JP3575586B2 - 傷検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板やフィルムの如き平板状部材等の表面の傷の有無等を光学的に検出する用途に適した照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の検査装置の従来例として、照明手段により被検体の表面を照明し、照明された被検体表面からの反射光をテレビカメラ等の撮像手段で捕らえ、撮像した画像から傷の有無等を検出する方式が知られている。しかし、このような方式では、傷の大きさ,種類によって検出できない場合が生じる。こうした問題点を解決するため、本件出願人は特願平7−231699号(特開平9−081736号)による図20に例示するような傷検査装置を提案している。
【0003】
この方式では、被検面上に照射される照明光の方位に関する強度分布形状に対し被検面からの反射光の方位に関する強度分布形状が被検面の表面状態に応じて変化することを利用し、照明された被検体表面の同一箇所を互いに異なる複数の受光角で撮像して、反射光の方位に関する強度分布形状の変化を検出する。撮像した各々の画像を組み合わせて処理することにより、被検体表面の傷等の検出精度を向上させるものである。図20の例では、3台の撮像手段を2a,2b,2cを用い、正常な被検面に対して受光量が最大となる位置に撮像手段2bを設け、これを中心にして両側に1台ずつの計3台の撮像手段を設けているが、一般には複数台とすることができる。なお、符号1は光源10および拡散板11等からなる照明手段、21a,21b,21cは結像レンズ、22a,22b,22cは受光素子、3は被検体を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先願の装置のような構成では、複数の撮像手段を必要とするため装置の小型化が難しい、複数の撮像手段の被検体上での視野位置を一致させる調整が複雑である、等の問題がある。従って、この発明の課題は、視野位置を一致させる面倒な調整作業を容易にしつつ、装置の小型化を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、本願第1の発明によれば、被検体の表面を照射する照明手段と、前記照明された被検体表面を撮像する撮像手段とを備える傷検査装置において、前記撮像手段が、前記照明された被検体表面からの反射光を収束する結像レンズと、この結像レンズにより収束される光束を互いに方向の異なる複数の光束に偏向する回折格子と、この回折格子により偏向される回折光の光束が互いに重なる位置に開口を有する絞りと、この絞りを通過する光束毎に各々別個の受光素子と、を有することにより達成される。
また、本願第2の発明によれば、被検体の表面を照射する照明手段と、前記照明された被検体表面を撮像する撮像手段とを備える傷検査装置において、前記撮像手段が、前記照明された被検体表面からの反射光を収束する結像レンズと、この結像レンズにより収束される光束を互いに方向の異なる複数の光束に偏向する多面体と、この多面体により偏向される光束毎に各々別個の受光素子と、を有することにより達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の第1の例を示す構成図である。21は結像レンズ、23は回折格子、24は絞りであり、その他は図20と同様である。
図1において、光源10と拡散板11からなる照明手段1により照明された被検体3の表面の同一箇所からの反射光は、結像レンズにより収束され、続いて回折格子23により互いに異なる方向に偏向した回折光に分岐される。回折格子23はこの例では、図1の紙面と平行な方向に周期的な凹凸を形成してあるので、回折光はいずれも図1の紙面と平行な方向に偏向される。
【0007】
これらの回折光はいずれも絞り24に達し、それぞれの一部分が絞り24の開口を通り、各受光素子22a,22b,22cの受光面上に集光して結像する。絞り24の開口を通過して結像に与かる光束は、それぞれ回折格子23を出て異なるから互いに異なる方向に進んできたもので、回折される前は被検体表面からの反射光4のうち互いに異なる受光角の範囲にあった光束4a,4b,4cとなっているものである。つまり、図示のような結像レンズ21を有する1つの撮像手段2により、被検体表面の同一箇所を互いに異なる受光角により撮像した複数の画像を受光素子22a,22b,22cから得ることが可能となる。
【0008】
図2は本発明の実施の形態の第2の例を示す構成図である。
図2(a)では、結像レンズを2個のレンズ211,212の組レンズとして構成し、回折格子23と絞り24をレンズ211と212の間に配置したものである。
このような構成では、被検体表面の同一箇所からの反射光4はレンズ211により平行光となるように屈折される。回折格子23での回折による偏向角は入射角によって変化するが、この構成では入射光が平行光のため回折格子23の全面にわたって同じ入射角となることから、回折光の回折角も入射位置によらず一定となり、この光学系の収差の低減が容易となる。
図2(b)では、結像レンズを2個のレンズ211,212の組レンズとして構成し、回折格子23のみをレンズ211と212の間に配置したものである。このような構成によっても、図2(a)の構成と同様に、被検体表面の同一箇所からの反射光4はレンズ211により平行光となるように屈折され、この光学系の収差の低減が容易となる。
【0009】
図3は本発明の実施の形態の第3の例を示す構成図である。
この実施例では、図1の実施例で透過型であった回折格子23を反射型としている。また、図1の実施例では照明手段1と撮像手段2はそれぞれ直接被検体を照明または撮像するように構成されているが、図3の実施例では、対物レンズ51を介して被検体を照明または撮像する。なお、符号52はスプリッタ、53はレンズをそれぞれ示す。
この実施例では、照明手段1は光源10,レンズ12,レンズ13と拡散板11からなり、光源10から放射された光は順にレンズ12,レンズ13と拡散板11を通って、所定の強度分布となるように整形された後、スプリッタ52を透過した部分がレンズ51を介して被検体3の表面を照明する。被検体3の表面の同一箇所からの反射光4は、再びレンズ51を通り、さらにスプリッタ52を反射した部分がレンズ53により一旦収束される。この光束は、これ以降は先に述べた第2の実施例と同様に、レンズ211により平行光になるように屈折され、続いて反射型の回折格子23により互いに異なる方向に偏向した回折光に分岐される。
【0010】
回折格子23は、この例では図の紙面と平行な方向に周期的な凹凸を形成してあるので、回折光はいずれも図の紙面と平行な方向に偏向される。これらの回折光はいずれも絞り24に達し、その一部分が絞り24の開口を通り、各受光素子22a,22b,22cの受光面上に集光して結像する。絞り24の開口を通過して結像に与かる光束は、それぞれ回折格子23を出て異なるから互いに異なる方向に進んできたもので、回折される前は被検体表面からの反射光4のうちの互いに異なる受光角の範囲にあった光束4a,4b,4cとなっているものである。従って、先に述べた第1および第2の実施例と同様に、先願の装置のような複数の撮像手段を用いることなく、共通の結像レンズ21を有する1つの撮像手段2により、被検体表面の同一箇所を互いに異なる受光角により撮像した複数の画像を得られる。
図4は本発明の実施の形態の第4の例を示す構成図であり、この実施例では、図3の実施例において反射型であった回折格子23を透過型としており、その他の構成は同等である。図4の実施例についても図3の実施例と同等の機能を得ることができる。
【0011】
図5は本発明の実施の形態の第5の例を示す構成図であり、図1に示す実施例の構成と同一の機能を果たすものには同一の符号を付して示している。この図5に示す実施例が図1に示す実施例と異なる点は、図1の実施例における回折格子23と絞り24に代えて多面プリズム70を設けることである。
図5において、照明された被検体3の表面の同一箇所からの反射光は、結像レンズにより収束され、続いて多面プリズム70により、この多面プリズム70への入射位置に応じて互いに異なる方向に偏向された光束に分岐される。多面プリズム70はこの例では、図5の紙面と垂直な表面から構成されるので、多面プリズム70への入射光はいずれも図5の紙面と平行な方向に偏向される。これらの偏向された光束はいずれも、各受光素子22a,22b,22cの受光面上に集光して結像する。こうして結像に与かる光束は、多面プリズム70で偏向される前は被検体表面からの反射光4のうちの互いに異なる受光角の範囲にあった光束4a,4b,4cとなっているものである。つまり、図示のような結像レンズ21を有する1つの撮像手段2により、被検体表面の同一箇所を互いに異なる受光角により撮像した複数の画像を受光素子22a,22b,22cから得ることが可能となる。
【0012】
図6は本発明の実施の形態の第6の例を示す構成図であり、図2に示す実施例の構成と同一の機能を果たすものには同一の符号を付して示している。この図6に示す実施例が図2に示す実施例と異なる点は、上述の図1に示す実施例と図5に示す実施例の対比と同様に、図2の実施例における回折格子23と絞り24に代えて多面プリズム70を設けることである。
図6では、結像レンズを2つのレンズ211,212の組レンズとして構成し、多面プリズム70をレンズ211と212との間に配置したものである。このような構成では、被検体表面の同一箇所からの反射光4はレンズ211により平行光となるように屈折される。多面プリズム70による偏向角はその入射角によって変化するが、この構成では入射角が平行光のため多面プリズム70の各面内では一定の入射角となることから、偏向角も多面プリズム70の各面内での入射位置によらず一定となり、この光学系の収差の低減が容易となる。
【0013】
図7は本発明の実施の形態の第7の例を示す構成図であり、図3に示す実施例の構成と同一の機能を果たすものには同一の符号を付して示している。この図7に示す実施例が図3に示す実施例と異なる点は、図3の実施例における回折格子23と絞り24に代えて多面ミラー80を設けることである。
図7の実施例では、照明された被検体3の表面の同一箇所からの反射光4は、対物レンズ51を通り、さらにスプリッタ52を反射した部分がレンズ53により一旦収束される。この光束は、これ以降は先に述べた第6の実施例と同様に、レンズ211により平行光となるように屈折され、続いて多面ミラー80により、この多面ミラー80への入射位置に応じて互いに異なる方向に偏向された光束に分岐される。多面ミラー80はこの例では、図7の紙面と垂直な反射面から構成されるので、多面ミラー80への入射光はいずれも図7の紙面と平行な方向に偏向される。これらの偏向された光束はいずれも、各受光素子22a,22b,22cの受光面上に集光して結像する。こうして結像に与かる光束は、多面ミラー80で偏向される前は被検体表面からの反射光4のうちの互いに異なる受光角の範囲にあった光束4a,4b,4cとなっているものである。従って、これまでに述べた実施例と同様に、共通の結像レンズ21を有する1つの撮像手段2により、被検体表面の同一箇所を互いに異なる受光角により撮像した複数の画像を得られる。
【0014】
図8は本発明の実施の形態の第8の例を示す構成図であり、この実施例では、図7の実施例において多面ミラーにより実現していた多面体を多面プリズム70としており、その他の構成は同等である。図8の実施例についても、図7の実施例と同等の機能を得ることができる。
【0015】
本発明の傷検査装置の動作原理は、先に述べた先願と同じく従来の技術に述べた通り、被検面上に照射される照明光の方位に関する強度分布形状に対して被検面からの反射光の方位に関する強度分布形状が被検面の表面状態に応じて変化することを利用し、照射された被検体表面の同一箇所を互いに異なる複数の受光角で撮像して、反射光の方位に関する強度分布形状の変化を検出することにある。従って、被検面上での照明光の方位に関する強度分布は所定の形状であることが望ましいが、例えば図3の実施例では光源の輝度分布を直接的に用いる構成としており、必ずしも望ましい強度分布形状が得られるとは限らない。
この課題は、図9に示す本発明の実施の形態の第9の例によれば、光源である半導体レーザ62と集光レンズ12との間に補正フィルタ64を配置することにより解決することができる。図9において、図3に示す実施例の構成と同一の機能を果たすものには同一の符号を付し、また、図10にその照明手段の一部を拡大した斜視図を示す。
【0016】
図9に示す実施例の照明に関わるレンズ部分を図11に示す。一般に凸レンズを通る光束について、その入射側焦点面での位置に関する強度分布は出射側焦点面での方位に関する強度分布を与え、入射側焦点面での方位に関する強度分布は出射側焦点面での位置に関する強度分布を与える。図11において、光学系は共軸で回転対称なので、集光レンズ12の入射側焦点面である面Aで位置(r,θ)を通る光線が、集光レンズ12の出射側焦点面である面Bで光軸となす角φは、
φ=a(r)またはr=a−1(φ
であり、xy面に投影した方位がx軸となす角ψは、
ψ=−θ
と表すことができる。関数aは集光レンズ12での変換を表し、その設計により例えば、
φ=fa・sin(r
とすることができる。
【0017】
同様に、リレーレンズ54の入射側焦点面である面Bで光軸となす角φ、xy面に投影した方位がx軸となす角ψで通る光線のリレーレンズ54の出射側焦点面である面Cでの光軸からの距離rは、
φ=b(r)またはr=b−1(φ
であり、zx面となす角θは、
θ=ψ
と表すことができる。関数bはリレーレンズ54での変換を表す。さらに、対物レンズ51の入射側焦点面である面Cで位置(r,θ)を通る光線が対物レンズの出射側焦点面、すなわち被検面である面Dで光軸となす角φは、
φ=o(r)またはr=o−1(φ
であり、xy面に投影した方位がx軸となす角ψは、
ψ=−θ
と表すことができる。関数oは対物レンズでの変換を表す。従って、この光学系では、
=a−1(b(o−1(φ))),ψ=θ
となる。
【0018】
図9に示すように、レンズの光軸がz軸となるxyz直交座標系をとり、光源側から集光レンズ12に入射する光束の、集光レンズ12の入射側焦点面である面A内での強度分布をJ(x,y)とする。図10に示すように、面Aには開口を有する補正フィルタ64を設け、その透過率を下式で表されるA(x,y)とする。
Figure 0003575586
従って、補正フィルタ64を通って集光レンズ12に入射する光束の位置に関する強度分布K(x,y)は、
K(x,y)=A(x,y)・J(x,y)
と表される。
xy座標で表される位置を、光軸すなわちz軸からの距離をr、zx面となす角をθとするrθ極座標で表すには、
x=r・cos(θ)
y=r・sin(θ)
により変換する。
【0019】
図12に示すような、z軸となす角φとxy面に投影した方位がx軸となす角ψで決まるφψ軸座標系で表される方位を、zx面に投影した方位がz軸となす角αとyz面に投影した方位がz軸となす角βで決まるαβ座標系で表すには、
φ=tan−1((tan(α)+tan(β))1/2
ψ=tan−1(tan(β)/tan(α))
により変換する。
従って、面Aで位置に関する強度分布がK(x,y)となる入射光による、被検面である面Dでの方位に関する強度分布P(α,β)は、
P(α,β)=K(x,y)
x=a−1(b(o−1(tan−1((tan(α)+tan(β))1/2 ))))×cos(tan−1(tan(β)/tan(α)))
y=a−1(b(o−1(tan−1((tan(α)+tan(β))1/2 ))))×sin(tan−1(tan(β)/tan(α)))
となる。
【0020】
図9に示す実施例の撮像手段では、被検面上の照明光強度のzx面に沿った分布、すなわち先に定義した角αに関する分布形状の変化を検出する。その分布Q(α)は、
Q(α)=∫P(α,β)dβ
として求まる。従って、図13に示すように、所望の強度分布Q(α)は、補正フィルタ64がない場合の被検面上での角αに関する照明光の強度分布形状Q’(α)=∫J(x,y)dβに対し、上式を満たすような透過率分布A(x,y)を有する補正フィルタ64を用いることで得られる。なお、補正フィルタ64は照明光の光束の一部を遮光するので、上述の関係は、すべてのαについて、
Q(α)≦Q’(α)
であることが前提である。
こうして、本発明の実施の形態の第9の例によれば、被検面上での角αに関する照明光の強度分布形状を補正フィルタにより整形して、検出信号処理に適した所望の強度分布形状を得ることが可能となる。
【0021】
上述の実施例では、補正フィルタ64を集光レンズ12の入射側焦点面に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、照明に関する光学系内のその他の位置に補正フィルタを設けても、その位置がその位置と被検面との間にある光学系により被検面と共役になる場合を除き、被検体表面に照射される照明光の方位に関する強度分布を整形することが可能である。ただし、上述の実施例では補正フィルタ64を集光レンズ12の入射側焦点面に設け、かつ被検体表面が集光レンズ12の出射側焦点面と共役な位置にあるため、集光レンズ12の入射側焦点面またはこれと共役な位置に拡散板を配置して集光レンズ12への入射光を拡散させて被検体表面の相当範囲を照明する場合でも、照明された被検体表面上の位置によらず補正フィルタ64で整形された方位に関する強度分布での照明を得ることができる。
【0022】
図14は本発明の実施の形態の第10の例を示す構成図であり、図3に示す実施例の構成と同一の機能を果たすものには同一の符号を付して示している。この図14に示す実施例が図3に示す実施例と異なる点は、照明手段1を構成する半導体レーザ62とレンズ12との間に、回折格子61を出射端60aに配した角柱60を設けることである。
このような角柱は、例えば「光技術コンタクト」Vol.32,No.11(1994)に述べられているように、所定の範囲内で均一な照度分布(すなわち位置に関する光強度分布)を得るための方法である、カレイドスコープ方式として知られている構成に用いられる。この構成では、図17に示すように、いわゆる万華鏡のように側面の内面が鏡として作用する角柱60の一端(入射端)に光源62を配置すると、角柱60に入射した光束の大部分はその入射角に応じて角柱60内の側面で多数回反射されながら進むことで、光源の放射強度分布の影響が低減され、角柱60の他端(出射端)では、その面内でほぼ均一な照度が得られる。図18に示すように、この構成は、出射端から見ると多数の光源が入射端面内に等間隔に並べてあることに相当しているので、出射端での方位に関する光強度分布は図19のようになる。角柱60の長さを伸ばすと、図19に示す強度分布における各ピークの間隔が狭まり、光源からの放射の入射端での方位に関する強度分布に近づく。よって、本発明の動作原理に基づく傷検査装置において、被検面上の所定の範囲内を、所定の方位に関する光強度分布で照明するための光源として、このカレイドスコープ方式を用いることが考え得る。
【0023】
しかし、このカレイドスコープ方式の照明光源では、角柱出射端で得られる光束の方位に関する強度分布を離散的でない光源からの放射の分布に近づけるためには、角柱を十分に長くすることが必要となり装置を小型化するためには望ましくない。これに対して本発明においては、図15に示すように角柱60の出射端に回折格子61を設け、その回折角を、角柱60の出射端から角柱60の入射端を見込む角より小さくすることで、上述の問題の解消を図ることができる。すなわち、その回折格子の空間周期pを、下式(1)を満たすようにすると、その回折格子での回折角θの最大値θmは、下式(2)の値となり、角柱60の出射端から入射端を見込む角より小さくなる。
W/L>k・λ/p …(1)
θm=sin−1(k・λ/p) …(2)
(ここで、Lは角柱60の長さ、Wは角柱60の幅、λは光源放射光の波長、kは有効な回折光の次数の最大値である。)
【0024】
この場合の、角柱60の出射端での方位に関する光強度分布は図16のようになる。すなわち、角柱60の出射端の回折格子で角柱60からの出射光が回折されて偏向されるため、それらの強度分布が回折されない出射光の強度分布と重なり合い、角柱60の長さを伸ばした場合と類似の強度分布を得ることができる。
このような回折格子は、例えば、光学ガラスを材質とする角柱の出射端に、エッチングにより周期的を凹凸を形成することで実現される。
こうして、本発明の実施の形態の第10の例によれば、回折光の重なりにより、角柱60をあまり長くすることなく、照明光の方位に関する強度分布を、より離散的でない強度分布形状に近づけることが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、1つの撮像手段により、被検体の表面の同一箇所に対して受光角の異なる複数の画像を得られるようにしたので、装置の小型化が可能となり、従来のように複数の撮像手段の被検体上での視野位置を一致させる調整作業を容易にし得る利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1の例を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態の第2の例を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態の第3の例を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態の第4の例を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態の第5の例を示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態の第6の例を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態の第7の例を示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態の第8の例を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態の第9の例を示す構成図である。
【図10】図9の主要部分の斜視図である。
【図11】図9の構成の照明に関わるレンズ部分を示す構成図である。
【図12】図9で用いる座標系の定義を示す説明図である。
【図13】図9における被検面上での照明光の強度分布を示す説明図である。
【図14】この発明の実施の形態の第10の例を示す構成図である。
【図15】図14の主要部分の構成図である。
【図16】本発明の実施の形態の第10の例の主要部分である角柱からの出射光強度を示す説明図である。
【図17】カレイドスコープ方式の主要部分である角柱の構成図である。
【図18】図17の構成の動作説明図である。
【図19】図17の角柱からの出射光強度を示す説明図である。
【図20】本件出願人が先に出願した傷検査装置の構成図である。
【符号の説明】
1…照明手段、2…撮像手段、3…被検体、4,4a,4b,4c…反射光、10,62(半導体レーザ)…光源、11…拡散板、12,13,51,53…レンズ、21,21a,21b,21c…結像レンズ、211…第1の結像レンズ、212…第2の結像レンズ、22a,22b,22c…受光素子、23,61…回折格子、24…絞り、51…対物レンズ、52…スプリッタ、53,54…リレーレンズ、60…角柱、60a…出射端、60b…入射端、63…コリメータレンズ、70…多面プリズム、80…多面ミラー。

Claims (11)

  1. 被検体の表面を照射する照明手段と、前記照明された被検体表面を撮像する撮像手段とを備える傷検査装置において、
    前記撮像手段が、前記照明された被検体表面からの反射光を収束する結像レンズと、この結像レンズにより収束される光束を互いに方向の異なる複数の光束に偏向する回折格子と、この回折格子により偏向される回折光の光束が互いに重なる位置に開口を有する絞りと、この絞りを通過する光束毎に各々別個の受光素子と、を有することを特徴とする傷検査装置。
  2. 被検体の表面を照射する照明手段と、前記照明された被検体表面を撮像する撮像手段とを備える傷検査装置において、
    前記撮像手段が、前記照明された被検体表面からの反射光を収束する結像レンズと、この結像レンズにより収束される光束を互いに方向の異なる複数の光束に偏向する多面体と、この多面体により偏向される光束毎に各々別個の受光素子と、を有することを特徴とする傷検査装置。
  3. 前記結像レンズは、前記照明された被検体表面からの反射光を収束し、特に被検体表面の1点からの反射光は平行光をなすように収束して、前記回折格子または前記多面体に導く第1の結像レンズと、前記回折格子または前記多面体により偏向される光束を前記受光素子に導く第2の結像レンズと、からなることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の傷検査装置。
  4. 前記回折格子は透過型であることを特徴とする請求項第1項記載の傷検査装置。
  5. 前記回折格子は反射型であることを特徴とする請求項第1項記載の傷検査装置。
  6. 前記多面体は多面プリズムであることを特徴とする請求項第2項記載の傷検査装置。
  7. 前記多面体は多面ミラーであることを特徴とする請求項第2項記載の傷検査装置。
  8. 前記照明手段は、光源と、この光源からの放射光を集光して被検体に照射する集光レンズと、前記光源と被検体表面との間であって被検体表面と共役でない位置に配置され、前記光源からの放射光の一部を遮る形状の開口を有してその開口を通る光束の強度分布形状を検出信号処理に適した形状に整形する補正フィルタと、を備えることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の傷検査装置。
  9. 前記補正フィルタが、前記集光レンズの入射側焦点面またはこれと共役な位置に配置されることを特徴とする請求項第8項記載の傷検査装置。
  10. 前記照明手段は、光源と、この光源からの放射光を集光して被検体に照射する集光レンズと、前記光源と前記集光レンズとの間に配置される角柱と、を備え、この角柱の出射端に、その回折角が出射端から角柱の入射端を見込む角より小さい回折格子を設ける、ことを特徴とする請求項第1項または第2項記載の傷検査装置。
  11. 前記回折格子の周期pが下式を満たすことを特徴とする請求項第10項記載の傷検査装置。
    W/L>k・λ/p
    (ここで、Lは前記角柱の長さ、Wは角柱の幅、λは光源からの放射光の波長、kは有効な回折光の次数の最大値である。)
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