JP3572714B2 - 自動車のエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のインストルメントパネル、特にインストルメントパネルの上面に設置される自動車のエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前方からの衝撃による乗員への影響を低減させるために、自動車のインストルメントパネル、コラムシャフト端部等にエアバッグ装置を設けることが行われており、近来は運転席側のエアバッグ装置に加えて助手席側のインストルメントパネルにもエアバッグ装置を設けることが提案されている。
【0003】
エアバッグ装置の一例を説明すると、図8及び図9において、自動車の車室前部に配設されたインストルメントパネル1の助手席側1Aの上面にエアバッグユニット2が開口部を上方に向けて設置(トップマウント)されており、インストルメントパネル1は、エアバッグユニット2を収納する開口部1Bと、空気吹出口1Cとを備え、下部にはグローブボックス1Dが設けられている。
【0004】
開口部1Bに嵌装されたエアバッグユニット2は、エアバッグユニット2の開口部を閉塞するリッド21と、開口部から下方に設けられた有底箱状のユニットケース22と、開放端縁がユニットケース22の内壁に固定されたエアバッグ23と、エアバッグ23内に高圧ガスを供給してエアバッグ23を急速に膨張させる高圧ガス発生機24とを備え、取付ブラケット25を介してステアリング支持ロッド4に固定されており、リッド21の下面から下方に延設されたフランジ210 にユニットケース22の上端開口を嵌合させ、エアバッグ23の開放端縁とともにボルト3で固定されている。
【0005】
前方からの衝撃によるエアバッグ23の展開時には、高圧ガス発生機24から畳み込まれているエアバッグ23内に高圧ガスが供給され、その圧力でエアバッグ23が膨張し、エアバッグ23の膨張圧力でリッド21がフランジ210 から切り離されて、助手席から遠いフロントガラス6側の端部に形成されたヒンジ部212 を中心に、自由端211 が上方に回動し(位置21A)、エアバッグ23は開放されたエアバッグユニット開口から助手席側に向かって展開する(位置24A)。
なお、図8において、5は空気調和用ダクト、7はカウルパネルである。
【0006】
ところが、このようなインストルメントパネル1の上面にエアバッグユニット2が設けられて成るエアバッグ装置においては、エアバッグ展開時にユニットケース22の開口部に設けられたリッド21がエアバッグ23の展開圧力で上方に回動されるものであるが、リッド21を回動させる力が強く、リッド21の自由端がフロントガラス6の車室内側面に衝突してフロントガラス6を損傷させる恐れがあるという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、特開平5−4555号公報に記載されたものは、エアバッグ展開時にリッドがエアバッグの展開圧力で上方に回動される際、リッドの回動量を規制する規制部材を設けることにより、リッドがフロントガラスに衝突することを防止している。
また、特開平6− 87397号公報に記載されたものは、リッドを芯材上に発砲層と表皮をその順で重合させて形成し、ヒンジ部と自由端との間の芯材に脆弱部をヒンジ部と平行に設けたことにより、エアバッグ展開時にリッドがエアバッグの展開圧力で上方に回動されてフロントガラスに衝突した時に、リッドが脆弱部で折曲されてフロントガラスに与える衝撃力を軽減させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のリッドの回動量を規制する規制部材を設けたエアバッグ装置、並びにリッドに脆弱部を設けたエアバッグ装置においては、エアバッグの展開時に、開放したリッドの自由端の上方で膨張したエアバッグがフロントガラスに衝突して、フロントガラスに衝撃を与えることになり、フロントガラスを損傷させるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、エアバッグの展開時に、膨張したエアバッグがフロントガラスに与える衝撃を緩和し、フロントガラスの損傷を防ぐことのできる自動車のエアバッグ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の自動車のエアバッグ装置は、フロントガラスに向かう開口部を有するエアバッグユニットが車室前部に設けられ、該エアバッグユニットに一端がヒンジ部を介して固定されて上記開口部を覆うとともに、その自由端が上記フロントガラス側に開放されるリッドと、上記エアバッグユニット内に収納され、上記リッドを開放するとともに該リッドの自由端より外側にて上記フロントガラス側に膨張可能なエアバッグとを備えた自動車のエアバッグ装置において、膜状部材から成り、一方の端部が上記リッドの自由端側に沿って支持固定され、他方の端部が上記エアバッグユニット内から外に引き出される力によって固定が解除されるよう、上記エアバッグユニット内に固定されているとともに、上記エアバッグ収納時には折り畳まれて上記エアバッグ内に収納される保護カバーが設けられ、該保護カバーは、上記エアバッグの展開時に、上記リッドの開放動作に伴って上記エアバッグユニット内から外に引出され、上記エアバッグの展開動作に伴って、上記フロントガラスとエアバッグとの間に位置されるよう構成されていることにより、エアバッグの展開時に、フロントガラスとエアバッグとの間に位置する保護カバーが緩衝材となって、フロントガラスにエアバッグが直接衝撃を与えることを有効に防止でき、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷を簡単な構造で防止することができる。
また、エアバッグ装置をインストルメントパネルの助手席側にトップマウントすることにより、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷の防止効果が一層顕著になる。
【0010】
【実施例】
本発明の実施例を図1乃至図5を参照して説明する。
インストルメントパネル1の助手席側1Aに設けられたエアバッグ装置(図6及び図7参照)において、リッド21の自由端211 側でフランジ210 の内側のリッド21裏面に、所定の間隔を有し、自由端211 と略平行にリッド21の長さの略全体にわたって延びる一対のリブ213 ,214 が設けられ、リブ213 ,214 の間に板状の補強部材9が配設され、補強部材9の一側端が一方のリブ214 に埋設されている。
【0011】
矩形に形成され、対向する二辺(本実施例では長辺)の長側端81,82の長さが少なくともリッド21のリブ213 ,214 の長さを有する保護カバー8が設けられ、該保護カバー8の一方の長側端81が、上記リッド21に設けられた補強部材9にボルト10で結合されている(図4参照)。
保護カバー8の他方の長側端82には1個または複数の仮固定孔83が穿設され、この仮固定孔83を介してボルト3でユニットケース22の開口部付近にリッド21のフランジ210 とともに締結されて仮固定されており、仮固定孔83は、図5に示すように、長側端82の端縁に接近して穿設され、図の上方への力がかかった時に仮固定孔83と長側端82との間の細い部分が簡単に切れるように形成されている。
【0012】
なお、簡単に切れる構造として、長側端82に仮固定孔83と長側端82の端縁とに開口する切れ目を設ける、或いは長側端82の端縁が仮固定孔83に対して接線又は截線となるように形成しても良い。
保護カバー8は可撓性及び弾性を有する材料で形成すると良いものであり、一例を挙げると、ゴム薄板、発砲ウレタン、多数の気泡を有する包装材、フェルト様のもの、起毛されている布等がある。
【0013】
動作について説明すると、エアバッグ23の収納時には、図2に示すように、エアバッグ23が折り畳まれてユニットケース22内に収納されるとともに、リッド21によるユニットケース22の開口部の閉塞に伴い、保護カバー8が折り畳まれてユニットケース22内に収納される。
エアバッグ23の展開時には、図1に示すように、エアバッグ23が供給される高圧ガスで膨張を開始し、その膨張圧力によってリッド21を押し上げる(エアバッグ状態23A)が、保護カバー8は伸びきるまで長側端82がユニットケース22に結合されている(保護カバー位置8A)。
【0014】
エアバッグ23がさらに膨張すると、その膨張圧力により保護カバー8の長側端82の仮固定孔83と長側端82との間の細い部分が破断して保護カバー8が外に引き出され、エアバッグ23が膨張するにつれて保護カバー8は位置8B、8Cの順に長側端81を中心に回動され、エアバッグ23が膨張しきった状態、或いはその僅かに前の状態であるエアバッグ状態23Bの時に保護カバー8がリッド21の上方の位置8Dに回動され、エアバッグ23とフロントガラス6との間に保護カバー8が位置する。
【0015】
この構成により、エアバッグ23の展開時に、フロントガラス6とエアバッグ23との間に位置する保護カバー8が緩衝材となって、フロントガラス6にエアバッグ23が直接衝撃を与えることを有効に防止でき、フロントガラス6とエアバッグ23との直接の衝突に起因するフロントガラス6の損傷を簡単な構造で防止することができる。
また、エアバッグ装置がインストルメントパネルの助手席側にトップマウントされているから、フロントガラス6とエアバッグ23との直接の衝突に起因するフロントガラス6の損傷の防止効果が一層顕著になる。
【0016】
次に、図6及び図7を参照して異なる実施例について説明すると、リッド21に設けられた補強部材9に固定プレート12がボルト120 で固定され、補強部材9と固定プレート12との間に柔軟性の高い材料(例えば、布等)で形成されたストッパーベルト11の一端が挟持されており、ユニットケース22において、車体幅方向端部の少なくとも一方の端部の内側面上端付近(即ちユニットケース22の開口部付近)にボルト3で固定された支持ブラケット13によりストッパーベルト11の他端が固定されており、実線で示すリッド21の閉止状態ではストッパーベルト11がユニットケース22内に折り畳まれている。
【0017】
この構成により、エアバッグ23の展開時に、リッド21がエアバッグ23の膨張圧力によって開放され、フロントガラス6の方向にヒンジ部212 を中心に回動するにつれて、ストッパーベルト11が引き延ばされ、一杯の長さに延ばされた時点でリッド21の回動を停止させる。
ストッパーベルト11の長さを予め適切な長さに設定しておくことにより、リッド21が最大に開いて停止した位置において、リッド21とフロントガラス6の間、特にリッド21の自由端211 とフロントガラス6の間に間隙を形成し、リッド21がフロントガラス6に衝突することを防止し、フロントガラス6が損傷を受けることを防止する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているから、以下に述べるとおりの効果を奏する。
エアバッグ収納時にはエアバッグユニット内に収納される膜状の保護カバーを設け、該保護カバーの一方の端部をリッドの自由端側に沿って支持固定し、エアバッグの展開時に、リッドの開放動作に伴って保護カバーをエアバッグユニット内から外に引出し、エアバッグの展開動作に伴ってフロントガラスとエアバッグとの間に保護カバーを位置させることにより、エアバッグの展開時に、フロントガラスとエアバッグとの間に位置する保護カバーが緩衝材となって、フロントガラスにエアバッグが直接衝撃を与えることを有効に防止でき、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷を簡単な構造で防止することができる。
また、エアバッグ装置をインストルメントパネルの助手席側にトップマウントすることにより、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷の防止効果が一層顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の展開時を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の収納時を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例の斜視図である。
【図4】本発明の実施例の要部拡大図である。
【図5】本発明の実施例の保護カバーの要部拡大図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図7】従来の構造を示す図6におけるVII −VII 線断面図である。
【図8】本発明を適用する前部エアバッグ装置を示す斜視図である。
【図9】図8におけるIX−IX線断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル、1A 助手席側(インストルメントパネル)
2 エアバッグユニット、21 リッド、22 ユニットケース、23 エアバッグ
24 高圧ガス発生機、25 支持ブラケット、8 保護カバー、9 補強部材
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のインストルメントパネル、特にインストルメントパネルの上面に設置される自動車のエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前方からの衝撃による乗員への影響を低減させるために、自動車のインストルメントパネル、コラムシャフト端部等にエアバッグ装置を設けることが行われており、近来は運転席側のエアバッグ装置に加えて助手席側のインストルメントパネルにもエアバッグ装置を設けることが提案されている。
【0003】
エアバッグ装置の一例を説明すると、図8及び図9において、自動車の車室前部に配設されたインストルメントパネル1の助手席側1Aの上面にエアバッグユニット2が開口部を上方に向けて設置(トップマウント)されており、インストルメントパネル1は、エアバッグユニット2を収納する開口部1Bと、空気吹出口1Cとを備え、下部にはグローブボックス1Dが設けられている。
【0004】
開口部1Bに嵌装されたエアバッグユニット2は、エアバッグユニット2の開口部を閉塞するリッド21と、開口部から下方に設けられた有底箱状のユニットケース22と、開放端縁がユニットケース22の内壁に固定されたエアバッグ23と、エアバッグ23内に高圧ガスを供給してエアバッグ23を急速に膨張させる高圧ガス発生機24とを備え、取付ブラケット25を介してステアリング支持ロッド4に固定されており、リッド21の下面から下方に延設されたフランジ210 にユニットケース22の上端開口を嵌合させ、エアバッグ23の開放端縁とともにボルト3で固定されている。
【0005】
前方からの衝撃によるエアバッグ23の展開時には、高圧ガス発生機24から畳み込まれているエアバッグ23内に高圧ガスが供給され、その圧力でエアバッグ23が膨張し、エアバッグ23の膨張圧力でリッド21がフランジ210 から切り離されて、助手席から遠いフロントガラス6側の端部に形成されたヒンジ部212 を中心に、自由端211 が上方に回動し(位置21A)、エアバッグ23は開放されたエアバッグユニット開口から助手席側に向かって展開する(位置24A)。
なお、図8において、5は空気調和用ダクト、7はカウルパネルである。
【0006】
ところが、このようなインストルメントパネル1の上面にエアバッグユニット2が設けられて成るエアバッグ装置においては、エアバッグ展開時にユニットケース22の開口部に設けられたリッド21がエアバッグ23の展開圧力で上方に回動されるものであるが、リッド21を回動させる力が強く、リッド21の自由端がフロントガラス6の車室内側面に衝突してフロントガラス6を損傷させる恐れがあるという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、特開平5−4555号公報に記載されたものは、エアバッグ展開時にリッドがエアバッグの展開圧力で上方に回動される際、リッドの回動量を規制する規制部材を設けることにより、リッドがフロントガラスに衝突することを防止している。
また、特開平6− 87397号公報に記載されたものは、リッドを芯材上に発砲層と表皮をその順で重合させて形成し、ヒンジ部と自由端との間の芯材に脆弱部をヒンジ部と平行に設けたことにより、エアバッグ展開時にリッドがエアバッグの展開圧力で上方に回動されてフロントガラスに衝突した時に、リッドが脆弱部で折曲されてフロントガラスに与える衝撃力を軽減させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のリッドの回動量を規制する規制部材を設けたエアバッグ装置、並びにリッドに脆弱部を設けたエアバッグ装置においては、エアバッグの展開時に、開放したリッドの自由端の上方で膨張したエアバッグがフロントガラスに衝突して、フロントガラスに衝撃を与えることになり、フロントガラスを損傷させるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、エアバッグの展開時に、膨張したエアバッグがフロントガラスに与える衝撃を緩和し、フロントガラスの損傷を防ぐことのできる自動車のエアバッグ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の自動車のエアバッグ装置は、フロントガラスに向かう開口部を有するエアバッグユニットが車室前部に設けられ、該エアバッグユニットに一端がヒンジ部を介して固定されて上記開口部を覆うとともに、その自由端が上記フロントガラス側に開放されるリッドと、上記エアバッグユニット内に収納され、上記リッドを開放するとともに該リッドの自由端より外側にて上記フロントガラス側に膨張可能なエアバッグとを備えた自動車のエアバッグ装置において、膜状部材から成り、一方の端部が上記リッドの自由端側に沿って支持固定され、他方の端部が上記エアバッグユニット内から外に引き出される力によって固定が解除されるよう、上記エアバッグユニット内に固定されているとともに、上記エアバッグ収納時には折り畳まれて上記エアバッグ内に収納される保護カバーが設けられ、該保護カバーは、上記エアバッグの展開時に、上記リッドの開放動作に伴って上記エアバッグユニット内から外に引出され、上記エアバッグの展開動作に伴って、上記フロントガラスとエアバッグとの間に位置されるよう構成されていることにより、エアバッグの展開時に、フロントガラスとエアバッグとの間に位置する保護カバーが緩衝材となって、フロントガラスにエアバッグが直接衝撃を与えることを有効に防止でき、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷を簡単な構造で防止することができる。
また、エアバッグ装置をインストルメントパネルの助手席側にトップマウントすることにより、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷の防止効果が一層顕著になる。
【0010】
【実施例】
本発明の実施例を図1乃至図5を参照して説明する。
インストルメントパネル1の助手席側1Aに設けられたエアバッグ装置(図6及び図7参照)において、リッド21の自由端211 側でフランジ210 の内側のリッド21裏面に、所定の間隔を有し、自由端211 と略平行にリッド21の長さの略全体にわたって延びる一対のリブ213 ,214 が設けられ、リブ213 ,214 の間に板状の補強部材9が配設され、補強部材9の一側端が一方のリブ214 に埋設されている。
【0011】
矩形に形成され、対向する二辺(本実施例では長辺)の長側端81,82の長さが少なくともリッド21のリブ213 ,214 の長さを有する保護カバー8が設けられ、該保護カバー8の一方の長側端81が、上記リッド21に設けられた補強部材9にボルト10で結合されている(図4参照)。
保護カバー8の他方の長側端82には1個または複数の仮固定孔83が穿設され、この仮固定孔83を介してボルト3でユニットケース22の開口部付近にリッド21のフランジ210 とともに締結されて仮固定されており、仮固定孔83は、図5に示すように、長側端82の端縁に接近して穿設され、図の上方への力がかかった時に仮固定孔83と長側端82との間の細い部分が簡単に切れるように形成されている。
【0012】
なお、簡単に切れる構造として、長側端82に仮固定孔83と長側端82の端縁とに開口する切れ目を設ける、或いは長側端82の端縁が仮固定孔83に対して接線又は截線となるように形成しても良い。
保護カバー8は可撓性及び弾性を有する材料で形成すると良いものであり、一例を挙げると、ゴム薄板、発砲ウレタン、多数の気泡を有する包装材、フェルト様のもの、起毛されている布等がある。
【0013】
動作について説明すると、エアバッグ23の収納時には、図2に示すように、エアバッグ23が折り畳まれてユニットケース22内に収納されるとともに、リッド21によるユニットケース22の開口部の閉塞に伴い、保護カバー8が折り畳まれてユニットケース22内に収納される。
エアバッグ23の展開時には、図1に示すように、エアバッグ23が供給される高圧ガスで膨張を開始し、その膨張圧力によってリッド21を押し上げる(エアバッグ状態23A)が、保護カバー8は伸びきるまで長側端82がユニットケース22に結合されている(保護カバー位置8A)。
【0014】
エアバッグ23がさらに膨張すると、その膨張圧力により保護カバー8の長側端82の仮固定孔83と長側端82との間の細い部分が破断して保護カバー8が外に引き出され、エアバッグ23が膨張するにつれて保護カバー8は位置8B、8Cの順に長側端81を中心に回動され、エアバッグ23が膨張しきった状態、或いはその僅かに前の状態であるエアバッグ状態23Bの時に保護カバー8がリッド21の上方の位置8Dに回動され、エアバッグ23とフロントガラス6との間に保護カバー8が位置する。
【0015】
この構成により、エアバッグ23の展開時に、フロントガラス6とエアバッグ23との間に位置する保護カバー8が緩衝材となって、フロントガラス6にエアバッグ23が直接衝撃を与えることを有効に防止でき、フロントガラス6とエアバッグ23との直接の衝突に起因するフロントガラス6の損傷を簡単な構造で防止することができる。
また、エアバッグ装置がインストルメントパネルの助手席側にトップマウントされているから、フロントガラス6とエアバッグ23との直接の衝突に起因するフロントガラス6の損傷の防止効果が一層顕著になる。
【0016】
次に、図6及び図7を参照して異なる実施例について説明すると、リッド21に設けられた補強部材9に固定プレート12がボルト120 で固定され、補強部材9と固定プレート12との間に柔軟性の高い材料(例えば、布等)で形成されたストッパーベルト11の一端が挟持されており、ユニットケース22において、車体幅方向端部の少なくとも一方の端部の内側面上端付近(即ちユニットケース22の開口部付近)にボルト3で固定された支持ブラケット13によりストッパーベルト11の他端が固定されており、実線で示すリッド21の閉止状態ではストッパーベルト11がユニットケース22内に折り畳まれている。
【0017】
この構成により、エアバッグ23の展開時に、リッド21がエアバッグ23の膨張圧力によって開放され、フロントガラス6の方向にヒンジ部212 を中心に回動するにつれて、ストッパーベルト11が引き延ばされ、一杯の長さに延ばされた時点でリッド21の回動を停止させる。
ストッパーベルト11の長さを予め適切な長さに設定しておくことにより、リッド21が最大に開いて停止した位置において、リッド21とフロントガラス6の間、特にリッド21の自由端211 とフロントガラス6の間に間隙を形成し、リッド21がフロントガラス6に衝突することを防止し、フロントガラス6が損傷を受けることを防止する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているから、以下に述べるとおりの効果を奏する。
エアバッグ収納時にはエアバッグユニット内に収納される膜状の保護カバーを設け、該保護カバーの一方の端部をリッドの自由端側に沿って支持固定し、エアバッグの展開時に、リッドの開放動作に伴って保護カバーをエアバッグユニット内から外に引出し、エアバッグの展開動作に伴ってフロントガラスとエアバッグとの間に保護カバーを位置させることにより、エアバッグの展開時に、フロントガラスとエアバッグとの間に位置する保護カバーが緩衝材となって、フロントガラスにエアバッグが直接衝撃を与えることを有効に防止でき、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷を簡単な構造で防止することができる。
また、エアバッグ装置をインストルメントパネルの助手席側にトップマウントすることにより、フロントガラスとエアバッグとの直接の衝突に起因するフロントガラスの損傷の防止効果が一層顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の展開時を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の収納時を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例の斜視図である。
【図4】本発明の実施例の要部拡大図である。
【図5】本発明の実施例の保護カバーの要部拡大図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図7】従来の構造を示す図6におけるVII −VII 線断面図である。
【図8】本発明を適用する前部エアバッグ装置を示す斜視図である。
【図9】図8におけるIX−IX線断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル、1A 助手席側(インストルメントパネル)
2 エアバッグユニット、21 リッド、22 ユニットケース、23 エアバッグ
24 高圧ガス発生機、25 支持ブラケット、8 保護カバー、9 補強部材
Claims (2)
- フロントガラスに向かう開口部を有するエアバッグユニットが車室前部に設けられ、該エアバッグユニットに一端がヒンジ部を介して固定されて上記開口部を覆うとともに、その自由端が上記フロントガラス側に開放されるリッドと、上記エアバッグユニット内に収納され、上記リッドを開放するとともに該リッドの自由端より外側にて上記フロントガラス側に膨張可能なエアバッグとを備えた自動車のエアバッグ装置において、
膜状部材から成り、一方の端部が上記リッドの自由端側に沿って支持固定され、他方の端部が上記エアバッグユニット内から外に引き出される力によって固定が解除されるよう、上記エアバッグユニット内に固定されているとともに、上記エアバッグ収納時には折り畳まれて上記エアバッグ内に収納される保護カバーが設けられ、
該保護カバーは、上記エアバッグの展開時に、上記リッドの開放動作に伴って上記エアバッグユニット内から外に引出され、上記エアバッグの展開動作に伴って、上記フロントガラスとエアバッグとの間に位置されるよう構成されていることを特徴とする自動車のエアバッグ装置。 - インストルメントパネルの助手席側にトップマウントされたことを特徴とする請求項1記載の自動車のエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09005895A JP3572714B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 自動車のエアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09005895A JP3572714B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 自動車のエアバッグ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08258654A JPH08258654A (ja) | 1996-10-08 |
JP3572714B2 true JP3572714B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=13987983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09005895A Expired - Fee Related JP3572714B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 自動車のエアバッグ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3572714B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP09005895A patent/JP3572714B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08258654A (ja) | 1996-10-08 |
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