JP3567471B2 - 姿勢制御センサの取付装置 - Google Patents

姿勢制御センサの取付装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はトラクタに於ける姿勢制御センサの取付装置に関するものであり、特に、ドラフトセンサとローリングセンサの取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は作業機を連結したトラクタ1を示し、該トラクタ1の後部に3点リンク式の作業機連結装置2を介してロータリ3が取り付けられている。トラクタ1の運転席近傍にポジションレバー4、耕深設定ダイヤル5、傾斜調整ダイヤル6等を設けて、前記ロータリ3の耕深量及び左右の傾斜量を設定する。また、トラクタ1の機体にスロープセンサ7を装着して機体のローリング角を検出し、作業機連結装置2にストローク式のローリングセンサ8を介装してロータリ3のローリング角を検出する。更に、該作業機連結装置2にリフトアームセンサ9を設けるとともに、ロータリ3にデプスセンサ10を設けてロータリ3の耕深量を検出する。
【0003】
一方、図示は省略するが、前記作業機連結装置2にプラウを装着する場合もあり、トップリンクブラケットの近傍にドラフトセンサを設け、プラウの耕起抵抗力によってトップリンクが前方へ押圧される量を検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、ストローク式のローリングセンサによってローリング制御を行っているため、コスト高になっている。また、ドラフト制御に於いては、トップリンクの押動が僅かであるため、リンクのがた等によってセンサの検出値に誤差が生じることがある。更に、各センサ及びリンクの配置によっては、相互に干渉する場合があった。
【0005】
そこで、姿勢制御センサの検出値に誤差が生じないようにするとともに、リンクの干渉を防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、3点リンク式の作業機連結装置を備えたトラクタに於いて、左右リフトアームを有する油圧シリンダケースの一側部にブラケットを固設し、該ブラケットにスロープセンサとドラフトセンサを固設するとともに、該ブラケットの後部をリフトアーム回動軸近傍まで延設し、この延設部に前記リフトアームの回動角を検出するリフトアームセンサを装着し、更に、前記油圧シリンダケースの他側面にもブラケットを固設し、該ブラケットに、回転式ポテンショメータ形のローリングセンサを配設し、一方、前記リフトアーム回動軸の一端部に一方のロアーリンク検出アームを固着し、該リフトアーム回動軸の他端部に他方のロアーリンク検出アームを固着したボスを枢着し、該ボスの外側にカラーを遊嵌して該リフトアーム回動軸他端に装着するとともに、前記ボス外周面にカム溝を穿設し、該カム溝に前記カラーの内周面に突設したピンを遊嵌させて左右のロアーリンク回転差を前記カラーの水平方向の動きに変え、更に、前記カラー外周にガイド溝を穿設し、該ガイド溝に前記ブラケット上に設けられた支持部に枢着されたベルクランクアームの一端部に突設したピンを遊嵌し、且つ、該ベルクランクアームの他端部には係止溝が設けられており、該係止溝に前記ローリングセンサのセンサアームに突設したピンを係合して、前記左右のロアーリンク回転差を検出するように構成されたことを特徴とする姿勢制御センサの取付装置を提供するものである。
【0007】
【作用】
本発明は油圧シリンダケースの一側部にブラケットを固設し、該ブラケットにスロープセンサとドラフトセンサを固設するとともに、該ブラケットの後部をリフトアーム回動軸近傍まで延設し、この延設部に前記リフトアームの回動角を検出するリフトアームセンサを装着する一方、前記油圧シリンダケースの他側面にもブラケットを固設し、該ブラケットに、回転式ポテンショメータ形のローリングセンサを配設しているので、前記スロープセンサ、ドラフトセンサ及びリフトアームと前記ローリングセンサとは前記油圧シリンダの両側に振り分けられて配設される。斯くして、部品の配列が容易になるとともに全体の構成がコンパクトになり、双方のセンサ及びリンクが干渉し合うことがない。
更に、本発明は、前記リフトアーム回動軸の一端部に一方のロアーリンク検出アームを固着し、該リフトアーム回動軸の他端部に他方のロアーリンク検出アームを固着したボスを枢着し、該ボスの外側にカラーを遊嵌して該リフトアーム回動軸他端に装着するとともに、前記ボス外周面にカム溝を穿設し該カム溝に前記カラーの内周面に突設したピンを遊嵌させて左右のロアーリンク回転差を前記カラーの水平方向の動きに変え、更に、前記カラー外周にガイド溝を穿設し、一方前記ブラケット上の支持部に枢着したベルクランクアームの一端にピンを突設して該ガイド溝に遊嵌し他端には係止溝を開穿し、該係止溝に係合するピンを突設したセンサアームを備えた回転式ポテンショメータ形のローリングセンサを配設して、左右のロアーリンク回転差を検出する姿勢制御センサの取付装置であるので、左右のロアーリンクに連結されたアームの回動差を検出することにより、左右のロアーリンクの上下動を検出すること、即ち、左右のロアーリンク検出アームの回動角差を前記カラーの水平方向の動きに変え、この動きを前記ベルクランクアーム、センサアームを介して回転式ポテンショメータ形ローリングセンサによってロアーリンクの上下動の差として読み取ることにより、作業機のローリング制御を行うことができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に従って詳述する。図1はトラクタに於ける3点リンク式の作業機連結装置の油圧シリンダケース11を示したものであり、該油圧シリンダケース11の両側面後部(同図中下方が機体の後方とする)にリフトアーム12,13を枢着するとともに、左右のロアーリンク(図示せず)にアーム14,15を連結し、左右のロアーリンクの上下動を該アーム14,15にて検出するように形成する。また、油圧シリンダケース11の後面部に検出ロッド16の後端部16aを突設する。
【0009】
図2は前記油圧シリンダケース11の右側部を示し、該油圧シリンダケース11の後面部にトップリンクブラケット17を前後方向へ回動自在に枢着し、トップリンク18の前端部を連結する。図1も併せて参照すれば、油圧シリンダケース11の右側部にブラケット19を固設し、該ブラケット19にスロープセンサ20を装着する。また、該ブラケット19の上面部にプレート21を立設してドラフトセンサ22を配設するとともに、該ブラケット19の後面部に他のプレート21を固着してリフトアームセンサ24を装着する。前記ドラフトセンサ22及びリフトアームセンサ24は、夫々回転式ポテンショメータ形のセンサである。
【0010】
而して、該リフトアームセンサ24のセンサアーム24aをピン25を介して前記リフトアーム13の基部13aに連結し、二点鎖線で示すように、前記リフトアーム12,13が回動したときに、随時リフトアーム角を検出できるように形成する。
次に、図1乃至図3に従ってドラフトセンサ22のリンクの作動について説明する。プラウ作業に於いて、プラウの耕起抵抗力によりトップリンク18が前方へ押圧されたときは、トップリンクブラケット17が回動して検出ロッド16の後端部16aを押圧する。然るときは、図3の二点鎖線で示すように、油圧シリンダケース11内の検出ロッド16が前方へ移動し、検出ロッドの前端部16bに固着したJ字形のアーム26も一体に前方へ移動する。アーム26の前端にはピン27を突設してあり、回動アーム28の下端に開穿した溝28aに該アーム26のピン27を係止する。
【0011】
また、回動アーム28の軸29は油圧シリンダケース11から外側へ突出しており、該軸29にレバー30を固設してその先端部をセンサアーム31の溝31aに係止する。従って、前記検出ロッド16が前方へ押圧されたときは、図3の二点鎖線で示すように、軸29を中心に回動アーム28及びレバー30が同図中反時計方向へ回動し、レバー30の先端部によりセンサアーム31が回動されて、その回動量をドラフトセンサ22によって検出する。
【0012】
ここで、プラウの耕起抵抗力によるトップリンク18の動きは数mm程度であるが、前記軸29の中心から回動アーム28の先端までの長さと、軸29の中心からレバー30の先端までの長さとの比を大にしてあるため(本実施例では約3.3:1)、検出ロッド16の僅かな動きを増幅してセンサアーム31へ伝達でき、ドラフトセンサ22の誤動作を防止することができる。そして、トップリンク18が後方へ引き戻されたときは、コイルバネ32の付勢によって検出ロッド16は実線で示す位置へ復帰する。
【0013】
図4は油圧シリンダケース11の左側部を示し、図1及び図5も併せて参照すれば、該油圧シリンダケース11の左側部にブラケット19を固設し、該ブラケット19の上面部にプレート21を立設してローリングセンサ35を装着する。該ローリングセンサ35は回転式ポテンショメータ形のセンサであり、後述するように左右のアーム14,15の回動角度差を検出することによりロアーリンクの上下動の差を読み取り、作業機のローリング制御を行うものである。
【0014】
前記油圧シリンダケース11を貫通してシャフト36を枢着してあり、該シャフト36の一端部に右側のアーム15を固着するとともに、該シャフと36の他端部にボス37を枢着し、更に、ボス37の外側にカラー38を遊嵌してシャフト36の他端をカラー38に着する。また、該ボス37に左側のアーム14を固着する。図6に示すように、該ボス37の外周面にはカム溝39を穿設してあり、カラー38の内周面には前記カム溝39に遊嵌するピン40を突設してある。更に、カラー38の外側周縁部にはガイド溝41を穿設する。
【0015】
而して、図1及び図4乃至図7に於いて、前記ブラケット19に支持アーム42を立設してボス43を固設し、該ボス43にベルクランクアーム44のピン45を枢着する。ベルクランクアーム44の一端にピン46を突設し、該ピン46の先端を前記カラー38のガイド溝41へ遊挿するとともに、ベルクランクアーム44の他端に係止溝47を開穿する。また、ローリングセンサ35のセンサアーム48にピン49を突設し、該ピン49を前記ベルクランクアーム44の係止溝47へ係合する。
【0016】
次に、ローリングセンサ35のリンクの作動について説明する。左右のロアーリンクの上下動が一致している場合は、左右のアーム14,15の回動角も同一となり、右側のアーム15と一体に回動するシャフト36に固着したカラー38と、左側のアーム14に固着したボス37とは同一方向へ一体に回動する。いま、例えば右側のロアーリンクの上方への動きが左側のロアーリンクより大であるとすれば、前記右側のアーム15及びシャフト36の回動量が左側のアーム14より大になる。このため、ボス37の回動角とカラー38の回動角とに差異が生じ、図4及び図6に於いてボス37に相対してカラー38が反時計方向へ回動することになる。そして、ボス37のカム溝39に遊嵌されたピン40がカム溝39に沿って摺動し、該ピン40の摺動に伴ってカラー38が機体の内側方向へ移動する。
【0017】
従って、カラー38のガイド溝41に遊嵌したピン46が機体の内側方向へ押圧され、図7の二点鎖線で示すように、ベルクランクアーム44が同図中時計方向へ回動する。このため、係止溝47に係合したピン49が上方へ押し上げられ、センサアーム48が上方へ回動してその回動量をローリングセンサ35によって検出する。
【0018】
一方、右側のロアーリンクの上方への動きが左側のロアーリンクより小であるとすれば、前記右側のアーム15及びシャフト36の回動量が左側のアーム14より小になる。このため、前述とは逆にボス37に相対してカラー38が時計方向へ回動し、ボス37のカム溝39に遊嵌されたピン40がカム溝39に沿って摺動し、該ピン40の摺動に伴ってカラー38が機体の外側方向へ移動する。
【0019】
従って、カラー38のガイド溝41に遊嵌したピン46が機体の外側方向へ押圧され、図7の実線で示すように、ベルクランクアーム44が同図中反時計方向へ回動する。そして、係止溝47に係合したピン49が下方へ押し下げられ、センサアーム48が下方へ回動してその回動量をローリングセンサ35により検出する。斯くして、左右のロアーリンクの上下動の差を回転式ポテンショメータ形のローリングセンサ35にて検出することができ、従来のストローク形のセンサを使用したものと比較してコストダウンを図ることができる。
【0020】
図8はブラケット19を示し、正面部19aに取付孔50,50を開穿し、正面部19aの一側部を開放するとともに三方向を折り曲げて側面部19b,19c,19cを形成する。更に、側面部19bには取付孔51,51を開穿する。また、図9はプレート21を示し、正面部21aにセンサ及び他の部品を逃げるための切欠部52,53を設け、一方の切欠部52の両側に取付孔54,54を開穿する。更に、正面部21aの一側部を折り曲げて取付部21bを形成する。而して、各センサを共通したブラケット19またはプレート21へ取り付けることにより、部品の共用化を図ることができる。
【0021】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記一実施例に詳述したように、左右にリフトアームを配設した油圧シリンダケースの一側部にブラケットを固設し、該ブラケットにスロープセンサとドラフトセンサを固設し、更に、該ブラケットの後部をリフトアーム回動軸近傍まで延設し、この延設部に前記リフトアームの回動角を検出するリフトアームセンサを装着し、一方、前記油圧シリンダケースの他側面にもブラケットを固設し、該ブラケットに、回転式ポテンショメータ形のローリングセンサを配設しているため、前記スロープセンサ、ドラフトセンサ及びリフトアームと前記ローリングセンサとは前記油圧シリンダの両側に振り分けられて配設される。即ち、油圧シリンダの一側に配設されたスロープセンサ、ドラフトセンサ及びリフトアームセンサは該油圧シリンダの一側に固設したブラケット及び該ブラケットに延設したプレートに取付けられるため、部品を共用化することができ、更に、前記回転式ポテンショメータ形のローリングセンサは前述したように、該油圧シリンダの他側に配設されるので左右の各センサ及びリンクが相互に干渉し合うことがなくなる。
又、本発明は、前記リフトアーム回動軸の一端部に一方のロアーリンク検出アームを固着し、該リフトアーム回動軸の他端部に他方のロアーリンク検出アームを固着したボスを枢着し、該ボスの外側にカラーを遊嵌して該リフトアーム回動軸他端に装着するとともに、前記ボス外周面にカム溝を穿設し該カム溝に前記カラーの内周面に突設したピンを遊嵌させて左右のロアーリンク回転差を前記カラーの水平方向の動きに変え、更に、前記カラー外周にガイド溝を穿設し、一方前記ブラケット上の支持部に枢着したベルクランクアームの一端にピンを突設して該ガイド溝に遊嵌し他端には係止溝を開穿し、該係止溝に係合するピンを突設したセンサアームを備えた回転式ポテンショメータ形のローリングセンサを配設して、左右のロアーリンク回転差を検出する姿勢制御センサの取付装置であるので、左右のロアーリンクの上下動の差、即ち、左右のロアーリンク検出アームの回動角差を、前記カラーの水平方向の動きに変え、この動きを前記ベルクランクアーム、センサアームを介して回転式ポテンショメータ形ローリングセンサによってロアーリンクの上下動の差として検出することによって作業機のローリング制御を行うことができ、前記のとおりローリングセンサは回転式ポテンショメータ形のものを使用してロアーリンクの上下動差を検出することができるので、従来のストローク形のセンサを使用したものに比較してコストダウンを図ることができる。又、部品の配列が容易になるとともに全体の構成がコンパクトになる等、諸種の効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、3点リンク式の作業機連結装置の油圧シリンダケースの要部平面図。
【図2】油圧シリンダケースの右側面図。
【図3】ドラフトセンサのリンクの構成を示す解説図。
【図4】油圧シリンダケースの左側面図。
【図5】ローリングセンサのリンクの構成及びボス、カラーの内部構成を示す一部切欠平面図。
【図6】ボスのカム溝とカラーのピンを示す要部斜視図。
【図7】ローリングセンサのリンクの作動を示す解説図。
【図8】(a)はブラケットの正面図、(b)は同側面図。
【図9】(a)はプレートの正面図、(b)は同側面図。
【図10】作業機を連結した従来のトラクタの側面図。
【符号の説明】
16 検出ロッド
22 ドラフトセンサ
26 アーム
27 ピン
28 回動アーム
29 軸
30 レバー
31 センサアーム
35 ローリングセンサ
43 ボス
44 ベルクランクアーム
45,46 ピン
48 センサアーム
49 ピン

Claims (1)

  1. 3点リンク式の作業機連結装置を備えたトラクタに於いて、左右リフトアームを有する油圧シリンダケースの一側部にブラケットを固設し、該ブラケットにスロープセンサとドラフトセンサを固設するとともに、該ブラケットの後部をリフトアーム回動軸近傍まで延設し、この延設部に前記リフトアームの回動角を検出するリフトアームセンサを装着し、更に、前記油圧シリンダケースの他側面にもブラケットを固設し、該ブラケットに、回転式ポテンショメータ形のローリングセンサを配設し、一方、前記リフトアーム回動軸の一端部に一方のロアーリンク検出アームを固着し、該リフトアーム回動軸の他端部に他方のロアーリンク検出アームを固着したボスを枢着し、該ボスの外側にカラーを遊嵌して該リフトアーム回動軸他端に装着するとともに、前記ボス外周面にカム溝を穿設し、該カム溝に前記カラーの内周面に突設したピンを遊嵌させて左右のロアーリンク回転差を前記カラーの水平方向の動きに変え、更に、前記カラー外周にガイド溝を穿設し、該ガイド溝に前記ブラケット上に設けられた支持部に枢着されたベルクランクアームの一端部に突設したピンを遊嵌し、且つ、該ベルクランクアームの他端部には係止溝が設けられており、該係止溝に前記ローリングセンサのセンサアームに突設したピンを係合して、前記左右のロアーリンク回転差を検出するように構成されたことを特徴とする姿勢制御センサの取付装置。
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