JP3571509B2 - 根太支持金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の床組において、鋼製の大引に根太を繋止して支持するための根太支持金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の床組構造が大引や根太等の軸材を主体にしたものとなる場合、強度や耐久性の確保のため、大引が鋼製とされ、その上に木製あるいは鋼製の根太が載架される。この鋼製の大引にはH形鋼がよく用いられるが、大引と根太との繋止方法は、従来、以下のようであった。
【0003】
すなわち、根太を直接大引にビス止めするか、あるいは、大引と根太の双方にあらかじめビス通孔を加工して両者をボルト接合するものであった。
【0004】
また、大引の上フランジの上面の所定位置に、根太を接合するための補助部材をあらかじめ固定し、これに根太を添置して接合することもあった。この補助部材は平板、または山形鋼の切片のような断面L字形のものがよく用いられ、またその固定方法は溶接またはボルト接合によるのが一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、直接ビス止めする方法では、タッピングビス等を用いる必要があり、また根太の高さが大きい場合には軸の長いビスを用いる必要があった。ボルト接合や補助部材を用いる方法では、あらかじめ、大引、根太または補助部材に対して、穴あけや溶接など何らかの加工を施しておくことも必要であった。そして、根太や補助部材を固定する際の位置決めに正確を要し、施工性も良くなかった。さらに、大引に穴あけを行なう場合には、部材強度を損なうおそれもあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記のような不利、不便を改善すべく、鋼製の大引の上に根太を繋止して支持するための施工性のよい金具を提供することにある。また、床組の部材の伸縮や変形によって部材の接合部に隙間が生じると、床面が荷重や振動をうけて接合部が擦れたり軋んだりするときに、いわゆる床鳴りを生じることが多い。床鳴りは、特に、軸材や板材に伸縮の大きい木材が用いられている場合や、部材や部品の接合部に金属同士の接触面が設けられている場合に生じやすい。
そこで、本発明の第二の目的は、上記の根太支持金具を使用する際の床鳴りを低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る根太支持金具は、フランジ付の鋼製大引の上に根太を繋止して支持するための金具であって、根太があてがわれる根太受けと、この根太受けを大引の上フランジに取り付けるためのクリップとを備え、根太受けは、短冊形の板体が断面L字形に折曲されて起立部および底部となされ、この起立部には根太を固定するためのビス通孔が設けられてなる一方、クリップは、上記根太受けよりも薄くて弾性を有する根太受けとは別体の板体からなり、基板部が根太受けの底部の上面に固着され、この基板部から根太受けの側方に延出した弾性を有する板体が根太受けの下側に折り返されてクリップ片部となされ、このクリップ片部は根太受けに接近するように形成されるとともにその先端部を下向きに反曲されてなるものであって、このクリップが、大引の上フランジを側方から挟み込むことができるようになされたことを特徴としている。
【0008】
また上記第二の目的を達成するため、根太支持金具の上記根太受けは、起立部の底部側の面に、該起立部とほぼ同じ大きさの第一の緩衝材が貼付されるとともに、起立部のビス通孔には内側にパッキンが嵌入される一方、上記クリップの上面には、根太受けの底部とほぼ同じ大きさの第二の緩衝材が貼付されてなることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る根太支持金具1の構成と形状を示し、図2および図3は、根太支持金具1の使用状態を示している。
【0011】
ここでは、H形鋼による大引2の上に、根太支持金具1が取り付けられ、その上に木製の根太3があてがわれて繋止されている。
【0012】
この根太支持金具1は、根太3があてがわれる根太受け4と、この根太受け4を大引2の上フランジ21に取り付けるためのクリップ5とを備えている。
【0013】
根太受け4は、短冊形の金属製の板体が断面L字形に折曲されたもので、折曲線を境に起立部41および底部42となされている。起立部41には、中心軸上の上下二カ所にビス通孔410、410が設けられ、この起立部41に根太3をあてがい、ビス61等を根太3に螺着して固定することができるようになされている。そして、このビス通孔410の内側には、ビス通孔410の内径と同程度の外径を有する円筒形のパッキン70が嵌入され、ビス61と起立部41との接触が緩衝されるようになされている。また、起立部41の、底部42側に向いた側面には、起立部41とほぼ同じ大きさの平板状になされた第一の緩衝材71が貼付されている。
【0014】
一方、クリップ5は、根太受け4よりもやや薄くて弾性を有する別の板体が加工されたものである。クリップ5は、根太受け4の底部42の上面に、基板部51を後述の第二の緩衝材72とともに重ねられて二本のリベット62、62で鋲着されている。そして、基板部51から根太受け4の側方、すなわち根太受け4の折曲線方向の一方に延出された部分が、根太受け4の下側に折り返されてクリップ片部52となされている。このクリップ片部52の先端側は、根太受け4の底部42に接近するように形成されるとともに、板幅がやや小さくなされ、その先端部53は下向きに反曲されて大引2のフランジ21を挟みやすくなされている。
【0015】
ただし、このクリップ片部52と根太受け4の底部42の下面との最小間隔cは、図3(b)に示すように、大引2のフランジ21の厚みdよりも若干狭くなされている。また、クリップ片部52の長さgは、大引2のフランジ21の片側下面の幅fよりも若干短くなされている。
【0016】
そして、根太受け4の底部42とクリップ5の基板部51とが重ねられた部分の上面には、底部42とほぼ同じ大きさの平板状になされた第二の緩衝材72が貼付されている。
【0017】
この根太支持金具1を使用した床組の構造とその施工方法について、図4を参照して説明する。
【0018】
まず、複数の基礎81の間の所定位置に、H形鋼を用いた鋼製大引2が配置される。この大引2の両端には、軸方向と直角に断面全体を含む略長方形のエンドプレート23が接合されている。そして、両端のエンドプレート23の外側には、断面L字形の係止部材24が接合されている。この係止部材24は、エンドプレート23に接した垂下部25と、垂下部25に直交し軸方向の外向きに突設した水平部26とを備えている。この水平部26が基礎81の上に係止されることにより大引2が複数の基礎81の間に載架される。水平部26にはボルト通孔27が二ヶ所ずつ設けられており、基礎81に配置されたアンカーボルト82がこのボルト通孔27に挿通されるようにして大引2の位置が定められる。そして、大引2の上には土台83が重ねられて、アンカーボルト82により一体で固定されている。
【0019】
大引の上フランジ21の上面には、根太3を載架する位置が印され、これに合わせて、必要な個数の根太支持金具1が大引2に取り付けられる。この取り付けは、大引2の上フランジ21をクリップ5の先端部53でくわえるように根太支持金具1をあてがい、クリップ5の背側をハンマー等で叩きながら上フランジ21に打ち込めばよい。根太支持金具1の位置や角度が多少ずれた場合でも、軽く叩きながら修正することが可能である。向きと位置を揃えて配置された根太支持金具1の上に、根太3が載架され、根太受けの起立部41に添置される。このときに、さらに根太支持金具1の位置を微調整することもできる。そして、起立部41の反対側からビスで螺着されることにより、根太3が大引2の上に固定される。そして、この根太3の上に床面材9が敷設されている。
【0020】
このような構造および施工方法によれば、大引2や根太3に対して事前に特別な加工をしなくとも、簡単に、効率よく床組工事を行なうことができる。大引2と根太3の相互の位置調整も、この根太支持金具1を用ることにより容易になる。また、根太3は、木製であっても鋼製であってもよい。
【0021】
次いで、緩衝材およびパッキンの作用について、図1および図3を参照して説明する。
【0022】
この根太支持金具1と根太3との接触部分、すなわち起立部41の側面およびクリップ5の上面には、緩衝材71、72が貼付されている。また、根太3を螺着するビス通孔410にもパッキン70が嵌入され、ビス61と根太支持金具1との接触が緩衝されている。これにより、木製の根太3の収縮等による多少の寸法変化はパッキン70や緩衝材71、72の弾性変形で吸収される。また、根太3と根太支持金具1の金属部分とが直接に接触しないようになされているため、床面にかかる荷重や振動も、根太3から大引2に伝わる間に根太支持金具1によって吸収される。その結果、部材の接合部の摩擦や軋みから生じる床鳴りを抑えることが可能になる。
これらのパッキン70および緩衝材71、72に用いられる素材には、耐候性、耐老化性、難燃性、加工性、経済性等に優れる合成高分子材料が望ましい。具体的には、合成ゴム系素材、例えば、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴムなどが適当である。
【0023】
なお、上記の実施の形態では、根太受け4をL字形の断面の開放側から見たときに、底部42の向かって左側にクリップ5が延出した形態となされている。しかし、クリップ5は、図4(a)のように、向かって右側に延出してもよい。右タイプと左タイプの両方が用意されれば一層便利で、部材の形状や使用部位にあわせて使い分けることも可能になる。また、起立部41の高さについても、図4(b)のように、根太3の大きさに対応した異なるタイプの物が複数用意されれば便利である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明の根太支持金具によれば、クリップで大引の上フランジを挟むだけで根太支持金具を大引に取り付けることができる。クリップのクリップ片部は、弾性を有する板体が根太受けの下側に折り返され、さらにその先端部が下向きに反曲されているので、軽く叩くだけで簡単に大引のフランジを挟み込むことができる。そのため、大引に対して事前に特別な加工を施さなくとも、大引の任意の位置に、容易にかつ効率よく根太支持金具を配置し、取り付けることが可能になる。その結果、床組工事の施工性が向上する。
【0025】
また、請求項2の発明の根太支持金具によれば、根太支持金具と根太との接触面に緩衝材が貼付され、かつ、根太を螺着するためのビス通孔にもパッキンが嵌入されている。そのため、部材の多少の寸法変化は緩衝材やパッキンによって吸収されるとともに、床面にかかる荷重や振動が緩衝され、部材の接合部の摩擦や軋みから生じる床鳴りを抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る根太支持金具の構成と形状を示す斜視図である。
【図2】根太支持金具の使用状態を示す斜視図である。
【図3】根太支持金具の使用状態を示す側面図で、(a)図は根太方向から見た図、(b)図は大引方向から見た図である。
【図4】根太支持金具を使用した床組の構造を示す斜視図である。
【図5】根太支持金具の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 根太支持金具
2 大引
21 上フランジ
3 根太
4 根太受け
41 起立部
410 ビス通孔
42 底部
5 クリップ
51 基板部
52 クリップ片部
53 先端部
61 ビス
70 パッキン
71 第一の緩衝材
72 第二の緩衝材
Claims (2)
- フランジ付の鋼製大引の上に根太を繋止して支持するための金具であって、根太があてがわれる根太受けと、この根太受けを大引の上フランジに取り付けるためのクリップとを備え、根太受けは、短冊形の板体が断面L字形に折曲されて起立部および底部となされ、この起立部には根太を固定するためのビス通孔が設けられてなる一方、
クリップは、上記根太受けよりも薄くて弾性を有する根太受けとは別体の板体からなり、基板部が根太受けの底部の上面に固着され、この基板部から根太受けの側方に延出した弾性を有する板体が根太受けの下側に折り返されてクリップ片部となされ、このクリップ片部は根太受けに接近するように形成されるとともにその先端部を下向きに反曲されてなるものであって、このクリップが、大引の上フランジを側方から挟み込むことができるようになされたことを特徴とする根太支持金具。 - 上記根太受けは、起立部の底部側の面に、該起立部とほぼ同じ大きさの第一の緩衝材が貼付されるとともに、起立部のビス通孔には内側にパッキンが嵌入される一方、上記クリップの上面には、根太受けの底部とほぼ同じ大きさの第二の緩衝材が貼付されてなることを特徴とする、請求項1に記載の根太支持金具。
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