JP3571257B2 - 多段シリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段シリンダ、特にエレベータ等の昇降に使用される多段シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−330762号
上記従来技術には、シリンダ孔が形成される第1 シリンダと、この第1 シリンダのシリンダ孔内に摺動可能に挿入される第1 ピストンと、この第1 ピストンに連結され第1 シリンダに対して出入可能であり内部にシリンダ孔が形成される第2 シリンダと、この第2 シリンダ外周と第1 シリンダのシリンダ孔と前記第1 ピストンとにより区画される加圧室と、第2 シリンダのシリンダ孔内を摺動可能であり加圧室からの圧液を受けて第2 シリンダに対して出入する第2 ピストンとを備えた多段シリンダが示されている。
【0003】
一般にこのような多段シリンダを伸長させる場合、タンクに蓄えられた作動液をポンプにより加圧し、加圧された作動液を流量制御弁等で調整してシリンダに供給することによりシリンダを所望の速度にて伸長させ、収縮させる場合には、ポンプを停止し、シリンダから排出された作動液を流量制御弁等で調整してタンクに戻すことで所望の速度で収縮させるようにしている。従って、従来の多段シリンダでは、シリンダを設置する場合に、シリンダのほかにタンク、ポンプ、制御弁等が必要となり、シリンダ軸直角方向の設置スペースが大きくなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シリンダを設置する際に、軸直角方向の設置スペースを小さくすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の手段は、シリンダ孔が形成される第1シリンダと、この第1シリンダのシリンダ孔内に摺動可能に挿入される第1ピストンと、この第1ピストンに連設され前記第1シリンダに対して出入可能であり内部にシリンダ孔が形成される第2シリンダと、この第2シリンダ外周と前記第1シリンダのシリンダ孔と前記第1ピストンとにより区画される加圧室と、前記第2シリンダのシリンダ孔内を摺動可能であり前記加圧室からの圧液を受けて前記第2シリンダに対して出入する第2ピストンとを備えた多段シリンダにおいて、前記第1ピストンを機械的駆動装置により駆動するようにして、前記駆動装置を駆動源とこの駆動源により駆動させられる被駆動部とで構成し、この被駆動部を前記第1ピストン内に配置したことを特徴とする(請求項1)
【0006】
短縮状態にある多段シリンダの第1ピストンを駆動して第2シリンダを第1シリンダから出る方向に移動させると、これによって加圧室内の作動液が加圧されてその液圧により第2ピストンが第2シリンダから出る方向に移動して伸長状態となる。また、この伸長状態から第1ピストンを前記と逆の方向に駆動すると、加圧室内の作動液が減圧されてその液圧により第2ピストンが第2シリンダ内に入る方向に移動して短縮状態となる。この第1ピストンの駆動を機械的駆動装置により行うから、通常のシリンダ装置のようにポンプやタンクを用いた液圧ユニットを必要とせず、また制御弁や配管を必要としない。その分多段シリンダの設置スペースが小さくなる。被駆動部を第1ピストン内に配置した構成は、軸方向の短縮を図れる。
【0007】
前記第1シリンダと前記第2シリンダと前記駆動装置とをほぼ同一線上に配置した構成とするのがよい(請求項2)。この構成では軸直角方向のスペースを小さくできる。
【0009】
前記駆動源を電動機とこの電動機により回転駆動されるねじ軸とし、前記被駆動部を前記ねじ軸に螺合するとともに第1ピストンに固定されるナットとした構成とするのがよい(請求項)。この構成では電動機を制御することによりナットの停止を高精度で制御できるので、位置制御の精度が良く、また第1ピストンの駆動作用が連続的になるから、伸縮作動の際の作動音が小さい。
【0010】
前記ナットがボールナットである構成とするのがよい(請求項)。この構成では作動がより円滑となり、作動音もより小さくなる。
【0011】
前記第2シリンダが前記第1シリンダに引き込まれた状態で前記ねじ軸を前記第2シリンダ内に位置するように配置した構成とするのがよい(請求項)。この構成では多段シリンダの軸方向の短縮化を図れる。
【0012】
前記第2シリンダ内には、前記加圧室からの圧液が導入される液圧室が区画され、前記ねじ軸の周囲には前記第1ピストンに固定され前記ねじ軸を前記液圧室から液密に分離する筒状部材が設けられる構成とするのがよい(請求項)。この構成ではねじ軸とナットの接触により発生する磨耗粉が液圧室内に侵入せず、各部材間のシール部材を損傷することがない。
【0013】
前記ねじ軸の先端部が前記筒状部材内周で径方向に支持される構成とするのがよい(請求項)。この構成ではねじ軸の振れを抑制して許容回転数を高めることができるとともに、ねじ軸の径を細くすることができ、シリンダ全体の径も細くすることができる。
【0014】
前記ねじ軸先端部と前記筒状部材内周との間にはベアリングが介在する構成とするのがよい(請求項)。この構成では、ねじ軸を円滑に回転させることができ、異音を発生することがない。
【0015】
前記第2シリンダが前記第1シリンダに対して廻り止めがなされる構成とするのがよい(請求項)。この構成ではねじ軸の回転により第2シリンダが共廻りせず、ねじ軸の回転に応じた第1ピストンの駆動が行える。
【0016】
前記廻り止めが前記第1シリンダの外部でなされる構成とするのがよい(請求項10)。この構成ではシリンダ全体が大型化しない。
【0017】
前記第2シリンダには前記加圧室と前記液圧室とを連絡する連通路が形成され、この連通路の通路面積を前記第1ピストンの駆動時に前記加圧室と前記液圧室との液圧がほほ同圧となるような大きさとした構成とするのがよい(請求項11)。この構成では両室間の作動液の流れが円滑となり、第1ピストンの駆動に対する第2ピストンの追従性が向上する。
【0018】
多段シリンダは軸方向を上下方向として取り付けられるものであり、前記第1ピストンの前記加圧室に臨む上端に環状溝を形成した構成とするのがよい(請求項12)。この構成ではシリンダ内に混入した異物をこの環状溝に沈殿させることにより、シール部材の損傷を防止できる。
【0019】
前記第1シリンダの上端に環状凹所を形成した構成とするのがよい(請求項13)。この構成では第1シリンダと第2シリンダの間から作動液がしみ出てもこの環状凹所で受け取ることにより、シリンダの周辺を汚すことがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1〜図5を用いて説明する。この多段シリンダ10は、第1シリンダ1、第1シリンダ1内に挿入された第1ピストン2、第1ピストンと一体に結合されている第2シリンダ3、加圧室4、第2シリンダ3内に挿入された第2ピストン5、第1ピストン2を駆動する機械的な駆動装置6等からなる。多段シリンダ10の構成を図1に断面図で示すが、軸線を上下方向にした状態で上部を図1(a)に、下部を図1(b)に、その上部と下部の間に同じ断面形状で現れる途中部分を幾らか省略して示してある。
【0021】
第1シリンダ1は、最も外側に位置する大きい直径のシリンダで、シリンダチューブの下端に、その内孔で形成されるシリンダ孔の下端を閉じるようにベアリングケース11を設け、内部にベアリング12を設置してこの部分を貫通するねじ軸13の下端部を軸受している。ねじ軸13は、駆動装置6の一部分であり、上方に伸延して終端しており、下端部はベアリングケース11よりも少し突出して回転駆動部40を結合されるようにキー溝14を設けてある。また、ベアリングケース11にはベアリングケース11の上側の第1シリンダ1内の空間と外部とを連通する息抜き穴15を穿設してある。第1シリンダ1のシリンダチューブは上方へ伸延し、上端に後述する第2シリンダ3が挿通される内孔を有するシリンダチューブカバー16を設けてある。このシリンダチューブカバー16には、上面に環状凹所17を設け、外周面の適所から第1シリンダ1内に連通した液補給孔18、及び空気抜き穴19を穿設してある。この環状凹所17は、動作液体が少量漏れだした場合の溜まりであり、これにパイプを接続して適所に誘導できるようにして用いる。液補給孔18はシリンダ内の動作液体、例えば油、又は水等が少しずつ漏れて減少した場合に補給するためのものであり、空気抜き穴19はシリンダ内の空気を排出できるように設けたもので、いずれも開閉用のねじ栓を設けてある。
【0022】
第1ピストン2は、短筒状に形成され、第1シリンダ1内に摺動可能に挿入され、内部に前記ねじ軸13のねじ部に螺合したボールナット21を設けてあり、上端に第1ピストン2の外径よりも小さい外径の第2シリンダ3の下端を結合されている。その結合部の外方の第1ピストン2の上端面に環状溝22を設けてある。この環状溝22は金属粉等を沈殿させる部分であり、これに金属粉を沈殿させることにより金属粉が摺動面に侵入してシール材やシリンダ内面に損傷を与える機会を減少させるものである。なお、この環状溝22の底部に磁石を配置することにより、金属粉を吸着させることもできる。ボールナット21は、ねじ軸13の回転を軸方向の推力に変換するもので、回転しないようにキー23を介して第1ピストン2に固定されている。その第1ピストン2は後述する第2シリンダ3が回り止めされることによって回転しないようになっている。
【0023】
第2シリンダ3は、第1ピストン2が下降端位置にある図示の状態で第1ピストン2から上方に伸延した端部が第1シリンダ1のシリンダチューブカバー16を摺動自在に貫通して出る上側位置に達しており、上端にロッドカバー24を設けられている。このロッドカバー24には、外周に切り欠き状部分を設けて回り止め部25としてあり、この他にシリンダチューブカバー16のものと同様な空気抜き穴26、環状溝27を設けてある。
【0024】
加圧室4は、第2シリンダ3の外周と、第1シリンダ1のシリンダ孔と、第1ピストン2とにより区画された空間である。この加圧室4は、第1ピストン2と第2シリンダ3との結合部に穿設された連通路28によって第2シリンダ3の内側に形成される液圧室29と連通している。連通路28の通路断面積は大きな絞り作用のない大きい断面積に形成されている。これによって第1ピストン2の駆動時に加圧室4と液圧室29とが同圧となる。
【0025】
第2ピストン5は、第2シリンダ3のシリンダ孔にそのロッドカバー24を通って上端から出入り可能に設けられた長い円筒状のピストンで、上端が閉じ部材30で閉鎖され、下端が開放されている。閉じ部材30には駆動される被駆動部、例えばホームエレベータの駕籠、を取り付けるための取付け部31を設けるとともに、空気抜き穴32を設けてねじ栓で封鎖してある。図中33は取り付けボルト用のねじ穴である。この第2ピストン5の内孔には小間隙を介して筒状部材34が位置している。筒状部材34は、前記ねじ軸13を第2シリンダ3内の液圧室29から区画するもので、ねじ軸13の外径よりもやや大きい内径であり、連通路28の開口している内側位置で下端を第1ピストン2に結合してあり、上端はねじ軸13の上端よりも上側に達して閉鎖部材35で閉鎖され、内部を軸方向に摺動可能な構成のベアリング36を介してねじ軸13の上端部を回転自在に支持している。従って、前記液圧室29は、第2シリンダ3の内周面と、第2シリンダ3内の第1ピストン2の上端面と、筒状部材34の外面と、第2ピストン5の内面とで形成される。ベアリング36にはその上下の空間を連通するための通路が形成されており、筒状部材34内をベアリング36が軸方向に円滑に摺動するようにしている。なお、互いに連通している前記加圧室4及び液圧室29には多段シリンダ10が所定の短縮した状態で作動液が充填され、空気抜きを行って封鎖される。また、摺動部において作動液のシールが必要な部分、すなわち、第1シリンダ1の内孔に対する第1ピストン2の外周面、第2シリンダ3の外周に対するシリンダチューブカバー16の内孔、第2ピストン5の外周に対するロッドカバー24の内孔には、シール部材を設けてあり、そのシール構造については周知のシール技術を適用したから、説明を省略する。
【0026】
駆動装置6は、前記第1ピストン2を機械的に昇降駆動するもので、被駆動部としての前記ボールナット21、及び駆動源としての前記ねじ軸13と回転駆動部40で構成されている。駆動源にはねじ軸13を支持する前記ベアリングケース11及びベアリング12、ねじ軸下端のキー溝14を有する連結部を設けてあり、この連結部に回転駆動部40が連結されている。回転駆動部40は、例えば、ブレーキ付き電動機42で構成してあり、図2、図3に示すように、減速機41、カプリング43を介してねじ軸13の下端の連結部に連結されている。
【0027】
この多段シリンダ10の好ましい適用例の一つは、例えば図3に示すように、ホームエレベータの昇降駆動部である。同図において、50はエレベータ駕籠、51は垂直なガイドレール、52は駕籠支持枠である。多段シリンダ10は、ガイドレール51に沿うようにガイドレール51の下部に第1シリンダ1を固定金具60とバンド61により固定支持されている。すなわち、図3〜図5に示すように、固定金具60は、両側のガイドレール51、51に跨がる長さの横長の部材で第1シリンダ1の上下2箇所に対応して設けられ、その両端をガイドレール51、51に固定してあり、中間部に第1シリンダ1の外周部分が当接する位置決め用の凹部62を設けてある。この上下2箇所の凹部62に第1シリンダ1の外周を当接させ、バンド61、61により締付固定してあり、この構成によりガイドレール51、51と第1シリンダ1が平行し、従って、多段シリンダ10とガイドレール51、51との平行を容易に設定することができる。多段シリンダ10とガイドレール51、51とを平行に設定することにより、駕籠50を昇降させても多段シリンダ10に偏荷重が作用しない。
【0028】
駕籠支持枠52は駕籠50を支持した状態で、上端部を多段シリンダ10の上端である第2ピストン5の上端の取付け部31に取り付けられている。また、支持枠52はガイドレール51に当接して案内される幾つかのローラ53を設けられ、多段シリンダ10の伸縮動作に従って支持枠52が駕籠50とともに昇降するようになっている。また、ロッドカバー24の回り止め部25には、横方向に長い回り止め部材54を設け、その両端にローラ55、55設けてあり、ローラ55は第2シリンダ3の昇降に従ってガイドレール51の案内面い沿って転動はするが、第2シリンダ3の軸線の回りの回転を拘束する、回り止め作用をする。この他にエレベータ駕籠50の停止位置等を制御するリミットスイッチ等が設けられているが説明を省略する。なお、図3における56は設置基盤であり、ガイドレール51の下端部が固定されている。57は1階の床面である。
【0029】
この多段シリンダ10の伸縮動作を図2を用いて説明する。図2(a)は短縮状態、(b)は途中の状態、(c)は伸長した状態である。図2(a)の短縮状態から伸長させる場合、回転駆動部40によりねじ軸13を所定の方向に回転させると、ボールナット21が、第1ピストン2、第2シリンダ3、回り止め部25、回り止め部材54、ガイドレール51等により回転を拘束されているから、上昇駆動されて第1ピストン2と共に第2シリンダ3も上昇する。第1ピストン2の上昇は加圧室4の容積を減少させていくから、加圧室4内の動作液は連通路28を通って液圧室に流入し、第2ピストン5を上昇させる。従って、多段シリンダ10は、図3(b)の状態を経て、図3(c)の伸長状態になり、この状態で回転駆動部40の回転を止めると、この伸長状態に停止する。また、この伸長状態から短縮状態とするときは、回転駆動部40によりねじ軸13を前記とは逆の方向に回転させればよい。なお、前記伸縮動作の途中で停止させたいときは、回転駆動部40の回転を停止させればよい。
【0030】
この多段シリンダ10は、第1ピストン1を機械的駆動装置6で駆動することにより伸縮動作するから、タンク、ポンプ、制御弁、配管等が不要である。従って設置スペースが、従来のポンプ・タンクユニット等を別に必要とするものに比べて非常に小さくなる。また、配管がないから、シリンダに負荷が作用した場合の配管の膨張による影響がない。すなわち、配管の膨張分の作動液がシリンダに不足してシリンダが収縮するようなことがない。更に、作動液を使用するが、絞りや制御弁等がないから、作動液の粘性の影響を受けにくく、安定した作動状態が得られる。また、駆動装置6は多段シリンダ10と同一軸線上にあるから、軸直角方向の設置スペースが小さくて良い。このことは、前記ポンプ・タンクユニットを必要としないことも合わせて、ホームエレベータ用として優れている。また、駆動装置6の部分である被駆動部のボールナット21を第1ピストン2内に配置した構成は、多段シリンダの全長を短縮できる効果がある。また、第1ピストン2を駆動する機械的駆動装置6に、ねじ軸とナットを用いた構成で、ねじ軸を電動機で駆動する構成であるから、伸縮の位置制御が容易であり、しかも作動音も小さい。この点でもホームエレベータ用に適している。ねじ軸とナットとは、特にボールねじである必要はないが、ボールねじを採用することにより、ねじ軸13の回転を軸方向推力に変換する際の摩擦抵抗が小さいから、作動が円滑となり作動音も低減し、消費電力も少なく、電動機を小型化できる。
【0031】
また、ねじ軸13を液圧室29と分離する筒状部材34を設けた構成は、ねじ軸とナットの接触により発生する摩耗粉が作動液に混入せず、各部材間のシール部材を損傷する原因を作らない。また、ねじ軸13の先端部を筒状部材34内に径方向で支持したので、ねじ軸13の振れが少なく、許容回転数を高めることができると共に、ねじ軸13の径を細くすることができるので、シリンダ全体の径を細くすることができる。そしてこの半径方向の支持にベアリングを用いたことにより、ねじ軸13が円滑に回転して異音を発生することがない。また、ボールナット21はねじ軸13の回転により推力を受けるとき共回りしないように回り止めを必要とするが、この回り止めを第1シリンダ1に対して設けないで、外部部材に対して、例えば、ホームエレベータに適用したときのガイドレール51に対して係合するように設けたので、第1シリンダの大型化、複雑化を免れることができる。
【0032】
前述した実施の形態をホームエレベータに適用した図3に示す例において、駆動装置6の回転駆動部40の構成は、図6にホームエレベータに適用した他の実施の形態として示すように、減速機にウオーム型減速機63を用いた構成としてもよい。図6において、64は水平軸型のモータであり、この他の部分は略図3に示したものと同じであるから、同等部分を同一図面符号で示して説明を省略する。この構成ではモータ64の取付け状態が、前述した図3に示すものではシリンダ部と同軸となっているのに対して、シリンダ部の軸線に直交する平面を通るモータ軸線がシリンダ部の軸線と食い違った位置関係になっている。このモータ64の取付け状態でも、モータ取付け位置は、デッドスペースとなるエレベータ駕籠50の最下降位置の下側に位置させることにより、スペース的な問題は生じない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、第1ピストンを機械的駆動装置により駆動することにより、タンク、ポンプ、制御弁が不要になり、設置スペースを小さくすることができる。また、これらの機器を接続する配管が不要となり、シリンダに負荷が作用した場合の配管の膨張によるシリンダの収縮がなくなる。更に、第1ピストンを機械的に駆動することで、作動液の粘性に関わらず安定した作動が得られる効果を奏する。また、被駆動部を第1ピストン内に配置したので、軸方向の短縮化を図れる効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、第1シリンダ、第2シリンダ、駆動装置をほぼ同一直線上に配置したので、軸直角方向の設置スペースが小さくなる効果を奏する。請求項に記載の発明は、駆動源を電動機とこの電動機により回転駆動されるねじ軸とし、被駆動部をねじ軸に螺号するナットとしたので、位置制御の精度が向上すると共に、第1ピストンの駆動作用が連続的となり、シリンダが伸縮する際の作動音が小さくなる効果を奏する。
請求項に記載の発明は、ナットをボールねじとしたので、作動が円滑となり、作動音も小さくなる効果を奏する。
請求項に記載の発明は、第2シリンダが第1シリンダに引き込まれた状態で、ねじ軸を第2シリンダ内に位置するようにしたので、シリンダ軸方向の短縮化を図れる効果を奏する。
請求項に記載の発明は、ねじ軸を液圧室と分離する筒状部材を設けたので、ねじ軸とナットの接触により発生する摩耗粉が液圧室内に侵入せず、各部材間のシール部材を損傷することがない効果を奏する。
請求項に記載の発明は、ねじ軸先端を筒状部材により径方向で支持したので、ねじ軸の許容回転数を高めることができると共に、ねじ軸の径を細くすることができるので、シリンダ全体の径を細くすることができる効果を奏する。
請求項に記載の発明は、ねじ軸と筒状部材との間にベアリングを介在させたので、ねじ軸を円滑に回転させることができ、異音が発生することがない効果を奏する。
請求項に記載の発明は、第2シリンダが第1シリンダに対して廻り止めがなされるので、ねじ軸の回転により第2シリンダが共廻りせず、ねじ軸の回転に応じた第1ピストンの駆動が行える効果を奏する。
請求項10の発明は、廻り止めが第1シリンダの外部でなされるので、シリンダ全体が大型化しない効果を奏する。
請求項11に記載の発明は、加圧室と液圧室との液圧がほぼ同圧となるように連通路の通路面積を設定したので、両室間の作動液の流れが円滑となり、第1ピストンの駆動に対する第2ピストンの追従性が向上する効果を奏する。
請求項12に記載の発明は、第1ピストンの上端に環状溝を形成したので、シリンダ内に混入した異物をこの環状溝に沈殿させることにより、シール部材の損傷を防止できる効果を奏する。
請求項13に記載の発明は、第1シリンダの上端に環状溝を形成したので、第1シリンダと第2シリンダとの間から作動液が染み出てもこの環状凹所で受けることにより、シリンダの周辺を汚すことがない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し(a)は多段シリンダ上部の縦断面図、(b)は同下部の縦断面図である。
【図2】同実施の形態の動作を説明するための概略図で(a)は短縮状態を示す縦断面図、(b)は伸縮途中の状態を示す縦断面図、(c)は伸長状態を示す縦断面図である。
【図3】同実施の形態の多段シリンダをホームエレベータに適用した構成を示し(a)は背面図、(b)は縦断側面図である。
【図4】図3(a)のA−A断面拡大部分図である。
【図5】図3(a)の異なる状態の拡大部分図である。
【図6】本発明の他の実施の形態をホームエレベータに適用した構成の下部背面図である。
【符号の説明】
1 第1シリンダ
2 第1ピストン
3 第2シリンダ
4 加圧室
5 第2ピストン
6 機械的駆動装置
10 多段シリンダ
11 ベアリングケース
12 ベアリング
13 ねじ軸
14 キー溝
15 息抜き穴
16 シリンダチューブカバー
17 環状凹所
18 液補給孔
19 空気抜き穴
21 ボールナット
22 環状溝
23 キー
24 ロッドカバー
25 回り止め部
26 空気抜き穴
27 環状溝
28 連通路
29 液圧室
30 閉じ部材
31 取付け部
32 空気抜き穴
34 筒状部材
35 閉鎖部材
36 ベアリング
40 回転駆動部
41 減速機
42 電動機
43 カプリング
50 駕籠
51 ガイドレール
52 駕籠支持枠
53 ローラ
54 回り止め部材
55 ローラ
56 設置基盤
57 1階床面
60 固定金具
61 バンド
62 凹部
63 ウオーム型減速機
64 モータ

Claims (13)

  1. シリンダ孔が形成される第1シリンダと、この第1シリンダのシリンダ孔内に摺動可能に挿入される第1ピストンと、この第1ピストンに連設され前記第1シリンダに対して出入可能であり内部にシリンダ孔が形成される第2シリンダと、この第2シリンダ外周と前記第1シリンダのシリンダ孔と前記第1ピストンとにより区画される加圧室と、前記第2シリンダのシリンダ孔内を摺動可能であり前記加圧室からの圧液を受けて前記第2シリンダに対して出入する第2ピストンとを備えた多段シリンダにおいて、前記第1ピストンを機械的駆動装置により駆動するようにして、前記駆動装置を駆動源とこの駆動源により駆動させられる被駆動部とで構成し、この被駆動部を前記第1ピストン内に配置した多段シリンダ。
  2. 前記第1シリンダと前記第2シリンダと前記駆動装置とをほぼ同一線上に配置した請求項1に記載の多段シリンダ。
  3. 前記駆動源を電動機とこの電動機により回転駆動されるねじ軸とし、前記被駆動部を前記ねじ軸に螺合するとともに第1ピストンに固定されるナットとした請求項3記載の多段シリンダ。
  4. 前記ナットがボールナットである請求項4記載の多段シリンダ。
  5. 前記第2シリンダが前記第1シリンダに引き込まれた状態で前記ねじ軸を前記第2シリンダ内に位置するように配置した請求項4記載の多段シリンダ。
  6. 前記第2シリンダ内には、前記加圧室からの圧液が導入される液圧室が区画され、前記ねじ軸の周囲には前記第1ピストンに固定され前記ねじ軸を前記液圧室から液密に分離する筒状部材が設けられる請求項6記載の多段シリンダ。
  7. 前記ねじ軸の先端部が前記筒状部材内周で径方向に支持される請求項7記載の多段シリンダ。
  8. 前記ねじ軸先端部と前記筒状部材内周との間にはベアリングが介在する請求項8記載の多段シリンダ。
  9. 前記第2シリンダが前記第1シリンダに対して廻り止めがなされる請求項4記載の多段シリンダ。
  10. 前記廻り止めが前記第1シリンダの外部でなされる請求項10記載の多段シリンダ。
  11. 前記第2シリンダには前記加圧室と前記液圧室とを連絡する連通路が形成され、この連通路の通路面積を前記第1ピストンの駆動時に前記加圧室と前記液圧室との液圧がほほ同圧となるような大きさとした請求項7に記載の多段シリンダ。
  12. 多段シリンダは軸方向を上下方向として取り付けられるものであり、前記第1ピストンの前記加圧室に臨む上端に環状溝を形成した請求項1記載の多段シリンダ。
  13. 前記第1シリンダの上端に環状凹所を形成した請求項13記載の多段シリンダ。
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