JP3569745B2 - 透明性光学材料の光透過率低下の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、透明性光学材料の光透過率低下の抑制方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、結晶質あるいは非晶質の透明光学基板材料等の光学材料について、イオン照射損傷の動的な回復を行うことにより、母相部分の透明性を保ち、イオン注入による非線形光学材料や照射損傷環境における光学窓材料等の光透過率の低下抑制を可能とする、透明性光学材料の光透過率低下の抑制方法と、この方法によるイオン注入方法並びにイオン注入光学材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
従来より、半導体の製造技術としてレーザー照射が広く行われ、イオン照射によって非晶質化された部分の結晶性を回復し、注入不純物を電気的に活性化するのに有効な技術として知られている。たとえば、特願昭53−71732の特許出願では、このような技術として、イオンとレーザーを同時に照射する方法も含むものとして、提案されている。
【0003】
また、ガラス材料においては、光エネルギーの吸収体として半導体薄膜をコートして、ガラス軟化点を越えるレーザー加熱を行いつつイオン注入を行う方法も特願平1−156328の特許出願として提案されている。しかしながら、これらの従来の技術においては、結晶半導体あるいはガラス材料のレーザー加熱による結晶の溶融あるいはガラス軟化を行うものである。
【0004】
このような溶融や軟化をともなう従来の技術では、溶融、軟化のためのアニール等の処理手段が必要とされ、その操作のコントロールが欠かせない等の負担が大きいばかりでなく、溶融や軟化にともなって、光学材料の品質や特性の変化が懸念されるという大きな問題がある。特にこのことは、非線形光学材料に対してのイオン注入法の適用を難しくする要因となっていた。
【0005】
このため、イオン注入による透明性光学材料のイオンによる照射損傷に起因する光透過率の減少という問題点を、光学材料の溶融や軟化をともなわずに解消することはできないでいた。
【0006】
この出願の発明は、以上のとおりの従来技術の問題点を解消して、イオン注入プロセスやイオン損傷環境下における透明性光学材料の光透過率の減少を抑えることのできる、新しい技術手段を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、イオン注入プロセスもしくはイオン照射損傷環境下における結晶質あるいは非晶質の透明性光学材料に対し、これら透明性光学材料の溶融あるいは軟化を行うことなく、イオン照射と同時にレーザーを照射して、透明性光学材料の光透過率の低下を抑えることを特徴とする透明性光学材料の光透過率低下の抑制方法を提供する。
【0008】
また、この出願の発明は、第2には、透明性光学材料のエネルギーギャップよりも小さいエネルギーの波長の高出力レーザーを照射することを特徴とする前記の方法を提供する。
そして、この出願の発明は、第3には、この方法によることを特徴とするイオン注入法を、第4には、イオン注入光学材料をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、前記のとおりの特徴をもつものであって、結晶質あるいは非晶質の透明光学基板材料としての色ガラスや、非線形光学材料、硬化光学材料の作製、あるいは核融合炉等照射損傷環境での計測診断等用光学窓材料の作製における各種光学材料の光透過率の維持のための技術等として有用なものである。
【0010】
光学基板材料を用いたイオン注入による材料作製技術、あるいはイオン照射損傷環境における基板部分(母相)材料の照射損傷による光透過率の減少(光吸収率の上昇)という問題点は、この出願の発明によって、イオン注入またはイオン照射中にレーザー光を照射することによる非線形な同時照射効果により、基板材料を軟化・溶融させることなく、イオン注入部の光吸収率の上昇を低減することを可能としている。
【0011】
この出願の発明においては、対象としての光学材料は、結晶質または非晶質より構成され、かつ透明度の高い透明性の材料である。このような材料としては、各種の用途のものでよく、イオン注入操作もしくはイオン照射損傷環境への配置にともなって、光透過率が減少(光吸収率が増大)することが問題となるものが対象となる。用途としては、たとえば、基板であってもよいし、光学窓であってもよい。
【0012】
このような特徴は、レーザーの同時照射時に起こる非線形な欠陥回復効果によるものである。このため、この出願の発明の方法においては、光学材料そのものの溶融や軟化という加熱は一切必要としない。
【0013】
同時照射によって以上の効果を発揮できるためには、レーザーは、空間的に均一に照射することが望ましい。イオン注入もしくはイオン照射とレーザー照射とが時間的に許容される時間誤差を超えてズレた場合には、この出願の発明の効果は、充分に、あるいは全く得られないことになる。
【0014】
この出願の発明においては、光吸収を起こす欠陥準位に的を絞るために、エネルギーギャップ以下の波長のレーザーを照射するのが望ましい。
そこで以下の実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
【0015】
【実施例】
光学基板材料として、石英ガラスa−SiO2(商品名KU−1(登録商標)、820ppm OH)と、スピネルMgO−n(Al2O3)(n=2.4)を、直径15mm、厚さ0.5mmの円板形状で、両面光学研磨して用いた。照射装置としては、図1に例示したように大電流タンデム加速器系と大出力YAGレーザーより構成されるものを用いた。重イオン照射は3MeVCu2+、レーザーは、532nm(パルス幅20nsec,繰り返し周波数10Hz)のYAGレーザー2次高調波を用いた。照射時間は、イオン線量3×1016ions/cm2(または3×1015ions/cm2)に対応させた。イオン電流密度及びレーザー強度は、それぞれ2〜10μA/cm2(1〜5particle−μA/cm2)及び0.05〜0.2J/cm2pulse とした。レーザー強度の空間分布は、イメージ転送(イメージ・リレイ)法により、6mm径の均一な空間分布を得た。試料は穴空きマスク板(12mm形)によって水冷試料ステージへ押しつけ熱除去を確保した。
【0016】
レーザーとイオンの同時照射と、比較のための順次照射とを次の条件により行った。
1)同時照射:3MeVCu2+イオン及び532nmレーザーを、積算線量3×1014ions/cm2まで照射。
【0017】
2)順次照射:最初に3MeVCu2+イオンを同線量まで照射し、次に532nmレーザーを、イオン照射に対応する時間に亘り照射。
その効果を光吸収率によって評価した。a−SiO2の照射後の光学吸収スペクトルを図2に示した。図2中においては、符号Iはイオンの照射を、Lはレーザーの照射を示し、Absは光吸収を示している。
【0018】
この図2からは、a−SiO2の光吸収率は、イオン照射のみでも線量率によって大きく変化し、低線量率では、紫外線域にかけてフォトンエネルギー(波長)とともに増大し、種々の電子欠陥状態に対応するこぶを持つ、低線量率では、欠陥に由来する光吸収が大きいが、順次照射:AbsI+L(Sq):破線でも少しの効果が認められるものの、レーザー・イオン同時照射:AbsI+L(Co):実線では、著しい光透過率の回復(プリーチング効果)が顕れることが確認される。
【0019】
スピネルMgO−n(Al2O3)(n=2.4)の照射後の光吸収スペクトルを図3に示した。同様に、同時照射において、著しいブリーチング効果が現われる。なお、これら透明性光学基板材料にレーザーのみを照射しても何ら変化はない。また、順次照射においては、イオン照射誘起損傷が最大値に至って後にレーザー照射が開始されるので、同時照射の場合の累積的効果は、順次照射における累積的効果より少ないにも拘わらず、その効果は大きいことから、相乗的なブリーチング効果が存在することがわかる。用いたレーザー波長は、絶縁体のエネルギーギャップより小さいエネルギーであるため、それを吸収する電子状態はイオン照射中の過度的欠陥である。この方法によれば、エネルギー吸収体の照射欠陥が消失した後は、それ以上光エネルギーが吸収されて変質等を来すことはない。
【0020】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、従来、透明光学材料のイオン注入では照射欠陥による光吸収損失が生じ、回復させるには再溶融または融点直下の照射後の熱的アニールによるしかなかったが、照射中の動的な回復により、物性や品質の変化が懸念される加熱溶融を伴わずに、また照射後アニールが不要となって、イオン注入技術における光透過率の低下を防止することができる。このことによって、非線形光学材料等への用途が広がる。
【0021】
従って、付加価値の高い非線形光学材料等の品質が向上し製作工程が効率化されることになる。また、イオン注入プロセッシング技術に関する多様な用途が広がる。一方、核融合炉におけるプラズマ診断用の光学窓材料等の照射損傷環境での光透過率を回復させることは、真空解除を要せず大幅にコストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン・レーザー同時照射装置の平面図である。大電流重イオンタンデム系は、負イオン入射器(A)、低エネルギービームライン(B)、タンデム加速器本体(C)より成り、YAGレーザー(D)及び材料照射チャンバー(E)と組み合わされる。イオンは試料面に垂直に照射され、レーザーは試料法線に対して、約35度の角度で照射される。
【図2】イオン・レーザー同時照射が石英ガラスa−SiO2の光学吸収に及ぼす効果を例示した図である。3MeVCu2+イオンと532nmレーザーについて、イオン照射のみ(I)、同時照射(I+L(Co))、そして順次照射(I+L(Sq))を比較している。
【図3】イオン・レーザー同時照射MgO−n(Al2O3)(n=2.4)の光学吸収に及ぼす効果を例示した図である。3MeVCu2+イオンと532nmレーザーについて、イオン照射のみ(I)、同時照射(I+L(Co))、そして順次照射(I+L(Sq))を比較している。
Claims (4)
- イオン注入プロセスもしくはイオン照射損傷環境下における結晶質あるいは非晶質の透明性光学材料に対し、これら透明性光学材料の溶融あるいは軟化を行うことなく、イオン照射と同時にレーザーを照射して、透明性光学材料の光透過率の低下を抑えることを特徴とする透明性光学材料の光透過率低下の抑制方法。
- 透明性光学材料のエネルギーギャップよりも小さいエネルギーの波長の高出力レーザーを照射することを特徴とする請求項1の抑制方法。
- 請求項1または2の方法によることを特徴とする透明性光学材料のイオン注入方法。
- 請求項3の方法により作成されたことを特徴とするイオン注入透明性光学材料。
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