JP3567682B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットに接続可能なファクシミリ(「FAX」と略記する。)装置に関し、特に、FAX番号とE−mail(電子メール)アドレスとを同一送信先として登録することができるファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ファクシミリ装置は全世界的に普及し、海外とのFAX通信が容易になりつつある。一方、海外との遠距離通信は、通信費が高くなるという問題点があり、この問題点を解決するために、インターネットに接続して通信が可能なファクシミリ装置が開発されている。インターネットを利用したファクシミリ装置は、固定費用以外の通信費が不要となり、海外との通信において大幅な通信費の削減が可能となる。
【0003】
従来のファクシミリ装置においては、送信時にエラーまたは通話中が指定回以上続いた場合、その送信を中断しエラーレポート等をプリントアウトしていた。
【0004】
また、ファクシミリ装置に関する先行技術として、特開平6−90253号公報に開示された発明がある。特開平6−90253号公報に開示された発明は、送信先の通信制御装置が受信できない場合または通話中であった場合に、予め登録しておいた違うアドレスに送信を行なう通信制御装置に関するものである。
【0005】
さらに、特開平8−139815号公報に開示された発明は、受信側のファクシミリ装置が用紙切れ等で受信できない場合に、受信側のファクシミリ装置は登録されている転送先FAX番号と転送依頼指示を構内電話交換機に送信し、転送先のファクシミリ装置に転送するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のファクシミリ装置において説明したように、送信時にエラーまたは通話中が指定回以上続いた場合、その送信を中断しエラーレポート等をプリントアウトしていたので、送信者は送信が成功したか否かを常に注意していなければならない。
【0007】
また、特開平6−90253号公報に開示された発明を、インターネットに接続可能なファクシミリ装置に応用した場合、送信先の通信制御装置が受信できない場合または通話中である場合に、予め登録しておいたE−mailアドレスに送信するファクシミリ装置が想定できる。しかし、E−mailアドレスのホスト名、あるいはユーザ名が間違って登録されていた場合でもメールサーバとの通信が正常に終了することがある。したがって、送信したい相手に確実に送信することが不可能である。
【0008】
さらには、インターネットに接続可能なファクシミリ装置に特開平8−139815号公報に開示された発明を応用した場合、受信側のファクシミリ装置に転送先のE−mailアドレスが登録されているファクシミリ装置を想定することができる。しかし、送信側のファクシミリ装置と受信側のファクシミリ装置の回線が接続されなければ、受信側のファクシミリ装置は処理を行なえない。したがって、ファクシミリ装置が指定回リダイアルを行なっても送信先のファクシミリ装置が通話中であった場合に、送信を中断し、再度送信を行なわなければいけないという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、請求項1〜2に記載の発明の目的は、FAX番号に送信できない場合にインターネットを介してE−mailアドレスに送信することが可能であり、受信側のファクシミリ装置が受信したか否かを確実に判定することが可能なファクシミリ装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のファクシミリ装置は、原稿のイメージを読取るための読取手段と、FAX番号とE−mailアドレスとを同一送信先として登録するための登録手段と、インターネットと公衆回線とに接続され、読取手段によって読取られたイメージデータを送信し、かつインターネットと公衆回線とからデータを受信するための通信手段と、読取手段によって読取られたイメージデータを通信手段によって送信する際、登録手段に登録されたFAX番号に送信できない場合はインターネットを介して登録手段に登録されたE−mailアドレスにイメージデータを送信させ、インターネットから所定の情報を所定の時間内に受信しない場合に通信手段に再度イメージデータの送信を行なわせるための送信制御手段と、通信手段によって受信されたデータをプリントアウトするためのプリント手段とを含む。
【0011】
送信制御手段は、登録手段に登録されたFAX番号に送信できない場合はインターネットを介して登録手段に登録されたE−mailアドレスにイメージデータを送信させ、インターネットから所定の情報を所定の時間内に受信しない場合に通信手段に再度イメージデータの送信を行なわせる。したがって、受信側のファクシミリ装置がデータを受信したか否かを確実に判定することができ、受信側のファクシミリ装置が受信していない場合は再度送信することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載のファクシミリ装置は、請求項1記載のファクシミリ装置であって、登録手段は、登録されたFAX番号の中で最後のFAX番号の次にE−mailアドレスを登録し、送信制御手段は読取手段によって読取られたイメージデータを通信手段によって送信する際、登録手段に登録されたすべてのFAX番号に送信できない場合はインターネットを介して登録手段に登録されたE−mailアドレスにイメージデータを送信させ、インターネットから所定の情報を所定の時間内に受信しない場合に通信手段に再度イメージデータの送信を行なわせる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の外観を示す図である。ファクシミリ装置は、読取るための原稿を1枚ずつ読取部に搬送するための原稿給紙トレイ1、読取った原稿を排紙するための原稿排紙トレイ2、受信したデータをプリントアウトした記録紙を排紙するための記録紙排紙トレイ3、受信したデータをプリントアウトするための用紙を供給するための記録紙供給トレイ4、およびファクシミリ装置を操作するための操作パネル5を含む。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の接続方法を説明するための図である。A社に設置された本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置20は、インターネットを介してB社に設置されたE−mailアドレス“***@b.co.jp”を有するファクシミリ装置21に接続される。また、A社に設置されたファクシミリ装置20は、公衆回線を介してもB社に設置されたファクシミリ装置21に接続される。
【0015】
さらに、A社に設置されたファクシミリ装置20は、公衆回線を介してB社に設置されたインターネットをサポートしないファクシミリ装置22にも接続される。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。ファクシミリ装置は、ファクシミリ装置の操作を行なうための操作パネル5、ファクシミリ装置全体の制御を行なうための中央制御部31、原稿のイメージを読取るための読取部32、操作パネル5に設けられたワンタッチダイアルキーにFAX番号とE−mailアドレスとを登録するための送信先登録部33、制御プログラムや受信したデータ等を記憶するためのメモリ部34、記録紙に受信したイメージデータをプリントアウトするためのプリント部35、およびインターネットと公衆回線とに接続されデータの送受信を行なうための通信制御部36を含む。
【0017】
図4は、操作パネル5の上面図である。操作パネル5は、FAX番号やE−mailアドレスの登録等のために使用されるテンキー51、FAX番号とE−mailアドレスとが登録されているワンタッチダイアルキー52、使用者にメッセージ等を表示する表示部53、ワンタッチダイアルキー52への登録等に使用されるSetキー54、および表示部53に表示されたメッセージに応答するためのYesキー55を含む。
【0018】
図5は、読取部32の概略構成を示す図である。読取部32は、原稿11がセットされる原稿給紙トレイ1、原稿給紙トレイ1にセットされた原稿を1枚ずつ搬送するための給紙ローラ12、搬送された原稿のイメージを読取るためのイメージセンサ13、イメージセンサ13が原稿のイメージを読取る際に原稿を移動するための読取ローラ14、読取った後の原稿を搬送するための搬送ローラ15、読取った後の原稿を排紙するための排紙ローラ21、および読取ったあとの原稿が排紙される原稿排紙トレイ2を含む。
【0019】
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置のワンタッチダイアルキー52への登録の処理手順を説明する。まず、操作者がSetキー54を押すと(S10)、操作パネル5上の表示部53にワンタッチダイアルキーを登録するか否かのメッセージが表示される。操作者が、Yesキー55を押さなければ(S11,No)、ワンタッチダイアルキー52の登録を終了する。
【0020】
また、操作者が、Yesキー55を押すと(S11,Yes)、登録するワンタッチダイアルキー52を押すようメッセージが表示される。操作者は、登録したいワンタッチダイアルキー52を押し(S12)、登録を開始する。たとえば、01番のワンタッチダイアルキー52に登録する場合、01番のワンタッチダイアルキー52を押すと、表示部53に登録する送信先名を入力するようメッセージが表示される。操作者は、ワンタッチダイアルキー53に割当てられているアルファベットを用いて、送信先名を入力する(S13)。ここでは、送信先としてB社を選択するものとする。
【0021】
操作者は、送信先名を入力した後、再度Setキー54を押すことにより(S14)、表示部53に送信先名入力が終了したか否かのメッセージが表示される。送信先名の入力が終了していない場合(S15,No)、ステップS13へ戻り送信先名の入力処理を繰返す。また、送信先名の入力が終了した場合には、操作者によってYesキー55が押される(S15,Yes)。
【0022】
次に、nに0を代入し(S16)、nにn+1を代入する(S17)。操作者は、送信先のFAX番号またはE−mailアドレスを操作パネル5上のテンキー51を使用して入力し、Setキー54を押下する(S18)。たとえば、FAX番号「B1局」を入力し、Setキー54を押すことによって、ワンタッチダイアルキー53の01番の1番目に“01−1”として登録される。そして、表示部53にまだ登録すべきFAX番号があるか否かのメッセージを表示する。登録すべきFAX番号がまだある場合(S20,Yes)、ステップS17へ戻り以上の処理を繰返す。
【0023】
たとえば、図2に示すB社に送信を行なうのであれば、ファクシミリ装置22の「B2局」をワンタッチダイアルキー52の“01−2”に登録する。また、ファクシミリ装置21はインターネットにも接続されているので、そのE−mailアドレス“***@b.co.jp”をワンタッチダイアルキー52の“01−3”に登録する。登録すべきFAX番号の入力が終了した場合(S20,No)、ワンタッチダイアルキー52の登録を終了する。以上の処理で登録される送信先名、FAX番号、およびE−mailアドレスは送信先登録部33に登録される。
【0024】
図7は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の送信における処理手順を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置の原稿給紙トレイ1に原稿11をセットする(S30)。そして、操作者は送信先が登録されているワンタッチキー52の“X”を押す(S31)。たとえば、図2に示すB社に送信する場合であれば、ワンタッチダイアルキー52の01番のキーを押す。
【0025】
原稿11は、読取部32によってそのイメージが読取られ、中央制御部31によってメモリ部34にイメージデータが記憶される(S32)。
【0026】
次に、nに0を代入し(S33)、nにn+1を代入する(S34)。ワンタッチダイアルキー52の“x−n”にFAX番号またはE−mailアドレスが登録されているか否かを判定する(S35)。ワンタッチダイアルキー52の“x−n”にFAX番号またはE−mailアドレスのいずれも登録されていない場合(S35,No)、表示部53にメッセージを表示する等して送信者にエラーを通知し(S36)、ステップS43へ進む。
【0027】
また、ワンタッチダイアルキー52の“x−n”にFAX番号あるいはE−mailアドレスが登録されている場合(S35,Yes)、mに0を代入し(S37)、“x−n”がE−mailアドレスであるか否かを判定する(S38)。
【0028】
“x−n”がE−mailアドレスでない場合(S38,No)、通信制御部36によってFAX番号である“x−n”にダイヤリングし、送信先を呼出す(S39)。たとえば、X=1、n=1であればB社のファクシミリ装置21の「B1局」にダイアリングされる。そして、mにm+1を代入する(S40)。
【0029】
送信先のファクシミリ装置が通話中あるいはエラー等で送信が不可能であって、mが所定値Mより小さい場合(S41,No)、ステップS39へ戻り処理を繰返す。
【0030】
また、送信が不可能であってかつmがMと等しい場合、あるいは送信先のファクシミリ装置と通信が可能である場合(S41,Yes)、送信先のファクシミリ装置に送信が可能であるか否か判定する(S42)。
【0031】
送信先のファクシミリ装置に送信が不可能である場合(S42,No)、ステップS34へ戻り以下の処理を繰返す。また、送信先のファクシミリ装置に送信が可能である場合(S42,Yes)、ステップS43へ進みメモリ部34に格納されたイメージデータを送信する。
【0032】
ステップS38において、“x−n”がE−mailアドレスである場合(S38,Yes)、メモリ部34に格納されているイメージデータをE−mailの形式にフォーマット変換し(S45)、送信するE−mailのヘッダに“Return−Receipt−To:”を付加してインターネットに送出する(S46)。このように、E−mailのヘッダに“Return−Receipt−To:”を付加して送信することにより、相手側のファクシミリ装置がメールサーバからE−mailを受信したときにメールサーバからレシートが送られてくる。したがって、受信側のファクシミリ装置がE−mailを受信したことを確認することが可能となる。
【0033】
次に、所定の時間が経過したか否かを判定し(S47)、所定の時間が経過した場合(S47,Yes)、ステップS33へ戻り、以上の処理を繰返す。また、所定の時間が経過していない場合(S47,No)、インターネット上のメールサーバからエラーの通知があるか否かを判定する(S48)。メールサーバからエラーの通知があった場合(S48,Yes)、送信が完了しなかったことを示すレポートを作成して出力し(S50)、メモリ部34を開放して(S51)、処理を終了する。
【0034】
たとえば、ワンタッチダイアルキー53に登録されているE−mailアドレスが間違っている場合、メールサーバから“Returned mail:Host unknown”または“Returned mail:User unknown”等のレシートが送信されてくることがある。その場合には、ステップS50においてワンタッチダイアルキー53の登録が間違いであることを示すレポートを作成し出力する。
【0035】
ステップS48において、メールサーバからエラーの通知がない場合(S48,No)、メールサーバから送信終了レシートが受信されたか否かを判定する(S49)。メールサーバから送信終了レシートが受信されない場合(S49,No)、ステップS47へ戻り以上の処理を繰返す。また、メールサーバから送信終了レシートがあった場合(S49,Yes)、送信が正常に終了したとしてメモリ部34を開放し送信を終了する(S44)。
【0036】
図8は、ワンタッチダイアルキー53にFAX番号の登録を追加する場合の一例を示す図である。図8の左側に示すように、“01−1”〜“01−4”がワンタッチダイアルキー01に登録されている場合に、FAX番号“03−3***−1237”を追加すると、図8の右側に示すようにE−mailアドレス“***@b.co.jp.”の上に登録され、このE−mailアドレスは“01−5”に再登録される。
【0037】
このように、E−mailアドレスが一番優先順位が低くなるように登録され、インターネットを介してのE−mailの送信を最終手段として扱っている。インターネットを介したE−mailの送信の優先順位を高くしないのは、E−mailが不特定のサーバを経由して送信されるため、着信の時間が予測できないことによるものである。
【0038】
最終手段としてのE−mailの送信が完了しなかった場合には、送信ができなかった旨を送信者にエラーレポートして通知したり、またはスピーカから送信が完了しなかった旨の音を出力して知らせることも可能である。
【0039】
以上説明したように、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置は、FAX番号に送信ができなかった場合におけるE−mailの送信において、受信側のファクシミリ装置に送信できたか否かを確実に知ることが可能となり、操作性に優れたファクシミリ装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の接続方法を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の操作パネルの上面図である。
【図5】本発明の実施の形態における読取部32の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置のワンタッチダイアルキーの登録における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の送信時における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置のワンタッチダイアルキーの登録内容を追加する場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 原稿給紙トレイ
2 原稿排紙トレイ
3 記録紙排紙トレイ
4 記録紙給紙トレイ
5 操作パネル
31 中央制御部
32 読取部
33 送信先登録部
34 メモリ部
35 プリント部
36 通信制御部
51 テンキー
52 ワンタッチダイアルキー
53 Setキー
54 Yesキー

Claims (2)

  1. 原稿のイメージを読取るための読取手段と、
    FAX番号とE−mailアドレスとを同一送信先として登録するための登録手段と、
    インターネットと公衆回線とに接続され、前記読取手段によって読取られたイメージデータを送信し、かつ前記インターネットと公衆回線とからデータを受信するための通信手段と、
    前記読取手段によって読取られたイメージデータを前記通信手段によって送信する際、前記登録手段に登録されたFAX番号に送信できない場合は前記インターネットを介して前記登録手段に登録されたE−mailアドレスにイメージデータを送信させ、
    前記インターネットから所定の情報を所定の時間内に受信しない場合に前記通信手段に再度イメージデータの送信を行なわせるための送信制御手段と、
    前記通信手段によって受信されたデータをプリントアウトするためのプリント手段とを含むファクシミリ装置。
  2. 前記登録手段は、登録されたFAX番号の中で最後のFAX番号の次にE−mailアドレスを登録し、
    前記送信制御手段は、前記読取手段によって読取られたイメージデータを前記通信手段によって送信する際、前記登録手段に登録されたすべてのFAX番号に送信できない場合は前記インターネットを介して前記登録手段に登録されたE−mailアドレスにイメージデータを送信させ、
    前記インターネットから所定の情報を所定の時間内に受信しない場合に前記通信手段に再度イメージデータの送信を行なわせる、請求項1記載のファクシミリ装置。
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