JP3568936B2 - 自動車用の吸音材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体におけるフェンダ部の下面やエンジンルーム内のエプロンサイドなどに取り付けると好適な吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は、エンジンルームなどの数多くの騒音発生源を有し、ここから発生する種々の騒音を効率良く吸音すると、ドライバは静粛で快適なツーリングを満喫することが可能である。例えば、エンジンルーム内には、騒音を生じるエンジンやファンなどが設置されるため、騒音発生源の近傍に吸音材を取り付けることを要する。また、車輪の上方部を囲む車体のフェンダ部には、自動車走行中に車輪が小石、砂、水などを跳ね上げて衝突し、この衝突によるフェンダ部の損傷および騒音の発生を緩和するために、フェンダ部の下面にフェンダライナを接着することが望ましい。
【0003】
フェンダライナは、従来、高密度ポリエチレンの成形品が主であり、耐久性とコストを重視して選択されており、小石や砂の衝突音を緩和する作用は殆どなかった。この点を改善するために、フェンダライナとしてポリウレタンやポリ塩化ビニルのような発泡性塗料を塗布したり、アイソタクチックポリエチレン樹脂やエチレン−プロピレン−ラバ−共重合体などの熱可塑性樹脂のシート材を真空成形またはスタンプ成形した成形品を使用することが提案されている。
【0004】
一方、エンジンルーム内には、各種のパーツが高密度に配置されているので吸音材を配置できるスペースが非常に少なく、このために吸音材の厚みを薄くしかも耐熱性の素材を用いることが必要である。この種の吸音材としては、ガラス繊維を主体とする薄い不織布が一般的であり、これを所定の形状に成形した後に取り付ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
吸音材に用いるガラス繊維ウールは、残響室法による吸音率測定を参照すると、周波数500Hz以上の中・高音域における吸音率が0.6以上と高く、周波数250Hz以下では吸音率が0.2以下に低下し、周波数200Hzで吸音率が0.1というように最も悪い。ガラス繊維ウールは、振動の残響性が大きい低音域での吸音性が低くても、中・高音域では約80%の音を吸収するため、この特性を利用できる用途であれば好ましく、吸音材としてフェンダ部の下面やエンジンルーム内に設置することは有効である。
【0006】
これに対し、ガラス繊維を主体とする不織布の吸音材は、ホット加熱プレスによって成形可能とするため、熱硬化性樹脂を含浸させる。この種の含浸不織布では、ガラス繊維間の微細な空孔が含浸樹脂によって閉じられることが多く、繊維による空気の粘性抵抗および繊維自体の振動による音振動の減衰が少なくなり、繊維ウールの特性である周波数約400Hz以上の中・高音域においても吸音性が低下しやすく、本来から低い低音域の吸音性と相まって、エンジンルーム内で発生する音の伝達をあまり抑制することができない。
【0007】
一方、フェンダライナに用いる発泡性塗料は、塗膜が比較的薄いので小石や砂の衝突音が車内まで直接伝達されやすく、自動車用の吸音材として適していない。この発泡性塗料は、気泡構造の塗膜のために強度不足であり、小石や砂の衝突によって破損したり剥がれやすい。また、熱可塑性樹脂のシート材の成形品は、防音性能が高密度ポリエチレンよりも多少良好であっても、衝突音などの吸収は依然として少なく、自動車用の吸音材としての防音性能が十分でない。
【0008】
本発明は、自動車用の吸音材に関する従来の問題点を改善するために提案されたものであり、フェンダ部下面の衝突音およびエンジンルーム内の騒音などの中・高音域において高い吸音性を有する自動車用の吸音材を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、吸音性が低音域から中・高音域に亘って良好であるうえに比較的安価な自動車用の吸音材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る自動車用の吸音材は、単独または複数の繊維を混綿してからニードルパンチで一体化したフェルト材と、該フェルト材の両面にコーティングした難燃性樹脂層とを有する。この吸音材は、フェルト材の中間に繊維単独層が残存することで中・高音域で高い吸音性を付与し、所定の温度で加熱プレスすると所望の立体形状に成形できる。
【0010】
前記の吸音材において、フェルト材は、ポリエステル繊維およびポリオレフィン系繊維を混綿してからニードルパンチで一体化すると好ましい。フェルト材の中間に存在する繊維単独層は、好ましくは、微細な空孔を多数有し且つ厚さ1mm以上である。
【0011】
本発明の自動車用の吸音材は、ヤング率が異なる少なくとも2種の繊維を混綿してからニードルパンチで一体化したフェルト材と、該フェルト材の片面にコーティングした難燃性樹脂層とを有していてもよい。この吸音材は、フェルト材において樹脂層の反対面に繊維単独層が残存することで中・高音域で高い吸音性を付与し、所定の温度で加熱プレスすると所望の立体形状に成形できる。
【0012】
前記の吸音材において、フェルト材は、ポリエステル繊維およびポリオレフィン系繊維を混綿してからニードルパンチで一体化すると好ましい。フェルト材において樹脂層の反対面に存在する繊維単独層は、好ましくは、微細な空孔を多数有し且つ厚さ2mm以上である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の吸音材1は、図1に示すようにフェルト材2の両面に薄い難燃性樹脂層3,3をコーティングしても、図2に示すようにフェルト材2の片面に難燃性樹脂層5をコーティングしてもよい。いずれの構成でも、フェルト材2の中間(図1)または反対面(図2)において、繊維単独層7または8が存在することが必要である。
【0014】
フェルト材2は、単独または複数の繊維を混綿したカードラップをニードルパンチで一体化する。フェルト材2において、繊維の混綿は公知のラップフォーミング方法によって全体を均一に行い、ついで展綿・積層すればよく、カード方式以外で製造したラップも使用可能である。得たカードラップは、その全体を通常のロッキングニードルを用いて50〜400本/cm2の針密度でニードルパンチングしてフェルト化し、厚さ3.0〜6.0mm,重さ500〜1000g/m2のフェルト材2を得る。
【0015】
フェルト材2に用いる主たる繊維は、比較的硬くて耐熱性繊維であることを要する。主たる繊維としては、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ナイロン66繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、フッ素系繊維などが例示でき、物性とコストの点からポリエステル繊維であると好ましい。フェルト材2では、混綿繊維の耐候性や耐熱性などを高めるために各繊維を黒色、グレーなどに着色すると好ましい。
【0016】
フェルト材2は、主たる繊維単独で構成しても、主たる繊維に他の繊維を混綿してもよい。他の繊維は、主たる繊維とヤング率つまり硬さが異なることにより、中・高音域において単一の繊維よりもいっそう高い吸音性を付与するものである。例えば、他の繊維は、主たる繊維がポリエステル繊維やレーヨン繊維であれば、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などのポリオレフィン系繊維であり、主たる繊維がフッ素系繊維であれば、よりヤング率の高いポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などのポリオレフィン系繊維である。他の繊維の添加量は、一般に30重量%以上であり、30重量%未満であると中・高音域においていっそう高い吸音性を付与する効果が小さい。
【0017】
一方、難燃性樹脂層3,5は、主に乳化重合によって製造したメチルメタクリレート,メチルアクリレート,ブチルアクリレートのようなアクリル系、メタクリロニトリル、スチレン、PVCなどのラテックスからなると好ましく、比較的粘度を高くしてコーティングの際にフェルト材2の中に浸透することを防止する。この難燃性樹脂層には、比較的硬度を高くして低音域における吸音性を高めるために、熱処理によって架橋して三次元網状化する反応性ポリマーを使用してもよい。これらのラテックスには、リン酸エステル、酸化アンチモン、ジンクボレート、塩素化パラフィン、四臭化エチレンなどの難燃剤を適量添加する。
【0018】
難燃性樹脂層3または5は、硬度を比較的高くすることにより、繊維単独層7,8を空気層とする共振系を構成でき、200Hz前後の低音域の音を熱エネルギに変えることによって効果的に吸音できる。ここでは、難燃性樹脂層3または5を質量、繊維単独層7,8中の空気をばねとする共振系であるので、該難燃性樹脂層は硬くてある程度重くすると好ましい。
【0019】
図1に示すように、難燃性樹脂層3,3をフェルト材2の両面に形成するならば、中間の繊維単独層7によって中・高音域での吸音性を保持しながら、低音域の騒音を難燃性樹脂層3,3と両樹脂層間の空気層とで吸音できる。中間の繊維単独層7が厚さ1mm以上残存すると、該繊維単独層によって中・高音域で高い吸音性を付与できるので好ましく、厚さが1mm未満であると中・高音域での吸音性は相当に低下する。難燃性樹脂層3の重さは片面当たり100〜250g/m2以上であり、この範囲内であると低音域においても吸音性を発揮する。難燃性樹脂層3には、耐候性や耐熱性などを高めるために黒色顔料などを添加すると好ましい。図1に示す吸音材1は、中間の繊維単独層7の繊維が両側の難燃性樹脂層3,3で拘束された態様であるので、難燃性樹脂層3,3が硬いほど軽量物の振動を効果的に減衰させる高い制振作用を有する。
【0020】
また、図2に示すように、難燃性樹脂層5をフェルト材2の片面に形成するならば、反対面の繊維単独層8によって中・高音域での吸音性を保持しながら、低音域の騒音を難燃性樹脂層5と該樹脂層背後の空気層とで吸音できる。繊維単独層8が厚さ2mm以上残存すると、該繊維単独層によって中・高音域で高い吸音性を付与するので好ましく、厚さが2mm未満であると中・高音域での吸音性は相当に低下してしまう。難燃性樹脂層5の重さは100〜250g/m2であり、この範囲内であると低音域においても吸音性を発揮する。図2に示す吸音材10は、繊維単独層8の繊維が難燃性樹脂層5で拘束されていない態様であるので、軽量物の振動を減衰させる制振作用は比較的小さい。
【0021】
シート状の吸音材は、図4に例示するように、フェンダ部12の下面または自動車のエンジンルーム(図示しない)内に取り付けるため、180〜200℃前後の温度で加熱プレスして、図3に示すような所望の立体形状に成形することを要する。この成形加工は、シート状の吸音材を直接ホットプレスしたり、該吸音材を所望の温度にヒートセットしてからコールドプレスすればよい。この吸音材は、難燃性樹脂層3,5の存在により、加熱プレスによって所望の立体形状に正確に成形できる。
【0022】
この吸音材は、繊維単独層7,8の存在によって中・高音域で高い吸音性を有するとともに、低音域の騒音についても難燃性樹脂層3,5と封入空気とで吸音することで可聴音のほぼ全周波数に亘って吸音特性が良好であり、フェンダライナ14(図3)やエンジンルーム用吸音材として高い防音性能つまり遮音効果を有する。この吸音材は、難燃性樹脂層3,3または5の存在によって容易に立体形状に形成され、成形加工時に熱変形および寸法変化が少なく、フェンダ部12の下面やエンジンルームにフィットでき、ライナ隅部における皺発生を回避できる。
【0023】
図1に示す吸音材1は、中間の繊維単独層7の繊維が両側の難燃性樹脂層3,3で拘束されたダンボール様の態様であり、加圧力に対して繊維単独層7の剪断変形に依存することにより、通常のフェルト材や樹脂シートと比べて高い剛性および保形性を有する。したがって、吸音材1は、苛酷な使用環境においても耐磨耗性や引っ張り強度などに関する機械的性質が従来品よりも優れている。
【0024】
本発明の吸音材は、熱可塑性繊維の薄いフェルト材2と難燃性樹脂層3,3または5で構成し、所望に応じてごく薄いスパンボンド不織布などの基布を介在させることも可能である。本発明の吸音材は、取り付けた自動車を廃棄して焼却処分する際にリサイクルが可能であり、公害源となる塩素ガスなどの有毒ガスが発生せず、仮にオーバーロックなどのミシン縫製をしても周囲が破れることもない。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0026】
実施例1
図1に示す吸音材1を製造するため、フェルト材2として、6デニールの黒色ポリエステル60重量%、3デニールの黒色ポリプロピレン繊維40重量%とを用い、これらを相互に混綿・積層してカードラップを得る。このカードラップは、通常のロッキングニードルを用いて150本/cm2の針密度でニードルパンチングによってフェルト化する。得たフェルト材2は、厚さ約4.0mm,重さ600g/m2である。
【0027】
フェルト材2の片面に、黒色顔料を添加した難燃性アクリル系樹脂(商品名:アクロナール、三菱BASF製)を200g/m2コーティングして乾燥する。次に、フェルト材2を裏返し、同じ難燃性アクリル系樹脂をさらに200g/m2コーティングして乾燥する。得た吸音材1は、厚さ約4.0mm,重さ1000g/m2であり、難燃性樹脂層3,3の厚みはそれぞれ約1.5mm、繊維単独層7の厚みは約1mmである。
【0028】
シート状の吸音材1は、加熱炉(図示しない)に入れて約200℃で3分間加熱し、ついでコールドプレスした後に適宜のトリミングによってフェンダライナ14(図3)を製造する。フェンダライナ14は、フェンダ部12の下面に適合する立体形状であり、全体が細長いほぼ弓状の側面を有する。フェンダライナ14には、中央部にほぼ半円形の縦切り欠き部15を形成し、且つライナ両肩部などに小口径のクリップ孔17,17を多数個設ける。
【0029】
フェンダライナ14は、図4に示すように、車体のフェンダ部12の下面において、多数本のクリップピン(図示しない)によって固着する。フェンダライナ14は、車輪20の上方部分を被い、切り欠き部15内をサスペンション軸(図示しない)が貫通する。
【0030】
フェンダライナ14は、中間の繊維単独層7によって中・高音域での吸音性を保持しながら、低音域の騒音も比較的硬い難燃性樹脂層3,3と両樹脂層間の空気層とで効果的に吸音できる。フェンダライナ14は、自動車走行中に車輪が小石、砂、水などを跳ね上げてフェンダ部12に衝突しても、これらの衝突によるフェンダ部12の損傷を防ぎ、車内に響く騒音の発生を緩和する。
【0031】
実施例2
図2に示す吸音材10を製造するため、フェルト材2として、6デニールの黒色ポリエステル60重量%、3デニールの黒色ポリプロピレン繊維40重量%とを用い、これらを相互に混綿・積層してカードラップを得る。このカードラップは、通常のロッキングニードルを用いて200本/cm2の針密度でニードルパンチングによってフェルト化する。得たフェルト材2は、厚さ約4.0mm,重さ700g/m2である。
【0032】
フェルト材2の片面に、実施例1で用いた難燃性アクリル系樹脂を150g/m2コーティングして乾燥する。得た吸音材10は、厚さ約4.0mm,重さ850g/m2であり、難燃性樹脂層5の厚みは約1.2mm、繊維単独層8の厚みは約2.8mmである。
【0033】
シート状の吸音材10は、繊維単独層8を外側に定め、約180℃で3分間ホットプレスした後に適宜のトリミングによってフェンダライナを製造する。このフェンダライナは、車体のフェンダ部の下面に適合する立体形状であり、全体が細長いほぼ弓状の側面を有する。
【0034】
成形後のフェンダライナでは、繊維単独層8が外側に位置している。このフェンダライナは、車体のフェンダ部12の下面において、多数本のクリップピンによって固着することにより、繊維単独層8をフェンダ部と難燃性樹脂層5とで挟まれた状態に定める。このフェンダライナは、繊維単独層8によって中・高音域での吸音性を保持しながら、低音域の騒音も比較的硬い難燃性樹脂層5と該樹脂層背後の空気層とで効果的に吸音できる。
【0035】
実施例3
図2に示す吸音材10を製造するため、フェルト材2として、6デニールの黒色ポリエステル70重量%、3デニールの黒色ポリプロピレン繊維30重量%とを用い、これらを相互に混綿・積層してカードラップを得る。このカードラップは、通常のロッキングニードルを用いて200本/cm2の針密度でニードルパンチングによってフェルト化する。得たフェルト材2は、厚さ約4.0mm,重さ700g/m2である。
【0036】
フェルト材2の片面に、実施例1で用いた難燃性アクリル系樹脂を150g/m2コーティングして乾燥する。得た吸音材10は、厚さ約4.0mm,重さ850g/m2であり、難燃性樹脂層5の厚みは約1.2mm、繊維単独層8の厚みは約2.8mmである。
【0037】
シート状の吸音材10は、約180℃で3分間ホットプレスした後に適宜のトリミングによってフェンダライナを製造する。このフェンダライナは、車体のフェンダ部の下面に適合する立体形状であり、全体が細長いほぼ弓状の側面を有する。このフェンダライナは、実施例1と同様に車体のフェンダ部の下面に取り付け、実施例2とほぼ同じ防音性能を有する。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る吸音材は、中間または片面に残存する繊維単独層によって中・高音域で高い吸音性を保持するとともに、低音域の騒音も難燃性樹脂層で効果的に吸音することにより、可聴音のほぼ全周波数に亘って吸音特性が良好である。それ故に、本発明の吸音材は、ガラス繊維を主成分とする従来の吸音材よりも高い吸音特性を有するうえに、従来のガラス繊維製の吸音材よりも軽量である。
【0039】
本発明の吸音材では、ヤング率が異なる少なくとも2種の繊維を混綿したフェルト材を用いると、中・高音域において単一の繊維よりもいっそう高い吸音性を付与できる。特に、難燃性樹脂層を両面にコーティングした吸音材は、中間の繊維単独層の繊維が両側の難燃性樹脂層で拘束されたダンボール様の態様であり、加圧力に対して繊維単独層の剪断変形に依存することにより、通常のフェルト材や樹脂シートと比べて高い剛性および保形性を有する。したがって、本発明の吸音材は、苛酷な使用環境において、従来の吸音材に比較して耐磨耗性や引っ張り強度などの機械的性質が優れている。
【0040】
本発明の吸音材は、熱可塑性繊維と難燃性樹脂だけで構成されており、自動車部品としてリサイクルが十分に可能である。このため、本発明の吸音材は、ガラス繊維が主体の吸音材に比べ、地球上の資源を再利用できる点で好ましく、リサイクルが可能な点で経済的でもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用の吸音材を示す概略断面図である。
【図2】本発明の変形例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の吸音材から製造したフェンダライナの一例を示す概略斜視図である。
【図4】図3のフェンダライナを車体のフェンダ部に取り付けた状態を概略で示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 吸音材
2 フェルト材
3,3 難燃性樹脂層
5 難燃性樹脂層
7 繊維単独層
14 フェンダライナ
Claims (4)
- 単独または複数の繊維を混綿してからニードルパンチで一体化したフェルト材と、該フェルト材の両面にコーティングした難燃性樹脂層とからなり、フェルト材の中間には繊維単独層が残存することで中・高音域で高い吸音性を付与し、所定の温度で加熱プレスすると所望の立体形状に成形できる自動車用の吸音材。
- ポリエステル繊維およびポリオレフィン系繊維を混綿してからニードルパンチで一体化したフェルト材と、該フェルト材の両面にコーティングした難燃性樹脂層とからなり、フェルト材の中間には微細な空孔を多数有する厚さ1mm以上の繊維単独層が残存することで中・高音域で高い吸音性を付与し、高温で加熱プレスすると所望の立体形状に成形できる自動車用の吸音材。
- ヤング率が異なる少なくとも2種の繊維を混綿してからニードルパンチで一体化したフェルト材と、該フェルト材の片面にコーティングした難燃性樹脂層とからなり、フェルト材において樹脂層の反対面には繊維単独層が残存することで中・高音域で高い吸音性を付与し、所定の温度で加熱プレスすると所望の立体形状に成形できる自動車用の吸音材。
- ポリエステル繊維およびポリオレフィン系繊維を混綿してからニードルパンチで一体化したフェルト材と、該フェルト材の片面にコーティングした難燃性樹脂層とからなり、フェルト材において樹脂層の反対面には微細な空孔を多数有する厚さ2mm以上の繊維単独層が残存することで中・高音域で高い吸音性を付与し、高温で加熱プレスすると所望の立体形状に成形できる自動車用の吸音材。
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