JP3568777B2 - 光送信器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信システム、特に光増幅伝送技術を用いた長距離光増幅中継伝送システムにて、光信号を電気信号に従って変調して送信する光送信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長距離光増幅中継伝送システムにおいて、光増幅中継器の偏波ホールバーニングや伝送路の偏波依存性損失により光S/N比が劣化もしくは変動することが知られている。これを改善するために偏波スクランブルが行われる。特に後者の光S/N比変動(信号フェージング)を平均化するためには、少なくとも信号ビットレート以上の速度で偏波スクランブルをする必要がある。この偏波スクランブルには一般に、リチウムナイオベイト光位相変調器が用いられる。
【0003】
このリチウムナイオベイト光位相変調器には偏光変調と同時に位相変調が発生する特徴があり、伝送路の分散による波形劣化を補償する目的で使用しうることが特開平8−111662号公報に示されている。それによれば、データ変調のビットに同期したデータクロックで偏波スクランブラを駆動することが、大洋横断のような超長距離光増幅中継伝送システムにおいて重大な符号誤り率改善効果をもたらすことが議論されている。すなわち、偏波スクランブラの駆動位相をデータと所定の関係にしておくことによって、光ファイバの分散や非線形屈折率変化で起こる受信端での振幅変動を、識別に有利なようにアイがより開口する方向に設定することができる。
【0004】
図24は上記特開平8−111662号公報に開示された従来の光送信器を示すブロック図である。図において、1は光源、2は光強度変調器、3は偏波スクランブラ、4はデータ信号入力端子、5はクロック信号入力端子、6は識別器、7は光強度変調器駆動回路、8は遅延器、9は偏波スクランブラ駆動回路、10は光送信器出力端子である。
【0005】
次に動作について説明する。
識別器6はデータ信号入力端子4とクロック信号入力端子5とから入力されたデータ信号およびクロック信号より光強度変調器駆動信号を生成し、光強度変調器駆動回路7は当該信号を増幅して光強度変調器2に入力する。一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号は分岐され、偏波スクランブラ駆動信号として遅延器8に入力されて遅延が与えられる。遅延器8で遅延された偏波スクランブラ駆動信号は偏波スクランブラ駆動回路9で増幅され、偏波スクランブラ3を駆動する。光源1より出力された光信号は、光強度変調器2で光強度変調器駆動信号によるデータ信号に応じた光強度変調が行われた後、偏波スクランブラ3に入力されて偏光度ゼロに偏波スクランブルされ、光送信器出力端子10より出力される。
【0006】
次にこの偏波スクランブラ3の動作について図25を用いて説明する。
ここで、図25(a)はこの偏波スクランブラ3として用られるリチウムナイオベイト光位相変調器の構成を示したものであり、図25(b)は偏波スクランブラ3の駆動波形、図25(c)は偏波スクランブラ3より出力される光信号の偏波状態の軌跡をポアンカレ球上に示したものである。なお、この図25(c)に示すポアンカレ球において、Lは左回り円偏光、Rは右回り円偏光、Hは水平偏光、Vは垂直偏光、Qは45度直線偏光、Pは−45度直線偏光をそれぞれ表している。
【0007】
なお、偏波スクランブルとは偏光度をゼロとすることであり、偏光度がゼロとなるためにはポアンカレ球上で、
(A)一定時間内にL側半球に存在する確率とR側半球に存在する確率が等しいこと
(B)一定時間内にQ側半球に存在する確率とP側半球に存在する確率が等しいこと
(C)一定時間内にH側半球に存在する確率とV側半球に存在する確率が等しいこと
の3つの条件を満たす必要がある。
【0008】
図25(a)に示すとおり、偏波スクランブラ3には45度直線偏光を入力する。駆動信号がゼロであるときには偏波スクランブラ3はそのまま出力される。偏波スクランブラ3に駆動信号を印加すると、2つの直線偏光成分に対する位相変調度が異なるため、図25(b)に示すように、偏光状態はその駆動信号に応じて、ポアンカレ球上をQ→L→A→L→Q→R→B→R→Qと移動する。なお、光強度変調器2より偏波スクランブラ3に入力される光信号強度が一定である場合には、偏波状態はポアンカレ球上の表面に太線で示した軌跡を描く。このとき、前述の(a)〜(c)の3つの条件が満たされるため、偏光度をゼロとすることができる。
【0009】
図25(b)に示す駆動波形を偏波スクランブラ3に印加すると、偏波がスクランブルされると同時に、図25(b)の駆動波形に比例した位相変調がかけられる。これは2つの直線偏光成分に対して重畳される位相変調の同相成分が、出力光の残留位相変調となるためである。
【0010】
次に、図24に示した回路の各部の信号波形について、図26を参照しながら説明する。
光源1を出力された光信号は光強度変調器2によって光強度変調される。図26(a)にその光強度変調器出力信号の波形例を示す。一般に、規定された時間内に光信号が存在するときを“1”、存在しないときを“0”としてデジタル信号を表現する。図26(b)に偏波スクランブラ3より出力される光信号の位相変調波形を示す。前述のとおり、偏波スクランブラ3としてリチウムナイオベイト光位相変調器を用いると、偏波スクランブラ動作と同時に図26(b)のような位相変調が残留する。このとき位相変調の位相は遅延器8によって調整することが可能である。
【0011】
ここで、位相変調と周波数変調とは本質的には同一であり、図26(c)に周波数変調波形を示す。上記図26(b)に示される位相変調はこの図26(c)に示される周波数変調と等価である。光信号が光ファイバ中を伝搬する時間はその周波数によって異なる。従って、図26(d)、図26(e)に示すように、光ファイバ伝搬後の波形は変化する。なお、この図26(d)は波形変化の様子を、図26(e)は光ファイバ伝送後の波形を示している。図26(d)および図26(e)に示すとおり、パルスが圧縮されるときにはアイが開口して識別に有利となる。一方、位相変調の符号が逆であるときにはパルスは広がり、アイ開口が劣化するために識別に不利となる。
【0012】
このように偏波スクランブラ3を駆動する偏波スクランブラ駆動信号を光強度変調器駆動信号と同期させ、駆動位置を最適化することによって、受信端でのアイ開口率を改善することができる。また、偏波スクランブラ3を光位相変調器で置き換えることによっても同様に受信端でのアイ開口の改善効果を得ることができる。
【0013】
なお、このような従来の光送信器に関連する記載がある文献としては、例えば特開平4−14010号公報、特開平7−7475号公報、特開平5−110516号公報などもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光送信器は以上のように構成されているので、偏波スクランブラ3あるいは光位相変調器を駆動するためには一般に大振幅の信号が必要であり、偏波スクランブラ駆動回路9あるいは光位相変調器駆動回路の消費電力が大きくなるという課題があった。
【0015】
また、光強度変調器2の消光比が有限である場合には、データ信号が“0”であるときにもわずかな光信号が残留するが、このとき、残留光が位相変調されていると光ファイバ伝送後にパルス化する現象が生じ、データ信号が“0”であるときにパルス光が生じると、受信端でこれを“1”と識別してしまうために符号誤りが発生することがあるという課題もあった。
【0016】
また、光強度変調器駆動信号としてリターン・ツー・ゼロ信号を使用した場合には、アイ開口率が最適となるように偏波スクランブラ3の駆動位相を設定すると、偏光度をゼロにできないという課題があった。
【0017】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、偏波スクランブラ駆動回路あるいは光位相変調器駆動回路の消費電力が小さい光送信器を得ることを目的とする。
【0018】
また、この発明は、強度変調の消光比が有限である場合にも、残留光が位相変調されて符号誤りの原因となることを防止することができる光送信器を得ることを目的とする。
【0019】
また、この発明は、偏波スクランブラがリターン・ツー・ゼロ信号においてアイ開口を最大とする条件下でも、偏光度をゼロにすることができる光送信器を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光送信器は、光強度変調器駆動信号に同期した切り替え制御信号によって制御される光位相変調器駆動信号反転手段によって、正弦波でかつ光強度変調器駆動信号における一つのデータ信号の区間で極性が一周期反転する波形の光位相変調器駆動信号を入力として、この光位相変調器駆動信号の極性を、光位相変調器に光信号が入力されていない場合に反転させて、光位相変調器に入力するようにしたものである。
【0028】
この発明に係る光送信器は、光位相変調器駆動信号反転手段を、光位相変調器駆動信号を2分岐させる分岐回路、この分岐回路の出力信号の一方の極性を反転させるインバータ回路、および光強度変調器駆動信号から分岐させた切り替え制御信号に応じて、分岐回路の出力信号の他方とインバータ回路の出力信号のうちの一方を選択する切り替えスイッチによって構成したものである。
【0029】
この発明に係る光送信器は、光位相変調器駆動信号反転手段を、光位相変調器駆動信号を2分岐させる分岐回路、この分岐回路の出力信号の一方の極性を反転させるインバータ回路、および、光分波器で分波された光強度変調器から光位相変調器に送られる光信号を、受光器で電気信号に変換した切り替え制御信号に応じて、分岐回路の出力信号の他方とインバータ回路の出力信号のうちの一方を選択する切り替えスイッチによって構成したものである。
【0031】
この発明に係る光送信器は、さらにリターン・ツー・ゼロ変換回路を設けて、光強度変調器駆動信号を、ノンリターン・ツー・ゼロ符号からリターン・ツー・ゼロ符号に変換して光強度変調器に送るようにしたものである。
【0035】
この発明に係る光送信器は、偏波スクランブラを光位相変調器として用いるようにしたものである。
【0036】
この発明に係る光送信器は、駆動信号に従って入力される光信号の偏波状態を回転させるファラデーローテータを、光位相変調器の出力側に接続したものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による光送信器を示すブロック図である。図において、1は光信号を発生する光源であり、2はこの光源1より出力された光信号をデータ信号に応じて光強度変調する光強度変調器である。4はデータ信号が入力されるデータ信号入力端子であり、5はクロック信号が入力されるクロック信号入力端子である。6はこれらデータ信号入力端子4から入力されたデータ信号、およびクロック信号入力端子5から入力されたクロック信号に基づいて光強度変調器駆動信号を生成する識別器である。7はこの識別器6から出力される光強度変調器駆動信号を増幅して光強度変調器2に印加し、その駆動を行う光強度変調器駆動回路である。10は当該光送信器によって変調された光信号を光ファイバ伝送路に出力する光送信器出力端子である。なお、これらは図24に同一符号を付して示した従来のそれらに相当する部分である。
【0040】
また、8aはクロック信号入力端子5より入力されたクロック信号を、後述する光位相変調器を駆動するための光位相変調器駆動信号として分岐させ、その光位相変調器駆動信号に遅延を与える第1の遅延器である。8bは識別器6の出力する光強度変調器駆動信号を、後述するスイッチを制御するためのスイッチ制御信号として分岐させ、そのスイッチ制御信号に遅延を与える第2の遅延器である。11は光強度変調器2に縦続接続され、光強度変調器2で光強度変調された光信号に対して光位相変調を行い、得られた光信号を光送信器出力端子10に出力する光位相変調器である。
【0041】
12はクロック信号より分岐して第1の遅延器8aで遅延が与えられた光位相変調器駆動信号を増幅し、前記光位相変調器11を駆動する光位相変調器駆動回路である。13は第2の遅延器8bで遅延されたスイッチ制御信号によってそのオン・オフが制御され、光位相変調器11に光信号が入力されている時にのみ、第1の遅延器8aで遅延されたクロック信号を光位相変調器駆動信号として光位相変調器駆動回路12に入力するスイッチである。
【0042】
ここで、上記光源1としては半導体レーザダイオードを、光強度変調器2としてはリチウムナイオベイトマッハツェンダ型変調器、半導体光変調器などを用いることができる。また、光源1と光強度変調器2を集積化した変調器集積型半導体レーザダイオードを使用できることはいうまでもない。また、光位相変調器11としてはリチウムナイオベイト変調器が一般的である。第1の遅延器8aおよび第2の遅延器8bとしては、マイクロ波帯位相変調器、バラクタダイオードを用いたフェイズシフタ、経路長を可変とする構成の遅延器等を用いることができる。光強度変調器駆動回路7、光位相変調器駆動回路12としては高出力アンプを市場より調達することができる。
【0043】
次に動作について説明する。
データ信号入力端子4より入力されたデータ信号、およびクロック信号入力端子5より入力されたクロック信号はそれぞれ識別器6に入力され、識別器6はそれらに基づいて光強度変調器駆動信号を生成する。この光強度変調器駆動信号は光強度変調器駆動回路7で増幅されて光強度変調器2に入力される。一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号は分岐され、光位相変調器駆動信号として第1の遅延器8aに入力される。この第1の遅延器8aで遅延が与えられた光位相変調器駆動信号はスイッチ13に入力される。このスイッチ13より出力された光位相変調器駆動信号は光位相変調器駆動回路12に送られ、光位相変調器駆動回路12で増幅されて光位相変調器11を駆動する。
【0044】
また、識別器6の生成した光強度変調器駆動信号も分岐されて、スイッチ制御信号として第2の遅延器8bに入力される。スイッチ13はこの第2の遅延器8bを介して入力されるスイッチ制御信号によってそのオン・オフが制御される。なお、第2の遅延器8bの遅延量は、光位相変調器11に光強度変調器2から光信号が入力されるときにのみスイッチ13をオンさせて、光位相変調器駆動信号を光位相変調器駆動回路12に入力するように設定されている。
【0045】
光源1より出力された光信号は、光強度変調器駆動回路7で増幅された光強度変調器駆動信号により、データ信号に応じた光強度変調が行われる。一般に、規定された時間内に光信号が存在するときを“1”、存在しないときを“0”としてデジタル信号を表現する。ここで、上記のように構成された光送信器の各部の信号波形を図2に示す。図2(a)はデータ信号入力端子4より入力されるデータ信号系列の一例を、図2(b)は光強度変調器2で光強度変調された光信号の波形例を、図2(c)はスイッチ13を常にオンとしたときに光位相変調器11に入力される光位相変調器駆動信号の波形例を、図2(d)はスイッチ13を第2の遅延器8bの出力でオン・オフしたときの光位相変調器11に入力される光位相変調器駆動信号の波形例を、図2(e)は図2(c)に示す光位相変調器駆動信号で光位相変調された光信号の光ファイバ伝送後の波形例を、図2(f)は図2(d)に示す光位相変調器駆動信号で光位相変調された光信号の光ファイバ伝送後の波形例をそれぞれ示している。
【0046】
データ信号入力端子4より、図2(a)に示すデータ信号系列が入力された場合、光強度変調器2の出力信号の波形は図2(b)に示すものとなる。この光強度変調器2の消光比は有限であるため、データ信号が“0”であるときにもわずかな光が残留する。ここで、スイッチ13を常にオンとした場合、すなわちスイッチ13がない場合には、図2(c)に示す光位相変調器駆動信号が光位相変調器11に入力される。この図2(c)に示す光位相変調器駆動信号は、正弦波でかつ光強度変調器駆動信号における一つのデータ信号の区間、即ち、図2(a)に示すようなデータ信号が“0”や“1”といった一つのデータ信号の区間で極性が一周期反転する波形の信号である。また、このとき、位相変調の位相は第1の遅延器8aの遅延量によって調整することが可能である。
【0047】
ここで、位相変調と周波数変調は本質的に同一である。光ファイバ中を伝搬する光波の伝搬時間が周波数(波長)によって異なることを一般に分散と呼び、周波数変調された光信号はこの分散によって波形が変化する。従って、図2(c)に示す光位相変調器駆動信号が入力された光位相変調器11で光位相変調された光信号の波形は、光ファイバ伝送後は図2(e)に示す波形に変化する。図示のように、データ信号が“0”であるときにもわずかに光信号が残留し、この残留した光信号が光位相変調されることによって光ファイバの分散を介してパルス化することがあり得る。このような現象が生ずると、受信側でデータ信号の“0”を“1”と誤って判別してしまうことがある。
【0048】
従って、データ信号が“0”であるときには、識別器6の生成した光強度変調器駆動信号より分岐されたスイッチ制御信号によってスイッチ13をオフにする。これにより、光位相変調器11に入力される光位相変調器駆動信号の波形は図2(d)に示すものとなる。この図2(d)に示すような光位相変調器駆動信号が入力された光位相変調器11で光位相変調された光信号は、光ファイバ伝送後は図2(f)に示す波形となり、前述の問題は回避される。なお、スイッチ13を駆動するタイミングは必要に応じて第2の遅延器8bの遅延量によって制御することができる。
【0049】
光ファイバの分散によって送信波形は崩れるが、光位相変調をかけて、光ファイバの分散による波形崩れをある程度補償することも可能である。受信端での波形をコントロールするには、光位相変調の深さおよび位相を制御すればよい。図2(f)に示すように、受信端でパルスがリターン・ツー・ゼロ化するように光位相変調をかけると、受信アイの開口率が高くなって、受信識別感度が高くなるという利点がある。
【0050】
なお、上記光位相変調器駆動回路12には、前述のように高出力な増幅器が用いられる。この増幅器の構成によっては、入力がオフされているときの消費電力を小さくすることも可能である。例えば、DC結合入力構成、B級動作、C級動作などの方法がある。
【0051】
なお、上記説明では、光強度変調器2と光位相変調器11とを直接接続したものを示したが、光強度変調器2と光位相変調器11との間に、必要に応じて光増幅器を設けるようにしてもよい。図3はそのようなこの発明の実施の形態1による光送信器を示すブロック図であり、図において、14がその光強度変調器2と光位相変調器11との間に配置された光増幅器である。基本的な動作は上記図1に示した光送信器と同様であるが、この光増幅器14によって、光強度レベルを高く設定すること、および光S/N比の劣化を抑圧することが可能となる。ここで、この光増幅器14を設ける場合には、第1および第2の遅延器8a,8bを用いることによって経路長を制御することが望ましい。
【0052】
以上のように、この実施の形態1によれば、光強度変調器によって光強度変調された光信号を光位相変調器に入力し、この光位相変調器を駆動する光位相変調器駆動信号を、この光位相変調器駆動信号に同期した光強度変調器駆動信号でオン・オフが制御されるスイッチを用いて光位相変調器に印加しているので、光位相変調器に光信号が入力されていないときには位相変調がかけられることがなく、光強度変調の消光比が有限である場合に、データ信号が“0”の時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象が発生するのを防止することができ、また、光位相変調器に光信号が入力されているときにのみ光位相変調器を動作させているため、光位相変調器駆動回路の消費電力を節約することができるなどの効果が得られる。
【0053】
また、第1の遅延器を用いて光位相変調器駆動信号を遅延させ、第2の遅延器を用いて光強度変調器駆動信号を遅延させているので、位相変調器より出力される光信号の位相変調の位相と、スイッチのオン・オフのタイミングは、これら第1および第2の遅延器の遅延量によって容易に調整することができ、さらに、光強度変調器と光位相変調器の間に光増幅器を挿入して、その経路長を第1の遅延器と第2の遅延器の遅延量によって制御することによって、光強度レベルを高く設定することができ、光S/N比の劣化を抑圧することが可能になるなどの効果が得られる。
【0054】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による光送信器を示すブロック図である。図において、1は光源、2は光強度変調器、4はデータ信号入力端子、5はクロック信号入力端子、6は識別器、7は光強度変調器駆動回路、8aは第1の遅延器、8bは第2の遅延器、10は光送信器出力端子、11は光位相変調器、12は光位相変調器駆動回路、13はスイッチであり、これらは図1に同一符号を付して示した実施の形態1におけるそれらと同等のものであるため、その詳細な説明は省略する。また、15は光強度変調器2から光位相変調器11に入力される光信号の一部を分波する光分波器である。16はこの光分波器15で分波された光信号を電気信号によるスイッチ制御信号に変換する、受光器としてのフォトダイオードである。17はこのフォトダイオード16によって光電変換されたスイッチ制御信号を増幅して第2の遅延器8bに入力するアンプである。
【0055】
このように、この実施の形態2による光送信器は、スイッチ13をオン・オフするためのスイッチ制御信号を、識別器6の生成した光強度変調器駆動信号から分岐させるのではなく、光位相変調器11に入力される光信号の一部を光分波器15で分波し、それをフォトダイオード16で電気信号に変換することによって得ている点で、上記実施の形態1のそれとは異なっている。
【0056】
次に動作について説明する。
データ信号入力端子4より入力されたデータ信号、およびクロック信号入力端子5より入力されたクロック信号を識別器6に入力し、光強度変調器駆動信号を生成する。この光強度変調器駆動信号は光強度変調器駆動回路7によって増幅され、光強度変調器2に入力される。また、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号は光位相変調器駆動信号として分岐され、第1の遅延器8aに入力される。第1の遅延器8aで遅延された光位相変調器駆動信号はスイッチ13を経て光位相変調器駆動回路12に入力され、そこで増幅されて光位相変調器11を駆動する。なお、この動作は実施の形態1の場合と同様である。
【0057】
一方、光強度変調器2から光位相変調器11に送られる光信号は、その一部が光分波器15によって分波され、フォトダイオード16によって光電変換されて電気信号によるスイッチ制御信号となる。このフォトダイオード16より出力されたスイッチ制御信号はアンプ17によって増幅される。アンプ17にて増幅されたスイッチ制御信号は、光位相変調器2に入力される光位相変調器駆動信号の強度に比例したものとなる。スイッチ13はアンプ17より出力されるスイッチ制御信号によってオン・オフされる。すなわち、光位相変調器11に光信号が入力されるときにのみ、スイッチ13がオンされる。なお、図示のように、アンプ17とスイッチ13の間に第2の遅延器8bを設けることによって制御精度を高めることができる。
【0058】
また、フォトダイオード16をアバランシェ・フォトダイオードに置き換えることによって、アンプ17の利得を小さくすること、あるいはアンプ17を省略することが可能となる場合がある。
【0059】
このように、光位相変調器11には光信号が入力されるときにのみ光位相変調器駆動信号が供給されるため、光位相変調器駆動回路12の消費電力が小さくなるという効果が期待できる。また、データ信号が“0”であるときに、わずかに残留した光信号が位相変調されることによって、光ファイバの分散を介してパルス化され、符号誤りの原因となることを防ぐことができる。
【0060】
図4に示した構成の光送信器では、光位相変調器11に入力される光信号から光位相変調器11に入力される光強度変調成分を抽出しているため、光強度変調器2と光位相変調器11を接続する光ファイバの長さが変動しても、安定に動作することができる。
【0061】
また、光送信器の出力光のS/N比を高くすることを目的とし、光強度変調器2と光位相変調器11の間に光増幅器を挿入する場合が想定される。光増幅器を構成する光ファイバ長は数10m以上となることが考えられ、環境温度の変化によりファイバ長が変動することがあり得る。光増幅器伝搬遅延時間は1℃の温度変化によって最大数ピコ秒となることが知られており、このような場合には、温度変動による遅延時間変動の影響をうけない後述するこの実施の形態3の光送信器には特に有効である。
【0062】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図4と同一符号を付してその説明を省略する。図において、18はアンプ17で増幅されたフォトダイオード16の出力信号よりクロック信号を抽出し、それを光位相変調器駆動信号として第1の遅延器8aを介してスイッチ13に入力するクロック抽出回路である。19はアンプ16の出力信号を2つに分岐させて、その一方を上記クロック抽出回路18に、他方をスイッチ制御信号として第2の遅延器8bにそれぞれ入力する分岐回路である。
【0063】
このように、この実施の形態3と実施の形態2との相違は、光位相変調器駆動信号として、クロック信号入力端子5から入力されたクロック信号の代わりに、分岐回路19で分岐されたフォトダイオード16の出力信号より、クロック抽出回路18が抽出したクロック信号を用いている点にある。
【0064】
次に動作について説明する。
光強度変調器2から光位相変調器11に入力される光信号は、光分波器15で分波され、フォトダイオード16によって光電変換されてアンプ17にて増幅される。このアンプ17の出力信号は分岐回路19に送られて分岐され、その一方は第2の遅延器8bに、他方はクロック抽出回路18にそれぞれ入力される。第2の遅延器8bに入力された信号は、スイッチ制御信号として遅延が与えられてスイッチ13のオン・オフを制御する。また、クロック抽出回路18に入力された信号からはクロック信号が抽出される。このクロック信号は光位相変調器駆動信号として第1の遅延器8aに入力され、必要に応じて遅延を与えられてスイッチ13に送られる。なお、このクロック抽出回路18としては、周波数逓倍器をもちいた非線形クロック抽出回路が一般的である。
【0065】
このように、この実施の形態3においても、光位相変調器11には光信号が入力されるときにのみ光位相変調器駆動信号が供給されるため、光位相変調器駆動回路12の消費電力が小さくなるという効果が期待できる。また、データ信号が“0”であるときに、わずかに残留した光信号が位相変調されることによって光ファイバの分散を介してパルス化されて符号誤りの原因となることを防ぐことができ、さらに、光位相変調器11に入力される光信号から光位相変調器11に入力される光強度変調成分を抽出しているため、光強度変調器2と光位相変調器11を接続する光ファイバの長さが変動しても、安定に動作することができる。
【0066】
以上のように、この実施の形態2および実施の形態3によれば、光位相変調器駆動信号をオン・オフするスイッチを、光位相変調器に入力される光信号より抽出して光電変換したスイッチ制御信号によって制御しているため、光強度変調の消光比が有限であるときに、データ信号の“0”時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象を発生させないことができ、光位相変調器駆動回路の消費電力を節約することができるばかりか、光強度変調器と光位相変調器を接続する光ファイバの温度による伝搬時間の変動の影響を受けなくなるなどの効果が得られる。
【0067】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図4と同一符号を付してその説明を省略する。図において、20はアンプ17にて増幅されたフォトダイオード16の出力信号よりその高周波成分を除去して、光位相変調器2をそれに光信号が入力されているときにのみ駆動する光位相変調器駆動信号を生成する、光位相変調器駆動信号生成回路としての低域通過フィルタである。このように、この実施の形態4は、アンプ17の出力信号を低域通過フィルタ20を介して光位相変調器駆動回路12に直結した点で、上記実施の形態3とは異なっている。
【0068】
次に動作について説明する。
ここで、図7はこのように構成された光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。図7(a)はデータ信号入力端子4より入力されるデータ信号系列の一例、図7(b)は光強度変調器2で光強度変調された光信号の波形例を示し、図7(c)は低域通過フィルタ20より出力される光位相変調器駆動信号の波形例を示している。
【0069】
フォトダイオード16で光電変換されてアンプ17より出力される信号は、図7(b)のような光強度変調器駆動信号である。この信号を低域通過フィルタ20に入力してその高周波成分を除去すると、図7(c)に示すような信号が得られる。この低域通過フィルタ20の出力信号の波形は、図2(d)に示したスイッチ13をオン・オフした場合の位相変調波形と類似したものとなる。この低域通過フィルタ20で高周波成分が除去された信号は、光位相変調器駆動信号として光位相変調器駆動回路12に送られ、そこで増幅されて光位相変調器11を駆動する。この光位相変調器駆動回路12より出力される信号は、光強度変調器2から光位相変調器11に入力される光信号の強度に比例したものとなる。
【0070】
なお、上記図7(c)に示した光位相変調器駆動信号は、“1”連続時の波形が図2(d)に示すものとは異なるが、“1”連続時は比較的符号間干渉が少ないため、図5に示した実施の形態3による光送信器に近い効果を得ることができる。
【0071】
また、アンプ17の出力信号を遅延器を介して低域通過フィルタ20に入力するようにすれば、光位相変調器駆動信号の位相をより正確に設定することが可能となる。
【0072】
以上のように、この実施の形態4によれば、アンプの出力信号を低域通過フィルタを介して光位相変調器駆動回路に直接入力しているので、光位相変調器駆動信号としては帯域制限された光強度変調器駆動信号が用られて、光位相変調器に光信号が入力されているときにのみ光位相変調器は動作するため、光位相変調器駆動回路の消費電力を節約することができ、光強度変調の消光比が有限であるときにデータ“0”時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象を発生させないことが可能となるばかりか、実施の形態3の光送信器と比較して、より少ない部品で所定の機能を実現することができるなどの効果が得られる。
【0073】
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図6と同一符号を付してその説明を省略する。図において、8cは識別器6がデータ信号入力端子4とクロック信号入力端子5より入力された、データ信号およびクロック信号に基づいて生成した光強度変調器駆動信号より分岐させた信号に遅延に与える遅延器である。この実施の形態5は、アンプ17の出力信号ではなく遅延器8cの出力信号を、低域通過フィルタ20に入力している点で上記実施の形態4とは異なっている。
【0074】
次に動作について説明する。
識別器6はデータ信号入力端子4から入力されたデータ信号と、クロック信号入力端子5から入力されたクロック信号に基づいて、光強度変調器2を駆動するための光強度変調器駆動信号を生成する。この光強度変調器駆動信号は光強度変調器駆動回路7で増幅されて光強度変調器2に入力される。識別器6より出力された光強度変調器駆動信号は分岐して遅延器8cにも入力される。遅延器8cはこの光強度変調器駆動信号に遅延を与えて低域通過フィルタ20に入力する。低域通過フィルタ20はこの遅延器8cの出力信号の高周波成分を除去して光位相変調器駆動信号を生成し、それを光位相変調器駆動回路12に送る。光位相変調器駆動回路12はこの光位相変調器駆動信号を増幅して、光位相変調器11を駆動する。この光位相変調器駆動回路12より出力される信号は、光強度変調器2から光位相変調器11に入力される光信号の強度に比例したものとなる。
【0075】
この実施の形態5においても、データ信号の“1”連続時の波形は図2(d)に示すものとは異なるが、“1”連続時は比較的符号間干渉が少ないため、図1に示した実施の形態1による光送信器に近い効果を得ることができる。
【0076】
以上のように、この実施の形態5によれば、遅延器で遅延させた識別器の出力信号を低域通過フィルタを介して光位相変調器駆動回路に直接入力しているので、光位相変調器駆動信号としては帯域制限された光強度変調器駆動信号が用られて、光位相変調器に光信号が入力されているときにのみ光位相変調器は動作するため、光位相変調器駆動回路の消費電力を節約することができ、光強度変調の消光比が有限であるときにデータ“0”時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象を発生させないことが可能となるばかりか、実施の形態1の光送信器と比較して、より少ない部品で所定の機能が実現できるなどの効果が得らる。
【0077】
実施の形態6.
図9はこの発明の実施の形態6による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。図において、21はクロック信号入力端子5に入力されたクロック信号より分岐されて、第1の遅延器8aで遅延させた光位相変調器駆動信号を2つに分岐させる分岐回路であり、22はこの分岐回路21によって分岐された信号の一方の極性を反転させるインバータ回路である。23は識別器6より出力された光強度変調器駆動信号より分岐して、第2の遅延器8bで遅延された信号を切り替え制御信号として、その信号によって制御され、極性が異なった2つの光位相変調器駆動信号の一方を選択して光位相変調器駆動回路12に入力する2入力1出力の切り替えスイッチである。24はこれら分岐回路21、インバータ回路22、および切り替えスイッチ23で形成され、光位相変調器駆動信号の極性反転を行う光位相変調器駆動信号反転手段である。
【0078】
次に動作について説明する。
識別器6はデータ信号入力端子4から入力されたデータ信号と、クロック信号入力端子5から入力されたクロック信号に基づいて、光強度変調器2を駆動するための光強度変調器駆動信号を生成する。この光強度変調器駆動信号は光強度変調器駆動回路7によって増幅され、光強度変調器2に入力される。また、この識別器6より出力された光強度変調器駆動信号は分岐して第2の遅延器8bにも入力されて遅延され、切り替えスイッチ23を制御するための切り替え制御信号となる。
【0079】
一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号より分岐された光位相変調器駆動信号は、第1の遅延器8aに入力されて遅延が与えられる。この第1の遅延器8aで遅延された光位相変調器駆動信号は分岐回路21に入力されて2分岐される。この分岐回路21の出力信号の一方は切り替えスイッチ23の一方の入力端子に入力され、他方はインバータ回路22に入力される。インバータ回路22は分岐回路21からの光位相変調器駆動信号を極性反転させて切り替えスイッチ23の他方の入力端子に入力する。この切り替えスイッチ23は第2の遅延器8bからの切り替え制御信号によって切り替えられ、いずれか一方の入力端子より入力された光位相変調器駆動信号を選択して出力端子より出力する。この切り替えスイッチ23より出力された光位相変調器駆動信号は光位相変調器駆動回路12に送られて増幅され、光位相変調器11を駆動する。
【0080】
ここで、光源1より出力された光信号は光強度変調器2において、光強度変調器駆動回路7で増幅された光強度変調器駆動信号により、データ信号に応じた光強度変調が行われる。光位相変調器11にはこの光強度変調器2で光強度変調された光信号が入力される。光位相変調器11は、光が存在するとき(“1”のとき)と光が存在しないとき(“0”のとき)とで、切り替えスイッチ23より出力される光位相変調器駆動信号の極性が反転するように制御される。
【0081】
なお、分岐回路21、インバータ回路22、および切り替えスイッチ23で形成される光位相変調器駆動信号反転手段24は上述のとおり、光強度変調器駆動信号に同期した切り替え制御信号によって、出力する光位相変調器駆動信号の極性を反転する動作を行う。この光位相変調器駆動信号反転手段24と同様の機能を単体で実現するデバイスとしてはマイクロ波位相変調器などがある。また、インバータ回路22は適当な遅延器で代用できる。
【0082】
ここで、図10はこのように構成された光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。図10(a)はデータ信号入力端子4より入力されるデータ信号系列の一例、図10(b)は光強度変調器2で光強度変調された光信号の波形例を示し、図10(c)は光位相変調器11に入力される光位相変調器駆動信号の波形例、図10(d)は図10(c)に示す光位相変調器駆動信号で光位相変調された光信号の、光ファイバ伝送後の波形例を示している。
【0083】
データ信号入力端子4より、図10(a)に示すデータ信号系列が入力された場合、光強度変調器2より出力される光信号の波形は図10(b)に示すものとなる。この光強度変調器2の消光比は有限であるため、データ信号が“0”であるときにもわずかな光が残留する。光強度変調器2より図10(b)に示す波形の光信号が出力される場合、光位相変調器11には図10(c)に示す波形の光位相変調器駆動信号が入力される。光位相変調器11にて、この図10(c)に示す波形の光位相変調器駆動信号で光位相変調された光信号は、光ファイバ伝送後の波形が光ファイバの分散によって、図10(d)に示すように変化する。
【0084】
ここで、データ信号が“0”であるときにわずかに残留した光信号は、データ信号が“1”であるときとは逆方向に光位相変調されるため、光ファイバの分散を介してパルス化されることはない。従って、受信側にてデータ信号の“0”を“1”と誤って判別してしまう可能性は小さなものとなる。
【0085】
以上のように、この実施の形態6によれば、正相と逆相の2種類の光位相変調器駆動信号を用いて、光位相変調器に光信号が入力されているときと入力されていないときとで、異なる極性の光位相変調器駆動信号で光位相変調器の駆動を行っているので、光強度変調の消光比が有限であるときに、データ信号が“0”であっても、残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りを発生する現象を防止でき、アイ開口率を高めることができる効果が得られる。
【0086】
なお、上記説明では、図1に示した実施の形態1の光送信器に適用したものを示したが、図4に示す実施の形態2の光送信器にも適用できることはいうまでもない。図11はそのような光送信器を示すブロック図であり、光位相変調器駆動信号反転手段24の切り替えスイッチ23を制御するための切り替え制御信号として、識別器6の出力する光強度変調器駆動信号を分岐させて得たものではなく、光強度変調器2から光位相変調器11に伝送される光信号を、光分波器15によって分波し、フォトダイオード16で光電変換して得られた電気信号を用いている。従って、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、光ファイバの温度による伝搬時間の変動の影響を受けない安定した動作が行える。
【0087】
実施の形態7.
図12はこの発明の実施の形態7による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。図において、25は識別器6の出力する光強度変調器駆動信号より分岐した信号の高周波成分を除去して、第2の遅延器8bに入力する低域通過フィルタである。26は低域通過フィルタ25の出力信号と、クロック信号入力端子5に入力されたクロック信号より分岐されて、第1の遅延器8aで遅延させた信号とを加算して、光位相変調器駆動信号を生成する加算器である。なお、この加算器26としては、各種アナログ加算器、合波器を用いることができる。
【0088】
次に動作について説明する。
データ信号入力端子4とクロック信号入力端子5から入力されたデータ信号およびクロック信号を、識別器6に入力して光強度変調器駆動信号を生成する。この光強度変調器駆動信号は光強度変調器駆動回路7によって増幅され、光強度変調器2に入力される。なお、この識別器6より出力された光強度変調器駆動信号は、分岐されて低域通過フィルタ25にも入力される。この低域通過フィルタ25で高周波成分が除去された信号は第2の遅延器8bに入力されて遅延が与えられる。
【0089】
一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号から分岐された信号は、第1の遅延器8aに入力されて遅延が与えられる。第1の遅延器8aより出力される信号は加算器26の一方の入力端子に、第2の遅延器8bより出力される信号は加算器26の他方の入力端子にそれぞれ入力される。この加算器26の2つの入力端子に入力される信号は必要に応じてレベル調整される。この信号レベルの調整には減衰器や増幅器を用いればよい。
【0090】
ここで、図13はこのように構成された光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。図13(a)はデータ信号入力端子4より入力されるデータ信号系列の一例、図13(b)は光強度変調器2で光強度変調された光信号の波形例を示し、図13(c)は第2の遅延器8bから加算器26に入力される信号の波形例、図13(d)は第2の遅延器8bから加算器26に入力される信号の波形例、図13(e)は加算器26から出力される光位相変調器駆動信号の波形例、図13(f)は図13(e)に示す光位相変調器駆動信号で位相変調された光信号の、光ファイバ伝送後の波形例を示している。
【0091】
データ信号入力端子4より、図13(a)に示すデータ信号系列が入力された場合、光強度変調器2より出力される光信号の波形は図13(b)に示すものとなる。そのとき識別器6から出力される光強度変調器駆動信号から分岐した信号は、低域通過フィルタ25で帯域制限され、第2の遅延器8bで遅延されて図13(c)に示す波形の信号となり、加算器26の入力端子の一方に入力される。また、クロック信号より分岐された信号は図13(d)に示す波形の信号となって加算器26の入力端子の他方に入力される。なお、ここでは、第2の遅延器8bより入力される信号の振幅が、第1の遅延器8aより入力される信号の振幅よりも大きいものとする。
【0092】
第2の遅延器8bより加算器26に入力される信号は、図13(c)に示すようにデータ信号が“1”のときは上に凸であるが、第1の遅延器8aより加算器26に入力される信号は、図13(d)に示すようにデータ信号が“1”のときは下に凸となっている。従って、それらを加算した加算器26より出力される信号の波形は図13(e)に示すとおりとなる。この図13(e)に示す波形は、図10(c)に示した波形と類似しており、この図13(e)に示す波形の光位相変調器駆動信号で光位相変調された光信号が、光ファイバを伝送した後の波形は、図13(f)に示すとおり、受信側でデータ信号の“0”を“1”と誤って判別してしまう可能性が小さな波形となる。
【0093】
ここで、一般に加算器26は、図9に示した実施の形態6における切り替えスイッチ23よりも動作帯域が広いものを入手しやすい。そのため、この実施の形態7による光送信器はより実現が容易であるという利点がある。
【0094】
以上のように、この実施の形態7によれば、光位相変調器駆動信号として、光強度変調器駆動信号とクロック信号とを加算して、光位相変調器に光信号が入力されているときと入力されていないときとで、その極性が反転する信号を用いているので、光強度変調の消光比が有限であるときに、データ信号が“0”であっても、残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りを発生する現象を防止でき、アイ開口率を高めることができる光送信器を、より容易に実現できるという効果が得られる。
【0095】
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。図において、27は識別器6の出力する光強度変調器駆動信号をリターン・ツー・ゼロ符号に変換するリターン・ツー・ゼロ変換回路であり、28はこのリターン・ツー・ゼロ変換回路27を構成しているアンドゲートである。このように、この実施の形態8は、リターン・ツー・ゼロ変換回路27でノンリターン・ツー・ゼロ符号からリターン・ツー・ゼロ符号に変換した光強度変調器駆動信号を用いて、光強度変調器2の駆動およびスイッチ13の制御を行っている点で、上記実施の形態1とは異なっている。
【0096】
次に動作について説明する。
データ信号入力端子4とクロック信号入力端子5から入力されたデータ信号およびクロック信号を、識別器6に入力して光強度変調器駆動信号を生成する。ここで、この識別器6より出力される光強度変調器駆動信号はノンリターン・ツー・ゼロ符号である。このノンリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号はリターン・ツー・ゼロ変換回路27に入力され、それを構成しているアンドゲート28において、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号との論理積がとられ、リターン・ツー・ゼロ符号に変換される。このリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号は、光強度変調器駆動回路7によって増幅され、光強度変調器2に入力される。従って、この光強度変調器2からはリターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調された光信号が光位相変調器11に出力される。
【0097】
なお、このリターン・ツー・ゼロ変換回路27にてリターン・ツー・ゼロ符号に変換された光強度変調器駆動信号は、分岐されて第2の遅延器8bにも入力され、この第2の遅延器8bで遅延が与えられて、スイッチ制御信号としてスイッチ13に送られる。一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号は第1の遅延器8aを経て、光位相変調器駆動信号としてスイッチ13に入力される。スイッチ13は第2の遅延器8bより出力されるスイッチ制御信号にてそのオン・オフが制御され、光位相変調器11に光信号が入力されているときにのみ、第1の遅延器8aより出力される光位相変調器駆動信号を光位相変調器駆動回路12に入力する。
【0098】
なお、上記説明では、リターン・ツー・ゼロ変換回路27として、アンドゲート28を用いたものを示したが、このリターン・ツー・ゼロ変換回路27はこれにのみ限定されるものではなく、例えばミキサなどを用いて実現することも可能である。また、リターン・ツー・ゼロ変調された光信号を得る方法としては、クロック信号によって駆動される第2の光強度変調器を用いることもできる。
【0099】
以上のように、この実施の形態8によれば、光強度変調器駆動信号として、ノンリターン・ツー・ゼロ符号による識別器の出力信号をリターン・ツー・ゼロ符号に変換した信号を用いているので、光強度変調器によってリターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調された光信号が光位相変調器に入力され、光位相変調器に光信号が入力されているときにのみ光位相変調器は動作するため、光位相変調器駆動回路の消費電力を節約することができ、光強度変調の消光比が有限であるときにデータ“0”時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象を発生させないことが可能となるばかりか、リターン・ツー・ゼロ変調された光信号を用いることは、一般に隣接パルスとの符号間干渉が小さくなることなどの利点があり、リターン・ツー・ゼロ変調された光信号に位相変調を併用することは、受信端でのアイ開口率が改善できるなどの効果が得られる。
【0100】
なお、上記説明では、実施の形態1に示した光送信器において、識別器6がノンリターン・ツー・ゼロ符号で出力する光強度変調器駆動信号を、リターン・ツー・ゼロ符号に変換する場合について示したが、実施の形態2から実施の形態7に示した光送信器に適用することも可能であり、上記実施の形態1による光送信器に適用した説明の場合と同様の効果を奏する。
【0101】
実施の形態9.
図15はこの発明の実施の形態9による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図14と同一符号を付してその説明を省略する。図において、8dはクロック信号入力端子5より入力されたクロック信号より分岐させた信号に遅延を与える遅延器であり、29はこの遅延器8dにて遅延されたクロック信号の周波数を逓倍し、それを光位相変調器駆動回路12に入力する周波数逓倍器である。なお、この周波数逓倍器29としては、例えばダイオードを用いたダブラ等を用いることができる。このように、この実施の形態9は、周波数を逓倍したクロック信号を、光位相変調器駆動信号として用いている点で、上記実施の形態8とは異なっている。
【0102】
次に動作について説明する。
データ信号入力端子4とクロック信号入力端子5から入力されたデータ信号およびクロック信号を、識別器6に入力して光強度変調器駆動信号を生成する。この識別器6より出力される光強度変調器駆動信号はノンリターン・ツー・ゼロ符号である。このノンリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号はリターン・ツー・ゼロ変換回路27に入力されてリターン・ツー・ゼロ符号に変換される。このリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号は、光強度変調器駆動回路7によって増幅されて光強度変調器2に入力され、この光強度変調器2からは、リターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調された光信号が光位相変調器11に出力される。
【0103】
一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号は分岐され、遅延器8dを経て周波数逓倍器29に入力される。周波数逓倍器29ではこのクロック信号の周波数が逓倍され、光位相変調器駆動信号として光位相変調器駆動回路12に送られる。光位相変調器駆動回路12は入力された光位相変調器駆動信号を増幅して光位相変調器11に送り、それを駆動する。
【0104】
ここで、図16はこのように構成された光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。図16(a)はデータ信号入力端子4より入力されるデータ信号系列の一例、図16(b)は光強度変調器2で光強度変調された光信号の波形例を示しており、図16(c)は光位相変調器駆動回路12から光位相変調器11に出力される光位相変調器駆動信号の波形例、図16(d)は図16(c)に示す光位相変調器駆動信号によって位相変調された光信号の、光ファイバ伝送後の波形例を示している。
【0105】
データ信号入力端子4より、図16(a)に示すデータ信号系列が入力された場合、リターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調を行う光強度変調器2より出力される光信号の波形は図16(b)に示すものとなる。一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号は遅延器8dを介して周波数逓倍器29に送られ、その周波数が逓倍される。この周波数逓倍器29からはデータ系列の2倍の周期の正弦波が光位相変調器駆動回路12に入力される。光位相変調器駆動回路12はそれを増幅して、図16(c)に示す光位相変調器駆動信号として光位相変調器11に送り、それを駆動する。
【0106】
従来の光送信器について図26を用いて説明した原理により、図16(b)に示す光強度変調器2の出力信号はパルス圧縮され、光ファイバ伝送後には図16(d)に示すように、よりアイが開口した受信に有利な波形となる。ここでパルス圧縮の程度は、光位相変調に起因する周波数変調の周波数偏移量と光ファイバの分散によって決定される。周波数偏移量は同一位相変調度であれば光位相変調信号の周波数に比例する。このため、光位相変調器11を駆動する光位相変調器駆動信号の周波数を倍にすると、パルス圧縮効果を得るために必要な光位相変調器駆動信号の振幅は半分にすることが可能となり、消費電力を低減することができる。
【0107】
なお、光位相変調器駆動信号の周波数をデータ変調周波数の2倍にするためには、光強度変調されたパルスのデューティを1/2以下とすることが、また、光位相変調器駆動信号の周波数をデータ変調周波数の3倍にするためには、光強度変調されたパルスのデューティを1/3以下とすることが望ましい。
【0108】
また、光位相変調器11へ光強度変調器2で光強度変調された光信号が入力されていないときに、上記実施の形態8と同様に、光位相変調器駆動回路12に入力される信号をオフするスイッチ13を設けることは、伝送特性の改善、消費電力の低減にさらに有利となる。その場合、上記各実施の形態に示したように、スイッチ13の制御は、識別器6の出力信号、あるいは光位相変調器11に入力される光信号をフォトダイオード16などによる受光器で光電変換した信号などを用いることができる。
【0109】
以上のように、この実施の形態9によれば、光強度変調器によってリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調された光信号を光位相変調器に入力し、その光位相変調器を駆動する光位相変調器駆動信号として、クロック信号を逓倍した信号を用いているので、必要なパルス圧縮効果を得るための光位相変調器駆動信号の振幅を小さくすることが可能となり、光位相変調器駆動回路の消費電力を節約することができるという効果が得られる。
【0110】
実施の形態10.
図17はこの発明の実施の形態10による光送信器を示すブロック図であり、各部分には図12および図14の相当部分と同一符号を付してその説明を省略する。この実施の形態10と図12に示した実施の形態7との相違は、低域通過フィルタ25を除去し、識別器6の出力信号をリターン・ツー・ゼロ変換回路27によってリターン・ツー・ゼロ符号に変換したことにある。
【0111】
次に動作について説明する。
識別器6で生成された光強度変調器駆動信号はリターン・ツー・ゼロ変換回路27において、ノンリターン・ツー・ゼロ符号からリターン・ツー・ゼロ符号に変換されて光強度変調器駆動回路7に送られる。光強度変調器駆動回路7ではそれを増幅して光強度変調器2に入力する。従って、光強度変調器2より光位相変調器11に送られる光信号はリターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調される。
【0112】
一方、このリターン・ツー・ゼロ変換回路27の出力信号より分岐された信号と、クロック信号入力端子5に入力されたクロック信号より分岐された信号は、第2の遅延器8bおよび第1の遅延器8aにて遅延が与えられて位相制御が行われ、加算器26に入力される。なお、この加算器26に入力される信号の信号レベルは、必要に応じて減衰器や増幅器を用いて最適化される。これら両信号は加算器26にて加算され、その結果、加算器26からは図13(e)に示す波形の光位相変調器駆動信号が光位相変調器駆動回路12に入力される。従って、ノンリターン・ツー・ゼロ符号を用いる場合のように、データ信号の“1”連続時に符号間干渉が生じることがない。
【0113】
以上のように、この実施の形態10によれば、リターン・ツー・ゼロ変換回路27で変換された信号とクロック信号を加算した光位相変調器駆動信号で光位相変調器を駆動しているので、ノンリターン・ツー・ゼロ符号を用いる場合のように、データ信号の“1”連続時に符号間干渉が生じることがなくなり、より効果的に伝送特性を高めることができるという効果が得られる。
【0114】
実施の形態11.
図18はこの発明の実施の形態11による光送信器を示すブロック図であり、各部分には図15および図17の相当部分と同一符号を付してその説明を省略する。この実施の形態11は、第1の遅延器8aで遅延されたクロック信号をそのまま加算器26に入力するのではなく、周波数逓倍器29で周波数の逓倍を行った後、加算器26に入力している点で、図17に示した実施の形態10の場合とは相違している。
【0115】
次に動作について説明する。
光強度変調器駆動回路7はリターン・ツー・ゼロ変換回路27がリターン・ツー・ゼロ符号に変換した光強度変調器駆動信号を増幅して光強度変調器2に入力する。従って、光強度変調器2より光位相変調器11に送られる光信号はリターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調される。また、このリターン・ツー・ゼロ変換回路27の出力信号は分岐されて第2の遅延器8bに送られ、遅延が与えられて位相調整が行われた後、加算器26に入力される。一方、クロック信号入力端子5に入力されたクロック信号も分岐されて第1の遅延器8aで遅延されて位相調整が行われた後、周波数逓倍器29に入力される。クロック信号はこの周波数逓倍器29で周波数が逓倍され後、加算器26に入力される。この加算器26に入力される各信号の信号レベルは、必要に応じて減衰器や増幅器を用いて最適化される。これら両信号は加算器26にて加算され光位相変調器駆動信号として光位相変調器駆動回路12に入力され、この光位相変調器駆動回路12で増幅されて光位相変調器11を駆動する。
【0116】
以上のように、この実施の形態11によれば、周波数逓倍器29として周波数ダブラを用いた場合、図15に示した実施の形態9と同様の理由により、光位相変調器駆動回路12の出力振幅を半減しても図17に示した実施の形態10の場合と同一の周波数偏移量を印加することができるため、実施の形態10と同様の伝送特性を得ることができ、また、光位相変調器駆動回路12の出力レベルを低減できるため、消費電力を削減することも可能になるなどの効果が得られる。
【0117】
実施の形態12.
図19はこの発明の実施の形態12による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図14と同一符号を付してその説明を省略する。図において、3は光送信器出力端子10より出力される光信号の偏波状態を、平均的にランダムとするための偏波スクランブラであり、9は第1の遅延器8aで遅延が与えられた信号を増幅し、それを偏波スクランブラ駆動信号として偏波スクランブラ3に入力し、その駆動を行う偏波スクランブラ駆動回路である。このように、この実施の形態12は、光位相変調器11として偏波スクランブラ3を用い、それに伴って光位相変調器駆動回路12を偏波スクランブラ駆動回路9で代替し、クロック信号より分岐させて遅延させた信号を偏波スクランブラ駆動信号として用いている点で、上記実施の形態8とは異なっている。
【0118】
次に動作について説明する。
識別器6は、データ信号入力端子4とクロック信号入力端子5から入力されたデータ信号およびクロック信号より、ノンリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号を生成する。この光強度変調器駆動信号はリターン・ツー・ゼロ変換回路27に入力されてノンリターン・ツー・ゼロ符号からリターン・ツー・ゼロ符号に変換される。このリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号は、光強度変調器駆動回路7で増幅されて光強度変調器2に入力され、光強度変調器2からはリターン・ツー・ゼロ形式で光強度変調された光信号が偏波スクランブラ3に出力される。なお、このリターン・ツー・ゼロ変換回路27より出力されたリターン・ツー・ゼロ形式の光強度変調器駆動信号より分岐された信号は、第2の遅延器8bにも入力されて遅延が与えられ、スイッチ13にスイッチ制御信号として送られる。
【0119】
一方、クロック信号入力端子5より入力されたクロック信号より分岐された信号は、第1の遅延器8aを経て遅延が与えられ、偏波スクランブラ駆動信号としてスイッチ13に入力される。スイッチ13は第2の遅延器8bより出力されるスイッチ制御信号にてそのオン・オフが制御され、偏波スクランブラ3に光信号が入力されているときにのみ、第1の遅延器8aより出力される偏波スクランブラ駆動信号を偏波スクランブラ駆動回路9に入力する。偏波スクランブラ駆動回路9からの偏波スクランブラ駆動信号で駆動された偏波スクランブラ3は、光送信器出力端子10より出力される光信号の偏波状態を、平均的にランダムなものとする。この偏波スクランブラ3によって、伝送路に用いられる光増幅器中の偏波ホールバーニングや伝送路の偏波依存性損失により光S/N比が劣化もしくは変動する効果を抑圧することができる。
【0120】
ここで、偏波スクランブラ3としては一般に、リチウムナイオベイト光位相変調器が用いられ、これには偏光変調と同時に位相変調が発生する特徴があることは、図25で説明したとおりである。したがって、データ信号が“0”であるときに、受信側で“1”と誤って判別してしまう現象を、この図19に示した実施の形態12における光送信器でも、図14に示した実施の形態8の場合と同様に回避することができ、また同様に消費電力を削減することができる。
【0121】
すなわち、この発明の上記すべての実施の形態において、光位相変調器11をこの偏波スクランブラ3に置換することができる。これは偏波スクランブラ3が一種の光位相変調器であるためである。
【0122】
なお、図19に示した実施の形態12の光送信器では、達成できる偏光度に若干の問題を生じることがある。以下、図20を用いて、この図19の光送信器における偏波スクランブラ動作を説明する。ここで、図20(a)はリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調が行われ光信号を偏波スクランブルした場合の、偏波スクランブラ3より出力される光信号の偏波状態の軌跡例を示しており、図20(b)はそのとき偏波スクランブラ3に与えられる偏波スクランブラ駆動信号の波形例、図20(c)はそのとき光強度変調器2より偏波スクランブラ3に入力されるリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調された光信号の波形例を示している。
【0123】
ここで、ノンリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調された光信号、あるいは光強度変調されていない光信号を偏波スクランブラ3に入力した場合に出力される光信号の偏波状態が、ポアンカレ球上の大円上に軌跡を描くことは図25で説明したとおりである。図20(c)に示すように偏波スクランブラ3に入力される光信号がリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調されており、偏波スクランブラ駆動回路9が出力する、偏波スクランブラ3を駆動するための偏波スクランブラ駆動信号の位相が図20(b)のとおりであるとすると、そのきに偏波スクランブラ3より出力される光信号の偏波状態の軌跡は図20(a)に示すものとなる。図示のように、光信号振幅が弱いときの偏波状態はポアンカレ球内部にプロットされる。
【0124】
図25で説明したように、偏光度がゼロとなるためにはポアンカレ球上で、
(A)一定時間内にL側半球に存在する確率とR側半球に存在する確率が等し
いこと
(B)一定時間内にQ側半球に存在する確率とP側半球に存在する確率が等し
いこと
(C)一定時間内にH側半球に存在する確率とV側半球に存在する確率が等し
いこと
の3つの条件を満たす必要がある。
【0125】
この場合、図20(a)に示すように、偏波状態はR側半球に軌跡を描かないため、上記条件(A)を満たし得ない。このように、リターン・ツー・ゼロ符号での光強度変調を用いている、この実施の形態12の光送信器では偏光度をゼロにできない場合がある。達成できる偏光度は光強度変調波形と偏波スクランブラ駆動波形の位相関係に依存する。
【0126】
このように、この実施の形態12による図19に示した構成の光送信器では偏光度をゼロとできない場合があるが、偏波スクランブラ3を使用しない場合に比べて十分に小さな偏光度を達成できるために、多くの場合には深刻な問題とはならない。
【0127】
以上のように、この実施の形態12によれば、偏波スクランブラによって光位相変調器を代替しているので、偏波スクランブラを使用しない場合に比べて出力光信号の偏光度を十分に小さくすることができる効果が得られる。
【0128】
なお、上記説明では、図14に示した実施の形態8の光位相変調器11として偏波スクランブラ3を用いたものを示したが、その他の、実施の形態1から実施の形態7および実施の形態9から実施の形態11における光位相変調器11に偏波スクランブラ3を用いてもよく、上記実施の形態8に適用した場合と同様の効果を奏する。
【0129】
実施の形態13.
図21はこの発明の実施の形態13による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図19と同一符号を付してその説明を省略する。図において、30は偏波スクランブラ3より出力される光信号の偏波状態を90度回転させるλ/4板である。31はこのλ/4板30より入力される光信号の偏波状態を駆動信号に応じて回転させるファラデーローテータであり、例えば光磁気光学効果を用いたデバイス等を使用することができる。32はこのファラデーローテータ31を駆動するファラデーローテータ駆動回路で、アンプを用いて構成されている。33は所定の周波数で発振して出力をファラデーローテータ駆動回路に供給する発振器である。
【0130】
このように、この実施の形態13は、偏波スクランブラ3と光送信器出力端子10の間に、λ/4板30、ファラデーローテータ31、ファラデーローテータ駆動回路32、および発振器33を追加した点で、上記実施の形態12とは相違している。
【0131】
前述のように、図19に示した実施の形態12の光送信器では、リターン・ツー・ゼロ符号を用いると、図20(b)に示す偏波スクランブラ駆動信号と図20(c)に示す光強度変調波形の位相関係によっては、偏光度をゼロとすることができない場合がある。図21に示す構成のこの実施の形態13は、そのような問題を解決する方法を示している。
【0132】
以下、図22を用いて、この図21に示した光送信器の動作を説明する。ここで、図22(a)は偏波スクランブラ3より出力されるリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調が行われ光信号の偏波状態の軌跡例を示しており、図22(b)はλ/4板30より出力されるリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調が行われ光信号の偏波状態の軌跡例、およびファラデーローテータ31による偏波回転の様子を示している。
【0133】
偏波スクランブラ3より出力される光信号の偏波状態は図22(a)に示すとおりであり、これは図20(a)に示した実施の形態12における偏波スクランブラ3の出力と同じである。この偏波スクランブラ3より出力されるリターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調が行われ光信号は、λ/4板30に入力されてその偏波状態が図22(b)に示すように90度回転する。この図22(b)では一定時間内にL側半球に存在する確率とR側半球に存在する確率が等しくなるように、λ/4板30の主軸方向を設定する。
【0134】
ここで、ファラデーローテータ31は、発振器33で発振されてファラデーローテータ駆動回路32で増幅された駆動信号に応じて、偏波状態をポアンカレ球上で赤道に平行に回転するという性質がある。従って、ファラデーローテータ31を出力される光信号の偏波状態は図22(b)に矢印で示すように回転する。このとき、ポアンカレ球上で前述の(A)、(B)、(C)の3つの条件が満足され、リターン・ツー・ゼロ符号を採用した場合でも、偏光度はゼロとなる。
【0135】
以上のように、この実施の形態13によれば、光位相変調器より出力される光信号を、λ/4板およびファラデーローテータを経て出力するようにしているので、リターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調された光信号に対しても、偏光度をゼロとすることができるという効果が得られる。
【0136】
なお、上記説明では、実施の形態12による光送信器に適用した場合について示したが、この実施の形態12以外の実施の形態1から実施の形態11のいずれの場合についても、その位相変調器(偏波スクランブラ3)の出力信号を、これらλ/4板およびファラデーローテータを介して出力するようにすることが可能であり、それらいずれの場合においても上記実施の形態12に適用した場合と同様の効果を奏する。
【0137】
実施の形態14.
図23はこの発明の実施の形態14による光送信器を示すブロック図であり、相当部分には図1および図19と同一符号を付してその説明を省略する。図において、8eは図19に示した第1の遅延器8aに相当する第3の遅延器、8fは図19に示した第2の遅延器8bに相当する第4の遅延器であり、13aは図1に示したスイッチ13に相当する第1のスイッチ、13bは図1に示したスイッチ13に相当する第2のスイッチである。この実施の形態14と実施の形態1との相違は、偏波スクランブラ3、偏波スクランブラ駆動回路9、第3の遅延器8e、第4の遅延器8f、および第2のスイッチ13bを追加した点にある。
【0138】
次に動作について説明する。
ここで、光位相変調器11が、第1のスイッチ13aでオン・オフされて光位相変調器駆動回路12で増幅された光位相変調器駆動信号によって駆動され、光信号を出力するまでの動作は実施の形態1の場合と同様である。この光位相変調器11からの光信号が入力される偏波スクランブラ3は、光送信器出力端子10より出力される光信号の偏光度を小さくする効果に加えて、光位相変調器11と同様なパルス圧縮の効果を実現する。
【0139】
この偏波スクランブラ3は、クロック信号より分岐された信号を第3の遅延器8eで遅延させた後、第2のスイッチ13bでオン・オフして偏波スクランブラ駆動駆動回路9で増幅した偏波スクランブラ駆動信号で駆動されている。この第2のスイッチ13bのオン・オフは、識別器6の生成した光強度変調器駆動信号より分岐して第2の遅延器8bで遅延されたスイッチ制御信号によって第1のスイッチ13aをオン・オフするように、識別器6の生成した光強度変調器駆動信号より分岐して第4の遅延器8fで遅延されたスイッチ制御信号によって制御される。
【0140】
このように、この実施の形態14によれば、複数の光位相変調器を用いているので、受信端での波形をより精密に制御することができ、また、複数の光位相変調器の1つに偏波スクランブラを使用しているので、出力光信号の偏光度を小さくすることができるなどの効果が得られる。
【0148】
【発明の効果】
この発明によれば、光位相変調器駆動信号反転手段を光強度変調器駆動信号に同期した切り替え制御信号によって制御し、光位相変調器に光信号が入力されているか否かに応じて、光位相変調器駆動信号反転手段より光位相変調器に入力される光位相変調器駆動信号の極性を反転させるように構成したので、光強度変調の消光比が有限であるときに、データ信号の“0”時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象を防止でき、アイ開口率を高めることが可能となる効果がある。
【0149】
この発明によれば、光位相変調器駆動信号反転手段を、光位相変調器駆動信号を2分岐させる分岐回路と、その一方の極性を反転させるインバータ回路と、分岐回路の出力信号の他方とインバータ回路の出力信号のうちの一方を、光強度変調器駆動信号から分岐させた切り替え制御信号に応じて選択する切り替えスイッチとによって構成したので、符号誤りの防止、およびアイ開口率の向上が可能な光送信器を容易に実現できる効果がある。
【0150】
この発明によれば、光位相変調器駆動信号反転手段を、光位相変調器駆動信号を2分岐させる分岐回路と、その一方の極性を反転させるインバータ回路と、分岐回路の出力信号の他方とインバータ回路の出力信号のうちの一方を、光分波器で分波された光強度変調器から光位相変調器に送られる光信号を、受光器で電気信号に変換した切り替え制御信号に応じて選択する切り替えスイッチとによって構成したので、安定に動作し、符号誤りの防止、およびアイ開口率の向上が可能な光送信器を容易に実現できる効果がある。
【0152】
この発明によれば、ノンリターン・ツー・ゼロ符号による光強度変調器駆動信号を、リターン・ツー・ゼロ変換回路にてリターン・ツー・ゼロ符号に変換してから光強度変調器に送るように構成したので、光位相変調器に光信号が入力されていないときに位相変調がかけられることがなく、光強度変調の消光比が有限であるときに、データ信号の“0”時に残留する光信号がファイバ伝送後にパルス化されて符号誤りとなる現象を発生させないことが可能となる効果がある。
【0156】
この発明によれば、光位相変調器として偏波スクランブラを用いるように構成したので、十分に出力光信号の偏光度を小さくすることが可能となる効果がある。
【0157】
この発明によれば、ファラデーローテータを介して光位相変調器からの光信号を出力するように構成したので、リターン・ツー・ゼロ符号で光強度変調された光信号に対しても、偏光度をゼロとすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による光送信器の一構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1における光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1による光送信器の他の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態2による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態3による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態4による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4における光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。
【図8】この発明の実施の形態5による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態6による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態6における光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。
【図11】この発明の実施の形態6による光送信器の他の構成例を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態7による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態7における光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。
【図14】この発明の実施の形態8による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図15】この発明の実施の形態9による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施の形態9における光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。
【図17】この発明の実施の形態10による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図18】この発明の実施の形態11による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図19】この発明の実施の形態12による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図20】この発明の実施の形態12における光送信器の動作を説明するための動作説明図である。
【図21】この発明の実施の形態13による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図22】この発明の実施の形態13における光送信器の動作を説明するための動作説明図である。
【図23】この発明の実施の形態14による光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図24】従来の光送信器の構成例を示すブロック図である。
【図25】従来の光送信器の偏波スクランブラの動作を説明するための動作説明図である。
【図26】従来の光送信器の各部の信号波形を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 光源、2 光強度変調器、3 偏波スクランブラ、4 データ信号入力端子、5 クロック信号入力端子、6 識別器、8a 第1の遅延器、8b 第2の遅延器、8c,8d 遅延器、8e 第3の遅延器、8f 第4の遅延器、11 光位相変調器、13 スイッチ、13a 第1のスイッチ、13b 第2のスイッチ、14 光増幅器、15 光分波器、16 フォトダイオード(受光器)、18 クロック抽出回路、20 低域通過フィルタ(光位相変調器駆動信号生成回路)、21 分岐回路、22 インバータ回路、23 切り替えスイッチ、24 光位相変調器駆動信号反転手段、26 加算器、27 リターン・ツー・ゼロ変換回路、29 周波数逓倍器、30 λ/4板、31 ファラデーローテータ、32 ファラデーローテータ駆動回路。
Claims (6)
- 光信号を発生する光源と、
前記光源より出力された光信号を、光強度変調器駆動信号に基づいて光強度変調する光強度変調器と、
前記光強度変調器に縦続接続され、正弦波でかつ前記光強度変調器駆動信号における一つのデータ信号の区間で極性が一周期反転する波形の光位相変調器駆動信号に基づいて、光強度変調された光信号に対して光位相変調を行う光位相変調器と、
前記光位相変調器駆動信号を入力とし、前記光強度変調器駆動信号に同期した切り替え制御信号によって制御されて、前記光位相変調器に光信号が入力されていない場合は、前記光位相変調器駆動信号の極性を反転させて前記光位相変調器に入力する光位相変調器駆動信号反転手段とを備えた光送信器。 - 光位相変調器駆動信号反転手段を、
光位相変調器駆動信号を2分岐させる分岐回路と、
前記分岐回路の出力信号の一方の極性を反転させるインバータ回路と、
光強度変調器駆動信号から分岐された切り替え制御信号によって、前記分岐回路の出力信号の他方と、前記インバータ回路の出力信号のうちの一方を選択する切り替えスイッチで構成したことを特徴とする請求項1記載の光送信器。 - 光位相変調器駆動信号反転手段を、
光位相変調器駆動信号を2分岐させる分岐回路と、
前記分岐回路の出力信号の一方の極性を反転させるインバータ回路と、
光強度変調器から光位相変調器に送られる光信号を、光分波器で分波して受光器で電気信号に変換した切り替え制御信号によって、前記分岐回路の出力信号の他方と、前記インバータ回路の出力信号のうちの一方を選択する切り替えスイッチで構成したことを特徴とする請求項1記載の光送信器。 - 光強度変調器駆動信号をリターン・ツー・ゼロ符号に変換して光強度変調器に送るリターン・ツー・ゼロ変換回路を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の光送信器。
- 光位相変調器として偏波スクランブラを用いたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の光送信器。
- 光位相変調器の出力に接続されて、入力される光信号の偏波状態を駆動信号に従って回転させるファラデーローテータと、
前記ファラデーローテータに駆動信号を与えてそれを駆動するファラデーローテータ駆動回路とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の光送信器。
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