JP3570995B2 - 電子回路パッケージの冷却構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路パッケージの冷却構造に関し、特に、プリント配線板を有する電子回路パッケージ内にFAN盤から送風される冷却用風の向きを変える風向板を設け、この風向板により風の量、風の速度を大にしてプリント配線板に設けられた発熱量の大きい電子回路を有効に冷却するようにした電子回路パッケージの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術の従来例は下記に示すような構造を有していた。
【0003】
図13(a)は第1の従来技術を示す斜視図、図13(b)は図13(a)において一部の電子回路パッケージをサブラックから引き出して示した斜視図である。
【0004】
この第1の従来技術の問題点として、カード(電子回路パッケージ)の種類により、消費電力の大きい部品の位置がまちまちであるが、FAN盤の風向き調整に限度があり、従来のFAN盤ではすべてのカードの電気部品に均一に風を送る形になり、その結果、全てのカードで消費電力の大きい電気部品に効率よくFAN盤の風を当てることが難しいことである。
【0005】
第2の問題点として、FAN盤に使用されるFANの数量、位置等の決定に、熱解析が使用され、各カードの消費電力が高い電気部品の位置などに注意しながら数パターンの解析が行われ、最適な解析結果から、FAN盤設計が進められてきたが、実機では理論的解析のようにはうまく行かず、風向きの調整やFAN盤の再設計等後戻り工数が発生していることである。
【0006】
第2の従来技術として、特開平7−30275号公報に開示された電子装置の冷却構造を挙げることができる。
【0007】
この第2の従来例は、高発熱なチップが多数搭載された平面実装部を効率良く冷却すると共に、ブックシェルフ部をも同時に冷却することを目的としており、この目的を達成するために、上流側マルチチップモジュールと下流側マルチチップモジュールの側面側に第1のエアガイドを配設し、上流側マルチチップモジュールの側面側に第2のエアガイドを第1のエアガイドの内側に位置させて配設すると共に、第1のエアガイドの上流側間口を下流側間口より広くした構造を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の従来例における各電子回路パッケージを構成するプリント配線板に形成されている各チップ7、8、9、13、14の発熱量がまちまちであるにもかかわらず、FAN盤により一様に冷却されるように構成され、図14に示される如く、FAN盤からの風量は一様であり、高発熱量のチップを特に有効に冷却する為の何らの手段も講じられていない。
【0009】
また、上記第2の従来例では、マルチチップモジュールが搭載された平面実装基板を冷却するのには有効な技術であるが、ブックシェルフに多数実装された電子回路パッケージには、第1の従来例と同様に、何ら特別の冷却手段は設けられていないので、電子回路パッケージに消費電力の大きいチップが実装された場合にはそのチップ近傍の電子回路は熱障害を受ける欠点があった。
【0010】
本発明は従来の上記実情に鑑み、従来の技術に内在する上記欠点を解消する為になされたものであり、従って本発明の目的は、電子回路パッケージ内にFAN盤からの冷却用気体の通路及び密度を変える風向手段を設けることによって電子回路の熱障害を回避することを可能とした電子回路パッケージの新規な冷却構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明に係る電子回路パッケージの冷却構造は、プリント配線板と、該プリント配線板に固定されたカバーとを有し、サブラックに実装され該サブラックに設けられたFAN盤から発生される冷却風により冷却される複数個の電子回路パッケージの冷却構造において、前記電子回路パッケージの内部に、前記FAN盤から出力される冷却風の進行方向を転換して前記プリント配線板に配置された高消費電力の電気部品を効率的に冷却する風向板を配設したことを特徴としている。
【0012】
前記風向板は、前記電子回路パッケージにおける吸気口からの前記冷却風を集束して前記高消費電力の電気部品に供給すると共に、前記冷却風が前記電子回路パッケージの排気口に進む程該冷却風の通風容積が小さくなるように形成されている。
【0013】
前記風向板を前記電子回路パッケージに一個設けることができる。
【0014】
前記風向板にR曲げ加工を施すことができる。
【0015】
前記風向板を前記電子回路パッケージに複数個設けることができる。
【0016】
前記風向板を前記カバーに装着することができる。
【0017】
前記風向板を前記プリント配線板に装着することができる。
【0018】
前記プリント配線板の長手方向に沿った両端部に複数個の取付孔を有するバーを配設し、該両端のバーの前記取付孔の任意の孔に前記風向板の両端に設けられた爪を係合することにより該風向板を前記プリント配線板に装着することができる。
【0019】
前記風向板を、R曲げ加工を施さずに一枚の直線状の板により形成することもできる。
【0020】
本発明に係る電子回路パッケージの冷却構造はまた、複数個のサブラックが縦続接続され、該サブラックのそれぞれに複数個の電子回路パッケージが実装される構造において、内部にFAN盤からの冷却風の進路を変更する冷却手段が設けられていない従来の電子回路パッケージが上段サブラックの任意の領域に実装されている場合に、前記上段サブラックの前記従来の電子回路パッケージに対応する下段サブラックの領域にダミーの電子回路パッケージを実装し、該ダミーの電子回路パッケージの内部に前記FAN盤から発生する冷却風の進路を変更する冷却手段を設け、該冷却手段により、前記上段サブラックの対応領域に実装された前記従来の電子回路パッケージに配置された高消費電力の電子回路を効率的に冷却することを特徴としている。
【0021】
前記冷却手段は、前記FAN盤から発生する冷却風の進路を変更する風向板で構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明をその好ましい一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1(a)は本発明による一実施の形態を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す状態から一部の電子回路パッケージを外部に引き出して示す斜視図である。
【0024】
図1(b)を参照するに、サブラック1には複数個の電子回路パッケージ2が実装されており、各電子回路パッケージ2には、内部のプリント配線板4に配設された高消費電力の電気部品、即ち発熱量の大きい電気部品または電子回路にFAN盤3からの風を強制的に送り込み、高発熱量の電気部品を効率よく冷却する冷却手段として作用する後述される風向板が必要に応じて配設されている。
【0025】
【第1の実施例】
次に、本発明による一実施の形態の第1の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
図2(a)は、本発明に係る第1の実施例の内部構造を示す正面図であって、前面に設けられたカバーが透明なものと仮定した場合の図であり、図2(b)は第1の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【0027】
【第1の実施例の構成】
図2(a)、図2(b)を参照するに、本発明に係る電子回路パッケージ2(以下カード2と略記する)の第1の実施例は、コネクタ4aが設けられたプリント配線板4と、カバー5と、プリント配線板4に配置されたチップ7、8、9と、風向板10とから構成されている。
【0028】
ここで、プリント配線板4上に配置されたチップ8、9はチップ7よりも発熱量が大きいものと仮定する。
【0029】
カバー5には、図示の如く略S字型に形成された風向板10が上記チップ発熱量の仮定に応じて装着され、この風向板10はねじ6によってプリント配線板4に固定される。風向板10のカバー5への装着方法は、例えば、リベット止め、ねじ止め、熔接などのいかなる方法でも実施することが可能である。
【0030】
チップ7が、叙上の場合とは逆にチップ8、9よりも発熱量が大きい場合には、風向板10は逆略S字型に形成されることになる。
【0031】
【第1の実施例の動作】
次に、本発明に係る第1の実施例の動作について図3を参照して説明する。
【0032】
図3は本発明に係る第1の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【0033】
図3を参照するに、FAN盤3から発生させられた冷却用風a、cはそのまま矢印の方向に送り込まれるが、冷却用風bの近傍の風は、風向板10によって図示の矢印に示されるように方向を変更させられて発熱量の大きいチップ8、9の方向に風向きが変えられる。
【0034】
従って、冷却風がカード2の上部に進行する程通風容積が小さくなることにより風速が増大し、放熱効率が向上し、しかしてチップ8、9への冷却風の風量と風速が増大される結果、発熱量の大きいチップ8、9の冷却効果は増大される。発熱量がさほど高くないチップ7には小量の風量が与えられ、カード2内で効率のよい冷却風の配分が行われる。
【0035】
【第2の実施例】
続いて、本発明による一実施の形態の第2の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
図4(a)は、本発明に係る第2の実施例の内部構造を示す正面図であって、前面に設けられたカバーが透明なものと仮定した場合の図であり、図4(b)は第2の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【0037】
【第2の実施例の構成】
図4(a)、図4(b)を参照するに、本発明に係るカード2の第2の実施例は、コネクタ4aが設けられたプリント配線板4と、カバー5と、プリント配線板4に配置されたチップ13、14と、風向板11、12とから構成されている。
【0038】
ここで、例えば、プリント配線板4上に配置されたチップ13、14は高消費電力、つまり発熱量が大きいものと仮定する。
【0039】
カバー5には、図示の如く、略逆S字型に形成された風向板11と、略S字型に形成された風向板12が、上記チップ発熱量の仮定に応じて装着され、これらの風向板11、12はねじ6によってプリント配線板4に固定される。これらの風向板11、12のカバー5に対する装着方法は、叙上の第1の実施例と同様に、例えば、リベット止め、ねじ止め、熔接などのいずれの方法でもよいことは勿論である。
【0040】
チップ13、14の発熱量が比較的小さい場合、またはチップ13、14のいずれかが発熱量が上記の場合と異なる場合には、風向板11、12の形状は叙上の場合と異なるようにすることができる。
【0041】
【第2の実施例の動作】
次に、本発明に係る第2の実施例の動作について図5を参照して説明する。
【0042】
図5は本発明に係る第2の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【0043】
図5を参照するに、FAN盤3から発生させられた冷却用風d、f、hはそのまま図示矢印の方向に送り込まれるが、冷却用風eの近傍の風は風向板12によって図示矢印に示されるように方向を転換させられると共に、冷却用風gの近傍の風は風向板11によって図示矢印に示されるように方向を転換させられて、発熱量の大きいチップ14及びチップ13の方向に風向きが変換される。
【0044】
従って、冷却風がカード2の上部に進行するにつれて通風容積が小さくなることにより風速が増大し、放熱効率が向上する。更に、チップ14の方向には冷却用風d、eが加算されると共に、チップ13の方向には冷却用風g、hが加算される結果、両者共に風量が増大する。
【0045】
叙上のように、チップ13、14への冷却風の風速と風量が増大される結果、発熱量の大きいチップ13、14に対する冷却効果は増大されて、カード2内で効率のよい冷却風の配分が実現される。
【0046】
【第3の実施例】
次に、本発明による一実施の形態の第3の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0047】
図6は、本発明に係る第3の実施例を示す斜視図である。
【0048】
【第3の実施例の構成】
図6を参照するに、第3の実施例は、サブラックが2段以上実装された場合のものである。即ち、上段のサブラック1には従来における旧カード15が実装されている。勿論、この上段のサブラック1には本発明に係る叙上の第1、第2の実施例で示されたカード2も実装することができる。
【0049】
上段のサブラック1に実装された旧カード15に対応する下段のサブラック1の位置にはダミーカード17または18が実装される。
【0050】
ダミーカード17は、上記第1の実施例におけるカード2に対応するものであり、図7(a)に示される如く、プリント配線板4の代わりに板金などで形成されたダミー基板16が用いられ、このダミー基板16に風向板10が実装されたカバー5がねじ6により固定されて形成されたものである。
【0051】
ダミーカード18は、上記第2の実施例におけるカード2に対応するものであり、図7(b)に示される如く、プリント配線板4の代わりにダミー基板16が用いられ、このダミー基板16に風向板11、12が装着されたカバー5がねじ6により固定されて形成されたものである。
【0052】
【第3の実施例の動作】
次に、本発明に係る第3の実施例の動作について図8を参照して説明する。
【0053】
図8は上段のサブラック1に実装された旧カード15に配設された高熱量のチップを本発明に係る風向板を用いて効率的に冷却する動作を説明するための動作図である。
【0054】
図8を参照するに、FAN盤3から発生してカードの方向に出力された冷却用風a、cはほぼそのまま上方、即ち排気口(図示せず)方向に進行するが、冷却用風bは風向板10によって冷却用風aの方向に向きが変更され冷却用風aと一緒にされて旧カード15の方向に進行する。
【0055】
叙上のように、FAN盤3から出力された冷却風は、ダミーカード17を通過する間に、風の通過領域が小さくなると共に、冷却用風aとbとが結合されて旧カード15の方向に進行し、旧カード15内に配置された高消費電力のチップ8、9を高速にして高密度を保持して通過する。従って、旧カード15内の冷却風の良好な配分を実現することができ、それによって高消費電力のチップ8、9を効率的に冷却することが可能となる。
【0056】
以上説明した第3の実施例の冷却構造は前記第1の実施例に対応するものであり、ダミーカード18に前記第2の実施例に示される如く、風向板11、12を配設し、FAN盤3からの冷却風の進行方向を変更するように構成することで、上段サブラック1に実装された旧カード15に配設されたチップ13、14を前記第2の実施例と同様に効率的に冷却することが可能となる。
【0057】
【第4の実施例】
続いて、本発明による第4の実施例について図9(a)、図9(b)を参照しながら説明する。
【0058】
図9(a)は、本発明の第4の実施例の内部構造を示す正面図、図9(b)は本発明の第4の実施例の分解斜視図である。
【0059】
図9(a)、図9(b)を参照するに、この第4の実施例は前記した第1の実施例の変形例を示し、第1の実施例における風向板10を風向板19に置き換えたものである。即ち、カバー5に、R曲げを入れずに一枚板で形成された風向板19が固定されている。その他の構成は第1の実施例と同じである。
【0060】
この第4の実施例の作用、効果は前記第1の実施例の作用、効果とほぼ同じであるが、風向板19にR曲げ加工を施さないだけ、製品単価が廉価に製作できること、及びプリント配線板に搭載される他の電気部品の関係上、R曲げされた風向板が使用できない場合等に有効である。
【0061】
【第5の実施例】
続いて、本発明による第5の実施例について図10(a)、図10(b)を参照して説明する。
【0062】
図10(a)は、本発明の第5の実施例の内部構造を示す正面図、図10(b)は本発明の第5の実施例の分解斜視図である。
【0063】
図10(a)、図10(b)を参照するに、この第5の実施例は前述した第2の実施例の変形例を示し、第2の実施例における風向板11、12をそれぞれ風向板20、21に置き換えたものである。即ち、カバー5に、R曲げ加工を施さずにそれぞれ一枚板で形成された風向板20、21が固定されており、その他の構成は第2の実施例と同様である。
【0064】
この第5の実施例の作用、効果は前記第2の実施例の作用、効果とほぼ同じであるが、風向板20、21にR曲げの加工を施す必要がないだけ、製品単価を廉価に製作できること、及びプリント配線板に搭載される他の電気部品の関係上、R曲げされた風向板が使用できない場合等に有効である。
【0065】
【第6の実施例】
以下に本発明による第6の実施例について図面を参照して説明する。
【0066】
図11は、本発明による第6の実施例を示す概略斜視図であって、プリント配線板のみについて示した図であり、風向板の取り付け構造についての変形例である。
【0067】
図11を参照するに、叙上の第1〜第5の実施例においては、風向板はカバーに装着されていたが、この第6の実施例においては、風向板23はプリント配線板4に装着されている。
【0068】
即ち、プリント配線板4の長手方向両端には複数の取付孔22aが切設されたバー22が形成されており、必要に応じて両端部のバー22の任意の取付孔22aに風向板23の爪23aを係合することにより風向板23はプリント配線板4に固定される。
【0069】
図11に示された構成に基づいたカードを使用することによっても本発明の目的、効果が達成される。
【0070】
【第7の実施例】
以下に本発明による第7の実施例について図12を参照して説明する。
【0071】
図12は本発明の第7の実施例を示す概略斜視図であって、ダミー基板のみについて示した図であり、風向板の取付構造について特に、サブラックを複数用いる第3の実施例の変形例である。
【0072】
図12を参照するに、叙上の第1〜第5の実施例においては、風向板はカバーに装着されていたが、この第7の実施例においては、風向板25はダミー基板24に装着されている。
【0073】
即ち、ダミー基板24には取付孔24aが切設されており、これらの取付孔24aに風向板25に設けられた爪25を係合することにより風向板25はダミー基板24に固定される。
【0074】
図12に示された構成に基づいたダミーカードを使用することによっても同様に本発明の目的、効果を達成することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成され、作用するものであり、本発明によれば以下に示すような効果が得られる。
【0076】
本発明による第1の効果は、カードごとの風向きの微調整を達成することを可能としたことである。消費電力の高い電気部品の位置はカードごとに違うが、風向板の形状を各カードごとに代えることにより、FAN盤の風を効率よく問題となる電気部品に供給することができる。
【0077】
本発明による第2の効果は、FAN盤設計の簡易化にある。即ち、これまでは、各カード全体の消費電力と、電気部品の配置を考慮に入れて、熱解析でFAN数量、位置を決定していたが、本発明ではFANは入るだけ適当に配置さえすれば、後はカードの風向板で強制的に風向きが変わるために、FAN盤設計で熱的問題を考慮に入れなくてすむことが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による一実施の形態を示す斜視図であり、(b)は(a)に示す状態から一部の電子回路パッケージを外部に引き出して示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明に係る第1の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は第1の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【図4】(a)は本発明に係る第2の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は第2の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【図5】本発明に係る第2の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【図6】本発明に係る第3の実施例を示す斜視図である。
【図7】(a)、(b)は本発明による第3の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係る第3の実施例の動作を説明するための図である。
【図9】(a)は本発明に係る第4の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は本発明の第4の実施例の分解斜視図である。
【図10】(a)は本発明の第5の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は本発明の第5の実施例の分解斜視図である。
【図11】本発明による第6の実施例を示す概略斜視図であって、プリント配線板のみについて示した図であり、風向板の取り付け構造についての変形例である。
【図12】本発明の第7の実施例を示す概略斜視図であって、ダミー基板のみについて示した図であり、風向板の取付構造についての特に、サブラックを複数用いる第3の実施例の変形例である。
【図13】(a)は従来例を示す斜視図であり、(b)は(a)の状態から電子回路パッケージのいくつかを外部に引き出した状態を示す斜視図である。
【図14】従来技術の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1…サブラック
2…カード(電子回路パッケージ)
3…FAN盤
4…プリント配線板
5…カバー
6…ねじ
7、8、9、13、14…チップ
10、11、12、19、20、21、23、25…風向板
15…旧カード
17、18…ダミーカード
22…バー
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路パッケージの冷却構造に関し、特に、プリント配線板を有する電子回路パッケージ内にFAN盤から送風される冷却用風の向きを変える風向板を設け、この風向板により風の量、風の速度を大にしてプリント配線板に設けられた発熱量の大きい電子回路を有効に冷却するようにした電子回路パッケージの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の技術の従来例は下記に示すような構造を有していた。
【0003】
図13(a)は第1の従来技術を示す斜視図、図13(b)は図13(a)において一部の電子回路パッケージをサブラックから引き出して示した斜視図である。
【0004】
この第1の従来技術の問題点として、カード(電子回路パッケージ)の種類により、消費電力の大きい部品の位置がまちまちであるが、FAN盤の風向き調整に限度があり、従来のFAN盤ではすべてのカードの電気部品に均一に風を送る形になり、その結果、全てのカードで消費電力の大きい電気部品に効率よくFAN盤の風を当てることが難しいことである。
【0005】
第2の問題点として、FAN盤に使用されるFANの数量、位置等の決定に、熱解析が使用され、各カードの消費電力が高い電気部品の位置などに注意しながら数パターンの解析が行われ、最適な解析結果から、FAN盤設計が進められてきたが、実機では理論的解析のようにはうまく行かず、風向きの調整やFAN盤の再設計等後戻り工数が発生していることである。
【0006】
第2の従来技術として、特開平7−30275号公報に開示された電子装置の冷却構造を挙げることができる。
【0007】
この第2の従来例は、高発熱なチップが多数搭載された平面実装部を効率良く冷却すると共に、ブックシェルフ部をも同時に冷却することを目的としており、この目的を達成するために、上流側マルチチップモジュールと下流側マルチチップモジュールの側面側に第1のエアガイドを配設し、上流側マルチチップモジュールの側面側に第2のエアガイドを第1のエアガイドの内側に位置させて配設すると共に、第1のエアガイドの上流側間口を下流側間口より広くした構造を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の従来例における各電子回路パッケージを構成するプリント配線板に形成されている各チップ7、8、9、13、14の発熱量がまちまちであるにもかかわらず、FAN盤により一様に冷却されるように構成され、図14に示される如く、FAN盤からの風量は一様であり、高発熱量のチップを特に有効に冷却する為の何らの手段も講じられていない。
【0009】
また、上記第2の従来例では、マルチチップモジュールが搭載された平面実装基板を冷却するのには有効な技術であるが、ブックシェルフに多数実装された電子回路パッケージには、第1の従来例と同様に、何ら特別の冷却手段は設けられていないので、電子回路パッケージに消費電力の大きいチップが実装された場合にはそのチップ近傍の電子回路は熱障害を受ける欠点があった。
【0010】
本発明は従来の上記実情に鑑み、従来の技術に内在する上記欠点を解消する為になされたものであり、従って本発明の目的は、電子回路パッケージ内にFAN盤からの冷却用気体の通路及び密度を変える風向手段を設けることによって電子回路の熱障害を回避することを可能とした電子回路パッケージの新規な冷却構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明に係る電子回路パッケージの冷却構造は、プリント配線板と、該プリント配線板に固定されたカバーとを有し、サブラックに実装され該サブラックに設けられたFAN盤から発生される冷却風により冷却される複数個の電子回路パッケージの冷却構造において、前記電子回路パッケージの内部に、前記FAN盤から出力される冷却風の進行方向を転換して前記プリント配線板に配置された高消費電力の電気部品を効率的に冷却する風向板を配設したことを特徴としている。
【0012】
前記風向板は、前記電子回路パッケージにおける吸気口からの前記冷却風を集束して前記高消費電力の電気部品に供給すると共に、前記冷却風が前記電子回路パッケージの排気口に進む程該冷却風の通風容積が小さくなるように形成されている。
【0013】
前記風向板を前記電子回路パッケージに一個設けることができる。
【0014】
前記風向板にR曲げ加工を施すことができる。
【0015】
前記風向板を前記電子回路パッケージに複数個設けることができる。
【0016】
前記風向板を前記カバーに装着することができる。
【0017】
前記風向板を前記プリント配線板に装着することができる。
【0018】
前記プリント配線板の長手方向に沿った両端部に複数個の取付孔を有するバーを配設し、該両端のバーの前記取付孔の任意の孔に前記風向板の両端に設けられた爪を係合することにより該風向板を前記プリント配線板に装着することができる。
【0019】
前記風向板を、R曲げ加工を施さずに一枚の直線状の板により形成することもできる。
【0020】
本発明に係る電子回路パッケージの冷却構造はまた、複数個のサブラックが縦続接続され、該サブラックのそれぞれに複数個の電子回路パッケージが実装される構造において、内部にFAN盤からの冷却風の進路を変更する冷却手段が設けられていない従来の電子回路パッケージが上段サブラックの任意の領域に実装されている場合に、前記上段サブラックの前記従来の電子回路パッケージに対応する下段サブラックの領域にダミーの電子回路パッケージを実装し、該ダミーの電子回路パッケージの内部に前記FAN盤から発生する冷却風の進路を変更する冷却手段を設け、該冷却手段により、前記上段サブラックの対応領域に実装された前記従来の電子回路パッケージに配置された高消費電力の電子回路を効率的に冷却することを特徴としている。
【0021】
前記冷却手段は、前記FAN盤から発生する冷却風の進路を変更する風向板で構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明をその好ましい一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1(a)は本発明による一実施の形態を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す状態から一部の電子回路パッケージを外部に引き出して示す斜視図である。
【0024】
図1(b)を参照するに、サブラック1には複数個の電子回路パッケージ2が実装されており、各電子回路パッケージ2には、内部のプリント配線板4に配設された高消費電力の電気部品、即ち発熱量の大きい電気部品または電子回路にFAN盤3からの風を強制的に送り込み、高発熱量の電気部品を効率よく冷却する冷却手段として作用する後述される風向板が必要に応じて配設されている。
【0025】
【第1の実施例】
次に、本発明による一実施の形態の第1の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0026】
図2(a)は、本発明に係る第1の実施例の内部構造を示す正面図であって、前面に設けられたカバーが透明なものと仮定した場合の図であり、図2(b)は第1の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【0027】
【第1の実施例の構成】
図2(a)、図2(b)を参照するに、本発明に係る電子回路パッケージ2(以下カード2と略記する)の第1の実施例は、コネクタ4aが設けられたプリント配線板4と、カバー5と、プリント配線板4に配置されたチップ7、8、9と、風向板10とから構成されている。
【0028】
ここで、プリント配線板4上に配置されたチップ8、9はチップ7よりも発熱量が大きいものと仮定する。
【0029】
カバー5には、図示の如く略S字型に形成された風向板10が上記チップ発熱量の仮定に応じて装着され、この風向板10はねじ6によってプリント配線板4に固定される。風向板10のカバー5への装着方法は、例えば、リベット止め、ねじ止め、熔接などのいかなる方法でも実施することが可能である。
【0030】
チップ7が、叙上の場合とは逆にチップ8、9よりも発熱量が大きい場合には、風向板10は逆略S字型に形成されることになる。
【0031】
【第1の実施例の動作】
次に、本発明に係る第1の実施例の動作について図3を参照して説明する。
【0032】
図3は本発明に係る第1の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【0033】
図3を参照するに、FAN盤3から発生させられた冷却用風a、cはそのまま矢印の方向に送り込まれるが、冷却用風bの近傍の風は、風向板10によって図示の矢印に示されるように方向を変更させられて発熱量の大きいチップ8、9の方向に風向きが変えられる。
【0034】
従って、冷却風がカード2の上部に進行する程通風容積が小さくなることにより風速が増大し、放熱効率が向上し、しかしてチップ8、9への冷却風の風量と風速が増大される結果、発熱量の大きいチップ8、9の冷却効果は増大される。発熱量がさほど高くないチップ7には小量の風量が与えられ、カード2内で効率のよい冷却風の配分が行われる。
【0035】
【第2の実施例】
続いて、本発明による一実施の形態の第2の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
図4(a)は、本発明に係る第2の実施例の内部構造を示す正面図であって、前面に設けられたカバーが透明なものと仮定した場合の図であり、図4(b)は第2の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【0037】
【第2の実施例の構成】
図4(a)、図4(b)を参照するに、本発明に係るカード2の第2の実施例は、コネクタ4aが設けられたプリント配線板4と、カバー5と、プリント配線板4に配置されたチップ13、14と、風向板11、12とから構成されている。
【0038】
ここで、例えば、プリント配線板4上に配置されたチップ13、14は高消費電力、つまり発熱量が大きいものと仮定する。
【0039】
カバー5には、図示の如く、略逆S字型に形成された風向板11と、略S字型に形成された風向板12が、上記チップ発熱量の仮定に応じて装着され、これらの風向板11、12はねじ6によってプリント配線板4に固定される。これらの風向板11、12のカバー5に対する装着方法は、叙上の第1の実施例と同様に、例えば、リベット止め、ねじ止め、熔接などのいずれの方法でもよいことは勿論である。
【0040】
チップ13、14の発熱量が比較的小さい場合、またはチップ13、14のいずれかが発熱量が上記の場合と異なる場合には、風向板11、12の形状は叙上の場合と異なるようにすることができる。
【0041】
【第2の実施例の動作】
次に、本発明に係る第2の実施例の動作について図5を参照して説明する。
【0042】
図5は本発明に係る第2の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【0043】
図5を参照するに、FAN盤3から発生させられた冷却用風d、f、hはそのまま図示矢印の方向に送り込まれるが、冷却用風eの近傍の風は風向板12によって図示矢印に示されるように方向を転換させられると共に、冷却用風gの近傍の風は風向板11によって図示矢印に示されるように方向を転換させられて、発熱量の大きいチップ14及びチップ13の方向に風向きが変換される。
【0044】
従って、冷却風がカード2の上部に進行するにつれて通風容積が小さくなることにより風速が増大し、放熱効率が向上する。更に、チップ14の方向には冷却用風d、eが加算されると共に、チップ13の方向には冷却用風g、hが加算される結果、両者共に風量が増大する。
【0045】
叙上のように、チップ13、14への冷却風の風速と風量が増大される結果、発熱量の大きいチップ13、14に対する冷却効果は増大されて、カード2内で効率のよい冷却風の配分が実現される。
【0046】
【第3の実施例】
次に、本発明による一実施の形態の第3の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0047】
図6は、本発明に係る第3の実施例を示す斜視図である。
【0048】
【第3の実施例の構成】
図6を参照するに、第3の実施例は、サブラックが2段以上実装された場合のものである。即ち、上段のサブラック1には従来における旧カード15が実装されている。勿論、この上段のサブラック1には本発明に係る叙上の第1、第2の実施例で示されたカード2も実装することができる。
【0049】
上段のサブラック1に実装された旧カード15に対応する下段のサブラック1の位置にはダミーカード17または18が実装される。
【0050】
ダミーカード17は、上記第1の実施例におけるカード2に対応するものであり、図7(a)に示される如く、プリント配線板4の代わりに板金などで形成されたダミー基板16が用いられ、このダミー基板16に風向板10が実装されたカバー5がねじ6により固定されて形成されたものである。
【0051】
ダミーカード18は、上記第2の実施例におけるカード2に対応するものであり、図7(b)に示される如く、プリント配線板4の代わりにダミー基板16が用いられ、このダミー基板16に風向板11、12が装着されたカバー5がねじ6により固定されて形成されたものである。
【0052】
【第3の実施例の動作】
次に、本発明に係る第3の実施例の動作について図8を参照して説明する。
【0053】
図8は上段のサブラック1に実装された旧カード15に配設された高熱量のチップを本発明に係る風向板を用いて効率的に冷却する動作を説明するための動作図である。
【0054】
図8を参照するに、FAN盤3から発生してカードの方向に出力された冷却用風a、cはほぼそのまま上方、即ち排気口(図示せず)方向に進行するが、冷却用風bは風向板10によって冷却用風aの方向に向きが変更され冷却用風aと一緒にされて旧カード15の方向に進行する。
【0055】
叙上のように、FAN盤3から出力された冷却風は、ダミーカード17を通過する間に、風の通過領域が小さくなると共に、冷却用風aとbとが結合されて旧カード15の方向に進行し、旧カード15内に配置された高消費電力のチップ8、9を高速にして高密度を保持して通過する。従って、旧カード15内の冷却風の良好な配分を実現することができ、それによって高消費電力のチップ8、9を効率的に冷却することが可能となる。
【0056】
以上説明した第3の実施例の冷却構造は前記第1の実施例に対応するものであり、ダミーカード18に前記第2の実施例に示される如く、風向板11、12を配設し、FAN盤3からの冷却風の進行方向を変更するように構成することで、上段サブラック1に実装された旧カード15に配設されたチップ13、14を前記第2の実施例と同様に効率的に冷却することが可能となる。
【0057】
【第4の実施例】
続いて、本発明による第4の実施例について図9(a)、図9(b)を参照しながら説明する。
【0058】
図9(a)は、本発明の第4の実施例の内部構造を示す正面図、図9(b)は本発明の第4の実施例の分解斜視図である。
【0059】
図9(a)、図9(b)を参照するに、この第4の実施例は前記した第1の実施例の変形例を示し、第1の実施例における風向板10を風向板19に置き換えたものである。即ち、カバー5に、R曲げを入れずに一枚板で形成された風向板19が固定されている。その他の構成は第1の実施例と同じである。
【0060】
この第4の実施例の作用、効果は前記第1の実施例の作用、効果とほぼ同じであるが、風向板19にR曲げ加工を施さないだけ、製品単価が廉価に製作できること、及びプリント配線板に搭載される他の電気部品の関係上、R曲げされた風向板が使用できない場合等に有効である。
【0061】
【第5の実施例】
続いて、本発明による第5の実施例について図10(a)、図10(b)を参照して説明する。
【0062】
図10(a)は、本発明の第5の実施例の内部構造を示す正面図、図10(b)は本発明の第5の実施例の分解斜視図である。
【0063】
図10(a)、図10(b)を参照するに、この第5の実施例は前述した第2の実施例の変形例を示し、第2の実施例における風向板11、12をそれぞれ風向板20、21に置き換えたものである。即ち、カバー5に、R曲げ加工を施さずにそれぞれ一枚板で形成された風向板20、21が固定されており、その他の構成は第2の実施例と同様である。
【0064】
この第5の実施例の作用、効果は前記第2の実施例の作用、効果とほぼ同じであるが、風向板20、21にR曲げの加工を施す必要がないだけ、製品単価を廉価に製作できること、及びプリント配線板に搭載される他の電気部品の関係上、R曲げされた風向板が使用できない場合等に有効である。
【0065】
【第6の実施例】
以下に本発明による第6の実施例について図面を参照して説明する。
【0066】
図11は、本発明による第6の実施例を示す概略斜視図であって、プリント配線板のみについて示した図であり、風向板の取り付け構造についての変形例である。
【0067】
図11を参照するに、叙上の第1〜第5の実施例においては、風向板はカバーに装着されていたが、この第6の実施例においては、風向板23はプリント配線板4に装着されている。
【0068】
即ち、プリント配線板4の長手方向両端には複数の取付孔22aが切設されたバー22が形成されており、必要に応じて両端部のバー22の任意の取付孔22aに風向板23の爪23aを係合することにより風向板23はプリント配線板4に固定される。
【0069】
図11に示された構成に基づいたカードを使用することによっても本発明の目的、効果が達成される。
【0070】
【第7の実施例】
以下に本発明による第7の実施例について図12を参照して説明する。
【0071】
図12は本発明の第7の実施例を示す概略斜視図であって、ダミー基板のみについて示した図であり、風向板の取付構造について特に、サブラックを複数用いる第3の実施例の変形例である。
【0072】
図12を参照するに、叙上の第1〜第5の実施例においては、風向板はカバーに装着されていたが、この第7の実施例においては、風向板25はダミー基板24に装着されている。
【0073】
即ち、ダミー基板24には取付孔24aが切設されており、これらの取付孔24aに風向板25に設けられた爪25を係合することにより風向板25はダミー基板24に固定される。
【0074】
図12に示された構成に基づいたダミーカードを使用することによっても同様に本発明の目的、効果を達成することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成され、作用するものであり、本発明によれば以下に示すような効果が得られる。
【0076】
本発明による第1の効果は、カードごとの風向きの微調整を達成することを可能としたことである。消費電力の高い電気部品の位置はカードごとに違うが、風向板の形状を各カードごとに代えることにより、FAN盤の風を効率よく問題となる電気部品に供給することができる。
【0077】
本発明による第2の効果は、FAN盤設計の簡易化にある。即ち、これまでは、各カード全体の消費電力と、電気部品の配置を考慮に入れて、熱解析でFAN数量、位置を決定していたが、本発明ではFANは入るだけ適当に配置さえすれば、後はカードの風向板で強制的に風向きが変わるために、FAN盤設計で熱的問題を考慮に入れなくてすむことが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による一実施の形態を示す斜視図であり、(b)は(a)に示す状態から一部の電子回路パッケージを外部に引き出して示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明に係る第1の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は第1の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【図4】(a)は本発明に係る第2の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は第2の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【図5】本発明に係る第2の実施例の動作を説明するためのカード内部における冷却風の流れを示す図である。
【図6】本発明に係る第3の実施例を示す斜視図である。
【図7】(a)、(b)は本発明による第3の実施例の内部構造を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係る第3の実施例の動作を説明するための図である。
【図9】(a)は本発明に係る第4の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は本発明の第4の実施例の分解斜視図である。
【図10】(a)は本発明の第5の実施例の内部構造を示す正面図であり、(b)は本発明の第5の実施例の分解斜視図である。
【図11】本発明による第6の実施例を示す概略斜視図であって、プリント配線板のみについて示した図であり、風向板の取り付け構造についての変形例である。
【図12】本発明の第7の実施例を示す概略斜視図であって、ダミー基板のみについて示した図であり、風向板の取付構造についての特に、サブラックを複数用いる第3の実施例の変形例である。
【図13】(a)は従来例を示す斜視図であり、(b)は(a)の状態から電子回路パッケージのいくつかを外部に引き出した状態を示す斜視図である。
【図14】従来技術の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1…サブラック
2…カード(電子回路パッケージ)
3…FAN盤
4…プリント配線板
5…カバー
6…ねじ
7、8、9、13、14…チップ
10、11、12、19、20、21、23、25…風向板
15…旧カード
17、18…ダミーカード
22…バー
Claims (13)
- プリント配線板と、該プリント配線板に固定されたカバーとを有し、サブラックに実装され該サブラックに設けられたFAN盤から発生される冷却風により冷却される複数個の電子回路パッケージの冷却構造において、前記電子回路パッケージの内部に、前記FAN盤から出力される冷却風の進行方向を転換して前記プリント配線板に配置された高消費電力の電気部品を効率的に冷却する風向板を配設したことを特徴とする電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板は、前記電子回路パッケージにおける吸気口からの前記冷却風を集束して前記高消費電力の電気部品に供給すると共に、前記冷却風が前記電子回路パッケージの排気口に進む程該冷却風の通風容積が小さくなるように形成されていることを更に特徴とする請求項1に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板を前記電子回路パッケージに一個設けたことを更に特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板にR曲げ加工を施したことを更に特徴とする請求項3に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板を前記電子回路パッケージに複数個設けたことを更に特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板にR曲げ加工を施したことを更に特徴とする請求項5に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板を前記カバーに装着したことを更に特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板を前記プリント配線板に装着したことを更に特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記プリント配線板の長手方向に沿った両端部に複数個の取付孔を有するバーを配設し、該両端のバーの前記取付孔の任意の孔に前記風向板の両端に設けられた爪を係合することにより該風向板を前記プリント配線板に装着することを更に特徴とする請求項8に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板を、R曲げ加工を施さずに一枚の直線状の板により形成したことを更に特徴とする請求項3または5のいずれか一項に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 複数個のサブラックが縦続接続され、該サブラックのそれぞれに複数個の電子回路パッケージが実装される構造において、内部にFAN盤からの冷却風の進路を変更する冷却手段が設けられていない従来の電子回路パッケージが上段サブラックの任意の領域に実装されている場合に、前記上段サブラックの前記従来の電子回路パッケージに対応する下段サブラックの領域にダミーの電子回路パッケージを実装し、該ダミーの電子回路パッケージの内部に前記FAN盤から発生する冷却風の進路を変更する冷却手段を設け、該冷却手段により、前記上段サブラックの対応領域に実装された前記従来の電子回路パッケージに配置された高消費電力の電子回路を効率的に冷却することを特徴とした電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記冷却手段は、前記FAN盤から発生する冷却風の進路を変更する風向板であることを更に特徴とする請求項11に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
- 前記風向板を、前記ダミーの電子回路パッケージを構成するダミー基板に配設したことを更に特徴とする請求項12に記載の電子回路パッケージの冷却構造。
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