JP3575273B2 - 油圧剪断加工機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧により剪断加工を行う油圧剪断加工機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の油圧剪断加工機械を図9〜図11を用いて説明する。従来の油圧剪断加工機械は、図9に示すように油圧ポンプユニット27が本体21に内蔵された一体型や、図10、図11に示すように油圧ポンプユニット27と本体21が別れている分離型がある。
【0003】
分離型の場合、油圧ポンプユニット27は、油圧ホース31、操作コード33を接続して油圧ポンプユニット27と本体21を連結していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の油圧剪断加工機械のうち、一体型の場合は、剪断加工機械を構成する全ての装置が1つの本体21に集約されているため重量が40kg以上と重くなり、作業現場を移動する際など本体を運搬するのが困難であった。
【0005】
分離型の場合は、本体21と油圧ポンプユニット27を分離できるため、各装置の重量は一般に本体21が20〜30kg、油圧ポンプユニット27が10〜20kgと軽くでき、運搬は容易となる。しかし、油圧ポンプユニット27は構造上、油圧ポンプ28の両側(上下又は左右)にオイルタンク29と駆動装置30を備えており、作動油の給排口28aは油圧ポンプ28に設けられているため、本体21の上部にある油圧シリンダ22に比べ、給排口28aが下方に位置している。また、(1)油圧ホース31が一般にワイヤーブレードなどの補強層を合成ゴムで挟み、両端に取付金具がかしめられており、高圧での破損を防止するため最小曲げ半径が限られていること。(2)最小曲げ半径以上の円弧状に設ければ破損しないが、作動油が高圧になればなるほど、油圧ホース31内の内圧が高くなり油圧ホース31が真っ直ぐになろうとすること。(3)油圧ホース31の曲げ半径が小さいほど、油圧ホース31が真っ直ぐになろうとする力が大きいこと、などの性質がある。このため、本体21と油圧ポンプユニット27を油圧ホース31で接続するには、油圧ホース31を真っ直ぐ、又は油圧ポンプユニット27が移動しない程度の大きな円弧状としなければならない。従って、一般に油圧シリンダ22と給排口28aを連結するのに、1m程度の油圧ホース31が必要になる。
【0006】
これにより、本体21と油圧ポンプユニット27を接続して加工する際、設置スペースを広く取らなければならず、狭い作業場や卓上の限られたスペースに設置するのは困難であった。さらに、油圧ホース31が高圧になると、真っ直ぐになろうとする性質を知らずに狭い卓上などに油圧ホース31を小さな曲げ半径で設置し加工すると、前述した性質から油圧ホース31が真っ直ぐになろうとする力で油圧ポンプユニット27が動き卓上から落下し破損する可能性があった。
【0007】
また、油圧ポンプユニット27の油圧ポンプ28(給排口28a)を油圧シリンダ22と同じ高さにして油圧ホース31を接続すれば、油圧ホース31を短くし、真っ直ぐにして使用することは可能であるが、油圧ポンプユニット27の油圧ポンプ28(給排口28a)を油圧シリンダ22と同じ高さにしなければならず、その分、油圧ポンプユニット27を上方に位置させなければならない。油圧ポンプユニット27が本体21より上方に突出すれば、大型化を招くとともに、本体21と油圧ポンプユニット27との一体感がなくなる問題がある。また、油圧ポンプユニット27の上部のみが重くなり設置バランスが悪くなったり、バランスを良くするため下部を補強すれば、油圧ポンプユニット27の重量が重くなってしまう。また、本体21と油圧ポンプユニット27を分離して、運搬する際、油圧ホース31がじゃまになるなどの問題があった。
【0008】
さらに、上記した問題点を解決するために、本体21と油圧ポンプユニット27の接続を油圧ホース31を用いずに市販のエルボやニップルなどのアクセサリーや、パイプ使用による喰込継手などで行う方法もあるが、管用テーパーネジの基準径位置のばらつきや寸法公差の累積などにより、本体21側のカプラ23と油圧ポンプユニット27側のカプラ32との接続位置合わせが困難となり、高精度のエルボやニップルを製作するか、又は位置合わせ機構を設けなければならずコスト高となっていた。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解消し、本体と油圧ユニットを運搬する際は分離してそれぞれの装置を容易に運搬しながらも、加工する際は本体に油圧ポンプユニットを固定して一体にすることで、最小限のスペースに設し加工できるようすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本体と油圧ポンプユニットとを着脱可能に構成すると共に、本体と油圧ポンプユニットの一方に係止ピン、他方に係止ピンと嵌合可能な係止穴を設け、更に本体と油圧ポンプユニットに設けられ、係止ピンと係止穴との嵌合時に係合し、本体と油圧ポンプユニットとを固定する固定手段を設けることで達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1〜図8により説明する。図1は油圧剪断加工機械の斜視図、図2は側面図、図3は図2で本体と油圧ポンプユニットを分離した側面図、図4は本体の背面図、図5は油圧ポンプユニットの正面図、図6は油圧剪断加工機械の上部カバーを開いた状態の上面図、図7は油圧剪断加工機械の上部カバーを開いた状態の斜視図、図8は油圧ポンプユニット内部の斜視図である。
【0012】
図1,図2において、本体1側の上部には油圧シリンダ2を設け、油圧シリンダ2内のピストンロッド2aが上下方向に摺動する。また、油圧シリンダ2には後述するカプラと接続するカプラ3を設け、カプラ3の横には安全装置などの制御コネクタ4を設けている。ピストンロッド2a下方には、図示しない加工金型を設置するテーブル5が設けられている。カプラ3、制御コネクタ4は本体1に回動自在に設けたカバー6で覆われている。
【0013】
図8において、油圧ポンプユニット7の内部に油圧ポンプ8を設け、油圧ポンプ8の上部にオイルタンク9、下部に駆動装置10を備えている。また、油圧ポンプ8には作動油の給排口8aが設けられ、この給排口8aに油圧ホース11を接続して油圧ポンプユニット7前面に取り付けたカプラ12に接続している。なお、油圧ホース11は高圧でも給排口8a、カプラ12から外れない最小曲げ半径内で取付けられている。カプラ12の横には制御コネクタ4に対応する制御コネクタ13を設けている。油圧ポンプユニット7には操作スイッチ14を結線し、操作スイッチ14により駆動装置10を駆動させる。
【0014】
図3において、本体1の本体1背面側には水平方向に係止穴15,15が形成され、油圧ポンプユニット7の正面には係止穴15,15に対応する位置に係止ピン16,16が水平方向に突出し、この係止穴15,15と係止ピン16,16で位置決め手段を構成している。なお、本実施形態では本体1に係止穴15,油圧ポンプユニット7に係止ピン16を設けているが、油圧ポンプユニット7に係止穴15、本体1に係止ピン16を設けても構わない。本体1と油圧ポンプユニット7との固定手段として、本体1の両側面にはファスナー17,17が配設され、油圧ポンプユニット7の両側面にはファスナー17,17に対応するファスナー18,18が配設されている。
【0015】
上記構成において、本体1に油圧ポンプユニット7を取り付ける操作を説明する。本体1の係止穴15に油圧ポンプユニット7の係止ピン16を挿入する。これにより、本体1のファスナー17と、油圧ポンプユニット7のファスナー18及び本体1のカプラ3と、油圧ポンプユニット7のカプラ12の位置を容易に一致させることができる。ファスナー17とファスナー18を係合させ、油圧ポンプユニット7を本体1に取り付ける。また、図7に示すように、本体1のカバー6を開けてカプラ3とカプラ12、制御コネクタ4と制御コネクタ13を接続する。これで、本体1と油圧ポンプユニット7は一体化される。
【0016】
次に、材料加工時について説明する。テーブル5上に図示しない加工金型を挿入し、材料をセットして操作スイッチ14を操作し、駆動装置10を駆動させ油圧ポンプ8から作動油を送り、流路となる油圧ホース11を介して本体1上部の油圧シリンダ2に給排し、油圧シリンダ2内のピストンロッド2aを下降させる。ピストンロッド2aは前記加工金型を押し下げ、加工金型で材料を押圧することで、切断、折り曲げなどの加工が施される。
【0017】
駆動装置10を駆動中、油圧ホース11が高圧となり真っ直ぐになろうとする力が働き、油圧ポンプユニット7が後方に倒れようとするが、係止ピン16と係止穴15との嵌合により油圧ホース11は所定の曲げ半径のまま保たれるので、油圧ポンプユニット7が動いたり、油圧ホース11が破損したりせず、安定して加工することができる。
【0018】
運搬する場合は、カバー6を開いてカプラ3とカプラ12及び制御コネクタ4と制御コネクタ13を外し、さらに、ファスナーを外し、油圧ポンプユニット7を後方に引き抜けば、本体1と油圧ポンプユニット7を分離できる。
【0019】
なお、耐荷重の大きいファスナーで本体1と油圧ポンプユニット7を強固に固定すれば、上記したように油圧ポンプユニット7が動くことを防止することは可能であるが、耐荷重の大きいファスナーの場合、ファスナーに内蔵されている強力なばねの付勢力により本体1と油圧ポンプユニット7を固定するのに力を要するため、固定作業が非常に大変になる。また、油圧ポンプユニット7側の外枠も耐荷重の大きいファスナーで耐えられる構造にするため、剛性アップを図らなければならず、構造のコスト及び重量アップになってしまう。その点、本発明は係止穴15と係止ピン16だけで、油圧ポンプユニット7の倒れ防止ができ、ファスナーは単に本体1と油圧ポンプユニット7を接続するだけのもので済み、取付が容易で安価なファスナーを使用することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、カプラ接続時に油圧ホースの曲げ半径をほぼ一定に保つことができると共に、本体と油圧ポンプユニットを一体化することができるので、設置面積を小さくでき、狭い作業場や卓上の限られたスペースで加工できる。また、位置決め手段により油圧ポンプユニットを本体に接続する際、容易に位置合わせをすることができる。運搬する場合は、本体から油圧ポンプユニットを分離でき容易に運搬することができる。
【0021】
また、油圧ホースが高圧となっても油圧ポンプユニットが動いたり、油圧ホースが破損することがなく、本体と油圧ポンプユニットを小形にできるとともに一体感のある外観とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す油圧剪断加工機械の斜視図である。
【図2】油圧剪断加工機械の側面図である。
【図3】図2で本体と油圧ポンプユニットを分離した側面図である。
【図4】本体の背面図である。
【図5】油圧ポンプユニットの正面図である。
【図6】油圧剪断加工機械の上部カバーを開いた状態の上面図である。
【図7】油圧剪断加工機械の上部カバーを開いた状態の斜視図である。
【図8】油圧ポンプユニット内部の斜視図である。
【図9】従来の一体型油圧剪断加工機械の全体斜視図である。
【図10】従来の分離型油圧剪断加工機械の全体斜視図である。
【図11】図10の従来の油圧ポンプユニットの斜視図である。
【符号の説明】
1…本体、2…油圧ポンプユニット、6、9…ファスナー、12…油圧ホース、15…係止穴、16…係止ピン。
Claims (1)
- オイルタンクと駆動装置を有し、該駆動装置により駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプに接続された油圧ホースとを有する油圧ポンプユニットと、前記油圧ホースと接続可能な油圧シリンダを有し該油圧シリンダ内に摺動自在に配設されたピストンロッドを有する本体とからなる油圧剪断加工機械において、前記本体と前記油圧ポンプユニットとを着脱可能に構成すると共に、前記本体と前記油圧ポンプユニットの一方に係止ピン、他方に前記係止ピンと嵌合可能な係止穴を設け、更に前記本体と前記油圧ポンプユニットに設けられ、前記係止ピンと前記係止穴との嵌合時に係合し、前記本体と前記油圧ポンプユニットとを固定する固定手段を設けたことを特徴とする油圧剪断加工機械。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP07060998A JP3575273B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 油圧剪断加工機械 |
Publications (2)
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JPH11262813A JPH11262813A (ja) | 1999-09-28 |
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JP07060998A Expired - Fee Related JP3575273B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 油圧剪断加工機械 |
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1998
- 1998-03-19 JP JP07060998A patent/JP3575273B2/ja not_active Expired - Fee Related
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