JP3566563B2 - 現像ローラおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の現像装置に使用される現像ローラおよびその製造方法に係り、特には、非磁性一成分トナー現像方式の現像装置に用いられる現像ローラおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザービームプリンタ等の現像装置については、磁性の二成分トナーを用いた現像方式が主流であった。しかしながら、近年ますます関心が高まっている地球環境の保全と資源の節約という観点から、トナーの回収が不要で廃トナーが発生せず、トナーカートリッジ内のトナーをすべて使用し尽くすことができる、非磁性一成分トナーを用いた現像方式が注目されるようになり、その実用化が進んでいる。
【0003】
この非磁性一成分トナー現像方式の現像装置は、基本に、感光体ドラムと、感光体ドラムに静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、感光体ドラムに直接接して回転する現像ローラと、現像ローラに非磁性一成分トナーを供給する、ウレタンスポンジ製の供給ローラ等からなるトナー供給部材と、現像ローラ上に供給されたトナーを均一な厚さに規制する、ウレタンゴム、ウレタン樹脂製のブレード等からなるトナー規制部材とを備える。一般に、まず、静電潜像手段が所定の画像情報に基づいて感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する一方、トナー供給部材が現像ローラの表面にトナーを供給し、現像ローラ上に供給されたトナーをトナー規制部材が均一な厚さに規制し、現像ローラの表面に均一なトナーの薄層が形成される。表面に均一な厚さのトナー薄層が形成された現像ローラが、感光体ドラムとのニップ部において、感光体ドラム上に形成された静電潜像に順次トナーを付着させる。このようにトナー現像が行われる。
【0004】
このような非磁性一成分トナー現像方式の現像装置で使用される現像ローラは、摩擦接触によって正または負に帯電したトナーを、静電的にその表面に付着させるものであり、導電性のローラにより構成されている。このような導電性ローラは、通常、ローラ本体を構成する導電性芯材(芯金)の円柱面に導電性材料からなる導電層が設けられた構造を有する。この導電層を形成する導電性材料として、従来から、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーン変性エチレンプロピレンゴム等のゴム材料をベースとし、これに導電性を付与するためにカーボンブラックや金属粉等の導電物質を配合した導電性ゴム材料が用いられている。
【0005】
しかし、シリコーンゴムとシリコーン変性エチレンプロピレンゴムは低分子のシロキサンをゴム中に含有し、これが表面に移行するので、現像ローラと接触する感光体ドラムの表面がこの低分子のシロキサンによって汚染されるという問題がある。また、アクリロニトリルブタジエンゴムは、加硫剤に硫黄や硫黄誘導体を用いるので、やはり感光体ドラムの表面がこれら加硫剤により汚染される。他方、ウレタンゴムは、感光体ドラムを汚染することはほとんどないが、その体積抵抗値が環境の変化により大きく変化する(すなわち、抵抗値環境依存性が大きい)ので、実用性に欠けるという問題がある。
【0006】
そこで、従来のゴムベースの導電層の問題点、特に感光体ドラム表面の汚染問題を解決するために、特許第2504978号公報は、ゴムベースの導電層の表面に被覆層を設けるという技術を開示する。この被覆層は、ウレタン樹脂と官能基を有する含フッ素化合物との反応生成物(含フッ素ウレタン樹脂)からなる。この被覆層は、ゴムベースの導電層中の上記移行性汚染物質をそこで阻止し得るので、当該移行性汚染物質による感光体ドラム表面の汚染を防止し得るものである。
【0007】
しかしながら、含フッ素ウレタン樹脂からなる被覆層を備えた現像ローラにおいては、いわゆるネガゴーストの発生という問題がある。
【0008】
また、含フッ素ウレタン樹脂からなる被覆層を備えた現像ローラは、フッ素の存在により、摩擦帯電列として被覆層の負帯電性が大きくなるため、レーザービームプリンタ等の現像装置におけるように反転現像を行う場合には、正帯電トナー用にしか使用することができず、負帯電トナーを使用するプリンタ等には適していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、感光体ドラムの表面を汚染せず、しかもネガゴーストをも発生させない現像ローラおよびその製造方法を提供することを主要課題とする。
【0010】
さらに本発明は、正帯電トナーまたは負帯電トナーのいずれかに適するように摩擦帯電列を制御することができる現像ローラおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は、鋭意研究した結果、揮発性シリコーン油の存在下に、ポリオールとイソシアネート化合物を、場合に応じて反応性シリコーン油とともに反応させて得られたポリウレタン被膜により現像ローラの導電層を覆うことにより、感光体ドラムが汚染せず、ネガゴーストも発生しないという所期の目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。揮発性シリコーン油は、上記反応中に揮発し、ポリウレタン被膜を多孔質体とする気孔形成剤として作用する。
【0012】
すなわち、本発明によれば、芯金と、該芯金の周面上に設けられた導電層と、該導電層の周面上に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は、ポリオール、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を、該ポリオールと該イソシアネート化合物との反応条件に供して得られたことを特徴とする現像ローラが提供される。
【0013】
この現像ローラを製造するために、本発明は、周面に導電層を設けた芯金を準備する工程、ポリオール、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を該導電層の表面に適用する工程、および該反応混合物を該ポリオールと該イソシアネート化合物との反応条件に供する工程を具備することを特徴とする現像ローラの製造方法を提供する。
【0014】
また、本発明によれば、芯金と、該芯金の周面上に設けられた導電層と、該導電層の周面上に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は、ポリオール、活性水素を有する反応性シリコーン油、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する混合物を、該ポリオールおよび該反応性シリコーン油と該イソシアネート化合物との反応条件に供して得られたことを特徴とする現像ローラが提供される。
【0015】
この現像ローラを製造するために、本発明は、周面に導電層を設けた芯金を準備する工程、ポリオール、活性水素を有する反応性シリコーン油、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を該導電層の表面に適用する工程、および該反応混合物を、該ポリオールおよび反応性シリコーン油と該イソシアネート化合物との反応条件に供する工程を具備することを特徴とする現像ローラの製造方法を提供する。
【0016】
本発明において、前記ポリオールは、フッ素含有ポリオールであることが好ましく、四フッ化エチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオールであることが特に好ましい。
【0017】
本発明において、前記反応性シリコーン油は、下記一般式(1)または(2):
【化5】
Figure 0003566563
【化6】
Figure 0003566563
(一般式(1)および(2)において、各Rは、−COCOHまたは−COCH−C(CHOH)を表し、nは、約20以下の整数を表す)で示されるものであることが好ましい。
【0018】
本発明において、被覆層は、その摩擦帯電列を前記フッ素含有ポリオールと前記反応性シリコーン油の混合比率により制御することができる。
【0019】
また、本発明において、導電層は、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーン変性エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムのいずれか1種のゴムに導電性を付与した材料より形成されていることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1を参照して詳しく説明する。
【0021】
図1は、本発明の一態様に係る現像ローラの断面を概略的に示す断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の現像ローラ10は、基本的に、円柱状の導電性ローラ本体(芯金)12、この芯金12の円柱面を実質的に全面的に覆って設けられた導電層14、および導電層14の外周面を実質的に全体的に覆って設けられた被覆層16を備える。
【0023】
本発明において、芯金12は、従来の芯金と特に異なるものではなく、鉄等の金属で作製することができる。
【0024】
本発明において、導電層14は、好ましくは、弾性ポリマー材料をベースとし、これにカーボンブラック、金属粉末等の導電性付与剤を配合した導電性の弾性ポリマー材料により形成される。ベースの弾性ポリマー材料としては、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーン変性エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム材料、または熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。本発明において好ましいベースポリマー材料は、合成ゴム材料である。また、導電性付与剤は、導電層14が10〜1010Ω・cmの体積抵抗値を示すような量的割合でベースポリマー材料に配合することが好ましい。さらに、導電層14は、20゜〜60゜のJIS A硬度を有することが好ましい。
【0025】
また、現像ローラ10は感光体ドラムやトナー規制部材とニップ部を形成して接触するので、下地の導電層14の圧縮歪が大きいと、ニップ跡が現像ローラに残ってしまい、画像に悪影響を与える。したがって、導電層14を構成する材料は、25%圧縮負荷の下に70℃で22時間置かれた後に、5%以下の圧縮永久歪を示すことが最も好ましいが、実用のレベルとして当該圧縮永久歪が10%以下であれば支障なく使用することができる。
【0026】
さて、本発明の被覆層16は、ポリオール、イソシアネート化合物および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を、ポリオールとイソシアネート化合物との反応条件に供することによって生成されるものである。より具体的には、上記反応混合物は、ポリオールとイソシアネート化合物が反応してポリウレタンを生成させる(ポリオールをイソシアネート化合物により硬化させる)に十分な温度条件に置かれる(この反応中に揮発性シリコーン油が揮発する)。揮発性シリコーン油は、この反応中に揮発し、それにより反応生成物であるポリウレタンを微小多孔質にする。
【0027】
本発明において使用されるポリオールは、常温(20〜30℃)で液状のものであることが好ましく、各種のポリオールが使用できる。被覆層16は、帯電性を有することが必要であり、ポリオールとしては、イソシアネート化合物と反応して摩擦帯電列が大きい被覆層(ポリウレタン)を生成し得るものが好ましい。そのようなポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、それらの共重合体等のポリアルキレングリコールのようなポリエーテルポリオールを好ましく例示することができる。
【0028】
しかしながら、本発明において使用されるポリオールとしては、フッ素含有ポリオールが特に好ましい。フッ素含有ポリオールは、イソシアネート化合物と反応してより大きい摩擦帯電列を有する被覆層を生成するばかりでなく、生成する被覆層の抵抗値環境依存性を減少させる。フッ素含有ポリオールのフッ素含有率が高いほど摩擦帯電列が負に大きくなる。そのようなフッ素含有ポリオールとしては、三フッ化エチレンモノマーを主原料とする共重合体(三フッ化エチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオール)、四フッ化エチレンモノマーを主原料とする共重合体(四フッ化エチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオール)を好ましく例示することができる。これらフッ素含有ポリオールは、ゼッフル(四フッ化エチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオール)という商品名の下でダイキン工業(株)から、ルミフロン(トリフルオロモノハロエチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオール)という商品名の下で旭ガラス工業(株)から市販されている。ディフェンサという商品名の下で大日本インキ化学工業(株)から市販されているフッ素含有ポリオールも使用することができる。そのようなフッ素含有ポリオールは、例えば、四フッ化エチレンモノマーを主原料とするものであって、これに共重合されたアクリル酸のヒドロキシモノカルボン酸エステルおよび/またはアクリル酸のグリコールモノエステルを合計で少なくとも2モル含有する。これらフッ素含有共重合体ポリオールは、上記アクリル酸エステルモノマーによりOH成分(アクリル酸のヒドロキシモノカルボン酸エステルにあってはカルボキシル基のOH、アクリル酸のグリコールモノエステルにあっては、エステル化されていないグリコールOH)が付与されている。本発明においては、四フッ化エチレンモノマーを主成分として含む共重合体ポリオールが特に好ましい。
【0029】
本発明において使用するイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート、およびそれらのビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタン変性体等を好ましく使用することができる。特に好ましいイソシアネート化合物は、HDIおよびそのビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタン変性体等である。イソシアネート化合物は、その分子鎖が長いほど、より高い柔軟性を有するポリウレタン被覆層16を生成し得る。
【0030】
本発明において使用される揮発性シリコーン油は、ポリオールとイソシアネート化合物とが反応してポリウレタン被覆層16を生成する温度条件の下で、ポリウレタン生成反応(ポリオールのイソシアネート化合物による硬化)が終了するまでに実質的に完全に揮発し得るシリコーン油である。ポリオールとイソシアネート化合物とのポリウレタン生成反応が実質的に完結するまでに揮発性シリコーン油が完全に揮発してしまわないと、生成したポリウレタン層(導電層16)にシリコーン油が残留し、これが感光体ドラム表面を汚染するおそれがある。最も望ましくは、揮発性シリコーン油は、150℃で加熱したときに30分以内に完全に揮発する揮発性を有するものである。特に好ましい揮発性シリコーン油は、使用するポリオールおよびイソシアネート化合物と反応しない非反応性シリコーン油である。揮発性シリコーン油としては、ジメチルシリコーン油、環状シリコーン油のほか、そのアルキル変性体、ポリエーテル変性体等の誘導体をも好適に使用することができる。その中でも、10個以下のシロキサン結合単位(−SiO−)を有するシリコーン油が特に好ましい。非反応性であるためには、各−SiO−結合単位におけるSiの残りの2つの原子価は、それぞれ、アルキル基、アラルキル基、アリール基等活性水素を持たない有機基により満たされ、直鎖シリコーン油にあっては、さらにその両末端にも上記非反応性有機基を有する。
【0031】
ポリオールとイソシアネート化合物は、ポリオールのヒドロキシル基当量とイソシアネート化合物のイソシアネート基当量とがほぼ1:1となるような割合で、上記反応混合物に含まれ、イソシアネート化合物がやや過剰に含まれる場合もある。また、揮発性シリコーン油は、好ましくは、使用するポリオールの重量の1ないし30%の割合で、より好ましくは使用するポリオールの重量の5ないし20%の割合で含まれる。
【0032】
被覆層16は、最も好ましくは、好適な溶剤に、上記液状ポリオール(特に、液状フッ素含有ポリオール)、イソシアネート化合物および揮発性シリコーン油からなる気孔形成剤を、必要に応じて、被覆層に導電性を付与する導電性付与剤(例えば、カーボンブラック、金属粉末等)および/または充填材(例えば、シリカ等)とともに分散させて含有する反応混合物を、必要に応じてプライマーを塗布した導電層14の表面にスプレー塗装等の手法により薄膜として塗布し、この塗膜をポリオールとイソシアネート化合物が反応し得る温度、通常約100〜約200℃の温度で加熱することによってその場で生成させることができる。この場合、用いる溶剤は、揮発性シリコーン油の揮発性と同等もしくはそれよりも高い揮発性を有するもの、例えば酢酸ブチル等である。通常、塗膜は、20ないし60分程度で硬化する。
【0033】
ポリオールとイソシアネート化合物との混合物中に揮発性シリコーン油が存在すると、この混合物を導電層14上にスプレー等により塗布した直後は、溶剤が存在するために揮発性シリコーン油は、溶剤を介してポリオールとイソシアネート化合物の混合物中に存在することができる。しかし、加熱により次第に溶剤が揮発してゆくと、ポリオールとイソシアネート化合物の混合物に不溶な揮発性シリコーン油は、ポリオールとイソシアネート化合物の混合物中に溶けこんでいられなくなる。その結果、揮発性シリコーン油は、ポリオールとイソシアネート化合物の混合物において互いに離散した多数の微小液滴を形成して、ポリオールとイソシアネート化合物を連続相(海)とし、揮発性シリコーン油の微小液滴を島とするいわゆる海島構造が生成すると考えられる。そして、溶剤が揮発したこの海島構造体がさらに加熱され、ポリオールとイソシアネート化合物とが反応してポリウレタンを生成する間に、島となっていた揮発性シリコーン油の微小液滴が揮発して、その揮発した部分が孔となり、ポリウレタン被覆層16が多孔質体となるものと考えられる。
【0034】
多孔質体からなる被覆層16の各孔の大きさは、これと接触するトナー粒子がその中に入り込めない程度に小さいことが好ましい。より好ましい孔の大きさは、3μm以下であり、最も好ましくは0.1〜1μmである。このような孔の大きさは、使用する揮発性シリコーン油の種類により決定され得、上に例示した揮発性シリコーン油は、いずれも、そのような範囲内の孔サイズを提供し得る。
【0035】
さらに、本発明の多孔質体からなる被覆層16は、好ましくは、30μm以下の厚さを有することが好ましい。その厚さが30μm超えると、被覆層の表面粗さが粗くなる傾向にある。また、被覆層16の厚さは4μm以上であることが好 ましい。厚さが4μm未満であると、その被覆層は、下地の導電層14からの汚染物質の表面への移行を防止するバリアー層として作用し得ず、しかもその耐磨耗性が低下する傾向にある。被覆層16の厚さは、約10〜約20μmであることが最も好ましい。
【0036】
本発明の現像ローラ10は、その最外層を構成する被覆層16が多孔質体により形成され、かくしてその表面は当該孔により微視的に粗面を構成しているため、最外層が平滑面を形成する従来の現像ローラと比較して、トナーに働く鏡像力がより緩和される。その結果、本発明の現像ローラにあっては、トナー供給部材により行われる残留トナーの除去がより一層促進され、新たなトナーが当該最外層表面に付着しやすくなる。したがって、本発明の現像ローラは、表面が平滑な従来の現像ローラよりも、現像ローラ表面の残留トナーに起因して発生するネガゴーストが発生しにくくなる。また、本発明の現像ローラの最外層を構成する被覆層16は、多孔質体であるため、弾力性があり、外力に対して変形しやすく、しかもトナー粒子より柔らかな被膜となっているので、感光体ドラムとのニップ部等でトナーを傷つけることがない。
【0037】
ところで、本発明者は、上に述べたように、イソシアネート化合物と好ましいポリオールとしてのフッ素含有ポリオールとの反応により生成する微小多孔質含フッ素ポリウレタン被覆層16は、フッ素の存在により、その摩擦帯電列は負帯電性が強くなっているところ、ポリウレタン生成反応の際に、活性水素を有する反応性シリコーン油を共存させることによって、被覆層を形成するポリウレタン中にシロキサン結合を有する成分が取り込まれ、微小多孔質含フッ素ポリウレタン被覆層の摩擦帯電列を変化させることができることを見いだした。フッ素含有ポリオールとともにイソシアネート化合物との反応に与る当該反応性シリコーン油は、ポリオールとイソシアネート化合物との反応により生成するポリウレタン内にそのシロキサン成分を導入する。シロキサンもしくはシリコーンは、それ自体摩擦帯電列が正帯電性であり、その含有量を多くするほど、得られる微小多孔質含フッ素ポリウレタン被覆層16の正帯電性を増加させることができる。すなわち、添加する反応性シリコーン油の量を変えることにより、被覆層の摩擦帯電列を制御することができる。
【0038】
活性水素を有する反応性シリコーンは、イソシアネート化合物と反応し得るものであって、例えば、アミノ基(1級および/または2級アミノ基)を有するシリコーン油、メルカプト基を有するシリコーン油、ヒドロキシル基を有するシリコーン油(例えば、カルボキシル基を有するシリコーン油、フェノール性OH基を有するシリコーン油、アルコール性OH基を有するシリコーン油等が含まれる。これら反応性シリコーン油は、アミノ変性シリコーン油、メルカプト変性シリコーン油、カルボキシル変性シリコーン油、フェノール変性シリコーン油、カルビノール変性シリコーン油等として市販されている。本発明においては、上記反応性有機基を、一方の末端のみに、両末端に、および/または側鎖に有するシリコーン油のいずれをも使用することができる。シリコーン骨格中のケイ素に結合した水素を有するシリコーン油も好ましく使用することができる。
【0039】
より好ましい反応性シリコーン油は、下記一般式(1)または(2):
【化7】
Figure 0003566563
【化8】
Figure 0003566563
(一般式(1)および(2)において、各Rは、−COCOHまたは−COCH−C(CHOH)を表し、nは、約20以下の整数を表す)で示すことができる。特に好ましい反応性シリコーン油は、各Rが−COCOHである一般式(1)のシリコーン油であり、その中でもnが約10であるものが殊に好ましい。このような反応性シリコーン油も、市販されている。
【0040】
このシリコーンを導入した微小多孔質含フッ素ポリウレタンからなる被覆層を形成するためには、微小多孔質含フッ素ポリウレタン被覆層に関して説明した反応混合物にさらに上記活性水素を有する反応性シリコーン油を添加し、この混合物を上に述べたように導電層14に塗布し、同様の反応条件下で反応させることができる。この反応に際し、揮発性シリコーン油は、上記の通りの揮発挙動を示し、反応性シリコーン油は、フッ素含有ポリオール(およびイソシアネート化合物)とともに連続相を構成する。この反応により、シリコーンが導入されてはいるが、シリコーンが導入されていない前記微小多孔質含フッ素ポリウレタンと同様の孔サイズを有する微小多孔質含フッ素ポリウレタン被覆層が得られる。この場合には、反応混合物中におけるヒドロキシル基当量プラス活性水素当量とイソシアネート基当量とは1:1であるか、イソシアネート化合物がやや過剰に存在し得る。
【0041】
フッ素含有ポリオールと反応性シリコーン油の混合比率としては、反応性シリコーン油の量を過剰に多くすると、得られる被覆層自体にシリコーン化合物の特性が強く出現して、被覆層の耐摩耗性を低下させる等の悪影響が生じるので、好ましくない。一般に、フッ素含有ポリオールと反応性シリコーン油との重量比は、1:3以下であることが好ましく、その範囲内で反応性シリコーン油の割合を変えることにより、被覆層の摩擦帯電列を負帯電性から正帯電性まで変化させることができる。
【0042】
なお、市販の反応性シリコーン油の中には、本発明で使用し得る揮発性のシリコーン油を10重量%以上も含有しているものがある。このように多量の揮発性シリコーン油を含有する反応性シリコーン油製品を使用するときは、反応性シリコーン油の使用量によっては、多孔質体を形成するために加える揮発性シリコーン油を別途添加する必要がない(すなわち、含有されている揮発性シリコーン油をそのまま利用できる)場合や別途添加する揮発性シリコーン油の量を少なくし得る場合もあるので、事前にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等の分析手段によって反応性シリコーン油製品中の揮発性シリコーン油の量を把握しておく必要がある。
【0043】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0044】
実施例1
外径が10mmの鉄製のシャフト芯金に体積抵抗が10Ω・cmでJIS A硬度が45゜の導電性シリコーンゴムを被覆して、外径が16mmのゴム被覆ローラを作製した。
【0045】
他方、フッ素含有ポリオール(ダイキン工業社製ゼッフル)100重量部と導電性カーボンブラック(キャボット社製)5重量部に酢酸ブチル300重量部を加え、分散機を用いて分散させた。この分散物に揮発性シリコーン油(信越化学工業社製 KF96L)5重量部を加え、攪拌し主剤とした。この主剤に硬化剤としてウレタン変性ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成工業社製 デュラネート)を主剤中のヒドロキシル基の当量と、硬化剤中のイソシアネート基の当量とが1:1となるように配合してコーティング材Aを調製した。このコーティング材Aを前記ゴム被覆ローラに厚さが10μmとなるようにスプレー塗装し、風乾した後、160℃で40分加熱して所望の微小多孔質被覆層を形成した。この被覆層の周方向の表面粗さRzは、4μmであった。
【0046】
比較例
揮発性シリコーン油を添加しなかった以外は、実施例1と同様の手法により、非多孔質(緻密)被覆層を有する現像ローラを作製した。この被覆層の周方向の表面粗さRzは、4μmであった。
【0047】
<ネガゴースト試験>
実施例1で作製した現像ローラが、比較例で作製した現像ローラと比較して、現像ローラとしての性能に優位性が有るかを評価するために、正帯電トナーを使用する三田工業社製のレーザービームプリンタ(DP−560)に実施例1と比較例で作製した各現像ローラを組み込んで、黒べた部を有する所定の試験チャートを印刷して、多数回印刷後の紙の黒ベタ部に文字のゴーストが発生するかどうかを調べた。使用した試験チャートは、A4サイズの紙であって、それぞれ多数の文字が印刷された多数の文字行からなる文字領域と、その文字領域の下側に複数の黒四角の図形を印刷した図形領域とを有し、チャートの両側部に文字領域のすべての文字行と交差して図形領域まで延びる縦長の帯状黒べた部が印刷されたものであった。図形領域は、2つの黒べた部の間に存在する。
【0048】
その結果、実施例1の現像ローラではネガーゴーストの発生は見られなかったが、比較例の現像ローラではネガゴーストが発生した。従って、被覆層の多孔質体の被覆層がネガゴーストの発生防止に効果があることが実証された。
【0049】
次に、ヒドロキシル基を有する反応性シリコーン油を被覆層中に化学反応により導入することにより、負帯電の被覆層中の正帯電量が増加することを実証するために、以下の実施例2ないし8において、ヒドロキシル基を有する反応性シリコーン油の量を変えて摩擦帯電列が異なる変性ポリウレタン被覆ガラス板を作製した。
【0050】
実施例2
導電性カーボンブラックを添加しない以外は、実施例1のコーティング材Aと同様の組成を有するコーティング材Bを調製し、これをガラス板上に厚さが10μmとなるようにスプレー塗装し、風乾した後、160℃で40分加熱して所望の微小多孔質被覆層を形成した。
【0051】
実施例3
主剤中にカルビノール変性の反応性シリコーン油(信越化学工業社製 X−22−160AS:各Rが−COCOHであり、nが約10である前記一般式(1)のシリコーン油)10重量部を加え、かつ揮発性シリコーン油のフッ素含有ポリオールと反応性シリコーン油との合計量に対する比率が実施例2の主剤における揮発性シリコーン油のフッ素含有ポリオールに対する比率と同じになるように調整した以外は、実施例2と同様にしてコーティング材Cを調製した。このコーティング材Cを用いて実施例2と同様にしてガラス板上に微小多孔質被覆層を形成した。
【0052】
実施例4
カルビノール変性の反応性シリコーン油の量を25重量部に変えた以外は、実施例3と同様にして微小多孔質被覆層を有するガラス板を作製した。
【0053】
実施例5
カルビノール変性の反応性シリコーン油の量を50重量部に変えた以外は、実施例3と同様にして微小多孔質被覆層を有するガラス板を作製した。
【0054】
実施例6
カルビノール変性の反応性シリコーン油の量を75重量部に変えた以外は、実施例3と同様にして微小多孔質被覆層を有するガラス板を作製した。
【0055】
さらに、本実施例で調製したコーティング材を用いた以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。
【0056】
実施例7
カルビノール変性の反応性シリコーン油の量を100重量部に変えた以外は、実施例3と同様にして微小多孔質被覆層を有するガラス板を作製した。
【0057】
実施例8
カルビノール変性の反応性シリコーン油の量を150重量部に変えた以外は、実施例3と同様にして微小多孔質被覆層を有するガラス板を作製した。
【0058】
<摩擦帯電試験>
摩擦帯電列を調べるために、実施例2〜8で作製したガラス板の被覆層同士をこすり合わせて摩擦帯電させ、その帯電電位が正帯電か負帯電かを表面電位計(モンロー社製)を用いて測定し、実施例2〜8のガラス板の摩擦帯電列の順番を調べた。その結果、実地例2が負帯電であり、実施例2〜8の順番どおりに正帯電が強くなり、ヒドロキシル基を有する反応性シリコーン油の量が多いほど、正帯電が強くなるという結果を得た。
【0059】
<走査型電子顕微鏡観察>
被覆層が多孔質体となり、現像ローラの表面に3μm以下の孔が無数に開いていることを実証するために、実施例6で作製した現像ローラの被覆層の表面を走査型電子顕微鏡で写真撮影した。その写真を図2ないし図4に示す。図2は現像ローラの被覆層表面の倍率100倍の写真であり、図3は現像ローラの被覆層表面の倍率500倍の写真であり、図4は、導電層(導電性シリコーンゴム層)と被覆層との断面を示す倍率3000倍の写真である。これら写真を観察することにより、本発明の現像ローラの被覆層は、3μm以下の孔が無数に開いた多孔質体となっていることがわかる。
【0060】
実施例9
実際に正帯電トナーのプリンターで使用ができるかどうかを実施例1の現像ローラと対比して試験するために、実施例1の主剤中に実施例3で用いたカルビノール変性反応性シリコーン油75重量部を加え、導電性カーボンブラックと揮発性シリコーン油の比率も実施例1と合うように調整し、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。
【0061】
<かぶり試験1>
正帯電トナーを使用する三田工業社製のレーザービームプリンタ(DP−560)に実施例1と実施例9で作製した現像ローラを組み込んで、所定の試験チャートを印刷した。使用した試験チャートは、A4サイズの紙の先端部に縦横ほぼ20mm幅の全部で4つの黒四角と白四角が黒四角、白四角、黒四角、白四角の順に互いに離間して交互に印刷され、後端部には、先端部の中央の黒四角に対応する位置に白四角が、先端部の両側の黒四角と白四角との間の位置に対応する位置に2つの黒四角が印刷されたものであった。色差計(ミノルタ社製)で明度を測定し、印刷する前の紙の明度から、印刷後の紙の試験チャートの白四角に対応する部分の明度を差し引いた値を印刷前の紙の明度で除した値(%)をかぶり量とした。
【0062】
三田工業社製のDP−560に組み込まれていた現像ローラのかぶり量が0.5%だったので、0.5%以下を合格、それ以外を不合格として評価を行った。その結果、実施例1の現像ローラはかぶり量が0.2%で合格、実施例9の現像ローラはかぶり量が2%で不合格となり、正帯電性トナーに対しては負帯電性が大きい実施例1の現像ローラが良好な結果を示し、実施例1と比較して正帯電性が大きい実施例9の現像ローラはかぶり量が大きく使用することができないという結果を得た。
【0063】
実施例10
外径が10mmの鉄製のシャフト芯金に体積抵抗が10Ω・cmでJIS A硬度が25゜の導電性シリコーンゴムを被覆して、外径が20mmのローラを作製した。そして、実施例1と同じ被覆層を被覆して、現像ローラを作製した。
【0064】
実施例11
実施例10の現像ローラの被覆層を、実施例9の被覆層に変えて現像ローラを作製した。
【0065】
<かぶり試験2>
負帯電性のトナーを使用する日本電気社製のマルチライター2200NW2に実施例10と実施例11で作製した現像ローラを組み込んで、前記かぶり試験1と同様の方法で、かぶり量を測定した。
【0066】
日本電気社製のマルチライター2200NW2に組み込まれていた現像ローラのかぶり量が2%だったので、2%以下を合格、それ以外を不合格として評価を行った。その結果、実施例10はかぶり量が3%で不合格、実施例11はかぶり量が1.5%で合格となり、負帯電性トナーに対しては正帯電性が大きい実施例11が良好な結果を示し、実施例11と比較して負帯電性が大きい実施例10はかぶり量が大きく使用することができないという結果を得た。
【0067】
この結果より、正帯電性トナーを使用するプリンタには、反応性シリコーン油を含まない実地例1の被覆層の配合が有効であり、負帯電性トナーを使用するプリンタには、反応性シリコーン油をも反応させた実施例9の被覆層の配合が有効であることがわかる。そして、この結果より、本発明の被覆層は、反応性シリコーン油の量を調整することにより、正帯電性トナーと負帯電トナーの両方に対応するできる。
【0068】
なお、上記実施例で作製した現像ローラは、いずれも、使用した現像装置の感光体ドラム表面を汚染しなかった。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、現像ローラの最外表面層として、揮発性シリコーン油からなる気孔形成剤の存在下に、ポリオールとイソシアネート化合物とを、場合に応じてさらに反応性シリコーン油とともに反応させた被覆層を形成することにより、ネガゴーストの発生が抑制された現像ローラが提供され、この現像ローラは、感光体ドラム表面を汚染することがない。また、従来では、現像ローラの被覆層は、正帯電トナーか負帯電トナーのどちらかの一方の極性でしか使用できなかったが、本発明の被覆層は反応性シリコーン油の簡単な配合の変更で摩擦帯電列が変更できるので、いずれの極性のトナーであっても、それに最適な摩擦帯電量を有する現像ローラを容易に作製することができる。従って、本発明の現像ローラは、一成分非磁性トナー現像方式の現像装置に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる現像ローラの構成を示す概略断面図。
【図2】実施例6の現像ローラ表面の表面状態を示す倍率100倍の走査型電子顕微鏡写真。
【図3】実施例6の現像ローラ表面の表面状態を示す倍率500倍の走査型電子顕微鏡写真。
【図4】実施例6の現像ローラの導電層および被覆層の断面を示す倍率3000倍の走査型電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
12…芯金
14…導電層
16…被覆層

Claims (14)

  1. 芯金と、該芯金の周面上に設けられた導電層と、該導電層の周面上に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は、ポリオール、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を、該ポリオールと該イソシアネート化合物との反応条件に供して得られたことを特徴とする現像ローラ。
  2. 芯金と、該芯金の周面上に設けられた導電層と、該導電層の周面上に設けられた被覆層とを備え、該被覆層は、ポリオール、活性水素を有する反応性シリコーン油、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する混合物を、該ポリオールおよび該反応性シリコーン油と該イソシアネート化合物との反応条件に供して得られたことを特徴とする現像ローラ。
  3. ポリオールが、フッ素含有ポリオールであることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ローラ。
  4. フッ素含有ポリオールが四フッ化エチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオールであることを特徴とする請求項3に記載の現像ローラ。
  5. 反応性シリコーン油が、下記一般式(1)または(2):
    Figure 0003566563
    Figure 0003566563
    (一般式(1)および(2)において、各Rは、−COCOHまたは−COCH−C(CHOH)を表し、nは、約20以下の整数を表す)で示されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  6. 被覆層は、その摩擦帯電列がフッ素含有ポリオールと反応性シリコーン油の混合比率により制御されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  7. 導電層が、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーン変性エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムのいずれか1種類のゴムに導電性を付与した材料より形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の現像ローラ。
  8. 周面に導電層を設けた芯金を準備する工程、ポリオール、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を該導電層の表面に適用する工程、および該反応混合物を該ポリオールと該イソシアネート化合物との反応条件に供する工程を具備することを特徴とする現像ローラの製造方法。
  9. 周面に導電層を設けた芯金を準備する工程、ポリオール、活性水素を有する反応性シリコーン油、イソシアネート化合物、および揮発性シリコーン油を包含する気孔形成剤を含有する反応混合物を該導電層の表面に適用する工程、および該反応混合物を、該ポリオールおよび反応性シリコーン油と該イソシアネート化合物との反応条件に供する工程を具備することを特徴とする現像ローラの製造方法。
  10. ポリオールが、フッ素含有ポリオールであることを特徴とする請求項8または9に記載の現像ローラの製造方法。
  11. フッ素含有ポリオールが四フッ化エチレンモノマー単位を主成分として含む共重合体ポリオールであることを特徴とする請求項10に記載の現像ローラの製造方法。
  12. 反応性シリコーン油が、下記一般式(1)または(2):
    Figure 0003566563
    Figure 0003566563
    (一般式(1)および(2)において、各Rは、−COCOHまたは−COCH−C(CHOH)を表し、nは、約20以下の整数を表す)で示されることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の現像ローラの製造方法。
  13. フッ素含有ポリオールと反応性シリコーン油の混合比率を変えることにより被覆層の摩擦帯電列を制御することを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載の現像ローラの製造方法。
  14. 導電層が、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーン変性エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムのいずれか1種類のゴムに導電性を付与した材料より形成されていることを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載の現像ローラの製造方法。
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