JP3574168B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は記録ヘッドからインクを噴射して被記録部材に印字するインクジェットプリンタ、特にスリップ印字に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のインクジェットプリンタとして例えば特開平1−196374号公報に開示されているものがあり、このインクジェットプリンタは、記録ヘッド部、記録ヘッド部を搭載するキャリッジ、キャリッジ駆動機構、記録ヘッドに対向する位置に配置されたプラテン、記録ヘッドープラテン間に記録シートを搬送する供給ローラ、これらを支持・固定する一体に形成されたフレーム等から構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報のインクジェットプリンタは比較的腰の弱い被記録部材を送り出しながら印字するようにしたものであり、このインクジェットプリンタによって、例えばカード、通帳等の比較的腰の強い被記録部材の印字、いわゆるスリップ印字をしようとしても、スリップ印字をすることを考慮したものではないので、そのような印字はできなかった。スリップ印字が可能なプリンタを得るためには、例えば特開平3−39270号公報に示されるような記録シートの搬送機構を有するプリンタを新たに作り直す必要があり、1種類のプリンタで様々な被記録部材には対応できず、ユーザは被記録部材の種類によって、それに対応した複数のプリンタを用意する必要があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、比較的腰の弱い被記録部材を送出しながら印字する通常の印字の他に、スリップ印字もできるようにしたインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインクジェットプリンタは、プリンタ本体及び紙送りユニットを有し、プリンタ本体は、フレームと、記録用紙に印字を行う記録へッドと、記録へッドが搭載されたキャリッジを往復させるための駆動機構と、駆動機構に連結され、紙送りユニットに駆動力を伝達するための伝達部材とを備える。フームは底面に直角なガイド面を有し、通常印字においては、ガイド面に紙送りユニットを固定することにより記録用紙と記録ヘッドとのギャップを一定に保持可能に構成し、スリップ印字においては、紙送りユニットをプリンタ本体から離脱し、記録紙にガイド面を押し当てることにより適切なギャプを確保可能に構成したものである。
また、紙送りユニットは、予備吐出として当該ユニットの端部に吐出されたインクを吸収するインク吸収部材を備えている。このインク吸収部材は、外皮で覆われており、その端部が露出しており、紙送りユニットに取り外し可能に装着される。
また、紙送りユニットは、伝達部材の設けられたギヤと係合するギヤ群、及びこのギヤ群と連結された紙送りローラを備え、キャリッジがホームポジションに戻るときに挿入された記録用紙を送り出す。
【0006】
【作用】
本発明においては、キャリッジは駆動機構により往復動させられ、インクジェットカートリッジの記録ヘッドはインクを吐出し、紙送りユニットによって送出された記録用紙に印字する。そして、スリップ印字をするときには、紙送りユニットがプリンタ本体から取り外される。この紙送りユニットをプリンタ本体から取り外した状態においては、キャリッジ及び駆動機構は記録ヘッドの後方又は下方に配置されているので、記録ヘッドの前方にはスリップ印字をする際の障害物がなく、スリップ印字が容易にできる。また、このとき、スリップ印字用のガイド面を設けられていると、スリップ印字時の記録用紙のガイドが安定する。
【0007】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係るインクジェットプリンタの分解図であり、図2は図1のインクジェットプリンタをモータ側から見た斜視図である。インクジェットプリンタは、図示のように、プリンタ本体10と紙送りユニット50とから構成されている。プリンタ本体10は、記録ヘッド11a及びインク袋(図示せず)を搭載したインクジェットカートリッジ11を備えており、このインクジェットカートリッジ11はキャリッジ12に取り付けられている。このキャリッジ12はフレーム13に設けられた一対のガイド棒14によりその軸方向に移動自在に支持されている。キャリッジ12を駆動するための駆動源となるモータ15は例えば直流モータが設けられ、これは一定方向に回転駆動される。モータ15の回転はギヤ16に伝達され、このギヤ16はそれに係合したギヤ17及び駆動輪18を回転させることによりタイミングベルト19を回動駆動させる。この回動により従動輪20が回転してそれに連結されたギヤ21を回転させる。タイミングベルト19にはキャリッジ12を往復動させるための駆動ピン(図3の符号30参照)が設けられており、タイミングベルト19の一方向の回転駆動によりキャリッジ12が往復動する。
【0008】
従動輪20側のギヤ21にはギヤ22が係合しており、このギヤ22は伝達軸23の一端に設けられ、また、他端にもギヤ24が設けられている。ギヤ22の回転により伝達軸23及びギヤ24を介して、紙送りユニット50に対する駆動源が供給される。また、プリンタ本体10には、モータ15の回転を検出するためのエンコーダ25が設けられており、これはモータ15の回転軸と直接連結されている。更に、プリンタ本体10には、図示のように、モータ15、センサ(図4の符号31参照)等を駆動し、或いは信号を取り出すための制御線26、及び記録ヘッド11aを駆動するための制御信号を入力する制御線27が接続されている。
【0009】
紙送りユニット50はプリンタ本体10の伝達軸23の他端に設けられたギヤ24と係合するギヤ群51が設けられており、このギヤ群51は一対の紙送りロータ(図3の符号52,53参照)と連結されており、インクジェットカートリッジ11が一方向に移動して印字処理を行い、次にその反対方向に移動してホームポジションに戻るときに、挿入された記録用紙を1行分送り出す。紙送りユニット50は、プリンタ本体10のフレーム13を直角に上方に折り曲げたガイド面13aにねじ止めされてプリンタ本体10に固着される。
【0010】
図3はキャリッジの駆動機構及び紙送機構の説明図である。モータ15は一定方向にのみ回転するもののキャリッジ12は往復動する必要があるので、タイミングベルト19に図示のように駆動ピン30を取り付け、この駆動ピン30がキャリッジ12と係合して移動させるようにしている。その際、駆動ピン30が実線の位置(上部)にあるときにはキャリッジ12を例えば右から左へ移動し、駆動ピン30が2点鎖線の位置(下部)にあるときにはキャリッジ12を左から右へ移動するものとする。なお、この機構自体は既に公知のものであり、その詳細は省略する。
【0011】
紙送りユニット50にはギヤ群51と連結した一対の紙送りローラ52,53が設けられており、この紙送りローラ52,53は、インクジェットカートリッジ11の記録ヘッド11aが1行分の印字処理を終了してホームポジションに戻るときに、相互に逆方向に回転させられ、記録紙が矢印の方向に1行分送り出される。また、この紙送りユニット50の下部にはインク吸収部材54が取り付けられており、記録ヘッド11aの吐出口から予備吐出されたインクを吸収する。インク吸収部材54は紙送りユニット50に取り付けられており、それを交換する場合には、紙送りユニット50をプリンタ本体10から取り外すことにより容易に行うことができる。
【0012】
図4は紙送りユニット50の斜視図である。インク吸収部材54は外皮55で覆われているが、端部54aにおいては露出しており、紙送りユニット50に図示のように装着されており、必要に応じて取り出せるように構成されている。予備吐出は記録ヘッド11aの端部において行われるので、紙送りユニット50の端部、即ち符号Aに示される個所にインクが吐出さるが、これはインク吸収部材54の端部54aにおいて吸収されるので、記録紙が汚れない。また、インク吸収部材54を外皮55で覆っているので、ガイト面13aが汚れない。ガイト面13aが汚れると、後述のスリップ印字(図7参照)においては記録紙が汚れることになるが、そのような汚れの発生を防ぐことができる。
【0013】
図5は図1のインクジェットプリンタの平面図である。センサ31はコの字状の形状をなしており、その開口部にエンコーダ25が挿入される。エンコーダ25の回転に伴ってその周方向に沿って設けられた開口部25aが、例えばセンサ31の一方の端部からの発光を透過させることにより、センサ31の他方の端部にてそれを受光し、それによりセンサ31はタイミングパルスを出力しモータ15の回転、即ちキャリッジ12の位置を検出する。
【0014】
図6は図1のインクジェットプリンタにおいてキャリッジ12のホームポジションを検出するための機構を示した説明図である。キャリッジ12にはセンサ31からの発光を遮蔽するための遮蔽板33が取り付けられている。定常状態においては、センサ31はロータリエンコーダ25の回転に伴ってその開口部25aを介して受光してタイミングパルスを出力するが、キャリッジ12がホームポジョンに到達すると、遮蔽板33がセンサ31の光路を遮蔽する。その遮蔽時間はロータリエンコーダ25の開口部25aによる場合に比べて長いので、その時間を計測することにより遮蔽板33を検出し、それによりキャリッジ12がホームポジションにきたことを把握する。
【0015】
以上のように構成されたインクジェットプリンタは、制御線26を介してモータ15やセンサ31の制御電圧等が供給され、また、制御線27を介してインクジェットカートリッジ11に搭載されている記録ヘッド11aに制御信号が供給される。そして、モータ15の回転駆動によりタイミングベルト19が回動しそれに伴って駆動ピン30が移動し、駆動ピン30はキャリッジ12をガイド軸14に沿って移動させる。このとき、記録ヘッド11aからは制御信号に応じてインクが吐出され、印字処理がなされる。そして、1行分の印字処理が終了すると、紙送りユニット50には伝達軸22を介して紙送りのための駆動力が伝達され、紙送りローラ52,53が回転することにより記録紙が1行分送り出される。以上の動作は印字の行数分繰り返される。
【0016】
ところで、図1の実施例においては、ヘッド11の後方にその駆動機構が設けられているので、スリップ印字が可能になっている。図1の紙送りユニット50をプリンタ本体10から取り外して、ヘッド11を記録用紙に近接させることによりなされる。このときのスリップ印字のガイドはフレーム13のガイド面13aによって行われる。なお、本実施例のスリップ印字は、記録用紙の搬送を伴わない1行印字の例である。
【0017】
図7は紙送りユニット50を外して非常に腰の強い(曲がらない)記録紙60にスリップ印字をするときの説明図である。図示のようにガイド面13aが、記録紙60とノズル61とのギャップGを適切に確保している。熱転写方式やワイヤドット方式においても紙送りユニットとプリンタ本体とを分離してスリップ印字を行うことができるが、次の理由からインクジェット方式が最も適している。a)熱転写方式及びワイヤドット方式は共にインクリボンがヘッドと記録紙との間に介在するため、機構が複雑になる。また、インクリボンが記録紙を汚す恐れがあり、これを避けるためにはそれなりの工夫が必要である。これに対してインクジェット方式においては、インクはカートリッジ内にあるため、構造が簡素である。インクがたれる恐れがあるが、インク袋(カートリッジ内)の圧力を適切な負圧にすれば、インクがたれて記録紙を汚すことはない。
【0018】
b)一般にワイヤドット方式の場合にはギャップGを精度よく調整しなければならない。つまり、ギャップGの大きさはワイヤドットがインクリボンを記録紙に押し付ける力(インパクトフォース)を決定する要因となり、そして、このインパクトフォースは印字の濃度に大きく影響するので、ギャップGには精度が要求される。また、熱転写方式においてもヘッドと記録紙との間に介在するインクリボン上のインクを転写させるため、その押圧力によって印字の濃淡が左右される。従って、ギャップGを精度よく保つ必要があり、そのための機構、加工精度は厳しいものが要求される。接触方式により印字を行うものは以上の理由からスリッ印字には適当でないが、非接触に印字する方式、即ちインクジェット方式は上述の弊害がないので最も合理的な方式であるといえる。
【0019】
図8は本発明の他の実施例に係るインクジェットプリンタ、特にキャリッジの機構及び紙送り機構の説明図である。本実施例はやや腰の強い紙(ハガキ)等に印字するためのものであり、紙送りユニット50´は記録紙を挿入するための開口部62が下方に配置されており、紙送りローラ52´,53´により斜め上方に送り出されながら印字される。このように記録紙が送り出されるので、腰の強い紙においても印字することができる。
【0020】
なお、上述の図1及び図8の実施例においては、記録ヘッド11aの後方に駆動機構を設けた例について説明したが、記録ヘッド11aの下部に駆動機構を設けてもよく、その場合においても図1及び図8の実施例と同様にスリップ印字ができる。また、紙送りユニット50をインクジェットプリンタ本体10にねじ止めすることにより固着する例を示したが、本発明においてはそれに限定されるものではなく、例えば永久磁石等の着脱自在に固着できるものであれば他の手段によってもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プリンタ本体のキャリッジ及び駆動機構を記録ヘッドの後方又は下方に配置し、且つ、紙送りユニットをプリンタ本体に着脱自在に固着するようにしたので、通常の印字の他に、紙送りユニットを外すことによりスリップ印字ができ、その用途が拡大されており、また、容易にスリップ印字ができるという利点がある。更に、記録ヘッドの下部にスリップ印字用のガイド面を設けたことにより、スリップ印字時の記録用紙のガイドが安定し、印字品質が向上し、また、小さな紙にも印字することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェットプリンタの分解図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタをモータ側からみた斜視図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタのキャリッジの駆動機構及び紙送り機構の説明図である。
【図4】図1の紙送りユニットの斜視図である。
【図5】図1のインクジェットプリンタの平面図である。
【図6】図1のインクジェットプリンタにおいてキャリッジのホームポジションを検出するための機構を示した説明図である。
【図7】図1のインクジェットプリンタによりスリップ印字をするときの説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係るインクジェットプリンタのキャリッジの駆動機構及び紙送り機構の説明図である。
【産業上の利用分野】
本発明は記録ヘッドからインクを噴射して被記録部材に印字するインクジェットプリンタ、特にスリップ印字に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のインクジェットプリンタとして例えば特開平1−196374号公報に開示されているものがあり、このインクジェットプリンタは、記録ヘッド部、記録ヘッド部を搭載するキャリッジ、キャリッジ駆動機構、記録ヘッドに対向する位置に配置されたプラテン、記録ヘッドープラテン間に記録シートを搬送する供給ローラ、これらを支持・固定する一体に形成されたフレーム等から構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報のインクジェットプリンタは比較的腰の弱い被記録部材を送り出しながら印字するようにしたものであり、このインクジェットプリンタによって、例えばカード、通帳等の比較的腰の強い被記録部材の印字、いわゆるスリップ印字をしようとしても、スリップ印字をすることを考慮したものではないので、そのような印字はできなかった。スリップ印字が可能なプリンタを得るためには、例えば特開平3−39270号公報に示されるような記録シートの搬送機構を有するプリンタを新たに作り直す必要があり、1種類のプリンタで様々な被記録部材には対応できず、ユーザは被記録部材の種類によって、それに対応した複数のプリンタを用意する必要があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、比較的腰の弱い被記録部材を送出しながら印字する通常の印字の他に、スリップ印字もできるようにしたインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインクジェットプリンタは、プリンタ本体及び紙送りユニットを有し、プリンタ本体は、フレームと、記録用紙に印字を行う記録へッドと、記録へッドが搭載されたキャリッジを往復させるための駆動機構と、駆動機構に連結され、紙送りユニットに駆動力を伝達するための伝達部材とを備える。フームは底面に直角なガイド面を有し、通常印字においては、ガイド面に紙送りユニットを固定することにより記録用紙と記録ヘッドとのギャップを一定に保持可能に構成し、スリップ印字においては、紙送りユニットをプリンタ本体から離脱し、記録紙にガイド面を押し当てることにより適切なギャプを確保可能に構成したものである。
また、紙送りユニットは、予備吐出として当該ユニットの端部に吐出されたインクを吸収するインク吸収部材を備えている。このインク吸収部材は、外皮で覆われており、その端部が露出しており、紙送りユニットに取り外し可能に装着される。
また、紙送りユニットは、伝達部材の設けられたギヤと係合するギヤ群、及びこのギヤ群と連結された紙送りローラを備え、キャリッジがホームポジションに戻るときに挿入された記録用紙を送り出す。
【0006】
【作用】
本発明においては、キャリッジは駆動機構により往復動させられ、インクジェットカートリッジの記録ヘッドはインクを吐出し、紙送りユニットによって送出された記録用紙に印字する。そして、スリップ印字をするときには、紙送りユニットがプリンタ本体から取り外される。この紙送りユニットをプリンタ本体から取り外した状態においては、キャリッジ及び駆動機構は記録ヘッドの後方又は下方に配置されているので、記録ヘッドの前方にはスリップ印字をする際の障害物がなく、スリップ印字が容易にできる。また、このとき、スリップ印字用のガイド面を設けられていると、スリップ印字時の記録用紙のガイドが安定する。
【0007】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係るインクジェットプリンタの分解図であり、図2は図1のインクジェットプリンタをモータ側から見た斜視図である。インクジェットプリンタは、図示のように、プリンタ本体10と紙送りユニット50とから構成されている。プリンタ本体10は、記録ヘッド11a及びインク袋(図示せず)を搭載したインクジェットカートリッジ11を備えており、このインクジェットカートリッジ11はキャリッジ12に取り付けられている。このキャリッジ12はフレーム13に設けられた一対のガイド棒14によりその軸方向に移動自在に支持されている。キャリッジ12を駆動するための駆動源となるモータ15は例えば直流モータが設けられ、これは一定方向に回転駆動される。モータ15の回転はギヤ16に伝達され、このギヤ16はそれに係合したギヤ17及び駆動輪18を回転させることによりタイミングベルト19を回動駆動させる。この回動により従動輪20が回転してそれに連結されたギヤ21を回転させる。タイミングベルト19にはキャリッジ12を往復動させるための駆動ピン(図3の符号30参照)が設けられており、タイミングベルト19の一方向の回転駆動によりキャリッジ12が往復動する。
【0008】
従動輪20側のギヤ21にはギヤ22が係合しており、このギヤ22は伝達軸23の一端に設けられ、また、他端にもギヤ24が設けられている。ギヤ22の回転により伝達軸23及びギヤ24を介して、紙送りユニット50に対する駆動源が供給される。また、プリンタ本体10には、モータ15の回転を検出するためのエンコーダ25が設けられており、これはモータ15の回転軸と直接連結されている。更に、プリンタ本体10には、図示のように、モータ15、センサ(図4の符号31参照)等を駆動し、或いは信号を取り出すための制御線26、及び記録ヘッド11aを駆動するための制御信号を入力する制御線27が接続されている。
【0009】
紙送りユニット50はプリンタ本体10の伝達軸23の他端に設けられたギヤ24と係合するギヤ群51が設けられており、このギヤ群51は一対の紙送りロータ(図3の符号52,53参照)と連結されており、インクジェットカートリッジ11が一方向に移動して印字処理を行い、次にその反対方向に移動してホームポジションに戻るときに、挿入された記録用紙を1行分送り出す。紙送りユニット50は、プリンタ本体10のフレーム13を直角に上方に折り曲げたガイド面13aにねじ止めされてプリンタ本体10に固着される。
【0010】
図3はキャリッジの駆動機構及び紙送機構の説明図である。モータ15は一定方向にのみ回転するもののキャリッジ12は往復動する必要があるので、タイミングベルト19に図示のように駆動ピン30を取り付け、この駆動ピン30がキャリッジ12と係合して移動させるようにしている。その際、駆動ピン30が実線の位置(上部)にあるときにはキャリッジ12を例えば右から左へ移動し、駆動ピン30が2点鎖線の位置(下部)にあるときにはキャリッジ12を左から右へ移動するものとする。なお、この機構自体は既に公知のものであり、その詳細は省略する。
【0011】
紙送りユニット50にはギヤ群51と連結した一対の紙送りローラ52,53が設けられており、この紙送りローラ52,53は、インクジェットカートリッジ11の記録ヘッド11aが1行分の印字処理を終了してホームポジションに戻るときに、相互に逆方向に回転させられ、記録紙が矢印の方向に1行分送り出される。また、この紙送りユニット50の下部にはインク吸収部材54が取り付けられており、記録ヘッド11aの吐出口から予備吐出されたインクを吸収する。インク吸収部材54は紙送りユニット50に取り付けられており、それを交換する場合には、紙送りユニット50をプリンタ本体10から取り外すことにより容易に行うことができる。
【0012】
図4は紙送りユニット50の斜視図である。インク吸収部材54は外皮55で覆われているが、端部54aにおいては露出しており、紙送りユニット50に図示のように装着されており、必要に応じて取り出せるように構成されている。予備吐出は記録ヘッド11aの端部において行われるので、紙送りユニット50の端部、即ち符号Aに示される個所にインクが吐出さるが、これはインク吸収部材54の端部54aにおいて吸収されるので、記録紙が汚れない。また、インク吸収部材54を外皮55で覆っているので、ガイト面13aが汚れない。ガイト面13aが汚れると、後述のスリップ印字(図7参照)においては記録紙が汚れることになるが、そのような汚れの発生を防ぐことができる。
【0013】
図5は図1のインクジェットプリンタの平面図である。センサ31はコの字状の形状をなしており、その開口部にエンコーダ25が挿入される。エンコーダ25の回転に伴ってその周方向に沿って設けられた開口部25aが、例えばセンサ31の一方の端部からの発光を透過させることにより、センサ31の他方の端部にてそれを受光し、それによりセンサ31はタイミングパルスを出力しモータ15の回転、即ちキャリッジ12の位置を検出する。
【0014】
図6は図1のインクジェットプリンタにおいてキャリッジ12のホームポジションを検出するための機構を示した説明図である。キャリッジ12にはセンサ31からの発光を遮蔽するための遮蔽板33が取り付けられている。定常状態においては、センサ31はロータリエンコーダ25の回転に伴ってその開口部25aを介して受光してタイミングパルスを出力するが、キャリッジ12がホームポジョンに到達すると、遮蔽板33がセンサ31の光路を遮蔽する。その遮蔽時間はロータリエンコーダ25の開口部25aによる場合に比べて長いので、その時間を計測することにより遮蔽板33を検出し、それによりキャリッジ12がホームポジションにきたことを把握する。
【0015】
以上のように構成されたインクジェットプリンタは、制御線26を介してモータ15やセンサ31の制御電圧等が供給され、また、制御線27を介してインクジェットカートリッジ11に搭載されている記録ヘッド11aに制御信号が供給される。そして、モータ15の回転駆動によりタイミングベルト19が回動しそれに伴って駆動ピン30が移動し、駆動ピン30はキャリッジ12をガイド軸14に沿って移動させる。このとき、記録ヘッド11aからは制御信号に応じてインクが吐出され、印字処理がなされる。そして、1行分の印字処理が終了すると、紙送りユニット50には伝達軸22を介して紙送りのための駆動力が伝達され、紙送りローラ52,53が回転することにより記録紙が1行分送り出される。以上の動作は印字の行数分繰り返される。
【0016】
ところで、図1の実施例においては、ヘッド11の後方にその駆動機構が設けられているので、スリップ印字が可能になっている。図1の紙送りユニット50をプリンタ本体10から取り外して、ヘッド11を記録用紙に近接させることによりなされる。このときのスリップ印字のガイドはフレーム13のガイド面13aによって行われる。なお、本実施例のスリップ印字は、記録用紙の搬送を伴わない1行印字の例である。
【0017】
図7は紙送りユニット50を外して非常に腰の強い(曲がらない)記録紙60にスリップ印字をするときの説明図である。図示のようにガイド面13aが、記録紙60とノズル61とのギャップGを適切に確保している。熱転写方式やワイヤドット方式においても紙送りユニットとプリンタ本体とを分離してスリップ印字を行うことができるが、次の理由からインクジェット方式が最も適している。a)熱転写方式及びワイヤドット方式は共にインクリボンがヘッドと記録紙との間に介在するため、機構が複雑になる。また、インクリボンが記録紙を汚す恐れがあり、これを避けるためにはそれなりの工夫が必要である。これに対してインクジェット方式においては、インクはカートリッジ内にあるため、構造が簡素である。インクがたれる恐れがあるが、インク袋(カートリッジ内)の圧力を適切な負圧にすれば、インクがたれて記録紙を汚すことはない。
【0018】
b)一般にワイヤドット方式の場合にはギャップGを精度よく調整しなければならない。つまり、ギャップGの大きさはワイヤドットがインクリボンを記録紙に押し付ける力(インパクトフォース)を決定する要因となり、そして、このインパクトフォースは印字の濃度に大きく影響するので、ギャップGには精度が要求される。また、熱転写方式においてもヘッドと記録紙との間に介在するインクリボン上のインクを転写させるため、その押圧力によって印字の濃淡が左右される。従って、ギャップGを精度よく保つ必要があり、そのための機構、加工精度は厳しいものが要求される。接触方式により印字を行うものは以上の理由からスリッ印字には適当でないが、非接触に印字する方式、即ちインクジェット方式は上述の弊害がないので最も合理的な方式であるといえる。
【0019】
図8は本発明の他の実施例に係るインクジェットプリンタ、特にキャリッジの機構及び紙送り機構の説明図である。本実施例はやや腰の強い紙(ハガキ)等に印字するためのものであり、紙送りユニット50´は記録紙を挿入するための開口部62が下方に配置されており、紙送りローラ52´,53´により斜め上方に送り出されながら印字される。このように記録紙が送り出されるので、腰の強い紙においても印字することができる。
【0020】
なお、上述の図1及び図8の実施例においては、記録ヘッド11aの後方に駆動機構を設けた例について説明したが、記録ヘッド11aの下部に駆動機構を設けてもよく、その場合においても図1及び図8の実施例と同様にスリップ印字ができる。また、紙送りユニット50をインクジェットプリンタ本体10にねじ止めすることにより固着する例を示したが、本発明においてはそれに限定されるものではなく、例えば永久磁石等の着脱自在に固着できるものであれば他の手段によってもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プリンタ本体のキャリッジ及び駆動機構を記録ヘッドの後方又は下方に配置し、且つ、紙送りユニットをプリンタ本体に着脱自在に固着するようにしたので、通常の印字の他に、紙送りユニットを外すことによりスリップ印字ができ、その用途が拡大されており、また、容易にスリップ印字ができるという利点がある。更に、記録ヘッドの下部にスリップ印字用のガイド面を設けたことにより、スリップ印字時の記録用紙のガイドが安定し、印字品質が向上し、また、小さな紙にも印字することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェットプリンタの分解図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタをモータ側からみた斜視図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタのキャリッジの駆動機構及び紙送り機構の説明図である。
【図4】図1の紙送りユニットの斜視図である。
【図5】図1のインクジェットプリンタの平面図である。
【図6】図1のインクジェットプリンタにおいてキャリッジのホームポジションを検出するための機構を示した説明図である。
【図7】図1のインクジェットプリンタによりスリップ印字をするときの説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係るインクジェットプリンタのキャリッジの駆動機構及び紙送り機構の説明図である。
Claims (6)
- プリンタ本体及び紙送りユニットを有し、
前記プリンタ本体は、フレームと、記録用紙に印字を行う記録へッドと、該記録へッドが搭載されたキャリッジを往復させるための駆動機構と、該駆動機構に連結され、前記紙送りユニットに駆動力を伝達するための伝達部材とを備え、
前記フレームは底面に直角なガイド面を有し、
通常印字においては、該ガイド面に前記紙送りユニットを固定することにより前記記録用紙と前記記録ヘッドとのギャップを一定に保持可能に構成し、
スリップ印字においては、前記紙送りユニットを前記プリンタ本体から離脱し、前記記録紙に前記ガイド面を押し当てることにより適切なギャプを確保可能に構成したことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記紙送りユニットは、予備吐出として当該ユニットの端部に吐出されたインクを吸収するインク吸収部材を備えたことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インク吸収部材は外皮で覆われており、その端部が露出していることを特徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インク吸収部材は、前記紙送りユニットに取り外し可能に装着される請求項2又は3記載のインクジェットプリンタ。
- 前記紙送りユニットは、前記伝達部材に設けられたギヤと係合するギヤ群を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
- 前記紙送りユニットは更に前記ギヤ群と連結された紙送りローラを備え、前記キャリッジがホームポジションに戻るときに挿入された記録用紙を送り出すことを特徴とする請求項5記載のインクジェットプリンタ。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP33332893A JP3574168B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | インクジェットプリンタ |
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DE1994625121 DE69425121T2 (de) | 1993-12-27 | 1994-12-22 | Tintenstrahldrucker |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33332893A JP3574168B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | インクジェットプリンタ |
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Family
ID=18264887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33332893A Expired - Fee Related JP3574168B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3574168B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP33332893A patent/JP3574168B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07186474A (ja) | 1995-07-25 |
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