JP3569958B2 - 立体画像作成装置および立体画像作成方法 - Google Patents

立体画像作成装置および立体画像作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は立体画像作成装置に関し、特に、複数のパターンであるパーツ画像を組み合わせて平面的な画像を作成し、この作成した画像を立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成装置および立体画像作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像を立体的に表現するRDS(ランダムドットステレオグラム)法等の立体画像作成方法が知られている。従来、立体画像は、グラフィックエディター等で平面的な画像を作成し、これをRDS法等を用いて立体画像化していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、原画及び立体画像を作成する自由度は高いが、原画及び立体画像を作成する作業に時間がかかるという問題があった。
また、立体化した画像を見ながら、線の太さや立体度を修正する手間に時間がかかるという問題があった。
【0004】
この発明は上記実状に鑑みてなされたもので、原画を簡単に作成し、これを立体的に視認可能な立体画像に変換できる立体画像作成装置および立体画像作成方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、使いやすい立体画像作成装置および立体画像作成方法を提供することを他の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の立体画像作成装置は、
複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成装置において、
前記作成された平面的な画像を、立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成手段と、
前記立体画像作成手段により作成された立体画像を出力させる出力制御手段と、
前記作成された画像を構成するパーツ画像のうちの少なくとも一つについて立体度を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2記載の立体画像作成装置は、
任意の画像を構成する複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成装置において、
前記作成された平面的な画像を立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成手段と、
前記立体画像作成手段により作成された立体画像を出力させる出力制御手段と、
前記作成された画像を構成するパーツ画像のうち、立体化したいパーツ画像を指定する指定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
【作用】
上記構成とすることにより、請求項1記載の立体画像作成装置によれば、複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成装置であり、立体画像作成手段は、前記作成された平面的な画像を、立体的に視認可能な立体画像に変換する。出力制御手段は、前記立体画像作成手段により作成された立体画像を出力させる。このため、複数のパーツ画像を合成して簡単に平面的な画像(原画)を作成でき、しかも、それを立体画像に変換することができる。従って、立体画像の作成が容易になる。そればかりでなく、前記作成された画像を構成するパーツ画像のうちの少なくとも一つについて立体度を設定することができる。
請求項2記載の立体画像作成装置によれば、複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成装置であり、立体画像作成手段は、前記作成された平面的な画像を、立体的に視認可能な立体画像に変換する。出力制御手段は、前記立体画像作成手段により作成された立体画像を出力させる。このため、複数のパーツ画像を合成して簡単に平面的な画像(原画)を作成でき、しかも、それを立体画像に変換することができる。従って、立体画像の作成が容易になる。そればかりでなく、前記作成された画像を構成するパーツ画像のうち、立体化したいパーツ画像を指定することができる。
【0007】
【実施例】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
(第1実施例)
図1は、この発明の第1実施例にかかる立体画像作成装置の回路構成を示すブロック図である。
この立体画像作成装置は、予め記憶されている複数のパターンを組み合わせてモンタージュ(似顔絵)画像(以下、「モンタージュ」という。)MG(図3(B)及び図13(A)参照)を作成し、作成したモンタージュをRDS(ランダムドットステレオグラム)法等を用いて立体画像(3Dイメージ)RG(図13(B)参照)に変換して出力する機能を有する。
【0008】
図示するように、この実施例の立体画像作成装置は、制御部31、入力部32、基本パーツパターンROM33、プログラムROM34、モンタージュRAM35、合成RAM36、立体画像作成RAM37、印刷制御回路41、プリンタ29、表示駆動回路40及び液晶ドットマトリクス表示部24を備える。
【0009】
制御部31は、入力部32から供給されるキー操作信号に基づき、後述するプログラムROM34に予め記憶されたプログラムに従って回路各部の動作の制御を行なう。制御部31は、例えば、CPU(中央処理装置)31Aとその周辺回路等から構成される。
【0010】
入力部32は、複数のキースイッチを備え、制御部31にデータを供給する。入力部32は、例えば、モンタージュ作成モードを設定する際に操作される「モンタージュ作成」キー、複数の基本モンタージュの中から任意のものを選択するための基本モンタージュ選択キー「▽」、「△」、モンタージュ作成に際し変更したいパーツを指定するためのパーツ指定キー「↑」、「↓」、変更対象として指定されたパーツのパターンを選択するためのパターン選択キー「←」、「→」、作成されたモンタージュを通常の平面的な画像で印刷する際に操作される「通常印刷」キー、作成されたモンタージュを3D化(3次元画像化)して印刷する際に操作される「立体印刷」キー、作成されたモンタージュデータを登録する際に操作される「登録」キー等を備える。
【0011】
基本パーツパターンROM33は、図2に示すように、モンタージュを構成するパーツ(部位)毎に複数個の図形パターンを記憶する。本実施例においては、モンタージュは、輪郭、髪、目、鼻、口の5つのパーツのパターンを合成して構成されるものとし、基本パーツパターンROM33はパーツ毎に20個のパターン(No.1〜No.20)を記憶する。各パターンは、マトリクス状のビットマップデータ(多数のドットをマトリクス状に配置してなるデータ)の形式で記憶されている。
プログラムROM34は、制御部31の動作を制御するプログラム、例えば、データ入力プログラム、モンタージュ作成プログラム、3D化プログラム等を記憶する。
【0012】
モンタージュRAM35は、モンタージュMGを構成する各パーツ(輪郭、髪、目、鼻、口)のパターン番号を図3(A)に示すように記憶する。図3(A)の例は、モンタージュが図2に示す輪郭のNo.1のパターン、髪のNo.8のパターン、目のNo.14のパターン、鼻のNo.1のパターン、口のNo.1のパターンから構成されることを示す。作成されるモンタージュMGは図3(B)に示すように、各パターンを合成したものとなる。
【0013】
合成RAM36は、基本パーツパターンROM33から読み出された各パーツのパターン(ドットパターン)を合成して、モンタージュを作成するために使用される領域である。合成RAM36上に形成されたモンタージュは表示駆動回路40を介して表示部24に表示される。
【0014】
立体画像作成RAM37は合成RAM36上に作成されたモンタージュを、RDS法等を用いて立体画像に変換するために使用される。
印刷制御回路41は制御部31の制御下にプリンタ29の動作を制御する。
表示駆動回路40は制御部31の制御下に液晶ドットマトリクス表示部24の表示動作を制御する。
【0015】
次に、上記構成の立体画像作成装置の動作を、基本パーツパターンROM33に記憶されたパターンを組み合わせてモンタージュを作成し、作成したモンタージュを3D化して印刷する場合を例に、図4のフローチャートを参照して説明する。
なお、本実施例においては、図5に示すように、モンタージュを構成する輪郭、髪、目、口を背景(立体度0)より所定量だけ浮き上がった形態(立体度1)で3D化し、さらに、鼻を背景よりユーザが設定した程度(立体度1〜5)だけ浮き上がった形態で3D化する。
【0016】
まず、ユーザは、基本パーツパターンROM33に記憶された各パーツの任意のパターンを組み合わせて希望のモンタージュを合成RAM36上に作成する(ステップA1)。
ステップA1で作成したモンタージュを図3(B)に示すような通常の形態で印刷する場合、使用者は入力部32の通常印刷キーを操作する。このキー操作は、ステップA2及びステップA3で検出され、制御部31は合成RAM36上に形成されたモンタージュのドットデータを順次読みだし、印刷制御回路41を介してプリンタ29に印刷させる(ステップA4)。
【0017】
一方、ステップA1で作成したモンタージュをRDS法を用いて3D化して印刷する場合、使用者は入力部32の立体印刷キーを操作する。このキー操作は、ステップA2及びステップA3で検出され、フローはステップA5に進む。ステップA5において、使用者は5段階の鼻の高さのうちの任意の値を入力する。
制御部31は、入力された鼻の高さを変数Xに設定し(ステップA6)、この変数Xに従って合成RAM36上のモンタージュを3D変換して表示及び印刷する(ステップA7)。
【0018】
次に、ステップA1で実行されるモンタージュ作成処理の詳細について図6及び図7のフローチャートを参照して具体的に説明する。
ユーザが入力部32のモンタージュ作成キーを操作すると、制御部31はこのキー操作を検出し、図6に示すモンタージュ作成処理を開始する。
まず、制御部31は、基本パーツパターンROM33に記憶された全てのパーツについて、合成対象のパターン番号として「No.1」を設定し、さらに、変更対象パーツ番号として輪郭を示す「01」を設定する(ステップB1)。
【0019】
次に、制御部31は各パーツの合成対象のパターンを読み出し、これらを合成RAM36に転送して合成する(ステップB2)。
即ち、図7のフローチャートに示すように、輪郭の合成対象のパターン番号を読み出し(ステップC1)、その番号が付されたパターンを基本パーツパターンROM33から読み出して合成RAM36に転送し、展開する(ステップC2)。次に、髪の合成対象のパターン番号を読み出し(ステップC3)、その番号のパターンを基本パーツパターンROM33から読み出して合成RAM36に転送し、展開する(ステップC4)。同様の処理を目、鼻、口について行い(ステップC5)、合成RAM36上にモンタージュを作成する。
制御部31は、作成されたモンタージュを表示部24に表示する(図6ステップB4)。
【0020】
次に、制御部31は入力部32の基本モンタージュ選択キー「△」又は「▽」が操作されたか否かを判別する(ステップB4)。基本モンタージュ選択キー「△」が操作された場合、ステップB5で、全てのパーツの合成対象のパターン番号が+1され(パターン番号がNo.20の場合には、No.1とされ)、フローはステップB2にリターンする。また、基本モンタージュ選択キー「▽」が操作された場合、ステップB5で、全てのパーツの合成対象のパターン番号が−1され(パターン番号がNo.1の場合には、No.20とされ)、フローはステップB2にリターンする。
【0021】
ステップB4でNOと判別されると、制御部31は入力部32のパーツ指定キー「↑」又は「↓」が操作されたか否かを判別する(ステップB6)。パーツ指定キー「↑」が操作された場合、ステップB7で、変更対象のパーツの番号が+1され(パーツ番号が5(口)の場合には、1(輪郭)とされ)、フローはステップB2にリターンする。また、パーツ指定キー「↓」が操作された場合、ステップB7で、変更対象のパーツ番号が−1され(パーツ番号が1(輪郭)の場合には、5(口)とされ)、フローはステップB2にリターンする。
【0022】
一方、ステップB6でNOと判別されると、制御部31は入力部32のパターン選択キー「←」、「→」が操作されたか否かを判別する(ステップB4)。パターン選択キー「←」が操作された場合、ステップB9で、変更対象パーツのパターン番号が+1され(パターン番号がNo.20の場合には、No.1とされ)、フローはステップB2にリターンする。また、パターン選択キー「→」が操作された場合、ステップB9で、変更対象のパーツのパターン番号が−1され(パターン番号がNo.1の場合には、No.20とされ)、フローはステップB2にリターンする。
【0023】
ステップB8でNOと判別されると、制御部31は入力部32の登録キーが操作されたか否かを判別する(ステップB10)。登録キーが操作された場合、制御部31は合成RAM36に保持されているモンタージュを構成する各パーツのパターン番号をモンタージュRAM35に登録し(ステップB11)、ステップA1のモンタージュ作成処理を終了する。一方、登録キーが操作されていない場合、フローはステップB4にリターンする。
【0024】
従って、ステップB1の初期設定により、全てのパーツについてNo.1のパターンから構成される第1の基本モンタージュが作成され、表示される。
そして、ユーザが基本モンタージュ選択キー「▽」又は「△」を操作すると、全てのパーツについて同一番号のパターンから構成される第1〜第20の基本モンタージュが順次作成され、表示される。これにより、ユーザは20個の基本モンタージュの中から自分の希望するモンタージュに近いものを選択できる。
表示された基本モンタージュのうち、ある特定のパーツ(例えば輪郭)のパターンを他のパターンに変更したい場合には、ユーザはパーツ指定キー「↑」、「↓」を操作して変更対象パーツを指定し、その後、パターン選択キー「←」、「→」を操作し、任意のパターンに変更する。
希望するモンタージュ(図3(B)参照)が得られた場合、ユーザは入力部32の登録キーを操作し、そのモンタージュを構成する各パーツのパターン番号をモンタージュRAM35に登録する(図3(A)参照)。
【0025】
次に、図4のステップA7で実行される3D変換処理について、図8〜図10を参照して説明する。
まず、本実施例の3D化処理において使用するRDS法について説明する。
ステレオグラムを普通の絵として見ている時は、図8(A)に示すように左右の視線は紙面Pの上で交差する。一方、立体視しているときは、図8(B)に示すように、左右の視線は紙面Pの異なった位置を見ており、視線の交点Kと紙面Pとの距離を変えることにより、立体視が可能となる。ここで、左右の視線の交点Kと紙面Pの距離を短く又は長くすると、視線と紙との交点P1、P2の間隔も短く又は長くなる。従って、紙面P上で対応する2つの点P1、P2の間隔を、短くしたり、長くしたりすることにより、その部分の立体化が可能となる。
【0026】
例えば、図9(A)に示す4つの点D1〜D4は立体視すると、図9(B)に示すように5つの点D11〜D15となって見えるが、図9(A)の中央の2つの点D2、D3の間隔L1が他の間隔L2よりも広いため、図9(C)に示すように、真ん中の点D13が他の点D12、D14よりも沈んで見える。
同様に、例えば、図10(A)に示す4つの点E1〜E4は立体視すると、図10(B)に示すように5つの点E11〜E15となって見えるが、図10(A)の中央の2つの点E2、E3の間隔L3が、他の間隔L4よりも狭いため、図10(C)に示すように、真ん中の点E13が他の点E11、E12、E14及びE15よりも浮き上がって見える。
即ち、対応する2つの点の間隔の広狭によってものの凹凸を表現できる。
【0027】
そこで、立体化したい画像のある1ライン上のある一点について、その点の色(モノカラーの場合、白又は黒)を第1の点としてランダムに定め、その第1の点の高さに応じて次の第2の点を描く位置までの距離LAを決め、第1の点と同一の色の点を第2の点として書く。図11に示すように、これを繰り返すことにより、立体画像を作成する。
ただし、これだけでは、立体化したい画像上のとびとびの点が立体視線化させるだけであるので、立体化したい画像上の同一ライン上の他の点についても同様の処理を実行する。なお、立体画像上で点が重なることがあるが、この場合、例えば、第1の点については先に設定されている点の色をそのまま使用し、第2の点以降については、先に画かれている点の上に第1の点と同じ色の点を重ねて書くようにすればよい。
立体化したい画像のある1ライン上の全ての点についての処理が終了したら、次のラインの処理に移る。
【0028】
本実施例においては、RDS法を用いて合成RAM36上に形成されたモンタージュMGを図12に示す手順で以下のようにして立体画像RGに変換する。
まず、制御部31は合成RAM36に記憶されたドットパターンデータの読みだし位置と立体画像作成RAM37の第1のドットの書き込み位置を示す第1書き込みポインタを初期化する(ステップD1)。
次に、制御部31は、合成RAM36の読みだしポインタにより指示された位置のドットデータを読み出す(ステップD2)。
次に、読みだしたドットデータが”1”か否か判別する(ステップD3)。読みだしたドットデータが”0”の場合、そのドットが表す部分は図5に示す背景に相当し、立体度を0に設定する(ステップD4)。
【0029】
一方、読みだしたドットデータが”1”の場合、そのドットデータがモンタージュの鼻を構成するドットデータであるか否かを判別する(ステップD5)。
鼻を構成するドットデータであるか否かは、例えば、読み出したドットデータの位置(アドレス)が鼻のパーツパターンが設定されているエリア内である否かにより判別する。
鼻を構成するドットデータではない場合(即ち、輪郭、髪、目、口を構成するドットデータの場合)、その立体度を1に設定する(ステップD6)。
読みだしたドットデータ”1”で且つ鼻を構成するドットデータである場合、立体度を図4のステップA6で設定した変数Xに設定する(ステップD7)。
【0030】
次に、制御部31は立体画像作成RAM37の第1書き込みポインタにより指示される位置に既に色(本実施例はモノカラーなので、白又は黒)が設定されているか否か、即ち、ドットデータが書き込まれているか否かを、後述するフラグの値から判別する(ステップD8)。色が設定されていない場合、色をランダムに決定し(ステップD9)、決定した色を立体画像作成RAM37の第1書き込みポインタにより指示されたドットに書き込むと共にそのドットに色を設定した旨のフラグをセットする(ステップD10)。
【0031】
次に、1番目のドットと2番目のドットの距離を、例えば、次のように求める(ステップD11)。
距離(ドット数)=基本幅−立体度に応じた係数×立体度
ここで、基本幅とは、例えば、人間の左右の目の間隔(約66mm)や立体画像の見え易さ等を考慮して決定される値であり、各点間の距離の基本値を示す。立体度に応じた係数は立体度が1段階変化する毎に変化するドット数を示す。この係数が大きくなるに従って、立体度が1段階変化する度に立体画像の奥行き或いは高さが大きく変化する。また、立体度は、画像の各部の凹凸の程度を示す値である。
基本幅、係数、立体度は、任意に定められるが、本実施例では、基本幅を30(ドット)、係数を2、立体度を0〜5とする。但し、これらの値に限定されるものではない。
この距離に基づいて、2番目のドットの書き込み位置を示す第2書き込みポインタの位置を求め、第2書き込みポインタの指示する位置に1番目のドットの色データと同一の色データをセットし、さらに、色を設定した旨のフラグをセットする(ステップD12)。
【0032】
次に、合成RAM36に形成された画像の全てのドットデータの読みだしが終了したか否かを判別し(ステップD13)、終了していない場合には、読みだしポインタと第1書き込みポインタの位置を更新する(ステップD14)。
合成RAM36に形成されたモンタージュ画像MGの全てのドットデータの読みだしが終了した場合には、立体画像作成RAM37に記憶された画像、即ち、完成した立体画像RGを出力(表示又は印刷)する(ステップD15)。
図13(A)と(B)は、図3(B)に示すモンタージュMGとそれを上述の手法を用いて立体化した場合の立体画像RGをそれぞれ示す。
【0033】
以上説明したように、本実施例によれば、予め用意された複数のパーツのパターンを任意に組み合わせて平面画像であるモンタージュMGを作成し、さらに、これをRDS法を用いて立体画像RGに変換して出力(印刷及び表示)することができる。
【0034】
この実施例においては、鼻を他のパーツよりも浮き出させる例で説明したが、この発明はこれに限定されない。例えば、目のパターンの高さをユーザに入力させ、目の落ちくぼみを立体的に表現することも可能である。
図14に示すように、基本パーツパターンROM33に記憶される鼻のパターン毎に高さを予め設定しておき、選択したパターンに設定された立体度で鼻のパターンを3D化するようにしてもよい。この場合、図5におけるステップA5及びステップA6を設ける必要はなく、また、図12のステップD7において、立体度は選択したパターンに設定されていた立体度となる。
【0035】
立体表現するパーツを選択できるようにしてもよい。この場合、図4のステップA5で、ユーザは立体化したいパーツとその立体度を設定し、ステップA6でその設定が登録される。一方、図12のステップD5では、読み出したドットデータが立体化すべきパターンのデータであるか否かを判別し、立体化すべきものであればステップD7で立体度をユーザにより入力された値に設定する。このようにすれば、任意のパーツを任意の立体度で表現することができる。
【0036】
図15に示すように、パーツの全面に高さに関する情報を設定しておき、例えば、鼻を実際の鼻のように起伏をもたせて表現したり、頬の部分を少し浮き出させたり、髪の凹凸を立体的に表現することも可能である。この場合、例えば、図12のステップD5でドットデータが各パーツのどの部位に属すかを判別し、判別した部位に設定された立体度でそのドットを立体視化する(立体度に応じた距離の2点を設定する)。
人間の顔のモンタージュMGを作成し、これを立体画像化する場合を例に説明したが、パーツ及び作成される画像の種類は任意である。例えば、モンタージュを構成するパーツとして、首、肩、眼鏡等のパーツを追加したり、或いは、車のパーツのパターンを用意しておき、作成された車の画像を立体画像化する等任意に応用可能である。
【0037】
なお、合成RAM35の容量に制限がある場合等には、例えば、図16に示すように、モンタージュを1行分(31ドット幅)展開し(ステップE1)、これを1ライン(ドットライン)づつ3次元画像に変換し(ステップE2、E3)、1行分について印刷し(ステップE4)、さらに、上述の動作を全行(全ての画像)について立体画像が作成されるまで繰り返す(ステップE5)。これにより、小さいメモリ、例えば、ラインメモリを用いて任意の画像を立体画像に変換することができる。
【0038】
上記実施例では、右目と左目とにより、平行に近い視線で別々の所を同時に見る方法(これを平行法という)を用いてステレオグラムを見る場合について説明したが、右目と左目とにより、視線を一度近いところで交差させて、別々の所を同時に見る方法(これを交差法という)を用いてステレオグラムを見る場合は、上述の平行法で見た場合(図9、図10参照)と異なり、その立体感が逆となり、凸部と見える所が凹と見え、凹部と見える所が凸部と見えることになる。従って、交差法を用いてステレオグラムを見る為の3D変換処理を行うには、図12のステップD11における1番目のドット2番目のドットの間の距離は例えば次のように求める。
距離(ドット数)=基本幅+立体度に応じた係数×立体度
【0039】
(第2実施例)
以下、第1実施例にかかる立体画像作成装置を個人データと共にモンタージュを記憶する機能を有する電子手帳に応用した第2実施例を説明する。なお、第2実施例において第1実施例と同一部分には同一符号を付す。
【0040】
図17に示すように、この電子手帳は、左右に開く手帳式のケース11を有している。
ケース11の左操作面12aには、電源のオン、オフを行なう「ON」キー13a、「OFF」キー13b、モンタージュ作成モードを設定する際に操作される「モンタージュ作成」キー14、予め記憶された各パーツパターンのうちの同一番号のパターンの組合せからなる基本モンタージュを選択するための基本モンタージュ選択キー「▽」16a、「△」16b、モンタージュ作成に際し変更したいパーツを指定するためのパーツ指定キー「↑」17a、「↓」17b、変更対象として指定されたパーツのパターンを選択するためのパターン選択キー「←」18a、「→」18b、作成されたあるいは登録済のモンタージュを通常の平面的な画像で印刷する際に操作される「印刷」キー19a、作成されたあるいは登録済のモンタージュを3D(3次元)印刷する際に操作される「立体印刷」キー19b、個人データ等を入力するための入力モードを設定する際に操作される「データ入力」キー20、モンタージュ作成モード及びデータ入力モードのそれぞれにおいて、作成あるいは入力されたモンタージュデータ、個人データ等を保存登録する際に操作される「登録」キー21、データ検索モードを設定する際に操作される「検索」キー22が設けられる。
【0041】
ケース11の左操作面12aには、液晶ドットマトリクス表示部24が設けられている。また、図示せぬコネクタ、ケーブルを介してプリンタ29がケース11に接続されている。
【0042】
ケース11の右操作面12bには、数値入力を行なう際に操作されるテンキー「0〜9」25、演算子キー「+、−、×、÷、=」26、そして、データ入力用のアルファベットキー「A〜Z」27が設けられる。
【0043】
図18は図17に示す電子手帳の回路の構成を示す。この回路構成は、個人データRAM38を備える点以外は、図1に示す第1実施例の回路構成と実質的に同一である。
個人データRAM38は、図19に示すように、氏名、住所、電話番号等からなる個人データと対応するモンタージュを構成する各パーツのパターン番号及びシークレットフラグを、例えば、50人分記憶する容量を有する。
【0044】
次に、上記構成の電子手帳の動作を説明する。
図20はこの電子手帳のデータ入力登録処理を示すフローチャートである。
個人データRAM38に個人データ及びそのモンタージュデータを登録する場合、ユーザは「データ入力」キー20を操作する。この操作に応答し、制御部31は図20に示す処理を開始する。
【0045】
まず、各種文字入力キー25、26、27を操作して、氏名、住所、電話番号、生年月日等の個人データを入力すると、入力された各個人データは個人データRAM38内の個人データエリアに記憶される(ステップF1、F2)。
そして、個人データRAM38内の個人データエリアに記憶させた個人データに対応するモンタージュを、第1実施例と同様のモンタージュ作成処理により作成し、モンタージュRAM35に登録する(ステップF3、F4)。
【0046】
ステップF3のモンタージュ作成処理により作成されたモンタージュを、ユーザー以外の他人に対し秘密にしたい場合、ユーザは「シークレット」キー20aを操作する。すると、モンタージュの格納エリアに対応して設けられたシークレットフラグエリアにシークレットフラグFがセットされる(ステップF5、F6)。
こうして、各種個人データを入力し、モンタージュデータを作成し、さらに、シークレットフラグFの有無を設定した後に登録キー21を操作すると、モンタージュRAM34に保持されていたモンタージュデータ(各パーツのパターン番号)が個人データRAM38内のモンタージュエリアに転送され、登録される(ステップF7、F8)。
これにより、個人データRAM38には、所望の個人データ、そのモンタージュデータ、シークレットフラグFが登録されたことになる。
【0047】
図21は、この電子手帳に登録された個人データを検索して表示する処理のフローチャートを示す。
個人データRAM38内に登録させた所望の個人データを検索するのに、「検索」キー22を操作すると、制御部31はデータ検索モードに設定され、図21に示す処理を開始する。
まず、使用者はアルファベットキー27、テンキー25等により、氏名、電話番号等を入力する(ステップG1)。すると、制御部31は入力データに対応した個人データを個人データRAM38から読み出す(ステップG2)。
【0048】
読み出された個人データに付されたシークレットフラグFがセットされている場合、対応するモンタージュデータはモンタージュ作成処理及び3D化処理を経て立体画像に変換され、変換された立体画像RGが図13(B)に示すように、表示部24に表示される(ステップG3〜G5)。
つまり、シークレットフラグFが設定された個人データが検索されると、対応するモンタージュは、一見しただけでは認識できない立体画像の形式で表示される。
【0049】
テンキー25を操作してパスワードを入力すると、制御部31は予め登録されているパスワードと入力されたパスワードを比較し(ステップG6、G7)、一致すれば、図13(A)に示すように、制御部31は合成RAM36上に形成されている通常のモンタージュMGを表示部24に表示させる。この際、読み出された個人データの「氏名」、「住所」、「電話番号」等の内容も表示させる(ステップG8)。
【0050】
一方、読み出された個人データに付されたシークレットフラグFがリセットされている場合、対応するモンタージュMGが作成され、読み出された個人データとモンタージュMGが表示部24に表示される(ステップG3、G9)。
本実施例によれば、シークレットフラグFがセットされている場合には、モンタージュの3次元画像が表示部24に表示される。3次元画像は一瞬見ただけでは理解できないので、三次元画像RGで表されているモンタージュを第三者に秘密にすることが可能である。
【0051】
なお、表示部24に3次元画像が表示された状態で、立体印刷キー19bを操作すると、プリンタ29により3次元画像が印刷される。
第1実施例と同様のキー操作により、個人データとは別に任意のモンタージュを作成し、これを3次元画像化できるようにしてもよい。
【0052】
第2実施例では、本発明の第1実施例にかかる立体画像作成装置を、個人データとモンタージュを登録する機能を有する電子手帳に応用した場合を説明したが、この発明はこれに限定されず。ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ラベルプリンタ等、予め登録された複数のパターンを組み合わせて任意の画像を形成して出力できる種々の電子機器に応用可能である。
なお、上記実施例では、RDS法を用いて平面画像を立体画像に変換したが、テキストグラム等の他の手法を用いて平面画像を立体画像に変換してもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成することができるばかりでなく、前記作成された平面的な画像を、立体的に視認可能な立体画像に変換し、この変換された立体画像を出力させることができる。よって、簡単に立体画像を作成できる。そればかりでなく、作成された画像を構成するパーツ画像のうちの少なくとも一つについて立体度を設定することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の場合と同様、簡単に立体画像を作成できるばかりでなく、作成された画像を構成するパーツ画像のうち、立体化したいパーツ画像を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例にかかる立体画像作成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す基本パーツパターンROMの記憶データの一例を示す図である。
【図3】(A)は図1に示すモンタージュRAMの記憶データの一例を示す図、
(B)は図3(A)に示すデータにより形成されるモンタージュの一例を示す図である。
【図4】図1に示す立体画像作成装置のモンタージュ作成処理及び立体画像化処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に示す処理により形成される立体画像を説明するための図である。
【図6】図4に示すモンタージュ作成処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示すデータ合成処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図8】RDS(ランダムドットステレオグラム)法を説明する図である。
【図9】RDS(ランダムドットステレオグラム)法を説明する図である。
【図10】RDS(ランダムドットステレオグラム)法を説明する図である。
【図11】RDS(ランダムドットステレオグラム)法を説明する図である。
【図12】図4に示す3D変換(3次元化)処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図13】(A)はモンタージュの一例を示す図、
(B)は(A)に示すモンタージュを図9に示す処理により3次元化した3次元画像を示す図である。
【図14】パターン毎に立体度を示す情報を付加した例を示す図である。
【図15】パターン全面に立体度を示す情報を付加した例を示す図である。
【図16】立体画像作成処理の変形例を示すフローチャートである。
【図17】この発明の第2実施例にかかる電子手帳の外観構成を示す図である。
【図18】図17に示す電子手帳の回路ブロック図である。
【図19】図18に示す個人データRAMの記憶データの一例を示す図である。
【図20】図17に示す電子手帳のデータ入力・登録処理を示すフローチャートである。
【図21】図17に示す電子手帳の検索処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11・・・ケース、14・・・モンタージュ作成キー、16a、16b・・・基本モンタージュ選択キー、17a、17b・・・パーツ指定キー、18a、18b・・・パターン選択キー、19a・・・通常印刷キー、19b・・・立体印刷キー、20・・・データ入力キー、20a・・・シークレットキー、21・・・登録キー、22・・・検索キー、24・・・表示部、25・・・テンキー、26・・・演算子キー、27・・・アルファベットキー、29・・・プリンタ、31・・・制御部、32・・・入力部、33・・・基本パーツパターンROM、34・・・プログラムROM、35・・・モンタージュRAM、36・・・合成RAM、37・・・立体画像作成RAM、38・・・個人データRAM、41・・・印刷制御回路、40・・・表示駆動回路

Claims (4)

  1. 任意の画像を構成する複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成装置において、
    前記作成された平面的な画像を立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成手段と、
    前記立体画像作成手段により作成された立体画像を出力させる出力制御手段と、
    前記作成された画像を構成するパーツ画像のうちの少なくとも一つについて立体度を設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とする立体画像作成装置。
  2. 任意の画像を構成する複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成装置において、
    前記作成された平面的な画像を立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成手段と、
    前記立体画像作成手段により作成された立体画像を出力させる出力制御手段と、
    前記作成された画像を構成するパーツ画像のうち、立体化したいパーツ画像を指定する指定手段と、
    を備えることを特徴とする立体画像作成装置。
  3. 複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成方法において、
    前記作成された平面的な画像を、立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成ステップと、
    前記立体画像作成ステップにより作成された立体画像を出力させる出力制御ステップと、
    前記作成された画像を構成するパーツ画像のうちの少なくとも一つについて立体度を設定する設定ステップと、
    を備えることを特徴とする立体画像作成方法。
  4. 複数のパーツ画像を合成し、平面的な画像を作成する画像作成方法において、
    前記平面的な画像を、立体的に視認可能な立体画像に変換する立体画像作成ステップと、
    前記立体画像作成ステップにより作成された立体画像を出力させる出力制御ステップと、
    前記作成された画像を構成するパーツ画像のうち、立体化したいパーツ画像を指定する指定ステップと、
    を備えることを特徴とする立体画像作成方法。
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