JP3566932B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(Particulate Matter:粒子状物質)は、炭素質から成る煤と、高沸点炭化水素成分から成るSOF分(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)とを主成分とし、更に微量のサルフェート(ミスト状硫酸成分)を含んだ組成を成すものであるが、この種のパティキュレートの低減対策として、図5に示す如く、ディーゼルエンジン1からの排気ガス2が流通する排気管3の途中にパティキュレートフィルタ4を装備することが行われている。
【0003】
図6に示すように、パティキュレートフィルタ4は、コージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造となっており、格子状に区画された各流路5の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路5については、その出口が目封じされるようになっており、各流路5を区画する多孔質薄壁6を透過した排気ガス2のみが下流側へ排出され、排気ガス2中のパティキュレートが前記多孔質薄壁6の内側表面に捕集されるようにしてある。
【0004】
更に、近年においては、この種のパティキュレートフィルタ4にNOx吸蔵還元触媒を組み合わせて排気ガス2中のパティキュレートとNOxを同時に低減し得るようにしたDPNR(Diesel Particulate-NOx Reduction System)と称される排気浄化装置も開発されてきている。
【0005】
このDPNRと称される排気浄化装置は、図7〜図11に示す如く、排気ガス2中の酸素濃度が高い希薄燃焼運転時にNOxを酸化して硝酸塩の状態で一時的に吸蔵し且つ排気ガス2中の酸素濃度が低い濃空燃比運転時に排気ガス2中の炭化水素や一酸化炭素の介在によりNOxを分解放出して還元浄化する性質を備えたNOx吸蔵還元触媒(白金・バリウム・アルミナ触媒やイリジウム・白金・バリウム・アルミナ触媒等)を一体的に担持した二つのパティキュレートフィルタ4を、排気管3の軸心方向に対し略直角な向きに横臥させた並列状態としてケーシング7内に収容している。
【0006】
そして、このケーシング7の左右両側に形成した給排空間8,9に対し各パティキュレートフィルタ4の各流路5を夫々連通せしめ、排気ガス2をケーシング7の横方向(左右方向)に通過させてパティキュレートの捕集を行い得るようにしてある。
【0007】
又、各給排空間8,9は、上流側の排気管3に対して流路切替バルブ10を介し連絡パイプ11,12により夫々接続されており、前記流路切替バルブ10により各給排空間8,9の何れか一方に排気ガス2を導入して他方に回収し、その回収した排気ガス2を再び流路切替バルブ10を経由させて連絡パイプ13を介しケーシング7の前端部へ導入し、該ケーシング7内の上下部分に確保した排気通路14を通しケーシング7後端の後室15(消音スペース)へと導いて下流側の排気管3へ排出するようにしてある。
【0008】
尚、ここに図示している例においては、従来におけるマフラの配置場所に、該マフラに換えて、消音機能を兼ね備えた排気浄化装置として装備する場合を例示しており、下流側の排気管3としている部分が、従来におけるマフラのテールパイプに相当するものとなっている。
【0009】
而して、図9に示す如く、流路切替バルブ10を切り替えて排気管3の上流側から導かれた排気ガス2を連絡パイプ11を介し給排空間8に導入すると、該給排空間8から各パティキュレートフィルタ4へと排気ガス2が分配されて導入され、該排気ガス2が各パティキュレートフィルタ4を通過する間にパティキュレートを捕集されて浄化され、その浄化された排気ガス2が給排空間9へと排出されて連絡パイプ12を介し流路切替バルブ10に戻され、該流路切替バルブ10から連絡パイプ13を介しケーシング7内に導入されて、該ケーシング7内の上下の排気通路14を通し後室15へと導かれて排気管3の下流側へと排出される。
【0010】
又、排気ガス2中の酸素濃度が高い希薄燃焼運転時においては、排気ガス2が各パティキュレートフィルタ4を通過する間に、該パティキュレートフィルタ4に一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒によりNOxが酸化されて硝酸塩の状態で一時的に吸蔵され、排気ガス2中からNOxが除去されることになる。
【0011】
この時、NOxの吸蔵反応時に生成される反応性の高い活性酸素と、排気ガス2中に多く含まれている通常の酸素とにより、各パティキュレートフィルタ4に捕集されているパティキュレートの酸化反応が促進されて該パティキュレートの効率の良い連続的な燃焼除去が図られる。
【0012】
他方、例えば、排気ガス2中の酸素濃度が低い濃空燃比運転に瞬間的に切り替えると、排気ガス2中に未燃のまま残留した炭化水素や一酸化炭素等を還元剤としてNOx吸蔵還元触媒からNOxが分解放出されて直ちに還元浄化されることになる。
【0013】
この時、NOxの分解放出反応時に生成される活性酸素により、各パティキュレートフィルタ4に捕集されているパティキュレートの酸化反応が促進されて該パティキュレートの効率の良い連続的な燃焼除去が図られる。
【0014】
そして、図10に示す如く、必要に応じ流路切替バルブ10を切り替えて排気管3の上流側から導かれた排気ガス2を連絡パイプ12を介し給排空間9に導入すると、排気ガス2が先程とは逆向きに各パティキュレートフィルタ4を通過することになり、該各パティキュレートフィルタ4を通過した排気ガス2が給排空間8へと排出されて連絡パイプ11を介し流路切替バルブ10に戻され、該流路切替バルブ10から連絡パイプ13を介しケーシング7内に導入されて上下の排気通路14を通し後室15へと導かれて排気管3の下流側へと排出される。
【0015】
即ち、このように適宜に流路切替バルブ10を切り替えて排気ガス2の流れ方向を反転させるようにすれば、パティキュレートフィルタ4の各流路5を区画している多孔質薄壁6の裏側面を捕集面とした新たなパティキュレートの捕集が行われると共に、前記多孔質薄壁6の表側面における僅かな燃え残りが逆洗により除去されて良好な捕集面の再生化が図られる一方、各パティキュレートフィルタ4に一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒の利用効率の向上が図られ、パティキュレートの速やかな燃焼除去が図られることになるのである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来のDPNRと称される排気浄化装置においては、図示の如き略円柱形を成している各パティキュレートフィルタ4を、排気管3の軸心方向に対し略直角な向きに横臥させた並列状態としてケーシング7内に収容するようにしているため、図11にクロスハッチングを付して示す如く、各パティキュレートフィルタ4の周囲に余分なデッドスペースが発生して収容効率が低下し、全体容積が必要以上に大きくなって車両への搭載性が悪くなるという問題があった。
【0017】
ここで、この種のパティキュレートフィルタ4が一般的に略円柱形を成す理由につき補足説明しておくと、コージェライト等のセラミックから成る脆弱なパティキュレートフィルタ4をケーシング7内に安定して収容させるのに際しては、パティキュレートフィルタ4の周囲をクッション材と鉄板でしっかりと包んで車両の走行振動等により破損が生じないように考慮する必要があるが、円形以外の断面のものを無理にクッション材や鉄板で包もうとすると、その外周面にかかる面圧が不均一となって壊れ易くなってしまうので、クッション材や鉄板により十分な面圧で包んでも壊れ難い略円柱形を基本的な形状として採用しているのである。
【0018】
しかも、近年における厳しいパティキュレートの規制値をクリアし得るようにするためには、パティキュレートフィルタ4の捕集表面積を更に増大させて捕集能力の向上を図る必要があるが、単純に排気管3の軸心方向へ向けた並列配置を増設していくだけでは、前述したデッドスペースが益々嵩んで車両への搭載性が一層悪化してしまうことが懸念されている。
【0019】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、デッドスペースを減少させて全体容積を極力抑制し得るようにした車両への搭載性の良い排気浄化装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排気管の途中に装備されて該排気管の軸心方向と略平行な向きに排気ガスを通過させるように配置されたパティキュレートフィルタと、該パティキュレートフィルタの軸心方向における何れか一方の側に形成された第一の給排空間と、前記パティキュレートフィルタの軸心方向における他方の側に形成された第二の給排空間と、排気管の上流側から導いた排気ガスを適宜に流路を切り替えて第一及び第二の給排空間の何れか一方に選択的に導入し且つパティキュレートフィルタを通過して第一及び第二の給排空間の他方に排出された排気ガスを排気管の下流側へ導く流路切替手段とを備えた排気浄化装置であって、複数のパティキュレートフィルタを排気管の軸心方向と略平行な向きに直列に配置し、隣り合うパティキュレートフィルタの排気ガスの流れ方向が逆向きになるようにして相互間の第一又は第二の給排空間を共通化したことを特徴とするものである。
【0021】
従って、本発明では、例えば、排気管の上流側から導かれた排気ガスを流路切替手段を介し第一の給排空間に導入すると、該第一の給排空間からパティキュレートフィルタへと排気ガスが導入され、該排気ガスがパティキュレートフィルタを通過する間にパティキュレートを捕集されて浄化され、その浄化された排気ガスが第二の給排空間へと排出されて流路切替手段を介し排気管の下流側へと排出される。
【0022】
一方、パティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートは、高負荷運転時等における排気温度が高くなる運転領域にて自己燃焼して除去されるが、必要に応じて電気ヒータ等による強制加熱を行ったり、適宜に排気温度を上昇させる手段を講じたりすることで、より確実なパティキュレートの燃焼除去を図るようにしても良い。
【0023】
更に、流路切替手段により流路を切り替えて排気ガスを第二の給排空間に導入すると、排気ガスが先程とは逆向きにパティキュレートフィルタを通過することになり、パティキュレートフィルタの各流路を区画している多孔質薄壁の裏側面を捕集面とした新たなパティキュレートの捕集が行われると共に、前記多孔質薄壁の表側面における僅かな燃え残りが逆洗により除去されて良好な捕集面の再生化が図られることになる。
【0024】
そして、このように排気管の軸心方向と略平行な向きに排気ガスを通過させるようにパティキュレートフィルタを配置した形式によれば、一般的に略円柱形を成しているパティキュレートフィルタを、該パティキュレートフィルタと略同じ断面形状を有して排気管の軸心方向へ延びるようにしたケーシング内にデッドスペースを殆ど形成させずに効率良く収容させることが可能となり、全体容積を極力抑制することが可能となる。
【0025】
更に、本発明においては、複数のパティキュレートフィルタを排気管の軸心方向と略平行な向きに直列に配置し、隣り合うパティキュレートフィルタの排気ガスの流れ方向が逆向きになるようにして相互間の第一又は第二の給排空間を共通化しているので、各パティキュレートフィルタの配置自体が直列であっても、実質的には各パティキュレートフィルタに対し排気ガスが分配されて1パスで並列に流されることになり、これによって、各パティキュレートフィルタの入口総面積を大きくして排気ガスの通気抵抗の増加を抑制しつつ捕集表面積を増大することが可能となり、しかも、隣り合うパティキュレートフィルタの相互間の第一又は第二の給排空間を共通化し得て全体容積を極力抑制しつつ捕集能力の向上を図ることが可能となる。
【0026】
又、本発明においては、パティキュレートフィルタに触媒を一体的に担持せしめることが好ましく、例えば、その触媒としてNOx吸蔵還元触媒を採用して排気ガス中のパティキュレートとNOxを同時に低減し得るようにしたDPNRとすることも可能であり、このようにした場合に、適宜に流路切替手段を切り替えて排気ガスの流れ方向を反転させるようにすれば、各パティキュレートフィルタに一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒の利用効率の向上を図り、パティキュレートの速やかな燃焼除去を図ることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図7〜図11と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0029】
図1及び図2に示すように、本形態例においては、排気管3の途中(従来におけるマフラの配置場所)に装備され且つ該排気管3の軸心方向と略平行な向きに延びて円筒状を成す内筒16内に、NOx吸蔵還元触媒を一体的に担持した二つのパティキュレートフィルタ4が、前記排気管3の軸心方向と略平行な向きに排気ガス2を通過させるように直列に収容されている。
【0030】
この内筒16内における各パティキュレートフィルタ4の軸心方向の両端部分には、排気ガス2を給排するための給排空間17,18が夫々形成されることになるが、隣り合う両パティキュレートフィルタ4の排気ガス2の流れ方向が逆向きになるようにして相互間の給排空間18を共通化し、各パティキュレートフィルタ4の夫々の相反する側の端部に給排空間17を夫々形成するようにしてある。
【0031】
更に、内筒16の周囲には、特に図2に示す如き非円形断面の外筒19が外装されており、該外筒19と前記内筒16との間には、パティキュレートフィルタ4の軸心方向に沿って延びる給排通路20,27と排気通路21とが夫々形成されている。
【0032】
また、給排通路27と前記給排空間18とが、内筒16の中央部に開口した連通口28を介して連通されていると共に、給排通路20と前記給排空間17,17とが、内筒16の両端部に開口した連通口26,26を介して連通されており、前記各給排通路20,27は、上流側の排気管3に対して流路切替バルブ10を介し連絡パイプ22,23により夫々接続されている。
【0033】
そして、前記流路切替バルブ10により各給排通路20,27の何れか一方に排気ガス2を導入して他方から回収し、その回収した排気ガス2を再び流路切替バルブ10を経由させて連絡パイプ24を介し前記排気通路21に導入し、該排気通路21を通し外筒19後端の後室25(消音スペース)へと導いて下流側の排気管3へ排出するようにしてある。
【0034】
而して、例えば、排気管3の上流側から導かれた排気ガス2を流路切替バルブ10を介し連絡パイプ22、給排通路20、連通口26,26を夫々経由させて前後の給排空間17,17に導入すると、該各給排空間17,17から各パティキュレートフィルタ4へと排気ガス2が分配されて前後から相対する向きに導入され、該排気ガス2が各パティキュレートフィルタ4を通過する間にパティキュレートを捕集されて浄化され、その浄化された排気ガス2が各パティキュレートフィルタ4の相互間の給排空間18へと排出されて合流し、連通口28から給排通路27、連絡パイプ23、流路切替バルブ10を介し連絡パイプ24、排気通路21、後室25を経由して排気管3の下流側へと排出される。
【0035】
一方、各パティキュレートフィルタ4に捕集されたパティキュレートは、高負荷運転時等における排気温度が高くなる運転領域にて自己燃焼して除去されるが、必要に応じて電気ヒータ等による強制加熱を行ったり、適宜に排気温度を上昇させる手段を講じたりすることで、より確実なパティキュレートの燃焼除去を図るようにしても良い。
【0036】
又、排気ガス2中の酸素濃度が高い希薄燃焼運転時においては、排気ガス2が各パティキュレートフィルタ4を通過する間に、該パティキュレートフィルタ4に一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒によりNOxが酸化されて硝酸塩の状態で一時的に吸蔵され、排気ガス2中からNOxが除去されることになり、しかも、このNOxの吸蔵反応時に生成される反応性の高い活性酸素と、排気ガス2中に多く含まれている通常の酸素とにより、各パティキュレートフィルタ4に捕集されているパティキュレートの酸化反応が促進されて該パティキュレートの効率の良い連続的な燃焼除去が図られる。
【0037】
そして、例えば、排気ガス2中の酸素濃度が低い濃空燃比運転に瞬間的に切り替えると、排気ガス2中に未燃のまま残留した炭化水素や一酸化炭素等を還元剤としてNOx吸蔵還元触媒からNOxが分解放出されて直ちに還元浄化されることになり、しかも、このNOxの分解放出反応時に生成される活性酸素により、各パティキュレートフィルタ4に捕集されているパティキュレートの酸化反応が促進されて該パティキュレートの効率の良い連続的な燃焼除去が図られる。
【0038】
更に、流路切替バルブ10により流路を切り替えて排気ガス2を連絡パイプ23、給排通路27、連通口28を介し中間の給排空間18に導入すると、排気ガス2が先程とは逆向きにパティキュレートフィルタ4を通過することになり、パティキュレートフィルタ4の各流路5を区画している多孔質薄壁6(図6参照)の裏側面を捕集面とした新たなパティキュレートの捕集が行われると共に、前記多孔質薄壁6の表側面における僅かな燃え残りが逆洗により除去されて良好な捕集面の再生化が図られることになる。
【0039】
又、流路切替バルブ10により流路を切り替えて排気ガス2の流れ方向を反転させることは、パティキュレートフィルタ4に一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒の利用効率の向上を図る上でも有効である。
【0040】
そして、このように排気管3の軸心方向と略平行な向きに排気ガス2を通過させるように複数のパティキュレートフィルタ4を直列に配置した形式によれば、一般的に略円柱形を成しているパティキュレートフィルタ4を、該パティキュレートフィルタ4と略同じ断面形状を有して排気管3の軸心方向へ延びるようにした内筒16内にデッドスペースを殆ど形成させずに効率良く収容させることが可能となり、全体容積を極力抑制することが可能となる。
【0041】
又、各パティキュレートフィルタ4の配置自体が直列であっても、実質的には各パティキュレートフィルタ4に対し排気ガス2が分配されて1パスで並列に流されることになるので、各パティキュレートフィルタ4の入口総面積を大きくして排気ガス2の通気抵抗の増加を抑制しつつ捕集表面積を増大することが可能となり、しかも、隣り合うパティキュレートフィルタ4の相互間の給排空間18を共通化したことにより全体容積の更なる抑制を図りつつ捕集能力の向上を図ることも可能となる。
【0042】
従って、上記形態例によれば、パティキュレートフィルタ4を内筒16内に効率良く収容させて全体容積を極力抑制することができるので、車両への搭載性の良い排気浄化装置を実現することができる。
【0043】
又、流路切替バルブ10により流路を切り替えて排気ガス2の流れ方向を反転させることができるので、パティキュレートフィルタ4の各流路5を区画している多孔質薄壁6の表裏両面を有効に活用してパティキュレートの捕集を行うことができ、しかも、僅かな燃え残りを逆洗により除去して良好な捕集面の再生化を図ることもでき、更には、パティキュレートフィルタ4に一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒の利用効率を向上してパティキュレートの速やかな燃焼除去を図ることもできる。
【0044】
更に、各パティキュレートフィルタ4の配置自体が直列であっても、実質的には各パティキュレートフィルタ4に対し排気ガス2を分配して1パスで並列に流すことができるので、各パティキュレートフィルタ4の入口総面積を大きくして排気ガス2の通気抵抗の増加を抑制しつつ捕集表面積を増大することができ、しかも、隣り合うパティキュレートフィルタ4の相互間の給排空間18を共通化し得て全体容積を極力抑制しつつ捕集能力の向上を図ることができる。
【0045】
図3及び図4は本発明の別の形態例を示すもので、前述した図1及び図2の形態例において、内筒16に外筒19を外装して給排通路20,27及び排気通路21を形成していたことに換えて、本形態例においては、これら給排通路20,27及び排気通路21を、連絡パイプ22,23,24を後方へ延長することにより兼用させるようにしてあり、このうちの連絡パイプ24を内筒16より後方まで延ばしてそのまま下流側の排気管3としてあるが、このようにしても、前述した図1及び図2の形態例と同様の作用効果を奏し得ることは勿論である。
【0046】
ただし、この図3及び図4の形態例において、スペース的な余裕があれば、内筒16を連絡パイプ22,23,24と一緒に外筒で抱持させるようにすることも可能である。
【0047】
尚、本発明の排気浄化装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、パティキュレートフィルタの断面は必ずしも真円でなくて良いこと、又、パティキュレートフィルタには必ずしも触媒を担持させる必要はなく、触媒を担持させるとしてもNOx吸蔵還元触媒に限定されないこと、更に、三つ以上のパティキュレートフィルタを直列に配置するようにしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
上記した本発明の排気浄化装置によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0049】
(I)一般的に略円柱形を成しているパティキュレートフィルタを、該パティキュレートフィルタと略同じ断面形状を有して排気管の軸心方向へ延びるようにしたケーシング内にデッドスペースを殆ど形成させずに効率良く収容させて全体容積を極力抑制することができるので、車両への搭載性の良い排気浄化装置を実現することができる。
【0050】
(II)流路切替手段により流路を切り替えて排気ガスの流れ方向を反転させることができるので、パティキュレートフィルタの各流路を区画している多孔質薄壁の表裏両面を有効に活用してパティキュレートの捕集を行うことができ、しかも、僅かな燃え残りを逆洗により除去して良好な捕集面の再生化を図ることもできる。
【0051】
(III)各パティキュレートフィルタの配置自体が直列であっても、実質的には各パティキュレートフィルタに対し排気ガスを分配して1パスで並列に流すことができるので、各パティキュレートフィルタの入口総面積を大きくして排気ガスの通気抵抗の増加を抑制しつつ捕集表面積を増大することができ、しかも、隣り合うパティキュレートフィルタの相互間の第一又は第二の給排空間を共通化し得て全体容積を極力抑制しつつ捕集能力の向上を図ることができる。
【0052】
(IV)パティキュレートフィルタには、捕集されたパティキュレートの酸化反応を助勢するための酸化触媒、或いは、排気ガス中のNOxの除去を目的としたNOx選択還元触媒やNOx吸蔵還元触媒等を一体的に担持させることにより付加的な機能を持たせることが可能であり、特にNOx吸蔵還元触媒を一体的に担持させた場合には、排気ガス中のパティキュレートとNOxを同時に低減し得るようにしたDPNRとすることができ、このようにした場合に、適宜に流路切替手段を切り替えて排気ガスの流れ方向を反転させるようにすれば、各パティキュレートフィルタに一体的に担持されたNOx吸蔵還元触媒の利用効率の向上を図り、パティキュレートの速やかな燃焼除去を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II矢視の断面図である。
【図3】本発明の別の形態例を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV矢視の断面図である。
【図5】従来例を示す概略図である。
【図6】図5のパティキュレートフィルタの詳細を示す断面図である。
【図7】DPNRと称される排気浄化装置の一例を示す斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視の断面図である。
【図9】図7のIX−IX矢視の断面図である。
【図10】図9の流路切替バルブを切り替えた状態を示す断面図である。
【図11】図7の排気浄化装置の一部を切り欠いて示す側面図である。
【符号の説明】
2 排気ガス
3 排気管
4 パティキュレートフィルタ
10 流路切替バルブ(流路切替手段)
17 給排空間(第一の給排空間)
18 給排空間(第二の給排空間)
20 給排通路(流路切替手段)
21 排気通路(流路切替手段)
22 連絡パイプ(流路切替手段)
23 連絡パイプ(流路切替手段)
24 連絡パイプ(流路切替手段)
27 給排通路(流路切替手段)

Claims (3)

  1. 排気管の途中に装備されて該排気管の軸心方向と略平行な向きに排気ガスを通過させるように配置されたパティキュレートフィルタと、該パティキュレートフィルタの軸心方向における何れか一方の側に形成された第一の給排空間と、前記パティキュレートフィルタの軸心方向における他方の側に形成された第二の給排空間と、排気管の上流側から導いた排気ガスを適宜に流路を切り替えて第一及び第二の給排空間の何れか一方に選択的に導入し且つパティキュレートフィルタを通過して第一及び第二の給排空間の他方に排出された排気ガスを排気管の下流側へ導く流路切替手段とを備えた排気浄化装置であって、複数のパティキュレートフィルタを排気管の軸心方向と略平行な向きに直列に配置し、隣り合うパティキュレートフィルタの排気ガスの流れ方向が逆向きになるようにして相互間の第一又は第二の給排空間を共通化したことを特徴とする排気浄化装置。
  2. パティキュレートフィルタに触媒を一体的に担持せしめたことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. パティキュレートフィルタに担持されている触媒がNOx吸蔵還元触媒であることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
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