JP3572347B2 - ウェザーストリップの表面加工方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばグラスラン等の自動車用のウェザーストリップの表面を押出成形によって加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のウェザーストリップの表面に装飾を施す加工が行われる場合がある。例えば、図4に示すように、ドアサッシュ20に嵌装されるグラスラン10の昇降するドアガラス30とのリップ摺動面17,18には一般的には高級感を損なうという理由から光沢のある表面外観は好まれず、光沢を減少させる方法としてシボ付け加工等が施される場合がある。なお、グラスラン10は基底部11,室内側側壁12,室外側側壁13,室内側リップ14及び室外側リップ15からなる断面略コの字型のグラスランであり、基底部11,室内側リップ14,室外側リップ15,にそれぞれ基底部摺動面16,リップ摺動面17,リップ摺動面18が形成されている。
シボ付け加工は、グラスランの表面に予め押出成形された摺動面を、ローラーの表面にシボが刻まれたシボ付けロール等に通すことによって摺動面にシボ模様を形成したり、あるいはエアーでグラスビーズなどを吹き付けることによってシボ模様を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シボ付けロールによってシボ付けを曲面部などへ施工する場合にはシボ模様を均一に形成することができず、安定した加工が行えないという問題がある。また被加工面が複雑な形状である場合には、複数個のシボ付けロールが必要になるためにコスト高となってしまう。被加工面が更に複雑である場合には、シボ付け加工そのものが不可能になる場合もある。またエアーで吹き付けシボ付けする場合においても被加工面が複雑であるとむらが発生してしまう。その上、エアーガンやエアー供給装置などが必要となるので、コスト高となっていまう。
またシボ付け加工は、上述したように摺動面を押出成形によって形成した後に行われる後加工であるためシボ付け加工専用の生産ラインあるいは生産スペースが必要となるという問題がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、シボ付けロール等による後加工をすることなしに簡易な方法でシボ付け加工に近い表面外観を得ることのできるウェザーストリップの表面加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のウェザーストリップの表面加工方法は、熱可塑性の基材樹脂に混合した押出成形温度では完全に溶融しない熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜をウェザーストリップの表面に押出成形によって形成し、その後、変形した粉末の歪を除々に回復させて隣接する粉末の間と粉末とにおいて表面に凹凸を生じさせるとともに薄膜の押出成形を、ウェザーストリップを押出成形する口金において同時に行うものである(請求項1)。
【0006】
またウェザーストリップは、ドアサッシュに嵌装されるグラスランであり、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面に適用することが好ましい(請求項2)。
【0007】
更に粉末の圧縮変形は、押出機の先端に装着される口金の流路径を後端部より先端部を小さく形成したその流路内に粉末が混合された基材樹脂を通して行うことが好ましい(請求項3)。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、熱可塑性の基材樹脂に混合した熱可塑性樹脂の粉末は、押出成形温度では完全に溶融しないものであるので、基材樹脂の中で分離した状態で残る。その熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜はウェザーストリップの表面に押出成形によって形成されるので、断面略円形状の粉末は一時的に断面略楕円状に変形し歪んだ状態で押し出される。その後、変形した粉末の歪は自然に除々に回復するので隣接する粉末の間と粉末とにおいて表面に凹凸が生じ、均一なシボ付け加工に近い表面外観が得られる。
また、一つの口金を使用してウェザーストリップの押出成形と薄膜の押出成形を同時に行うことができるので作業効率がよい。
【0009】
ここで完全に溶融しないものとは、粉末樹脂が少しでも残ってその形があれば足りるものであり、図3(a)に示すような粉末樹脂5が全く溶けていない状態を含むことはもちろんのこと、例えば、図3(b)に示すような外表面が少し溶けている状態あるいは図3(c)に示すような外表面がかなり溶けている状態をも含むことを意味する。
【0010】
なお好ましくは、請求項2に記載の発明のように、このウェザーストリップをドアサッシュに嵌装されるグラスランとして使用し、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面、例えばリップ摺動面に適用するものであるので、シボ付け加工に近い表面外観により高級感が引き出される。
【0011】
また粉末の圧縮変形は、請求項3に記載の発明によれば、押出機の先端に装着される口金の流路径を後端部より先端部を小さく、例えばテーパー状に形成したその流路内に粉末が混合された基材樹脂を通すだけでよいので簡易に行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る、ウェザーストリップの表面加工方法を使用する口金1の一部を示す断面図である。このウェザーストリップはドアサッシュに嵌装されるソリッドゴム製のグラスラン2に適用されるものであり、本発明の実施形態はグラスラン2の表面に、昇降するドアガラスに摺接する摺動面3を形成・加工する方法を示している。
【0013】
口金1は押出機(図示しない)の先端に装着されており、水平方向に押し出されるグラスラン2と、グラスラン2の表面に対して摺動面3とが同時に複合的に押し出されるようになっている。
【0014】
摺動面3は、熱可塑性の基材樹脂4に混合された押出成形温度では完全に溶融しない熱可塑性樹脂の粉末5を圧縮変形させてなる薄膜をグラスラン2の表面に押出成形することによって形成されるようになっている。粉末5の圧縮変形は、口金1に後端部側の径よりグラスラン2の表面に通じる先端部側の径を小さく、すなわちテーパー状に形成された流路6に粉末5が混合された基材樹脂4を通すことにより行われる。
これにより粉末5は押し出しに適する溶融状態にまで達していないために、図1に示すように、断面略円形状から一時的に断面略楕円状に変形し歪んだ状態で押し出される。その後、図2に示すように変形した粉末5の歪が除々に回復して摺動面3の表面に凹凸が生じて均一なシボ付け加工に近い表面外観が得られる。
【0015】
熱可塑性樹脂の粉末5となる材質,粒径,混合割合を変化させることにより摺動面3の表面状態を種々コントロールすることができる。例えば、熱可塑性の基材樹脂4として架橋性ポリエチレン(例えば三菱化学の商品名「リンクロン」など)を使用し、熱可塑性樹脂の粉末5として超高分子量ポリエチレン(例えば三井石油化学の商品名「ハイゼックスミリオン」など)を使用し、混合割合を架橋性ポリエチレンの100に対して超高分子量ポリエチレンを10(10PHR)とし、押出成形温度を約200度(℃)にした場合に、シボ付け加工に近い表面外観が得られた。それに加え、超高分子量ポリエチレンの有する高い摺動性能によって低摺動抵抗でかつ耐摩耗性に優れる摺動面3を得ることができた。ここで、超高分子量ポリエチレンとは重量平均分子量が約100万以上の高密度のポリエチレンをいう。
【0016】
なお熱可塑性の基材樹脂4は架橋性ポリエチレンに限られるものではない。また熱可塑性樹脂の粉末5も超高分子量ポリエチレンに限られるものではなく押出成形温度では完全には溶融しないものであればよい。よって、同種のポリエチレンであってもグレードの違いにより熱可塑性の基材樹脂4には押出成形温度で完全に溶融するものを使用し、熱可塑性樹脂の粉末5には完全に溶融しないものを使用すればよい。
【0017】
以上のようにして形成された摺動面3は、高級感を有する表面外観を生かし、図4に示したリップ摺動面17,18に使用される。また高い摺動性能から基底部摺動面16に使用してもよい。
【0018】
本発明の実施の態様では、いわゆる複合押出によってグラスラン2の押出成形と同時に摺動面3を押出成形によって形成するようにしたが、予め押出成形によって形成されたグラスラン2の表面に摺動面3を押出成形によって形成するようにしてもよい。また、表面加工が施されたウェザーストリップをグラスラン2に適用する実施態様を示したが、これに限らず例えばウェストシール部など様々な場所で使用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のとおり請求項1に記載の発明によれば、熱可塑性の基材樹脂に混合した熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜をウェザーストリップの表面に押出成形によって形成するだけで均一なシボ付け加工に近い表面外観が得られるので作業の簡易化が図れる。また、この際特にシボ付けローラを使用したりあるいはエアーにより吹き付けを行うなどの後加工をすることがないのでコスト高となることがなく、余分な装置を必要としないため省空間化も図れる。また、一つの口金を使用してウェザーストリップの押出成形と薄膜の押出成形を同時に行うので作業効率がよい。
【0020】
また請求項2に記載の発明によれば、表面加工が行われたウェザーストリップをドアサッシュに嵌装されるグラスランとして使用し、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面に適用するものであるので、シボ付け加工に近い表面外観により高級感が引き出される。
【0021】
また請求項3に記載の発明によれば、口金に設けられた流路内に粉末が混合された基材樹脂を通すだけで簡易に粉末を圧縮変形させることができるの複雑な装置を必要とせずコスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、ウェザーストリップの表面加工方法を使用する口金1の一部を示す断面図である。
【図2】摺動面3の表面に凹凸が生じる状態を示す断面図である。
【図3】粉末樹脂5の溶融状態を示す状態図であり、(a)は全く溶けていない状態,(b)は外表面が少し溶けている状態,(c)は外表面がかなり溶けている状態をそれぞれ示す。
【図4】一般的な略コの字型グラスラン10をドアサッシュ20に取り付け、ドアガラス30を挿入した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 口金
2 グラスラン
3 摺動面
4 基材樹脂
5 粉末
6 流路
10 グラスラン
11 基底部
12 室内側側壁
13 室外側側壁
14 室内側リップ
15 室外側リップ
16 基底部摺動面
17 リップ摺動面
18 リップ摺動面
20 ドアサッシュ
30 ドアガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばグラスラン等の自動車用のウェザーストリップの表面を押出成形によって加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のウェザーストリップの表面に装飾を施す加工が行われる場合がある。例えば、図4に示すように、ドアサッシュ20に嵌装されるグラスラン10の昇降するドアガラス30とのリップ摺動面17,18には一般的には高級感を損なうという理由から光沢のある表面外観は好まれず、光沢を減少させる方法としてシボ付け加工等が施される場合がある。なお、グラスラン10は基底部11,室内側側壁12,室外側側壁13,室内側リップ14及び室外側リップ15からなる断面略コの字型のグラスランであり、基底部11,室内側リップ14,室外側リップ15,にそれぞれ基底部摺動面16,リップ摺動面17,リップ摺動面18が形成されている。
シボ付け加工は、グラスランの表面に予め押出成形された摺動面を、ローラーの表面にシボが刻まれたシボ付けロール等に通すことによって摺動面にシボ模様を形成したり、あるいはエアーでグラスビーズなどを吹き付けることによってシボ模様を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シボ付けロールによってシボ付けを曲面部などへ施工する場合にはシボ模様を均一に形成することができず、安定した加工が行えないという問題がある。また被加工面が複雑な形状である場合には、複数個のシボ付けロールが必要になるためにコスト高となってしまう。被加工面が更に複雑である場合には、シボ付け加工そのものが不可能になる場合もある。またエアーで吹き付けシボ付けする場合においても被加工面が複雑であるとむらが発生してしまう。その上、エアーガンやエアー供給装置などが必要となるので、コスト高となっていまう。
またシボ付け加工は、上述したように摺動面を押出成形によって形成した後に行われる後加工であるためシボ付け加工専用の生産ラインあるいは生産スペースが必要となるという問題がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、シボ付けロール等による後加工をすることなしに簡易な方法でシボ付け加工に近い表面外観を得ることのできるウェザーストリップの表面加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のウェザーストリップの表面加工方法は、熱可塑性の基材樹脂に混合した押出成形温度では完全に溶融しない熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜をウェザーストリップの表面に押出成形によって形成し、その後、変形した粉末の歪を除々に回復させて隣接する粉末の間と粉末とにおいて表面に凹凸を生じさせるとともに薄膜の押出成形を、ウェザーストリップを押出成形する口金において同時に行うものである(請求項1)。
【0006】
またウェザーストリップは、ドアサッシュに嵌装されるグラスランであり、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面に適用することが好ましい(請求項2)。
【0007】
更に粉末の圧縮変形は、押出機の先端に装着される口金の流路径を後端部より先端部を小さく形成したその流路内に粉末が混合された基材樹脂を通して行うことが好ましい(請求項3)。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、熱可塑性の基材樹脂に混合した熱可塑性樹脂の粉末は、押出成形温度では完全に溶融しないものであるので、基材樹脂の中で分離した状態で残る。その熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜はウェザーストリップの表面に押出成形によって形成されるので、断面略円形状の粉末は一時的に断面略楕円状に変形し歪んだ状態で押し出される。その後、変形した粉末の歪は自然に除々に回復するので隣接する粉末の間と粉末とにおいて表面に凹凸が生じ、均一なシボ付け加工に近い表面外観が得られる。
また、一つの口金を使用してウェザーストリップの押出成形と薄膜の押出成形を同時に行うことができるので作業効率がよい。
【0009】
ここで完全に溶融しないものとは、粉末樹脂が少しでも残ってその形があれば足りるものであり、図3(a)に示すような粉末樹脂5が全く溶けていない状態を含むことはもちろんのこと、例えば、図3(b)に示すような外表面が少し溶けている状態あるいは図3(c)に示すような外表面がかなり溶けている状態をも含むことを意味する。
【0010】
なお好ましくは、請求項2に記載の発明のように、このウェザーストリップをドアサッシュに嵌装されるグラスランとして使用し、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面、例えばリップ摺動面に適用するものであるので、シボ付け加工に近い表面外観により高級感が引き出される。
【0011】
また粉末の圧縮変形は、請求項3に記載の発明によれば、押出機の先端に装着される口金の流路径を後端部より先端部を小さく、例えばテーパー状に形成したその流路内に粉末が混合された基材樹脂を通すだけでよいので簡易に行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る、ウェザーストリップの表面加工方法を使用する口金1の一部を示す断面図である。このウェザーストリップはドアサッシュに嵌装されるソリッドゴム製のグラスラン2に適用されるものであり、本発明の実施形態はグラスラン2の表面に、昇降するドアガラスに摺接する摺動面3を形成・加工する方法を示している。
【0013】
口金1は押出機(図示しない)の先端に装着されており、水平方向に押し出されるグラスラン2と、グラスラン2の表面に対して摺動面3とが同時に複合的に押し出されるようになっている。
【0014】
摺動面3は、熱可塑性の基材樹脂4に混合された押出成形温度では完全に溶融しない熱可塑性樹脂の粉末5を圧縮変形させてなる薄膜をグラスラン2の表面に押出成形することによって形成されるようになっている。粉末5の圧縮変形は、口金1に後端部側の径よりグラスラン2の表面に通じる先端部側の径を小さく、すなわちテーパー状に形成された流路6に粉末5が混合された基材樹脂4を通すことにより行われる。
これにより粉末5は押し出しに適する溶融状態にまで達していないために、図1に示すように、断面略円形状から一時的に断面略楕円状に変形し歪んだ状態で押し出される。その後、図2に示すように変形した粉末5の歪が除々に回復して摺動面3の表面に凹凸が生じて均一なシボ付け加工に近い表面外観が得られる。
【0015】
熱可塑性樹脂の粉末5となる材質,粒径,混合割合を変化させることにより摺動面3の表面状態を種々コントロールすることができる。例えば、熱可塑性の基材樹脂4として架橋性ポリエチレン(例えば三菱化学の商品名「リンクロン」など)を使用し、熱可塑性樹脂の粉末5として超高分子量ポリエチレン(例えば三井石油化学の商品名「ハイゼックスミリオン」など)を使用し、混合割合を架橋性ポリエチレンの100に対して超高分子量ポリエチレンを10(10PHR)とし、押出成形温度を約200度(℃)にした場合に、シボ付け加工に近い表面外観が得られた。それに加え、超高分子量ポリエチレンの有する高い摺動性能によって低摺動抵抗でかつ耐摩耗性に優れる摺動面3を得ることができた。ここで、超高分子量ポリエチレンとは重量平均分子量が約100万以上の高密度のポリエチレンをいう。
【0016】
なお熱可塑性の基材樹脂4は架橋性ポリエチレンに限られるものではない。また熱可塑性樹脂の粉末5も超高分子量ポリエチレンに限られるものではなく押出成形温度では完全には溶融しないものであればよい。よって、同種のポリエチレンであってもグレードの違いにより熱可塑性の基材樹脂4には押出成形温度で完全に溶融するものを使用し、熱可塑性樹脂の粉末5には完全に溶融しないものを使用すればよい。
【0017】
以上のようにして形成された摺動面3は、高級感を有する表面外観を生かし、図4に示したリップ摺動面17,18に使用される。また高い摺動性能から基底部摺動面16に使用してもよい。
【0018】
本発明の実施の態様では、いわゆる複合押出によってグラスラン2の押出成形と同時に摺動面3を押出成形によって形成するようにしたが、予め押出成形によって形成されたグラスラン2の表面に摺動面3を押出成形によって形成するようにしてもよい。また、表面加工が施されたウェザーストリップをグラスラン2に適用する実施態様を示したが、これに限らず例えばウェストシール部など様々な場所で使用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のとおり請求項1に記載の発明によれば、熱可塑性の基材樹脂に混合した熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜をウェザーストリップの表面に押出成形によって形成するだけで均一なシボ付け加工に近い表面外観が得られるので作業の簡易化が図れる。また、この際特にシボ付けローラを使用したりあるいはエアーにより吹き付けを行うなどの後加工をすることがないのでコスト高となることがなく、余分な装置を必要としないため省空間化も図れる。また、一つの口金を使用してウェザーストリップの押出成形と薄膜の押出成形を同時に行うので作業効率がよい。
【0020】
また請求項2に記載の発明によれば、表面加工が行われたウェザーストリップをドアサッシュに嵌装されるグラスランとして使用し、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面に適用するものであるので、シボ付け加工に近い表面外観により高級感が引き出される。
【0021】
また請求項3に記載の発明によれば、口金に設けられた流路内に粉末が混合された基材樹脂を通すだけで簡易に粉末を圧縮変形させることができるの複雑な装置を必要とせずコスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、ウェザーストリップの表面加工方法を使用する口金1の一部を示す断面図である。
【図2】摺動面3の表面に凹凸が生じる状態を示す断面図である。
【図3】粉末樹脂5の溶融状態を示す状態図であり、(a)は全く溶けていない状態,(b)は外表面が少し溶けている状態,(c)は外表面がかなり溶けている状態をそれぞれ示す。
【図4】一般的な略コの字型グラスラン10をドアサッシュ20に取り付け、ドアガラス30を挿入した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 口金
2 グラスラン
3 摺動面
4 基材樹脂
5 粉末
6 流路
10 グラスラン
11 基底部
12 室内側側壁
13 室外側側壁
14 室内側リップ
15 室外側リップ
16 基底部摺動面
17 リップ摺動面
18 リップ摺動面
20 ドアサッシュ
30 ドアガラス
Claims (3)
- 熱可塑性の基材樹脂に混合した押出成形温度では完全に溶融しない熱可塑性樹脂の粉末を圧縮変形させてなる薄膜をウェザーストリップの表面に押出成形によって形成し、その後、変形した粉末の歪を除々に回復させて隣接する粉末の間と粉末とにおいて表面に凹凸を生じさせるとともに前記薄膜の押出成形を、前記ウェザーストリップを押出成形する口金において同時に行うことを特徴とするウェザーストリップの表面加工方法。
- 前記ウェザーストリップは、ドアサッシュに嵌装されるグラスランであり、表面に形成された薄膜をドアガラスの摺動面とすることを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップの表面加工方法。
- 前記粉末の圧縮変形は、押出機の先端に装着される口金の流路径を後端部より先端部を小さく形成したその流路内に前記粉末が混合された基材樹脂を通して行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウェザーストリップの表面加工方法。
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JP22268995A JP3572347B2 (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | ウェザーストリップの表面加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0948055A JPH0948055A (ja) | 1997-02-18 |
JP3572347B2 true JP3572347B2 (ja) | 2004-09-29 |
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Family Applications (1)
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JP22268995A Expired - Fee Related JP3572347B2 (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | ウェザーストリップの表面加工方法 |
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WO2000007839A1 (en) * | 1998-07-20 | 2000-02-17 | Schlegel Corporation | Weatherseal having a contact layer with a particulate coating providing a reduced coefficient of friction |
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