JP3571131B2 - Afc装置 - Google Patents

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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各サブキャリアがQPSK(四相位相変調)されたOFDM(直交周波数分割多重変調)信号を受信するOFDM受信機において、中間周波に変換された前記OFDM信号を直交復調するのに用いる局部中間波の位相と、前記中間周波のOFDM信号との1シンボルにおける平均位相誤差を打ち消すように、前記局部中間波の周波数を制御するAFC(自動周波数制御)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
OFDMはその名前が示す通り、周波数成分が互いに直交関係にある多数のサブキャリアを用いる変調方法であり、各サブキャリアの周波数位置にデータがセットされた周波数領域の信号を高速逆フーリエ変換(Invers Fast Fourier Transform 、以下IFFTと称する)することにより、位相変調された各サブキャリアからなる時間領域の信号であるOFDM信号を得るものである。
【0003】
このOFDM信号においては、各サブキャリアの位相偏移は、そのサブキャリアにセットされたデータを示している。
【0004】
そして上記のOFDM信号を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、以下FFTと称する)することにより、各サブキャリアにセットしたデータを復調することができる。
【0005】
このようなOFDMを採用した通信システムとしては、主に欧州を中心としたデジタル音声放送(Digital Audio Broadcasting、以下DABと称する)が上げられる。
【0006】
DABにおけるOFDMは、各サブキャリアはQPSK(四相位相変調)されている。2bitの符号化データを実数部データおよび虚数部データからなるQPSKデータに変換し、このQPSKデータによって各サブキャリアをQPSKしたものである。
【0007】
図5は従来のAFC装置の概略構成を示すブロック図である。
【0008】
図5において、1は中間波局部発信器(Intermediate Frequency Local Oscillator 、以下IF−LOと称する)、2は移相器、3はミキサ5およびLPF7を有する直交復調回路、4はミキサ6およびLPF8を有する直交復調回路、9および10はA/D変換器、11はFFT装置、15は周波数制御回路である。
【0009】
OFDM受信機は、受信部、図5に示すAFC装置、および符号化データ復調部によって構成され、受信部において、送信されたOFDM信号を受信し、受信した送信周波のOFDM信号をIF−OFDM信号(中間周波のOFDM信号)に変換し、このIF−OFDM信号を利得調整して、図5に示すAFC装置に入力する。
【0010】
図5の直交復調回路3においてIF−OFDM信号とIF−LO1より入力された局部中間波をミキサ5によって乗算し、また直交復調回路4においてIF−OFDM信号と移相器2より入力された局部中間波をミキサ6によって乗算し、各乗算信号から高周波成分をLPF7および8によって除去することにより、IF−OFDM信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号のI信号成分(虚数部信号成分)およびQ信号成分(実数部信号成分)を得る。
【0011】
このI信号成分およびQ信号成分をA/D変換器9および10によってA/D変換し、FFT装置11によってFFTすることにより、QPSKデータがセットされた周波数領域の信号を復調する。
【0012】
しかし無線伝送チャンネルにおいて各キャリアに生じる位相歪み(位相誤差)は、FFT装置11によって復調されたQPSKデータにもそのまま乗じられている。
【0013】
そこで周波数制御回路15は、FFT装置11によって復調された、位相誤差を含む各QPSKデータから、各帯域のIF−OFDM信号と局部中間波の位相誤差をそれぞれ検出し、検出した位相誤差に基づいて、IF−OFDM信号の全帯域にわたる位相誤差の平均を平均位相差として算出し、この平均位相差を打ち消すように局部中間波の周波数を制御する。
【0014】
これによりFFT装置11によって復調されたQPSKデータは前記平均位相差がキャンセルされたものとなり、正常な復調を行うことができる。
【0015】
尚、上記の周波数制御回路15においては、特定の一本のサブキャリアより復調された一つのQPSKデータから位相誤差を検出しこれを平均位相差とするか、または復調された全てのQPSKデータからそれぞれ位誤相差を検出し、この平均値をもって平均位相差とするか、あるいは特定の複数本のサブキャリアより復調されたQPSKデータから位相誤差を検出し、その平均値をもって平均位相差としていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のAFC装置においては、伝送中に周波数選択性フェージングにより著しくフェージング受けたサブキャリアから復調されたQPSKデータを平均位相差の算出に用いてしまった場合には、他のQPSKデータの位相誤差を増大させる方向に動作してしまう可能性があった。
【0017】
すなわち、あるサブキャリアのみが著しくフェージングを受けると、そのサブキャリアの振幅および位相のみが著しく変化するので、このサブキャリアから復調されたQPSKデータから求めた位相誤差は、他のサブキャリアから復調されたQPSKデータから求めた位相誤差とは異なる値となる。
【0018】
本発明はこのような従来の問題を解決するものであり、フェージングの影響を抑圧し、安定した自動周波数制御を行うことができるAFC装置を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明のAFC装置は、周波数制御信号に基づく局部中間波を出力する局部中間波発信手段と、複数のサブキャリアを信号データにより変調してなる受信信号と、前記局部中間波とを乗算する乗算手段と、前記乗算手段からの出力信号を周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段によって変換された信号の周波数帯域ごとのパワースペクトルレベルを検出するパワースペクトルレベル検出手段と、前記パワースペクトルレベルが所定の基準レベル以上である周波数帯域成分信号を選択出力する信号選択手段と、前記信号選択手段の出力信号成分から前記受信信号の伝送チャンネルによって各サブキャリアに生じる位相誤差の平均を平均位相差として検出する位相差検出手段と、前記平均位相差に基づいて前記位相誤差を減少させるように前記局部中間波の周波数を制御する前記周波数制御信号を前記局部中間波発信手段に与える周波数制御手段とを具備することを特徴とするものである。
【0020】
また本発明の請求項2記載のAFC装置は、レイリー分布による確率密度関数の累積分布に基づいて決められたパワースペクトルレベルを、前記信号選択手段における基準レベルとして用いることを特徴とするものである。
【0021】
従って本発明のAFC装置によれば、乗算手段によって複数のサブキャリアを信号データにより変調してなる受信信号と、局部中間波発信手段より出力された局部中間波とを乗算し、信号変換手段によって乗算手段からの出力信号を周波数領域の信号に変換し、パワースペクトルレベル検出手段によって前記周波数領域の信号の周波数帯域ごとのパワースペクトルレベルを検出し、信号選択手段によって前記パワースペクトルレベルが所定レベル以上である周波数帯域成分信号を選択出力し、位相差検出手段によって信号選択手段の出力信号成分から前記受信信号の伝送チャンネルによって各サブキャリアに生じる位相誤差の平均を平均位相差として検出し、周波数制御手段によって前記平均位相差に基づく周波数制御信号を局部中間波発信手段に与え、前記位相誤差を減少させるように前記局部中間波の周波数を制御することによって、フェージングの影響を著しく受けたQPSKデータを除外して中間周波のOFDM信号と局部中間波との平均位相差を検出することができるので、フェージングの影響を抑圧し、安定した自動周波数制御を行うことができる。
【0022】
また本発明の請求項2記載のAFC装置によれば、周波数選択性フェージングの影響によってあるQPSKデータのパワースペクトルレベルがあるレベル以下となる確率を示す、レイリー分布による確率密度関数の累積分布に基づいて、前記基準レベルを決め、この基準レベルを用いて信号選択手段においてQPSKデータを選択することによって、フェージングの影響を受けたQPSKデータを適切に除外することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に説明する本発明の実施の形態は、2bitの符号化データに対して一つのサブキャリアを割り当て、各サブキャリアがQPSK(四相位相変調)されたOFDM(直交周波数分割多重変調)におけるものである。
【0024】
送信側において、伝送したい符号化データ2bitを一組とし、この各2bitデータをそれぞれQPSKデータに変換し、この各QPSKデータをそれぞれ各サブキャリアに割り当てる。そして各QPSKデータを対応するサブキャリアの周波数位置にそれぞれセットしたQPSKデータセット信号(このQPSKデータセット信号は周波数領域の信号である)を作成する。
【0025】
このQPSKデータセット信号はI信号成分とQ信号成分からなり、このI信号成分とQ信号成分は直交関係にあり、Q信号成分を実数部、I信号成分を虚数部とする複素数は、上記のQPSKデータセット信号の複素表示となる。
【0026】
サブキャリアの本数をN本とすると、伝送したい符号化データ2×Nbitをそれぞれ2bitの組に分ける。
【0027】
QPSKによるOFDMにおいては、この2×Nbitの符号化データを一括して送信するので、この送信単位を1シンボルと称し、また2Nbitの符号化データを1シンボルデータと称する。
【0028】
上記の各2bitデータをD(k)(k=1、2…N)とし、また2bitデータD(k)のQPSKデータを
Q(k)=A+jB (k=1、2…N) (1)
とおく。
【0029】
ここでAはQPSKデータの実数部データ、Bは虚数部データを示し、それぞれ“1”あるいは“−1”の値をとる。またjは虚数単位である。
【0030】
2bitデータD(k)のQPSKデータQ(k)への変換は、例えば次のようにして行う。
【0031】
D(k)=“00”のとき Q(k)=1+j
D(k)=“01”のとき Q(k)=−1+j
D(k)=“10”のとき Q(k)=−1−j
D(k)=“11”のとき Q(k)=1−j
次に各サブキャリアの周波数をf(k=1、2…N)とすると、例えば周波数fのサブキャリアにQPSKデータD(k)を割り当てる。
【0032】
そして周波数領域において、Q信号成分の周波数fの位置にQPSKデータQ(k)の実数部データAをセットし、I信号成分の周波数fの位置にQPSKデータQ(k)の虚数部データBをセットして、周波数領域のQPSKデータセット信号を作成する。
【0033】
次に上記の周波数領域のQPSKデータセット信号のI信号成分およびQ信号成分をそれぞれIFFT(高速逆フーリエ変換)することにより、位相変調されたN本のサブキャリアからなるOFDM信号のI信号成分およびQ信号成分(このOFDM信号のI信号成分およびQ信号成分はともに時間領域の信号である)を得、このI信号成分およびQ信号成分によって搬送波を直交変調して、搬送周波のOFDM信号を得るものである。
【0034】
このOFDM信号においては、各サブキャリアの位相偏移は、そのサブキャリアにセットされたQPSKデータを示している。
【0035】
最後に上記の搬送周波のOFDM信号を送信周波に変換して送信する。
【0036】
OFDM受信機は、受信部、図1に示すAFC装置、および符号化データ復調部によって構成され、受信部において、送信されたOFDM信号を受信し、受信した送信周波のOFDM信号をIF−OFDM信号(中間周波のOFDM信号)に変換し、このIF−OFDM信号を利得調整して、図1に示すAFC装置に入力する。
【0037】
図1は本発明のAFC装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0038】
図1において、1は位相調整した局部中間波を出力するIF−LO(中間波局部発信器)、2はIF−LO1より入力された局部中間波の位相を−90°移相する移相器である。
【0039】
3はミキサ5およびLPF7を有し、IF−OFDM信号とIF−LO1より入力された局部中間波とをミキサ5によって乗算し、得られた乗算信号の高周波数成分をLPF7によって除去することにより、ベースバンドのOFDM信号のI信号成分(時間領域信号)を得る直交復調回路である。
【0040】
4はミキサ6およびLPF8を有し、IF−OFDM信号と移相器2より入力された局部中間波とをミキサ6によって乗算し、得られた乗算信号の高周波数成分をLPF8によって除去することにより、ベースバンドのOFDM信号のQ信号成分(時間領域信号)を得る直交復調回路である。
【0041】
上記のI信号成分とQ信号成分は直交関係にあり、Q信号成分を実数部、I信号成分を虚数部とする複素数は、ベースバンドのOFDM信号(時間領域信号)の複素表示となる。
【0042】
9は直交復調回路3より入力されたOFDM信号のI信号成分をA/D変換するA/D変換器、10は直交復調回路4より入力されたOFDM信号のQ信号成分をA/D変換するA/D変換器である。
【0043】
11はA/D変換器9より入力されたI信号成分、およびA/D変換器10より入力されたQ信号成分をそれぞれFFT(高速フーリエ変換)することにより、各サブキャリアを示す周波数fの位置にQPSKデータの虚数部データがセットされたQPSKデータセット信号のI信号成分(周波数領域信号)、および周波数fの位置にQPSKデータの実数部データがセットされたQPSKデータセット信号のQ信号成分(周波数領域信号)を復調するFFT装置である。
【0044】
12はFFT装置11によって復調されたQPSKデータセット信号における各QPSKデータのパワースペクトルを計算するパワースペクトル計算回路である。
【0045】
13は予め設定されているパワースペクトル基準レベルRを用いて、このRと、パワースペクトル計算回路12による各QPSKデータのパワースペクトルとをそれぞれ比較し、パワースペクトル基準レベルRより大きなパワースペクトルレベルを有するQPSKデータを選択し、選択したQPSKデータにはフラグ“1”を立て、選択しなかったQPSKデータにはフラグ“0”を立てる帰還データ選択回路である。
【0046】
14は帰還データ選択回路13によって選択されたQPSKデータから、IF−OFDM信号とIF−LO1による局部中間波との平均位相差を検出し、この平均位相差を打ち消すための周波数制御電圧をIF−LO1に与えることにより、局部中間波の周波数を制御する周波数制御回路である。
【0047】
次にこのような構成を有する本発明の実施形態の動作について説明する。
【0048】
直交復調回路3において、IF−OFDM信号と、IF−LO1より入力された局部中間波とをミキサ5によって乗算し、得られた乗算信号の高周波数成分をLPF7によって除去することにより、ベースバンドのOFDM信号のI信号成分(時間領域信号)を得、また直交復調回路4において、IF−OFDM信号と、移相器2より入力された局部中間波とをミキサ6によって乗算し、得られた乗算信号の高周波数成分をLPF8によって除去することにより、ベースバンドのOFDM信号のQ信号成分(時間領域信号)を得る。
【0049】
次に上記のOFDM信号のI信号成分をA/D変換器9によってA/D変換し、上記のOFDM信号のQ信号成分をA/D変換器10によってA/D変換して、それぞれFFT装置11に入力し、FFT装置11によってそれぞれFFTすることにより、各サブキャリアを示す周波数fの位置にQPSKデータの虚数部データがセットされたQPSKデータセット信号のI信号成分(周波数領域信号)、および周波数fの位置にQPSKデータの実数部データがセットされたQPSKデータセット信号のQ信号成分(周波数領域信号)を復調する。
【0050】
上記の復調されたQPSKデータセット信号におけるQPSKデータを
q(f)=a+jb(k=1、2…N) (2)
とおく。
【0051】
次にパワースペクトル計算回路12において、上記の復調されたQPSKデータセット信号における各QPSKデータのパワースペクトルR(f)(k=1、2…N)を次式によって計算する。
【0052】
R(f)=(a+(b (3)
図2はパワースペクトル計算回路12の回路構成図である。
【0053】
図2において、21および22は入力信号を二乗する二乗回路であり、二乗回路21にはQPSKデータq(f)の実数部データaが入力され、二乗回路22には虚数部データbが入力される。
【0054】
23は二乗回路21からの入力信号と二乗回路22からの入力信号を加算する加算器である。
【0055】
ところで、送信側より送信されたOFDM信号が伝送中に周波数選択性フェージングを受けると、フェージングを受けたサブキャリアの振幅および位相は変化してしまうため、この振幅変位および位相変位は復調されたQPSKデータq(f)にも含まれてしまう。
【0056】
各サブキャリアの振幅(実効値)をH(k=1、2…N)、各サブキャリアと局部中間波との位相変位をθ(k=1、2…N)とすると、復調されたQPSKデータq(f)は以下のように示される。
【0057】
q(f)=Hexp(−jθ)×Q(f) (4)
上記の(4)式において、正常伝送時は振幅H=1であるが、フェージングを受けると振幅H<1となり、その値はフェージングによる振幅歪率を示す。
【0058】
また上記の(4)式において、θ=0であればIF−OFDM信号は正しく直交復調される。
【0059】
図3は伝送中に周波数選択性フェージングを受けたOFDM信号をAFC装置において復調した場合のQPSKデータq(f)のパワースペクトル特性および位相変位特性を示すものであり、サブキャリア周波数fおよびfの位置が強くフェージングを受けた場合のものである。
【0060】
図3において、31はパワースペクトル特性を示しており、周波数fおよびfの位置にディップポイントが形成されている。また32は位相変位特性を示している。
【0061】
図1に戻り、帰還データ選択回路13において、予め設定されているパワースペクトル基準レベルRを用いて、このRと(3)式によるパワースペクトルR(f)とをそれぞれ比較し、
R(f)>R (5)
となるパワースペクトルレベルを有するQPSKデータを選択し、選択したQPSKデータにはフラグ“1”を立て、選択しなかったQPSKデータにはフラグ“0”を立てる。
【0062】
選択されなかったQPSKデータ、すなわち選択フラグが“0”であるQPSKデータは、フェージングを受けたことによって、割り当てられたサブキャリアの振幅が歪み((4)式における振幅H<1)、それに伴って大きな位相変位を有するものであると言える。
【0063】
逆に選択されたQPSKデータ、すなわち選択フラグが“1”であるQPSKデータは、位相変位θが小さいものであると言える。
【0064】
次に周波数制御回路14において、帰還データ選択回路13によって選択されたQPSKデータから、IF−OFDM信号とIF−LO1による局部中間波との平均位相差を検出し、局部中間波の周波数を制御する周波数制御電圧をIF−LO1に与えることにより、平均位相差を打ち消す。
【0065】
図4は周波数制御回路14の回路構成図である。
【0066】
図4に示す周波数制御回路14においては、上記の平均位相差をθとし、以下に示す計算により平均位相差θを算出する。
【0067】
まず(4)式を展開すると、
q(f)=Hexp(−jθ)×Q(f
=H(cosθ−jsinθ)×(A+jB
=H(Acosθ+Bsinθ
+jH(Bcosθ−Asinθ) (6)
(6)式における実数部は(2)式のaであり、(6)式における虚数部は(2)式のbであるから、
=H(Acosθ+Bsinθ) (7)
=H(Bcosθ−Asinθ) (8)
次に次式に示すP(k=1、2…N)を求める。
【0068】
=(a−(b (9)
上記の(9)式を(7)式および(8)式を用いて展開すると、A=±1、B=±1であるから、
=2(Hsin(2θ) (10)
また次式に示すQ(k=1、2…N)を求める。
【0069】
=a×b (11)
上記の(11)式を(7)式および(8)式を用いて展開すると、
=2(Hcos(2θ) (12)
次に(10)式に示すPおよび(12)式に示すQを用いて、次式に示すSを求める。
【0070】
Figure 0003571131
また(10)式に示すPおよび(12)式に示すQを用いて、次式に示すTを求める。
【0071】
Figure 0003571131
次に(13)式に示すSおよび(14)式に示すTを用いて、次式に示すVを求める。
【0072】
Figure 0003571131
(15)式において、例えば(4θ)≦30°であるとし、このときsin(4θ)=4θの線形近似が成り立つものとすると、(15)式に示すVは、
=θ (16)
次に選択フラグが“1”であるQPSKデータq(f)の個数をN´(N´≦N)、選択フラグが“1”であるQPSKデータq(f)によるVをV´(h=1、2…N´)、選択フラグが“1”であるQPSKデータq(f)の位相変位θをθ´とし、またV´の平均値をV、θ´とすると、
Figure 0003571131
上記のVは選択フラグが“1”であるQPSKデータq(f)の位相変位θ´の平均値であるから、平均位相差θである。すなわち、
V=θ (18)
図4において、41は入力信号を二乗する二乗回路であり、FFT装置11によって復調されたQPSKデータq(f)の実数部データaが入力されて、(aを出力する。
【0073】
42は入力信号を二乗する二乗回路であり、QPSKデータq(f)の虚数部データbが入力されて、(bを出力する。
【0074】
43は二つの入力信号を乗算する乗算器であり、QPSKデータq(f)の実数部データaおよび虚数部データbが入力されて、a×b、すなわち(11)式または(12)式に示すQを出力する。
【0075】
44は二乗回路41からの入力信号より、二乗回路42からの入力信号を差し引く減算器であり、(a−(b、すなわち(9)式または(10)式に示すPに比例する電圧を出力する。
【0076】
45は乗算器43からの入力信号と、減算器44からの入力信号とを乗算する乗算器であり、P×Q、すなわち(13)式に示すSを出力する。
【0077】
46は乗算器43からの入力信号を二乗し、この二乗信号を四倍する二乗回路であり、4(Qを出力する。
【0078】
47は減算器44からの入力信号を二乗する二乗回路であり、(Pを出力する。
【0079】
48は二乗回路46からの入力信号と、二乗回路47からの入力信号とを加算する加算器であり、(14)式に示すTを出力する。
【0080】
49は乗算器45からの入力信号を、加算器48からの入力信号で除算する除算器であり、(16)式に示すV、すなわちθに比例する信号を出力する。
【0081】
50は選択フラグが“1”であるときの除算器49からの入力信号の平均値を算出する平均値算出回路であり、(18)式に示すV、すなわち平均位相差θに比例する電圧を出力する。
【0082】
51は利得Kを有し、フィードバック系の応答特性を制御するために、平均値算出回路からの入力電圧VをK倍し、このKVを局部中間波位相の周波数制御電圧として図1に示すIF−LO1に帰還する増幅器である。
【0083】
図1に戻り、IF−LO1は周波数制御回路14から入力された周波数制御電圧KVに従って周波数を調整した局部中間波を出力する。
【0084】
図1に示すAFC装置によって復調されたQPSKデータは、OFDM受信機の符号化データ復調部において、QPSK復調、ビタヒ複号、デインターリーブ等が施され、符号化データに復調される。
【0085】
尚、パワースペクトル基準レベルRを下回るパワースペクトルを有するQPSKデータ、すなわち選択フラグが“0”であったQPSKデータは、上記の符号化データ復調部において、誤った復調符号化データとなる可能性が高いが、これはビタヒ複合によるエラー訂正で補うことが可能である。
【0086】
このように上記の実施形態によれば、IF−OFDM信号と、IF−LO1より出力された局部中間波とを直交復調回路3および4のミキサ5および6によって乗算し、A/D変換器9および10を介して入力された直交復調回路3および4からの出力信号をFFT装置11によって周波数領域の信号に変換し、この周波数領域の信号の周波数帯域ごとのパワースペクトルレベルをパワースペクトル計算回路12によって検出し、このパワースペクトルレベルが所定レベル以上である周波数帯域成分信号を帰還データ選択回路13によって選択出力し、周波数制御回路14によって、帰還データ選択回路13の出力信号成分から伝送チャンネルによってIF−OFDM信号の各サブキャリアに生じる位相誤差の平均を平均位相差として検出し、この平均位相差に基づく周波数制御信号をIF−LO1に与え、前記位相誤差を減少させるように局部中間波の周波数を制御することによって、フェージングの影響を著しく受けたQPSKデータを除外して中間周波のOFDM信号と局部中間波との平均位相差を検出することができるので、フェージングの影響を抑圧し、安定した自動周波数制御を行うことができる。
【0087】
次に帰還データ選択回路13におけるパワースペクトル基準レベルRの決定方法の一例について説明する。
【0088】
移動体通信において、振幅が同程度の大きさで、各波の位相がランダムである信号を伝送する場合のフェージングはレイリー分布則に従い、パワースペクトル計算回路12において算出されるパワースペクトルレベルがRとなる確率密度関数p(R)は、σをパワースペクトルレベルの分散として、レイリー分布によって次式で表すことができる。
【0089】
p(R)=(R/σ)exp{−(R)/(2σ)} (19)
次に(19)式に示す確率密度関数p(R)を0からR´の範囲で積分することによって得られる累積分布は、パワースペクトル計算回路12において算出されるパワースペクトルレベルがR´以下となる確率P(R´)を示し、この確率P(R´)は次式で表すことができる。
【0090】
【数1】
Figure 0003571131
正常伝送されたOFDM信号を受信した場合にパワースペクトル計算回路12において算出されるパワースペクトルレベルをRとすると、パワースペクトルレベルがRであるサブキャリアの中に、パワースペクトルレベルがR´(R´<R)であるサブキャリア(振幅歪みおよび位相歪みを有するサブキャリア)を(20)式の確率P(R´)によって示される割合で混入させたIF−OFDM信号を作成する。このIF−OFDM信号の各サブキャリアは既知の符号化データによるQPSKデータによってQPSKされているものである。
【0091】
上記のIF−OFDM信号をAFC装置および符号化データ復調部で復調する。この際、AFC装置においては、復調された全てのQPSKデータから平均位相差θを算出し、局部中間波の周波数を制御するものとする。
【0092】
そしてパワースペクトルレベルがRであるサブキャリアに割り当てられた符号化データが正常に復調されているか否かを調べることにより、帰還データ選択回路13におけるパワースペクトル基準レベルRを決定する。
【0093】
例えばR´≧RのときにパワースペクトルレベルがRのサブキャリアの符号化データが全て正常に復調され、R´<Rのときに誤って復調されるものが発生した場合に、このRをパワースペクトル基準レベルRとする。
【0094】
このように、フェージングの影響によってあるQPSKデータのパワースペクトルレベルがあるレベル以下となる確率を示す、レイリー分布による確率密度関数の累積分布に基づいて、前記基準レベルを決め、この基準レベルを用いて帰還データ選択回路13においてQPSKデータを選択することによって、フェージングの影響を受けたQPSKデータを適切に除外することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明のAFC装置によれば、乗算手段によって複数のサブキャリアを信号データにより変調してなる受信信号と、局部中間波発信手段より出力された局部中間波とを乗算し、信号変換手段によって乗算手段からの出力信号を周波数領域の信号に変換し、パワースペクトルレベル検出手段によって前記周波数領域の信号の周波数帯域ごとのパワースペクトルレベルを検出し、信号選択手段によって前記パワースペクトルレベルが所定レベル以上である周波数帯域成分信号を選択出力し、位相差検出手段によって信号選択手段の出力信号成分から前記受信信号の伝送チャンネルによって各サブキャリアに生じる位相誤差の平均を平均位相差として検出し、周波数制御手段によって前記平均位相差に基づく周波数制御信号を局部中間波発信手段に与え、前記位相誤差を減少させるように前記局部中間波の周波数を制御することによって、フェージングの影響を著しく受けたQPSKデータを除外して中間周波のOFDM信号と局部中間波との平均位相差を検出することができるので、フェージングの影響を抑圧し、安定した自動周波数制御を行うことができ、従って復調データの精度を向上させることができるという効果を有する。
【0096】
また本発明の請求項2記載のAFC装置によれば、フェージングの影響によってあるQPSKデータのパワースペクトルレベルがあるレベル以下となる確率を示す、レイリー分布による確率密度関数の累積分布に基づいて、前記基準レベルを決め、この基準レベルを用いて信号選択手段においてQPSKデータを選択することによって、フェージングの影響を受けたQPSKデータを適切に除外することができ、従って復調データの精度をより一層向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAFC装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のAFC装置の実施形態におけるパワースペクトル計算回路の回路構成図である。
【図3】伝送中に周波数選択性フェージングを受けたOFDM信号をAFC装置において復調した場合のQPSKデータのパワースペクトル特性図および位相変位特性図である。
【図4】本発明のAFC装置の実施形態における周波数制御回路の回路構成図である。
【図5】従来のAFC装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 IF−LO(中間波局部発信器)
2 移相器
3、4 直交復調回路
5、6 ミキサ5
7、8 LPF
9、10 A/D変換器
11 FFT装置(高速フーリエ変換装置)
12 パワースペクトル計算回路
13 帰還データ選択回路
14 周波数制御回路

Claims (2)

  1. 周波数制御信号に基づく局部中間波を出力する局部中間波発信手段と、
    複数のサブキャリアを信号データにより変調してなる受信信号と、前記局部中間波とを乗算する乗算手段と、
    前記乗算手段からの出力信号を周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、
    前記信号変換手段によって変換された信号の周波数帯域ごとのパワースペクトルレベルを検出するパワースペクトルレベル検出手段と、
    前記パワースペクトルレベルが所定の基準レベル以上である周波数帯域成分信号を選択出力する信号選択手段と、
    前記信号選択手段の出力信号成分から前記受信信号の伝送チャンネルによって各サブキャリアに生じる位相誤差の平均を平均位相差として検出する位相差検出手段と、
    前記平均位相差に基づいて前記位相誤差を減少させるように前記局部中間波の周波数を制御する前記周波数制御信号を前記局部中間波発信手段に与える周波数制御手段とを具備することを特徴とするAFC装置。
  2. レイリー分布による確率密度関数の累積分布に基づいて決められたパワースペクトルレベルを、前記信号選択手段における基準レベルとして用いることを特徴とする請求項1記載のAFC装置。
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