JP2000029100A - 撮影装置 - Google Patents

撮影装置

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JP2000029100A
JP2000029100A JP10208530A JP20853098A JP2000029100A JP 2000029100 A JP2000029100 A JP 2000029100A JP 10208530 A JP10208530 A JP 10208530A JP 20853098 A JP20853098 A JP 20853098A JP 2000029100 A JP2000029100 A JP 2000029100A
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成仁 橘
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伴三 都築
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品などの被写体に対するカメラの設置作業
が簡単で容易にできるようにする。 【解決手段】 内部に商品2が配置される撮影ボックス
1にカメラフード3を回動可能に取り付け、このカメラ
フード3にカメラ6をチルト機構30により取り付け、
カメラフード3をフード駆動部10で回動させてカメラ
6を商品2に対して移動させるようにした。従って、撮
影ボックス1を設置することによりカメラ3をも同時に
設置することができ、またフード駆動部10によりカメ
ラフード3を回動させてカメラ6を商品2に対して移動
させることにより、商品2を撮影する際、その撮影方向
に応じてカメラ6をフード駆動部10によって移動させ
て所定位置に設置することができ、商品2に対するカメ
ラ6の設置作業が簡単で容易にでき、良好に撮影ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商品などの被写
体を撮影する撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スーパーマーケットでは、商品
を単独で撮影して広告に掲載することにより、商品の宣
伝を行っている。このような被写体である商品の撮影
は、専門のカメラマンが特殊なスタジオで撮影している
が、撮影コストが高くなるため、店員が簡単に商品を撮
影できるようにすることが要望されている。これに応え
るために、従来では、商品などの品物を撮影する撮影装
置が検討され、開発されている。この種の撮影装置は、
例えば、撮影ボックス内に商品を配置して照明装置によ
り照明し、この状態で三脚によりカメラを固定し、この
カメラで撮影ボックスの外部から撮影ボックス内の商品
を撮影するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな撮影装置では、カメラを三脚で固定する構成である
から、撮影ボックスとカメラとをそれぞれ別々に設置し
なければならず、しかも商品を撮影する際、その撮影方
向、例えば商品の正面を撮影する方向、あるいは商品を
斜め上方から撮影する方向などに応じて、その都度、カ
メラを三脚と共に移動させて設置し直さなければならな
いため、カメラの設置作業が煩雑で面倒であるという問
題があった。
【0004】この発明の課題は、商品などの被写体に対
するカメラの設置作業が簡単で容易にできるようにする
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
撮影ボックス内に被写体を配置し、この被写体を前記撮
影ボックスの外部からカメラで撮影する撮影装置におい
て、前記カメラを前記被写体に対して移動させる移動手
段を備えたことを特徴する。この発明によれば、被写体
を撮影する際、その撮影方向に応じてカメラを移動手段
によって移動させることにより、カメラを被写体に対す
る所定位置に設置することができ、このため被写体の撮
影方向が変わる度に、従来のように三脚と共にカメラを
移動させて設置する必要がなく、被写体に対するカメラ
の設置作業が簡単で容易にできる。
【0006】請求項2記載の発明は、撮影ボックス内に
被写体を配置し、この被写体を前記撮影ボックスの外部
からカメラで撮影する撮影装置において、前記撮影ボッ
クスに撮影フードを設け、この撮影フードに前記カメラ
を取り付けたことを特徴する。この発明によれば、撮影
ボックスに設けられた撮影フードにカメラを取り付けた
ので、撮影ボックスを設置することによりカメラをも同
時に設置することができ、このため被写体に対するカメ
ラの設置作業が簡単で容易にできるとともに、撮影フー
ドによって外部光の影響を受けないようにすることもで
きる。
【0007】請求項3記載の発明は、撮影ボックス内に
被写体を配置し、この被写体を前記撮影ボックスの外部
からカメラで撮影する撮影装置において、前記カメラを
前記被写体に対して移動させる移動手段を備え、この移
動手段は、前記撮影ボックスに上下方向に回動可能に取
り付けられた撮影フードに前記カメラを取り付け、この
撮影フードを回動させて前記カメラを前記被写体に対し
て移動させることを特徴する。この発明によれば、撮影
ボックスに回動可能に取り付けられた撮影フードにカメ
ラを取り付けたので、請求項2記載の発明と同様、撮影
ボックスを設置することによりカメラをも同時に設置す
ることができるとともに、撮影フードによって外部光の
影響を受けないようにすることもでき、また移動手段に
より撮影フードを回動させてカメラを被写体に対して移
動させるので、請求項1記載の発明と同様、被写体を撮
影する際、その撮影方向に応じてカメラを移動手段によ
って移動させて所定位置に設置することができ、より一
層、被写体に対するカメラの設置作業が簡単で容易にで
き、良好に撮影ができる。
【0008】この場合、請求項4に記載のごとく、撮影
フードにカメラを被写体に対して傾けるチルト機構が設
けられていれば、撮影フードとカメラとを別々に動かす
ことができ、これにより、例えば被写体の正面の撮影だ
けでなく、被写体の斜め上方から撮影など、撮影方向に
応じて速やかにカメラを被写体に向けることができ、き
わめて良好に撮影をすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図20を参照して、
この発明の撮影装置の一実施形態について説明する。図
1は撮影装置のシステム全体を示した斜視図、図2はそ
の撮影装置の断面図、図3は図1の撮影装置を左側から
見た斜視図である。これらの図に示された撮影装置は、
撮影ボックス1を備えている。この撮影ボックス1は、
その内部に被写体である商品2が配置されるものであ
り、ほぼ箱形状に構成されている。この撮影ボックス1
の正面(図1および図2では左側面)1aは開放されて
おり、この正面1a側における両側面1b、1cには、
カメラフード(撮影フード)3が前方(同図では左側)
に突出した状態で回動軸4、5により上下方向に回動可
能に取り付けられている。
【0010】カメラフード3は、先端側(図1および図
2では左端側)に向かうに従って細くなるほぼ四角錐形
状に形成されており、その先端部にはカメラ6を搭載す
るカメラ搭載部7が設けられている。このカメラフード
3は、図2に示すように、撮影ボックス1の正面1a側
における両側の外面に回動軸4、5がそれぞれ一体的に
取り付けられ、この回動軸4、5が撮影ボックス1の両
側面1b、1cに同一軸上で回転自在に取り付けられて
いる。この場合、撮影ボックス1の正面1aの上下部に
は、それぞれカメラフード3の上下部が当接しないよう
に、所定の隙間8a、8bが設けられている。この上下
の隙間8a、8bのうち、下部の隙間8bに対応するカ
メラフード3の下部には、図2に示すように、シート部
材9が撮影ボックス1内に延びて垂れ下がった状態で取
り付けられている。
【0011】そして、撮影ボックス1の一方の側面(図
1では手前側の側面)1bには、フード駆動部10が設
けられており、他方の側面(図1では後側の側面)1c
には、図3に示すように、ベルトダンパ機構11が設け
られている。フード駆動部10は、カメラフード3を上
下方向に回動動作させるためのものであり、図1に示す
ように、撮影ボックス1の側面1bに設けられた駆動カ
バー12を備えている。この駆動カバー12内における
撮影ボックス1の側面1bには、図4に示すように、ベ
ース板13が取り付けられており、このベース板13に
は、スペーサ14を介して受け板15が所定間隔離れて
取り付けられている。そして、ベース板13の所定個所
には、減速機構付きモータユニット16が取り付けられ
ており、またベース板13および受け板15には、カメ
ラフード3に取り付けられて撮影ボックス1の側面1b
を挿通した一方の回動軸4が各軸受4aにより回転自在
に取り付けられている。
【0012】減速機構付きモータユニット16は、図5
に示すように、ベース板13に取り付けられるギヤケー
ス17を備えている。このギヤケース17の外面には、
フード駆動用のモータ18が取り付けられており、ギヤ
ケース17の内部には、複数の歯車からなる減速歯車列
19が設けられている。この減速歯車列19の出力軸2
0は、ギヤケース17からモータ18と同じ外部に向け
て突出しており、この出力軸20の外部に突出した部分
には、小径の駆動歯車21が取り付けられている。この
減速機構付きモータユニット16では、モータ18の回
転を減速歯車列19によって減速して出力軸20に伝達
し、これにより駆動歯車21を減速回転させている。
【0013】この減速機構付きモータユニット16の駆
動歯車21には、回動軸4に取り付けられた大径の従動
歯車22が噛み合っている。この従動歯車22は、回動
軸4に一体的に取り付けられ、駆動歯車21の回転に応
じて回動軸4と共に回転することにより、カメラフード
3を回動軸4、5を中心に上下方向に回動させるように
構成されている。また、駆動歯車21の出力軸20の先
端には、受け板15に取り付けられた角度センサ23の
検出軸23aが軸継手24により連結されている。この
角度センサ23は、出力軸20の回転数を検出し、この
検出データを後述する制御手段であるCPU110に与
えて演算処理することにより、カメラフード3の回動角
度を算出するように構成されている。なお、駆動カバー
12の上部には、図1に示すように、カメラフード3の
回動動作中に、減速機構付きモータユニット16のモー
タ18を緊急停止させる非常停止釦(非常停止操作部)
25が外部に露出して設けられている。
【0014】一方、ベルトダンパ機構11は、図3に示
すように、カメラフード3に取り付けられた他方の回動
軸5の先端に取り付けられた回動アーム26と、この回
動アーム26の先端部26aに取り付けられたばねベル
ト27を巻き取る巻取リール28とを備えている。この
場合、カメラフード3に取り付けられた他方の回動軸5
は、図3および図6(a)に示すように、撮影ボックス
1の左側の側面1cに軸受5aを介して回動自在に取り
付けられ、その先端が側面1cから突出している。回動
アーム26は、図6(a)に示すように、その基端部2
6bが回動軸5の突出した部分にビス29aにより回動
軸5と直交する方向に取り付けられ、これにより図7
(a)〜(c)に示すように、回動軸5を中心にカメラ
フード3の回動に伴って回動するように構成されてい
る。巻取リール28は、図6(b)に示すように、ばね
ベルト27が巻き付けられるものであり、撮影ボックス
1の側面1cの下部に取り付けられた支持軸28aに回
転自在に取り付けられている。
【0015】ばねベルト27は、金属製のベルトからな
る渦巻き状のばねであり、その先端部の取付部27aが
回動アーム26に取り付けられ、基端部が巻取リール2
8に取り付けられ、常に巻取リール28に巻き付くよう
に弾性変形することにより、回動アーム26を図3にお
いて反時計回りに付勢してカメラフード3を上方に回動
させるように構成されている。すなわち、このばねベル
ト27は、先端部の取付部27aに設けられた取付孔2
7bが回動アーム26の先端部26aが挿入した状態
で、取付部27aが2つのナット29bにより所定の隙
間をもって挾まれた状態で取り付けられている。この取
付孔27bは、回動アーム26の回動運動に伴う円弧動
作を妨げないように楕円形状に形成されている。このベ
ルトダンパ機構11では、ばねベルト27のばね力によ
る回動軸5のばねトルクが、図7(a)の状態(ばねト
ルクWA)を基準にして、図7(b)に示すように巻取
リール28から引き出された長さが長くても(ばねトル
クWA1)、また図7(c)に示すように巻取リール2
8から引き出された長さが短くても(ばねトルクWA
2)、常に一定となり(WA=WA1=WA2)、カメ
ラフード3を駆動する減速機構付きモータユニット16
のモータ18の静止トルクTとの和(WA+T)がカメ
ラ6を搭載したカメラフード3の総重量WBと等しく
(WA+T=WB)なるように設定されている。これに
より、ベルトダンパ機構11は、ばねベルト27のばね
力による回動軸5のばねトルクWAと、減速機構付きモ
ータユニット16のモータ18の静止トルクTとによ
り、カメラフード3の重量バランスをとり、カメラフー
ド3を任意の位置に保持する。
【0016】また、カメラフード3の先端部のカメラ搭
載部7には、図1〜図3に示すように、カメラ6がチル
ト機構30を介して搭載されている。カメラ6は、被写
体である商品2の画像をCCDなどの電荷結合素子(受
光素子)で受光して電気信号として出力するデジタルカ
メラであり、図8に示すように、カメラ本体6aとレン
ズ部6bとからなっている。なお、カメラ本体6aの底
面には、三脚固定用のねじ取付部6cが設けられいる。
また、レンズ部6bは、ズーム機能、フォーカス機能、
および絞り機能を有している。チルト機構30は、カメ
ラ6を前後方向に傾けるためのものであり、図8および
図9に示すように、カメラ搭載部7内に取り付けられる
チルト台31を備えている。このチルト台31は、図9
に示すように、両側の外面に回動軸32がそれぞれ取り
付けられ、これら回動軸32がカメラ搭載部7の両側面
7a、7bにそれぞれ軸受33を介して回転自在に取り
付けられ、これによりカメラ搭載部7内に浮いた状態で
配設されている。
【0017】この場合、一方の回動軸(図9では右側の
回動軸)32には、大径の従動歯車34が一体的に取り
付けられている。この大径の従動歯車34の下側で、か
つチルト台31の下側には、連結軸35に一体的に取り
付けられた小径の駆動歯車36が従動歯車34に噛み合
った状態で配置されている。この連結軸35は、その一
端部(同図では右端部)がカメラ搭載部7の一方の外側
面7aに取り付けられたチルト台駆動用のモータ37の
出力軸37aに軸継手38により取り付けられ、他端部
(同図では左端部)がカメラ搭載部7の他方の外側面7
bに取り付けられた角度センサ39の検出軸39aに軸
継手40により取り付けられている。この連結軸35
は、モータ37によって回転し、その回転を駆動歯車3
6に伝達して従動歯車34を回転させるように構成され
ている。これにより、チルト台31は、各回動軸32を
中心に回動し、カメラ6のレンズ部6bが商品2に対し
て上下方向に傾くように、カメラ6を傾ける。なお、角
度センサ39は、連結軸35の回転数を検出し、この検
出データを後述するCPU110に与えて演算処理する
ことにより、チルト台31の回動角度を算出する。
【0018】また、チルト台31内には、図9に示すよ
うに、傾き調整板41が配置されている。この傾き調整
板41は、その一側縁(同図では右側縁)に複数の突起
部41aが設けられ、これら突起部41aがチルト台3
1の一方の側面(同図では右側面)に設けられた取付孔
31aに挿入されることにより、上下方向(同図に示さ
れた矢印Z方向)に揺動可能に取り付けられている。ま
た、この傾き調整板41は、突起部41aと反対側の下
面(同図では左側の下面)がチルト台31の底部に螺着
された調整ねじ42により支持され、この調整ねじ42
を回すことにより、傾き調整板41が上下方向に揺動し
て、カメラ本体6a内の電荷結合素子がその平面内で回
動するように、カメラ6の光軸回りの傾きを調整するよ
うに構成されている。
【0019】なお、この傾き調整板41上には、図9に
示すように、カメラ取付部材43が設けられている。こ
のカメラ取付部材43は、傾き調整板41上に取り付け
られた帯状の金属板44の両端部44aを上方に折り曲
げ、この折り曲げられた両端部44a間に断面D字形状
の支持棒45を取り付けた構成になっている。また、傾
き調整板41上に載置されるカメラ6のカメラ本体6a
には、図9に示すように、カメラ取付部材43に着脱可
能に取り付けられ装着部材46が取り付けられている。
この装着部材46は、カメラ本体6aの外面に装着する
コ字状の固定金具47の直交する2面にそれぞれ着脱金
具48、49が設けられ、これら2つの着脱金具48、
49のうち、いずれか一方、図9では着脱金具48がカ
メラ取付部材43の支持棒45に取り付けられている。
2つの着脱金具48、49は、それぞれ帯状の金属板の
両端部を直角に折り曲げ、この折り曲げられた両端部に
カメラ取付部材43の支持棒45が回動自在に挿入する
取付孔50が形成されている。この取付孔50は、図1
0に示すように、着脱金具48、49を所定角度に傾け
た状態で、支持棒45の最も肉厚の薄い部分が挿入部5
0aを通して支持棒45が円形部50bに回動自在に挿
入されて取り付けられる。この状態では、所定角度未満
の範囲内で着脱金具48、49が支持棒45から外れる
ことはない。
【0020】一方、撮影ボックス1内には、図1および
図2に示すように、商品2を載置する昇降台51が配置
されている。この昇降台51は、図11および図12に
示すように、下板52と上板53との間にパンタグラフ
型のリンク機構部54が設けられ、このリンク機構部5
4に駆動機構部55が設けられた構成になっている。リ
ンク機構部54は、図12(a)に示すように、2本の
リンク棒56を第1連結軸57により回動可能に連結し
て「く」字状に折り曲げ、他の2本のリンク棒58を第
2連結軸59により回動可能に連結して逆「く」字状に
折り曲げ、これら各リンク棒56、58を組み合わせる
ことにより1組のリンク部60を構成し、このリンク部
60を図12(b)に示すように下板52と上板53と
の間における両側にそれぞれ2組配置した構成になって
いる。
【0021】この場合、2組のリンク部60の各リンク
棒56、58のうち、逆「く」字状に折り曲げられた2
本のリンク棒58の下端部は、図12(a)に示すよう
に、下板52の上面に設けられた固定板61にピン62
により回動自在に取り付けられており、2本のリンク棒
58の上端部は、上板53の下面に設けられた固定板6
3にピン62により回動自在に取り付けられている。ま
た、「く」字状に折り曲げられたリンク棒56の下端部
は、下板52の固定板61に形成された長孔61aにピ
ン64により回動自在でかつ移動自在に取り付けられて
おり、2本のリンク棒56の上端部は、上板53の固定
板63に形成された長孔63aにピン64により回動自
在でかつ移動自在に取り付けられている。このリンク機
構部54は、第1、第2連結軸57、59が互いに接近
すると、「く」字状に折り曲げられたリンク棒56の上
下の各端部のピン64が固定板61、63の長孔61
a、63a内をピン62に向けて移動し、リンク部60
を上方に伸ばして上板53を押し上げ、逆に第1、第2
連結軸57、59が互いに離間すると、リンク棒56の
上下の各端部のピン64が固定板61、63の長孔61
a、63a内をピン62から離れる方向に移動し、リン
ク部60を下方に収縮させて上板53を引き下げる。
【0022】駆動機構部55は、図12(a)および図
12(b)に示すように、リンク機構部54の2組のリ
ンク部60間に第1、第2連結軸57、59によって支
持される駆動ケース64を備えている。この駆動ケース
64の左端部には、図13(a)に示すように、リンク
駆動用のモータ65が取り付けられており、このモータ
65の出力軸65aには、ねじ軸66が軸継手67によ
り連結されている。このねじ軸66には、図13(a)
および図13(b)に示すように、第1連結軸57の中
間部に形成されたねじ孔57aに螺合する第1ねじ部6
6aと、第2連結軸59の中間部に形成されたねじ孔5
9aに螺合する第2ねじ部66bとが形成されている。
これら第1、第2ねじ部66a、66bは、それぞれ逆
向きのねじ溝が形成されている。例えば、第1ねじ部6
6aは左ねじに形成され、第2ねじ部66bは右ねじに
形成されている。これにより、ねじ軸66は、モータ6
5が正回転すると、その正回転に伴って第1、第2連結
軸57、59を互いに近づける方向に移動させ、またモ
ータ65が逆回転すると、その逆回転に伴って第1、第
2連結軸57、59を互いに遠ざける方向に移動させ
る。なお、駆動ケース64の両側面には、第1、第2連
結軸57、59が移動可能に挿通する長孔64aが設け
られている。
【0023】この昇降台51には、図2および図11に
示すように、背景紙(シート部材)68を保持する保持
部材69が取り付けられている。この保持部材69は、
昇降台51の上板53の下面に2本のL字状の取付アー
ム70が前後方向(図11に矢印で示す方向)にスライ
ド可能に取り付けられ、この2本の取付アーム70が昇
降台51の後方において上方に延出され、その上端部に
保持アーム71が水平方向に設けられ、この保持アーム
71の両側に背景紙68を挾んで保持するクリップ72
が設けられた構成になっている。クリップ72は、図1
4に示すように、保持アーム71の上端における背面に
取り付けられて保持アーム71を弾力的に挾み付ける板
ばね部72aと、この板ばね部72aの前面側における
下端部に取り付けられて上方に延びた操作部72bとか
らなっている。この保持部材69は、操作部72bの上
部を図14に矢印で示す後方に向けて押圧することによ
り、板ばね部72aの前側を保持アーム71の前面から
離間させ、この離間した間に背景紙68の上端を挿入し
て操作部72bから外力を取り除くと、板ばね部72a
のばね力で背景紙68の上端部を保持アーム71に挾み
付けて背景紙68を保持する。背景紙68は、その上端
部がクリップ72により保持アーム71に取り付けら
れ、この状態で昇降台51上を覆って昇降台51の前側
に垂れ下がり、これにより昇降台51および保持部材6
9を覆い隠す。なお、この背景紙68は、商品2に応じ
て色や柄の異なるものが複数用意されている。
【0024】また、撮影ボックス1の正面1a側におけ
る上面1dには、図2示すように、開口部74が設けら
れ、この開口部74に対応して照明装置75が開閉可能
に取り付けられている。この照明装置75は、背景紙6
8を介して昇降台51上に配置された商品2を正面側上
方より照明するためのものであり、開口部74を開閉自
在に塞ぐ照明蓋76と、この照明蓋76の内面に設けら
れた照明取付板77とを備えている。照明蓋76は、撮
影ボックス1の正面1a側の上面1dにヒンジ部78に
より回動自在でかつ着脱可能に取り付けられている。す
なわち、このヒンジ部78は、前述したカメラ6を傾き
調整板41に着脱可能に取り付けるための図10に示さ
れたカメラ取付部材43と装着部材46とを有する構造
とほぼ同じ構造で、照明蓋76を図2に点線で示すよう
に撮影ボックス1の正面1a側に向けてほぼ180度開
いたときに照明蓋76が取り外せるように構成されてい
る。照明取付板77は、照明蓋76を閉じた状態で、そ
の内面に正面1a側に向けて傾斜した状態で照明蓋76
に設けられ、商品2に対向する面に複数のソケット77
aが設けられ、この複数のソケット77aにそれぞれ電
球79が取り付けられた構成になっている。この電球7
9は、その発光部としてインバータ付きの蛍光管が使用
されている。
【0025】撮影ボックス1の背面1e側における上面
1dは、背面1e側に傾斜して開放されており、この傾
斜して開放された部分には、鏡部材80が上下方向に回
動可能に取り付けられている。この鏡部材80は、撮影
ボックス1の上面1dの開放された部分を開閉自在に塞
ぐ支持板81と、この支持板81の内面に設けられた鏡
82とからなり、この鏡82が昇降台51上に配置され
た商品2の上面側の画像をカメラ6に向けて反射するよ
うに構成されている。支持板81は、撮影ボックス1の
背面1e側における上面1dに設けられたヒンジ部83
により回動自在でかつ着脱可能に取り付けられている。
この場合にも、ヒンジ部83は、前述したカメラ6を傾
き調整板41に着脱可能に取り付けるためのカメラ取付
部材43と装着部材46とを有する構造とほぼ同じ構造
で、支持板81を図2に点線で示すように背面1e側に
ほぼ180度開いたときに取り外せるように構成されて
いる。
【0026】また、撮影ボックス1の上面1dにおける
鏡部材80と背面1eとの間には、外部光を撮影ボック
ス1内に取り込んで商品2の背面側を照明するための開
口部84が設けられている。この開口部84は、外部光
を取り込む以外に、昇降台51に取り付けられた保持部
材69の保持アーム71の上部を撮影ボックス1の上方
に出没可能に突出させる役目も兼ねている。この撮影ボ
ックス1の背面1eは、図15に示すように、開放され
ており、この背面1eの上下部には、ガイドレール8
5、86が設けられている。この上下のガイドレール8
5、86には、撮影ボックス1の背面1eを開閉自在に
塞ぐ背面板87がスライド自在に装着される。このガイ
ドレール85、86のうち、上部のガイドレール85に
は、背景紙68を着脱可能に保持するクリップ(保持部
材)88が設けられている。このクリップ88も、前述
した保持部材69のクリップ72と同じ構造になってい
る。このクリップ88は、撮影ボックス1内から昇降台
51を取り出した状態で、背景紙68を保持することに
より、この背景紙68で撮影ボックス1内の背面1eか
ら底面1fまでを覆い隠すときに使用する。
【0027】さらに、撮影ボックス1の背面1e側にお
ける手前側の側面1bには、図1および図16に示すよ
うに、商品2を撮影ボックス1内に出し入れするための
開口部90が設けられている。この開口部90には、開
閉蓋91が蝶番92(図15参照)により横方向に開閉
可能に取り付けられている。この開口部90の下縁部と
背面1e側の側縁部には、商品2を位置合わせするため
の位置合わせマーク94、95が設けられており、開閉
蓋91と反対側の撮影ボックス1の側面1cの内面に
も、位置合わせマーク96が開口部90の縁部の位置合
わせマーク94、95と対応して設けられている。この
場合、開口部90の下縁部に設けられた位置合わせマー
ク94は、商品2のカメラ6からの距離を位置合わせす
る。開口部90の背面1e側の側縁部に設けられた位置
合わせマーク95は、商品2の高さを位置合わせする。
撮影ボックス1の側面1cに設けられた位置合わせマー
ク96は、商品2のカメラ6からの距離および高さを位
置合わせする。
【0028】なお、この撮影ボックス1の手前側の側面
1bの外面には、図1に示すように、駆動制御ボックス
97が設けられている。また、撮影ボックス1の外部に
は、図1に示すように、制御装置100が配置されてい
る。この制御装置100には、その上面に配置されたC
RTなどの表示装置101が電気的に接続されていると
ともに、駆動制御ボックス97、カメラ6、および照明
装置75が接続コード102により電気的に接続されて
いるほか、キーボード103やハンドスキャナ104も
接続コード102により電気的に接続されている。さら
に、駆動制御ボックス97は、フード駆動部10、チル
ト機構30、昇降台51と接続コード105(一部のみ
示す)により電気的に接続されている。
【0029】次に、図17を参照して、この撮影装置の
回路構成について説明する。CPU110は、RAM1
11内にロードされている各種プログラムに従って撮影
装置のシステム全体の動作を制御する中央演算処理装置
である。記憶装置112は、オペレーティングシステム
や撮影ソフトなどの各種の制御プログラム、撮影画像な
どのデータファイル、撮影条件などのデーブルファイル
などが予め格納さている記憶媒体やその駆動系を有して
いる。この記憶媒体は、固定的に設けたもの、あるいは
着脱自在に装着可能なものであり、ハードディスク、フ
ロッピディスク、光ディスク、RAMカードなどの磁気
的・光学的記録媒体、半導体メモリなどによって構成さ
れている。また、記録媒体内のプログラムやデータは、
必要に応じてCPU110の制御により、RAM111
にロードされる。さらに、CPU110は、通信回線な
どを介して他の機器側から送信されて来たプログラムや
データを受信して記録媒体に格納したり、他の機器側に
設けられている記録媒体に格納されているプログラムや
データを通信回線などを介して使用することもできる。
【0030】また、CPU110には、その入出力周辺
デバイスである入力部113、表示部114が接続され
ているほか、CPU110側のインターフェイス115
および撮影ボックス1側のインターフェイス116を介
して撮影ボックス1の制御駆動部117、照明部11
8、非常停止スイッチ119が接続されているととも
に、インターフェイス120を介してカメラ部121が
接続されており、CPU110は入出力プログラムに従
ってそれらの動作を制御する。入力部113は、キーボ
ード103やハンドスキャナ104を有しており、キー
ボード103は商品データや各種コマンドを入力し、ハ
ンドスキャナ104はバーコードなどの商品データを入
力する。これら入力された商品データは表示部114の
表示画面に表示出力されたり、RAM111内の商品フ
ァイルに格納されたりする。表示部114は、この実施
形態ではCRT表示装置101が示されているが、カラ
ー表示が可能な液晶表示装置やプラズマ表示装置などの
平面ディスプレイなどでも良い。撮影ボックス1の制御
駆動部117は、フード駆動部10、チルト機構30、
昇降台51、カメラ6のレンズ部6bなどの各種の駆動
部をCPU110からの動作指令に基づいて制御駆動す
る。カメラ部121は、カメラ本体6a内の電荷結合素
子からの撮影データをCPU110に出力し、CPU1
10はその撮影データに基づいて画像データを作成して
記憶装置112やRAM111に格納する。
【0031】次に、このような撮影装置で商品2を撮影
する場合について説明する。まず、撮影ボックス1内に
昇降台51を配置する。このときには、撮影ボックス1
の背面1eに配置された背面板87をガイドレール8
5、86に沿ってスライドさせて取り外し、この背面1
e側から昇降台51を撮影ボックス1内に挿入し、昇降
台51に設けられた保持部材69の保持アーム71が撮
影ボックス1の上面1dの開口部84から外部上方に突
出可能な状態に配置する。そして、保持部材69の保持
アーム71に設けられたクリップ72で背景紙68の上
端部を保持し、この背景紙68で昇降台51および保持
部材69を覆い隠す。このとき、保持部材69の取付ア
ーム70が昇降台51の上板53の下面に前後方向にス
ライド可能に設けられているので、昇降台51の設置位
置や商品2のサイズに応じて取付アーム70をスライド
させることにより、背景紙68を最適な位置に配置する
ことができる。この状態で、撮影ボックス1の手前側の
側面1bに設けられた開閉蓋91を開き、ここから商品
2を昇降台51上に背景紙68を介して配置する。この
ときには、開閉蓋91の開口部90の縁部に設けられた
位置合わせマーク94、95および撮影ボックス1内の
側面1cに設けられた位置合わせマーク96により、商
品2を位置合わせして配置する。なお、この後は、開閉
蓋91を閉めるとともに、撮影ボックス1の背面1eに
背面板87を取り付ける。
【0032】この状態で、撮影を開始するときには、ま
ず、照明装置75の照明蓋76を閉じて照明取付板77
に取り付けられた複数の電球79を点灯させ、商品2を
正面側上方より照明する。そして、ハンドスキャナ10
4で商品2の商品コードを読み取り、読み取った商品コ
ードをRAM111に記憶した後、キーボード103で
商品2の撮影方向を指定する。この撮影方向には、図1
8〜図20に示すように、正面、上面、および斜め上方
の3方向の撮影があり、以下これらを順に説明する。な
お、商品2には、大きさや形状の異なる品物が多数ある
が、ここでは、図18〜図20に示す卵、小瓶、大瓶な
どを撮影する場合について説明する。まず、図18に示
すように、大きさの小さい品物である卵を商品2として
用い、この商品2の正面を撮影する場合には、カメラフ
ード3を上下方向に回動させるとともにチルト台31を
上下方向に回動させ、これによりカメラ6を商品2の正
面に向ける。これと同時に昇降台51を駆動して商品2
の高さをも調整する。このときには、カメラフード3を
駆動するフード駆動部10、チルト台31を駆動するチ
ルト機構30、および昇降台51を駆動する駆動機構部
55をCPU110で同時に制御するのであるが、ここ
では、フード駆動部10から順に説明する。
【0033】フード駆動部10では、CPU110から
の動作指令に基づいて制御駆動部117により減速機構
付きモータユニット16のモータ18が駆動されると、
図4および図5に示すように、モータ18が回転し、こ
の回転がギヤケース17内の減速歯車列19を介してそ
の出力軸20に設けられた駆動歯車21に伝達され、こ
の駆動歯車21によって従動歯車22がカメラフード3
に取り付けられた回動軸4と共に回転する。これによ
り、カメラフード3が回動軸4、5を中心に図2におい
て反時計回りに回動し、図18に示すように、カメラ6
を下方に移動させる。このときには、モータユニット1
6の出力軸20の回転が軸継手24を介して角度センサ
23に伝達され、この角度センサ23で出力軸20の回
転数が検出され、この検出信号に基づいてカメラフード
3が所定角度だけ回動して停止される。このようにカメ
ラフード3が所定角度で停止した状態では、モータ18
の静止トルクTとベルトダンパ機構11のばねトルクW
Aとによりカメラフード3が所定位置に保持される。な
お、カメラフード3の回動動作中に、非常停止釦25が
操作されると、減速機構付きモータユニット16のモー
タ18が緊急停止される。
【0034】チルト台30では、CPU110からの動
作指令に基づいて制御駆動部117によりチルト機構3
0のモータ37が駆動されると、図9に示すように、モ
ータ37が回転し、この回転が連結軸35を介して駆動
歯車36に伝達され、この駆動歯車36によって従動歯
車34がチルト台31に取り付けられた回動軸32と共
に回転する。これにより、チルト台31が両側の回動軸
32を中心に回動し、図18に示すように、カメラ6を
ほぼ水平な状態にする。このときにも、モータ37の出
力軸37aに連結された連結軸35の回転が角度センサ
39に伝達され、この角度センサ39で連結軸35の回
転数が検出され、この検出信号に基づいてチルト台31
が所定角度だけ回動してほぼ水平な状態に停止される。
このとき、商品2の正面の画像が表示装置101の表示
画面に傾いて表示されている場合には、チルト台31に
取り付けられた調整ねじ42を回して傾き調整板41を
上下方向に揺動させることにより、カメラ6の光軸回り
の傾きを調整すれば良い。なお、この傾き調整は、一度
行うだけで良い。
【0035】昇降台51では、CPU110からの動作
指令に基づいて制御駆動部117により駆動機構部55
のモータ65が駆動される。このときには、商品2の大
きさが小さい卵であるため、図13(a)および図13
(b)に示すように、モータ65が正回転し、この正回
転によりねじ軸66が回転してリンク機構部54の第
1、第2連結軸57、59を互いに接近する方向に移動
させる。すると、図12(a)に示すように、第1、第
2連結軸57、59の接近移動に伴って、リンク棒5
6、58のうち、「く」字状に折り曲げられたリンク棒
56の上下端部に設けられたピン64が上下の各固定板
61、63の長孔61a、63a内を移動して、各リン
ク部60を上方に伸ばして上板53を押し上げる。これ
により、図18に示すように、卵のように大きさの小さ
い商品2が上板53によって押し上げられて、商品2の
中心位置が所定高さにセットされる。このようにして、
カメラフード3およびチルト台31が回動してカメラ6
が商品2の正面を向くとともに、昇降台51が上方に伸
びて商品2が所定高さにセットされると、カメラ6が商
品2の正面のほぼ中心に向いて位置し、これにより商品
2の正面の撮影ができる。そして、カメラ6で撮影され
た画像は、CPU110に取り込まれた後、表示装置1
01に表示されるとともに、RAM111内の商品ファ
イルに記憶される。これにより、商品2の正面の撮影が
終了する。
【0036】また、図19に示すように、小瓶などの物
品を商品2として用い、この商品2の上面を撮影する場
合には、上記と同様、カメラフード3を上下方向に回動
させるとともにチルト台31を上下方向に回動させ、こ
れによりカメラ6を鏡部材80の鏡82に向け、鏡82
に写った商品2の上面画像をカメラ6で撮影する。これ
と同時に昇降台51を駆動して商品2の高さをも調整す
る。このときにも、前回の正面の撮影と同様、カメラフ
ード3を駆動するフード駆動部10、チルト台31を駆
動するチルト機構30、および昇降台51を駆動する駆
動機構部55をCPU110で同時に制御し、図19に
示すように、フード駆動部10によりカメラフード3を
回動させてほぼ水平に保持し、チルト機構30によりカ
メラ6を上方に回動させて鏡82に向け、駆動機構部5
5により昇降台51のリンク部60を収縮させて上板5
3を引き下げて商品2の中心位置を所定高さにセットす
る。このようにして、カメラフード3およびチルト台3
1が回動してカメラ6が鏡82に向くとともに、昇降台
51が収縮して商品2が所定高さにセットされると、カ
メラ6が鏡82に写った商品2の上面画像の撮影をする
ことができる。このときには、カメラ6で撮影された画
像は、CPU110に取り込まれて左右反転され、この
反転された画像が表示装置101に表示されるととも
に、RAM111内の商品ファイルに記憶される。これ
により、商品2の上面の撮影が終了する。
【0037】また、図20に示すように、大瓶などの物
品を商品2として用い、この商品2を斜め上方から撮影
する場合には、上記と同様、カメラフード3を上下方向
に回動させるとともにチルト台31を上下方向に回動さ
せ、これによりカメラ6を斜め上方から商品2に向け
る。これと同時に昇降台51を駆動して商品2の高さを
も調整する。このときにも、上記の撮影と同様、カメラ
フード3を駆動するフード駆動部10、チルト台31を
駆動するチルト機構30、および昇降台51を駆動する
駆動機構部55をCPU110で同時に制御し、図20
に示すように、フード駆動部10によりカメラフード3
を同図において時計回りに回動させてカメラ6を上方に
移動させ、チルト機構30によりカメラ6を回動させて
斜め上方から商品2に向け、駆動機構部55により昇降
台51のリンク部60を収縮させて上板53を引き下げ
て商品2の中心位置を所定高さにセットする。このよう
にして、カメラフード3およびチルト台31が回動して
カメラ6が斜め上方から商品2に向くとともに、昇降台
51が収縮して商品2の設置高さがセットされると、カ
メラ6が商品2を斜め上方から撮影することができる。
このときにも、カメラ6で撮影された画像は、正面の撮
影のときと同様、CPU110に取り込まれて表示装置
101に表示されるとともに、RAM111内の商品フ
ァイルに記憶される。これにより、商品2の斜め上方か
らの撮影が終了する。
【0038】このように、この撮影装置では、商品2が
卵、小瓶、大瓶などのように、大きさや形状が異なって
いても、カメラフード3、カメラ6、昇降台51を適宜
動かすことにより、正面、上面、および斜め上方の3方
向の撮影方向に応じてカメラ6を自動的に商品2に対す
る所定位置に設置することができ、このため商品2の撮
影方向が変わる度に、従来のように三脚と共にカメラ6
を移動させる必要がなく、商品2に対するカメラ6の設
置作業が簡単で素人でも容易にでき、良好に撮影をする
ことができる。この場合、商品2を撮影ボックス1内の
昇降台51上に配置するときには、開閉蓋91に対応す
る開口部90の縁部に設けられた位置合わせマーク9
4、95および撮影ボックス1内の側面1cに設けられ
た位置合わせマーク96により、商品2を位置合わせす
ることができるので、商品2の配置作業が簡単にでき
る。さらに、カメラフード3の回動動作中に、非常停止
釦25が操作されると、減速機構付きモータユニット1
6のモータ18が緊急停止されるので、安全性に優れて
いる。
【0039】また、この撮影装置では、撮影ボックス1
に取り付けられたカメラフード3のカメラ搭載部7にカ
メラ6を設けているので、撮影ボックス1を設置するこ
とにより、これと同時にカメラ6をも設置することがで
きるとともに、カメラフード3により撮影時にカメラ6
が外部光の影響を受けることがなく、良好に商品2を撮
影することができる。このことを図21および図22を
参照して詳細に説明する。まず、図21(a)に示すよ
うに、カメラフード3を用いない場合には、照明装置7
5の電球79によって照明された撮影ボックス1内の明
るさと、この撮影ボックス1内の商品2から撮影ボック
ス1の外部に配置されたカメラ6までの間の明るさとが
異なり、これらの間に照度差が生じる。すなわち、図2
1(b)に示すように、撮影ボックス1内は明るいが、
撮影ボックス1の外部は明るさが極端に暗くなり、図2
1(a)に示すように、商品2の中心からカメラ6側に
向かって見た場合の照度の暗い部分が角度θだけ存在す
る。このため、図21(c)に示すように、商品2の正
面側に角度θ分の陰影(同図に斜線で示す部分)が生じ
ることになる。しかし、図22(a)および図22
(b)に示すように、カメラフード3を用いた場合に
は、照明装置75の電球79によって照明された撮影ボ
ックス1内の明るさと、カメラ6が設けられたカメラフ
ード3内の明るさとがほとんど変わらず、図22(c)
に示すように、これらの間に極端な照度差が生じない。
このため、図22(d)に示すように、商品2の正面側
に図21(c)に示した角度θ分の陰影が生じることが
ない。これにより、外部光の影響を受けず、鮮明で良好
な撮影画像を得ることができる。
【0040】また、この撮影装置では、カメラ6よりも
商品2側に照明装置75が配置され、この照明装置75
の複数の電球79によって商品2の正面側上方より照明
するので、商品2をほぼ均一に照明することができ、照
明むらが少なく、テカリなどの発生も少なく、より一
層、鮮明な撮影画像を得ることができる。この場合、複
数の電球79は、それぞれ発光部としてインバータ付き
の蛍光管を使用しているので、輝度むらが発生せず、こ
れによっても良好な撮影画像を得ることができる。ま
た、撮影ボックス1の上面1dにおける鏡部材80と背
面1eとの間に設けられた開口部84から撮影ボックス
1内に外部光を取り込んで商品2の背面を照明すること
ができるので、撮影時に商品2の影などができず、これ
によっても良好な撮影画像を得ることができる。また、
カメラフード3の下部にシート部材9を設け、このシー
ト部材9により撮影ボックス1の正面1aにおける下部
の隙間8bを隠すとともに照明装置75からの光を撮影
ボックス1内に反射することにより、商品2からカメラ
6を見たときに隙間8bによって発生する撮影ボックス
1内の照度差を無くすことができ、これによっても鮮明
で良好な撮影画像を得ることができる。なお、照明装置
75による撮影ボックス1内の熱は、外部光を取り込む
ための開口部84およびカメラフード3の上部側の隙間
8aから撮影ボックス1の外部に排出されるので、撮影
ボックス1内に熱がこもることがない。
【0041】さらに、この撮影装置では、照明装置75
の照明蓋76がヒンジ部78により回動自在に取り付け
られているので、電球79を交換する際、ヒンジ部78
を中心に照明蓋76を図2に点線で示すように撮影ボッ
クス1の正面1a側に向けてほぼ180度開くことによ
り、容易に交換することができるとともに、この状態で
ヒンジ部78から照明蓋76を取り外すことができ、容
易に修理などを行うことができる。同様に、鏡部材80
においても、その支持板81がヒンジ部83により回動
可能に取り付けられているので、ヒンジ部83を中心に
支持板81を図2に点線で示すように撮影ボックス1の
背面1e側に向けてほぼ180度開くことにより、鏡8
2の汚れを容易に拭き取ることができるとともに、この
状態でヒンジ部83から支持板81を取り外して、修理
や交換を行うこともできる。
【0042】また、この撮影装置では、カメラ6が傾き
調整板41上にカメラ取付部材43および装着部材46
により着脱可能に取り付けられた構成になっているの
で、カメラ本体6aに装着された装着部材46の2つの
着脱金具48、49のうち、一方の着脱金具48をカメ
ラ取付部材43から取り外し、カメラ本体6aを90度
回動させて、他の着脱金具49をカメラ取付部材43に
取り付けることにより、横長の撮影画像と縦長の撮影画
像とを簡単に切り換えることができる。また、この撮影
装置では、撮影ボックス1内に配置された昇降台51に
保持部材69を設け、この保持部材69の保持アーム7
0にクリップ72を設けたので、このクリップ72によ
り背景紙68を取り付けることにより、この背景紙68
で昇降台51および保持部材69を覆い隠すことがで
き、このため商品2を撮影する際、昇降台51および保
持部材69が写らないように撮影することができる。こ
の場合、クリップ72は保持アーム70に一体的に設け
られているので、クリップ72を紛失することがなく、
しかもクリップ72は、板ばね部72aのばね力に抗し
て操作部72bを押圧操作することにより、背景紙68
を容易に挾んで取り付けることができるので、背景紙6
8を簡単に交換して商品2と調和するものに代えること
ができる。
【0043】さらに、この撮影装置では、撮影ボックス
1内に配置された昇降台51を取り出すことにより、よ
り大きな商品2を撮影ボックス1内に配置して撮影する
ことができる。この場合には、撮影ボックス1の背面1
eに設けられた上部のガイドレール85にクリップ88
が設けられているので、このクリップ88により背景紙
68を取り付けることにより、この背景紙68で撮影ボ
ックス1内における背面1eおよび底面を覆い隠すこと
ができ、このため商品2を撮影する際、撮影ボックス1
内における背面1eおよび底面が写らないように撮影す
ることができる。この場合にも、クリップ88はガイド
レール85に一体的に設けられているので、紛失するこ
とがなく、上記と同様、背景紙68を簡単に交換して商
品2と調和するものに代えることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、撮影ボックス内に被写体を配置し、この被
写体を撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮影装
置において、カメラを被写体に対して移動させる移動手
段を備えているので、被写体を撮影する際、その撮影方
向に応じてカメラを移動手段によって移動させることに
より、カメラを被写体に対する所定位置に設置すること
ができ、このため被写体の撮影方向が変わる度に、従来
のように三脚と共にカメラを設置する必要がなく、被写
体に対するカメラの設置作業が簡単で容易にできる。ま
た、請求項2記載の発明によれば、撮影ボックス内に被
写体を配置し、この被写体を撮影ボックスの外部からカ
メラで撮影する撮影装置において、撮影ボックスに撮影
フードを設け、この撮影フードにカメラを取り付けたの
で、撮影ボックスを設置することによりカメラをも同時
に設置することができ、このため被写体に対するカメラ
の設置作業が簡単で容易にできるとともに、撮影フード
によって外部光の影響を受けないようにすることもでき
る。
【0045】さらに、請求項3記載の発明によれば、撮
影ボックス内に被写体を配置し、この被写体を撮影ボッ
クスの外部からカメラで撮影する撮影装置において、カ
メラを被写体に対して移動させる移動手段を備え、この
移動手段は、撮影ボックスに上下方向に回動可能に取り
付けられた撮影フードにカメラを取り付け、この撮影フ
ードを回動させてカメラを被写体に対して移動させるの
で、請求項2記載の発明と同様、撮影ボックスを設置す
ることによりカメラをも同時に設置することができると
ともに、撮影フードによって外部光の影響を受けないよ
うにすることもでき、また請求項1記載の発明と同様、
被写体を撮影する際、その撮影方向に応じてカメラを移
動手段によって移動させて所定位置に設置することがで
き、より一層、被写体に対するカメラの設置作業が簡単
で容易にでき、良好に撮影ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の撮影装置のシステム全体の一実施形
態を示した斜視図。
【図2】図1の撮影装置の断面図。
【図3】図1の撮影装置を左側から見た斜視図。
【図4】図1のフード駆動部の内部構造を示した拡大断
面図。
【図5】図4の減速機構付きモータユニットの一部破断
した拡大斜視図。
【図6】図3のベルトダンパ機構の要部を示し、(a)
はカメラフードに取り付けられた回動軸に回動アームを
取り付けた要部の斜視図、(b)はばねベルトおよび巻
取リールを示した斜視図。
【図7】図3のベルトダンパ機構の動作状態を示し、
(a)はカメラで商品の正面を撮影するときの回動アー
ムおよびばねベルトの動作状態を示した概略側面図、
(b)はカメラで商品の上面を撮影するときの回動アー
ムおよびばねベルトの動作状態を示した概略側面図、
(c)はカメラで商品を斜め上方から撮影するときの回
動アームおよびばねベルトの動作状態を示した概略側面
図。
【図8】図2におけるカメラフードのカメラ搭載部にカ
メラを搭載した状態を示した要部の拡大断面図。
【図9】図8を左側から見た一部破断した図。
【図10】図8および図9のカメラ取付部材と装着部材
の着脱金具との着脱構造を説明するための要部の拡大
図。
【図11】図1および図2の昇降台の拡大斜視図。
【図12】図11の昇降台から保持部材を取り外した状
態を示し、(a)はその側面図、(b)は(a)のA−
A断面図。
【図13】図12の駆動機構部を示し、(a)はその一
部省略した拡大断面図、(b)はそのモータの出力軸に
連結されたねじ軸とリンク機構部の第1、第2連結軸と
の関係を示した斜視図。
【図14】図11の保持部材のクリップを示した拡大断
面図。
【図15】図1の撮影ボックスの背面側を示した斜視
図。
【図16】図1の撮影ボックスの手前側の側面の開閉蓋
を開いた状態における要部の拡大斜視図。
【図17】図1の撮影装置のシステム全体の回路構成を
示したブロック図。
【図18】図2においてカメラで商品の正面を撮影する
状態を示した断面図。
【図19】図2においてカメラで商品の上面を撮影する
状態を示した断面図。
【図20】図2においてカメラで商品を斜め上方から撮
影する状態を示した断面図。
【図21】図1のカメラフードを用いない場合の撮影ボ
ックスの内部と外部との照度差の関係を示し、(a)は
その照度差の関係を概念的に示した平面図、(b)は撮
影ボックス内とカメラ側の外部との明るさの度合いを示
した図、(c)は(a)の状態において商品に生じる陰
影を示した図。
【図22】図1に示すようにカメラフードを用いた場合
の撮影ボックス内とカメラフード内との照度差の関係を
示し、(a)はその照度差の関係を概念的に示した平面
図、(b)はその側面図、(c)は撮影ボックス内とカ
メラフード内との明るさの度合いを示した図、(d)は
(a)の状態において商品に陰影が生じない状態を示し
た図。
【符号の説明】
1 撮影ボックス 2 商品 3 カメラフード 4、5 回動軸 6 カメラ 7 カメラ搭載部 10 フード駆動部 11 ベルトダンパ機構 25 非常停止釦 30 チルト機構 51 昇降台 68 背景紙 69 保持部材 72、88 クリップ 75 照明装置 79a 電球 80 鏡部材 82 鏡 84 開口部 94〜96 位置合わせマーク 110 CPU

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影ボックス内に被写体を配置し、この被
    写体を前記撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮
    影装置において、 前記カメラを前記被写体に対して移動させる移動手段を
    備えたことを特徴する撮影装置。
  2. 【請求項2】撮影ボックス内に被写体を配置し、この被
    写体を前記撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮
    影装置において、 前記撮影ボックスに撮影フードを設け、この撮影フード
    に前記カメラを取り付けたことを特徴する撮影装置。
  3. 【請求項3】撮影ボックス内に被写体を配置し、この被
    写体を前記撮影ボックスの外部からカメラで撮影する撮
    影装置において、 前記カメラを前記被写体に対して移動させる移動手段を
    備え、 この移動手段は、前記撮影ボックスに上下方向に回動可
    能に取り付けられた撮影フードに前記カメラを取り付
    け、この撮影フードを回動させて前記カメラを前記被写
    体に対して移動させることを特徴する撮影装置。
  4. 【請求項4】前記撮影フードには、前記カメラを前記被
    写体に対して傾けるチルト機構が設けられていることを
    特徴する請求項3記載の撮影装置。
  5. 【請求項5】前記撮影フードを上下方向に回動させる前
    記移動手段と前記カメラを傾ける前記チルト機構とをそ
    れぞれ別々に制御する制御手段を備えていることを特徴
    する請求項4記載の撮影装置。
  6. 【請求項6】前記撮影フードを任意の位置に保持させる
    ベルトダンパ機構を備えていることを特徴する請求項3
    〜5のいずれか記載の撮影装置。
  7. 【請求項7】前記撮影フードの動作をその動作中に緊急
    停止させる非常停止操作部を備えていることを特徴する
    請求項3〜6のいずれか記載の撮影装置。
  8. 【請求項8】前記撮影ボックス内には、前記被写体を載
    置して上下方向に昇降させる昇降台が設けられているこ
    とを特徴する請求項1〜7のいずれか記載の撮影装置。
  9. 【請求項9】前記撮影ボックスには、前記被写体の上面
    の画像を前記カメラに向けて反射する鏡が設けられてい
    ることを特徴する請求項1〜8のいずれか記載の撮影装
    置。
  10. 【請求項10】前記鏡は、前記撮影ボックスの外部に開
    放されることを特徴する請求項9記載の撮影装置。
  11. 【請求項11】前記撮影ボックスには、前記被写体を正
    面側上方より照明する照明装置が設けられていることを
    特徴する請求項1〜10のいずれか記載の撮影装置。
  12. 【請求項12】前記照明装置は、前記撮影ボックスの外
    部に開放されることを特徴する請求項11記載の撮影装
    置。
  13. 【請求項13】前記照明装置は、複数の電球を備えてい
    ることを特徴する請求項11または12記載の撮影装
    置。
  14. 【請求項14】前記被写体の背景となるシート部材を保
    持する保持部材を備えていることを特徴する請求項1〜
    13のいずれか記載の撮影装置。
  15. 【請求項15】前記保持部材は、前記昇降台に設けられ
    ていることを特徴する請求項14記載の撮影装置。
  16. 【請求項16】前記保持部材は、前記撮影ボックスに設
    けられていることを特徴する請求項14記載の撮影装
    置。
  17. 【請求項17】前記撮影ボックスには、前記被写体の背
    面側に外部光を取り込むための開口部が設けられている
    ことを特徴する請求項1〜16のいずれか記載の撮影装
    置。
  18. 【請求項18】前記撮影ボックスには、前記被写体の設
    置位置を示す位置合わせマークが設けられていることを
    特徴する請求項1〜17のいずれか記載の撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180082818A (ko) * 2017-01-11 2018-07-19 한창엽 다관절 카메라부가 구비된 촬영 장치

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