JP3567745B2 - 撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、商品などの被写体を撮影する撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スーパーマーケットでは、商品を単独で撮影して広告に掲載することにより、商品の宣伝を行っている。このような被写体である商品の撮影は、専門のカメラマンが特殊なスタジオで撮影しているが、撮影コストが高くなるため、店員が簡単に商品を撮影できるようにすることが要望されている。これに応えるために、従来では、商品などの品物を撮影する撮影装置が検討され、開発されている。
この種の撮影装置は、例えば、撮影ボックス内に商品を配置して照明装置により照明し、この状態で三脚によりカメラを固定し、このカメラで撮影ボックスの外部から撮影ボックス内の商品を撮影するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような撮影装置では、カメラを三脚で固定する構成であるから、撮影ボックスとカメラとをそれぞれ別々に設置しなければならず、しかも商品を撮影する際、その撮影方向、例えば商品の正面を撮影する方向、あるいは商品を斜め上方から撮影する方向などに応じて、その都度、カメラを三脚と共に移動させて設置し直さなければならないため、カメラの設置作業が煩雑で面倒であるという問題があった。
【0004】
この発明の課題は、商品などの被写体に対するカメラの設置作業が簡単で容易にできるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の手段は次の通りである。
撮影ボックス内に被写体を配置し、この被写体を前記撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮影装置において、
前記撮影ボックスに上下方向に回動可能に取り付けられた撮影フードと、
前記撮影フードを前記被写体に対して移動させる移動手段と、
前記撮影フードに前記カメラを取り付け、前記カメラを前記被写体に対して傾けるチルト機構と、
前記撮影フードを上下方向に回動させる前記移動手段と、前記カメラを傾ける前記チルト機構とをそれぞれ別々に制御する制御手段とを備えるものである。
従って、この発明では、上下方向に回動する撮影フードに、カメラを被写体に対して傾けるチルト機構を設けたことで、撮影フードとカメラとを別々に動かすことができ、これにより、例えば被写体の正面の撮影だけでなく、被写体の斜め上方から撮影など、撮影方向に応じて速やかにカメラを被写体に向けることができ、きわめて良好に撮影をすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図20を参照して、この発明の撮影装置の一実施形態について説明する。
図1は撮影装置のシステム全体を示した斜視図、図2はその撮影装置の断面図、図3は図1の撮影装置を左側から見た斜視図である。
これらの図に示された撮影装置は、撮影ボックス1を備えている。この撮影ボックス1は、その内部に被写体である商品2が配置されるものであり、ほぼ箱形状に構成されている。この撮影ボックス1の正面(図1および図2では左側面)1aは開放されており、この正面1a側における両側面1b、1cには、カメラフード(撮影フード)3が前方(同図では左側)に突出した状態で回動軸4、5により上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0010】
カメラフード3は、先端側(図1および図2では左端側)に向かうに従って細くなるほぼ四角錐形状に形成されており、その先端部にはカメラ6を搭載するカメラ搭載部7が設けられている。このカメラフード3は、図2に示すように、撮影ボックス1の正面1a側における両側の外面に回動軸4、5がそれぞれ一体的に取り付けられ、この回動軸4、5が撮影ボックス1の両側面1b、1cに同一軸上で回転自在に取り付けられている。この場合、撮影ボックス1の正面1aの上下部には、それぞれカメラフード3の上下部が当接しないように、所定の隙間8a、8bが設けられている。この上下の隙間8a、8bのうち、下部の隙間8bに対応するカメラフード3の下部には、図2に示すように、シート部材9が撮影ボックス1内に延びて垂れ下がった状態で取り付けられている。
【0011】
そして、撮影ボックス1の一方の側面(図1では手前側の側面)1bには、フード駆動部10が設けられており、他方の側面(図1では後側の側面)1cには、図3に示すように、ベルトダンパ機構11が設けられている。
フード駆動部10は、カメラフード3を上下方向に回動動作させるためのものであり、図1に示すように、撮影ボックス1の側面1bに設けられた駆動カバー12を備えている。この駆動カバー12内における撮影ボックス1の側面1bには、図4に示すように、ベース板13が取り付けられており、このベース板13には、スペーサ14を介して受け板15が所定間隔離れて取り付けられている。そして、ベース板13の所定個所には、減速機構付きモータユニット16が取り付けられており、またベース板13および受け板15には、カメラフード3に取り付けられて撮影ボックス1の側面1bを挿通した一方の回動軸4が各軸受4aにより回転自在に取り付けられている。
【0012】
減速機構付きモータユニット16は、図5に示すように、ベース板13に取り付けられるギヤケース17を備えている。このギヤケース17の外面には、フード駆動用のモータ18が取り付けられており、ギヤケース17の内部には、複数の歯車からなる減速歯車列19が設けられている。この減速歯車列19の出力軸20は、ギヤケース17からモータ18と同じ外部に向けて突出しており、この出力軸20の外部に突出した部分には、小径の駆動歯車21が取り付けられている。この減速機構付きモータユニット16では、モータ18の回転を減速歯車列19によって減速して出力軸20に伝達し、これにより駆動歯車21を減速回転させている。
【0013】
この減速機構付きモータユニット16の駆動歯車21には、回動軸4に取り付けられた大径の従動歯車22が噛み合っている。この従動歯車22は、回動軸4に一体的に取り付けられ、駆動歯車21の回転に応じて回動軸4と共に回転することにより、カメラフード3を回動軸4、5を中心に上下方向に回動させるように構成されている。また、駆動歯車21の出力軸20の先端には、受け板15に取り付けられた角度センサ23の検出軸23aが軸継手24により連結されている。この角度センサ23は、出力軸20の回転数を検出し、この検出データを後述する制御手段であるCPU110に与えて演算処理することにより、カメラフード3の回動角度を算出するように構成されている。
なお、駆動カバー12の上部には、図1に示すように、カメラフード3の回動動作中に、減速機構付きモータユニット16のモータ18を緊急停止させる非常停止釦(非常停止操作部)25が外部に露出して設けられている。
【0014】
一方、ベルトダンパ機構11は、図3に示すように、カメラフード3に取り付けられた他方の回動軸5の先端に取り付けられた回動アーム26と、この回動アーム26の先端部26aに取り付けられたばねベルト27を巻き取る巻取リール28とを備えている。この場合、カメラフード3に取り付けられた他方の回動軸5は、図3および図6(a)に示すように、撮影ボックス1の左側の側面1cに軸受5aを介して回動自在に取り付けられ、その先端が側面1cから突出している。回動アーム26は、図6(a)に示すように、その基端部26bが回動軸5の突出した部分にビス29aにより回動軸5と直交する方向に取り付けられ、これにより図7(a)〜(c)に示すように、回動軸5を中心にカメラフード3の回動に伴って回動するように構成されている。巻取リール28は、図6(b)に示すように、ばねベルト27が巻き付けられるものであり、撮影ボックス1の側面1cの下部に取り付けられた支持軸28aに回転自在に取り付けられている。
【0015】
ばねベルト27は、金属製のベルトからなる渦巻き状のばねであり、その先端部の取付部27aが回動アーム26に取り付けられ、基端部が巻取リール28に取り付けられ、常に巻取リール28に巻き付くように弾性変形することにより、回動アーム26を図3において反時計回りに付勢してカメラフード3を上方に回動させるように構成されている。すなわち、このばねベルト27は、先端部の取付部27aに設けられた取付孔27bが回動アーム26の先端部26aが挿入した状態で、取付部27aが2つのナット29bにより所定の隙間をもって挾まれた状態で取り付けられている。この取付孔27bは、回動アーム26の回動運動に伴う円弧動作を妨げないように楕円形状に形成されている。
このベルトダンパ機構11では、ばねベルト27のばね力による回動軸5のばねトルクが、図7(a)の状態(ばねトルクWA)を基準にして、図7(b)に示すように巻取リール28から引き出された長さが長くても(ばねトルクWA1)、また図7(c)に示すように巻取リール28から引き出された長さが短くても(ばねトルクWA2)、常に一定となり(WA=WA1=WA2)、カメラフード3を駆動する減速機構付きモータユニット16のモータ18の静止トルクTとの和(WA+T)がカメラ6を搭載したカメラフード3の総重量WBと等しく(WA+T=WB)なるように設定されている。これにより、ベルトダンパ機構11は、ばねベルト27のばね力による回動軸5のばねトルクWAと、減速機構付きモータユニット16のモータ18の静止トルクTとにより、カメラフード3の重量バランスをとり、カメラフード3を任意の位置に保持する。
【0016】
また、カメラフード3の先端部のカメラ搭載部7には、図1〜図3に示すように、カメラ6がチルト機構30を介して搭載されている。
カメラ6は、被写体である商品2の画像をCCDなどの電荷結合素子(受光素子)で受光して電気信号として出力するデジタルカメラであり、図8に示すように、カメラ本体6aとレンズ部6bとからなっている。なお、カメラ本体6aの底面には、三脚固定用のねじ取付部6cが設けられいる。また、レンズ部6bは、ズーム機能、フォーカス機能、および絞り機能を有している。
チルト機構30は、カメラ6を前後方向に傾けるためのものであり、図8および図9に示すように、カメラ搭載部7内に取り付けられるチルト台31を備えている。このチルト台31は、図9に示すように、両側の外面に回動軸32がそれぞれ取り付けられ、これら回動軸32がカメラ搭載部7の両側面7a、7bにそれぞれ軸受33を介して回転自在に取り付けられ、これによりカメラ搭載部7内に浮いた状態で配設されている。
【0017】
この場合、一方の回動軸(図9では右側の回動軸)32には、大径の従動歯車34が一体的に取り付けられている。この大径の従動歯車34の下側で、かつチルト台31の下側には、連結軸35に一体的に取り付けられた小径の駆動歯車36が従動歯車34に噛み合った状態で配置されている。この連結軸35は、その一端部(同図では右端部)がカメラ搭載部7の一方の外側面7aに取り付けられたチルト台駆動用のモータ37の出力軸37aに軸継手38により取り付けられ、他端部(同図では左端部)がカメラ搭載部7の他方の外側面7bに取り付けられた角度センサ39の検出軸39aに軸継手40により取り付けられている。この連結軸35は、モータ37によって回転し、その回転を駆動歯車36に伝達して従動歯車34を回転させるように構成されている。これにより、チルト台31は、各回動軸32を中心に回動し、カメラ6のレンズ部6bが商品2に対して上下方向に傾くように、カメラ6を傾ける。なお、角度センサ39は、連結軸35の回転数を検出し、この検出データを後述するCPU110に与えて演算処理することにより、チルト台31の回動角度を算出する。
【0018】
また、チルト台31内には、図9に示すように、傾き調整板41が配置されている。この傾き調整板41は、その一側縁(同図では右側縁)に複数の突起部41aが設けられ、これら突起部41aがチルト台31の一方の側面(同図では右側面)に設けられた取付孔31aに挿入されることにより、上下方向(同図に示された矢印Z方向)に揺動可能に取り付けられている。また、この傾き調整板41は、突起部41aと反対側の下面(同図では左側の下面)がチルト台31の底部に螺着された調整ねじ42により支持され、この調整ねじ42を回すことにより、傾き調整板41が上下方向に揺動して、カメラ本体6a内の電荷結合素子がその平面内で回動するように、カメラ6の光軸回りの傾きを調整するように構成されている。
【0019】
なお、この傾き調整板41上には、図9に示すように、カメラ取付部材43が設けられている。このカメラ取付部材43は、傾き調整板41上に取り付けられた帯状の金属板44の両端部44aを上方に折り曲げ、この折り曲げられた両端部44a間に断面D字形状の支持棒45を取り付けた構成になっている。また、傾き調整板41上に載置されるカメラ6のカメラ本体6aには、図9に示すように、カメラ取付部材43に着脱可能に取り付けられ装着部材46が取り付けられている。この装着部材46は、カメラ本体6aの外面に装着するコ字状の固定金具47の直交する2面にそれぞれ着脱金具48、49が設けられ、これら2つの着脱金具48、49のうち、いずれか一方、図9では着脱金具48がカメラ取付部材43の支持棒45に取り付けられている。2つの着脱金具48、49は、それぞれ帯状の金属板の両端部を直角に折り曲げ、この折り曲げられた両端部にカメラ取付部材43の支持棒45が回動自在に挿入する取付孔50が形成されている。この取付孔50は、図10に示すように、着脱金具48、49を所定角度に傾けた状態で、支持棒45の最も肉厚の薄い部分が挿入部50aを通して支持棒45が円形部50bに回動自在に挿入されて取り付けられる。この状態では、所定角度未満の範囲内で着脱金具48、49が支持棒45から外れることはない。
【0020】
一方、撮影ボックス1内には、図1および図2に示すように、商品2を載置する昇降台51が配置されている。この昇降台51は、図11および図12に示すように、下板52と上板53との間にパンタグラフ型のリンク機構部54が設けられ、このリンク機構部54に駆動機構部55が設けられた構成になっている。リンク機構部54は、図12(a)に示すように、2本のリンク棒56を第1連結軸57により回動可能に連結して「く」字状に折り曲げ、他の2本のリンク棒58を第2連結軸59により回動可能に連結して逆「く」字状に折り曲げ、これら各リンク棒56、58を組み合わせることにより1組のリンク部60を構成し、このリンク部60を図12(b)に示すように下板52と上板53との間における両側にそれぞれ2組配置した構成になっている。
【0021】
この場合、2組のリンク部60の各リンク棒56、58のうち、逆「く」字状に折り曲げられた2本のリンク棒58の下端部は、図12(a)に示すように、下板52の上面に設けられた固定板61にピン62により回動自在に取り付けられており、2本のリンク棒58の上端部は、上板53の下面に設けられた固定板63にピン62により回動自在に取り付けられている。また、「く」字状に折り曲げられたリンク棒56の下端部は、下板52の固定板61に形成された長孔61aにピン64により回動自在でかつ移動自在に取り付けられており、2本のリンク棒56の上端部は、上板53の固定板63に形成された長孔63aにピン64により回動自在でかつ移動自在に取り付けられている。
このリンク機構部54は、第1、第2連結軸57、59が互いに接近すると、「く」字状に折り曲げられたリンク棒56の上下の各端部のピン64が固定板61、63の長孔61a、63a内をピン62に向けて移動し、リンク部60を上方に伸ばして上板53を押し上げ、逆に第1、第2連結軸57、59が互いに離間すると、リンク棒56の上下の各端部のピン64が固定板61、63の長孔61a、63a内をピン62から離れる方向に移動し、リンク部60を下方に収縮させて上板53を引き下げる。
【0022】
駆動機構部55は、図12(a)および図12(b)に示すように、リンク機構部54の2組のリンク部60間に第1、第2連結軸57、59によって支持される駆動ケース64を備えている。この駆動ケース64の左端部には、図13(a)に示すように、リンク駆動用のモータ65が取り付けられており、このモータ65の出力軸65aには、ねじ軸66が軸継手67により連結されている。このねじ軸66には、図13(a)および図13(b)に示すように、第1連結軸57の中間部に形成されたねじ孔57aに螺合する第1ねじ部66aと、第2連結軸59の中間部に形成されたねじ孔59aに螺合する第2ねじ部66bとが形成されている。これら第1、第2ねじ部66a、66bは、それぞれ逆向きのねじ溝が形成されている。例えば、第1ねじ部66aは左ねじに形成され、第2ねじ部66bは右ねじに形成されている。これにより、ねじ軸66は、モータ65が正回転すると、その正回転に伴って第1、第2連結軸57、59を互いに近づける方向に移動させ、またモータ65が逆回転すると、その逆回転に伴って第1、第2連結軸57、59を互いに遠ざける方向に移動させる。なお、駆動ケース64の両側面には、第1、第2連結軸57、59が移動可能に挿通する長孔64aが設けられている。
【0023】
この昇降台51には、図2および図11に示すように、背景紙(シート部材)68を保持する保持部材69が取り付けられている。この保持部材69は、昇降台51の上板53の下面に2本のL字状の取付アーム70が前後方向(図11に矢印で示す方向)にスライド可能に取り付けられ、この2本の取付アーム70が昇降台51の後方において上方に延出され、その上端部に保持アーム71が水平方向に設けられ、この保持アーム71の両側に背景紙68を挾んで保持するクリップ72が設けられた構成になっている。クリップ72は、図14に示すように、保持アーム71の上端における背面に取り付けられて保持アーム71を弾力的に挾み付ける板ばね部72aと、この板ばね部72aの前面側における下端部に取り付けられて上方に延びた操作部72bとからなっている。この保持部材69は、操作部72bの上部を図14に矢印で示す後方に向けて押圧することにより、板ばね部72aの前側を保持アーム71の前面から離間させ、この離間した間に背景紙68の上端を挿入して操作部72bから外力を取り除くと、板ばね部72aのばね力で背景紙68の上端部を保持アーム71に挾み付けて背景紙68を保持する。背景紙68は、その上端部がクリップ72により保持アーム71に取り付けられ、この状態で昇降台51上を覆って昇降台51の前側に垂れ下がり、これにより昇降台51および保持部材69を覆い隠す。なお、この背景紙68は、商品2に応じて色や柄の異なるものが複数用意されている。
【0024】
また、撮影ボックス1の正面1a側における上面1dには、図2示すように、開口部74が設けられ、この開口部74に対応して照明装置75が開閉可能に取り付けられている。この照明装置75は、背景紙68を介して昇降台51上に配置された商品2を正面側上方より照明するためのものであり、開口部74を開閉自在に塞ぐ照明蓋76と、この照明蓋76の内面に設けられた照明取付板77とを備えている。照明蓋76は、撮影ボックス1の正面1a側の上面1dにヒンジ部78により回動自在でかつ着脱可能に取り付けられている。すなわち、このヒンジ部78は、前述したカメラ6を傾き調整板41に着脱可能に取り付けるための図10に示されたカメラ取付部材43と装着部材46とを有する構造とほぼ同じ構造で、照明蓋76を図2に点線で示すように撮影ボックス1の正面1a側に向けてほぼ180度開いたときに照明蓋76が取り外せるように構成されている。照明取付板77は、照明蓋76を閉じた状態で、その内面に正面1a側に向けて傾斜した状態で照明蓋76に設けられ、商品2に対向する面に複数のソケット77aが設けられ、この複数のソケット77aにそれぞれ電球79が取り付けられた構成になっている。この電球79は、その発光部としてインバータ付きの蛍光管が使用されている。
【0025】
撮影ボックス1の背面1e側における上面1dは、背面1e側に傾斜して開放されており、この傾斜して開放された部分には、鏡部材80が上下方向に回動可能に取り付けられている。この鏡部材80は、撮影ボックス1の上面1dの開放された部分を開閉自在に塞ぐ支持板81と、この支持板81の内面に設けられた鏡82とからなり、この鏡82が昇降台51上に配置された商品2の上面側の画像をカメラ6に向けて反射するように構成されている。支持板81は、撮影ボックス1の背面1e側における上面1dに設けられたヒンジ部83により回動自在でかつ着脱可能に取り付けられている。この場合にも、ヒンジ部83は、前述したカメラ6を傾き調整板41に着脱可能に取り付けるためのカメラ取付部材43と装着部材46とを有する構造とほぼ同じ構造で、支持板81を図2に点線で示すように背面1e側にほぼ180度開いたときに取り外せるように構成されている。
【0026】
また、撮影ボックス1の上面1dにおける鏡部材80と背面1eとの間には、外部光を撮影ボックス1内に取り込んで商品2の背面側を照明するための開口部84が設けられている。この開口部84は、外部光を取り込む以外に、昇降台51に取り付けられた保持部材69の保持アーム71の上部を撮影ボックス1の上方に出没可能に突出させる役目も兼ねている。
この撮影ボックス1の背面1eは、図15に示すように、開放されており、この背面1eの上下部には、ガイドレール85、86が設けられている。この上下のガイドレール85、86には、撮影ボックス1の背面1eを開閉自在に塞ぐ背面板87がスライド自在に装着される。このガイドレール85、86のうち、上部のガイドレール85には、背景紙68を着脱可能に保持するクリップ(保持部材)88が設けられている。このクリップ88も、前述した保持部材69のクリップ72と同じ構造になっている。このクリップ88は、撮影ボックス1内から昇降台51を取り出した状態で、背景紙68を保持することにより、この背景紙68で撮影ボックス1内の背面1eから底面1fまでを覆い隠すときに使用する。
【0027】
さらに、撮影ボックス1の背面1e側における手前側の側面1bには、図1および図16に示すように、商品2を撮影ボックス1内に出し入れするための開口部90が設けられている。この開口部90には、開閉蓋91が蝶番92(図15参照)により横方向に開閉可能に取り付けられている。この開口部90の下縁部と背面1e側の側縁部には、商品2を位置合わせするための位置合わせマーク94、95が設けられており、開閉蓋91と反対側の撮影ボックス1の側面1cの内面にも、位置合わせマーク96が開口部90の縁部の位置合わせマーク94、95と対応して設けられている。この場合、開口部90の下縁部に設けられた位置合わせマーク94は、商品2のカメラ6からの距離を位置合わせする。開口部90の背面1e側の側縁部に設けられた位置合わせマーク95は、商品2の高さを位置合わせする。撮影ボックス1の側面1cに設けられた位置合わせマーク96は、商品2のカメラ6からの距離および高さを位置合わせする。
【0028】
なお、この撮影ボックス1の手前側の側面1bの外面には、図1に示すように、駆動制御ボックス97が設けられている。また、撮影ボックス1の外部には、図1に示すように、制御装置100が配置されている。この制御装置100には、その上面に配置されたCRTなどの表示装置101が電気的に接続されているとともに、駆動制御ボックス97、カメラ6、および照明装置75が接続コード102により電気的に接続されているほか、キーボード103やハンドスキャナ104も接続コード102により電気的に接続されている。さらに、駆動制御ボックス97は、フード駆動部10、チルト機構30、昇降台51と接続コード105(一部のみ示す)により電気的に接続されている。
【0029】
次に、図17を参照して、この撮影装置の回路構成について説明する。
CPU110は、RAM111内にロードされている各種プログラムに従って撮影装置のシステム全体の動作を制御する中央演算処理装置である。記憶装置112は、オペレーティングシステムや撮影ソフトなどの各種の制御プログラム、撮影画像などのデータファイル、撮影条件などのデーブルファイルなどが予め格納さている記憶媒体やその駆動系を有している。この記憶媒体は、固定的に設けたもの、あるいは着脱自在に装着可能なものであり、ハードディスク、フロッピディスク、光ディスク、RAMカードなどの磁気的・光学的記録媒体、半導体メモリなどによって構成されている。また、記録媒体内のプログラムやデータは、必要に応じてCPU110の制御により、RAM111にロードされる。さらに、CPU110は、通信回線などを介して他の機器側から送信されて来たプログラムやデータを受信して記録媒体に格納したり、他の機器側に設けられている記録媒体に格納されているプログラムやデータを通信回線などを介して使用することもできる。
【0030】
また、CPU110には、その入出力周辺デバイスである入力部113、表示部114が接続されているほか、CPU110側のインターフェイス115および撮影ボックス1側のインターフェイス116を介して撮影ボックス1の制御駆動部117、照明部118、非常停止スイッチ119が接続されているとともに、インターフェイス120を介してカメラ部121が接続されており、CPU110は入出力プログラムに従ってそれらの動作を制御する。
入力部113は、キーボード103やハンドスキャナ104を有しており、キーボード103は商品データや各種コマンドを入力し、ハンドスキャナ104はバーコードなどの商品データを入力する。これら入力された商品データは表示部114の表示画面に表示出力されたり、RAM111内の商品ファイルに格納されたりする。表示部114は、この実施形態ではCRT表示装置101が示されているが、カラー表示が可能な液晶表示装置やプラズマ表示装置などの平面ディスプレイなどでも良い。撮影ボックス1の制御駆動部117は、フード駆動部10、チルト機構30、昇降台51、カメラ6のレンズ部6bなどの各種の駆動部をCPU110からの動作指令に基づいて制御駆動する。カメラ部121は、カメラ本体6a内の電荷結合素子からの撮影データをCPU110に出力し、CPU110はその撮影データに基づいて画像データを作成して記憶装置112やRAM111に格納する。
【0031】
次に、このような撮影装置で商品2を撮影する場合について説明する。
まず、撮影ボックス1内に昇降台51を配置する。このときには、撮影ボックス1の背面1eに配置された背面板87をガイドレール85、86に沿ってスライドさせて取り外し、この背面1e側から昇降台51を撮影ボックス1内に挿入し、昇降台51に設けられた保持部材69の保持アーム71が撮影ボックス1の上面1dの開口部84から外部上方に突出可能な状態に配置する。そして、保持部材69の保持アーム71に設けられたクリップ72で背景紙68の上端部を保持し、この背景紙68で昇降台51および保持部材69を覆い隠す。このとき、保持部材69の取付アーム70が昇降台51の上板53の下面に前後方向にスライド可能に設けられているので、昇降台51の設置位置や商品2のサイズに応じて取付アーム70をスライドさせることにより、背景紙68を最適な位置に配置することができる。この状態で、撮影ボックス1の手前側の側面1bに設けられた開閉蓋91を開き、ここから商品2を昇降台51上に背景紙68を介して配置する。このときには、開閉蓋91の開口部90の縁部に設けられた位置合わせマーク94、95および撮影ボックス1内の側面1cに設けられた位置合わせマーク96により、商品2を位置合わせして配置する。なお、この後は、開閉蓋91を閉めるとともに、撮影ボックス1の背面1eに背面板87を取り付ける。
【0032】
この状態で、撮影を開始するときには、まず、照明装置75の照明蓋76を閉じて照明取付板77に取り付けられた複数の電球79を点灯させ、商品2を正面側上方より照明する。そして、ハンドスキャナ104で商品2の商品コードを読み取り、読み取った商品コードをRAM111に記憶した後、キーボード103で商品2の撮影方向を指定する。この撮影方向には、図18〜図20に示すように、正面、上面、および斜め上方の3方向の撮影があり、以下これらを順に説明する。なお、商品2には、大きさや形状の異なる品物が多数あるが、ここでは、図18〜図20に示す卵、小瓶、大瓶などを撮影する場合について説明する。
まず、図18に示すように、大きさの小さい品物である卵を商品2として用い、この商品2の正面を撮影する場合には、カメラフード3を上下方向に回動させるとともにチルト台31を上下方向に回動させ、これによりカメラ6を商品2の正面に向ける。これと同時に昇降台51を駆動して商品2の高さをも調整する。このときには、カメラフード3を駆動するフード駆動部10、チルト台31を駆動するチルト機構30、および昇降台51を駆動する駆動機構部55をCPU110で同時に制御するのであるが、ここでは、フード駆動部10から順に説明する。
【0033】
フード駆動部10では、CPU110からの動作指令に基づいて制御駆動部117により減速機構付きモータユニット16のモータ18が駆動されると、図4および図5に示すように、モータ18が回転し、この回転がギヤケース17内の減速歯車列19を介してその出力軸20に設けられた駆動歯車21に伝達され、この駆動歯車21によって従動歯車22がカメラフード3に取り付けられた回動軸4と共に回転する。これにより、カメラフード3が回動軸4、5を中心に図2において反時計回りに回動し、図18に示すように、カメラ6を下方に移動させる。このときには、モータユニット16の出力軸20の回転が軸継手24を介して角度センサ23に伝達され、この角度センサ23で出力軸20の回転数が検出され、この検出信号に基づいてカメラフード3が所定角度だけ回動して停止される。このようにカメラフード3が所定角度で停止した状態では、モータ18の静止トルクTとベルトダンパ機構11のばねトルクWAとによりカメラフード3が所定位置に保持される。なお、カメラフード3の回動動作中に、非常停止釦25が操作されると、減速機構付きモータユニット16のモータ18が緊急停止される。
【0034】
チルト台30では、CPU110からの動作指令に基づいて制御駆動部117によりチルト機構30のモータ37が駆動されると、図9に示すように、モータ37が回転し、この回転が連結軸35を介して駆動歯車36に伝達され、この駆動歯車36によって従動歯車34がチルト台31に取り付けられた回動軸32と共に回転する。これにより、チルト台31が両側の回動軸32を中心に回動し、図18に示すように、カメラ6をほぼ水平な状態にする。このときにも、モータ37の出力軸37aに連結された連結軸35の回転が角度センサ39に伝達され、この角度センサ39で連結軸35の回転数が検出され、この検出信号に基づいてチルト台31が所定角度だけ回動してほぼ水平な状態に停止される。このとき、商品2の正面の画像が表示装置101の表示画面に傾いて表示されている場合には、チルト台31に取り付けられた調整ねじ42を回して傾き調整板41を上下方向に揺動させることにより、カメラ6の光軸回りの傾きを調整すれば良い。なお、この傾き調整は、一度行うだけで良い。
【0035】
昇降台51では、CPU110からの動作指令に基づいて制御駆動部117により駆動機構部55のモータ65が駆動される。このときには、商品2の大きさが小さい卵であるため、図13(a)および図13(b)に示すように、モータ65が正回転し、この正回転によりねじ軸66が回転してリンク機構部54の第1、第2連結軸57、59を互いに接近する方向に移動させる。すると、図12(a)に示すように、第1、第2連結軸57、59の接近移動に伴って、リンク棒56、58のうち、「く」字状に折り曲げられたリンク棒56の上下端部に設けられたピン64が上下の各固定板61、63の長孔61a、63a内を移動して、各リンク部60を上方に伸ばして上板53を押し上げる。これにより、図18に示すように、卵のように大きさの小さい商品2が上板53によって押し上げられて、商品2の中心位置が所定高さにセットされる。
このようにして、カメラフード3およびチルト台31が回動してカメラ6が商品2の正面を向くとともに、昇降台51が上方に伸びて商品2が所定高さにセットされると、カメラ6が商品2の正面のほぼ中心に向いて位置し、これにより商品2の正面の撮影ができる。そして、カメラ6で撮影された画像は、CPU110に取り込まれた後、表示装置101に表示されるとともに、RAM111内の商品ファイルに記憶される。これにより、商品2の正面の撮影が終了する。
【0036】
また、図19に示すように、小瓶などの物品を商品2として用い、この商品2の上面を撮影する場合には、上記と同様、カメラフード3を上下方向に回動させるとともにチルト台31を上下方向に回動させ、これによりカメラ6を鏡部材80の鏡82に向け、鏡82に写った商品2の上面画像をカメラ6で撮影する。これと同時に昇降台51を駆動して商品2の高さをも調整する。このときにも、前回の正面の撮影と同様、カメラフード3を駆動するフード駆動部10、チルト台31を駆動するチルト機構30、および昇降台51を駆動する駆動機構部55をCPU110で同時に制御し、図19に示すように、フード駆動部10によりカメラフード3を回動させてほぼ水平に保持し、チルト機構30によりカメラ6を上方に回動させて鏡82に向け、駆動機構部55により昇降台51のリンク部60を収縮させて上板53を引き下げて商品2の中心位置を所定高さにセットする。
このようにして、カメラフード3およびチルト台31が回動してカメラ6が鏡82に向くとともに、昇降台51が収縮して商品2が所定高さにセットされると、カメラ6が鏡82に写った商品2の上面画像の撮影をすることができる。このときには、カメラ6で撮影された画像は、CPU110に取り込まれて左右反転され、この反転された画像が表示装置101に表示されるとともに、RAM111内の商品ファイルに記憶される。これにより、商品2の上面の撮影が終了する。
【0037】
また、図20に示すように、大瓶などの物品を商品2として用い、この商品2を斜め上方から撮影する場合には、上記と同様、カメラフード3を上下方向に回動させるとともにチルト台31を上下方向に回動させ、これによりカメラ6を斜め上方から商品2に向ける。これと同時に昇降台51を駆動して商品2の高さをも調整する。このときにも、上記の撮影と同様、カメラフード3を駆動するフード駆動部10、チルト台31を駆動するチルト機構30、および昇降台51を駆動する駆動機構部55をCPU110で同時に制御し、図20に示すように、フード駆動部10によりカメラフード3を同図において時計回りに回動させてカメラ6を上方に移動させ、チルト機構30によりカメラ6を回動させて斜め上方から商品2に向け、駆動機構部55により昇降台51のリンク部60を収縮させて上板53を引き下げて商品2の中心位置を所定高さにセットする。
このようにして、カメラフード3およびチルト台31が回動してカメラ6が斜め上方から商品2に向くとともに、昇降台51が収縮して商品2の設置高さがセットされると、カメラ6が商品2を斜め上方から撮影することができる。このときにも、カメラ6で撮影された画像は、正面の撮影のときと同様、CPU110に取り込まれて表示装置101に表示されるとともに、RAM111内の商品ファイルに記憶される。これにより、商品2の斜め上方からの撮影が終了する。
【0038】
このように、この撮影装置では、商品2が卵、小瓶、大瓶などのように、大きさや形状が異なっていても、カメラフード3、カメラ6、昇降台51を適宜動かすことにより、正面、上面、および斜め上方の3方向の撮影方向に応じてカメラ6を自動的に商品2に対する所定位置に設置することができ、このため商品2の撮影方向が変わる度に、従来のように三脚と共にカメラ6を移動させる必要がなく、商品2に対するカメラ6の設置作業が簡単で素人でも容易にでき、良好に撮影をすることができる。この場合、商品2を撮影ボックス1内の昇降台51上に配置するときには、開閉蓋91に対応する開口部90の縁部に設けられた位置合わせマーク94、95および撮影ボックス1内の側面1cに設けられた位置合わせマーク96により、商品2を位置合わせすることができるので、商品2の配置作業が簡単にできる。さらに、カメラフード3の回動動作中に、非常停止釦25が操作されると、減速機構付きモータユニット16のモータ18が緊急停止されるので、安全性に優れている。
【0039】
また、この撮影装置では、撮影ボックス1に取り付けられたカメラフード3のカメラ搭載部7にカメラ6を設けているので、撮影ボックス1を設置することにより、これと同時にカメラ6をも設置することができるとともに、カメラフード3により撮影時にカメラ6が外部光の影響を受けることがなく、良好に商品2を撮影することができる。
このことを図21および図22を参照して詳細に説明する。まず、図21(a)に示すように、カメラフード3を用いない場合には、照明装置75の電球79によって照明された撮影ボックス1内の明るさと、この撮影ボックス1内の商品2から撮影ボックス1の外部に配置されたカメラ6までの間の明るさとが異なり、これらの間に照度差が生じる。すなわち、図21(b)に示すように、撮影ボックス1内は明るいが、撮影ボックス1の外部は明るさが極端に暗くなり、図21(a)に示すように、商品2の中心からカメラ6側に向かって見た場合の照度の暗い部分が角度θだけ存在する。このため、図21(c)に示すように、商品2の正面側に角度θ分の陰影(同図に斜線で示す部分)が生じることになる。しかし、図22(a)および図22(b)に示すように、カメラフード3を用いた場合には、照明装置75の電球79によって照明された撮影ボックス1内の明るさと、カメラ6が設けられたカメラフード3内の明るさとがほとんど変わらず、図22(c)に示すように、これらの間に極端な照度差が生じない。このため、図22(d)に示すように、商品2の正面側に図21(c)に示した角度θ分の陰影が生じることがない。これにより、外部光の影響を受けず、鮮明で良好な撮影画像を得ることができる。
【0040】
また、この撮影装置では、カメラ6よりも商品2側に照明装置75が配置され、この照明装置75の複数の電球79によって商品2の正面側上方より照明するので、商品2をほぼ均一に照明することができ、照明むらが少なく、テカリなどの発生も少なく、より一層、鮮明な撮影画像を得ることができる。この場合、複数の電球79は、それぞれ発光部としてインバータ付きの蛍光管を使用しているので、輝度むらが発生せず、これによっても良好な撮影画像を得ることができる。また、撮影ボックス1の上面1dにおける鏡部材80と背面1eとの間に設けられた開口部84から撮影ボックス1内に外部光を取り込んで商品2の背面を照明することができるので、撮影時に商品2の影などができず、これによっても良好な撮影画像を得ることができる。また、カメラフード3の下部にシート部材9を設け、このシート部材9により撮影ボックス1の正面1aにおける下部の隙間8bを隠すとともに照明装置75からの光を撮影ボックス1内に反射することにより、商品2からカメラ6を見たときに隙間8bによって発生する撮影ボックス1内の照度差を無くすことができ、これによっても鮮明で良好な撮影画像を得ることができる。なお、照明装置75による撮影ボックス1内の熱は、外部光を取り込むための開口部84およびカメラフード3の上部側の隙間8aから撮影ボックス1の外部に排出されるので、撮影ボックス1内に熱がこもることがない。
【0041】
さらに、この撮影装置では、照明装置75の照明蓋76がヒンジ部78により回動自在に取り付けられているので、電球79を交換する際、ヒンジ部78を中心に照明蓋76を図2に点線で示すように撮影ボックス1の正面1a側に向けてほぼ180度開くことにより、容易に交換することができるとともに、この状態でヒンジ部78から照明蓋76を取り外すことができ、容易に修理などを行うことができる。同様に、鏡部材80においても、その支持板81がヒンジ部83により回動可能に取り付けられているので、ヒンジ部83を中心に支持板81を図2に点線で示すように撮影ボックス1の背面1e側に向けてほぼ180度開くことにより、鏡82の汚れを容易に拭き取ることができるとともに、この状態でヒンジ部83から支持板81を取り外して、修理や交換を行うこともできる。
【0042】
また、この撮影装置では、カメラ6が傾き調整板41上にカメラ取付部材43および装着部材46により着脱可能に取り付けられた構成になっているので、カメラ本体6aに装着された装着部材46の2つの着脱金具48、49のうち、一方の着脱金具48をカメラ取付部材43から取り外し、カメラ本体6aを90度回動させて、他の着脱金具49をカメラ取付部材43に取り付けることにより、横長の撮影画像と縦長の撮影画像とを簡単に切り換えることができる。
また、この撮影装置では、撮影ボックス1内に配置された昇降台51に保持部材69を設け、この保持部材69の保持アーム70にクリップ72を設けたので、このクリップ72により背景紙68を取り付けることにより、この背景紙68で昇降台51および保持部材69を覆い隠すことができ、このため商品2を撮影する際、昇降台51および保持部材69が写らないように撮影することができる。この場合、クリップ72は保持アーム70に一体的に設けられているので、クリップ72を紛失することがなく、しかもクリップ72は、板ばね部72aのばね力に抗して操作部72bを押圧操作することにより、背景紙68を容易に挾んで取り付けることができるので、背景紙68を簡単に交換して商品2と調和するものに代えることができる。
【0043】
さらに、この撮影装置では、撮影ボックス1内に配置された昇降台51を取り出すことにより、より大きな商品2を撮影ボックス1内に配置して撮影することができる。この場合には、撮影ボックス1の背面1eに設けられた上部のガイドレール85にクリップ88が設けられているので、このクリップ88により背景紙68を取り付けることにより、この背景紙68で撮影ボックス1内における背面1eおよび底面を覆い隠すことができ、このため商品2を撮影する際、撮影ボックス1内における背面1eおよび底面が写らないように撮影することができる。この場合にも、クリップ88はガイドレール85に一体的に設けられているので、紛失することがなく、上記と同様、背景紙68を簡単に交換して商品2と調和するものに代えることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、撮影ボックス内に被写体を配置し、この被写体を撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮影装置において、カメラを被写体に対して移動させる移動手段を備え、この移動手段は、撮影ボックスに上下方向に回動可能に取り付けられた撮影フードを回動させてカメラを被写体に対して移動するようにし、しかも、チルト機構によってカメラを被写体に対して傾けるようにしたので、被写体を撮影する際、撮影フードとカメラとを別々に動かすことができて、これにより、迅速に良好な撮影ができると共に、被写体の正面の撮影だけでなく、被写体の斜め上方からの撮影などが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の撮影装置のシステム全体の一実施形態を示した斜視図。
【図2】図1の撮影装置の断面図。
【図3】図1の撮影装置を左側から見た斜視図。
【図4】図1のフード駆動部の内部構造を示した拡大断面図。
【図5】図4の減速機構付きモータユニットの一部破断した拡大斜視図。
【図6】図3のベルトダンパ機構の要部を示し、(a)はカメラフードに取り付けられた回動軸に回動アームを取り付けた要部の斜視図、(b)はばねベルトおよび巻取リールを示した斜視図。
【図7】図3のベルトダンパ機構の動作状態を示し、(a)はカメラで商品の正面を撮影するときの回動アームおよびばねベルトの動作状態を示した概略側面図、(b)はカメラで商品の上面を撮影するときの回動アームおよびばねベルトの動作状態を示した概略側面図、(c)はカメラで商品を斜め上方から撮影するときの回動アームおよびばねベルトの動作状態を示した概略側面図。
【図8】図2におけるカメラフードのカメラ搭載部にカメラを搭載した状態を示した要部の拡大断面図。
【図9】図8を左側から見た一部破断した図。
【図10】図8および図9のカメラ取付部材と装着部材の着脱金具との着脱構造を説明するための要部の拡大図。
【図11】図1および図2の昇降台の拡大斜視図。
【図12】図11の昇降台から保持部材を取り外した状態を示し、(a)はその側面図、(b)は(a)のA−A断面図。
【図13】図12の駆動機構部を示し、(a)はその一部省略した拡大断面図、(b)はそのモータの出力軸に連結されたねじ軸とリンク機構部の第1、第2連結軸との関係を示した斜視図。
【図14】図11の保持部材のクリップを示した拡大断面図。
【図15】図1の撮影ボックスの背面側を示した斜視図。
【図16】図1の撮影ボックスの手前側の側面の開閉蓋を開いた状態における要部の拡大斜視図。
【図17】図1の撮影装置のシステム全体の回路構成を示したブロック図。
【図18】図2においてカメラで商品の正面を撮影する状態を示した断面図。
【図19】図2においてカメラで商品の上面を撮影する状態を示した断面図。
【図20】図2においてカメラで商品を斜め上方から撮影する状態を示した断面図。
【図21】図1のカメラフードを用いない場合の撮影ボックスの内部と外部との照度差の関係を示し、(a)はその照度差の関係を概念的に示した平面図、(b)は撮影ボックス内とカメラ側の外部との明るさの度合いを示した図、(c)は(a)の状態において商品に生じる陰影を示した図。
【図22】図1に示すようにカメラフードを用いた場合の撮影ボックス内とカメラフード内との照度差の関係を示し、(a)はその照度差の関係を概念的に示した平面図、(b)はその側面図、(c)は撮影ボックス内とカメラフード内との明るさの度合いを示した図、(d)は(a)の状態において商品に陰影が生じない状態を示した図。
【符号の説明】
1 撮影ボックス
2 商品
3 カメラフード
4、5 回動軸
6 カメラ
7 カメラ搭載部
10 フード駆動部
11 ベルトダンパ機構
25 非常停止釦
30 チルト機構
51 昇降台
68 背景紙
69 保持部材
72、88 クリップ
75 照明装置
79a 電球
80 鏡部材
82 鏡
84 開口部
94〜96 位置合わせマーク
110 CPU

Claims (9)

  1. 撮影ボックス内に被写体を配置し、この被写体を前記撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮影装置において、
    前記撮影ボックスに上下方向に回動可能に取り付けられた撮影フードと、
    前記撮影フードを前記被写体に対して移動させる移動手段と、
    前記撮影フードに前記カメラを取り付け、前記カメラを前記被写体に対して傾けるチルト機構と、
    前記撮影フードを上下方向に回動させる前記移動手段と、前記カメラを傾ける前記チルト機構とをそれぞれ別々に制御する制御手段を備え、
    前記撮影ボックスに上下方向に回動可能に取り付けられた前記撮影フードを回動させるとともに、前記カメラを前記被写体に対して傾けることを特徴する撮影装置。
  2. 前記撮影フードを任意の位置に保持させるダンパ機構を備えていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  3. 前記撮影フードの動作をその動作中に緊急停止させる非常停止操作部を備えていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  4. 前記撮影ボックス内には、前記被写体を載置して上下方向に昇降させる昇降台が設けられ、
    前記被写体の背景となるシート部材を保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記昇降台に設けられていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  5. 前記被写体の背景となるシート部材を保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記撮影ボックスに設けられていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  6. 前記撮影ボックスには、前記被写体の上面の画像を前記カメラに向けて反射する鏡が設けられていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  7. 前記撮影ボックス内には、前記被写体を正面側上方より照明する照明装置が設けられていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  8. 前記撮影ボックスには、前記被写体の背面側に外部光を取り込むための開口部が設けられていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
  9. 前記撮影ボックスには、前記被写体の設置位置を示す位置合わせマークが設けられていることを特徴する請求項1に記載の撮影装置。
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