JP3576544B1 - 歯車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歯車10は、第1ホイールのリブ36に歯部50を形成し、第2ホイールのリブ38に歯部52を形成し、第1ホイールと第2ホイールを係合することにより対向する歯部50、52によって歯14が形成される。また、第1ホイールと第2ホイールの間には、弾性体44が設けられ、付勢部48が弾性変形したときに、第1ホイールと第2ホイールが相対回転して、歯部50、52が接近する。これにより、歯車を円滑に回転させながらバックラッシを無くすことができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転を伝達する歯車に関する。詳細には、実質的にバックラッシが不要となる歯車に関する。
【0002】
【従来の技術】
露光装置には、感光材料を一定速度で搬送しながらレーザービームを走査することにより、感光材料を露光するものがある。このような露光装置では、画像データに基づいて、レーザービームをオン/オフしながら、主走査方向に沿って走査し、感光材料を副走査方向に搬送するようにしている。
【0003】
このような感光材料の搬送には、モータ等の駆動源の駆動力によって、感光材料搬送用のローラ等を回転駆動するようにしている。また、このときの駆動力の伝達には、歯車列が用いられることがある。
【0004】
ところで、互いに噛み合う一組の歯車を、無理なく回転させるためには、適切なバックラッシが必要とされている。しかし、このバックラッシは、騒音や振動の発生原因となると共に、露光装置などのように、高精度の搬送/停止が要求されるときに、停止位置や送り量の誤差を生じさせ、停止精度や搬送精度の低下の原因となってしまう。露光装置において、感光材料の停止精度や搬送精度の低下は、感光材料に形成する画像品質の低下の原因となってしまう。
【0005】
このような歯車のバックラッシを防止するために、メインギヤとサブギヤを重ねたシザースギヤを用いる方法があり、この方法では、シザースギヤに噛合するギヤの歯に、歯すじ方向に沿ったねじれが生じることがあり、このために、さらに、メインギヤの歯とサブギヤの歯の間に切溝を形成する提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、歯幅方向に沿い、かつ、歯先から歯底曲面に達する溝を形成することにより歯を分割し、両歯面が接近する方向へ弾性変形可能となるようにした歯車伝達装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特許第3273720号
【特許文献2】
特開平9−210143号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シザースギヤでは、歯幅の半分以下でしか相手の歯車の歯と接触しないために、歯面の偏磨耗が生じ易い。また、歯幅方向に沿った溝を形成した場合、歯元に応力集中が生じ易く、応力集中による損傷を防止するための強度調整が必要となるが、この強度調整が困難となっている。
【0009】
本発明は上記事実に鑑みて、偏磨耗や応力集中等を生じさせることなく、高い搬送精度、停止精度を得ることができる歯車を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の歯車は、略円盤状のホイールに所定間隔で複数の歯が形成される歯車であって、互いに対向し、同軸的にかつ相対回転可能に配置されて前記ホイールを形成する第1ホイール及び第2ホイールと、前記第1ホイールの外周部から突設されて第1ホイールの周方向に沿った一方の面に前記複数の歯のそれぞれの一方の歯面が形成された第1の歯部と、前記第2ホイールの外周部から前記第1の歯部のそれぞれに対向するように突設され、第1の歯部と反対側の面に他方の歯面が形成されて、第1の歯部とによって歯幅方向の全域に所定の間隙が生じるように前記歯を形成可能な第2の歯部と、互いに対向する前記第1の歯部と前記第2の歯部との間に所定の間隙が生じるように前記第1ホイールと前記第2ホイールを付勢して第1ホイールと第2ホイールを一体回転可能とすると共に、第1の歯部と第2の歯部の間隙を該付勢力に抗して狭める方向へ、第1ホイールと第2ホイールを相対回転可能とする付勢手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、歯を歯厚方向に沿った中間部で、第1の歯部と第2の歯部に分割し、第1の歯部を第1ホイールに形成し、第2の歯部を第2ホイールに形成する。この第1ホイールと第2のホイールを同軸的に係合することにより、第1の歯部と第2の歯部が所定の間隙で対向する複数の歯が所定間隔で形成される。
【0012】
第1ホイールと第2ホイールは、第1の歯部と第2の歯部が所定間隔となるように付勢手段によって付勢されることにより一体回転する。また、第1ホイールとタ第2ホイールは、付勢手段の付勢力に抗して、第1の歯部と第2の歯部を接近する方向に相対回転可能となっている。
【0013】
このように、第1の歯部と第2の歯部の間隙を狭めるときに、第1、第2の歯部のそれぞれが設けられている第1ホイールと第2ホイールが相対回転するために、応力集中等による破損等が生じることがなく、確実な駆動力の伝達が可能となる。
【0014】
したがって、バックラッシを実質的に無くした歯車列を形成することが可能となり、この歯車列を用いて例えば感光材料等の搬送/停止を行うときに、搬送精度、停止精度の向上を図ることができ、また、バックラッシを無くすことにより、騒音や振動等の低減を図ることが可能となる。
【0015】
このような本発明においては、前記第1ホイールの前記第2ホイール側の面に、歯数に応じた複数の第1のリブを略放射状に形成すると共に、第1のリブのそれぞれの先端部に前記第1の歯部を形成し、前記第2ホイールの前記第1ホイール側の面に、歯数に応じた複数の第2のリブを略放射状に形成すると共に、第2のリブのそれぞれの先端部に前記第2の歯部を形成して、前記第2のリブのそれぞれに前記第1ホイールが当接すると共に前記第1のリブのそれぞれに前記第2ホイールが当接することにより、前記第1ホイールと前記第2ホイールの間に前記付勢手段を配置可能とする空間を形成したものであっても良い。
【0016】
また、本発明においては、前記付勢手段を形成する弾性部材を前記第1のリブと前記第2のリブの間のそれぞれに配置したものであっても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1乃至図5には、第1の実施の形態に適用した歯車10を示している。なお、本実施の形態では、平歯車を例として説明する。
【0019】
図1に示すように、歯車10の外形形状は、ホイール部12に所定数の歯14が設けられた一般的構成となっている。また、ホイール部12には、軸心に軸孔16が形成されており、この軸孔16へ図示しない回転軸又は支軸が挿入されるようになっている。
【0020】
図2(A)に示すように、この歯車10は、例えば歯車18等とによって歯車列を形成するように用いられ、歯車10の歯14と歯車18の歯20が噛合していることにより、歯車10と歯車14の間で回転力が伝達される。このときに、例えば歯車10が矢印A方向へ回転されることにより、歯車18が矢印B方向へ回転する一般的構成となっている。
【0021】
図3乃至図5に示すように、歯車10は、歯14の歯幅方向に沿った中間部で、ホイール部12が分割されている。すなわち、ホイール部12は、第1ホイール22と第2ホイール24によって形成されている。
【0022】
この第1ホイール22及び第2ホイール24は、各種の金属材料、硬質樹脂等の任意の部材を用いて形成することができる。
【0023】
図3及び図5に示すように、第1ホイール22には、第2ホイール24に対向する側の面に、略円筒状のスリーブ26が突設されている。軸孔16は、スリーブ26内に延設されている。
【0024】
このスリーブ26の先端部には、複数の爪部28が形成されている。図3に示すように、爪部28は、スリーブ26の周方向に沿って所定間隔で設けられ、半径方向の外方に突設されている。
【0025】
また、スリーブ26には、それぞれの爪部28を挟んで切込み30が形成されている。切込み30は、スリーブ26の軸方向に沿って所定長さで形成されており、これにより、爪部28のそれぞれが、スリーブ26の半径方向に沿って揺動可能となっている。
【0026】
一方、図3及び図4に示すように、第2ホイール24の軸心部には、貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、スリーブ26の外径に応じた内径となっており、爪部28を縮径する方向へ揺動させて、第1ホイール22のスリーブ26を、第2ホイール24の貫通孔32へ挿入可能となっている。
【0027】
これにより、第1ホイール22と第2ホイール24が同軸的に係合し、第2ホイール24が、このスリーブ26を軸に、第1ホイール22に対して相対回転可能となっている。また、爪部28の先端が、第2ホイール24の第1ホイール22と反対側の面に突出することにより、第1ホイール22と第2ホイール24とは、軸方向に沿った離間が阻止される。
【0028】
なお、第2ホイール24には、第1ホイール22と反対側の面に、略筒体状のカバー部34が突設されており、これにより、貫通孔32から突出している爪部28が覆われるようになっている。
【0029】
ところで、図3及び図4に示すように、第1ホイール22には、第2ホイール24側の面に、第1のリブとして略筋状のリブ36が略放射状に形成されており、第2ホイール24には、第1ホイール22側の面に、第2のリブとして略筋状のリブ38が略放射状に形成されている。
【0030】
リブ36、38のそれぞれは、歯車10に形成される歯数(歯14の数)と同じ数となっており、第1ホイール22と第2ホイール24を係合させたときに、第1ホイール22のリブ36の間に、第2ホイール24のリブ38が配置されるようになっている。
【0031】
リブ36は、第1ホイール22の周縁から半径方向の外方へ突出しており、リブ38は、第2ホイール24の周縁から半径方向の外方へ突出している。また、リブ36は、第2ホイール24に対向する基部40が第1ホイール22の表面から所定高さに突出しており、リブ38は、第1ホイール22に対向する基部42が第2ホイール24の表面から所定高さに突出しており、第1ホイール22と第2ホイール24を係合させたときに、基部40が第2ホイール24に当接し、基部42が第1ホイール22に当接するようになっている。
【0032】
これにより、第1ホイール22と第2ホイール24が一定間隔で保持される。また、このときに、第1ホイール22と第2ホイール24の間には、軸心部近傍に所定の隙間(空間)が生じるようになっている。
【0033】
一方、図2(B)図3、図4及び図5に示すように、歯車10には、第1ホイール22と第2ホイール24の間に、付勢手段として弾性体44が配置されるようになっている。
【0034】
弾性体44は、樹脂ゴム、天然ゴム等の弾性部材によって略円盤状に形成されており、軸心部に貫通孔46が形成されている。この貫通孔46の内径は、第1ホイール22に形成しているスリーブ26の外径と略等しくなっており、弾性体44は、貫通孔46にスリーブ26が挿入されて第1ホイール22に装着される。また、弾性体44は、第1ホイール22と第2ホイール24を係合したときに、第1ホイール22と第2ホイール24の間に生じる前記した軸心部近傍の空間に入り込むようになっている。
【0035】
図2(B)、図3及び図4に示すように、弾性体44の外周部には、略三角形状の付勢部48が突設されている。付勢部48は、弾性体44の外周部に周方向に沿って連続的に形成されており、これにより、弾性体44は、略星型形状となっている。
【0036】
図2(B)に示すように、リブ36、38の基部40、42のそれぞれには、弾性体44の付勢部48に対向して斜面40A、42Aが形成されており、弾性体44の付勢部48は、第1ホイール22に設けているリブ36の基部40と、第2ホイール24に設けているリブ38の基部42の下端部の間に入り込んで、斜面40A、42Aに当接するようになっている。このときに、リブ36、38は、斜面40A、42Aと反対側の面が互いに当接し合う。
【0037】
これにより、第1ホイール22と第2ホイール24が、回転方向に対して所定の位置で保持されると共に、付勢部48をその弾性力に抗して弾性変形させることにより、基部40、42の斜面40A、42Aが接近する方向へ相対回転するようになっている。
【0038】
一方、図1、図2(A)及び図2(B)に示すように、歯車10に形成している歯14は、歯先より中心方向に向かって歯面が分割されている。なお、以下の説明では、歯14を分割した一方を歯部50とし、他方を歯部52として説明する。
【0039】
図2(B)、図3及び図4に示すように、斜面40A、42Aが対向するリブ36、38の間では、第1ホイール22に設けているリブ36が第1ホイール22から突出した先端部が歯部50となっており、第2ホイール24に設けているリブ38が第2ホイール24から突出した先端部が歯部52となっている。
【0040】
図1、図3及び図4に示すように、歯部50は、第1ホイール22の外周端から、所定の歯たけとなるように半径方向の外方に突設され、歯部52は、第2ホイール24の外周端から、所定の歯たけとなるように半径方向の外方に突設されている。また、歯部50、52のそれぞれは、所定の歯幅となるように第2ホイール24側又は第1ホイール22側へ向けて突設されており、この歯部50.、52の歯幅が、歯14の歯幅となっている。
【0041】
これにより、図1に示すように、第1ホイール22と第2ホイール24を係合させたときに、歯部50、52が対向して歯14を形成している。
【0042】
図2(A)及び図2(B)に示すように、歯部50は、歯部52と反対側に歯14の歯面14Aが形成され、歯部52は、歯部50と反対側に歯14の歯面14Bが形成されている。
【0043】
図2(B)に示すように、一つの歯14を形成する歯部50、52の間は、リブ36の基部40とリブ38の基部42との間に、弾性体44の付勢部48が入りこんでいることにより、所定間隔だけ離間しており、基部40、42の間の付勢部48を弾性変形させることにより、歯部50、52が接近するようになっている。
【0044】
これにより、歯車10では、それぞれの歯14において、同一に歯厚が変化するようになっている。
【0045】
図2(A)に示すように、歯部50、52が離間しているときの歯14の歯厚twは、歯車10と噛合する歯車18の歯溝の幅tsと略一致するか僅かに広くなっている(tw≧ts)。
【0046】
すなわち、バックラッシαを設け、歯部50、52を一体としたときの歯(歯14)の歯厚を歯厚tとしたときに、tw≧(t+α)となるようにする。
【0047】
また、歯車10と歯車18は、歯車10の歯数Z1、歯車18の歯数Z2、モジュールmから、歯車10と歯車18の中心距離aが、
a=m・(Z1+Z2)/2
となるように配置すればよい。
【0048】
このように構成されている歯車10と、歯車18を用いた歯車列では、歯車10の歯14が、歯車18の歯20の間(歯溝内)に入り込んだときに、かみあい側歯面である歯部52の歯面14Bが、歯20のかみあい側歯面20Aに当接する。このときに、図2(C)に示すように、歯14の反かみあい側歯面である歯部50の歯面14Aが、歯20の反かみあい側歯面20Bに当接するために、バックラッシがなくなる。
【0049】
すなわち、歯車10の歯14が、歯車18の歯20の間へ入り込むときや、歯車18の歯20の間から抜け出すときには、歯部50の歯面14Aに、歯20の反かみあい側歯面20Bが当接し、歯部52の歯面14Bに、歯20のかみあい側歯面20Bが当接する。これにより、歯部50と歯部52が互いに接近する方向へ押される。
【0050】
このときに、歯部50が設けられているリブ36(基部40)の斜面40Aと歯部52が設けられているリブ38(基部42)の斜面42Aが弾性体44の付勢部48を弾性変形させることにより、第1ホイール22に対して第2ホイール24が相対回転する。
【0051】
これにより、歯部50、52の間隔が狭まり、歯14の実質的は歯厚が小さくなるために、歯部50、52が円滑に歯20の間に入り込み、また、歯20の間から抜け出す。
【0052】
したがって、歯車10と歯車18の間に、実質的にバックラッシを設けていない状態であっても、歯車10と歯車18が円滑に噛み合いながら回転する。
【0053】
このとき、弾性体44(付勢部48)の弾性力の強さは、歯14に加わる力と、歯面摩擦抵抗力の和よりも若干大きく設定すればよく、これにより、バックラッシのない歯車列を形成することができる。
【0054】
一方、歯車10は、歯部52の歯面14Bの歯幅方向に沿った全域が、歯車18の歯20の歯面(かみあい側歯面20A)に当接可能となっている。したがって、歯車10の歯14(特に歯部52の歯面14B)に偏磨耗が生じてしまうのを防止でき、長期に渡って、安定した状態で回転力の伝達が可能となっている。
【0055】
また、このような歯車10は、主に第1ホイール22、第2ホイール24及び弾性体44の3点で構成できるので、組み付けが容易であり、低コストでの作成が可能となっている。
【0056】
さらに、歯車10は、歯14を分割した歯部50、52が薄肉となるので、大モジュールであっても射出成形により形成が容易となる。このとき、歯14(歯部50、52)が薄肉となることによる強度低下が問題となるときには、歯幅方向の端部にフランジ等を形成することにより容易に補強することができる。
【0057】
また、歯車10では、第1ホイール22と第2ホイール24に分割して、空間を形成しているので、熱が篭りにくくなり、熱による寿命短縮を防ぐことができる。すなわち、歯車10の長寿命化が可能となる。
【0058】
〔第2の実施の形態〕
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同じであり、第2の実施の形態において、前記した第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0059】
図6には、第2の実施の形態に適用した歯車60を示している。この歯車60は、前記した歯車10で付勢手段として設けた弾性体44に換えてねじりコイルばね62を用いている。
【0060】
ねじりコイルばね62は、第1ホイール22と略同等の構成の第1ホイール64から突出したスリーブ26が内部に挿入されて第1ホイール64に装着される。また、第1ホイール64には、係止孔64Aが形成されており、ねじりコイルばね62は、一方の端部62Aが係止孔64Aに挿入されて係止される。
【0061】
また、第1ホイール64に係合する第2ホイール24と同等の構成の第2ホイール66には、係止孔66Aが形成されており、第1ホイール64と第2ホイール66を係合するときに、ねじりコイルばね62の他方の端部62Bが、係止孔66Aに挿入されて係止される。
【0062】
このねじりコイルばね62は、歯部50、52を互いに離間する方向へ付勢しており、これにより、歯車60は、第1ホイール64と第2ホイール66が一体に回転するようになっている。このときの付勢力は、ねじりコイルばね62の強度によって容易に調整可能である。
【0063】
また、第1ホイール64と第2ホイール62は、ねじりコイルばね62の付勢力に抗して相対回転可能となっており、この相対回転によって歯部50、52が接近する。
【0064】
このような歯車60を用いたときにも、前記した歯車10と同様に、バックラッシを実質的に無くすことができると共に、円滑な回転及び回転力の伝達が可能となっている。
【0065】
〔第3の実施の形態〕
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、第3の実施の形態においても、基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同じであり、第3の実施の形態において、前記した第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0066】
図7には、第3の実施の形態に適用した歯車70を示している。この歯車70は、前記した歯車10で付勢手段として設けた弾性体44に換えて引張コイルばね72を用いている。
【0067】
引張コイルばね72は、第1ホイール22と略同等の構成の第1ホイール74から突出したスリーブ26に巻き掛けられて装着される。
【0068】
第1ホイール74には、ねじ孔74Aが形成されており、このねじ孔74Aへ螺合したねじ78に引張コイルばね72の一方の端部72Aが係止されるようになっている。
【0069】
また、第1ホイール74に係合する第2ホイール76は、前記した第2ホイール24と略同等の構成となっており、この第2ホイール76には、ねじ孔76Aが形成されており、第1ホイール74と第2ホイール76を係合するときに、引張コイルばね72は、他方の端部72Bが、ねじ孔76Aに螺合したねじ78に係止される。
【0070】
このときに、引張コイルばね72は、第1ホイール74と第2ホイール76とを、歯部50、52が離間する方向へ付勢しており、これにより、歯車70は、第1ホイール74と第2ホイール76が一体に回転するようになっている。このような引張コイルばね72の付勢力も、引張コイルばね72の強度により容易に調整することができる。
【0071】
また、第1ホイール74と第2ホイール76は、引張コイルばね72の付勢力に抗して相対回転可能となっており、この相対回転によって歯部50、52が接近する。
【0072】
このような歯車70を用いたときにも、前記した歯車10、歯車60と同様に、バックラッシを実質的に無くすことができると共に、円滑な回転及び回転力の伝達が可能なる。
【0073】
なお、以上説明した本実施の形態(第1乃至第3の実施の形態)は、本発明の構成を限定するものではない。
【0074】
例えば、本実施の形態では、付勢手段として、弾性体44、ねじりコイルばね62、引張コイルばね72を用いて説明したが、本発明に適用される付勢手段は、これらに限るものではなく、第1ホイールと第2ホイールを所定位置で保持すると共に、付勢力に抗して第1の歯部と第2の歯部が接近する方向に相対回転可能とするものであれば、任意の構成を適用することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、第1ホイールと第2ホイールの間に、付勢手段を設けるように説明したが、付勢手段の配置位置はこれに限るものではない。
【0076】
例えば、第1ホイールと第2ホイールを対向させた状態で、軸方向の外方から互いに接近する方向又は回転方向へ付勢し、この状態で第1の歯部と第2の歯部の間に所定の間隙が生じるようにすると共に、このときの付勢力に抗して、第1の歯部と第2の歯部が接近する方向へ第1ホイールと第2ホイールとが相対回転するようにしても良い。
【0077】
これにより、第1ホイールと第2ホイールの間に付勢手段を設けるスペースが不要となるので、歯車の小型化が可能となる。
【0078】
なお、本実施の形態では、平歯車を例に説明したが、本発明は、これに限るものではなくハスバ歯車やかさ歯車などの他の歯車に適用することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、歯の偏磨耗や応力集中による破損等を生じさせることなく、バックラッシを無くすことができるという優れた効果が得られる。これにより、感光材料を露光するときの搬送(副走査方向などへの搬送)に用いることにより、画素ズレ等が生じない高品質の画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に適用した歯車の概略斜視図である。
【図2】(A)は第1の実施の形態に適用した歯車と他の歯車の噛み合いを示す概略図、(B)は図2(A)を歯幅方向の中間部で切断した概略断面図、(C)は第1の実施の携帯に適用した歯車と他の歯車が噛み合い状態に達する前を示す概略図である。
【図3】第1の実施の形態に適用した歯車の概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】図3とは異なる方向から見た分解斜視図である。
【図5】歯車を歯幅方向に沿って切断した概略断面図である。
【図6】第2の実施の形態に適用した歯車の概略構成を示す分解斜視図である。
【図7】第3の実施の形態に適用した歯車の概略構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10、60、70 歯車
12 ホイール部
14 歯
18 歯車
20 歯
22、64、74 第1ホイール
24、66、76 第2ホイール
36 リブ(第1のリブ)
38 リブ(第1のリブ)
40 基部(第1のリブ)
42 基部(第2のリブ)
44 弾性体(付勢手段)
48 付勢部(付勢手段)
50 歯部(第1の歯部)
52 歯部(第2の歯部)
62 ねじりコイルばね(付勢手段)
72 引張コイルばね(付勢手段)
Claims (3)
- 略円盤状のホイールに所定間隔で複数の歯が形成される歯車であって、
互いに対向し、同軸的にかつ相対回転可能に配置されて前記ホイールを形成する第1ホイール及び第2ホイールと、
前記第1ホイールの外周部から突設されて第1ホイールの周方向に沿った一方の面に前記複数の歯のそれぞれの一方の歯面が形成された第1の歯部と、
前記第2ホイールの外周部から前記第1の歯部のそれぞれに対向するように突設され、第1の歯部と反対側の面に他方の歯面が形成されて、第1の歯部とによって歯幅方向の全域に所定の間隙が生じるように前記歯を形成可能な第2の歯部と、
互いに対向する前記第1の歯部と前記第2の歯部との間に所定の間隙が生じるように前記第1ホイールと前記第2ホイールを付勢して第1ホイールと第2ホイールを一体回転可能とすると共に、第1の歯部と第2の歯部の間隙を該付勢力に抗して狭める方向へ、第1ホイールと第2ホイールを相対回転可能とする付勢手段と、
を含むことを特徴とする歯車。 - 前記第1ホイールの前記第2ホイール側の面に、歯数に応じた複数の第1のリブを略放射状に形成すると共に、第1のリブのそれぞれの先端部に前記第1の歯部を形成し、
前記第2ホイールの前記第1ホイール側の面に、歯数に応じた複数の第2のリブを略放射状に形成すると共に、第2のリブのそれぞれの先端部に前記第2の歯部を形成して、
前記第2のリブのそれぞれに前記第1ホイールが当接すると共に前記第1のリブのそれぞれに前記第2ホイールが当接することにより、前記第1ホイールと前記第2ホイールの間に前記付勢手段を配置可能とする空間を形成していることを特徴とする請求項1に記載の歯車。 - 前記付勢手段を形成する弾性部材を前記第1のリブと前記第2のリブの間のそれぞれに配置していることを特徴とする請求項2に記載の歯車。
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