JP3573442B2 - テレビジョンカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンカメラにおいて、二つの増幅器について、それぞれゲイン切換え制御することにより広範囲の照度に応じたオートゲインコントロールを行ない、かつ、その時のゲイン切換え時に発生するノイズを除去するようにしたテレビジョンカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図2により説明する。図2は一つの増幅器を用いてオートゲインコントロールを行うテレビジョンカメラのブロック図である。1は撮像素子で、光を電気信号に変換する半導体素子である。2はサンプリング回路で、撮像素子1の出力信号から映像信号を取り出すための回路である。増幅器Bは、サンプリング回路2からの映像信号をマイクロコンピュータ9からのAGCゲインデータにより増幅率を変化させて出力するための、ゲイン分割ステップが小さい増幅器である。5はA/D変換器で、アナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換する。6はデジタル信号処理回路で、ガンマ補正、色補正等の映像信号処理を行う。7はD/A変換器で、デジタルの映像信号をアナログの映像信号に変換する。9はマイクロコンピュータで、デジタル信号処理回路6で検出された映像レベル値に応じて増幅器BへAGCゲインデータを出力する。以上の構成により、マイクロコンピュータ9により得られたAGCゲインデータに応じて増幅器Bの増幅率を変化させることで、オートゲインコントロールが行われる。
【0003】
次に、別の従来の技術について図3を用いて説明する。図3は、オートゲインコントロールを広範囲の明るさに適用させるために、ゲインの分割ステップが大きな増幅器とゲインの分割ステップが小さな増幅器を組み合わせて用いたテレビジョンカメラの例を示した図である。図3において、増幅器Aはゲインの分割ステップが大きな増幅器であり、マイクロコンピュータ9からの感度切り換えゲインデータによって、増幅率を切り換えている。
【0004】
ここで、この回路によっては、例えば、ゲインが小さいときは、増幅器Bのゲインを変化させ、増幅器Bの最大ゲイン値をこえる場合は増幅器Aのゲインを切り換える。そうすることで、オートゲインコントロールを広範囲の明るさに適用させている。その時の二つの増幅器のゲインの変え方とそれを組み合わした時のゲインの変化を図4に示す。この場合、低照度の被写体に対してオートゲインコントロールを行うと、ゲインは大きな分割ステップで切換わり、画像レベルは階段状に変化する。また、図4の(a)に示すように、分割ステップが大きな増幅器のゲインが切り換わる時、増幅器出力直流バイアスの変化とレベルの変化が大きいために、切り換えと同時にノイズレベルの急激な変動が発生してしまう。図5は、ノイズが発生したフィールドと、その直前、直後のフィールドをを説明する図である。この図に示すように、ノイズが発生しているのはゲインが切り換わった直後の1フィールド期間である。このため、低照度でオートゲインコントロールを行う際には、このノイズが画像を大きく劣化させることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、上述の従来技術によっては、ノイズが画像を大きく劣化させるという課題がある。本発明はこの課題を解決するために、線形なゲイン特性を持つように二つの増幅器を組み合わせるとともに、分割ステップが大きな増幅器のゲインが切り換わる時に、単一フィールドに発生するノイズを除去することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、ゲイン分割ステップのより大きい第1の増幅器と、ゲイン分割ステップのより小さい第2の増幅器とを有し、それら増幅器のゲインをそれぞれ制御することによりオートゲインコントロール(AGC)を行うテレビジョンカメラにおいて、前記第1の増幅器のゲインの切換レベルに応じて前記第1の増幅器のゲインの切換時に、前記第2の増幅器のゲインを変化させるものである。
【0007】
また、本発明は、前記第1の増幅器のゲインの切替時に前記増幅器により増幅された映像信号部分を有する映像フレームの信号を、他のフレームの信号に置き換えて出力するものである。
【0008】
その結果、広い照度範囲でも線形なゲイン特性を持たせたオートゲインコントロールを行うことができ、かつ、ゲインが切り換わる時に発生するノイズを見えなくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によるテレビジョンカメラの実施の形態を、図1、6、7を使用して説明する。
【0010】
図1は、本発明によるテレビジョンカメラのブロック図である。1は撮像素子で、光を電気信号化する半導体素子である。2はサンプリング回路で、撮像素子1の出力信号から映像信号を取り出す回路である。増幅器Aは映像信号を感度切り換えゲインデータより増幅率を切り換えて出力するゲイン分割ステップが大きい増幅器である。増幅器Bは映像信号をAGCゲインデータより増幅率を変化させて出力するゲイン分割ステップが小さい増幅器である。5はA/D変換器で、アナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換する。6はデジタル信号処理回路で、ガンマ補正、色補正等の映像信号処理を行う。7はD/A変換器で、デジタルの映像信号をアナログの映像信号に変換する。8は内蔵の画像メモリで、デジタル信号処理回路6より得られた最新のデータが書き込まれている。9はマイクロコンピューターで、デジタル信号処理回路6から映像レベルを検出し、増幅器Aに感度切換えゲインデータ、増幅器BにAGCゲインデータを入力する。また、マイクロコンピューター9は、増幅器Bの感度切り換えタイミングを検出して、画像メモリ8にメモリ読み出しデータを入力する。
【0011】
図6は、本発明における二つの増幅器のゲイン調整方法と、それを組み合わせた時のゲインの変化の様子を説明する図である。ゲインの分割ステップが大きな増幅器のゲインの切り換わりを考慮に入れて、ゲインの分割ステップが小さな増幅器のゲインを変化させることで、二つの増幅器の組み合わせた場合のゲインの変化に線形な特性を持たせることができる。
【0012】
図7は、本発明におけるノイズ除去方法の原理を説明する図である。オートゲインコントロールの範囲を拡大させるために、ゲイン分割ステップの大きな増幅器とゲイン分割ステップの小さな増幅器を組み合わせて使用するとき、二つの増幅器に大きなゲイン変化があるため、その変化時にノイズレベルの急激な変動が発生してしまう。
【0013】
このノイズが発生しているフィールドを、ほかのノイズが発生していないフィールドに置き換えることで、ノイズが発生しているフィールドを取り除くことができる。ノイズが発生していないフィールドとしては、内蔵のフィールドメモリに書き込まれているデータが使用される。内蔵のフィールドメモリは、常に最新のデータが書き込まれており、ゲインが切り換わった直後にメモリから読み出せば、ゲインが切り換わる1フィールド前のデータを取り出すことができる。ゲインが切り換わる直前のデータは、ノイズが発生している直前のフィールドであり、ノイズが発生しているフィールドをその直前のフィールドと置き換えることで、発生したノイズを除去することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、広い照度範囲にわたって線形なゲイン特性を持たせたオートゲインコントロールを行うことができる。また、ゲイン切り換え時に発生するノイズを除去することで、オートゲインコントロール動作時における低照度での画像の劣化をなくすことができる。また、置き換えられたフィールドは直前のフィールドであるため、画像を置き換えたのにもかかわらず、自然な映像で広い照度範囲にわたってオートゲインコントロールを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるテレビジョンカメラのブロック構成例を示す図
【図2】従来の技術を用いたテレビジョンカメラの一実施例のブロック構成例を示す図
【図3】従来の技術を用いたテレビジョンカメラの他の実施例のブロック構成例を示す図
【図4】従来の技術に関わる図3に示すテレビジョンカメラの増幅器のゲインの切換えの様子とゲイン変化の様子とを説明する図
【図5】ノイズが発生したフィールド、及びその前後のフィールドの映像の様子を説明する図
【図6】本発明によるテレビジョンカメラの増幅器のゲインの切換えの様子とゲイン変化の様子とを説明する図
【図7】本発明におけるノイズ除去方法の原理を説明する図
【符号の説明】
1:撮像素子、2:サンプリング回路、A,B:増幅器、5:A/D変換器、6:デジタル信号処理回路、7:D/A変換器、8:画像メモリ、9:マイクロコンピュータ。

Claims (2)

  1. ゲイン分割ステップのより大きい第1の増幅器と、ゲイン分割ステップのより小さい第2の増幅器とを有し、それら増幅器のゲインをそれぞれ制御することによりオートゲインコントロール(AGC)を行うテレビジョンカメラにおいて、
    前記第1の増幅器のゲインの切換レベルに応じて前記第1の増幅器のゲインの切換時に、前記第2の増幅器のゲインを変化させることを特徴とするテレビジョンカメラ。
  2. 請求項1に記載のテレビジョンカメラにおいて、
    前記第1の増幅器のゲインの切替時に前記増幅器により増幅された映像信号部分を有する映像フレームの信号を、他のフレームの信号に置き換えて出力することを特徴とするテレビジョンカメラ。
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