JP3568686B2 - 情報処理装置における情報交換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置相互間で共有メモリを介して情報の交換を行う情報処理装置における情報交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
互いに非同期でデータ処理を実行する複数の情報処理装置相互間でデータ伝送を行う場合は、情報処理装置相互間で直接データを送受信することはなく、中間にデータを一旦記憶しておく共有メモリを設けて、送信側の情報処理装置は自己のデータ処理タイミング又はデータ処理周期で前記共有メモリにデータを書込む。一方、受信側の情報処理装置は自己のデータ処理タイミング又はデータ処理周期で前記共有メモリに書込まれたデータを読出して自己装置内に取込むようにしている。
【0003】
図8は上述した情報交換方法を採用した計算機システムの概略構成を示すブロック図である。
この計算機システムは、例えばプラントの状態を監視する監視システムであり、2台の情報処理装置1a,1bと、各情報処理装置1a,1bの各システムバス2a,2bに接続された共有メモリ3とで構成されている。
【0004】
共有メモリ3は、例えばデュアルポートRAMで構成されており、各情報処理装置1a,1bは互いに相手のアクセス状態に関係なく共有メモリ3をアクセスすることが可能である。また、この共有メモリ3内には、排他処理フラグ4が記憶されている。
【0005】
一方の情報処理装置1aにおいて、システムバス2aに対して、CPU5a,ROM6a,主メモリ7a,例えば外部のプラント8からプロセスデータが入力されるインタフェース9等が接続されている。そして、この情報処理装置1aは、プラント8から入力したプロセスデータを加工して一定周期又は必要な時に共有メモリ3へ書込む。
【0006】
他方の情報処理装置1bにおいて、システムバス2bに対して、CPU5b,ROM6b,主メモリ7b,例えばCRT表示装置10に情報処理結果を出力する出力部11等が接続されている。そして、この情報処理装置1bは、共通メモリ3に書込まれたデータを、前記情報処理装置1aに対して非同期で読出して、読出したデータに対して所定の処理を施した後、CRT表示装置10へ表示出力する。
【0007】
このような計算機システムにおいては、共有メモリ3に対して各情報処理装置1a.1bが同時にアクセスすると、書込み途中の誤ったデータを読出す懸念があるので、前述したように、共有メモリ3内に、この共有メモリ3に対するアクセス動作中以外の他の情報処理装置がアクセスすることを禁止するための排他処理フラグ4を設けている。
【0008】
そして、情報処理装置1aがデータを共有メモリ3に書込む場合は、図9(a)の流れ図に示すように、排他処理フラグ4が0に解除されていることを確認し、この排他処理フラグ4を1に設定した状態で書込動作を実行し、書込動作が終了すると排他処理フラグ4を元の0に解除する。
【0009】
また、情報処理装置1bが共有メモリ3からデータを読出す場合は、図9(b)の流れ図に示すように、排他処理フラグ4が0に解除されていることを確認し、この排他処理フラグ4を1に設定した状態で読出動作を実行し、読出動作が終了したら排他処理フラグ4を元の0に解除する。
【0010】
また、ハードウエア処理にて、いずれか一方の情報処理装置1a,1bが共有メモリ3に対するアクセスを実行している期間は、他方の情報処理装置1b,1aからの共有メモリ3の同一アドレスに対するアクセスを禁止する手法を採用することもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した手法で各情報処理装置1a,1bが共有メモリ3に対して同時にアクセスすることを防止する情報交換方式においても、まだ改良すべき次のような課題があった。
【0012】
すなわち、共有メモリ3内に設けられた排他処理フラグ4が1に設定された状態においては、他の情報処理装置はこの共有メモリ3に対して書込処理及び読出処理のいずれの処理も禁止される。
【0013】
しかし、この情報交換方法を採用した計算機システムのなかには、例えば、共有メモリ3に対する書込みを実施する一方の情報処理装置1aは、プラント8から短い周期で各データを順次読取って処理して共有メモリ3に記憶されている各データを短い周期で更新していく必要があり、一方、共有メモリ3からデータを読出して処理を行う他方の情報処理装置1bは、自己に与えられた比較的長い周期で共有メモリ3に記憶された各データを読取って処理を施して、CRT表示装置10に表示すればよい場合がある。そして、この場合、情報処理装置1bは同一種類のデータに対しては最新のデータを用いて処理を実施すればよい。
【0014】
このような条件の場合は、最新のデータを確保するために、共通メモリ3に対する書込処理を共通メモリ3に対する読出処理より優先して実施した方が計算機システム全体としてデータ処理の精度が向上し、かつシステム全体の信頼性を向上できる。
【0015】
しかし、図8及び図9に示す計算機システムにおいては、共通メモリ3に対する書込処理と読出処理とが同一優先度に設定されているので、他方の情報処理装置1bが共有メモリ3に対する読出期間中においては、一方の情報処理装置1aは書込処理を実施できずに、他方の情報処理装置1bの読出処理が終了するまで待たされる事態が発生する懸念がある。
【0016】
特に、複数桁の数字からなる各データの読出処理が1ワード(文字)単位でなく、1データ単位又は複数のデータ単位で実施される場合は、読出処理時間が長くなり、情報処理装置1aは長期間待たされることになる。
【0017】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、書込要求を読出要求に対して処理優先度を高くでき、共有メモリを介して交換される情報の信頼性を低下することなく、たとえ読出動作期間中であっても書込要求に応じて即座に書込みを実施できる情報処理装置における情報交換方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、書込動作中であることを示す書込中フラグと書込動作回数を計数する書込カウンタとを有する共有メモリに、情報の書込み及び読出しを行う情報処理装置における情報交換方法であって、
書込要求に応じて、前記書込中フラグを設定した後、前記共有メモリに対する情報の書込動作を行い、その後に前記書込カウンタの値を更新し、次いで前記書込中フラグを解除する書込手順と、
読出要求に応じて、前記書込中フラグが解除状態のとき前記共有メモリに対する情報の読出動作を行う読出手順と、
前記共有メモリに対する情報の読出動作の前後で前記書込カウンタの値又は前記書込中フラグの状態が変化したとき、前記読出動作で得られた情報を破棄して前記読出手段を再実行する再読出手順とを具備することを特徴とする
また、別の発明は、上記課題を解決するため、複数のブロックに分割され、かつ各ブロックは、自己ブロックに対する書込動作中であることを示す書込中フラグと、この自己ブロックに対する書込動作回数を計数する書込カウンタとを有する共有メモリに、情報の書込み及び読出しを行う情報処理装置における情報交換方法であって、
書込要求に応じて、この書込要求の指定するブロックの書込中フラグを設定した後、該当ブロックに対する情報の書込動作を行い、その後に該当ブロックの書込カウンタの値を更新し、次いで該当ブロックの書込中フラグを解除する書込手順と、
読出要求に応じて、この読出要求の指定するブロックの書込中フラグが解除状態のとき該当ブロックに対する情報の読出動作を行う読出手順と、
前記読出要求の指定するブロックに対する情報の読出動作の前後で該当ブロックの書込カウンタの値又は該当ブロックの書込中フラグの状態が変化したとき、前記読出動作で得られた情報を破棄して該当ブロックに対する読出手段を再実行する再読出手順とを具備したことを特徴とする。
【0023】
このように構成された情報処理装置における情報交換法方法においては、書込動作期間、共有メモリの書込中フラグは例えば1に設定された状態である。また、共有メモリの書込カウンタの値は共通メモリに対する書込処理が実施されると例えば1だけ増加する。そして、書込処理は他の情報処理装置の共有メモリに対する読出動作の有無に関係なく実行される。
【0024】
一方、共通メモリから情報を読出すとき、書込中フラグが0に解除されていた場合無条件に読出し、書込中フラグが1に設定されていた場合0に解除されるのを待って読出す。そして、
(1) 読出した時点で書込中フラグが1に設定されていた場合は、読出動作の開始後に書込動作が開始されたので、今回読出した情報は書込途中の情報である可能性があるので、この読出した情報を破棄して、再度読出処理を開始する。
【0025】
(2) 読出した時点で書込カウンタの値が変化していた場合は、読出動作期間中に書込動作が行われて、書込中フラグが元の0に解除されたので、やはり、今回読出した情報は書込途中の情報である可能性があるので、この読出した情報を破棄して、再度読出処理を開始する。
【0026】
このように、書込動作は書込要求発生に同期して無条件に即座に実施され、読出動作は書込動作が開始されていなければ直ぐ実行され、実行後に、読出した情報の正当性を判断して、不適当の場合は再読出を実行している。
【0027】
したがって、共有メモリを介して交換される情報の信頼性を低下することなく、たとえ読出動作期間中であっても書込要求に応じて即座に書込みを実施できる。
【0028】
また、別の発明においては、共有メモリを複数のブロックに分割し、各ブロック毎に個別に書込処理及び読出処理を実行しているので、一つのブロックに対して書込動作期間中に他のブロックに対しては何等支障なく読出動作を実行できる。
【0029】
よって、読出要求発生時に、該当ブロックに対する書込動作中である確率が低くなり、読出動作の開始までの平均的な待ち時間が短縮され、この情報交換方法を採用した計算機システムの処理能率を向上できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の情報処理装置における情報交換方法が採用された計算機システムの概略構成を示すブロック図である。図8に示す従来の情報交換方法が採用された計算機システムと同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0031】
この計算機システムは、例えばプラント8の状態を監視する監視システムであり、2台の情報処理装置11a,11bと、各情報処理装置11a,11bの各システムバス2a,2bに接続された共有メモリ13とで構成されている。
【0032】
共有メモリ13は、例えばデュアルポートRAMで構成されており、内部にデータ領域14と、この共有メモリ13に対する書込動作中であることを示す書込中フラグFWを記憶する領域15と、この共有メモリ13に対する書込動作回数CNを計数する書込カウンタを記憶する領域16とが形成されている。
【0033】
そして、一方の情報処理装置11aは、プラント8から入力したプロセスデータを加工して一定周期又は必要な時に共有メモリ13のデータ領域14へ書込む。また、他方の情報処理装置11bは、共通メモリ13のデータ領域14に書込まれたデータを、前記情報処理装置11aに対して非同期で読出して、読出したデータに対して所定の処理を施した後、CRT表示装置10へ表示出力する。
【0034】
次に、各情報処理装置11a,11bの具体的書込処理動作及び読出処理動作を図2,図3の流れ図を用いて説明する。
一方の情報処理装置11aは共有メモリ13に対する書込要求が発生すると、図2の流れ図に示すように、まず、P(プログラム・ステップ)1にて、共有メモリ13の領域15の書込中フラグFWを1に設定する。その後に、書込要求に含まれけるデータを共有メモリ13のデータ領域14の同じく書込要求が指定するアドレス(位置)に書込む(P2)。
【0035】
データの共有メモリ13に対する書込動作が終了すると、P3にて共有メモリ13の領域16の書込カウンタの値CNを1だけ加算する(CN=CN+1)。そして、書込中フラグFWを0に解除して(P4)、この書込処理を終了する。
【0036】
また、他方の情報処理装置11bは共有メモリ13に対する読出要求が発生すると、図3の流れ図に示すように、まず、P11にて、共有メモリ13の領域15の書込中フラグFWが0に解除されていることを確認する。次に、P12にて共有メモリ13の領域16の書込カウンタの値CNを読取って、この値CNを前回値CNmとして記憶保持する(CNm=CN)。その後に、データ領域14内の読出要求が指定するアドレスに記憶されているデータを読出す(P13)。
【0037】
読出動作が終了すると、再度領域15の書込中フラグFWが0に解除された状態てあることを確認する(P14)。さらに、領域16の書込カウンタの値CNを読取って(P15)、この今回読取ったカウント値CNと記憶している前回値CNmとを比較する(P16)。P17にて両者が一致することを確認すると(CN=CNm)、今回読出したデータは正しいと判断してこの読出処理を終了する。
【0038】
なお、P14にて、書込中フラグFWの状態が1に変更されていた場合は、今回の読出動作期間中に他の情報処理装置1aによる書込動作が開始されたと判断し、今回読出したデータは書込途中のデータである可能性があるので、P18へ進み、今回読出したデータを破棄して、P11へ戻り、読出処理を最初から再実行する。
【0039】
さらに、P17にて、両者が不一致の場合は、読出動作期間中に書込動作が行われて、書込中フラグFWが元の0に解除されたと判断する。この場合、今回読出したデータは書込途中のデータである可能性があるので、P18へ進み、今回読出したデータを破棄して、P11へ戻り、読出処理を最初から再実行する。
【0040】
このように構成された第1実施形態の情報交換方式における具体的動作を図4のタイムチャートを用いて説明する。
時刻t にて書込動作が開始し、時刻t にて書込動作が終了したとする。したがって、書込中フラグFWは時刻t から時刻t までの書込動作期間中のみ1に設定される。また、書込カウンタの値CNは書込動作期間の終了時刻t 以前はAであり、終了時刻t 以降は(A+1)となる。
【0041】
この書込動作期間(t 〜t )に対して、読出動作は、図に示するように、(1) 〜(6) の6種類存在するが、書込動作期間(t 〜t )は書込中フラグFWが1に設定状態であるので、この書込動作期間(t 〜t )内で読出動作が開始されることはないので、(5) (6) の読出動作は最初から存在しない。
【0042】
残りの(1) 〜(4) の読出動作のうち、(1) (4) の読出動作は、書込動作期間(t 〜t )を全く含まないので、読出されたデータは信頼できる正常データである。しかし、(2) (3) の読出動作は、書込動作期間(t 〜t )を一部又は全部含むので、読出されたデータは信頼できないデータであるので破棄される。なお、(2) の読出動作は書込中フラグFWの変化で検出でき、(4) の読出動作は書込カウンタの値CNの変化で検出できる。
【0043】
なお、図1に示す第1実施形態においては、一方の情報処理装置11aから共有メモリ13にデータを書込み、他方の情報処理装置11bでデータを読出しているが、他方の情報処理装置11bでデータを書込み、一方の情報処理装置11aでデータを読出すことも可能である、すなわち、書込動作を読出動作に優先して、共通メモリ13を介して、情報処理装置11a,11b相互間で情報の交換が可能である。
【0044】
このように、共有メモリ13を介して情報処理装置11a,11b相互間で交換される情報の信頼性を低下することなく、たとえ他の情報処理装置が読出動作期間中であっても、各情報処理装置は書込要求に応じて共有メモリ13に対して即座に書込みを実施できる。よって、信頼姓を低下することなく計算機システム全体の情報伝送処理効率を向上できる。
【0045】
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態の情報処理装置における情報交換方法が採用された計算機システムに組込まれた共有メモリ13aの記憶内容を示す図である。この共有メモリ13a以外の構成は図1に示した第1実施形態の計算機システムとほぼ同じである。したがって、異なる部分のみを説明する。
【0046】
この共有メモリ13aは、それぞれ1番からn番までのブロック番号Biが付されたn個のブロック17で構成されている。
各ブロック17内には、データを記憶するデータ領域14aと、該当ブロック17に対する書込動作中であることを示す書込中フラグFW を記憶する領域15aと、このブロック17に対する書込動作回数CN を計数する書込カウンタを記憶する領域16aとが形成されている。
【0047】
次に、各情報処理装置11a,11bの具体的書込処理動作およぴ読出処理動作を図6,図7の流れ図を用いて説明する。
一方の情報処理装置11aは、共有メモリ13aに対する書込要求が発生すると、図6の流れ図に示すように、まず、P21にて、書込要求に含まれるデータの書込先アドレスが所属するブロック7のブロック番号B を特定する。
【0048】
次に、共有メモリ13aの該当ブロック番号B のブロック17の領域15aの書込中フラグFW を1に設定する(P22)。その後に、書込要求に含まれるデータを該当ブロック17のデータ領域14aの同じく書込要求が指定するアドレス(位置)に書込む(P23)。
【0049】
データの共有メモリ13aの該当ブロック17に対する書込動作が終了すると、P24にて該当ブロック番号B の領域16aの書込カウンタの値CN を1だけ加算する(CN =CN +1)。そして、該当ブロック番号B の領域15aの書込中フラグFW を0に解除して(P25)、この書込処理を終了する。
【0050】
また、他方の情報処理装置11bは共有メモリ13aに対する読出要求が発生すると、図7の流れ図に示すように、まず、P31にて、読出要求の読出先アドレスが所属するブロック7のブロック番号B を特定する。次に、共有メモリ13の先に特定されたブロック番号B のブロック17内の領域15aの書込中フラグFW が0に解除されていることを確認する(P32)。
【0051】
次に、P33にて該当ブロック番号B の領域16aの書込カウンタの値CN を読取って、この値CN を前回値CNmとして記憶保持する(CNm=CN )。その後に、該当ブロック番号B のブロック17のデータ領域14a内の読出要求が指定するアドレスに記憶されているデータを読出す(P34)。
【0052】
読出動作が終了すると、再度同一ブロック番号B の領域15aの書込中フラグFW が0に解除された状態であることを確認する(P35)。さらに、同一ブロック番号B の領域16aの書込カウンタの値CN を読取って(P36)、この今回読取ったカウント値CN と記憶している同一ブロック番号B の前回値CNmとを比較する(P37)。
【0053】
P38にて両者が一致することを確認すると(CN =CNm)、今回読出したデータは正しいと判断する。そして、P39にて今回の読出要求に他の未読出のデータが存在しない場合は、この読出処理を終了する。
【0054】
今回の読出要求に他の未読出のデータが存在すれば(P39)、P31へ戻り、該当未読出のデータに対する読出処理を開始する。
なお、P32にて、該当ブロック番号B の書込中フラグFW の状態が1の場合は、P40にて、今回の読出要求に他の未読出のデータが存在すれば、P31へ戻り、この他の未読出のデータに対する読出処理を開始する。P40にて、今回の読出要求に他の未読出のデータが存在しない場合は、P32へ戻り、該当ブロック番号B の書込中フラグFW の状態が0に戻るまで待つ。
【0055】
さらに、P35にて、該当ブロック番号B の書込中フラグFW の状態が1に変更されていた場合は、今回の読出動作期間中に他の情報処理装置11aによる該当ブロック番号B のブロック17に対する書込動作が開始されたと判断し、今回読出したデータは書込途中のデータである可能性があるので、P41へ進み、今回読出したデータを破棄して、P40へ進み、今回の読出要求に他の未読出のデータの存在を調べる。
【0056】
さらに、P38にて、両者が不一致の場合は、読出動作期間中に同一ブロック17に対する書込動作が行われて、書込中フラグFW が元の0に解除されたと判断する。この場合、今回読出したデータは書込途中のデータである可能性があるので、P41へ進み、今回読出したデータを破棄して、P40へ進み、今回の読出要求に他の未読出のデータの存在を調べる。
【0057】
このように構成された第2実施形態の情報処理装置間の情報交換方式においては、共有メモリ13aは複数のブロック17に分割され、各ブロック17にそれぞれ個別に書込中フラグFW 及び書込カウンタが設けられている。そして、図6の書込処理動作の流れ図及び図7の読出処理動作の流れ図に示すように、読出要求発生時に、各ブロック17毎に、それぞれ個別に書込中フラグFW の状態及び書込カウンタのカウント値CN を検証して、該当ブロック17に対する読出動作を開始することが可能か否か、また一旦読出したデータの誤混入の可能性の有無を判断している。したがって、前述した第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0058】
さらに、この第2実施形態においては、各ブロック17毎に個別に書込処理及び読出処理を実施しているので、一つのブロック17に対する書込動作期間中に他のブロック17に対する読出動作は何等支障なく実行できる。
【0059】
よって、読出要求発生時に、書込動作中である確率が低くなり、読出動作の開始までの平均的な待ち時間が短縮され、この情報交換方式を採用した計算機システムの処理能率を向上できる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の情報処理装置における情報交換方法においては、共有メモリに書込中フラグのみならず書込カウンタを設け、読出要求発生時にはこれらの情報を検証して、読出動作を開始することが可能か否か、また一旦読出したデータの誤混入の可能性の有無を判断している。
したがって、書込要求を読出要求に対して処理優先度を高くでき、共有メモリを介して交換される情報の信頼性を低下することなく、たとえ読出動作期間中であっても書込要求に応じて即座に書込みを実施できる。
【0061】
したがって、書込要求を読出要求に対して処理優先度を高くでき、共有メモリを介して交換される情報の信頼性を低下することなく、たとえ読出動作期間中であっても書込要求に応じて即座に書込みを実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる情報処理装置における情報交換方法が採用された計算機システムの概略構成を示すブロック図
【図2】同計算機システムにおける共有メモリに対する書込処理動作を示す流れ図
【図3】同計算機システムにおける共有メモリに対する読出処理動作を示す流れ図
【図4】同計算機システムの動作を示すタイムチャート
【図5】本発明の第2実施形態に係わる情報処理装置における情報交換方法が採用された計算機システムに組込まれた共有メモリの記憶内容を示す図
【図6】同計算機システムにおける共有メモリに対する書込処理動作を示す流れ図
【図7】同計算機システムにおける共有メモリに対する読出処理動作を示す流れ図
【図8】従来の情報処理装置における情報交換方法が採用された計算機システムの概略構成を示すブロック図
【図9】同計算機システムにおける共有メモリに対する読出処理動作及び書込処理動作を示す流れ図
【符号の説明】
2a,2b…システムバス
5a,5b…CPU
8…プラント
11a,11b…情報処理装置
13,13a…共有メモリ
14,14a…データ領域
15,15a,16,16a…領域
17…ブロック

Claims (2)

  1. 書込動作中であることを示す書込中フラグと書込動作回数を計数する書込カウンタとを有する共有メモリに、情報の書込み及び読出しを行う情報処理装置における情報交換方法であって、
    書込要求に応じて、前記書込中フラグを設定した後、前記共有メモリに対する情報の書込動作を行い、その後に前記書込カウンタの値を更新し、次いで前記書込中フラグを解除する書込手順と、
    読出要求に応じて、前記書込中フラグが解除状態のとき前記共有メモリに対する情報の読出動作を行う読出手順と、
    前記共有メモリに対する情報の読出動作の前後で前記書込カウンタの値又は前記書込中フラグの状態が変化したとき、前記読出動作で得られた情報を破棄して前記読出手段を再実行する再読出手順と
    を具備することを特徴とする情報処理装置における情報交換方法
  2. 複数のブロックに分割され、かつ各ブロックは、自己ブロックに対する書込動作中であることを示す書込中フラグと、この自己ブロックに対する書込動作回数を計数する書込カウンタとを有する共有メモリに、情報の書込み及び読出しを行う情報処理装置における情報交換方法であって、
    書込要求に応じて、この書込要求の指定するブロックの書込中フラグを設定した後、該当ブロックに対する情報の書込動作を行い、その後に該当ブロックの書込カウンタの値を更新し、次いで該当ブロックの書込中フラグを解除する書込手順と、
    読出要求に応じて、この読出要求の指定するブロックの書込中フラグが解除状態のとき該当ブロックに対する情報の読出動作を行う読出手順と、
    前記読出要求の指定するブロックに対する情報の読出動作の前後で該当ブロックの書込カウンタの値又は該当ブロックの書込中フラグの状態が変化したとき、前記読出動作で得られた情報を破棄して該当ブロックに対する読出手段を再実行する再読出手順と
    を具備したことを特徴とする情報処理装置における情報交換方法
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