JP3568378B2 - 密閉式電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属性の電池外装缶と封口板とをレーザ溶接によって封止する工程を有する密閉式電池の製法に関し、特に、角形密閉式電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話,AV機器,コンピュータなどの携帯機器の需要が高まるに伴い、電池に対する高性能化への要求が急速に高まっており、中でも、ニッケルカドミウム電池,ニッケル水素電池,リチウムイオン二次電池といった二次電池に対して大きな要望がある。
【0003】
このような電池は一般的に密閉タイプであって、電池の形状としては、円筒形や角形といったものが知られているが、その中で角形密閉式電池は、携帯機器に搭載するに際してスペース効率が優れている点で注目されており、その高性能化や高信頼性に対する要望は大きい。
この角形密閉式電池は、一般的に、金属性の板体を深絞り加工することによって、有底角筒状に成形して外装缶を作製し、その外装缶に正極・負極からなる発電要素を収納し、外装缶の開口部に封口板を装着して封口することによって作製される。この封口プロセスでは、外装缶と封口板とを、圧着あるいは溶接によって封止する。
【0004】
この封止で、外装缶の中が高圧となったときに電解液やガスが漏出するのが防止されるが、封止の出来によって電池の信頼性や寿命は大きく左右される。
一般的に、電池の封口プロセスでは、機械式かしめ法が広く用いられているが、角形密閉式電池においては、かしめ法による封口が困難なことも多く、レーザ溶接による封口も多く用いられている。
【0005】
レーザ溶接時には、封口板の外周部と外装缶の開口縁部との境界線に沿って、レーザ光を間欠的に照射しながら一定の速度で走査することによって溶接を行う。そして、このようなレーザ溶接を用いた封口技術によって、角形電池の完全密封を実現でき、電池の高信頼性・長寿命化も実現可能となっているため、レーザ封口は、角形密閉式電池の高品質を実現する中核技術の一つとして位置付けられている。
【0006】
ところで、外装缶及び封口板としては、従来から、ニッケルメッキ鋼板やステンレス鋼板などが多く用いられてきたが、電池を軽量化するために、現在では、アルミニウムにマンガンなどを添加したアルミニウム合金の板も多く用いられるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルミニウム合金の板を外装缶及び封口板に用いた場合、上記のようにレーザ溶接で封口を行うと、溶接部分にクラックが発生しやすいという問題がある。
このクラックは、通常、レーザ光のスポットが走査される溶接ラインに沿って発生するが、クラック発生のメカニズムとしては、レーザ光を照射して溶融した部分(溶融池)が、冷却時にその近傍で発生する熱応力によって引っ張られてクラックが発生するものと考えられる。
【0008】
また、アルミニウム合金の板を用いた場合にクラックが発生しやすい原因としては、アルミニウム合金は、鉄やステンレスと比べて引っ張り強度が低いことや、熱伝導率が大きいため溶接部分が急速に冷却されることなどが挙げられる。
このような問題に対して、レーザ光の走査速度を小さく設定すればクラックの発生率が低下するため、現状では、クラックの発生率をできるだけ低く抑えるために、レーザ光の走査速度を小さく設定してレーザ溶接を行っているが、レーザ光の走査速度を小さくすると封口に要する時間が長くかかるので、生産効率の面で望ましくない。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであって、角形密閉式電池をはじめとする密閉式電池において、外装缶や封口板にアルミ合金のような材質を用いた場合にも、レーザ溶接に伴うクラックの発生を極力抑えつつ、レーザ溶接時の生産性をできるだけ高く保つことの可能な製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、金属性の板体を、開口部が非真円形状の有底筒形状(角形電池の場合は有底角筒状)に成形することによって、外装缶を作製し、その外装缶に発電要素を収納し、外装缶の開口部に封口板を装着し、封口板の外周部と外装缶の開口縁部とを、両者の境界線に沿ってレーザ光を間欠的に照射しながら走査することによって溶接し、密封する方法において、密封時に、外装缶の開口縁部での曲折度の大きい区間(角形電池の場合は角部)では、曲折度の小さい区間(角形電池の場合は直線部)よりも、レーザ光の照射密度を高く設定した。
【0011】
ここで、「金属性の板体」は、鉄などの金属あるいはアルミニウム合金のような合金からなる板体を指す。
本発明者等は、レーザ溶接時におけるクラックは、外装缶の開口縁部での曲折度の大きい区間(角部)で発生しやすいことと、レーザ光の照射密度を高くすればクラックの発生を防止できることに着目することによって、上記の製造方法によれば、レーザ溶接に伴うクラックの発生を抑えつつ、従来よりレーザ光の走査速度を高くすることができることを見出した。
【0012】
即ち、上記の製造方法によれば、曲折度の大きい区間(角部)では、比較的クラックが発生しやすいので、レーザ光の照射密度を高くすることによってクラックの発生を防止できる。ただし、この区間では、レーザ光の照射密度を高く設定する分、走査速度は遅くなる。
一方、曲折度の小さい区間(直線部)では、クラックが発生しにくいので、レーザ光の照射密度を低くしても、クラックの発生は防止できる。そして、この区間では、レーザ光の照射密度を低く設定する分、走査速度を速くできる。
【0013】
従って、上記の製造方法によれば、従来のように一定の走査速度、即ち一定の照射密度でレーザ光の照射を行う場合と比べて、レーザ光の平均の走査速度を高くすることができることになる。
レーザ溶接時には、通常、上記の境界線に沿って、レーザ光の照射によるスポットをオーバーラップさせつつ走査するので、曲折度の大きい区間において曲折度の小さい区間よりもレーザ光の照射密度を高くするためには、曲折度の大きい区間におけるスポットのオーバーラップ率を、曲折度の小さい区間におけるスポットのオーバーラップ率よりも高くすればよい。
【0014】
そして、このようにスポットのオーバーラップ率を調整するためには、曲折度の大きい区間における走査速度を、曲折度の小さい区間における走査速度よりも小さくすればよい。
角形密閉式電池の場合は、角部におけるスポットのオーバーラップ率を、直線部におけるオーバーラップ率の1.5倍以上とすることが望ましい。
【0015】
ここでいうスポットの「オーバーラップ率」とは、スポット径をRとし、直前に照射したスポットとの中心間の距離(即ちスポットのピッチ)をLとすると、下記数1で表される値である。
【0016】
【数1】
Figure 0003568378
【0017】
外装缶及び封口板がアルミニウム合金からなる密閉式電池の場合には、特に溶接時にクラックが発生しやすいので、本発明の製造方法を適用することにより、大きな効果を奏する。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔電池の構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る角形密閉式電池の斜視図であり、図2は、この角形密閉式電池の上面図である。
この角形密閉式電池は、リチウムイオン二次電池であって、有底角筒形の外装缶10の内部に、負極板21と正極板22とがセパレータ23を介して積層されてなる電極群20並びに非水電解液が収納され、外装缶10の開口部を封口体30で封口した構造である。
【0019】
外装缶10は、Al−Mn系合金の板が有底角筒形に成形されたものである。このAl−Mn系合金は、アルミニウムを主成分としているため軽量であり、またマンガンが添加されていることにより、アルミニウム単体と比べて引っ張り強度が大きい。なお、マンガンの含有量は1.0〜1.5wt%程度が適当であって、マンガンの含有量が多すぎると外装缶成形時の加工性や溶接性が低下する。
【0020】
図1に示すように、封口体30は、外装缶10の開口部に填まり込むよう成形された封口板31の中央部に、釘状の負極端子32が、絶縁パッキン33を介して貫通して取り付けられた構成である。
封口板31は、外装缶10と同じAl−Mn系合金の板が、外装缶10の開口部と同じ長方形状に打ち抜かれたものである。
【0021】
外装缶10や封口板31の厚さは、必要な強度を維持できる範囲内で、できるだけ薄く設定し、通常は500μm程度に設定する。
負極端子32の下部(電池の内側)には、集電板34が装着され、また、負端子32の上部(電池の外側)には、ワッシャ35が装着されている。そして、これらの負極端子32,集電板34及びワッシャ35は、絶縁パッキン33によって封口板31と絶縁された状態で、カシメ圧着されて封口板31に固定されている。
【0022】
電極群20の負極板21は、カーボン層状化合物(グラファイト粉末)が板状の芯体に塗着されたものであって、セパレータ23によって包みこまれている。
そして、この負極板21の芯体と集電板34とは、リード板25で接続されている。
一方、電極群20の正極板22は、正極活物質としてのリチウム含有酸化物(例えばコバルト酸リチウム)と導電剤(例えばアセチレンブラック)とからなる正極合剤が、板状の芯体に塗着されたものであって、正極兼用の外装缶10と直接接触して電気的に接続されている。
【0023】
非水電解液は、例えば、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートからなる混合溶媒に、溶質としてのLiPFを溶解したものである。
封口板31の外周部と外装缶10の開口端部とは、レーザー溶接によって封止されている。
なお、図1では省略しているが、電極群20と封口板31との間には、絶縁性樹脂からなる絶縁スリーブ26が介挿され(図3参照)、これによって電極群20は、外装缶10内の定位置に固定されると共に、封口体30との接触が防止されるようになっている。
【0024】
〔電池の製造方法〕
次に、この角形密閉式電池の製造方法について説明する。
先ず、Al−Mn系合金の板を、深絞り加工を施すことによって、有底角筒形に成型し、外装缶10を作製する。
一方、Al−Mn系合金の板を打ち抜いて封口板31を作製し、これに、絶縁パッキン33、負極端子32及び集電板34を組み合わせて填めこみ、負極端子32の上部にワッシャ35をはめてカシメ圧着することにより、封口体30を作製する。
【0025】
また、リード板25付きの負極板21をセパレータ23で覆い、これと正極板22とを交互に積層させることによって電極群20を作製する。
このように作製した電極群20を、外装缶10の中に挿入すると共に、リード板25を絶縁スリーブ26に通し、集電板34と電気的に接続する。
そして、外装缶10の中に非水電解液を注入して電極群20に含浸させる。
【0026】
次に、絶縁スリーブ26を外装缶10の上部に装着すると共に、封口体30を外装缶10の開口部に填め込んで装着し、以下に説明するように、封口体30の外周部と外装缶10の開口縁部11とを、両者の境界線40に沿ってレーザ光を照射しながら走査することによって溶接を行う。
〔レーザ溶接による封口〕
図3は、レーザ溶接によって外装缶を封口する様子を示す図である。
【0027】
図3に示す装置において、集光レンズ51は、その光軸を、封口板31と平行な面内で、任意の方向に駆動できるようになっている。そして、この集光レンズ51にレーザ光発振装置(不図示)から光ファイバを経由してレーザ光50が導かれる。
レーザ光発振装置は、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)を用いて発光させるものであって、レーザ光50はパルス状に出力される(例えば、レーザパルス繰返数:50pps)。そして、このレーザ光50は、集光レンズ51を通過することにより、封口板31と開口縁部11との境界線40上に集光して、小さな円形状のスポット52(スポット径:数百μm)を形成する。
【0028】
このようなレーザ光の照射方式により、溶接する部分の周囲にある部材(絶縁スリーブ26など)に熱的損傷を与えることなしに、スポット52の部分を局所的に溶融させることができる。
レーザ光50が照射されたスポット52の部分では、封口板31と外装缶10の開口縁部11とが溶融して溶融池が生じるが、その溶融池は短時間で凝固する。図3において、60は、この溶融池が凝固した溶接部分である。
【0029】
なお、レーザ光50のスポット52の周囲には、不活性ガス(窒素ガス)が噴射されるようになっており、これによって溶接部分の酸化は防止される。
レーザ光発振装置におけるレーザ光の繰返数並びに集光レンズ51の走査の速度は、レーザ光50のスポット52が、直前に照射したスポット52aと適度にオーバーラップするよう調整する。このオーバーラップ率の調整は、集光レンズ51の走査速度を調整することによって行う。
【0030】
このように、間欠的に発光するレーザ光50を、集光レンズ51で境界線40上に集光して照射しながら、境界線40に沿う方向(図3の矢印Aの方向)に集光レンズ51を走査することによって、境界線40に沿って連続的に溶接部分60を形成する。
このようにして、境界線40の全周にわたって溶接を行うことにより、封止を完了する。
【0031】
ここで、溶接時における走査速度の制御、即ちスポットのオーバーラップ率の制御について考察する。
一般的に、開口縁部の曲折度が一様でない外装缶をレーザ溶接で封口する場合、次の▲1▼及び▲2▼のような関係が成り立つ。
▲1▼ 曲折度の大きい角部11aでは、曲折度の小さい直線部11bよりもクラックが発生しやすい。
【0032】
この理由は、次のように考えられる。
上記のように、金属性の板体を有底角筒状に成形して外装缶10を作製すると、作製された外装缶10において、曲折度の大きい角部11aでは、曲折度の小さい直線部11bよりも残留応力が大きい。
レーザ溶接時において、溶融池に対して加わる力としては、レーザ光照射に伴う熱応力だけではなく、この残留応力も存在するため、残留応力の大きい角部11aでは、クラックが発生しやすい。
【0033】
▲2▼ 上記数1で表されるスポット52のオーバーラップ率を大きく設定するほど、クラックは発生しにくい。
この理由は、オーバーラップ率が大きいほど、直前の照射で形成された溶融池から多くの熱が供給されるので、溶融池の冷却速度が遅くなるためと考えられる。
【0034】
ただし、レーザ光発振装置の繰返数は一定であるため、オーバーラップ率を大きくすると、走査速度は遅くなる。
従って、本実施の形態では、上記▲1▼,▲2▼の関係を考慮しながら、クラックの発生を抑えつつ境界線40の全周を走査する時間をできるだけ短縮するように、角部11a及び直線部11bの各々において、オーバーラップ率を、クラックの発生を抑えることができる範囲内で、できるだけ小さい値に設定する。
【0035】
即ち、直線部11bにおいては、オーバーラップ率が小さく(例えば40%)なるように、集光レンズ51の走査速度を大きく設定し、角部11aにおいては、オーバーラップ率が大きく(例えば60%)なるように集光レンズ51の走査速度を小さく設定する。
〔レーザ光の走査速度と熱応力との関係についての解析〕
図4は、本実施の形態の電池について、レーザ光の走査速度とスポットの中央部に生じる熱応力との関係を解析した結果を表わす特性図である。
【0036】
このように、スポットの中央部に生じる熱応力を解析するのは、レーザ溶接に伴って発生する熱応力は、スポットの中央部で一番大きく、このスポット中央部の熱応力が、クラック発生の要因と考えられるからである。
図5は、外装缶及び封口板の溶接部分の近傍をメッシュ状に分割した解析モデルである。
【0037】
図4に示すレーザ光の走査速度と熱応力との関係は、図5に示す解析モデルに対して、有限要素法を適用し、下記数2式及び数3式を解析的に解く熱応力解析シミュレーションを用いることによって導き出したものである。
有限要素法を用いるため、図7に示すように、温度勾配が大きいと考えられるレーザ光のスポット近傍では、特に細かくメッシュ分割を行った。
【0038】
【数2】
Figure 0003568378
【0039】
【数3】
Figure 0003568378
【0040】
この解析は、以下の条件に基づく。
レーザ光の波長:1.06μm
レーザ光のパワー:9.3×10
レーザ光のスポット径:450μm
パルス幅:12.0ms
レーザ光照射からの解析時間:15.0ms
封口板の融点:1800K
絶縁スリーブ26の樹脂融点:600K
なお、有限要素法については、日本機械学会編の「熱と流れのコンピュータアナリシス」,コロナ社(1986年)を参考文献として挙げることができる。
【0041】
図4の解析結果から、レーザ光の走査速度の増加に伴って、熱応力も増加することがわかる。
また、図4の特性図によれば、走査速度が15mm/s程度で、熱応力は、Al−Mn系合金の引張限界である4000N/cmに達している。従って、この解析条件の下では、直線部においても、走査速度を15mm/s程度より大きくすると、クラックの発生率がかなり大きくなることが予測される。
【0042】
【実施例】
(実施例)
上記実施の形態に基づいて、携帯電話用の薄形の角形密閉式電池を作製した。
外装缶10及び封口板31の板厚は500μmとした。
溶接時において、照射したレーザ光は、波長1.064μmのYAGレーザ光であって、パルス繰返数は50pps、スポット径は約500μmとした。
【0043】
走査速度は、直線部11bでは12.0mm/s(オーバーラップ率52%)並びに15.0mm/s(オーバーラップ率40%)に設定し、角部11aでは、10.0mm/s(オーバーラップ率60%)並びに5.0mm/s(オーバーラップ率80%)という組み合わせで実施した。
いずれの走査速度の組み合わせでも、作製した電池におけるクラックの発生率は1%未満であった。
(実験)
【0044】
【表1】
Figure 0003568378
【0045】
実施例と同様にして、封口前の電池を作製し、表1に示す走査速度で、実施例と同様の照射条件で、直線部及び角部に対してレーザ溶接を行い、各部ごとにおけるクラックの発生率を調べた。
実験結果は表1に示す通りである。
表1からわかるように、直線部では、走査速度15.0mm/s(オーバーラップ率40%)以下でクラック発生率が小さく、走査速度20.0mm/s(オーバーラップ率20%)ではクラック発生率が大きい。
【0046】
また、角部では、走査速度10.0mm/s(オーバーラップ率60%)以下でクラック発生率が小さく、走査速度12.0mm/s(オーバーラップ率52%)以上ではクラック発生率が大きい。
これより、実施例の電池では、クラック発生率を小さく抑えるために、直線部における走査速度は15.0mm/s以下に、また角部における走査速度は10.0mm/s以下に設定すべきであって、溶接の生産性も考慮すれば、直線部における走査速度を15.0mm/s、角部における走査速度を10.0mm/sに設定するのが望ましいことがわかる。
【0047】
直線部における走査速度が15.0mm/s(オーバーラップ率40%)の場合について見ると、角部における走査速度を10.0mm/s(オーバーラップ率60%)以下にするためには、角部のオーバーラップ率を直線部のオーバーラップ率の1.5倍以上としなければならないことがわかる。
(その他の事項)
なお、上記実施の形態では、リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明したが、本発明は、ニッケル−水素電池などの二次電池、あるいは一次電池においても適用可能である。
【0048】
また、上記実施の形態では、外装缶や封口板の材質として、アルミニウム合金を用いる場合について説明したが、これは、アルミニウム合金の場合、クラック発生の問題が生じやすいため本発明による効果が大きいからであって、本発明は、ステンレス等を用いる場合にも適用可能である。
また、上記実施の形態では、実用性の高い角形密閉式電池について説明を行なったが、本発明の製造方法は、角形密閉式電池に限らず、開口縁部が非真円形状の有底筒形状の外装缶を有する電池に対して広く適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、金属性の板体を、開口部が非真円形状の有底筒形状(角形電池の場合は有底角筒状)に成形することによって、外装缶を作製し、その外装缶に発電要素を収納し、外装缶の開口部に封口板を装着し、封口板の外周部と外装缶の開口縁部とを、両者の境界線に沿ってレーザ光を間欠的に照射しながら走査することによって溶接し、密封することによって、密閉式電池を製造する方法において、密封時に、外装缶の開口縁部での曲折度の大きい区間(角形電池の場合は角部)では、曲折度の小さい区間(角形電池の場合は直線部)よりも、レーザ光の照射密度を高く設定し、これによって、レーザ溶接に伴うクラックの発生を極力抑えつつ、レーザ溶接時の生産性を高く保つことができる。
【0050】
外装缶及び封口板がアルミニウム合金からなる密閉式電池の場合には、特に溶接時にクラックが発生しやすいので、本発明の製造方法を適用することにより、大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る角形密閉式電池の斜視図である。
【図2】図1の角形密閉式電池の上面図である。
【図3】レーザ溶接によって外装缶を封口する様子を示す図である。
【図4】上記電池について、レーザ光の走査速度と熱応力との関係を解析した結果を表わす特性図である。
【図5】外装缶及び封口板の溶接部分の近傍をメッシュ状に分割した解析モデルである。
【符号の説明】
10 外装缶
11 開口縁部
11a 角部
11b 直線部
20 電極群
26 絶縁スリーブ
30 封口体
31 封口板
34 集電板
40 境界線
50 レーザ光
51 集光レンズ

Claims (6)

  1. 金属性の板体を、開口縁部に第1の区間と当該第1の区間より曲折度が大きい第2の区間とを有する有底筒形状に成形することによって、外装缶を作製する外装缶作製ステップと、
    前記外装缶に、発電要素を収納する収納ステップと、
    前記外装缶の開口部に封口板を装着し、封口板の外周部と外装缶の開口縁部とを、両者の境界線に沿ってレーザ光を間欠的に照射しながら走査することによって溶接し、密封する密封ステップとからなる密閉式電池の製造方法であって、
    前記密封ステップにおいて、
    前記第2の区間では、前記第1の区間よりも、レーザ光の照射密度を高くすることを特徴とする密閉式電池の製造方法。
  2. 前記密封ステップでは、
    前記境界線に沿って、レーザ光の照射によるスポットをオーバーラップさせつつ走査しながら溶接し、且つ、前記第2の区間におけるスポットのオーバーラップ率を、前記第1の区間におけるスポットのオーバーラップ率よりも高くすることを特徴とする請求項1記載の密閉式電池の製造方法。
  3. 前記密封ステップにおいて、
    前記第2の区間では、前記第1の区間よりも、レーザ光の走査速度を小さくすることを特徴とする請求項2記載の密閉式電池の製造方法。
  4. 金属性の板体を有底角筒形状に成形することによって外装缶を作製する外装缶作製ステップと、
    前記外装缶に、発電要素を収納する収納ステップと、
    前記外装缶の開口部に封口板を装着し、封口板の外周部と外装缶の開口縁端部とを、両者の境界線に沿ってレーザ光を間欠的に照射しながら走査することによって溶接し、密封する密封ステップとからなる密閉式電池の製造方法であって、
    前記密封ステップにおいて、
    開口縁部の角部では、開口縁部の直線部よりも、レーザ光の照射密度を高くすることを特徴とする密閉式電池の製造方法。
  5. 前記密封ステップにおいて、
    前記角部におけるスポットのオーバーラップ率が、前記直線部におけるオーバーラップ率の1.5倍以上であることを特徴とする請求項4記載の密閉式電池の製造方法。
  6. 前記外装缶及び封口板は、
    アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の密閉式電池の製造方法。
JP30618297A 1997-11-07 1997-11-07 密閉式電池の製造方法 Expired - Fee Related JP3568378B2 (ja)

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