JP3573262B2 - 半導体圧力測定装置 - Google Patents

半導体圧力測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安価で且つ精度、感度、過大圧特性が良好で、作製プロセスが安定で特性のばらつきが少なく、高耐圧が実現できる半導体圧力測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来例の要部構成説明図で、例えば、時開平9−113390号公報、発明の名称「半導体圧力測定装置及びその製造方法」に示されている。図4は図3の製作工程説明図である。
【0003】
図3において、第1の単結晶シリコン基板1は、単結晶からなるシリコン基板である。 ポリシリコン層2は、第1の単結晶シリコン基板1の一面に、半導体プロセスにより形成されている。
【0004】
空隙室3は、ポリシリコン層2に設けられている。
第2の単結晶シリコン基板4は、ポリシリコン層2の他面に、一面が接して設けられ、ポリシリコン層2の空隙室3が設けられている部分と共に、ダイアフラム5を形成する。
【0005】
歪検出素子6は、第2の単結晶シリコン基板4の他面側に設けられている。
この場合は、ピェゾ抵抗ストレンゲージや面端固定梁の振動式ストレンゲージなどが使用されている。
【0006】
導圧孔7は、第1の単結晶シリコン基板1の他面から空隙室3に連通され、空隙室3と外部とを連通する。
【0007】
この様な装置は、図4に示す如く、以下の如くして製作される。
(1)図4(a)に示す如く、フォトリソグラフィにより、第1の単結晶シリコン基板101の一面の、酸化シリコン薄膜102の所要筒所を残して除去する。
【0008】
(2)図4(b)に示す如く、第1の単結晶シリコン基板101の一面に、一面が接するポリシリコン層103を、半導体プロセスにより形成する。
(3)図4(c)に示す如く、ポリシリコン層103の表面を平坦化し、且つ、所定厚さtに研磨する。
【0009】
(4)図4(d)に示す如く、ポリシリコン層103の他面に、第2の単結晶シリコン基板104の一面を接合する。
(5)図4(e)に示す如く、所定のダイアフラムの厚さuを形成する様に、第2の単結晶シリコン基板l04の他面を研磨する。
【0010】
(6)図4(f)に示す如く、第2の単結晶シリコン基板104の他面側に、歪検出センサ105を形成する。
(7)図4(g)に示す如く、第1の単結晶シリコン基板101の他面から、酸化シリコン薄膜102に達する導圧孔を形成する。
【0011】
(8)図4(h)に示す如く、導圧孔106より、選択エッチングにより、酸化シリコン薄膜102を除去する。
【0012】
ここで、第lの単結晶シリコン基板lと第2の単結晶シリコン基板5の接合を真空中で行えば、空隙室3は真空となり、絶対圧センサとなる。
また、図3のごとく、空隙室3に到達する導圧孔7を、エッチング等により形成し、空隙室3にも圧力を導入できるように構成すれば、ゲージ圧や差圧の測定が可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な半導体圧力測定装置においては、以下のような問題点が発生する。
シリコン同志を直接接合するためには、図4(c)の工程終了後で、ポリシリコン層103の表面が平坦で、かつ面荒さが小さい必要がある。
【0014】
ただし、図4(b)の工程での時点では、工程(a)で形成した酸化膜102の厚さの分だけ段差ができる。
この段差を取り除くためには、ポリシリコン層103を厚くして、研削・研磨量を増やさなければならない。
【0015】
また、酸化シリコン膜102の厚さは、空隙室3の隙間を構成するので、空隙室3に細かな異物が侵入して付着しても、使用出来るように、高い歩留まりを得るために、出来るだけ厚い事が望ましい。
酸化シリコン膜102の厚さを厚くする事によって、益々、ポリシリコン層103を厚くしなけれぱならない。
【0016】
しかし、ポリシリコン層103の厚膜化は、成膜時間が長くなり、生産性が悪くなる。 また、成膜時間の短縮化の為に、成長温度を高くすると、ポリシリコン層103のグレインサイズが大きくなる。
【0017】
この事により、面粗さを小さくする研摩工程である、図4(C)の工程が難しくなる。 また、ポリシリコン層103が厚くなると、バッチ間やウエハー面内のバラツキの絶対値が大きくなるため寸法管理が難しくなる。
【0018】
例えば、酸化シリコン膜102の厚さが1μmの場合には、ポリシリコン層103は15μm程度必要になる。
また、図4の工程(c)の研削・研磨工程には、加工機械の精度内でのバラツキがあるため、研磨量が多くなると、図4の工程(C)のポリシリコン層103のばらつきが大きくなる。
【0019】
この事により、ポリシリコン層103が無くなる不良や、ポリシリコン層103が厚くなりすぎる不良が発生し易くなる。
【0020】
一方、装置の感度を上げるためには、(ダイアフラムを薄くするためには、)ポリシリコン層103を出来るだけ薄くするのが望ましい。
しかし、ポリシリコン層103は残留応力を有するので、ダイアフラム5の厚さが薄くなると、この残留応力の影響で、ダイアフラム5の撓みが発生する。
【0021】
図3従来例の形状を実現するためには、ダイアフラム5のポリシリコン層は3μm程度以上の厚さが必要である。
このため、ダィアフラム5の薄膜化にも限界がある。
【0022】
更にまた、圧力測定装置として使用時に、空隙室3に大きな圧力が加わると、空隙室3のエッジ部分に大きな応力が発生して破壊する。
エッジ部の形状に鋭角な部分があると、その部分に応力が集中してしまうため破壊圧力が低くなる。すなわち、高耐圧が実現できる半導体圧力センサが得られない。
【0023】
本発明は、これらの問題点を解決するものである。
本発明の日的は、安価で且つ精度、感度、過大圧特性が良好で、作製プロセスが安定で特性のばらつきが少なく、高耐圧が実現できる半導体圧力測定装置を提供するにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明では、請求項1の半導体圧力測定装置においては、
ダイアフラムの一面側に空隙室が設けられこのダイアフラムの他面側に測定圧が印加される半導体圧力測定装置において、
第1の単結晶シリコン基板と、この第1の単結晶シリコン基板の一面に半導体プロセスにより形成されたポリシリコン層と、前記ポリシリコン層の他面に一面が接して設けられた第2の単結晶シリコン基板と、前記第1の単結晶シリコン基板の一面側に設けられこの第1の単結晶シリコン基板にダイアフラムを形成し前記ポリシリコン層と空隙室を構成する凹部と、この凹部の底面と側面との接する部分に前記凹部の形成と同時に形成された丸み部と、前記ダイアフラムに設けられた歪検出センサと、前記第1の単結晶シリコン基板の他面あるいは前記第2の単結晶シリコン基板の他面から前記空隙室に連通されこの空隙室と外部とを連通する導圧孔とを具備したことを特徴とする。
【0025】
この結果、ダイアフラムは、シリコン単結晶材のみによって形成される。
即ち、残留歪が無いダイアフラムを構成することが出来、更なるダイアフラムの薄膜化が可能になり、測定精度、感度が更に向上された半導体圧力測定装置が得られる。
【0026】
また、空隙室のエッジ部に丸み部があることによって、空隙室に大きな圧力が加わった場合でも、空隙室のエッジ部分に発生する応力が集中する部分がない。
そのため、破壊する圧力を高くすることができる。
これによって高耐圧の半導体圧力測定装置が得られる。
【0027】
【作用】
以上の構成において、高圧側測定圧力又は低圧側測定圧力の一方が第2の単結晶シリコン基板に印加され、高圧側測定圧力又は低圧側測定圧力の他方が空隙室に印加される。
この結果、高圧側と低圧側との圧力差に応じてダイアフラムが歪み、この歪量が歪検出素子によって電気的に検出され、圧力の測定が行われる。
【0028】
この様な装置は、以下の如くして製作される。
第lの単結晶シリコン基板の表面に第1の窒化シリコン膜を形成する。
フォトリソグラフィにより第lの単結晶シリコン基板上の第1の窒化シリコン膜の所要個所を除去する。
【0029】
第1の単結晶シリコン基板を酸化して第1の酸化シリコン膜を形成する。
この第lの酸化シリコン膜を除去する。
この第1の酸化シリコン膜が除去された個所の第1の単結晶シリコン基板の表面と、第1の窒化シリコン膜の表面とに、第2の窒化シリコン膜を形成する。
【0030】
この第2の窒化シリコン膜を異方性工ッチングによっで除去する。
この第2の窒化シリコン膜を除去した個所の第1の単結晶シリコン基板を酸化して、第2の酸化シリコン膜を形成する。
第1の単結晶シリコン基板に形成されている第lの窒化シリコン膜と第2の窒化シリコン膜を除去する。
【0031】
第1の単結晶シリコン基板の一面にポリシリコン層を形成する。
このポリシリコン層の表面を研磨により平坦化する。
第1の単結晶シリコン基板の、第2の酸化シリコン膜が形成されている面と、第2の単結晶シリコン基板とを接合する。
【0032】
第lまたは第2の単結晶シリコン基板を、ダイアフラムの厚さ分を残して研磨する。
このダイアフラムに歪み検出センサを形成する。
第1または第2の単結晶シリコン基板に、第2の酸化シリコン膜に達する孔を形成する。
【0033】
第2の酸化シリコン膜に達する孔より、選択エッチングにより、第2の酸化シリコン膜を除去する。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図2は図1の製作工程説明図である。
図において、ポリシリコン層22は、第1の単結晶シリコン基板21の一面に、一面が接し半導体プロセスにより形成されている。
【0035】
第2の単結晶シリコン基板23は、ポリシリコン層22の他面に、一面が接して設けられている。
【0036】
凹部24は、第1の単結晶シリコン基板21の一面側に設けられ、この第1の単結晶シリコン基板21にダイアフラム25を形成し、ポリシリコン層22と空隙室26を構成する。
丸み部241は、この凹部24の底面242と側面243との接する部分に設けられている。
【0037】
歪検出センサ27は、ダイアフラム25に設けられている。
この場合は、例えば、ピェゾ抵抗ストレンゲージや両端固定梁の振動式ストレンゲージが使用されている。
【0038】
導圧孔28は、第1の単結晶シリコン基板21の他面、あるいは第2の単結晶シリコン基板23の他面から、空隙室26に連通され、空隙室26と外部とを連通する。
【0039】
この場合は、第2の単結晶シリコン基板23の他面から、空隙室26に連通されでいる。
なお、導圧孔28は、第1の単結晶シリコン基板21の他面から、空隙室26に連通され、空隙室26と外部とを連通しても良いことは勿論である。
【0040】
この様な装置は、図2に示す如く、以下の如くして製作される。
(a)図2(a)に示す如く、第1の単結晶シリコン基板301の表面に、第lの窒化シリコン膜302を形成する。
(b)図2(b)に示す如く、フォトリソグラフィにより、第1の単結晶シリコン基板301上の、第lの窒化シリコン膜302の所要筒所303を除去する。
【0041】
(c)図2(c)に示す如く、第lの単結晶シリコン基板301を酸化して、第1の酸化シリコン膜304を形成する。
(d)図2(d)に示す如く、この第1の酸化シリコン膜304を、除去する。
【0042】
(e)図2(e)に示す如く、この第1の酸化シリコン膜304が除去された個所303の第1の単結晶シリコン基板301の表面と、第lの室化シリコン膜302の表面とに、第2の窒化シリコン膜305を形成する。
【0043】
(f)図2(f)に示す如く、この第2の窒化シリコン膜305を異方性エッチングによって除去する。
(g)図2(g)に示す如く、この第2の窒化シリコン膜305を除去した個所の、第lの単結晶シリコン基板301を酸化して、第2の酸化シリコン膜306を形成する。
【0044】
(h)図2(h)に示す如く、第lの単結晶シリコン基板301に形成されている、第1の窒化シリコン膜302と第2の窒化シリコン膜305を除去する。
(i)図2(i)に示す如く、第1の単結晶シリコン基板301の一面にポリシリコン層307を形成する。
【0045】
(j)図2(j)に示す如く、このポリシリコン層307の表面を研磨により平坦化する。
(k)図2(k)に示す如く、第1の単結晶シリコン基板301の第2の酸化シリコン膜306が形成されている面と、第2の単結晶シリコン基板308とを接合する。
【0046】
(l)図2(l)に示す如く、第lの単結晶シリコン基板301をダイアフラム25の厚さ分を残して研磨する。
(m)図2(m)に示す如く、このダイアフラムに歪み検出センサ309を形成する。
【0047】
(n)図2(n)に示す如く、第2の単結晶シリコン基板308に、第2の酸化シリコン膜306に達する孔311を形成する。
(o)図2(o)に示す如、第2の酸化シリコン膜306に達する孔311より、選択エッチングにより、第2の酸化シリコン膜306を除去する。
【0048】
この結果、ダイアフラム25は、シリコン単結晶材のみによって形成される。即ち、残留歪が無いダイアフラムを構成することが出来、更なるダイアフラムの薄膜化が可能になり、測定精度、感度が更に向上された半導体圧力測定装置が得られる。
【0049】
また、空隙室26のエッジ部に丸み部241があることによって、空隙室26に大きな圧力が加わった場合でも、空隙室26のエッジ部分に発生する応力が集中する部分がない。
そのため、破壊する圧力を高くすることができる。
これによって高耐圧の半導体圧力測定装置が得られる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発発明の請求項lによれば、
ダイアフラムは、シリコン単結晶材のみによって形成される。
即ち、残留歪が無いダイアフラムを構成することが出来、ダイアフラムの薄膜化が可能になり、測定精度、感度が更に向上された半導体圧力測定装置が得られる。
【0051】
また、空隙室のエッジ部に丸み部があることによって、空隙室に大きな圧力が加わった場合でも、空隙室のエッジ部分に発生する応力が集中する部分がない。
そのため、破壊する圧力を高くすることができる。これによって高耐圧の半導体圧力測定装置が得られる。
【0052】
従って、本発明によれば、安価で且つ精度、感度、週大圧特性が良好で、作製プロセスが安定で特性のばらつきが少なく、高耐圧が実現できる半導体圧力測定装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の製作工程説明図である。
【図3】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【図4】図3の製作工程説明図である。
【符号の説明】
21 第1の単結晶シリコン基板
22 ポリシリコン層
23 第2の単結晶シリコン基板
24 凹部
241 丸み部
242 底面
243 側面
25 ダイアフラム
26 空隙室
27 歪検出センサ
28 導圧孔
301 第1の単結晶シリコン基板
302 第1の窒化シリコン膜
303 所定個所
304 第1の酸化シリコン膜
305 第2の窒化シリコン膜
306 第2の酸化シリコン膜
307 ポリシリコン層
308 第2の単結晶シリコン基板
309 歪検出センサ
311 孔

Claims (1)

  1. ダイアフラムの一面側に空隙室が設けられこのダイアフラムの他面側に測定圧が印加される半導体圧力測定装置において、
    第1の単結晶シリコン基板と、
    この第1の単結晶シリコン基板の一面に半導体プロセスにより形成されたポリシリコン層と、
    前記ポリシリコン層の他面に一面が接して設けられた第2の単結晶シリコン基板と、
    前記第1の単結晶シリコン基板の一面側に設けられこの第1の単結晶シリコン基板にダイアフラムを形成し前記ポリシリコン層と空隙室を構成する凹部と、
    この凹部の底面と側面との接する部分に設けられ前記凹部の形成と同時に形成された丸み部と、
    前記ダイアフラムに設けられた歪検出センサと、
    前記第1の単結晶シリコン基板の他面あるいは前記第2の単結晶シリコン基板の他面から前記空隙室に連通されこの空隙室と外部とを連通する導圧孔と
    を具備したことを特徴とする半導体圧力測定装置。
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