JP3571734B2 - 集積回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気絶縁膜上に半導体シリコンはSOI(Silicon On Insnlator) と呼ばれ、高速化・高集積化が可能な半導体装置として、近年注目を集めている。
図2は、このSOIウエハ基板の構造断面図を示している。21は厚さ500〜1000μmの単結晶シリコン基板、22は厚み数百Å〜数μm程度の電気絶縁物であるシリコン酸化膜(BOX :Baried Oxide) 、23は厚み数百Å〜数μm程度の電気絶縁物であるシリコン酸化膜、23は厚み数百Å〜数μm程度の単結晶シリコンである。
【0003】
SOIウエハ上に形成した半導体集積回路は、電気絶縁膜22上の単結晶シリコン層(SOI層)23が非常に薄いために、特に集積回路が相補型MISトランジスタ(相補型メタル・絶縁物トランジスタ)である場合、ソース・基板間、ドレイン・基板間、ゲート基板間の電気容量が低減され、集積回路の高速化が可能になる利点と、従来の単結晶シリコンウエハ上に集積回路を形成した場合に比べ、電気絶縁物22が存在することにより、トランジスタとトランジスタ間の素子分離領域を非常に狭く作ることができ、高集積化が可能になる利点とを有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記したような優れた特徴を有するSOIウエハであるが、集積回路が形成される薄い単結晶シリコンのすぐ下に絶縁膜22が存在するため、集積回路が動作している時に流れる電流によって発生する熱が、絶縁膜22の下にある厚い半導電性の単結晶シリコン基板に逃げてくれず、熱が薄い単結晶シリコン層23に溜まってしまい、その薄い単結晶シリコン層の温度を時間の経過と共に上げてしまう。
【0005】
集積回路が相補型MISトランジスタにより形成されている場合、高集積化のためにトランジスタサイズを小さくすると、トランジスタ内に流れる電流は増大し、温度上昇の度合いも又大きくなる。薄い単結晶シリコン層で温度上昇が生じると、MISトランジスタのゲート絶縁膜中にキャリヤの捕獲準位が多数発生し易くなり、トランジスタ特性の変動を生じ、さらに集積回路の信頼性が損なわれることになる。
【0006】
本発明は、上記したSOIウエハに生じる温度上昇の欠点を抑え、信頼性の高い集積回路が形成可能な半導体基板を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、平面的に局所的な領域に、且つ表面から離れて埋め込まれたシリコン酸化膜が形成された半導体基板と、埋め込まれた前記シリコン酸化膜上の前記半導体基板表面領域に形成された動作の高速性が要求される第1の回路と、前記第1の回路と電気的に接続され、前記シリコン酸化膜が埋め込まれていない前記半導体基板表面領域に形成された第2の回路と、前記シリコン酸化膜の裏面側と前記半導体基板裏面との間の半導体基板部分が除去され、前記シリコン酸化膜の裏面の一部が露出されており、前記シリコン酸化膜上の前記半導体基板表面領域に形成された前記第1の回路で発生した熱は、前記シリコン酸化膜の端部まで伝わった後、前記シリコン酸化膜が形成されていない領域の半導体基板中に放散されることを特徴とする集積回路である。
【0008】
【作用】
上述した構造を持つ本発明の半導体基板上に、集積回路を形成した場合、絶縁膜が形成されていない領域の単結晶シリコン上に形成された集積回路で発生した熱はもちろんのこと、集積回路の下に広がる熱導伝性の良い単結晶シリコンに放散される。又、絶縁膜上の単結晶シリコン層に形成された集積回路で発生した熱は、絶縁膜の端部まで伝わった後、絶縁膜が形成されていない領域の厚い単結晶シリコン中に放散される。
【0009】
【実施例】
図1(a)、(b)に本発明の実施例を示す。図1(a)は、本発明の半導体基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)の直線A−A’上の断面構造図を示している。11は単結晶シリコン基板、12は単結晶シリコン基板に埋め込まれたシリコン酸化膜等の絶縁膜、13は絶縁膜12の上にある単結晶シリコン層、即ち、SOI層を示している。14は単結晶シリコンのある方位を示すために切断した切断線を示す。絶縁膜12は、例えば数百Å〜数μmの厚みを持ち、同様に薄い単結晶シリコン層13は数百Å〜数μmの厚みを持っている。
【0010】
図3に、図1に示す本発明の半導体基板を利用して形成した半導体装置の一例を示す。31は単結晶シリコン基板、32は単結晶シリコン基板31内に埋め込まれた厚み数百Å〜数μmの絶縁物であるシリコン酸化膜、33はシリコン酸化膜32上の厚み数百Å〜数μmの薄い単結晶シリコン層、即ち、SOI層である。
【0011】
34は単結晶シリコン基板31の左側かつ絶縁物が埋めこまれていない領域に形成された回路1、36は同じく単結晶シリコン基板の右側、かつ絶縁膜が埋めこまれていない領域に形成された回路3、35は絶縁膜32の上にある薄い単結晶シリコン層に形成された回路2をそれぞれ示している。34、35、36の各回路は、それぞれ電気的に接続され、ある働きを持つ一つの集積回路を形成している。
【0012】
34の回路1と36の回路3の下には絶縁膜はなく、それらの回路が動作することによって発生する熱は、34の回路1と36の回路3の下にある厚み数百μm以上の厚い半導伝性の単結晶シリコン基板31に逃げる。このため、温度が高くなることによってMISトランジスタのゲート絶縁膜にキャリヤの捕獲準位が発生することもなく、34の回路1と36の回路を構成するトランジスタ群の信頼性は高く、安定な回路となる。
【0013】
一方、絶縁膜32の上部にある薄い単結晶シリコン層、即ち、SOI層33に形成された35の回路2は、特に高速性が要求される回路である。SOI層33に形成されたMISトランジスタからなる集積回路がなぜ高速性を有するかについては、図4において説明する。
【0014】
回路2が動作することによって、SOI層33に発生した熱は、絶縁膜32の両端部の上部37と381に進み、そこから厚い単結晶シリコン基板31全体に放散され、SOI層33に止まることはない。このため、SOI層33の温度は、回路2の動作中も上昇することはなく、回路2を構成するMISトランジスタ群のゲート絶縁膜にキャリヤの捕獲準位が発生することもない。その結果、それらのトランジスタ群の信頼性は高く、回路2は経時的にも変動のない安定な動作をする。
【0015】
図4は、N型MISトランジスタの断面構造図を示している。図4を用いて、SOI層に形成されたMISトランジスタからなる集積回路が高速性を有する理由を簡単に説明する。41は単結晶シリコン基板、42はシリコン酸化膜等の絶縁膜、43は薄い濃度、例えば約1×1016cm−3のP型不純物からなるPウェル、44はゲート絶縁膜、45は高い濃度、例えば約1×1020cm−3のN型不純物が含まれた多結晶シリコンからなるゲート、46と47はそれぞれ高い濃度、例えば約1×1020cm−3のN型不純物からなるソースとドレインである。N型MISトランジスタは、Pウェル43、ゲート絶縁膜44、ゲート45、ソース46、ドレイン47から構成される。48は素子分離のための厚いシリコン酸化膜からなるフィールド酸化膜を示している。
【0016】
Pウェル43の単結晶シリコン厚みが例えば、0.6μm程度の厚みとする。N型MISトランジスタを動作させる時、例えばソースの電位を0V、ゲートとドレインを5Vに設定する。この時、ゲート、ソース及びドレインの下には空乏層が拡がる。破線49、410、411はその空乏層の境界を示す。空乏層は動けるキャリヤのない高抵抗の領域である。空乏層は破線49の右側、410の左側、411の上側に拡がっている。
【0017】
例えば、ソース及びドレインの深さを0.3μmとすると、ドレインの下には約0.9μm、ソースの下には約0.3μmの空乏層が広がるため、ドレインの下では勿論のこと、ソースの下でも空乏層は絶縁膜42に接触する。このため、ソ−ス・基板(Pウェル43)間及びドレイン・基板(Pウェル43)間の容量は、絶縁膜42も含む形になり、非常に小さい値になる。その結果、これら寄生容量が小さくなり、SOI層に形成されたMISトランジスタから成る集積回路は高速性を有するようになる。
【0018】
図5に、本発明の他の実施例を示す。図5に示す本発明の実施例は図3に示す本発明の実施例と共通するところが多い。そのため、図5において、図3と共通の箇所31〜38の名称の説明は省略する。
図5において、単結晶シリコン基板31の一部の領域に埋め込まれた絶縁膜であるシリコン酸化膜32の下の一部の単結晶シリコンが除去されている。51及び52はシリコン窒化膜であり、シリコン酸化膜32の下の単結晶シリコンを除去する時のマスクとなっている。単結晶シリコンを除去する時、例えば80℃〜100℃に熱した水酸化カリウム溶液(KOH溶液)中に、単結晶シリコン基板を浸せば良い。シリコン酸化膜32は、KOH溶液でシリコン酸化膜32の下にある単結晶シリコンをエッチング除去する時のエッチングストッパーの役割を果たし、シリコン酸化膜32の上にある薄い単結晶シリコン膜33がエッチングされるのを防ぐ役割も果たす。シリコン酸化膜32の下にある単結晶シリコンを除去した後、シリコン窒化膜51及び52は除去してもしなくても良い。
【0019】
図1に示す本発明の半導体基板を作成するための製造方法について、図6以降の図面によって説明する。
図6(a)〜(d)は本発明の半導体基板を形成するための製造方法を示す工程断面図である。
【0020】
図6(a)において、61は単結晶シリコン、62は単結晶シリコン61の上に全面に塗布した厚みが数μmのフォトレジストを示す。図6(b)において、フォトリソ工程によって、酸素を単結晶シリコン61の中にイオン注入すべき箇所のフォトレジストを除去する。63はフォトリソ工程によって残ったフォトレジストを示す。図6(c)において、64は単結晶シリコン中にイオン注入される酸素イオンを示す。酸素イオンをイオン注入する時の加速エネルギーは、SOI層下に形成されるシリコン酸化膜をSOI層表面からどの位の深さに形成するかによって決まる。イオン注入時の酸素イオンの量は、約1×1018cm−2程度である。図6(d)において、フォトレジスト膜63を除去する。この後、900℃以上の熱工程を加えると、単結晶シリコンとイオン注入された酸素原子が反応し、良好なシリコン酸化膜65が形成される。しかし、シリコン酸化膜65の上には良好な薄い単結晶シリコン層66即ちSOI層が形成されることになる。
【0021】
図6において、酸素イオンを注入する時、注入すべき箇所の選択は 、単結晶シリコン61の上に塗布したフォトレジスト膜62を所望の箇所だけ除去しておこなった。しかし、本発明の半導体基板の製造方法において、イオン注入すべき位置の選択方法としては、単結晶シリコン61の上に塗布したフォトレジスト膜62を所望の箇所だけ除去して行う方法だけに限らない。
【0022】
図7(a)〜(d)は本発明の半導体基板を形成するための製造方法の他の実施例を示す工程断面図である。
図7(a)において、71は単結晶シリコン、72は単結晶シリコン71を数千Å〜数μmの厚みに熱酸化したことにより得られたシリコン酸化膜、73はシリコン酸化膜72の上に塗布したフォトレジスト膜を示す。
【0023】
図7(b)において、フォトリソ工程により、酸素を単結晶シリコン61の中にイオン注入すべき箇所のフォトレジストとシリコン酸化膜を除去する。74と75は、フォトリソ工程によって残ったフォトレジストとシリコン酸化膜をそれぞれ示している。
【0024】
図7(c)において、76は単結晶シリコン中にイオン注入される酸素イオンを示す。酸素イオンをイオン注入する時の加速エネルギーは、SOI層下に形成されるシリコン酸化膜をSOI層表面からどの位の深さに形成するかによって決まる。イオン注入時の酸素イオンの量は、約1×1018cm−2程度である。
【0025】
図7(d)において、酸素イオンのイオン注入後、フォトレジスト膜74とシリコン酸化膜75は除去されることにより、表面全体が平坦な単結晶シリコン層となる。この後、900℃以上の熱工程を加えると、単結晶シリコンとイオン注入された酸素原子が反応し、良好なシリコン酸化膜77が形成される。しかも、シリコン酸化膜77の上には良好な薄い単結晶シリコン層78即ちSOI層が形成されることになる。
【0026】
図7では、酸素イオンを注入する時の注入窓の形成には、シリコン酸化膜72とフォトレジスト膜73を使用したが、シリコン酸化膜72の変わりに他の絶縁膜例えば堆積されたシリコン窒化膜等を使用し、その上にフォトレジスト膜73を使用しても一向にさしつかえない。
【0027】
又、図6と図7の実施例で、SOI層の下の絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いたが、他の絶縁膜例えばシリコン窒化膜を用いても良い。即ち、図6と図7の本発明の実施例では、酸素イオンをイオン注入したが、窒素イオンをイオン注入し、その後、アニールすることにより、シリコン表面からある所望の深さに、シリコン窒化膜を形成しても良い。
【0028】
図8(a)〜(d)、図9(e)〜(g)及び図10(h)〜(j)の工程断面図を用いて、本発明の半導体基板を形成するための製造方法の他の実施例を説明する。
図8(a)において、81は単結晶シリコン、82は単結晶シリコン81を数百Åの厚みに熱酸化したことにより得られたシリコン酸化膜、83は堆積された厚みが1000〜2000Åのシリコン窒化膜、84はシリコン窒化膜83の上に塗布したフォトレジスト膜を示す。
【0029】
図8(b)において、フォトリソ工程により、フォトレジストの所望の位置に窓85を開ける。
図8(c)において、フォトレジスト膜の窓を開けた箇所のシリコン窒化膜83を除去する。
【0030】
図8(d)において、シリコン窒化膜の上に残っているフォトレジスト膜を除去し、熱酸化することにより、厚み数千Å〜数μmのシリコン酸化膜86を形成する。
図9(e)において、残っていたシリコン窒化膜を除去する。
【0031】
図9(f)において、シリコン酸化膜82と86の上全面にフォトレジスト膜87を堆積する。
図9(g)において、薄いシリコン酸化膜82と堆積されたフォトレジスト膜87の全てと厚いシリコン酸化膜86の一部をドライエッチング等にとりエッチングする。その結果、その表面が単結晶シリコンの表面と同一面になるシリコン酸化膜88が新たに単結晶シリコン基板内の所望の複数の位置に形成される。
【0032】
ここで、図8(a)〜図9(g)の工程において用いた単結晶シリコン基板をA基板とする。
図10(h)において、新たな単結晶シリコン基板89(B基板とする)を用意する。
【0033】
図10(i)において、1100〜1200℃の高温酸素雰囲気中でA基板とB基板をシリコン酸化膜88を内側にして張り合わせる。A基板とB基板の周囲にシリコン酸化膜810が形成される。
図10(j)において、シリコン酸化膜88の上に残す単結晶シリコンを所望の厚みだけ残すように、A基板側の単結晶シリコンを研磨及びポリシングする。
、その結果、シリコン酸化膜88が単結晶シリコン中に埋め込まれた図1(b)に示すような本発明の単結晶シリコン基板ができあがる。単結晶シリコン基板の周囲のシリコン酸化膜810は除去しても、しなくても良い。
【0034】
図8(a)〜図10(j)の工程断面図に示す本発明の半導体基板の製造方法は2枚の単結晶シリコン基板を張り合わせるいわゆる張り合わせ法と呼ばれる方法を用いたものである。
図8(a)〜図10(j)に示す本発明の実施例は、一つの代表的な例であって、必ずしもこのとおりでなくとも良い。
【0035】
即ち、図8(a)においてシリコン酸化膜82は必ずしも必要ではない。
又図9(f)においては、単結晶シリコン基板81の全面にフォトレジスト87を塗布しているが、この塗布するものは必ずしもフォトレジストに限らず、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、塗布して400℃程度の温度で熱処理して形成したシリコン酸化膜(通称、SOG:SPIN ON GLASS)、あるいはポリイミド等の絶縁膜であっても構わない。何らかの絶縁膜を塗布して、その絶縁膜表面を平坦にし、しかもシリコン酸化膜86とほぼ等しいエッチング速度が得られるエッチング条件を得ることにより、この後に続くエッチングにより、単結晶シリコン基板の表面を図9(g)に示すように平坦に形成することができる。
【0036】
図11(a)〜(d)、図12(e)〜(g)及び図13(h)〜(i)の工程断面図を用いて、本発明の半導体基板を形成するための製造方法の他の実施例を説明する。
図11(a)において、1101は単結晶シリコン基板、1102は単結晶シリコン基板1101の上に塗布したフォトレジスト膜を示す。
【0037】
図11(b)において、フォトリソ工程により、フォトレジストの所望の位置に窓1103を開ける。この窓1103の下に、最終工程において、シリコン酸化膜が埋め込まれる。1104はフォトリソ工程により残ったフォトレジストである。
【0038】
図11(c)において、フォトレジスト膜の窓を開けた箇所の単結晶シリコンを所望の深さだけドライエッチング等によりエッチングする。1105は単結晶シリコンエッチングされた凹部である。残っていたフォトレジスト1104は除去される。
【0039】
図11(d)において、熱酸化することにより、厚み数千Å〜数μmのシリコン酸化膜1106を形成する。
図12(e)において、シリコン酸化膜1106の上全面にフォトレジスト膜1107を塗布する。
【0040】
図12(f)において、図11(c)において所望の深さだけエッチングされた箇所の単結晶シリコンの底面1108の上のシリコン酸化膜が現れるまで、フォトレジスト膜1107をドライエッチング等により全面エッチング(通常エッチバックと呼ばれる)する。その結果、単結晶シリコン基板1101の表面の所望の位置の複数箇所にシリコン酸化膜1109が形成される。
【0041】
ここで、図11(a)〜図12(f)の工程において用いた単結晶シリコン基板をA基板とする。
図12(g)において、新たな単結晶シリコン基板(B基板とする)1110を用意する。
【0042】
図13(h)において、1100〜1200℃の高温酸素雰囲気中でA基板とB基板をシリコン酸化膜1109を内側にして張り合わせる。A基板とB基板の周囲にシリコン酸化膜1111が形成される。
図13(i)において、シリコン酸化膜1109の上に残す単結晶シリコンを所望の厚みだけ残すように、A基板側の単結晶シリコンを研磨及びポリシングする。、その結果、シリコン酸化膜1109が単結晶シリコン基板1112中に埋め込まれ、かつシリコン酸化膜1109の上に薄い単結晶シリコン層1113がシリコン基板中の所望の複数箇所に形成されている図1(b)に示すような本発明の単結晶シリコン基板ができあがる。単結晶シリコン基板1112の周囲に形成されたシリコン酸化膜1111は除去しても、しなくても良い。
【0043】
図11(a)〜図12(i)の工程断面図に示す本発明の半導体基板の製造方法は2枚の単結晶シリコン基板を張り合わせるいわゆる張り合わせ法と呼ばれる方法を用いたものである。
図11(a)〜図12(i)に示す本発明の実施例は、一つの代表的な例であって、必ずしもこのとおりでなくとも良い。
【0044】
即ち、図11(d)において、単結晶シリコン基板を熱酸化することにより形成されたシリコン酸化膜1106は必ずしもシリコン酸化膜である必要はない。このシリコン酸化膜の変わりに、シリコン窒化膜を堆積しても良い。この場合、図13(i)における1109はシリコン窒化膜になる。
【0045】
又、図12(e)においては、単結晶シリコン基板1101の全面にフォトレジスト膜1107を堆積しているが、1107は必ずしもフォトレジスト膜に限らず、化学気相成長させたシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、塗布して400℃程度の温度で熱処理して形成したシリコン酸化膜(通称、SOG:SPIN ON GLASS)、あるいはポリイミド等の絶縁膜であっても良い。何らかの絶縁膜をシリコン基板の表面に形成して、その絶縁膜表面を平坦にし、しかもシリコン酸化膜1106とほぼ等しいエッチング速度が得られるエッチング条件を得ることにより、この後に続くエッチングにより、単結晶シリコン基板の表面を図12(f)に示すように平坦に形成することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の半導体基板は、その上に集積回路を形成した場合、絶縁膜が形成されていない領域の単結晶シリコン上に形成された集積回路で発生した熱は勿論のこと、集積回路の下に広がる熱伝導性の良い単結晶シリコンに放散され、又、絶縁膜上の単結晶シリコン層に形成された集積回路で発生した熱は、絶縁膜の端部まで伝わった後、絶縁膜が形成されていない領域の厚い単結晶シリコン中に放散され、熱の上昇により生じる集積回路の信頼性の低下も起こらず、良好な特性を保持する。
【0047】
又、一部の領域に絶縁膜が埋め込まれた半導体基板の本発明の製造方法においては、イオン注入法あるいは張り合わせ法で作製するどちらの方法においても、表面が平坦な半導体基板の得られる優れた利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の半導体基板の平面図、(b)は本発明の半導体基板の断面図である。
【図2】SOIウェハの構造断面図である。
【図3】本発明の半導体基板を利用して形成した半導体装置の構造断面図である。
【図4】N型MISトランジスタの構造断面図である。
【図5】本発明の半導体基板を利用して形成した半導体装置の構造断面図である。
【図6】(a)〜(d)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図7】(a)〜(d)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図9】(e)〜(g)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図10】(h)〜(j)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図11】(a)〜(d)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図12】(e)〜(g)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【図13】(h)〜(i)は本発明の半導体基板の製造方法を示す工程順断面図である。
【符号の説明】
11、31、61、81 単結晶シリコン基板
22 シリコン酸化膜BOX
12、32、65、88 埋め込み絶縁膜
64、76 酸素イオン
87、1107 フォトレジスト
13、33、66、1113 絶縁膜上の薄い単結晶シリコン層
Claims (1)
- 平面的に局所的な領域に、且つ表面から離れて埋め込まれたシリコン酸化膜が形成された半導体基板と、
埋め込まれた前記シリコン酸化膜上の前記半導体基板表面領域に形成された動作の高速性が要求される第1の回路と、
前記第1の回路と電気的に接続され、前記シリコン酸化膜が埋め込まれていない前記半導体基板表面領域に形成された第2の回路と、
前記シリコン酸化膜の裏面側と前記半導体基板裏面との間の半導体基板部分が除去され、前記シリコン酸化膜の裏面の一部が露出されており、
前記シリコン酸化膜上の前記半導体基板表面領域に形成された前記第1の回路で発生した熱は、前記シリコン酸化膜の端部まで伝わった後、前記シリコン酸化膜が形成されていない領域の半導体基板中に放散されることを特徴とする集積回路。
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