JP3575814B2 - 電力系統の故障点標定装置 - Google Patents

電力系統の故障点標定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電力系統の故障点標定装置に係り、特に送電線に発生した故障地点を計測し、故障の速やかな復旧を図るための故障点標定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、送電線の故障点標定にはサージ受信方式、あるいはパルスレーダ方式のように進行波を応用したものと、送電線の電圧,電流を求めるインピーダンス演算方式か、あるいは平行2回線の電流の大きさの比から対象標定区間に対する故障点までの比を求める差電流演算方式により故障点を求める方式がある。
【0003】
前者の進行波を利用したものは、通信装置、送電線への信号結合装置等の付帯設備を必要とし高価なものである。後者のインピーダンス演算方式あるいは差電流演算方式の場合、送電線に通常設けられている電圧変成器および変流器より得られる電圧および電流等の電気量情報のみで故障点を標定するので、前者のような新たな付帯設備を必要としない。さらに、近年、マイクロコンピュータを応用したディジタル演算技術の著しい発達により、ソフトウェア処理で複雑な演算も処理可能な後者方式が特に注目を集めている。
【0004】
ここで、インピーダンス演算方式と差電流演算方式についてその基本原理を説明する。
【0005】
図8はインピーダンス演算方式の原理説明図であって、図8において各信号の意味は下記の如くである。
【0006】
X:変流器CT設置点から故障点までの距離(Km)
I:故障時の電流(A)
V:故障時の端子電圧(V)
F:故障時の故障点電圧(V)
F:故障点抵抗(Ω)
F:故障時の故障点電流(A)
Z:単位長当りのインピーダンス(Ω/Km)
F:故障点
なお、ここでI.V.VF.IF.Zはベクトル量で、各記号に付す「・」は省略しており、以下数式も含めて省略する。
図8の点Fで1線地絡故障が発生した場合
【0007】
【数1】
V=I・X・Z+VF ‥‥‥(1)
【0008】
【数2】
F=IF・RF ‥‥‥(2)
が成立する。いま、VFとほぼ同位相と考えられる電気量をIpol(極性量)と定義する。Ipolの共役複素数成分(Ipol*)を(1)式の両辺に掛けて変形し、(3)式を得る。
【0009】
【数3】
Figure 0003575814
【0010】
ここでVFとIpolが同位相と仮定するとVF=|VF|еj λ・Ipol=|Ipol|・еj λと表わせるので(3)式の右辺は(4)式で表現される。
【0011】
【数4】
Figure 0003575814
【0012】
(4)式は実軸方向の成分のみであるためその虚数部Imは零である。
【0013】
【数5】
Figure 0003575814
【0014】
従って(3)式の両辺の虚数部をとり、(5)式を代入すると(6)式を得る。
【0015】
【数6】
Figure 0003575814
【0016】
(6)式から故障点までの距離Xは(7)式で与えられる。
【0017】
【数7】
Figure 0003575814
【0018】
(7)式を用いて故障点を標定するのが、インピーダンス演算方式の原理である。
【0019】
図9は差電流演算方式の原理説明図である。図9において各記号の意味は下記の如くである。
【0020】
D:標定対象区間全長(Km)
01:故障時の自回線零相電流(A)
02:故障時の隣回線零相電流(A)
0A:故障時の零相電圧(V)
K:標定対象区間全長に対する故障点までの比
0B:故障時の対向端零相電流(A)
0:単位長当りの零相自己インピーダンス(Ω/Km)
m:単位長当りの零相相互インピーダンス(Ω/Km)
0F:故障点零相電圧(V)
F:故障点
図9のF点で1線地絡故障が発生した場合、故障回線側では(8)式が成立する。
【0021】
【数8】
0A=I01・K・D・Z0+I02・K・DZm+V0F ‥‥‥(8)
【0022】
【数9】
0A=I02・(2−K)D・Z0+(1−K)D・Z0・I02 +I01・K・D・Zm−I02・(1−K)D・Zm −(I02+I0B)Zm(1−K)D+V0F ‥‥‥(9)
(8)式=(9)式とおいて整理すると(10)式を得る。
【数10】
01・K・D(Z0−Zm)=I02(2−K)D・(Z0−Zm) +IOB(1−K)D・(Z0−Zm)‥‥‥(10)
【0023】
(10)式をKについて解くと(11)式を得る。
【0024】
【数11】
Figure 0003575814
【0025】
(11)式には対向端の零相電流I0Bが含まれているためこの成分を除去することを考え(11)式を変形して(12)式を得る。
【0026】
【数12】
(I01+I02)K−2I02=IOB(1−K) ‥‥‥(12)
今、電気量としてVPO1(極性量)を定義し(12)式の両辺にVPO1 の共役複素数成分を掛けその実軸方向成分をとると(13)式を得る。
【0027】
【数13】
Figure 0003575814
【0028】
ここで対向端子の零相電流I0Bが虚数軸方向成分(充電電流又はリアクトル電流)のみと仮定すると(13)式の右辺は零となり(14)式を得る。
【0029】
【数14】
Figure 0003575814
【0030】
(14)式から標定対象区間全長に対する故障点までの距離の比Kは(15)式で与えられる。
【0031】
【数15】
Figure 0003575814
【0032】
(15)式を用いて故障点を標定するのが差電流演算方式の原理である。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように高抵抗接地系統の場合1線地絡故障に対してはインピーダンス演算方式と差電流演算方式の二つが有効な方式として提案されているが、両者を比較した場合その精度面から言うと後者の差電流演算方式が優れている。
【0034】
しかしながら、差電流演算方式は永久故障発生時の2回目の標定、或いは片回線運用時の標定等に対しては演算原理上適用できないという問題がある。
【0035】
そこで、上記問題点を解決するために、しゃ断器条件あるいは潮流条件等により系統の運用状況を推定し、状況に応じた最適の標定演算方式を選択することで、1線地絡故障に対する標定を可能とする故障点標定装置が特開平1−302182で提案されている。
【0036】
特開平1−302182「故障点標定装置」は、電力系統の電流電圧情報をもとに自端から故障点までの位置を標定する、高抵抗接地系の平行2回線送電線用の故障点標定装置において、自端子にて2回線分の電流,電圧値を同一時刻に周期的にサンプリングしてディジタル量に変換する手段と、系統故障の発生時に故障点までのインピーダンスを演算して故障点を定める第1の標定演算手段と、系統故障の発生時に2回線を構成する各回線の零相電流の比を演算して故障点を定める第2の標定演算手段と、系統から入力される情報をもとに系統の運用状態を推定し、前記第1及び第2の標定演算手段を切換える手段とから構成したものである。
【0037】
上記特開平1−302182の故障点標定装置では、図6と図7に示すような分岐亘長に短い端子を持つ系統では正しい故障点標定が出来ない。図6と図7において1a,1bはA変電所(As/s)から分岐までの送電線で、分岐からB変電所(Bs/s)とC変電所(Cs/s)が接続されている。分岐からCs/sの送電線は極めて短いものである。Z1,Z2は送電回線のインピーダンス要素、Iは電流、Fは事故点である。
【0038】
図6の系統では、分岐点以後の事故Fについては故障電流がC変電所を通して分流してしまい、故障点標定装置を設けた端子には標定できる入力が入って来ない。従って、差電流演算方式(I0方式)の場合、回線1aの電流と回線1bの電流が等しいことから、常に相手端母線の事故と誤判定してしまう。
【0039】
また、図7に示すような短絡インピーダンス演算方式(短絡Zs方式)や地絡インピーダンス演算方式(地絡Zg方式)などのインピーダンス演算方式の場合、故障点までの距離を倍と見てしまう。すなわち、V=I×(0.5Z1+Z2)であるが、各回線には電流が半分しか流れないので、測距距離が倍となり、誤標定を行うことになり信頼性に欠けていた。
【0040】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は送電回線の種々な事故に対して正しい故障点標定が可能にして高信頼性の故障点標定装置を提供することである。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、電力系統の電流,電圧情報をもとに中央演算処理部によって自端から故障点までの距離を計測し、送電線の故障位置を標定する故障点標定装置において、
送電線の地絡故障時に、自端の送電線に設けられたしゃ断器のトリップ直前の電流,電圧データを前記中央演算処理部に収集保存し該収集保存された電流,電圧データを基に地絡インピーダンスを演算して故障点を定める第1の標定演算手段と、
前記送電線の地絡故障時に地絡故障発生直後の電流データを基に前記送電線の差電流を演算して故障点を定める第2の標定演算手段と、
所定の設定時間Tを有する地絡方向継電タイマーを設け、
前記所定の設定時間Tは、電力系統の分岐点地絡事故に対して事故発生から自端のしゃ断器がトリップするまでの時限に設定され、前記地絡方向継電タイマーのオンオフ出力に応じて、前記第1の標定演算手段と第2の標定演算手段とを切換る切換手段を備えていることを特徴とする。
【0042】削除
【0043】
【作用】
送電線の短絡事故の場合には、分岐点の前後に関係なく自端トリップ直前のデータを基に短絡インピーダンスを演算して故障点を標定する。
【0044】
地絡事故の場合は、事故発生から自端のしゃ断器がトリップするまでの時限が長いか短いかを見分けるタイマーを設け、このタイマーがオフで分岐点より手前の事故と判断して差電流演算を用いて標定し、タイマーがオンで分岐点以降の事故と判断して地絡インピーダンス演算を用いて標定する。即ち、送電線の地絡故障時に、自端の送電線に設けられたしゃ断器のトリップ直前の電流,電圧データを前記中央演算処理部に収集保存し該収集保存された電流,電圧データを基に地絡インピーダンスを演算して故障点を定める。前記送電線の地絡故障時に地絡故障発生直後の電流データを基に前記送電線の差電流を演算して故障点を定める。自端至近端地絡事故発生から前記地絡方向継電タイマーがオフで自端のしゃ断器がトリップするまでの時限は短く相手端至近端地絡事故発生から前記地絡方向継電タイマーがオンで自端のしゃ断器がトリップするまでの時限は長いことを基準とする時限の長短に応じて、地絡演算手段による標定と差電流演算手段とを切換える。
【0045】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図1〜図5を参照しながら説明する。
【0046】
図4は本発明による故障点標定装置をマイクロコンピュータ等を応用したディジタル演算処理装置を用いて構成した場合のハードウェア構成を含む実施例を示すものである。
【0047】
図4において、1aと1bは故障点標定の対象となる平行2回線送電線、2a1,2a2はしゃ断器、3a,3bはしゃ断器2a1,2a2の開閉状態を知るためのしゃ断器のパレット条件、4a,4bはそれぞれの送電線に設置された変流器、5は電圧変成器、6は本発明の故障点標定装置、7は入力電気量のレベルを変換するための入力変換器、8は入力電気量の高調波成分を除去し基本波成分を抽出するフィルタ回路、9はマルチプレクサ回路(MPX)、10はアナログ量をディジタル量に変換するAD変換回路(A/D)、11は入力インタフェース回路、12はソフトウェア演算を制御する中央演算処理部である中央演算回路(CPU)、13は出力インタフェース回路、14は出力回路、17は出力接点である。したがって、故障点標定装置6は、入力電気量のレベルを変換するための入力変換器7、入力電気量の高調波成分を除去し基本波成分を抽出するフィルタ回路8、マルチプレクサ回路(MPX)9、アナログ量をディジタル量に変換するAD変換回路(A/D)10、入力インタフェース回路11、ソフトウェア演算を制御する中央演算処理部である中央演算回路(CPU)12、出力インタフェース回路13、出力回路14、および出力接点17によって構成される。
【0048】
電力系統の電気量は、変流器4a,4b,電圧変成器5を介して、故障点標定装置6へ導入される。故障点標定装置6に導入された電気量は、入力変換器7,フィルタ回路8,およびマルチプレクサ回路9を介してAD変換回路10に導入されディジタル量に変換される。
【0049】
同じく、故障点標定装置6に導入されたしゃ断器のパレット条件3a,3bは入力インタフェース回路11を介して中央演算回路12に入力される。中央演算回路12はこれらの情報を用い、後述するソフトウェア演算処理を実行し、故障点を標定する。標定結果は出力インタフェース回路13を通して出力回路14へ導入し、外部に出力される。
【0050】
図1は図4の故障点標定装置6に納められている本発明の一実施例を示す機能ブロック図である。図1において、21は短絡故障検出条件であって、送電線に短絡故障が発生した場合に短絡距離継電器(44SM)により短絡故障を検出したときに出力を生ずるものである。22は地絡故障検出条件であって、送電線に地絡事故が発生した場合に地絡方向継電器(67G)によって地絡故障を検出したときに出力を生ずる。23はタイマー条件であって、地絡事故の場合、事故発生から自端(例えばAs/s)トリップまでの時限が長いか短いかを見分ける地絡方向継電タイマー(67GT)によって出力される。24,25はノット回路、27,28はアンド回路である。
【0051】
また、図1において、30は短絡インピーダンス標定演算回路であって、前述したインピーダンス演算標定方式のうち短絡インピーダンスを演算して故障点を標定する。31は差電流標定演算回路であって、前述した電流比演算方式のうち回線1aと1bの差電流を演算して地絡事故点を標定する。32は地絡インピーダンス標定演算回路であって、インピーダンス演算標定方式のうち地絡インピーダンスを演算して故障点を標定する。
【0052】
上記の如き構成において、標定対象区間に故障が発生した場合の動作を以下に説明する。
【0053】
(1)送電回線に短絡事故が発生した場合の標定短絡事故が発生すると短絡距離継電器(44SM)21が動作し短絡故障検出信号S21が「1」となって短絡インピーダンス標定演算回路30が動作する。短絡インピーダンス演算は後述するように自端トリップ直前のデータを用いて行う。
【0054】
一方、短絡距離継電器(44SM)21が動作するとノット回路24の出力信号S24は0となり、この為アンド回路28の出力信号S28は「0」となり、差電流標定演算回路31は動作しない。同様にノット回路24の出力信号S24が0であると、アンド回路27の出力信号S27は「0」となり、地絡インピーダンス標定演算回路(Zg形標定演算回路)32も不動作である。
【0055】
(2)送電線に地絡事故が発生した場合の標定送電線に地絡事故のみが発生すると、短絡距離継電器(44SM)21は不動作であり、地絡方向継電器(67G)22が動作する。従って、短絡故障検出信号S21=0、地絡故障検出信号S22=1である。タイマー回路(67GT)23は、S22=1で起動がかかり、その設定時間T後にオンになる。
【0056】
ここで、図5に示すように、地絡事故は自端(As/s),Bs/s,Cs/sに発生すると想定される。タイマー回路23の設定時間TはAs/sとCs/sとの分岐点の地絡事故に対して事故発生から自端のしゃ断器がトリップするまでの時限に設定されている。従って、分岐点より手前の事故が発生して自端のしゃ断器がトリップするまでの間はタイマー回路23はオフであり、分岐点以降の事故が発生してから自端トリップするまでの時限は設定時間Tよりも長く、タイマー回路23はオンになる。特に、高抵抗接地系で最もよく使われる回線選択継電方式は、事故点によって自端のしゃ断器がトリップするまでの時限が異なる。すなわち、自端至近端事故(分岐点の前の事故)では、自端のリレーに入力される電流は大、トリップの順序は自端が先にトリップし、故障発生から自端のしゃ断器がトリップするまでの時限は短い。これに対して、相手端至近端事故(分岐点以降の事故)では、該相手端のリレーに入力される電流は、トリップの順序は当該相手端のしゃ断器がトリップしてから自端のしゃ断器がトリップし、故障発生から自端のしゃ断器がトリップするまでの時限は長い。
【0057】
(2a)地絡事故が分岐点より手前に発生した場合、タイマー回路23はオフであり、その出力信号S23=0である。S23=0であればアンド回路27の出力信号S27=0となり地絡インピーダンス標定演算回路32は不動作である。一方、分岐点より手前の地絡事故に対してタイマー回路23の出力信号S23=0、ノット回路25の出力信号S25=1、ノット回路24の出力信号S24=1であるから、アンド回路28の出力信号S28が1となり差電流演算回路31が動作し、事故時における回線間の差電流演算を実行する。
【0058】
(2b)地絡事故が分岐点以降に発生した場合、短絡距離継電器21の出力信号S21=0であるから、短絡インピーダンス演算回路30は不動作である。一方タイマー回路23の出力信号S23=1,ノット回路25の出力信号S25=0であるからアンド回路28の出力信号S28=0で、差電流演算回路31は不動作となる。一方、この時、S23=1,S22=1,S24=1であるから、アンド回路27の出力信号S27が「1」となり地絡インピーダンス演算回路32が動作し標定演算を行う。この場合も後述するように地絡方向継電器67G復帰時の所定時間前から所定サイクル間のデータが中央演算回路12(図4)に収集記憶され、地絡方向継電器67Gは前方に地絡事故が発生していることを検出しているリレーであり、自端のしゃ断器のトリップにより地絡方向継電器67Gの電流がなくなり、該地絡方向継電器67Gが復帰する。したがって復帰する前のデータを記憶することで自端のしゃ断器トリップ前のデータを用いて、自端トリップ直前のデータにて演算を実行する。
【0059】
図2と図3は上述の標定装置で3端子補正演算を実行する場合のフローチャートである。
【0060】
図2は短絡事故時における3端子補正を示すもので、ステップST1で短絡距離継電器(44SM)が動作したかどうかを判断し、動作すればステップST2に進み44SMが復帰すればステップST3で44SM復帰時に所定時間前から所定サイクル間のデータを中央演算回路12に収集記憶する。短絡距離継電器(44SM)は、前方に短絡事故が発生していることを検出するリレーであって、自端しゃ断器のトリップにより、入力電流がなくなり復帰する。したがって、短絡距離継電器が復帰する間のデータを記憶することで、自端のしゃ断トリップ直前のデータを用いることができる。ステップST4に進み短絡インピーダンス演算を実行し、その演算結果を出力して標定演算を終了する。
【0061】
図3は地絡事故時における3端子補正を示すもので、ステップST6で地絡方向継電器(67G)が動作すると、ステップST7に進み67G動作時のデータ(A)を記憶する。ステップST8で差電流標定演算方式が適用可能かどうか、すなわち平行2回線運用か否かを判断する。平行2回線運用で差電流演算方式が適用可能であれば、ステップST9に進み、67G復帰時の所定時間前から所定サイクル間のデータ(B)を中央演算回路12に記憶する。ステップST11で3端子系統であるか否かを判断し、3端子系統であればステップST12に進み地絡方向継電タイマー(67GT)がオンであるか否かを判断する。67GTがオンであればステップST13に進み、上記データBを用いて地絡インピーダンス演算を実行してステップST14でその演算結果を出力して故障点の標定を実行する。
【0062】
ステップST11で3端子系統でなければ、ステップST17に進み、前述のデータ(A)を使用して差電流演算を実行してステップST18でその演算結果を出力する。
【0063】
ステップST8で差電流演算方式適用不可、すなわち地絡事故が分岐点以降であると判断すればステップST15に進み、67Gが復帰したか否かを判断し、復帰していれば67G復帰時の所定時間前から所定サイクルの間のデータ(B)を記憶し、ステップST13に進み上記データBを用いて地絡インピーダンス演算を実行しステップST14でその演算結果を出力する。
【0064】
また本発明のもう一つの特長として、ステップST12で67G復帰時に67GTがオフ、すなわち分岐点の手前の地絡事故であれば、ステップST19に進み、分岐距離の短い方を相手端母線としてデータ(A)を使用して差電流演算を実行し、ステップST20でその演算結果を出力して故障点の標定を行う。
【0065】
上記実施例の故障点標定装置によれば、図5に示すように、As/s至近端の事故FAであればしゃ断器2a1(2a2)−2c1(2c2)−2b1(2b2)の順にトリップし、As/sトリップ直前のデータを用いればCs/sを相手端母線として適用可能である。As/s〜Cs/sの中間点の事故FACであれば、しゃ断器2a1(2a2)と2c1(2c2)を同時にトリップし、次いで2b1(2b2)をトリップし、同じくAs/sトリップ直前のデータを用いればCs/sを相手端母線として適用可能である。
【0066】
Cs/s至近端の事故FCであれば、しゃ断器2c1(2c2)−2a1(2a2)−2b1(2b2)の順にトリップし、As/s又はCs/sトリップ直前のデータを使用して故障点の標定ができる。また、Bs/s至近端の事故FBであれば、しゃ断器2b1(2b2)−2c1(2c2)−2a1(2a2)の順にトリップして、As/sトリップ直前のデータ使用で故障点標定が可能である。またBs/s〜Cs/sの中間点の事故FBCであれば、しゃ断器2b1(2b2)と2c1(2c2)を同時にトリップし次いで2a1(2a2)をトリップし、As/sトリップ直前のデータ使用で計測可能である。さらに、As/s〜Bs/sの中間点の事故FABであればしゃ断器2c1(2c2)−2b1(2b2)−2a1(2a2)の順にトリップして、As/sトリップ直前のデータを使用して演算することにより標定可能である。従って、どのような事故でも正しい標定を行うことが出来る。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、送電線の短絡事故の場合は分岐点の前後に関係無く自端の遮断器のトリップ直前のデータに基づいて短絡インピーダンス演算方式によって故障点の標定を行い、地絡事故の場合は分岐点より手前の事故では地絡方向継電器の起動前後のデータを使って精度の良い差電流演算方式を用いて故障点を標定すると共に、分岐点以降の事故については差電流演算方式を適用できない場合があるので、自端の遮断器のトリップ直前のデータを使って地絡インピーダンス演算方式により標定し、送電線の地絡故障時に、自端の送電線に設けられたしゃ断器のトリップ直前の電流,電圧データを前記中央演算処理部に収集保存し該収集保存された電流,電圧データを基に地絡インピーダンスを演算して故障点を定め、前記送電線の地絡故障時に地絡故障発生直後の電流データを基に前記送電線の差電流を演算して故障点を定めると共に、自端至近端地絡事故発生から前記地絡方向継電タイマーがオフで自端のしゃ断器がトリップするまでの時限は短く相手端至近端地絡事故発生から前記地絡方向継電タイマーがオンで自端のしゃ断器がトリップするまでの時限は長いことを基準とする時限の長短に応じて、地絡演算手段による標定と差電流演算手段とを切換えるものであるから、いかなる事故をも正しく標定でき、高信頼性の電力系統の故障点標定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による電力系統の故障点標定装置の機能ブロック図。
【図2】本発明の実施例による電力系統故障点標定装置の短絡事故標定フロー図。
【図3】本発明の実施例による電力系統の故障点標定装置の地絡事故標定フロー図。
【図4】本発明をディジタル演算処理装置を用いて構成した場合のハードウェア構成図。
【図5】本発明により故障点標定装置により故障点標定する場合の説明図。
【図6】故障点標定の一態様を示す説明図。
【図7】故障点標定の他の態様を示す説明図。
【図8】インピーダンス演算方式の原理説明図。
【図9】電流比演算方式の原理説明図。
【符号の説明】
21…短絡距離継電器
22…地絡方向継電器
23…地絡方向継電タイマー
24,25…ノット回路
27,28…アンド回路
30…短絡インピーダンス形標定演算回路
31…差電流形標定演算回路
32…地絡インピーダンス形標定演算回路

Claims (1)

  1. 電力系統の電流,電圧情報をもとに中央演算処理部によって自端から故障点までの距離を計測し、送電線の故障位置を標定する故障点標定装置において、
    送電線の地絡故障時に、自端の送電線に設けられたしゃ断器のトリップ直前の電流,電圧データを前記中央演算処理部に収集保存し該収集保存された電流,電圧データを基に地絡インピーダンスを演算して故障点を定める第1の標定演算手段と、
    前記送電線の地絡故障時に地絡故障発生直後の電流データを基に前記送電線の差電流を演算して故障点を定める第2の標定演算手段と、
    所定の設定時間Tを有する地絡方向継電タイマーを設け、
    前記所定の設定時間Tは、電力系統の分岐点地絡事故に対して事故発生から自端のしゃ断器がトリップするまでの時限に設定され、前記地絡方向継電タイマーのオンオフ出力に応じて、前記第1の標定演算手段と第2の標定演算手段とを切換る切換手段を備えていることを特徴とする電力系統の故障点標定装置。
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