JP3575921B2 - 走行制御データ認識装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボットや自動車等に設置したカメラより得られる画像データを処理して、走行制御に必要なデータを認識する走行制御データ認識装置に関し、特に、走行データを高精度に認識できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボットの視覚に基づく走行制御として、農業機会学会誌第54巻2号(1992)において述べられているように、沿目標移動、向目標移動、走行者追尾等がある。沿目標移動は、床面の白線等のガイドラインをサインパターン(目印)とし、サインパターンが画面の一定位置に来るように走行を制御する。向目標移動は、画面に存在する建物の入り口などをサインパターンとし、それに向かうように走行を制御する。走行者追尾は、ロボットの進行方向に進む歩行者をサインパターンにして移動する定型行動である。
【0003】
また、画像処理による自動車等の移動ロボットの走行制御において、ロボットの走行方向と平行な直線の交点より求められる画像の無限遠点(=消失点)を検出し、この無限遠点に基づいて走行方向を認識・制御する手法が数多く提案されている(特開平3−276211、特開平5−173637、特開平5−151341など)。
【0004】
そうした方法の一つでは、画像を走査することにより、白線など、ロボットの走行方向に平行する直線を検出し、その直線の交点により無限遠点を検出している。また、他の方法では、Hough変換によりロボットの走行方向と平行する直線を検出し、その直線の交点により無限遠点を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような直線の交点より無限遠点を求める方法は、画像データに存在するノイズにより直線の検出が困難であったり、検出した直線に誤差が含まれたりするため、無限遠点を算出することが難しく、また、無限遠点が得られた場合でも正確さに欠けることが多かった。そのため、こうした方法を用いる従来の走行制御データ認識装置では、カメラの向き、即ちロボットの走行方向や、ロボットの走路上の位置などを正確に認識・制御することが困難であった。
【0006】
本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、撮像した画像から無限遠点を正確に検出し、それを基に走行方向や走路上の位置を正確に認識・制御することができる走行制御データ認識装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の走行制御データ認識装置では、画像データの無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算し、その加算値のピークをもたらす放射線の始点を無限遠点として認識している。
【0008】
そのため、検出した直線の交点から無限遠点を検出する場合と違って、誤差を減らすことができるので、ロボットの走行方向及びロボットの走路上の位置など、走行制御に必要なデータを高精度に認識することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、平行する白線が描かれた走路上に位置する移動体に載置されたカメラの映像を画像処理して、移動体の走行制御データを求める走行制御データ認識装置において、カメラの映像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換手段と、デジタル信号に変換された画像データを格納する画像メモリと、画像メモリに格納された画像データの処理及び計算を行なって走行制御データを得る画像処理手段とを設け、画像処理手段が、画像データの無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算し、その加算値を基に無限遠点を検出して、移動体の向きを認識するように構成したものであり、無限遠点を誤差を含まずに検出することができ、移動体の向きを正確に認識することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、画像処理手段が、この加算値のピークをもたらす放射線の無限遠線上の始点を無限遠点として認識し、無限遠点からその放射線の傾きを持って延びる線を走路上の白線として認識するように構成したものであり、無限遠点を誤差を含まずに検出し、それを基に走路上の白線を誤差を含まずに認識することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、画像処理手段が、画像データ上で認識した白線の位置を、イメージ座標系から相対座標系に変換することによって、カメラの走路上の位置を求めるように構成したものであり、走路上の白線とカメラとの位置関係を正確に把握することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、画像処理手段が、極座標変換を行なって、無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算するように構成したものであり、放射線上の画素の明度値の加算を簡単に行なうことができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態)
実施形態の走行制御データ認識装置は、図1に示すように、ロボット前面に進行方向に向くように取り付けられるカメラ部1と、カメラ部1からの映像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換部3と、画像データを格納する画像メモリ部4と、画像メモリ部4に格納された画像データからロボットの走行方向及びロボットの走路上の位置を認識する画像処理部5と、画像処理部5の認識結果である走行データを伝送する結果伝送部6と、伝送された走行データを基にロボットの走行を制御する走行制御部7と、装置全体の動作を制御する全体制御部2とを備えている。
【0015】
図2(a)は、ロボットに、この走行制御データ認識装置を取り付けた状態を示しており、また、図2(b)は、自動車にこの装置を取り付けた状態を示している。この図において、8はカメラ部1であり、9は、A/D変換部3、画像メモリ部4、画像処理部5、結果伝送部6、走行制御部7及び全体制御部2を収めた走行制御装置である。
【0016】
次に、この実施形態の走行制御データ認識装置の動作について説明する。カメラ部1は、走行方向前方の映像を撮影し、この映像信号は、A/D変換部3でデジタル信号に変換されて、画像メモリ部4に格納される。画像処理部5は、画像メモリ部4に格納された画像データを用いて、後述する方法でロボットの走行している向きや走路上の位置を認識する。この認識結果(走行データ)は、結果伝送部6を通じて走行制御部7に送られ、走行制御部7は、走行データを基に、ロボットの走行を制御する。
【0017】
次に、画像処理部5の動作について説明する。
いま、ロボットに装着されたカメラ1が、図3に示すように、左右両側に平行する白線13、14が描かれた走路上に位置しているものとする。
【0018】
カメラ1のレンズ中心を原点とし、原点を通り、道路面に平行で白線13、14と垂直な軸をX軸、原点を通り、道路面に垂直な軸をY軸、原点を通り、道路面に平行で白線13、14と平行な軸をZ軸とする相対座標系を想定する。
【0019】
カメラ1の向き11、即ち、ロボットの進行方向は、Z軸に対してθの角度を有している。Z軸に対して右回りを+、左回りを−として、θは−90°≦θ≦90°の範囲にある。相対座標系における左側白線13のX座標をXL 、右側白線14のX座標をXR とする。画像処理部4は、画像データを処理することによって、このθ、XL 及びXR を認識することになる。
【0020】
図4に示すように、カメラ1の俯角12がφであり、カメラ1の道路面からの高さがHであるとする。また、カメラ1の焦点距離をfとする。
【0021】
画像処理に用いる座標系として、図5(a)に示すように、画像の中心を原点とし、横軸をx軸、縦軸をy軸とするイメージ座標系を設定する。xの値はxmax からxmin まで取ることができ、yの値はymax からymin まで取ることができる。
【0022】
画像の無限遠線は、イメージ座標系において、カメラの俯角をφとすると、
yf =fv・tanφ
となる。ここで、fv は垂直画素に換算した焦点距離である。図5(b)には、この無限遠線16を図示している。また、図6には、無限遠線16とカメラの画像とを合わせて表示している。
【0023】
図6に示すように、無限遠点15は、この無限遠線16上にある。無限遠線16上の一点を始点とする放射線(但し、無限遠線16より下側の放射線に限る)上の画素の明るさ(明度値)を各放射線ごとに加算し、この操作を、無限遠線16上の点を順次ずらしながら行なうと、この放射線の明度値の加算値は、放射線が無限遠点15を始点とし、道路上の白線13、14に重なるときに最大となる。この明度値の加算を求めるため、無限遠線上の各画素を始点とする極座標変換を行なう。この変換式は、C言語の表現を用いて、次式によって表すことができる。
【0024】
ここで、for文は繰り返し処理を表しており、for(xi=xmin;xi<xmax;xi++)は、xi をxmin からxmax−1まで、xi を1ずつインクリメント(xi++)しながら繰り返し処理することを表している。また、for(yk=yf−1;yk>ymin;yk−−)は、ykをyf−1からymin+1まで、ykを1ずつデクリメント(yk−−)しながら繰り返し処理することを表しており、ここでは、yについての処理をy<fv・tanφの範囲に限定している。(1)式は、無限遠線上の座標(xi,yf)及び画素(xj,yk)を結ぶ直線とx軸とのなす角aを求める式である。(2)式は、無限遠線上の画素(xi,yf)を始点とし、x軸とのなす角がaである放射線上の画素の明度値img[xj][yk]を加算する式である。
【0025】
図6より、無限遠点15を始点として、白線13、14と重なる放射線上に存在する画素の明度値を合計した値が、明度値の加算値におけるピークを与えることが分かる。従って、B[x][a]のピークを与えるxf が無限遠点のx座標であり、また、そのときのxf,aにより、白線13、14を検出することができる。
【0026】
xf が検出できると、カメラ1の向き、即ち、ロボットの進行方向θは次式で算出できる。
【0027】
θ=tan−1(xf/fh) (3)
xf:無限遠点のx座標
fh:水平画素に換算した焦点距離
また、白線13、14間を走行しているロボットに設置したカメラからの画像における白線は、左側白線13が上り勾配、右側白線14が下り勾配という特徴がある(図6参照)。また、時系列画像の場合、前フレームにおける処理結果により現フレームのx及びaの範囲が限定できる。このような特徴を利用することによってより確実に白線及び無限遠点を検出することができる。
【0028】
次に、以上の方法で検出した白線及び無限遠点の座標より、ロボットの通路上の位置を認識する方法について説明する。ロボットの通路上の位置は、相対座標系における白線のX座標から求める。
【0029】
まず、上述した手法で求めたxf 、aL 、aR から、左右両白線13、14のy座標最小値ymin におけるイメージ座標xL’、xR’を次式によって求める。ここで、aL 、aR は、上述した手法で求めた左側白線13及び右側白線14とx軸とのなす角度である。
【0030】
ymin=tan(a)×(x−xi)+yf
xL’ =xf+(ymin −yf)/tan(aL)
xR’ =xf+(ymin −yf)/tan(aR) (4)
【0031】
ここで、相対座標系とイメージ座標系との関係を説明する。相対座標系の座標とイメージ座標系の座標との間では、次の関係が成り立つ。
【0032】
X/x=Y/y=Z/f (5)
この関係から、
−H/ymin=Z/fv
X’/x’=Z/fh (6)
が得られる。ここで、fh 、fv は水平及び垂直画素に換算した焦点距離[pixel]であり、Hはカメラ高さであり、x’は白線13、14のy座標最小値ymin におけるイメージ座標であり、X’は、x’に対応する相対座標系の座標(図3のXL’、XR’)である。式(6)を変形して、xL’、xR’に対応する相対座標系の座標XL’、XR’を次式(7)のように表すことができる。
【0033】
XL’=−fv・xL’・H/fh・ymin
XR’=−fv・xR’・H/fh・ymin (7)
式(4)から求めたxL’、xR’を式(7)に代入することにより、左右白線の相対座標XR’、XL’が得られる。
【0034】
相対座標系において白線13、14のX座標を表すXR 、XL の値は、このXR’、XL’を次の射影変換の式(8)に代入することによって求めることができる。
【0035】
XL=XL’cosθ+Zsinθ
XR=XR’cosθ+Zsinθ (8)
但し、Z=−fv・H/ymin
従って、ロボットの位置Xp は、基準点を設けることにより、XL またはXR から求めることができる。
【0036】
このように、実施形態の走行制御データ認識装置の画像処理部5では、簡単なプロセスで無限遠点や白線を検出することができる。この方法は、画面走査やHough変換で求めた直線の交点から無限遠点を検出する方法に比べて、検出誤差を低減させることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の走行制御データ認識装置は、無限遠点の検出誤差を減らすことができ、その結果、ロボットの向き、走路上の位置など走行に必要なデータをより高精度に出力することができる。従って、細かい動作を必要とするロボットの走行制御に大いに役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の走行制御データ認識装置の構成を示すブロック図、
【図2】実施形態の走行制御データ認識装置の取付例、
【図3】実施形態の走行制御データ認識装置の画像処理説明用の相対座標系、
【図4】実施形態の走行制御データ認識装置のカメラの俯角を示す図、
【図5】実施形態の走行制御データ認識装置の画像処理説明用のイメージ座標系、
【図6】実施形態の走行制御データ認識装置で得られる画像の一例である。
【符号の説明】
1 カメラ部
2 全体制御部
3 A/D変換部
4 画像メモリ部
5 画像処理部
6 結果伝送部
7 走行制御部
11 カメラの向き
12 カメラの俯角
13、14 白線
15 無限遠点
16 無限遠線
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボットや自動車等に設置したカメラより得られる画像データを処理して、走行制御に必要なデータを認識する走行制御データ認識装置に関し、特に、走行データを高精度に認識できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボットの視覚に基づく走行制御として、農業機会学会誌第54巻2号(1992)において述べられているように、沿目標移動、向目標移動、走行者追尾等がある。沿目標移動は、床面の白線等のガイドラインをサインパターン(目印)とし、サインパターンが画面の一定位置に来るように走行を制御する。向目標移動は、画面に存在する建物の入り口などをサインパターンとし、それに向かうように走行を制御する。走行者追尾は、ロボットの進行方向に進む歩行者をサインパターンにして移動する定型行動である。
【0003】
また、画像処理による自動車等の移動ロボットの走行制御において、ロボットの走行方向と平行な直線の交点より求められる画像の無限遠点(=消失点)を検出し、この無限遠点に基づいて走行方向を認識・制御する手法が数多く提案されている(特開平3−276211、特開平5−173637、特開平5−151341など)。
【0004】
そうした方法の一つでは、画像を走査することにより、白線など、ロボットの走行方向に平行する直線を検出し、その直線の交点により無限遠点を検出している。また、他の方法では、Hough変換によりロボットの走行方向と平行する直線を検出し、その直線の交点により無限遠点を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような直線の交点より無限遠点を求める方法は、画像データに存在するノイズにより直線の検出が困難であったり、検出した直線に誤差が含まれたりするため、無限遠点を算出することが難しく、また、無限遠点が得られた場合でも正確さに欠けることが多かった。そのため、こうした方法を用いる従来の走行制御データ認識装置では、カメラの向き、即ちロボットの走行方向や、ロボットの走路上の位置などを正確に認識・制御することが困難であった。
【0006】
本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、撮像した画像から無限遠点を正確に検出し、それを基に走行方向や走路上の位置を正確に認識・制御することができる走行制御データ認識装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の走行制御データ認識装置では、画像データの無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算し、その加算値のピークをもたらす放射線の始点を無限遠点として認識している。
【0008】
そのため、検出した直線の交点から無限遠点を検出する場合と違って、誤差を減らすことができるので、ロボットの走行方向及びロボットの走路上の位置など、走行制御に必要なデータを高精度に認識することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、平行する白線が描かれた走路上に位置する移動体に載置されたカメラの映像を画像処理して、移動体の走行制御データを求める走行制御データ認識装置において、カメラの映像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換手段と、デジタル信号に変換された画像データを格納する画像メモリと、画像メモリに格納された画像データの処理及び計算を行なって走行制御データを得る画像処理手段とを設け、画像処理手段が、画像データの無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算し、その加算値を基に無限遠点を検出して、移動体の向きを認識するように構成したものであり、無限遠点を誤差を含まずに検出することができ、移動体の向きを正確に認識することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、画像処理手段が、この加算値のピークをもたらす放射線の無限遠線上の始点を無限遠点として認識し、無限遠点からその放射線の傾きを持って延びる線を走路上の白線として認識するように構成したものであり、無限遠点を誤差を含まずに検出し、それを基に走路上の白線を誤差を含まずに認識することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、画像処理手段が、画像データ上で認識した白線の位置を、イメージ座標系から相対座標系に変換することによって、カメラの走路上の位置を求めるように構成したものであり、走路上の白線とカメラとの位置関係を正確に把握することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、画像処理手段が、極座標変換を行なって、無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算するように構成したものであり、放射線上の画素の明度値の加算を簡単に行なうことができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態)
実施形態の走行制御データ認識装置は、図1に示すように、ロボット前面に進行方向に向くように取り付けられるカメラ部1と、カメラ部1からの映像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換部3と、画像データを格納する画像メモリ部4と、画像メモリ部4に格納された画像データからロボットの走行方向及びロボットの走路上の位置を認識する画像処理部5と、画像処理部5の認識結果である走行データを伝送する結果伝送部6と、伝送された走行データを基にロボットの走行を制御する走行制御部7と、装置全体の動作を制御する全体制御部2とを備えている。
【0015】
図2(a)は、ロボットに、この走行制御データ認識装置を取り付けた状態を示しており、また、図2(b)は、自動車にこの装置を取り付けた状態を示している。この図において、8はカメラ部1であり、9は、A/D変換部3、画像メモリ部4、画像処理部5、結果伝送部6、走行制御部7及び全体制御部2を収めた走行制御装置である。
【0016】
次に、この実施形態の走行制御データ認識装置の動作について説明する。カメラ部1は、走行方向前方の映像を撮影し、この映像信号は、A/D変換部3でデジタル信号に変換されて、画像メモリ部4に格納される。画像処理部5は、画像メモリ部4に格納された画像データを用いて、後述する方法でロボットの走行している向きや走路上の位置を認識する。この認識結果(走行データ)は、結果伝送部6を通じて走行制御部7に送られ、走行制御部7は、走行データを基に、ロボットの走行を制御する。
【0017】
次に、画像処理部5の動作について説明する。
いま、ロボットに装着されたカメラ1が、図3に示すように、左右両側に平行する白線13、14が描かれた走路上に位置しているものとする。
【0018】
カメラ1のレンズ中心を原点とし、原点を通り、道路面に平行で白線13、14と垂直な軸をX軸、原点を通り、道路面に垂直な軸をY軸、原点を通り、道路面に平行で白線13、14と平行な軸をZ軸とする相対座標系を想定する。
【0019】
カメラ1の向き11、即ち、ロボットの進行方向は、Z軸に対してθの角度を有している。Z軸に対して右回りを+、左回りを−として、θは−90°≦θ≦90°の範囲にある。相対座標系における左側白線13のX座標をXL 、右側白線14のX座標をXR とする。画像処理部4は、画像データを処理することによって、このθ、XL 及びXR を認識することになる。
【0020】
図4に示すように、カメラ1の俯角12がφであり、カメラ1の道路面からの高さがHであるとする。また、カメラ1の焦点距離をfとする。
【0021】
画像処理に用いる座標系として、図5(a)に示すように、画像の中心を原点とし、横軸をx軸、縦軸をy軸とするイメージ座標系を設定する。xの値はxmax からxmin まで取ることができ、yの値はymax からymin まで取ることができる。
【0022】
画像の無限遠線は、イメージ座標系において、カメラの俯角をφとすると、
yf =fv・tanφ
となる。ここで、fv は垂直画素に換算した焦点距離である。図5(b)には、この無限遠線16を図示している。また、図6には、無限遠線16とカメラの画像とを合わせて表示している。
【0023】
図6に示すように、無限遠点15は、この無限遠線16上にある。無限遠線16上の一点を始点とする放射線(但し、無限遠線16より下側の放射線に限る)上の画素の明るさ(明度値)を各放射線ごとに加算し、この操作を、無限遠線16上の点を順次ずらしながら行なうと、この放射線の明度値の加算値は、放射線が無限遠点15を始点とし、道路上の白線13、14に重なるときに最大となる。この明度値の加算を求めるため、無限遠線上の各画素を始点とする極座標変換を行なう。この変換式は、C言語の表現を用いて、次式によって表すことができる。
【0024】
ここで、for文は繰り返し処理を表しており、for(xi=xmin;xi<xmax;xi++)は、xi をxmin からxmax−1まで、xi を1ずつインクリメント(xi++)しながら繰り返し処理することを表している。また、for(yk=yf−1;yk>ymin;yk−−)は、ykをyf−1からymin+1まで、ykを1ずつデクリメント(yk−−)しながら繰り返し処理することを表しており、ここでは、yについての処理をy<fv・tanφの範囲に限定している。(1)式は、無限遠線上の座標(xi,yf)及び画素(xj,yk)を結ぶ直線とx軸とのなす角aを求める式である。(2)式は、無限遠線上の画素(xi,yf)を始点とし、x軸とのなす角がaである放射線上の画素の明度値img[xj][yk]を加算する式である。
【0025】
図6より、無限遠点15を始点として、白線13、14と重なる放射線上に存在する画素の明度値を合計した値が、明度値の加算値におけるピークを与えることが分かる。従って、B[x][a]のピークを与えるxf が無限遠点のx座標であり、また、そのときのxf,aにより、白線13、14を検出することができる。
【0026】
xf が検出できると、カメラ1の向き、即ち、ロボットの進行方向θは次式で算出できる。
【0027】
θ=tan−1(xf/fh) (3)
xf:無限遠点のx座標
fh:水平画素に換算した焦点距離
また、白線13、14間を走行しているロボットに設置したカメラからの画像における白線は、左側白線13が上り勾配、右側白線14が下り勾配という特徴がある(図6参照)。また、時系列画像の場合、前フレームにおける処理結果により現フレームのx及びaの範囲が限定できる。このような特徴を利用することによってより確実に白線及び無限遠点を検出することができる。
【0028】
次に、以上の方法で検出した白線及び無限遠点の座標より、ロボットの通路上の位置を認識する方法について説明する。ロボットの通路上の位置は、相対座標系における白線のX座標から求める。
【0029】
まず、上述した手法で求めたxf 、aL 、aR から、左右両白線13、14のy座標最小値ymin におけるイメージ座標xL’、xR’を次式によって求める。ここで、aL 、aR は、上述した手法で求めた左側白線13及び右側白線14とx軸とのなす角度である。
【0030】
ymin=tan(a)×(x−xi)+yf
xL’ =xf+(ymin −yf)/tan(aL)
xR’ =xf+(ymin −yf)/tan(aR) (4)
【0031】
ここで、相対座標系とイメージ座標系との関係を説明する。相対座標系の座標とイメージ座標系の座標との間では、次の関係が成り立つ。
【0032】
X/x=Y/y=Z/f (5)
この関係から、
−H/ymin=Z/fv
X’/x’=Z/fh (6)
が得られる。ここで、fh 、fv は水平及び垂直画素に換算した焦点距離[pixel]であり、Hはカメラ高さであり、x’は白線13、14のy座標最小値ymin におけるイメージ座標であり、X’は、x’に対応する相対座標系の座標(図3のXL’、XR’)である。式(6)を変形して、xL’、xR’に対応する相対座標系の座標XL’、XR’を次式(7)のように表すことができる。
【0033】
XL’=−fv・xL’・H/fh・ymin
XR’=−fv・xR’・H/fh・ymin (7)
式(4)から求めたxL’、xR’を式(7)に代入することにより、左右白線の相対座標XR’、XL’が得られる。
【0034】
相対座標系において白線13、14のX座標を表すXR 、XL の値は、このXR’、XL’を次の射影変換の式(8)に代入することによって求めることができる。
【0035】
XL=XL’cosθ+Zsinθ
XR=XR’cosθ+Zsinθ (8)
但し、Z=−fv・H/ymin
従って、ロボットの位置Xp は、基準点を設けることにより、XL またはXR から求めることができる。
【0036】
このように、実施形態の走行制御データ認識装置の画像処理部5では、簡単なプロセスで無限遠点や白線を検出することができる。この方法は、画面走査やHough変換で求めた直線の交点から無限遠点を検出する方法に比べて、検出誤差を低減させることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の走行制御データ認識装置は、無限遠点の検出誤差を減らすことができ、その結果、ロボットの向き、走路上の位置など走行に必要なデータをより高精度に出力することができる。従って、細かい動作を必要とするロボットの走行制御に大いに役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の走行制御データ認識装置の構成を示すブロック図、
【図2】実施形態の走行制御データ認識装置の取付例、
【図3】実施形態の走行制御データ認識装置の画像処理説明用の相対座標系、
【図4】実施形態の走行制御データ認識装置のカメラの俯角を示す図、
【図5】実施形態の走行制御データ認識装置の画像処理説明用のイメージ座標系、
【図6】実施形態の走行制御データ認識装置で得られる画像の一例である。
【符号の説明】
1 カメラ部
2 全体制御部
3 A/D変換部
4 画像メモリ部
5 画像処理部
6 結果伝送部
7 走行制御部
11 カメラの向き
12 カメラの俯角
13、14 白線
15 無限遠点
16 無限遠線
Claims (4)
- 平行する白線が描かれた走路上に位置する移動体に載置されたカメラの映像を画像処理して、前記移動体の走行制御データを求める走行制御データ認識装置において、
カメラの映像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換手段と、
デジタル信号に変換された前記画像データを格納する画像メモリと、
前記画像メモリに格納された画像データの処理及び計算を行なって走行制御データを得る画像処理手段と
を備え、前記画像処理手段が、画像データの無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算し、その加算値を基に無限遠点を検出して、前記移動体の向きを認識することを特徴とする走行制御データ認識装置。 - 前記画像処理手段が、前記加算値のピークをもたらす放射線の無限遠線上の始点を無限遠点として認識し、前記無限遠点から前記放射線の傾きを持って延びる線を走路上の白線として認識することを特徴とする請求項1に記載の走行制御データ認識装置。
- 前記画像処理手段が、画像データ上で認識した白線の位置を、イメージ座標系から相対座標系に変換することによって、前記カメラの走路上の位置を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の走行制御データ認識装置。
- 前記画像処理手段が、極座標変換を行なって、前記無限遠線上の各画素を始点とする放射線上の画素の明度値を加算することを特徴とする請求項1に記載の走行制御データ認識装置。
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JPH1019581A JPH1019581A (ja) | 1998-01-23 |
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