実施形態では回転体として円筒状のものを使用したが必ずしもこれに限定するものではなく、円柱状のものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クリーニング手段におけるウエブの両面が効率的にクリーニング動作できるようにされ、クリーニングウエブの長寿命化が可能となり、メンテナンスの手間も掛からなくなるとともに、ウエブ表裏面をくまなく使用できるため、ウエブのコストが低減され、シート画像形成当たりの単価が安くなる。また、環境保全やエコロジー等の観点から、ウエブの長寿命化によって頻繁に廃棄されることが少なくなるメリットがある。上記クリーニング動作は、常時安定して良好な定着動作を可能とする。
【0079】
一回の使用で表裏面を同等に使用し巻き取ることができるため、一度付着したトナーや埃を定着ローラ付近に落下させたり、再付着して定着の品質を低下させることなく、また、離型剤が表裏短時間でほぼ同等に消費できるようになり、表裏面でのクリーニング性能を均一に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示す定着装置の断面図。
【図2】本発明の1実施形態の定着装置の1作動状態を示す断面図。
【図3】本発明の1実施形態の定着装置の他の作動状態を示す断面図。
【図4】本発明の定着ローラの1実施形態を示す縦断面図。
【図5】同実施形態の図4のA−A断面図。
【図6】同実施形態の定着ローラの回転軸に垂直の詳細横断面図。
【図7】同実施形態の定着ローラの回転軸に平行に一部破断した断面図。
【図8】本発明の画像形成装置の1実施形態の全体を示す概略構成図。
【図9】従来の定着装置の1例を示す断面図。
【図10】従来の定着装置の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
201…パターン電極
202…ブラシ接点
205…絶縁体
206…抵抗発熱体
207…金属箔
208…フッ素樹脂膜
209…定着上ローラ
210…突起部
211…円筒回転体
212…ベアリング
213…ギャップ
214…駆動ギヤ
215…定着加圧ローラ
216…金属シャフト
217…円筒ゴム
218…軸受け
219…加圧バネ
220…筐体
221…定着入り口上ガイド
222…定着入り口下ガイド
223…定着ニップ部
224…上分離爪
225…下分離爪
226…排紙上ガイド
227…排紙下ガイド
229…クリーニング手段
230…蓄熱手段
231…断熱手段
232…電極導電層
300…クリーニング手段
301…未使用ウエブ
302…ウエブローラ
303…第一のクリーニング当接部
304…架張ローラ
305…係止爪
306…ビス
307…フレーム
308…揺動アーム
309…支軸
310…巻き取りローラ
311…電磁ソレノイド
312…プランジャ
313…圧縮ばね
314…第2のクリーニング当接部
904…定着器

Claims (2)

  1. 支持フレームと、ウエブの表面と裏面を反転させる第1及び第2のウエブローラを支持し、該支持フレームに揺動自在に支持された揺動アームと、該支持フレームに該揺動アームが支持される揺動支軸と兼用されロール状ウエブを支持する支持手段と、該支持フレームに設けられウエブの一端を巻き取るウエブ巻取り手段と、該揺動アームを駆動し、第1又は第2のウエブローラにより選択的にウエブの表面又は裏面をクリーニング対象に当接させる駆動手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
  2. 現像剤像をシートに加熱固定する定着ローラ、及び該シートを該定着ローラに押圧する加圧ローラを具備する定着手段と、請求項に記載のクリーニング装置とを有し、該クリーニング装置のウエブにより定着ローラをクリーニングすることを特徴とする定着装置。
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