JP3574982B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成方法に関し、特にカラー画像を形成しうる画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法においては、記録材上に担持されたトナー像の熱効率が良く、高速定着に適する等の理由から熱ローラ定着方法が賞用されてきた。この熱ローラ定着方法は、加熱源を内蔵した定着ローラと圧着ローラとの間をトナー像を担持した記録紙を通過させ、トナーを記録紙へ熱溶融定着させる方法である。
【0003】
この熱ローラ定着方法は、上記長所を有する反面、使用するトナーによっては定着ローラに転写し、回転後に記録紙の他の箇所に付着し、それが定着され、得られた記録紙の画像を汚す、所謂オフセット現象が発生するという短所を有している。
【0004】
例えば、トナー中の分子量分布の狭い樹脂はシャープメルト特性に優れており、特にカラー画像として光沢の優れた画像を形成することができる反面、上記したようにオフセット性に問題を有している。
【0005】
このため、トナー自身に耐オフセット性を付与する提案も多数なされており、例えばトナーに使用する結着樹脂においては特開昭50−134652号に記載の如く分子量分布の広い樹脂を使用する技術、特開昭49−65231号に記載の如く低分子量ポリプロピレンの如き離型剤をトナーに添加する技術等の提案がされている。
【0006】
しかしながら上記技術は、確かにオフセット現象の防止には優れた効果を発揮してはいるものの、分子量分布の広い樹脂は溶解性が悪く、シャープメルト特性が劣化するという問題が生じ、定着性が十分に発揮できない等の問題を有し、特にカラー画像として評価した際、画像の表面に多数の凸凹を発生させるなど光沢のない画像を形成してしまい、分子量分布の狭い樹脂と比較した場合、カラー画像特性上の格差は歴然としており、画像欠陥の無い画像を得られないという問題を提起している。
【0007】
又別の例として、熱ローラ定着方法のオフセット現象発生防止のため、従来定着ローラ表面にジメチルシリコンオイルを供給する技術が提案されている。
【0008】
この方法は、オフセット現象の防止には有効ではあるが、多量のジメチルシリコンオイルを必要とするため、シリコンオイル供給のための装置を必要とし、又定着画像に対するオイル汚れが発生しやすいという問題が生じている。更に、オーバーヘッドプロジェクター用シートを用いた場合には、トナーが定着した際、特にこのシリコンオイルによる汚れが目立ってしまう。
【0009】
何れにせよ、特にカラー画像として光沢の優れた画像を形成しながらオフセット現象の発生を防止するという技術は、未だ要望に応えうる研究成果の報告がないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、カラー画像として光沢の優れた画像を形成しながらオフセット現象の発生を防止することが可能な画像形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0013】
(1)移動する離型剤が塗布された定着部材と前記定着部材に圧接し回転する加圧部材との間に、少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナー像を担持した記録材を通過させ、固定配置された加熱部材により前記定着部材を介してトナー像を記録材に定着させる画像形成方法に於いて、前記樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が以下の関係を満足し、前記離型剤が下記一般式〔I〕で示される構造単位を有する含フッ素系シリコンオイルであることを特徴とする画像形成方法。
【0014】
重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)≦5
【0015】
【化2】
Figure 0003574982
【0016】
式中、Xは炭素数1〜4の飽和炭化水素基又はアリール基、Rは炭素数2〜10のフルオロアルキル基、nは1〜4の整数を示す。
【0017】
本発明は、分子量分布の狭い樹脂、即ちMw/Mnが小さい樹脂を静電荷像現像用トナーに用い、且つ定着部材に上記一般式で示される構造単位を有する含フッ素系シリコンオイルを塗布するという構成を採用した画像形成方法により、特にカラー画像として光沢の優れた画像を形成しながらオフセット現象の発生を防止することを特徴とするのものである。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、上記一般式で示される構造単位を有する含フッ素系シリコンオイル(以下、単に含フッ素系シリコンオイル)について説明する。
【0019】
【化3】
Figure 0003574982
【0020】
式中、Xは炭素数1〜4の飽和炭化水素基又はアリール基を示し、Rは炭素数2〜10のフルオロアルキル基であり、好ましくはZ−(CF−(Zは水素原子又はフッ素原子を示し、mは2〜10の整数である)で表される基である。
【0021】
又、Rは炭素数2〜8のフルオロアルキル基が好ましい。更に、nは1〜4の整数、mは2〜10の整数を表し、mは2〜8の整数であることが好ましい。
【0022】
含フッ素系シリコンオイルは前述の繰り返し単位を有していることが必要であるが、ジメチルシリコンやフェニルメチルシリコンあるいはジフェニルシリコン等との共重合体構造を有していてもよい。含フッ素系シリコンオイルは使用時に於いて適度な粘度を有する液状のものであることが必須である。このため、25℃に於ける粘度が20〜1000cp、好ましくは100〜500cpの粘度を有するものがよい。この粘度の調整は重合度を調整することで制御することができる。この粘度は動的粘度を示し、ASTM D 445−46T、あるいはJIS Z8803に準拠し、ウッベローデ粘度計により測定されるものである。
【0023】
含フッ素系シリコンオイルが共重合体である場合、本発明の諸目的達成度から、一般式で示される構造単位が20mol%以上含まれていればよい。これ未満であると含フッ素系シリコンオイルの効果が発揮されず、他の成分の効果が顕著に発揮されてしまうことがある。
【0024】
含フッ素系シリコンオイルの製造方法は、通常のシリコンオイルの製造方法と同様にジアルキル置換ジクロロシランを珪素と塩化アルキルとの反応で調整し、これを用いて加水分解することでシロキサンとなし、ついで環状オリゴマーあるいは線状オリゴマーを形成した後にこれらを重合することで合成される。含フッ素系シリコンオイルは側鎖にフッ化アルキル基を有しているものであるが、この場合には塩化アルキルの代わりに末端にクロロ基を有するフッ素系化合物、例えば下記一般式で示す構造のものを用いることで容易に製造される。
【0025】
Z−(CF(CHCl
ここで、Z、m及びnは前述の通りである。
【0026】
具体的には下記に示す構造の化合物が挙げられる。
【0027】
(A)CFCFCHCl
(B)CF(CFCHCl
(C)CF(CF(CHCl
(D)CF(CF(CHCl
(E)CF(CFCHCl
(F)CF(CF(CHCl
(G)CF(CFCHCl
(H)CF(CFCHCl
(I)H(CFCHCl
(J)H(CFCHCl
(K)H(CF(CHCl
(L)H(CFCHCl
(M)H(CF(CHCl
(N)H(CF(CHCl
(O)H(CF(CHCl
(P)H(CFCHCl
なお、本発明に於いてフッ化アルキル基以外のアルキル基を導入する塩化アルキルとしては塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチルを挙げることができる。
【0028】
本発明に於いて、このフッ化アルキル置換されたシリコンオイルを用いることでフッ素系樹脂被覆された定着ロールに対する均一付着等の効果を発揮するためには、このフッ素数が大きな効果を示すものであると推定される。この場合、フッ化アルキルの炭素原子数は1〜10であり、好適な範囲は2〜8である。又、珪素原子に直接結合する部分はメチレン鎖であることが好ましい。更に、このフッ素化アルキル炭素数が過多となると熱が加わった場合の流動特性に問題を生じる。
【0029】
又、フッ素化アルキルを有しない場合にはフッ素系樹脂を被覆した熱ロール表面に対する濡れ性の向上が無く、均一なオイル膜の形成ができない。
【0030】
フッ素系シリコンオイルの構造を下記に示す。
【0031】
【化4】
Figure 0003574982
【0032】
【化5】
Figure 0003574982
【0033】
なお、ここで、a及びbは1以上の整数を示し、好ましくは10〜1000の整数であり、より好ましくは20〜100である。又、a+bは特に限定されるものではないが、40〜150が好ましい。
【0034】
本発明で用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーという)について説明する。
【0035】
本発明で用いられるトナーは、Mw/Mn≦5の樹脂と着色剤と必要に応じて使用されるその他の添加剤とを含有した着色粒子であり、好ましくはこれに無機微粒子を添加混合してなるものである。
【0036】
上記重量及び数平均分子量は、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)を用いて測定された平均分子量を示す。具体的には、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を使用し、40℃の温度条件で流出させ示差屈折率検出機により検出し、分子量を普遍校正法によるポリスチレン絶対分子量換算で求めたものである。
【0037】
又、本発明で用いられるトナーは、BET比表面積が3〜100m/gである。その好ましい範囲としては5〜50m/g、より好ましくは4〜50m/g、更に好ましくは10〜40m/gのものである。このBET比表面積は窒素吸着法の1点法で測定されるもので、具体的な測定装置としてはフローソーブ2300(島津製作所)が挙げられる。
【0038】
本発明のトナーは、公知の種々の方法で製造されるが、本発明においてMw/Mn≦5に特定し、或いは更にBET比表面積を3〜100m/gに特定するには、重合性単量体、着色剤、連鎖移動剤、重合開始剤、界面活性剤等を水溶液に分散した分散液を加熱等することによって重合反応(以下、重合法)し、得られた着色重合体微粒子を水に無限溶解する有機溶媒を使用して、該重合体微粒子の複数個を所望の粒径にまで会合、融着し、着色粒子のトナーを製造する方法が好ましい。この方法によると、トナーの粒径を微粒子からの会合によって所望の粒径にコントロールできるため好ましい製造方法であり、本発明のトナーは上述の方法により体積平均粒子径3〜10μmの粒径のものを製造することができる。
【0039】
以下、本発明のトナーの構成成分、製造方法を上記方法を代表例にして説明する。
【0040】
上記トナーを生成するための重合性単量体としては、疎水性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて親水性単量体、架橋性単量体が用いられる。
【0041】
以下に、疎水性単量体、親水性単量体及び架橋性単量体を説明する。
【0042】
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。又、要求される特性を満たすように、1種又は2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0043】
具体的には、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0044】
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、(o−、m−、p−)メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体及びその誘導体が挙げられる。
【0045】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0046】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0047】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0048】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0049】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0050】
(2)親水性単量体
単量体成分を構成する親水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。又、要求される特性を満たすように、1種又は2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0051】
例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0052】
カルボン酸基含有単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
【0053】
スルホン酸基含有単量体としては、スルホン酸スチレン、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
【0054】
アミン系の化合物としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0055】
(3)架橋性単量体
重合粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0056】
本発明のトナーは、上記単量体と任意の範囲で組み合わせて用いることができるが、疎水性単量体が約99.9乃至約85重量パーセントで且つ親水性単量体が約0.1乃至約15重量パーセントの範囲で適宜選択されるのが好ましい。
【0057】
又、着色剤としては特に限定されず、従来公知の種々の材料が挙げられる。例えば、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。
【0058】
又、黒トナーの着色剤としては、チャネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、磁性体、チタンブラック等の黒色顔料を使用してもよい。
【0059】
又、特別色のトナーの着色剤としては、上記着色剤の混合物、金粉、銀粉、魚類の鱗粉等を用いることも可能である。
【0060】
その他の添加剤としては、例えば連鎖移動剤、重合開始剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0061】
分子量を調整する目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタンが使用される。
【0062】
本発明に用いられる重合開始剤、特にラジカル重合開始剤は、水溶性であれば適宜使用可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキサイト化合物等が挙げられる。更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から80℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで室温又はそれ以上の温度で重合することも可能である。
【0063】
界面活性剤は、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
【0064】
〔着色剤の表面処理方法〕
着色剤は、そのまま使用してもよいが、一旦表面を改質処理して使用するのが好ましく、その場合着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散し、その中に表面改質剤を添加した後昇温し反応を行う。反応終了後、ろ過し同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返し乾燥させ表面改質剤で処理された顔料を得る。
【0065】
〔着色剤の分散〕
着色剤の分散は、水相中で界面活性剤濃度をCMC以上で行われる。分散方法は、機械的撹拌、例えば、サンドグラインダー、音波処理、例えば、超音波分散、加圧分散、例えば、マントンゴーリン等が用いられる。
【0066】
〔着色重合体粒子の製造方法〕
着色重合体粒子の製造方法は、表面改質剤で処理された着色剤を界面活性剤分散濃度をCMC以上にした水溶液中で分散した分散液を界面活性剤濃度がCMC以下になるまで希釈する。その分散液に水溶性ラジカル重合開始剤を溶解し、エチレン性不飽和単量体を添加し水系析出重合を行い着色重合体粒子を得る方法であって、前記着色剤を重合粒子中に含有させるものである。
【0067】
〔会合融着工程〕
重合工程によって生成された顔料含有複合体粒子を用いて会合、融着を行い非球形状トナーを生成する。会合融着方法としては、例えば特開昭60−220358号、特開平4−284461号等に記載の方法がある。しかし、これらの方法では、所望の粒径、粒径分布を制御することがかなり困難なことがある。そこで本発明者等は、特開平5−115572号の方法、すなわち、重合体微粒子分散液の臨界凝集濃度以上の凝集剤及び水に対して無限溶解する有機溶媒を添加する方法で非球状粒子を生成することに成功した。
【0068】
更にその他の添加剤として、例えばサリチル酸誘導体、アゾ系金属錯体等の荷電制御剤等が挙げられる。又、着色粒子に対して添加される無機微粒子としてはシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の数平均一次粒子径が5〜1000nmのものが使用され、これらは疎水化されていてもよい。
【0069】
更に、トナーにはクリーニング助剤として数平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのスチレン−アクリル樹脂微粒子やステアリン酸亜鉛の様な高級脂肪酸金属塩を添加してもよい。無機微粒子の添加量としては着色粒子に対して0.1〜10.0wt%添加するとよい。又、クリーニング助剤は着色粒子に対して0.01〜5.0wt%程度がよい。
【0070】
二成分現像剤を構成する場合のキャリアとしては鉄、フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアあるいは、樹脂と磁性粉とを混合して得られる樹脂分散型キャリアのいずれを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均粒径で15〜150μmが好ましい。
【0071】
更に、本発明ではキャリアを用いずに非磁性トナーのみで構成される非磁性一成分トナーとして用いることもできる。
【0072】
以下、本発明に好適に適用される熱定着方法について説明する。
【0073】
本発明に使用される好適な熱定着方法は、▲1▼熱ローラ定着方法及び▲2▼固定設置された加熱体と該加熱体に対抗して圧接、且つ回転し移動するフィルム材を介して記録材を該加熱体に圧接させる加圧部材によりトナー像を記録材上に加熱定着する定着方法を挙げることができる。
【0074】
本発明における前記▲1▼の熱ローラ定着方法を図1に従って説明すると、表面2に例えばテトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体類等を被覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダ3内部に加熱源4を有する上ローラ1とシリコンゴム等で形成された下ローラ5とから形成されているものである。詳しくは、加熱源4として線状のヒーターを有し、上ローラ1の表面温度を約110〜220℃程度に加熱させるものである。
【0075】
この上ローラ1と下ローラ5との間を本発明のトナー画像7を担持した記録材6を通過させ、トナー画像7を記録材上に熱溶融固着させる。従来の熱ローラ定着方法では、溶融したトナーの一部が上ローラ1に融着し、一回転後、この上ローラ1に融着したトナーが記録材の別の部分に固着されるオフセット現象が発生し、甚だしき場合は、上ローラ1に融着したトナーは、記録材から離れず記録材と共に上ローラ1に巻き付く、所謂巻き付き現象が発生すると共に定着ローラ表面が汚れるという問題を提起していた。定着部に於いては上ローラ1と下ローラ5間に圧力を加え、下ローラ5を変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。定着線速度は40〜400mm/secが好ましい。ニップ幅が狭い場合には熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラを発生し易くなる。一方でニップ幅が広い場合にはトナーの溶融が促進され、オフセット現象が発生しやすくなる。
【0076】
本発明における熱ローラ定着方法においては、上ローラ1の表面2上には本発明の含フッ素系シリコンオイル塗膜が形成されており、この塗膜と本発明のトナーとの相互作用によって、本発明の諸目的は効率的に達成される。この本発明の含フッ素系シリコンオイル塗膜の上ローラ1の表面2での形成は、一例として以下の通りに行われる。
【0077】
即ち、上ローラ1の長手方向の表面2には、含浸ローラ8が圧接され、矢印方向に回転している。この含浸ローラ8には、あらかじめ本発明の含フッ素系シリコンオイルを含浸させておき、定着に際して、上ローラ1の回転に従って極少量ずつ含浸ローラ8から上ローラ1の表面に含フッ素系シリコンオイルが供給されて、結果として上ローラ1の表面2上には、本発明の含フッ素系シリコンオイル塗膜が形成されることになる。
【0078】
次に、前記▲2▼の定着方法を図2に従って説明する。
【0079】
前記▲2▼の定着方法は、装置に固定支持された低熱容量ライン状加熱体15は厚さ0.2〜5.0mm、好ましくは0.5〜3.5mm、幅10〜15mm、長手方向の長さ240〜400mmのアルミナ基板17に抵抗材料を1.0〜2.5mmに塗布したもので両端より通電されるものである。通電はDC100Vの周期25msecのパルス波形で温度センサ16により制御された温度を、エネルギー放出量に応じたパルス幅に変化させて与える。低熱容量ライン状加熱体15において温度センサ16で検出された温度T1の場合、抵抗材料に対向するフィルム材14の表面温度T2は温度T1よりも低い温度となる。ここで温度T1は110〜220℃が好ましく、T2の温度はT1の温度と比較して0.5〜10℃低いことが好ましい。また、フィルム材14がトナー定着表面より剥離する部分におけるフィルム材表面温度T3はT2とほぼ同等である。この様にエネルギー制御、温度制御された加熱体に当接してフィルム材は記録材と同じ方向に移動する。このフィルム材14としては、厚みにして10〜35μmの耐熱フィルム、例えば、ポリエステル、ポリパーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリイミド、ポリエーテルイミドに少なくともテフロン等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型材層を5〜15μm被覆させたフィルムであり、好ましくはエンドレスフィルム材である。一般的には総厚10〜100μm、フィルム材14の駆動はフィルム材駆動ローラ11とフィルム材従動ローラ12による駆動とテンションによりシワ、ヨレがなく搬送される。定着線速度は40〜400mm/secが好ましい。加圧ローラ13はシリコンゴム等の離型性の高いゴム弾性層を有し、総圧2〜30kgでフィルム材14を介して低熱容量ライン状加熱体15と加圧し、矢印方向に圧接回転し、このフィルム材14と加圧ローラ13との間をトナー像を担持した記録材を通過させることによって、低熱容量ライン状加熱体15を通過させて、トナー像を記録材に溶融固着させる。
【0080】
図2において、図1に示した場合と同様に含浸ローラ8がフィルム材14の長手方向に渡って、それを介してフィルム材従動ローラ12に圧接し、矢印方向に回転している。図2において、フィルム材14の移動に従って極少量ずつ含浸ローラ8からフィルム材14の表面に本発明の含フッ素系シリコンオイルが供給されて、その結果フィルム材14の加圧ローラ13側表面上には本発明の含フッ素系シリコンオイル塗膜が形成される。
【0081】
前記▲2▼の定着方法の他の例を図3を用いて説明する。
【0082】
この図3は、図2の例ではフィルム材がエンドレスであったのに対し、有端なフィルム材を使用している例である。
【0083】
即ち、図2の様にシート送り出し軸21及び巻き取り軸22に有端フィルム材24を巻き付け、定着毎に少しずつフィルム材24を矢印方向へ移動させる。この場合は巻き取り軸22で駆動する。13、15、16、17は図2のそれらと同じである。
【0084】
巻き取り軸22で駆動により送り出し軸21に巻き取られていた有端フィルム材24は定着毎に少しずつ駆り出され、この有端フィルム材24と加圧ローラ13との間をトナー像を担持した記録材を通過させ、低熱容量ライン状加熱体15を通過させることによってトナー像を記録材に溶融固着させる。
【0085】
図3において、本発明の含フッ素系シリコンオイルを含浸させた含浸ローラ(図示せず)を、シート送り出し軸21へ有端フィルム材24を介して圧接させ、有端フィルム材の加圧ローラ側表面に本発明の含フッ素系シリコンオイル塗膜が形成される。
【0086】
図示した例においては含浸ローラを使用した含フッ素系シリコンオイル塗膜形成方法を開示したが、その他に含フッ素系シリコンオイルを含浸させたパッド、ウェッブ等を使用してもよい。又、定着クリーニングの機構を適宜付与して使用することも可能である。
【0087】
次に、本発明に好適に適用される画像形成方法について説明する。
【0088】
本発明で適用される画像形成方法としては特に限定されるものではないが、特に好適なものとしては、透明性を付与することができる観点から、カラー画像形成方法が挙げられる。カラー画像形成方法は、2色以上の複数のトナーを用い、色重ねを行うことで記録材上に中間色を形成する方法である。使用されるトナーとして、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色を用いた場合、色再現範囲が最も広くなり好ましい。この場合、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の単色の画像は、従来通り色重ねを行うこと無く再現でき、且つその中間色、例えばグリーン、レッド、ブルー、オレンジ、茶色等は、2色以上の色重ねを行うことで再現可能となる。又、必要に応じて他の色、例えばオレンジ、茶、銀、金等の特別色を付加してもよい。
【0089】
この様な画像形成方法には、大別して2種類の形成方法がある。
【0090】
1つは、光導電性を有する感光体上に帯電、露光を行い静電潜像を形成し、これを第1トナーで現像した後、中間転写体に転写する。次に第2回目の帯電、露光により静電潜像を再度形成し、これを第2トナーで現像し、第1回目の画像を保持した中間転写体に転写する。この工程を複数回繰り返し中間転写体上にカラー画像を形成した後、支持体上に転写し定着する方法である。この方法を逐次転写法と呼ぶ。以下、図4をもとにして逐次転写方式を用いた評価装置を説明する。
【0091】
画像形成は、導電性基体上に静電潜像を形成する光半導体を有する積層型有機感光体ドラム34の周面に近接してコロナ放電によって感光体ドラム34面に電荷を付与する帯電器31、単色の現像剤を収納した現像器を複数配列した現像ユニット32、感光体ドラム34上に残留したトナーを清掃するクリーニングユニット33を配置してある。他方、導電性基体、導電性弾性体層及び絶縁層からなる転写ドラム35側には、転写ドラム35に転写材を供給する搬送ユニット36が配置され、この搬送ユニット36から供給された転写材はコロナ放電による吸着極37の作用により転写ドラム35表面に静電吸着されて、転写部における転写極38によって感光体ドラム34の単色トナー像を転写材上に転写する。次に、転写材上の残留電荷は除電器40によって除かれ、転写材は転写部に再度搬送され、異なる色のトナーにより現像された感光体ドラム34のトナー像を重ねて転写し、これを数回繰り返して多色画像を転写材の表面に形成し、この転写材を剥離部に転送し、剥離極によって転写ドラム35の電荷を除電し、転写材を転写ドラムから剥離して排出する。この転写材を後述の定着装置にて定着することで多色画像を形成する。
【0092】
もう1つは、光導電性を有する感光体上に帯電、露光を行い静電潜像を形成し、これを第1トナーで現像し、引き続き第2回目の帯電、露光により静電潜像を再度形成し、これを第2トナーで現像し、感光体上に第1、第2トナーによるトナー像を形成する。この工程を複数回繰り返し、感光体上にカラー画像を形成した後、支持体上に転写し定着する方法である。この方法を一括転写法と呼ぶ。
【0093】
一括転写法は中間転写体が不要となることから、装置の小型化に対して有利であり好ましい方法である。以下、図5をもとにして一括転写方式を用いた評価装置を説明する。
【0094】
画像形成は、転写ドラムへの1色毎の転写を行わず、感光体ドラム上に多色のトナーを重ね合わせ、最後に転写材上に1度に転写する他は上記と同様である。
【0095】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0096】
〈現像剤の作製例〉
下記に示す各着色剤10.67gを、ドデシル硫酸ナトリウム4.92gを120mlの純水に溶解した溶液に添加し、撹拌しつつ超音波を付与することにより着色剤の水分散液を調整した。
【0097】
Figure 0003574982
各着色剤の分散液に、スチレンモノマー98.1g、n−ブチルアクリレートモノマー18.4g、メタクリル酸モノマー6.1g、t−ドデシルメルカプタン3.3g、脱気済み純水850mlを添加した後に、窒素気流下撹拌を行いながら70℃まで昇温した。ついで、過硫酸カリウム4.1gを溶解した純水200mlを加え、70℃にて6時間反応させた。
【0098】
上記の各分散液600mlに対して2.7モル/lの塩化カリウム水溶液を160ml添加し、更にイソプロピルアルコール94ml及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(エチレンオキサイド平均重合度は10である)5.4gを溶解した純水40mlを添加した。その後、85℃まで昇温し、6時間反応させた。ついで反応終了後、反応液を濾過、水洗を行い、乾燥し着色粒子を得た。このものに、疎水性シリカを1.0部添加し、トナー1〜5を得た。なお、いずれのトナーに於いても体積平均粒径(島津製作所(株)製SALD−1100使用)を5.2μmに調整した。得られた着色粒子の重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布及びBET比表面積の測定を下記に示す条件にて測定した。
【0099】
なお、上記反応に於いて、反応温度、重合開始剤添加量を変化することにより、種々の分子量を有するものを調整した。トナー6は上記着色剤と表1に示す分子量分布を有する樹脂との混練、粉砕、分級により着色粒子を調整して得られたものである。
【0100】
(重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布)
装置:東ソーHLC−8020
カラム:GMHXLx2,G2000HXLx1
検出器:RI
溶出液流速:1.0ml/分
試料濃度:0.01g/20ml
試料量:100μl
検量線:標準ポリスチレンにて作製
(BET比表面積)
BET比表面積の値の測定は、窒素ガスを流しながら島津製作所(株)製 フローソーブII2300を用いて測定した。
【0101】
これらの結果を下記表1に示す。
【0102】
【表1】
Figure 0003574982
【0103】
更に、これらトナーに対してスチレン−アクリル樹脂を被覆した体積平均粒径が65μm、飽和磁化65emu/gのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が7重量%である現像剤を調整した。表1に現像剤番号を示す。
【0104】
上記現像剤を用いて下記に示す定着条件により評価を行った。
【0105】
*評価機として図5に示す構成を有するコニカ製カラー複写機7728を改造し、図1に示したものと概要が同じ定着器を使用した。下記に定着条件に関する改造内容を示す。
【0106】
なお、上記評価に於いて、感光体の帯電は負帯電であり、露光は画像に応じて半導体レーザーにより行われ、現像は露光部に対して行われる反転現像方式を使用した。
【0107】
・熱ローラ定着条件
熱ローラ定着方法として、表面2をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で被覆した直径30mmφの加熱源4を中央部に内蔵した円柱状の鉄を上ローラ1として有し、表面が同様にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体で被覆したシリコンゴムで構成された直径30mmφの下ローラ5を有している。線圧は7N/cmに設定され、ニップの幅は3.5mmとした。この定着器を使用して、印字の線速度を100mm/secに設定した。なお、定着器のクリーニング機構としては本発明の含フッ素系シリコンオイルを含浸したローラーを装着して使用した。前記含フッ素系シリコンオイルは例示化合物(3)、(7)、(8)、(13)を用い、それぞれを用いた熱ローラ定着装置をR−1、R−2、R−3、R−4とする。又、定着器における上ローラ1の表面温度は180℃とした。
【0108】
一方、比較用として、ジメチルポリシロキサンからなるシリコンオイル(ジメチルシリコンオイル)を前述の装置に用いたものと、特開昭52−124338号に記載されている側鎖のフッ素化アルキルが単なるトリフルオロメチルである含フッ素系シリコンオイル(FS−1265:ダウコーニング社製)を前述の装置に用いたものを使用した。ジメチルシリコンオイル使用熱ローラ定着装置をR−6、本発明外の含フッ素系シリコンオイル〔FS−1265:R=−(CF)の場合に相当〕を用いたものをそれぞれR−5とした。
【0109】
(性能評価)
・オフセット性
オフセット性は、上記熱ローラ定着装置R−1〜6にて、画素率が各色で10%となる画像をフルカラー、すなわち、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒トナーを用いて印字し、33℃/80%RHの条件で2万枚印字を行い、1000枚単位で白紙を印字し、白紙に対する汚れの有無を評価した。オフセット発生が見られない場合は○とし、目視で汚れが見える状態の場合は枚数を下記表2に記載した。
【0110】
・透明性
定着温度を160℃に設定した条件で、熱ローラ定着装置R−1を用いてオーバーヘッドプロジェクター用シート(厚み100μmのPETベース)に印字を行い、透明性を評価した。
【0111】
結果を以下の表2に示す。
【0112】
【表2】
Figure 0003574982
【0113】
※A:本発明外の含フッ素系シリコンオイル B:ジメチルシリコンオイル
表2から明らかなように、本発明の静電荷像現像用トナー及び画像形成方法を用いれば、カラー画像として光沢の優れた画像を形成し、しかもオフセット現象の発生を防止できることがわかる。更に、透明性に優れ、良好な画像を形成することができる。
【0114】
【発明の効果】
本発明により、カラー画像として光沢の優れた画像を形成し、しかもオフセット現象の発生を防止できることができ、更にオーバーヘッドプロジェクター用シートにカラー画像として透明性に優れた画像を形成することができるという顕著に優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱ローラ定着方法の概略構成例を示す図である。
【図2】フィルム材を介して加熱体と記録材とを接触させる熱定着方法の概略構成例を示す図である。
【図3】図2の変形例を示す概略構成例を示す図である。
【図4】逐次転写方式を用いた評価装置を示す図である。
【図5】一括転写方式を用いた評価装置を示す図である。
【符号の説明】
1 上ローラ
4 加熱源
5 下ローラ
6 記録材
8 含浸ローラ
11 フィルム材駆動ローラ
12 フィルム材従動ローラ
14 フィルム材
15 低熱容量ライン状加熱体
32 現像ユニット
34 感光体ドラム
35 転写ドラム
41 フィルム材

Claims (2)

  1. 移動する離型剤が塗布された定着部材と前記定着部材に圧接し回転する加圧部材との間に、少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナー像を担持した記録材を通過させ、固定配置された加熱部材により前記定着部材を介してトナー像を記録材に定着させる画像形成方法に於いて、前記樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が以下の関係を満足し、前記離型剤が下記一般式〔I〕で示される構造単位を有する含フッ素系シリコンオイルであることを特徴とする画像形成方法。
    重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)≦5
    Figure 0003574982
    〔式中、Xは炭素数1〜4の飽和炭化水素基又はアリール基、Rfは炭素原子数2〜10のフルオロアルキル基、nは1〜4の整数を示す。〕
  2. 前記トナーが、BET比表面積が3〜100m /gであることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
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