JP3576646B2 - 衛星通信システムを用いた緊急通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機搭載用の衛星通信システムを使用し、民間航空機内で緊急事態が発生したとき、機内の状況を地上に知らせる衛星通信システムを用いた緊急通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星を使用して通信を行なう衛星通信システムとして、従来、インテルサット衛星やインマルサット衛星を使用したSATCOMアプリケーションがある。
このSATCOMアプリケーションは、航空機の機内にいる人と、機外にいる人との間で、電話やファクスなどをやり取りするシステムとして使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、航空機がハイジャックにあい、この際、機内の詳しい状況が分からず、警察の捜査および救助対策がとりづらかったということが云われている。
そこで、このような不都合を解決するために、航空機の機内に、デパート、駅やコンビニエンスストアなどにあるようなビデオモニタを設置することが提案されているが、このようなビデオカメラをどのようにして、機内に設置し、かつビデオカメラで得られた映像をどのようにして、地上の人に送るかという点について、未だ具体的な提案がない。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑み、航空機の機内にビデオカメラを設置する際の具体的な配置および機内に設けられた各ビデオカメラで得られた映像を地上の人に送る際の具体的な通信方式を提案するものであり、この提案によって航空機内にいる人または地上側の人の操作で、航空機の機内状況を地上にいる人に知らせることができ、これによってハイジャックなどの緊急事態が発生しても、これに適切に対処させることができる衛星通信システムを用いた緊急通信装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明による衛星通信システムを用いた緊急通信装置は、請求項1では、航空機内の所望場所に設けられ、航空機内の状況を撮影する1台以上のビデオカメラ装置と、前記航空機に設けられ、前記ビデオカメラ装置で撮影された機内状況を示すビデオ信号を画像処理して、予め設定されている画像形式の画像信号にする画像処理装置と、前記航空機に設けられ、前記画像処理装置から出力される画像信号を取込み、指定された通信衛星を使用した無線回線を利用して地上側に設けられた航空地球局に該画像信号を伝送する通信装置と、前記航空地球局と無線又は有線回線にて接続された地上装置とを備えており、前記地上装置は前記ビデオカメラ装置に対する撮影条件指示情報を生成すると共にこれを航空地球局に向けて送出し、航空地球局は前記撮影条件指示情報を前記通信装置に向けて送出し、通信装置は前記撮影条件指示情報を前記画像処理装置に向けて送出し、画像処理装置は前記撮影条件指示情報に基づいて前記ビデオカメラ装置を制御するものであり、衛星通信システムを用いた緊急通信装置であることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2では、請求項1に記載の衛星通信システムを用いた緊急通信装置において、前記ビデオカメラ装置の撮影条件の指示情報は、ビデオカメラ装置のピント合わせ、撮影方向、撮影間隔を制御するものであることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3では、請求項1または2に記載の衛星通信システムを用いた緊急通信装置において、前記画像処理装置は、前記航空機のコクピット内に設けられたエマージェンシースイッチや前記航空機の機内各所に設けられたスイッチが操作されたとき、または前記地上装置から前記航空地球局側に監視開始情報が出力されたとき動作を開始し、以後、前記地上装置から前記航空地球局側へ監視終了情報が出力されるまで、動作を継続することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による衛星通信システムを用いた緊急通信装置の一形態例を示すブロック図である。
この図に示す衛星通信システムを用いた緊急通信装置1は、航空機2の機体3に取り付けられ、通信衛星、例えばインマルサット衛星4(図8参照)を介して地上側の航空地球局5(図8参照)と電波の送受信を行なう衛星通信用アンテナ装置6と、機内の予め設定されている場所に設けられる第1ビデオカメラ装置7a〜第Nビデオカメラ装置7nと、これら第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nの動作制御およびこれら第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nで得られた第1〜第Nビデオ信号の画像処理などを行なう画像処理装置8と、前記衛星通信用アンテナ装置6で受信された前記インマルサット衛星4からの電波をデコードして、地上側からの指示情報を再生し、これを前記画像処理装置8に供給する処理、この画像処理装置8から出力される画像情報を取り込んで、送信信号を生成し、これを前記衛星通信用アンテナ装置6からインマルサット衛星4に送信させ、前記航空地球局5に伝送させる処理などを行なう送受信装置9とを備えている。
【0009】
そして、機内でハイジャックなどの緊急事態が発生して、パイロットなどにより、エマージェンシースイッチが押されたとき、またはスチュワーデスなどにより、機内に設けられている各スイッチのいずれかが押されたとき、あるいは地上側の管制塔や警察などに設置されている地上装置10(図8参照)の監視開始スイッチが押され、監視開始情報が地上側の航空地球局5、インマルサット衛星4を介して衛星通信用アンテナ装置6で受信されたとき、第1ビデオカメラ装置7a〜第Nビデオカメラ装置7nを動作させ、これによって得られた第1〜第Nビデオ信号を画像処理して、静止画情報を生成し、これをファクシミリ信号形式で、衛星通信用アンテナ装置6から送信させて、前記地上装置10からプリントアウトさせる。
【0010】
この場合、前記第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nは各々、図2に示す如く監視対象として指定された場所の映像を取り込むビデオカメラ本体12と、導線や光ファイバ線などの伝送線11を介して供給される動作指示情報を取り込んで、前記ビデオカメラ本体12のオン/オフ動作、ピント合わせ動作、撮影方向の制御動作、撮影間隔、撮影条件などの制御動作などを行なうとともに、前記ビデオカメラ本体12から出力されるビデオ信号を取込み、これを前記伝送線11を介して、前記画像処理装置8に伝送するコントロール部13とを備えている。
【0011】
そして、図3に示す如く第1ビデオカメラ装置7aが航空機2にあるコクピット内の目立たない場所に取り付けられ、第2ビデオカメラ装置7bが航空機2内にある2階席の目立たない場所に取り付けられ、第3〜第Nビデオカメラ装置7c〜7nが航空機2にある1階席の目立たない各場所に取り付けられ、各々、前記画像処理装置8から監視開始信号を示す動作指示情報が出力されたとき、動作を開始して、撮影範囲として指定されている範囲を指定された条件で撮影し、これによって得られた第1〜第Nビデオ信号を前記画像処理装置8に伝送する。
【0012】
画像処理装置8は、図4に示す如く前記コクピット内に設けられているエマージェンシースイッチが押されたとき、または機内に設けられている前記各スイッチのいずれかが押されたとき、あるいは前記送受信装置9から監視開始情報や監視終了情報が出力されたとき、これを検出して、監視開始信号や監視終了信号を生成する監視動作指示回路14と、航空機2に設けられているGPS受信装置(グローバル・ポジショニング・システム受信装置)から出力される航空機位置情報を取り込むGPSインタフェース回路15と、前記伝送線11を介して、前記第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nに動作指示情報を伝送して、これらを動作させる処理、前記伝送線11を介して、前記第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nから出力される第1〜第Nビデオ信号を取り込む通信回路16とを備えている。
【0013】
さらに、前記画像処理装置8は、前記監視動作指示回路14から出力される監視開始信号、監視終了信号に基づき、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nを動作させるのに必要な各種の動作指示情報を生成して、前記通信回路16に供給する処理、この通信回路16から出力される第1〜第Nビデオ信号を取り込み、これを静止画像に変換する処理、前記GPSインタフェース回路15から出力される航空機位置情報などを取り込み、これを前記各静止画像と組み合わせて図5に示す如く第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nで得られた第1〜第Nビデオ信号の静止画像情報、機体番号情報、航空機位置情報、日付、時刻情報を含むN枚のファクシミリ画像17a〜17nを作成する処理などを行なう中央処理回路18と、この中央処理回路18から出力されるN枚のファクシミリ画像17a〜17nを示す第1〜第Nファクシミリ画像信号を順次、取り込んで、これを前記送受信装置9に供給するファクシミリ画像出力回路19とを備えている。
【0014】
そして、前記コクピット内に設けられているエマージェンシースイッチが押されたとき、または機内に設けられている前記各スイッチのいずれかが押されたとき、あるいは前記送受信装置9から監視開始情報が出力されたとき、予め設定されている動作指示内容や前記送受信装置9から出力される動作指示内容に基づいた動作指示情報を生成し、これを前記伝送線11を介して、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nに伝送し、指定された条件で、これら第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nに撮影動作を開始させるとともに、前記伝送線11を介して、前記第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nから出力される第1〜第Nビデオ信号やGPS受信装置から出力される航空機位置情報などを取り込んで、N枚のファクシミリ画像17a〜17nを作成し、これを第1〜第Nファクシミリ画像信号にして、前記送受信装置9に供給する。以後、前記送受信装置9から監視終了情報が出力されるまで、この動作を継続する。
なお、7aから7nのビデオカメラの内から特定のカメラを選択して、特定のカメラからの画像データだけを中心に送信できるような制御を行うようにしてもよい。
【0015】
前記送受信装置9は、図6に示す如く送受信対象となる音声信号や送受信対象となるデータの入力出力処理、送受信対象となるチャネルの選択処理、インマルサット衛星4の方向を検出してビームステアリング信号を生成する処理などを行なうサテライトデータユニット回路20と、このサテライトデータユニット回路20から出力される送信データを取り込んで、指定されたチャネルの周波数を持つ送信信号を生成する処理、受信動作で得られた受信信号を取り込み、これを復調して各チャネルの受信データを生成する処理などを行なう無線周波数ユニット回路21と、前記サテライトデータユニット回路20から出力されるビームステアリング信号に基づき、位相差信号を生成して前記衛星通信用アンテナ装置6に供給するビームステアリングユニット回路23とを備えている。
【0016】
また、前記送受信装置9は、前記無線周波数ユニット回路21から出力される送信信号を取込み、指定されたチャネル単位でこれを2つに分離する処理などを行なうスプリット回路24と、このスプリット回路24から出力される一方の送信信号を取り込んで、高い直線特性および高い電力増幅率で、増幅するリニア高出力増幅回路25と、このリニア高出力増幅回路25から出力される増幅済みの送信信号を取り込んで、前記衛星通信用アンテナ装置6に供給する処理、この衛星通信用アンテナ装置6から出力される受信信号を取り込んで、低ノイズ特性で増幅する処理、送信動作と受信動作とを切り替える処理などを行なう送受信切替/低ノイズ増幅回路26とを備えている。
【0017】
さらに、前記送受信装置9は、前記スプリット回路24から出力される他方の送信信号を取り込んで、C級増幅方式の高い電力増幅率で増幅するCクラス高出力増幅回路27と、このCクラス高出力増幅回路27から出力される増幅済みの送信信号を取り込んで、前記衛星通信用アンテナ装置6に供給する処理、この衛星通信用アンテナ装置6から出力される受信信号を取り込んで、低ノイズ特性で増幅する処理、送信動作と受信動作とを切り替える処理などを行なう送受信切替/低ノイズ増幅回路28と、これらの各送受信切替/低ノイズ増幅回路28から出力される受信信号を取り込んで、結合させて1つの受信信号を生成し、これを前記無線周波数ユニット回路21に供給する結合回路29とを備えている。
【0018】
そして、緊急時以外のとき、衛星通信用アンテナ装置6で受信された電波の受信方向に基づき、インマルサット衛星4の方向を検出し、この検出結果に基づき、前記衛星通信用アンテナ装置6の電波送受信方向をインマルサット衛星4の方向に向けさせながら、ボイスシステムから出力される電話の音声信号、データシステムから出力されるデータ(例えば、ファクシミリ信号)などを取り込んで、これを指定されたチャネルの周波数を持つ送信信号にした後、高い電力増幅率で増幅し、前記衛星通信用アンテナ装置6に供給する。さらに、この衛星通信用アンテナ装置6から出力される2つの受信信号を取り込み、これを低ノイズ特性で増幅した後、データと、音声信号とに分離し、データを前記データシステムや前記画像処理装置8に供給し、前記音声信号をボイスシステムに供給する。
この後、前記画像処理装置9から緊急事態時に出力される第1〜第Nファクシミリ画像信号が出力されれば、これら第1〜第Nファクシミリ画像信号を取り込んで、指定されたチャネルの周波数を持つ送信信号にした後、高い電力増幅率で増幅し、前記衛星通信用アンテナ装置6に供給する。
【0019】
また、衛星通信用アンテナ装置6は、図7に示す如く航空機2の機体3のうち、指定された場所(例えば、機体上部のテール部分やノーズ部分など)に配置されたフェーズドアレイアンテナなどによって構成され、高いアンテナ利得でインマルサット衛星4に対し、電波の送受信を行なう複数の高ゲインアンテナ30a〜30dと、前記送受信装置6のビームステアリングユニット回路23から出力される位相差信号に基づき、入力された送信信号の分離して、前記各高ゲインアンテナう30a〜30dのうち、対応する高ゲインアンテナに供給し、指定された方向に電波を送信させる処理、前記送受信装置6のビームステアリングユニット回路23から出力される位相差信号に基づき、前記各高ゲインアンテナう30a〜30dのうち、対応する高ゲインアンテナの受信動作で得られた受信信号の合成して、指定された方向の電波の受信信号を生成する処理などを行なう複数のビームステアリングネットワーク回路31a〜31dとを備えている。
【0020】
さらに、前記衛星通信用アンテナ装置6は、入力された切替信号に基づき、前記各ビームステアリングネットワーク回路31a〜31dのいずれかを選択して、前記送受信装置9の送受信切替/低ノイズ増幅回路26から出力される送信信号を取り込み、これを選択しているビームステアリングネットワーク回路に供給する処理、選択しているビームステアリングネットワーク回路から出力される受信信号を取り込み、これを前記送受信装置9の送受信切替/低ノイズ増幅回路26に供給する処理などを行なう高出力リレー回路32と、航空機2の機体3のうち、指定された場所に配置され、前記送受信装置9の送受信切替/低ノイズ増幅回路28から出力される送信信号を取り込み、これを低いアンテナ利得で電波にし、管制塔などに設けられている無線局などに送信する処理、この無線局などから送信された電波を受信して、低いアンテナ利得で受信信号を生成し、これを前記送受信切替/低ノイズ増幅回路28に供給する処理などを行なう低ゲインアンテナ33とを備えている。
【0021】
そして、入力された切替信号に基づき、各高ゲインアンテナ30a〜30dのうち、インマルサット衛星4の方向に向いている高ゲインアンテナを選択し、前記送受信装置9のビームステアリングユニット回路23から出力される位相差信号に基づき、選択している高ゲインアンテナのビーム方向を調整して、インマルサット衛星4に対し、電波の送受信を行ない得る状態にしながら、前記送受信装置9の送受信切替/低ノイズ増幅回路26から出力される送信信号を取り込み、これを電波に変換して、インマルサット衛星4に送信するとともに、このインマルサット衛星4から送信された電波を受信して、受信信号を生成し、これを前記送受信切替/低ノイズ増幅回路26に供給する。
【0022】
また、この動作と並行して、前記送受信装置9の送受信切替/低ノイズ増幅回路28から出力される送信信号を取り込み、これを電波に変換して、地上側の無線局などに送信するとともに、この無線局などから送信された電波を受信して、受信信号を生成し、これを前記送受信切替/低ノイズ増幅回路28に供給する。
【0023】
次に、図1に示すブロック図〜図7に示すブロック図を参照しながら、この形態例における、緊急事態発生時の動作を説明する。
まず、航空機2内でハイジャックなどの緊急事態が発生して、コクピット内に設けられているエマージェンシースイッチや機内に設けられている前記各スイッチのいずれかが押されたり、図8に示す如く地上側の管制塔や警察などに設置されている地上装置10の監視開始スイッチが押され、監視開始情報が地上側の航空地球局5、インマルサット衛星4を介して衛星通信用アンテナ装置6で受信され、送受信装置9から監視開始情報が出力されたりしたとき、画像処理装置8によってこれが検出され、監視動作が開始される。
【0024】
これにより、この画像処理装置8によって監視開始信号が生成されて、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nの撮影動作が開始させられるとともに、予め設定されている撮影条件や前記送受信装置9から出力される地上装置10で指定された撮影条件などを示す情報が生成されて、これら第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nのピント合わせ、撮影方向、撮影間隔、撮影条件などが制御されながら、これら第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nによって撮影が行われて、指定された場所の映像が撮られる。
【0025】
次いで、画像処理装置8によって、前記第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nから時分割または多重化されて出力される第1〜第Nビデオ信号が取り込まれて、各場所の映像を示す静止画が作成されるとともに、これらの各静止画に対し、GPS受信装置から出力される航空機位置情報などが組み合わされて、第1〜第Nビデオ信号の静止画像情報、機体番号情報、航空機位置情報、日付、時刻情報を含むN枚のファクシミリ画像17a〜17nが作成された後、これが第1〜第Nファクシミリ画像信号に変換されて、送受信装置9に供給される。
【0026】
そして、この送受信装置9によって、前記画像処理装置8から出力される第1〜第Nファクシミリ画像信号が順次、取り込まれ、これが緊急通信用として用意されているチャネルの周波数を持つ送信信号に変換され、衛星通信用アンテナ装置6からインマルサット衛星4に向けて送信される。
これにより、前記インマルサット衛星4を介して、前記緊急通信装置1から送信された電波が地上側の航空地球局5に伝送されて、この航空地球局5と有線または無線で接続されている地上装置10から前記ファクシミリ画像17a〜17nがプリントアウトされる。
【0027】
次いで、地上装置10が操作されて、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nで撮影されている方向の変更、撮影間隔の変更内容などが入力されれば、これが有線または無線で、航空地球局5に伝達された後、この航空地球局5で電波に変換されて、インマルサット衛星4に送信される。
そして、このインマルサット衛星4を介して、前記緊急通信装置1に伝送されて、緊急通信用アンテナ装置6で受信された後、送受信装置9でデコードされて、画像処理装置8に供給され、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nの撮影条件が変更される。
【0028】
以下、この地上装置10が操作されて、監視終了情報が入力されるまで、上述した動作が継続されて、航空機2内の映像がファクシミリ画像にされ、インマルサット衛星4を介し、地上側の航空地球局5に伝送され、地上装置10からプリントアウトされる。
このように、この形態例においては、機内でハイジャックなどの緊急事態が発生して、パイロットなどにより、エマージェンシースイッチが押されたとき、またはスチュワーデスなどにより、機内に設けられている各スイッチのいずれかが押されたとき、あるいは地上側の管制塔や警察などに設置されている地上装置10の監視開始スイッチが押され、監視開始情報が地上側の航空地球局5、インマルサット衛星4を介して衛星通信用アンテナ装置6で受信されたとき、第1ビデオカメラ装置7a〜第Nビデオカメラ装置7nを動作させ、これによって得られた第1〜第Nビデオ信号を画像処理して、静止画情報を生成し、これをファクシミリ信号形式で、衛星通信用アンテナ装置6から送信させ、前記地上装置10からプリントアウトさせるようにしたので、航空機2内にいる人または地上側の人の操作で、航空機2の機内状況を地上にいる人に知らせることができ、これによってハイジャックなどの緊急事態が発生しても、これに適切に対処させることができる。
【0029】
そして、この形態例では、インマルサット衛星4を使用した無線回線で、航空機2側に設けられた緊急通信装置1と、地上側の航空地球局5とを接続するようにしているので、小電力無線を使用した無線回線や電話回線を使用したときのような、航空機2の位置による通信不能状態を回避することができる。
【0030】
これにより、航空機2が空港内にある場合、陸地からある一定の距離にある場合は勿論のこと、航空機2が太平洋上空でハイジャックにあった場合やなんらかの原因で、秘境の地に不時着したような場合にも、地上装置10を操作して、監視開始情報を入力するだけで、航空機2内の状況を示すファクシミリ画像を地上装置10からプリントアウトさせることができる。
【0031】
また、上述した形態例においては、インマルサット衛星4を使用した無線回線上における信号伝送速度の制限から、航空機2側に設けられた画像処理装置8によって、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nから出力される第1〜第Nビデオ信号をN枚のファクシミリ画像17a〜17nにして、地上装置10側に伝送するようにしているが、第1〜第Nビデオ信号を現在提案されている種々の高能率符号化方式、例えばMPEG1符号化方式、MPEG2符号化方式や現在、開発が進められている他の高能率符号化方式によってファクシミリ画像17a〜17nを送信するときと同じ程度の通信量にできるときや、マルチメディア用として開発されている他の高速通信衛星を使用するときには、第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nから出力される第1〜第Nビデオ信号を動画形式で、地上装置10に伝送し、この地上装置10のモニタ装置上に表示させたり、VTR装置に録画させるようにしても良い。
【0032】
また、上述した形態例においては、送受信装置9および緊急用アンテナ装置6などのような既存の衛星通信システムに対して、画像処理装置8と第1〜第Nビデオカメラ装置7a〜7nを接続するだけで、本発明による衛星通信システムを用いた緊急通信装置1を構成することができることから、最小の導入コストで、上述した形態例の効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、航空機内にいる人または地上側の人の操作で、航空機の機内状況を地上にいる人に知らせることができ、これによってハイジャックなどの緊急事態が発生しても、これに適切に対処させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による衛星通信システムを用いた緊急通信装置の一形態例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1〜第Nビデオカメラ装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す第1〜第Nビデオカメラ装置の配置例を示す模式図である。
【図4】図1に示す画像処理装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1の装置から送信されるファクシミリ画像のイメージ図である。
【図6】図1に示す送受信装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図7】図1に示す衛星通信用アンテナ装置の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図8】図1に示す衛星通信システムを用いた緊急通信装置の動作例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 衛星通信システムを用いた緊急通信装置
2 航空機
3 機体
4 インマルサット衛星(通信衛星)
5 航空地球局
6 衛星通信用アンテナ装置(通信装置)
7a〜7n 第1ビデオカメラ装置〜第Nビデオカメラ装置
8 画像処理装置
9 送受信装置(通信装置)
Claims (3)
- 航空機内の所望場所に設けられ、航空機内の状況を撮影する1台以上のビデオカメラ装置と、前記航空機に設けられ、前記ビデオカメラ装置で撮影された機内状況を示すビデオ信号を画像処理して、予め設定されている画像形式の画像信号にする画像処理装置と、前記航空機に設けられ、前記画像処理装置から出力される画像信号を取込み、指定された通信衛星を使用した無線回線を利用して地上側に設けられた航空地球局に該画像信号を伝送する通信装置と、前記航空地球局と無線又は有線回線にて接続された地上装置とを備えており、前記地上装置は前記ビデオカメラ装置に対する撮影条件指示情報を生成すると共にこれを航空地球局に向けて送出し、航空地球局は前記撮影条件指示情報を前記通信装置に向けて送出し、通信装置は前記撮影条件指示情報を前記画像処理装置に向けて送出し、画像処理装置は前記撮影条件指示情報に基づいて前記ビデオカメラ装置を制御することを特徴とする衛星通信システムを用いた緊急通信装置。
- 前記ビデオカメラ装置の撮影条件の指示情報は、ビデオカメラ装置のピント合わせ、撮影方向、撮影間隔を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の衛星通信システムを用いた緊急通信装置。
- 前記画像処理装置は、前記航空機のコクピット内に設けられたエマージェンシースイッチや前記航空機の機内各所に設けられたスイッチが操作されたとき、または前記地上装置から前記航空地球局側に監視開始情報が出力されたとき動作を開始し、以後、前記地上装置から前記航空地球局側へ監視終了情報が出力されるまで、動作を継続することを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかに記載の衛星通信システムを用いた緊急通信装置。
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