JP3573497B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、使い捨ておむつに関し、更に詳しくは、着用が容易で、且つ、着用中に充分な伸縮性を有する展開型使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般の展開型の使い捨ておむつは、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在する吸収体を具備して成り、着用時に着用者の腹側に位置する腹側胴まわり部と、背側に位置する背側胴まわり部とを接合手段により接合してウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を形成している。ウエスト開口部の周縁部にはウエストギャザーが設けられており、更に該ウエストギャザーの近傍には、該ウエストギャザーとは別個に胴まわりギャザーが設けられている。
【0003】
しかし、このような従来の使い捨ておむつでは、おむつを展開した際に、胴まわりギャザーが収縮し過ぎて吸収体がつぶれるかないしこわれてしまい、展開したおむつが全体として縮んだような形状になるので、着用者におむつを着用させる場合に不具合が生じるという問題があった。
【0004】
例えば、特開昭61−275402号公報には、おむつの腹側及び背側胴まわり部に弾性を有するウエストバリヤが配されてなる使い捨ておむつが提案されているが、該使い捨ておむつでは、ウエストバリアがウエストギャザーの機能を兼ね備えた一体物であるため、フィット性の向上に不必要な部分が収縮してしまい、おむつを非常に装着しにくい(装着性が悪い)という問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、着用が容易で、且つ、着用中に充分な伸縮性を有し、着用者の胴まわり部に対するフィット性及びズレ止め性に優れた使い捨ておむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、おむつの展開時の、吸収体及び胴まわりギャザーが存在する領域におけるつぶれないしこわれは、吸収体の弾性率及び胴まわりギャザーの弾性伸縮部材の伸縮物性と極めて密接な関係にあることを知見した。
【0007】
本発明は、上記の知見に基づきなされたものであり、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート、間に介在する吸収体を具備して成り、ウエスト開口部の周縁部に設けられたウエストギャザー及び該ウエストギャザーと平行に設けられた胴まわりギャザーを有する展開型の使い捨ておむつであって、
上記胴まわりギャザーを形成する弾性伸縮部材は、上記吸収体の存在する領域の少なくとも一部を横断しており;
上記吸収体及び上記弾性伸縮部材の存在する領域の伸縮性は、以下の式で表される伸長率の値が、おむつの着用前においては伸張率25%未満であり、且つ、おむつの着用中においては伸張率25%以上であり;そして
上記吸収体は、以下の式で表される弾性率が1.0×103 〜2.5×105 g/cm2 であり、且つ、以下の式で表される曲げ剛性が20〜200g/cmである;
ことを特徴とする使い捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成したものである。
伸張率=吸収体製品巾/50g加重時吸収体巾×100−100
弾性率=〔支点間距離 3 /(4×幅×厚み 3 )〕×加重/撓み量
曲げ剛性=加重/撓み量
【0008】
【作用】
本発明の使い捨ておむつにおいては、胴まわりギャザーを形成する弾性伸縮部材が、吸収体の存在する領域の少なくとも一部を横断しているので、該弾性伸縮部材の過度の収縮は吸収体によって防止される。従って、おむつを展開した際に、おむつが縮みにくくなるので、着用者におむつを着用させ易くなる。更に、着用前の吸収体の弾性率が大きいので、着用前の吸収体は弾性伸縮部材の収縮力に抗して元の形状を維持し、おむつが一層あて易くなる。一方、着用中は弾性率は着用前よりも小さいので、着用者の体型に応じて変形し、着用者の体へのフィット性も向上する。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の使い捨ておむつの実施例を添付図面を参照しつつ詳述する。なお、本発明はかかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
図1は本発明の使い捨ておむつの第1の実施例を示す斜視図であり、図2は図1に示す使い捨ておむつの背側のウエスト部を示す一部破断拡大展開図である。
【0010】
本実施例の使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示す如く、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及びこれら両シート2、3間に介在する吸収体4を具備し、着用時に着用者の腹側に位置する腹側胴まわり部5と、背側に位置する背側胴まわり部5’とを接合してウエスト開口部6及び一対のレッグ開口部7を形成する。
そして、ウエスト開口部6の周縁部にはウエストギャザー16が設けられており、該ウエストギャザー16と平行に、該ウエストギャザー16とは別個に存在する胴まわりギャザー17が設けられている。胴まわりギャザー17を形成する弾性伸縮部材21は、吸収体4の存在する領域の少なくとも一部を横断している。
【0011】
更に詳細には、図1及び図2に示す如く、本実施例の使い捨ておむつ1において吸収体4は、長方形状に形成されている。表面シート2及び裏面シート3は、その股部が縊れた砂時計状に湾曲形成されている。そして、図2に示すように、レッグ部7’及び前後のウエスト部9,9’においては表面シート2と裏面シート3との間に、それぞれ弾性部材8が張設されており、これにより、図1に示すように、弾性部材8が自由状態で収縮しておむつのウエスト開口部6及びレッグ開口部7の周縁部にそれぞれウエストギャザー16及びレッグギャザーを形成して、着用者のウエスト及び股下領域におむつがフィットし得るように構成されている。また、背側胴まわり部5’の左右両フラップ部15、15には、腹側胴まわり部5と背側胴まわり部5’とを接合するための接合手段としてテープファスナー10が設けられている。
【0012】
上記表面シート2としては、排泄物を吸収体へ透過させる液透過性シートが用いられ、特に肌着に近い感触を有したものが好ましい。このような液透過性シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂の織布、不織布又は多孔性フィルム等が好ましく挙げられる。表面シート2の周縁部から尿等の滲みによる液漏れが生ずることがあるが、このような問題は、表面シート2の周縁部にシリコン系油剤やパラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布したり、或いは予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を表面シート2全体に塗布した後に、表面シート2の周縁部を温水で洗浄して、この部分を撥水性にすることにより防止することができる。
【0013】
裏面シート3としては、熱可塑性樹脂に無機化合物又は有機化合物のフィラーを添加してTダイやサーキュラーダイから溶融押出を行い、次いで一軸又は二軸延伸したフィルムシートであって、しかも透湿性のある液不透過性シートが好ましい。特に肌着に近い感触を有したものであることが好ましい。このような液不透過性シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂のフィルムと不織布との複合材等が好ましく挙げられる。
本実施例においては、裏面シート3は、その全面に上記のテープファスナー10を付け剥がし可能に粘着させることができる材料、例えば、透湿性ポリプロピレンから形成されている。
【0014】
吸収体4としては、木材パルプを粉砕したフラッフパルプを用いることができ、これに高吸水性ポリマーを併用したものが好ましい。特に、熱可塑性樹脂、フラッフパルプ及び高吸水性ポリマーの混合物を熱処理したものが好ましい。高吸水性ポリマーは、フラッフパルプと混合して用いてもよく、或いは吸収体4の特定の部分、即ち上層部分、中層部分又は下層部分の何れかの部分にのみ存在させてもよい。高吸水性ポリマーとしては自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、且つゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましい。このような高吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン系、セルロース系及び合成ポリマーがあり、特にデンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物及びアクリル酸(塩)重合体などが好ましく挙げられる。
【0015】
弾性部材8としては、一般にポリウレタンや天然ゴムなどを糸状又は帯状にしたものを用いることができ、特に糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴム又はフィルム状の発泡ポリウレタン等が好ましく挙げられる。弾性部材8は、50%伸長時の応力が40〜100グラムのものであることが好ましい。
【0016】
テープファスナー10を構成する材料には特に制限はなく、テープ材や粘着材など当該技術分野で通常用いられているものを用いることができる。
【0017】
而して、本実施例の使い捨ておむつ1における特徴部分について説明すると、本実施例の使い捨ておむつ1においては、吸収体4及び弾性伸縮部材21の存在する領域の伸縮性は、おむつの着用前においては伸張率25%未満、好ましくは10〜20%であり、且つ、おむつの着用中においては伸張率25%以上、好ましくは25〜80%である。つまり、おむつの着用前は実質的に伸縮性を有せず、且つ、着用中は伸縮性を発揮するという特徴を有する。
伸張率は、以下の式から求めることができる。以下の式中、吸収体製品巾とは、おむつを引き伸ばした状態における吸収体の巾をいい、50g加重時吸収体巾とは、おむつの胴回り方向にに50gの荷重を加えた状態における吸収体の巾をいう。
伸張率=吸収体製品巾/50g加重時吸収体巾×100−100
【0018】
また、吸収体4は、その弾性率がおむつの着用前において1.0×103 〜2.5×105 g/cm2 であり、好ましくは7.0×103 〜1.8×104 g/cm2 であり、且つ着用中において着用前の弾性率の50%以下である。吸収体4をこのようにすることで、おむつの着用前には、吸収体4は胴まわりギャザー17ないしウエストギャザー16の収縮力に抗して元の形状を保持しおむつは縮まないので、着用者におむつを着用させることが容易となる。一方、着用中は吸収体4自身も伸縮性を有するので、着用者の体型に応じて変形し着用者の体にフィットする。着用前の吸収体4の弾性率がこれ未満では、どの場合でも収縮が起こり装着しにくくなり、これを超えると、どの場合でも装着後でも収縮が起こらなくなってしまう。なお、本発明においておむつの着用前とは、おむつが着用者に着用される前の変形していない状態であることを意味し、着用中とは、おむつが着用者に着用されて変形した状態になっていることを意味する。
【0019】
また、吸収体4は、その着用前の曲げ剛性が20〜200g/cmであり、好ましくは50〜100g/cmである。曲げ剛性がこれ未満では、こしがなくなってしまい、吸収体がふにゃふにゃでありこれを超えるとこしが強すぎて変形しにくくなるからである。曲げ剛性は吸収体4のこしの強さに関係するパラメータであり、曲げ剛性の値が大きいとこしが強くなり、その値が小さいとこしが小さくなり弱くなる。
【0020】
本発明においては、吸収体4の弾性率及び曲げ剛性は、図3に示すような方法により以下の式から求められる。即ち、二つの支点間に吸収体4を渡し、吸収体4の略中央部におもりを載せて加重をかけ、このおもりの重みにより吸収体4が撓むことによる撓み量を測定する。この撓み量と以下の式とから吸収体4の弾性率及び曲げ剛性が算出される。
弾性率=〔支点間距離3 /(4×幅×厚み3 )〕×加重/撓み量
曲げ剛性=加重/撓み量
【0021】
本発明において、吸収体4を製造するには、木材パルプを粉砕したフラッフパルプに高吸水性ポリマー及び必要に応じて他の添加剤を混合し、吸収体の形状に付形したものをティッシュペーパーで包み、一対のエンボスロールに通すことによって、剛性が付与された吸収体が得られる。吸収体4の剛性はエンボスロールにかける圧力に依存するので、吸収体4の弾性率が上述の範囲内になるようにエンボスロールの圧力を調節する。また、必要に応じて、ホットメルト等の接着剤をスパイラル状等に施用し、剛性を高めてもよい。
【0022】
図1及び図2に示すように、ウエスト開口部の周縁部に設けられたウエストギャザー16と平行に胴まわりギャザー17が設けられている。該胴まわりギャザー17を形成する弾性伸縮部材21は、吸収体4の存在する領域の少なくとも一部を横断している。該弾性伸縮部材21の伸縮物性は、吸収体4の弾性率と密接に関係しているが、該弾性伸縮部材21の100%伸張時の応力が50〜500gfであることが好ましく、特に100〜300gfであることが好ましい。100%伸張時の応力がこれ未満では、装着前、装着後の変化はみられず、十分機能せず、おむつがずれ落ちてしまい、また、これを超えると、伸縮力が強すぎて肌に傷をつける原因となってしまうからである。図2においては、弾性伸縮部材21はおむつの長手方向においてその一部が吸収体4を横断しているが、本発明はかかる実施態様には限定されず、他の実施態様として、例えば弾性伸縮部材21の全体が吸収体を横断していてもよい(後述する図5を参照されたい)。
【0023】
弾性伸縮部材21のおむつの胴まわり方向における長さには特に制限はないが、吸収体4の幅よりも長く、弾性伸縮部材21の端部が吸収体4を越えておむつのフラップ部15にまで達していることが好ましい。この場合、胴まわりギャザー17のうち、上記吸収体4の存在する領域における伸縮物性が、上記吸収体の存在しない領域における伸縮物性と異なることが好ましい。つまり、図2において、胴まわりギャザー17のうち吸収体4上及び吸収体4の長手方向の延長上に存在する部分(図2におけるbで示した領域)の伸縮物性は、フラップ部15上に存在する部分(図2におけるaで示した領域)の伸縮物性と異なることが好ましい。ここにいう伸縮物性とは製品物性を意味する。このようにすることによって、ずれ落ち防止のためのフィット性の向上という効果が生じる。このように、図2におけるaの領域とbの領域との伸縮物性を異なるようにするための方法に特に制限はなく、例えば、弾性伸縮部材21を胴まわりギャザー17の部分に張設する際に弾性伸縮部材21のテンションのかけ方をaの領域とbの領域とで異なるようにしたり、弾性伸縮部材21自体の伸縮物性がaの領域とbの領域とで異なるものを使用することができる。
【0024】
おむつの長手方向における弾性伸縮部材21の長さには特に制限はないが、5〜30mmであることが好ましく、特に10〜25mmであることが好ましい。弾性伸縮部材21の材質及び形状には特に制限はなく、上述のウエストギャザー16やレッグギャザーに使用される部材と同様の部材、例えば糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴム、又はフィルム状の発泡ポリウレタン等を使用することができる。例えば、糸ゴムを使用する場合には、図2に示す如く、3個の弾性伸縮部材21a、21b及び21cが配置されており、該弾性伸縮部材21のうち第2の弾性伸縮部材21b及び第3の弾性伸縮部材21cが吸収体4上に配置されている。
【0025】
本発明においては、弾性伸縮部材21とテープファスナー10との位置関係には特に制限はないが、好ましくは弾性伸縮部材21を、少なくともその一部がテープファスナー10の胴まわり方向の延長上に存在するように配置する。このように配置することによって、弾性伸縮部材とテープファスナーとが連動する形となり、より一層おむつのずれ落ちが防止される。
【0026】
おむつの着用前における胴まわりギャザー17の製品伸縮率は、10〜70%であることが好ましく、特に15〜45%であることが好ましい。製品伸縮率がこれ未満では、ずれ落ち防止の効果が弱く胴まわりギャザーは十分作用せず、これを超えると伸縮力が強すぎて肌に影響を与えてしまうからである。本発明において、製品伸縮率(%)とは、以下の式で定義される:
製品伸縮率(%)=おむつの製品幅/50g荷重時のおむつの幅×100−100
ここで、おむつの製品幅とは、おむつを引き伸ばした状態における胴まわりギャザー17の部分での幅をいい、50g荷重時のおむつの幅とは、胴まわりギャザー17の部分においておむつの胴まわり方向に50gの荷重をかけた場合のおむつの幅をいう。
【0027】
胴まわりギャザー17の伸縮性は、吸収体4の弾性率と密接に関連することは上述の通りであるが、該胴まわりギャザー17は、おむつの自然長の状態でテープファスナー10を持ち、おむつの胴まわり方向に30mm伸ばしたときの収縮力が50〜500gfであることが好ましく、特に100〜300gfであることが好ましい。収縮力がこれ未満では、ずれ落ち防止の効果は見られず、収縮力がこれを超えるとテープを持って貼り付けるのに力がかかりすぎ、おむつをあてにくくなるからである。
【0028】
本発明においては、胴まわりギャザー17を腹側胴まわり部5又は背側胴まわり部5’の何れか一方に設けてもよく、或いは必要に応じて腹側胴まわり部5及び背側胴まわり部5’の両方に設けてもよい。
【0029】
また、本発明の使い捨ておむつは、図4〜図7に示す構造とすることもできる。
ここで、図4〜図7は、本発明の使い捨ておむつの第2〜第5の実施例におけるおむつのウエスト部を示す一部破断拡大図(図2相当図)である。また、以下に説明する点以外の点については、上述の第1の実施例においてした説明が適宜適用される。
【0030】
図4に示す第2の実施例の使い捨ておむつは、吸収体4と表面シート2との間に、ウエスト開口部6の端縁部から吸収体4へ向かって延在するウエストバリヤ20が敷設されており、該ウエストバリヤ20に弾性伸縮部材21を張設して胴まわりギャザー17が形成されている。弾性伸縮部材21の張設方法には特に制限はなく、例えば吸収体4上のウエストバリヤ20を表面シート2側に折り返して二重構造となし、この間に挟持されるように弾性伸縮部材21をおむつの胴まわり方向に配置する。この場合、胴まわりギャザー17を形成する弾性伸縮部材21が、吸収体4の存在する領域の少なくとも一部を横断していることはいうまでもない。
【0031】
このように、ウエストバリヤ20に胴まわりギャザー17を設けることによって、着用者の横臥時に、着用者の胴まわり部における表面シート2と裏面シート3との接合部からの液漏れが防止されると共に、着用者の胴まわり部におけるフィット感及びズレ止め性が向上するという効果を奏する。
【0032】
なお、ウエストバリヤ20を形成する材料としては、無機化合物を添加したポリオレフィン化合物等が挙げられる。またその厚みは、20〜150μmが好ましく、30〜50μmが更に好ましい。厚みがこれ未満であると、ウエストバリヤ20の強度が弱く、おむつ製造時における作業性に劣り、これを超えるとおむつがごわごわして使用感が低下するからである。
【0033】
図5に示す第3の実施例の使い捨ておむつは、2個の弾性伸縮部材21の双方ともに吸収体4上に設けられており、該弾性伸縮部材21は、その吸収体4上に存在する部分を除く部分(図5の斜線部分)でのみ接着固定されて配されている
。
【0034】
図6に示す第4の実施例の使い捨ておむつは、3個の弾性伸縮部材21が、吸収体4の左右両隅部側(及びその近傍領域)(図6の斜線部分)でのみ接着固定されて配されている。
【0035】
図7に示す第5の実施例の使い捨ておむつは、3個の弾性伸縮部材21が、吸収体4及びその近傍の領域(図7の斜線部分)でのみ接着固定されて配されている。
【0036】
なお、本発明は、上述の実施例には何等限定されるものではなく、例えば、胴まわりギャザー17は、腹側胴まわり部5にも同様の構造で設けることもでき、また弾性伸縮部材21の数及び種類等も適宜変更することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、着用者の胴まわり部に対するフィット性及びズレ止め性に優れ、且つ、装着容易性が向上すると共に、着用者の胴まわり部における表面シートと裏面シートとの接合部における漏れ防止性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨ておむつの第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す使い捨ておむつの背側のウエスト部を示す一部破断拡大展開図である。
【図3】吸収体の弾性率及び曲げ剛性を測定する方法を表す図である。
【図4】本発明の使い捨ておむつの第2の実施例における背側のウエスト部を示す一部破断拡大展開図(図2相当図)である。
【図5】本発明の使い捨ておむつの第3の実施例における背側のウエスト部を示す一部破断拡大展開図(図2相当図)である。
【図6】本発明の使い捨ておむつの第4の実施例における背側のウエスト部を示す一部破断拡大展開図(図2相当図)である。
【図7】本発明の使い捨ておむつの第5の実施例における背側のウエスト部を示す一部破断拡大展開図(図2相当図)である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 腹側胴まわり部
5’ 背側胴まわり部
6 ウエスト開口部
7 レッグ開口部
7’ レッグ部
8 弾性部材
10 テープファスナー
15 フラップ部
16 ウエストギャザー
17 胴まわりギャザー
20 ウエストバリヤ
21 弾性伸縮部材
Claims (3)
- 液透過性の表面シート(2)、液不透過性の裏面シート(3)及びこれら両シート(2)、(3)間に介在する吸収体(4)を具備して成り、ウエスト開口部(6)の周縁部に設けられたウエストギャザー(16)及び該ウエストギャザー(16)と平行に設けられた胴まわりギャザー(17)を有する展開型の使い捨ておむつ(1)であって、
上記胴まわりギャザー(17)を形成する弾性伸縮部材(21)は、上記吸収体(4)の存在する領域の少なくとも一部を横断しており;
上記吸収体(4)及び上記弾性伸縮部材(21)の存在する領域の伸縮性は、以下の式で表される伸長率の値が、おむつの着用前においては伸張率25%未満であり、且つ、おむつの着用中においては伸張率25%以上であり;そして
上記吸収体(4)は、以下の式で表される弾性率が1.0×103 〜2.5×105 g/cm2 であり、且つ、以下の式で表される曲げ剛性が20〜200g/cmである;
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
伸張率=吸収体製品巾/50g加重時吸収体巾×100−100
弾性率=〔支点間距離 3 /(4×幅×厚み 3 )〕×加重/撓み量
曲げ剛性=加重/撓み量 - 上記胴まわりギャザー(17)のうち、上記吸収体(4)の存在する領域における伸縮物性が、上記吸収体の存在しない領域における伸縮物性と異なる、請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 以下の式で表される、おむつの着用前における該胴まわりギャザー(17)の製品伸縮率が10〜70%である、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
製品伸縮率(%)=おむつの製品幅/50g荷重時のおむつの幅×100─100
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