JP3573528B2 - パワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造および組付け方法 - Google Patents
パワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造および組付け方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、パワーステアリング装置に設けられる入力トルク検出装置に関し、特に、この検出装置の組付け構造及び組付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるパワーステアリング装置に設けられる従来の入力トルク検出装置の一例を図4に示す。
ステアリングホイールからのトルクを伝える入力軸1が中空となっており、この中空部分に連結されたトーションバー2を介して出力軸3に連結される。出力軸3のピニオンギヤ4は、ラック軸5のラックギヤ6に噛み合っている。入力軸1および出力軸3の外周に、スリーブ7が軸方向にスライド可能に設けられる。入力軸1に設けられた入力軸突起8が、前記スリーブ7の螺旋溝9に係合し、出力軸3に設けられた出力軸突起11が、前記スリーブ7の軸線方向溝(図示せず)に係合する。
これらにより、操舵トルクが入力されトーションバー2が捩じれると、この捩じれトルクに応じて入力軸1と出力軸3の間に捩じれ相対変位が生じるが、この捩じれ相対変位により入力軸突起8、出力軸突起11、螺旋溝9、および軸線方向溝の働きで前記スリーブ7が軸方向にスライドする。
【0003】
そして、スリーブ7の外周には円環状の検出溝12が形成され、この検出溝12に係合する検出レバー13をセンサー14が有する。これにより、スリーブ7のスライド量をセンサー14で検出し、スライド量に比例した入力トルクを検出できる。この入力トルクの大きさおよび方向にしたがって、前記ラック軸5に対する図示しない電動モータを制御して、操舵補助力が発生する。
さて、これら入力トルク検出装置を構成する各部品はほとんどが、両端開口型のギヤボックス15に組付けられ収納されている。すなわち、入力軸1、トーションバー2、出力軸3、スリーブ7、出力軸3のピニオンギヤ4、このピニオンギヤ4と噛み合うラックギヤ6、ラックギヤ6が設けられるラック軸5等がギヤボックス15内に組付けられている。また、ギヤボックス15の側面には、スリーブ7のスライド量を検出するセンサー14が取り付けられている。
【0004】
また、ギヤボックス15の一方の開口端には入力軸1との間にオイルシール16が設けられている。さらに、オイルシール16の内側にはボールベアリング17が設けられ、入力軸1を回転自在に支持している。
一方、出力軸3の先端にもボールベアリング19が設けられ、また、出力軸3の後端にはブッシュ20が設けられている。そして、これらの軸受19、20で出力軸3を支持している。さらに、出力軸3の先端にはナット18が捩じ込まれて別のボールベアリング19の内筒を押圧し、ボールベアリング19とピニオンギヤ4とのガタ付きをなくしている。さらに、ナット18の外側でプラグ21がギヤボックス15の他方の開口端に捩じ込まれ、ボールベアリング19の外筒をギヤボックス15に押圧し、ボールベアリング19とギヤボックス15とのガタ付きをなくす締め付けを行っている。
また、ラック軸5は、ギヤボックス15の側部から捩じ込まれた別のプラグ22との間に配置されたスプリング23に付勢されたパッド24により押圧され、ラックギヤ6がピニオンギヤ4としっかり噛み合うように付勢されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記図4の従来技術によれば、以下の問題があった。
1 入力トルク検出装置を構成する種々の部品を組付けるために、両端開口型のギヤボックス15の内部形状は複雑になっており、このギヤボックス15に対し前記部品の一部は、一旦狭い開口部(図4上方の開口端部)から挿入して組付けを行わねばならず、組付け作業がやりにくいものであった。このため組付け作業時間のバラ付きが大きく、パワーステアリング装置全体の生産性にとってネック工程となってしまっていた。
2 また、ギヤボックス15には重量の嵩むラック軸5を横方向から組み付けたり、前記部品の残り、すなわち出力軸3を支持するボールベアリング19を、出力軸3の先端側に設けたりしなければならない。そのため、ギヤボックス15の一方の開口部(図4上方の開口端部)から出力軸1や入力軸3等を挿入すると同時に、長尺のラック軸5を噛み合わせた後、他方の開口部(図4の下方の開口端部)からボールベアリング19の組付け、ナット18及びプラグ21の締め付け、及びプラグ21へのシールボンド塗布等の作業を行わねばならなかった。
よって、組付け作業が一方向からできず、二方向(互いに逆の方向)から行わねばならず、組付け作業が面倒であった。すなわち、組付け作業の途中で重量の嵩んだギヤボックス15本体を反転させなければならないものであった。
【0006】
3 さらに、ギヤボックス15本体に取り付けられるセンサー14であるポテンショメータは、ポテンショメータを構成する部品の公差によって取り付け位置がバラ付いてしまう。このバラ付きによりポテンショ特性が不良となってしまわないように、入力トルク検出装置の組付けが完了した後に性能テストを行う。そして、異常があればさらに修正作業を実施し、この修正が正しく行われたかどうかを再び性能テストを行うことで確認しなければならなかった。
この発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、組付け作業が容易で、センサーの性能テスト及び修正作業が容易であり、さらに組付け作業の途中でギヤボックス本体を反転させる必要のない入力トルク検出装置の組付け構造及び組付け方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、この発明は、ギヤボックス内で、ステアリングホイールからの操舵トルクを伝える入力軸が、トーションバーを介して出力軸に連結され、この出力軸のピニオンギヤがラック軸のラックギヤに噛み合う一方、入力軸および出力軸の外周にスリーブを軸方向にスライド可能に設け、入出力両軸あるいはスリーブのいずれか一方に螺旋溝および軸線方向溝を形成するとともに、他方に各溝に係合する突起を設け、これら両溝と突起とが相まって回転を軸方向の動きに変換する変換機構を構成し、操舵トルクによりトーションバーが捩じれると、入力軸と出力軸の間に捩じれ相対変位が生じ、この捩じれ相対変位により前記変換機構の働きで前記スリーブが軸方向にスライドし、このスライド量をセンサーで検出し上記ラック軸に対する電動モータを制御して補助力を発生させるパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造を前提とする。
【0008】
そして、第1の発明は、ギヤボックスを、底部をふさぐとともに出力軸のピニオンギヤとラック軸のラックギヤとが組み付けられるギヤボックス本体と、入力軸、トーションバー、出力軸、スリーブが組付けられ側面にセンサーが取り付けられるギヤボックスハウジングとに分割するとともに、出力軸の後端を支持するころがり軸受を、ギヤボックスハウジングに設けたストッパー部とギヤボックス本体に設けたストッパー部との間に設けて、ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとを上記ころがり軸受を介して同芯的に結合する一方、上記両ストッパー部の対向間隔に対してころがり軸受の軸方向長さを若干長くするとともに、上記ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとをボルトで締結した点に特徴を有する。
第2の発明は、ギヤボックス本体内で、出力軸の先端をすべり軸受で支持した点に特徴を有する。
【0009】
また、第3の発明は、予めギヤボックスハウジング内に、入力軸、トーションバー、ころがり軸受を固定した出力軸、スリーブのそれぞれを組付け、側面にセンサーを取り付けることでモジュール化した後に、前記ギヤボックスハウジングから突出する出力軸のピニオンギヤを、底部をふさいだギヤボックス本体に対し挿入してラック軸のラックギヤと噛み合わせるとともに、上記ころがり軸受を、ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとに設けたストッパー部間にはめた後、ギヤボックスハウジングをギヤボックス本体にボルトで締結して組付ける点に特徴を有する。
【0010】
第4の発明は、出力軸の後端を支持するころがり軸受の軸方向長さを、ギヤボックスハウジングに設けたストッパー部とギヤボックス本体に設けたストッパー部との対向間隔より若干長くし、前記ボルトで締結してギヤボックスハウジングとギヤボックス本体とを組付ける際に、ギヤボックスハウジングとギヤボックス本体との長さ方向の隙間がなくなるまでボルトを強く締め込む点に特徴を有する。
【0011】
【作用】
第1、3、4の発明では、ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとが分割された構造となっているため、予めギヤボックスハウジング内に入力軸、トーションバー、出力軸、スリーブを組付け、側面にセンサーを取り付けることでモジュール化でき、これにより、組付け作業を容易にする。そして、前記ギヤボックスハウジングから突出する出力軸のピニオンギヤを、ギヤボックス本体に対し挿入して、ラック軸のラックギヤと噛み合わせる。その後、ギヤボックスハウジングをギヤボックス本体にボルトで固定し組付ける。この時、ギヤボックス本体にギヤボックスハウジングを組み付ける際に、ころがり軸受のアウターレースに嵌合させるだけで、両者の同芯位置を合わせることができ、これら本体とハウジングの軸線を容易に一致させることができる。
また、出力軸の後端を支持するころがり軸受の軸方向長さを、ギヤボックスハウジングに設けたストッパー部とギヤボックス本体に設けたストッパー部との対向間隔に対して若干長くするとともに、上記ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとをボルトで締結したので、長さ方向の隙間をなくすことができる。
【0012】
第2の発明では、ギヤボックスを分割したので、出力軸の後端側にころがり軸受を設けられるようになった。それにともなって、出力軸の先端側をすべり軸受で回転自在に支持できる。
【0013】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1及び図2において説明する。図中の従来技術と同様の部分には同一の符号を付す。
本発明のギヤボックス15aは、当該装置の軸方向中央部分、すなわち図1の上下方向中央部分で2つに分割され、上方のギヤボックスハウジング25と下方のギヤボックス本体26とに分割される。このようにしたギヤボックス本体26には、ベアリング装着穴26aを設けるとともに、このベアリング装着穴26aは、ギヤボックス本体26に一体形成した底部26bでふさがれている。
そして、上記出力軸3の後端すなわち入力軸1との連結端側には、この発明のころがり軸受であるボールベアリング27の内筒28を固定している。また、このボールベアリング27の外筒29は、ギヤボックスハウジング25に設けた段部からなるストッパー部25aと、ギヤボックス本体26に設けた同じく段部からなるストッパー部26cとの間にはめている。このように両ストッパー部25a,26cとの間にボールベアリング27をはめることによって、ギヤボックスハウジング25とギヤボックス本体26とが同一軸芯上に連結される。
また、上記ボールベアリング27の軸方向長さは、両ストッパー部25a、26cとの対向間隔よりも、若干すなわち 0.01 〜 0.05mm 程度長くしている。
上記のようにしたギヤボックスハウジング25とギヤボックス本体26とは、図2に示すように、ボルト33で締結される。
さらに、出力軸3の先端は、ベアリング装着穴26aに設けたブッシュ30で支持されている。
【0014】
後述するように組付けの際には、予めギヤボックスハウジング25内に入力軸1、トーションバー2、出力軸3、スリーブ7を組付け、側面にセンサー14を取り付けることでモジュール化を図るが、この時、ボールベアリング17、27により各部品の位置決めおよびギヤボックスハウジング25内への固定を行う。
また、入力トルクの検出は、スリーブ7の軸方向のスライド量を検出して行うので、ギヤボックス15aと、このギヤボックス15aに収納される部品、すなわち入力軸1、トーショバー2、出力軸3、スリーブ7等の部品との間に軸方向すなわち長さ方向の隙間があると、センサー14に誤動作が生じ、装置としての信頼性が低下する可能性がある。すなわち、センサー14としてのポテンショメータのポテンショ電圧が、検出されても隙間のために入力トルクが左か右かを示す正負に、細かく切り替わってしまうというおそれがある。このため、前記軸方向すなわち長さ方向の隙間をなくす必要がある。
【0015】
このため、上記したようにボールベアリング27の軸方向長さを、両ストッパー部25a、26cとの対向間隔よりも 0.01 〜 0.05mm 程度長くし、ギヤボックスハウジング25をギヤボックス本体26に組付ける際に、入出力軸1,3間の長さ方向の隙間がなくなるまでボルト33を強く締め付けている。
ただし、ボルト33を締め付ける力をあまり大きくすると、ギヤボックスハウジング25あるいはギヤボックス本体26が破損する危険もあるので、このような場合には、ギヤボックスハウジング25とギヤボックス本体26との間に、図1に示すように隙間調整用のシム31を組み込めばよい。このようにシム31を設けることによって、上記した長さ方向の隙間を確実になくすことができる。
【0016】
次に、上記第1実施例の作用を説明する。
まず、ギヤボックス15aを、ギヤボックス本体26とギヤボックスハウジング25とに二分割して、このギヤボックスハウジング25の大径側開口端側であるギヤボックス本体26との合わせ面側を上に向けておく。
そして、上記のようにギヤボックスハウジング25におけるギヤボックス本体26との合わせ面側から、入力軸1、トーションバー2、出力軸3、スリーブ7等を順次組付けることによって、それらのモジュール化を図り、サブアッシー化を可能とした。これにより組付け作業内容が容易になり、組付け作業時間のバラ付きが少ないものとなった。
また、上記ギヤボックスハウジング25は、ギヤボックス本体26を分離しているので、ギヤボックスハウジング25とギヤボックス本体26とを一体化した従来のギヤボックス15に比べ小さく軽いので、入力軸1等の組付け性が良くなるし、例えば、ギヤボックスハウジング25と入力軸1との間に設けられるオイルシール16の小径側開口端への圧入作業も自動化することが可能となる。
さらに、センサー14であるポテンショメータは、分離されたギヤボックスハウジング25へ組付けられる構造としたもので、ギヤボックス本体26側へ組付けられる前に、センサー14の性能テストを行うことができる。例えば、従来のように、ギヤボックスハウジング25とギヤボックス本体26とを一体化した従来の装置では、重量が嵩むラック軸5を組み込んだ状態でセンサー14の性能テストをせざるをえないため、テスト作業が重労働になるが、この実施例ではそのような問題が発生しない。
そして、この性能テストにおいてポテンショ特性不良が分かれば修正作業を行い、再び性能テストを行うことになるが、上記したようにこれら性能テスト、修正作業、再性能テストが容易となる。
【0017】
しかも、ギヤボックス本体26は、底部26bでベアリング装着穴26aをふさいでいるので、例えば従来の装置のようにギヤボックス15の底部を、プラグ21でふさぐ作業が不要になる。さらに、従来の装置では、ボールベアリング19をナット18で止める作業もしなければならないが、この実施例では、上記ベアリング装着穴26a内にブッシュ30を装着しているので、出力軸3の後端をブッシュ30に挿入するだけで足りる。すなわち、この第1実施例によれば、出力軸3の先端にナット18やプラグ21を締め付けたりする作業を廃止できる。
そして、従来はナット18やプラグ21を締め付ける作業は、ギヤボックス本体26へ出力軸3を挿入する方向と逆方向から行わねばならなかったが、その必要がなくなり、従来のギヤボックス15本体を反転させるような作業を省略することができる。
さらにまた、出力軸3を軸支するボールベアリング27が、ギヤボックスハウジング25とギヤボックス本体26とに跨がって設けられているので、ギヤボックス本体26とギヤボックスハウジング25とを組み付ける時に、これらの軸線を簡単に一致させることができる。つまり、ギヤボックス本体26かギヤボックスハウジング25のいずれか一方(この実施例の場合はサブアッシー化する関係上ギヤボックスハウジング25)に、このボールベアリング27を設けておけば、このボールベアリング27に合わせて他方を組み付けるだけで両者の軸線を一致させることができ、その分、同芯組立が簡単になる。
【0018】
図3に示す第2実施例は、第1実施例において入力軸1の上端部を支持するボールベアリング17を、ブッシュ32で支持することに変更した例である。そして、ブッシュ32に変更することで、ボールベアリング17に比べて組み付けが簡単になるとともに、部品コストを下げることもできる。
なお、以上述べた第1、第2実施例において、入力軸1と出力軸3の相対回転を軸方向の動きに変換する変換機構は、入力軸1に設けられた入力軸突起8がスリーブ7の螺旋溝9に係合し、出力軸3に設けられた図示しない出力軸突起がスリーブ7の図示しない軸線方向溝に係合して構成されるものである。ただし、変換機構はこのような構成に限らず、逆に入力軸突起が軸線方向溝に係合し、出力軸突起が螺旋溝に係合するものとしても良い。あるいは、スリーブ側に突起を設け、入力軸あるいは出力軸側に溝を設けても良い。この場合にも出力軸あるいは入力軸のいずれかに螺旋溝または軸線方向溝を形成するかは自由に選択できる。また、突起は上記実施例のようにピンであっても良く、あるいは回転可能なボールであっても良い。
【0019】
【発明の効果】
第1、3の発明によれば、従来の大きな両端開口型のギヤボックスが、底部をふさいだギヤボックス本体と両端開口型のギヤボックスハウジングとに分割され、予めギヤボックスハウジング内に入力軸、トーションバー、出力軸、スリーブを組付け、側面にセンサーを取り付けることでモジュール化できるので、組付け作業が容易になる。すなわち、モジュール化することで装置の入力軸側がサブアッシー化されることになり、さらにラック軸等を組み込むことにより重量が嵩み、形状の異なるギヤボックス本体が分割されるので、作業がやり易くなる。
さらに、センサーはギヤボックス本体から分割されたハウジングに取り付けられるので、入力トルク検出装置の組付けが完了する以前に、すなわちギヤボックスハウジングへの組付けが終わった時点で性能テストを行い、修正作業を行うことが可能となる。したがって、性能テストや修正作業が容易となる。
【0020】
第1、2の発明によれば、ギヤボックスハウジングから突出する出力軸の先端を、単にギヤボックス本体のすべり軸受内に挿入しベアリングの外周をギヤボックス本体の開口端部に嵌合すればよいので、組付け作業が一方向からできる。つまり、従来のように逆方向からボールベアリングを組付け、ナットやプラグを締め付けるという作業が不要となり、ギヤボックス全体を反転させる作業が不要になる。
第1の発明によれば、ギヤボックス本体にギヤボックスハウジングを組み付けるだけで、これら本体とハウジングの軸線を一致させて同芯組立作業ができる。したがって、さらに組み付け作業を簡単にできる。
第1、3、4の発明によれば、ギヤボックスハウジングに組付けられる各部品とギヤボックスハウジングとの間に長さ方向の隙間を無くすことができるので、入力トルク検出装置としての信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る入力トルク検出装置を示す縦断面図である。
【図2】図1を90°角度を変えた方向から見た一部縦断面図である。
【図3】第2実施例を示すもので図1に対応する縦断面図である。
【図4】従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 トーションバー
3 出力軸
4 ピニオンギヤ
5 ラック軸
6 ラックギヤ
7 スリーブ
8 入力軸突起
9 螺旋溝
14 センサー
25 ギヤボックスハウジング
25a ストッパー部
26 ギヤボックス本体
26c ストッパー部
Claims (4)
- ギヤボックス内で、ステアリングホイールからの操舵トルクを伝える入力軸が、トーションバーを介して出力軸に連結され、この出力軸のピニオンギヤがラック軸のラックギヤに噛み合う一方、入力軸および出力軸の外周にスリーブを軸方向にスライド可能に設け、入出力両軸あるいはスリーブのいずれか一方に螺旋溝および軸線方向溝を形成するとともに、他方に各溝に係合する突起を設け、これら両溝と突起とが相まって回転を軸方向の動きに変換する変換機構を構成し、操舵トルクによりトーションバーが捩じれると、入力軸と出力軸の間に捩じれ相対変位が生じ、この捩じれ相対変位により前記変換機構の働きで前記スリーブが軸方向にスライドし、このスライド量をセンサーで検出し上記ラック軸に対する電動モータを制御して補助力を発生させるパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造において、ギヤボックスを、底部をふさぐとともに出力軸のピニオンギヤとラック軸のラックギヤとが組み付けられるギヤボックス本体と、入力軸、トーションバー、出力軸、スリーブが組付けられ、側面にセンサーが取り付けられるギヤボックスハウジングとに分割するとともに、出力軸の後端を支持するころがり軸受を、ギヤボックスハウジングに設けたストッパー部とギヤボックス本体に設けたストッパー部との間に設けて、ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとを上記ころがり軸受を介して同芯的に結合する一方、上記両ストッパー部の対向間隔に対してころがり軸受の軸方向長さを若干長くするとともに、上記ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとをボルトで締結したことを特徴とするパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造。
- ギヤボックス本体内で、出力軸の先端をすべり軸受で支持したことを特徴とする請求項1記載のパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造。
- 請求項1あるいは2のいずれか一に記載されたパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け構造を用いて行う組付け方法であって、予めギヤボックスハウジング内に、入力軸、トーションバー、ころがり軸受を固定した出力軸、スリーブのそれぞれを組付け、側面にセンサーを取り付けることでモジュール化した後に、前記ギヤボックスハウジングから突出する出力軸のピニオンギヤを、底部をふさいだギヤボックス本体に対し挿入してラック軸のラックギヤと噛み合わせるとともに、上記ころがり軸受を、ギヤボックス本体とギヤボックスハウジングとに設けたストッパー部間にはめた後、ギヤボックスハウジングをギヤボックス本体にボルトで締結して組付けることを特徴とするパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け方法。
- 出力軸の後端を支持するころがり軸受の軸方向長さを、ギヤボックスハウジングに設けたストッパー部とギヤボックス本体に設けたストッパー部との対向間隔より若干長くし、前記ボルトで締結してギヤボックスハウジングとギヤボックス本体とを組付ける際に、ギヤボックスハウジングとギヤボックス本体との長さ方向の隙間がなくなるまでボルトを強く締め込むことを特徴とする請求項3記載のパワーステアリングの入力トルク検出装置の組付け方法。
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