JP3575327B2 - カッタ機構及びそれを備えたプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPOS(Point−Of−Sale)システムに用いられる電子キャッシュレジスタ等のプリンタに関し、特に、丸刃を有するカッタ機構を備えたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のプリンタにおいては、ロール紙から紙経路に沿って引き出された記録紙に印字を行う印字機構部が設けられ、また、この印字機構部の紙経路の下流側には、印字を行った後に記録紙を切断するためのカッタ機構部が設けられている。
【0003】
従来、このようなカッタ機構部として、例えば、長尺状の固定刃と、円形状の刃(以下、「丸刃」という。)とを有し、この丸刃が固定刃に対しその長手方向に沿って移動するように構成されたものが知られている。
【0004】
そして、この従来技術にあっては、紙幅方向において固定刃の刃部にほぼ沿った記録紙に対し、丸刃が固定刃との間に記録紙の一方の端縁部分を挟みながら、丸刃の刃部が固定刃の刃部と点接触した状態で記録紙の他方の端縁部分に向かって交叉摺動することにより、上記カッタ機構部は、記録紙を紙幅方向に切断するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のカッタ機構部においては、次のような問題があった。
【0006】
すなわち、上記カッタ機構部で記録紙を切断した後に記録紙を送る際において、例えば記録紙についた巻き取りくせにより記録紙が紙経路から外れてしまい、記録紙の先端部分を、記録紙出口部に送ることができないおそれがあった。
【0007】
また、上記カッタ機構部で記録紙を切断する際には、上記巻き取りくせ等の理由により記録紙が固定刃の刃部から離れてしまうため、特に、記録紙の切断開始時において、固定刃の刃部と丸刃の刃部との間に、記録紙の上記一方の端縁部分をくいつかせることができないおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、固定刃部材と可動刃部材との切断可能とする位置に記録紙を確実に送ることができるとともに、固定刃部材と可動刃部材との間で記録紙を切断する良好な状態を確保できるカッタ機構を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明は、紙経路に沿って送られる記録紙に対し刃部を向けて配された長尺状の固定刃部材と、紙経路を挟んだ状態で固定刃部材の長手方向に移動可能に構成され、当該刃部を固定刃部材の刃部に対して交叉摺動させることで記録紙を切断する可動刃部材と、固定刃部材に対して紙経路を挟んで対向する側に配置され、記録紙を紙経路に沿って送るための紙案内部材とを有し、紙案内部材は、固定刃部材の刃部から所定の間隔をもって離れた第1の位置と当該第1の位置よりも固定刃部材の刃部に対し接近し記録紙の紙厚と略同等の間隔をもって離れた第2の位置との間で移動可能に構成された紙案内部であって、付勢手段により固定刃部材から離れる方向に付勢された紙案内部を備え、可動刃部材は、可動刃部材の移動に伴って、紙案内部を第1の位置又は第2の位置に配置させるためのガイド部材を備え、紙案内部材は、可動刃部材の記録紙の幅から外れた位置への移動と連動して付勢手段により付勢されて当該紙案内部が第1の位置に移動するように構成されているとともに、可動刃部材の記録紙の幅内に収まる位置への移動と連動して付勢手段の付勢力に抗して当該紙案内部が第2の位置に移動するように構成されていることを特徴とするカッタ機構である。
【0010】
本発明の場合、固定刃部材に記録紙を送る際、紙案内部材の紙案内部を第1の位置に移動する。そして、紙案内部と固定刃部材の刃部との間隔を、その間に記録紙の先端部を挿入できる間隔に設定すれば、記録紙が巻き取りくせ等の理由で固定刃部材の刃部から離れて送られても、記録紙の先端部を紙案内部により導くことにより、固定刃部材と可動刃部材との切断可能な位置に記録紙を確実に送ることができる。
【0011】
また、カッタ機構により記録紙を切断する際、紙案内部材の紙案内部を第1の位置に移動する。そして、紙案内部と固定刃部材の刃部との間隔を、例えば紙厚に設定すれば、紙案内部により記録紙の紙幅方向を固定刃部材の刃部に沿った状態に導くことができる。そのため、可動刃部材の刃部が、記録紙の一方の端縁部分と固定刃部材の刃部とのほぼ接触点に、くいつくことができるため、確実に記録紙の切断を開始することができるとともに、その後も、固定刃部材の刃部に沿った記録紙を確実に切断することができる。
【0012】
したがって、本発明によれば、紙案内部材を一つ用いるのみで、紙送りの場合と紙切断の場合とにおいてそれぞれ使い分けて、記録紙を確実に紙送りさせることができるとともに、記録紙を良好に切断できる状態におくこともできる。すなわち、ガイド部材により、紙送りの場合には紙案内部材を第1の位置に移動し、また、紙切断の場合には紙案内部材を第2の位置に移動するため、紙案内部材を紙送りの場合と紙切断の場合とに自動的に使い分けることができる。
【0015】
また、本発明は、記録紙の紙経路を挟んで対向配置された固定刃部材と可動刃部材とを有するカッタ機構において、可動刃部材を搭載し、記録紙の搬送方向と交叉する方向に移動可能なキャリッジと、可動刃部材よりも搬送方向の下流側の可動刃部材側に回動自在に支持され、紙経路の一部を構成する紙案内部材と、紙案内部材の少なくとも搬送方向の上流側の端部を、固定刃部材から遠ざかる方向に付勢する付勢手段とを有し、キャリッジと紙案内部材は、それぞれ、互いに係合可能なキャリッジ側係合部と紙案内側係合部を備え、紙案内部材の少なくとも搬送方向の上流側の端部は、キャリッジの移動に伴い、キャリッジ側係合部と紙案内側係合部とが係合したとき、付勢手段の付勢力に抗して固定刃部材に近づく方向に移動し当該固定刃部材と第1の間隔を存して位置し、キャリッジ側係合部と紙案内側係合部との係合が解除されたとき、付勢手段により付勢されて固定刃部材から遠ざかる方向に移動し当該固定刃部材と第2の間隔を存して位置するよう構成されたことを特徴とする。
この場合において、キャリッジ側係合部と紙案内側係合部とは、少なくとも記録紙の紙幅領域内において係合状態にあることを特徴とする。また、紙案内部材の回動支点は、紙経路に略垂直な方向において、紙案内側係合部よりも紙経路から離れた位置にあることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明において、可動刃部材は、円形状に形成された丸刃を有し、可動刃部材の移動に伴って丸刃の刃部が固定刃部材の刃部に接近する方向に丸刃が回転するように構成されていることも効果的である。
【0017】
本発明によれば、丸刃を回転させることから、丸刃の刃部が、記録紙の一方の端縁部分とともに固定刃部材の刃部に、より確実にくいつくことができる。
【0018】
一方、本発明は、ロール紙から紙経路に沿って引き出された記録紙に印字を行う印字機構部と、印字機構部よりも紙経路の下流側に配設された請求項1乃至6のいずれか1項記載のカッタ機構とを有することを特徴とするプリンタである。本発明によれば、確実に記録紙を切断できるプリンタを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカッタ機構及びそれを備えたプリンタの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態のプリンタの主要部の概略構成を示す概略側面図である。図2は、本実施の形態のカッタ機構の概略構成を示す平面図である。図3は、同カッタ機構及び紙ガイド機構の概略構成を示す正面図である。図4は、同カッタ機構の可動刃部材の主要な部品の概略構成を示す斜視図である。
【0021】
また、図5(a)は、同カッタ機構及び紙ガイド機構の概略構成及び紙ガイド機構の紙ガイド部が固定刃から離れた状態を示す側面図であり、図5(b)は、同カッタ機構及び紙ガイド機構の概略構成及び紙ガイド機構の紙ガイド部が固定刃に接近した状態を示す側面図である。
【0022】
図6(a)は、本実施の形態の紙ガイド部が固定刃から離れた状態を示す平面図であり、図6(b)は、同紙ガイド部が固定刃に接近した状態を示す平面図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態のプリンタ1は、ロール紙収容部4に収容されたロール紙Rから紙経路Pに沿って引き出された記録紙Sに印字を行うための印字機構部10と、印字された記録紙Sを切断するためのカッタ機構部20とを有している。
【0024】
プリンタ1は、例えば金属からなる本体フレーム2を有し、この本体フレーム2には、上述したロール紙収容部4が設けられている。また、この本体フレーム2には、紙経路Pに対し接近又は離間可能なカバーフレーム3が開閉自在に設けられている。
【0025】
本体フレーム2の前方側上(図1の左上)部には、断面略コ字状に形成された紙案内フレーム5が設けられている。この紙案内フレーム5と、カバーフレーム3に配設された係止レバー6とが係合することで、カバーフレーム3は、本体フレーム2に係止されるようになっている。
【0026】
印字機構部10は、インクジェット方式により印字を行う印字ヘッド11と、この印字ヘッド11との間で紙経路Pを挟んで対向配置されるプラテンローラ12とから構成されている。印字ヘッド11は、本体フレーム2の前方側に配設されている。また、紙案内フレーム5の紙経路Pと近接する部位には、プラテンローラ12に記録紙Sを押さえつけるための紙押えローラ8が回動自在に設けられている。
【0027】
一方、プラテンローラ12は、カバーフレーム3の先端側(紙経路Pに向かう側)に回動自在に設けられている。そして、プラテンローラ12は、カバーフレーム3が閉じられた場合に、水平方向(図1の左右方向)に移動して印字ヘッド11と対向配置されるとともに、紙押えローラ8と押圧接触するように構成されている。
【0028】
また、図1に示すように、本体フレーム2には、プラテンローラ12を回転駆動するための駆動機構部13が設けられている。この駆動機構部13においては、本体フレーム2の前方側の部位に駆動モータ14が設けられ、この駆動モータ14の回転駆動力が、モータ歯車15から減速歯車16、17を介して中間歯車18に伝達されるように構成されている。
【0029】
そして、プラテンローラ12の一方の端部にプラテン歯車19が固定され、カバーフレーム3を閉じた状態でプラテン歯車19が上記中間歯車18と噛み合うことによってプラテンローラ12を所定方向に回転駆動するように構成されている。
【0030】
図1又は図2に示すように、カッタ機構部20は、固定刃(固定刃部材)21と、可動刃ユニット22とから構成されている。
【0031】
固定刃21は、例えば金属材料を用いて長尺状に形成され、紙案内フレーム5の上部に固定されている。図2に示すように、固定刃21は、その刃部21aを紙経路Pに向けて矢印A又はBに示す紙幅方向(図2の左右方向)に沿うように配置されている。
【0032】
可動刃ユニット22は、後述する可動刃部(可動刃部材)31と、可動刃部31を駆動するためのカッタ駆動部51とから構成されている。
【0033】
図1又は図2に示すように、可動刃部31は、カバーフレーム3の先端側(紙経路Pと近接する側)に配設されている。一方、カッタ駆動部51は、カバーフレーム3の可動刃部31の後端側に配設されている。
【0034】
図2に示すように、カッタ駆動部51にはカッタモータ52が設けられ、このカッタモータ52の回転駆動力が、カッタモータ歯車53からその回転方向を変換するための変換歯車54を介してカッタ中間歯車55に伝達されるように構成されている。
【0035】
図2に示す上記紙幅方向における左側(以下、「紙幅方向A側」という。)のカッタ中間歯車55と近接する部位には、伝達歯車部56aとその同心軸上のプーリー部56bとから構成される駆動歯車56が回動自在に設けられている。一方、同紙幅方向における右側(以下、「紙幅方向B側」という。)の部位には、従動プーリー57が回動自在に設けられている。これら駆動歯車56のプーリー部56bと、従動プーリー57とに、無端状の駆動ベルト58が紙幅方向A又はBと平行になるように掛けられている。そして、カッタ駆動部51においては、駆動歯車56の伝達歯車部56aが上記カッタ中間歯車55と噛み合うことにより、駆動ベルト58を回転させるように構成されている。
【0036】
この駆動ベルト58と近接する部位には、主ガイド軸71と従ガイド軸72とが、駆動ベルト58を挟んで紙幅方向A又はBに延びるように設けられている。主ガイド軸71は、紙経路P側に配置される一方、従ガイド軸72は、カッタモータ52と近接する側に主ガイド軸71と平行に配置されている。
【0037】
そして、本実施の形態の場合、可動刃部31は、主ガイド軸71と従ガイド軸72に案内されながら駆動ベルト58に係止されることにより紙幅方向A又はBに往復動可能に構成されている。
【0038】
ここで、図4に示すように、可動刃部31は、例えば樹脂からなるキャリッジ本体32を有している。このキャリッジ本体32の前方側(紙経路Pに向かう側)の両側面には、主ガイド軸71と嵌合可能な軸受部32aが形成され、一方、キャリッジ本体32の後方側の部位には、従ガイド軸72と当接可能な軸当接部32bが形成されている。そして、キャリッジ本体32は、軸受部32aが主ガイド軸71に貫通され、かつ、軸当接部32bが従ガイド軸72に当接することで、主ガイド軸71及び従ガイド軸72に支持されている。
【0039】
また、図2に示すように、キャリッジ本体32には、駆動ベルト58に固着した駆動軸33が、紙幅方向A又はBと直交する方向に移動可能な長穴32gが設けられている。
【0040】
駆動ベルト58が反転する駆動歯車56又は従動プーリー57の付近で駆動軸33は、円周に沿って移動するが、キャリッジ本体32の長穴32g部では紙幅方向A又はBと直交する方向に移動し、駆動ベルト58のうち、主ガイド軸71側のベルト部58aと、従ガイド軸72側のベルト部58bとを交互に紙幅方向A又はBにキャリッジ本体32を押え付けるように構成されている。これによりキャリッジ本体32は、駆動ベルト58の一方向の回転移動において、紙幅方向A又はBに往復動するようになっている。
【0041】
従ガイド軸72の端部近傍にあって記録紙Sの幅外側に相当する位置には、キャリッジ本体32の位置を検出するための位置検出器73と、位置検出器74とが設けられている。位置検出器73は、紙幅方向A側に配置される一方、位置検出器74は、紙幅方向B側に配置されている。そして、位置検出器73、74は、例えば光電センサを用いて構成され、キャリッジ本体32の後方側の部位に形成された被検出部32c、32dをそれぞれ検出するようになっている。
【0042】
他方、図4に示すように、キャリッジ本体32の前方側には、丸刃アセンブリ40を収容するための開口部32eが形成されている。この丸刃アセンブリ40は、キャリッジ本体32の開口部32eにおいて丸刃軸44に貫通されることで、キャリッジ本体32に回動自在に支持されている。なお、丸刃軸44は、その一方の端部でE形止め輪45によりキャリッジ本体32に係止されるようになっている。
【0043】
ここで、丸刃アセンブリ40は、金属を用いて円形状に形成された刃部を有する丸刃セット41と、樹脂を用いて円筒形状に形成された丸刃支持部材42とを有し、この丸刃セット41の一方の側面に固定された嵌合部41aが圧縮コイルばね43を介して丸刃支持部材42に若干余裕をもってはまることで一体化するように構成されている。そして、丸刃セット41は、圧縮コイルばね43により丸刃軸44に沿ってキャリッジ本体32の開口部32e内の下面に押え付けられるようになっている。
【0044】
また、図2に示すように、丸刃セット41は、その一部がキャリッジ本体32の開口部32eからはみ出した状態で、本体フレーム2側の固定刃21と対向するように配置されている。
【0045】
図2又は図4に示すように、丸刃支持部材42の上部には、歯車部42aが形成されている。また、キャリッジ本体32の上部に形成された支軸32fには、ピニオン34(図2参照)が丸刃支持部材42の歯車部42aと噛み合うように回動自在に支持されている。一方、図2に示すように、主ガイド軸71の近傍には、丸刃アセンブリ40を回転させるためのラック75がピニオン34と噛み合うように設けられている。そして、丸刃アセンブリ40は、キャリッジ本体32の紙幅方向A又はBの移動に伴って回転するようになっている。
【0046】
図1に示すように、カバーフレーム3の可動刃部31の近傍には、紙ガイド機構(紙案内部材)70が、可動刃部31の丸刃アセンブリ40の紙経路P側をほぼ全体を覆うように配設されている。なお、本体フレーム2の固定刃21と近接する部位には、紙経路Pを挟んで、紙ガイド板7が紙ガイド機構70に対向配置されている。
【0047】
図3又は図5(a)(b)に示すように、紙ガイド機構70は、例えばステンレス鋼板からなる紙ガイド部材71を有している。この紙ガイド部材71は、支軸72を中心にねじりコイルばね(図示せず)により固定刃21から離れる方向(矢印C方向)に付勢された状態で回動するように構成されている。
【0048】
紙ガイド部材71は、記録紙Sの幅とほぼ同一の長さで紙幅方向A又はBに延びるように形成された2つの側面からなる断面略L字状の基部71aを有し、この基部71aの両端部には、腕部71bが基部71aと直交する方向に形成されている。そして、紙ガイド部材71は、この両方の腕部71bが支軸72に貫通されることでカバーフレーム3に支持されている。
【0049】
紙ガイド部材71の基部71aのうち、丸刃アセンブリ40と近接する方の側面には、基部71aを若干外側(固定刃21に近づく側)に曲げることにより、紙ガイド部(紙案内部)71cが形成されている。この紙ガイド部71cの先端部71dは、丸刃アセンブリ40の丸刃41及び固定刃21と近接する位置に配置されている。
【0050】
また、図3又は図6(a)(b)に示すように、紙ガイド部71cには、その両端部を腕部71bから突出させ、かつ、紙ガイド部71cから外側に所定の傾斜角をもって曲げることにより、突出カム部71eが形成されている。
【0051】
一方、図2又は図6(a)(b)に示すように、可動刃部31のキャリッジ本体32の両側面には、略翼形状の第1当接部(ガイド部)36が紙幅方向A又はBに延びるように形成されている。この第1当接部36は、紙ガイド部71cの内側(丸刃アセンブリ40の側)及び紙ガイド部71cの突出カム部71eと当接可能な位置に配置されている。
【0052】
また、図3又は図4に示すように、丸刃アセンブリ40の丸刃支持部材42には、円形つば形状の第2当接部(ガイド部)42bが形成されている。この第2当接部42bは、第1当接部36とほぼ同一高さの位置に第1当接部36より紙経路P側に若干突出して配置されている。
【0053】
そして、図3又は図6(a)に示すように、丸刃アセンブリ40が紙ガイド部材71の外側に配置された状態において、紙ガイド部71cとキャリッジ本体32の第1当接部36とが当接することで、図5(a)に示すように、紙ガイド部71cの先端部71dが、固定刃21の刃部21aとの間で記録紙Sを挿入できる間隔をもって、固定刃21の刃部21aから離れた位置(以下、「紙送り位置」という。)に配置されるようになっている。
【0054】
また、図6(b)に示すように、丸刃アセンブリ40が紙ガイド部材71の内側に配置された状態において、紙ガイド部71cと丸刃アセンブリ40の第2当接部42bとが当接することで、図5(b)に示すように、紙ガイド部71cの先端部71dが、固定刃21の刃部に対しほぼ紙厚の隙間(例えば0.1〜0.2mm)をもって接近した位置(以下、「紙切断位置」という。)に配置されるようになっている。
【0055】
かかる構成を有する本実施の形態のプリンタ1により印字を行う場合において、カッタ機構部20の可動刃部31は、紙ガイド部材71の外側のいずれか一方側に、例えば、図2に示す紙幅方向B側に配置されている。また、紙ガイド部材71は、紙ガイド部71cとキャリッジ本体32の第1当接部36とが当接した状態で、図5(b)に示すように、上記紙送り位置に配置されている。
【0056】
そして、プラテンローラ12を回転させて記録紙Sを紙経路Pに沿って送りながら、所定の印字情報に基づいて印字ヘッド11を駆動させることで記録紙Sに印字を行う。
【0057】
この印字動作に伴い前のカット動作にて切断された記録紙Sの先端を送り出す際に、紙ガイド部71cに沿って紙経路Pを進ませる。
【0058】
本実施の形態においては、記録紙Sの先端部が、巻き取りくせ等の理由により固定刃21の刃部21aから離れた側に倒れて送られた場合であっても、紙ガイド部71cの先端部71dによって、記録紙Sの先端部がすくわれ、紙ガイド部71c上に沿って導かれる。
【0059】
このようにして固定刃21と紙送り部材71の間に送られた記録紙Sを切断する場合には、図2に示すように、カッタモータ52を駆動させて駆動ベルト58を回転させることにより、可動刃部31を紙幅方向Aに移動させる。この可動刃部31の移動に伴って、ピニオン34がラック75と噛み合いながら回転するとともに、丸刃アセンブリ40の歯車部42aがピニオン34と噛み合いながら回転する。
【0060】
これにより丸刃セット41が、固定刃21と接触した状態で紙幅方向Aに移動するとともに、その刃部が固定刃21の刃部21aに接近する方向(図2に示す矢印方向)に回転する。
【0061】
一方、可動刃部31の移動により、図6(a)において、丸刃アセンブリ40の第2当接部42bが、まず、紙ガイド部71cの突出カム部71eに当接する。次いで、丸刃アセンブリ40の第2当接部42bが、紙ガイド部71cの突出カム部71e上から紙ガイド部71c上にわたって移動することにより、紙ガイド部材71を矢印D方向に回転させ、紙ガイド部71cの先端部71dを固定刃21の刃部21aに接近させる(図5(b)参照、上記紙切断位置)。
【0062】
紙ガイド部71cの接近に伴って、記録紙Sが、固定刃21の刃部21a側に導かれることで、紙幅方向における記録紙Sが、固定刃21の刃部21aに沿った状態におかれる。
【0063】
そして、丸刃セット41の刃部が、記録紙Sの紙経路P方向の端縁部分と固定刃21の刃部21aとのほぼ接触点に到達し、丸刃セット41の刃部が固定刃21の刃部21aとともに記録紙Sの上記端縁部分にくいつくことで記録紙Sの切断を開始する
その後、丸刃アセンブリ40の第2当接部42bが、紙ガイド部71c上を紙幅方向Aに移動する(図6(b)参照)ことで、紙ガイド部材71を上記紙切断位置に保持する。これにより紙幅方向における記録紙Sが固定刃21の刃部21aに沿った状態に保たれ、このような状態の記録紙Sに対し、丸刃セット4が、固定刃21の刃部21aと点接触しながら交叉摺動することで記録紙Sを紙幅方向に切断する。
【0064】
切断終了後、可動刃部31が紙幅方向A側の近傍に移動した場合において、丸刃アセンブリ40の第2当接部42bが、紙ガイド部71c上から突出カム部71e上に移動してキャリッジ本体32の第1当接部36が紙ガイド部71cと当接する(図6(a)参照)。これにより、紙ガイド部材71を、矢印C方向に回転させて上記紙送り位置に配置させる(図5(a)参照)。
【0065】
一方、位置検出器73が可動刃部31の被検出部32cを検出した情報に基づいてカッタモータ52を停止させることにより、可動刃部32を紙幅方向A側に配置させる。
【0066】
以上述べたように本実施の形態によれば、紙ガイド部材71を、紙送りの場合と紙切断の場合とにおいてそれぞれ使い分けて上記紙送り位置と上記紙切断位置とに移動するようにしたことから、記録紙Sを確実に切断可能な位置に送ることができるとともに、記録紙Sを、丸刃セット41と固定刃21とが切断する良好な状態におくことができる。
【0067】
特に、記録紙Sに、固定刃21の刃部21aから離れる方向にくせがついている場合において、紙ガイド部材71により記録紙Sを固定刃21の刃部21aに押し付けて丸刃セット41をくいつかせることができ、そのため確実に記録紙Sの切断を開始することができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、可動刃部31が記録紙Sの幅外側に配置された場合には、第1当接部36により紙ガイド部材71を上記紙送り位置に配置させ、可動刃部31が記録紙Sの幅内に配置された場合には、第2当接部42bにより紙ガイド部材71を上記紙切断位置に配置させるようにしたことから、紙ガイド部材71を、紙送りの場合と紙切断の場合とに自動的に使い分けることができる。
【0069】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
【0070】
例えば、上記実施の形態においては、丸刃セット41の周速度について特に記載していないが、丸刃セット41の周速度を可動刃部31の紙幅方向A又はBの移動速度より大きい値(例えば約2倍程度)に設定すれば、丸刃セット41の刃部がより効果的に記録紙Sにくいつくという利点がある。
【0071】
また、上記実施の形態においては、印字ヘッド11にインクジェット方式を用いたが、例えば、感熱方式やドットインパクト方式を適用することも可能である。
【0072】
もっとも、インクジェット方式のように記録紙と非接触で印字を行う方式を本発明に適用すれば、紙粉の発生が少ないため、例えばノズルの目づまり等のカッタ動作による影響が少ない点で有利である。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、固定刃部材と可動刃部材との切断可能とする位置に記録紙を確実に送ることができるとともに、固定刃部材と可動刃部材との間で記録紙を切断する良好な状態を確保できるカッタ機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のプリンタの主要部の概略構成を示す概略側面図である。
【図2】本実施の形態のカッタ機構の概略構成を示す平面図である。
【図3】同カッタ機構及び紙ガイド機構の概略構成を示す正面図である。
【図4】同カッタ機構の可動刃部材の主要な部品の概略構成を示す斜視図である。
【図5】(a):同カッタ機構及び紙ガイド機構の概略構成及び紙ガイド機構の紙ガイド部が固定刃から離れた状態を示す側面図である。
(b):同カッタ機構及び紙ガイド機構の概略構成及び紙ガイド機構の紙ガイド部が固定刃に接近した状態を示す側面図である。
【図6】(a):本実施の形態の紙ガイド部が固定刃から離れた状態を示す平面図である。
(b):同紙ガイド部が固定刃に接近した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 印字機構部
21 固定刃(固定刃部材)
31 可動刃部(可動刃部材)
36 第1当接部(ガイド部)
41 丸刃セット
42b 第2当接部(ガイド部)
70 紙ガイド機構(紙案内部材)
71c 紙ガイド部(紙案内部)
P 紙経路
R ロール紙
S 記録紙
Claims (6)
- 紙経路に沿って送られる記録紙に対し刃部を向けて配された長尺状の固定刃部材と、
前記紙経路を挟んだ状態で前記固定刃部材の長手方向に移動可能に構成され、当該刃部を前記固定刃部材の刃部に対して交叉摺動させることで前記記録紙を切断する可動刃部材と、
前記固定刃部材に対して前記紙経路を挟んで対向する側に配置され、前記記録紙を前記紙経路に沿って送るための紙案内部材とを有し、
前記紙案内部材は、前記固定刃部材の刃部から所定の間隔をもって離れた第1の位置と当該第1の位置よりも前記固定刃部材の刃部に対し接近し前記記録紙の紙厚と略同等の間隔をもって離れた第2の位置との間で移動可能に構成された紙案内部であって、付勢手段により前記固定刃部材から離れる方向に付勢された紙案内部を備え、
前記可動刃部材は、前記可動刃部材の移動に伴って、前記紙案内部を前記第1の位置又は前記第2の位置に配置させるためのガイド部材を備え、
前記紙案内部材は、前記可動刃部材の前記記録紙の幅から外れた位置への移動と連動して前記付勢手段により付勢されて当該紙案内部が前記第1の位置に移動するように構成されているとともに、前記可動刃部材の前記記録紙の幅内に収まる位置への移動と連動して前記付勢手段の付勢力に抗して当該紙案内部が前記第2の位置に移動するように構成されていることを特徴とするカッタ機構。 - 記録紙の紙経路を挟んで対向配置された固定刃部材と可動刃部材とを有するカッタ機構において、
前記可動刃部材を搭載し、前記記録紙の搬送方向と交叉する方向に移動可能なキャリッジと、
前記可動刃部材よりも前記搬送方向の下流側の前記可動刃部材側に回動自在に支持され、前記紙経路の一部を構成する紙案内部材と、
前記紙案内部材の少なくとも前記搬送方向の上流側の端部を、前記固定刃部材から遠ざかる方向に付勢する付勢手段とを有し、
前記キャリッジと前記紙案内部材は、それぞれ、互いに係合可能なキャリッジ側係合部と紙案内側係合部を備え、
前記紙案内部材の少なくとも前記搬送方向の上流側の端部は、前記キャリッジの移動に伴い、前記キャリッジ側係合部と前記紙案内側係合部とが係合したとき、前記付勢手段の付勢力に抗して前記固定刃部材に近づく方向に移動し当該固定刃部材と第1の間隔を存して位置し、前記キャリッジ側係合部と前記紙案内側係合部との係合が解除されたとき、前記付勢手段により付勢されて前記固定刃部材から遠ざかる方向に移動し当該固定刃部材と第2の間隔を存して位置するよう構成されたことを特徴とするカッタ機構。 - 前記キャリッジ側係合部と前記紙案内側係合部とは、少なくとも前記記録紙の紙幅領域内において係合状態にあることを特徴とする請求項2記載のカッタ機構。
- 前記紙案内部材の回動支点は、前記紙経路に略垂直な方向において、前記紙案内側係合部よりも前記紙経路から離れた位置にあることを特徴とする請求項2又は3記載のカッタ機構。
- 前記可動刃部材は、円形状に形成された丸刃を有し、前記可動刃部材の移動に伴って前記丸刃の刃部が前記固定刃部材の刃部に接近する方向に前記丸刃が回転するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のカッタ機構。
- ロール紙から紙経路に沿って引き出された記録紙に印字を行う印字機構部と、
前記印字機構部よりも前記紙経路の下流側に配設された請求項1乃至5のいずれか1項記載のカッタ機構とを有することを特徴とするプリンタ。
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