JP3565396B2 - 回転数制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転数制御装置を有するハンマドリル等の電動工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のハンマドリルの回転数制御装置の構造を図2及び図4により説明する。
【0003】
図2は従来の回転数制御装置15の構造を示す一部断面図であり、図4は回転数制御装置15を含めた電動工具全体の回路図である。
【0004】
この種の回転数制御装置15の制御は、一般に定速度無段変速電子制御と呼ばれ、使用者がその作業に応じて決定する設定速度に、実際の電動機の回転を制御するものである。ここで、設定速度が無段階に設定できることから、定速度無段変速電子制御と呼ばれている。
【0005】
この定速度無段変速電子制御については、従来から提案されているものであり、ここでの詳細な説明は避けるが、基本的には、図4に示す回路からも理解できるように、検出器3から出力されたパルス形状の信号を、その周波数に応じて所定の電圧に変換し、この変換された電圧と、可変抵抗器VR1にて設定された電圧(設定回転数に対応)との差分をICで計測し、この差分をより小さくする方向にトライアック8のゲート信号9を制御するというものである。
【0006】
回転数制御装置15の構成は、ケース6により覆われて形成されており、ケース6内には、使用者がつまみ19を任意に回転設定することで設定速度を決定する可変抵抗器VR1、電動機7の回転子1に取り付けられ磁性体を内蔵するモールド部品2の磁性信号を検出するために磁性体と電圧発生用コイルを有する検出器3、電動機7への電力供給を制御するトライアック8、回転数の制御を司るIC、可変抵抗器VR1やトライアック8やその他図4に示す各種抵抗器やコンデンサ等を固定する基板4、この基板4と検出器3を電気的に接続するリード線5が内蔵されている。
【0007】
ケース6は、図2の右側側面のみが開口しておりその他の面は閉口している構成のため、上記した各種部品は図2の右側側面から挿入されることになる。
【0008】
この種の回転数制御装置15を、振動が大きく発生するハンマドリル等の電動工具に装着して使用すると、回転数制御装置15に与えられる振動により、回転数制御装置15内の各種部品に振動が加わり、断線等の問題が生じるため、ケース5内に上記各種部品を図2の右側側面から挿入した後で、ウレタン樹脂やシリコン樹脂等を充填し、断線の予防、及び絶縁を果たしている。
【0009】
このように構成された従来の回転数制御装置15では、ケース6に対しての検出器3や基板4の位置が決められていない。
【0010】
ケース6に対しての基板4の位置決めは、基板4に固定され且つケース6から突出した部品10を押えた上で、ケース6を押えてウレタン樹脂やシリコン樹脂等を充填することにより行われている。しかし、検出器3はケース6からは突出していないため押えることは困難である。なお、ケース6から突出した部品10とは、例えばトライアック8を指し、トライアック8の一部をケース6から突出させることによりトライアック8の冷却を果たしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、検出器3を押えずにケース6内にウレタン樹脂やシリコン樹脂等を充填させると、検出器3と基板4を結ぶリード線の張力等の影響により、検出器3の検出器端面12の位置が不確定になってしまい、検出対象であるモールド部品2との距離が不確定になるという問題を有していた。
【0012】
検出器3とモールド部品2との距離が大きくなると、検出器3がモールド部品2に内蔵された磁石の磁束を検出しても、検出器3の出力電圧がICの認識可能な電圧レベルを下回ってしまい、検出器3からICに信号が送られているにも拘らず、ICでは電動機7が回転していない(実回転数”0”)と誤認識してしまう。ICがこのような誤認識をすると、ICが電動機7の制御のために計算する設定回転数と実回転数の差が埋まらず、トライアック8のゲート9を開く方向での制御になってしまうので、実際には電動機7の回転数が上昇し、実質的に制御不能の状態に陥ってしまう。
【0013】
本発明は、上記の問題を解決するため、検出器3が常にケース6内の所定の場所に位置させ、制御不能の状態に陥ることのない、確実な回転数制御を行うことができる電動工具を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、回転数制御装置を取り付ける別の基板(サブ基板)を設け、このサブ基板を、制御回路を構成する基板とケースの内面とで挟持することにより達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1及び図3により説明する。
【0016】
図1は、本発明になる回転数制御装置15、及び電動機7の回転子1の一部を示す一部断面図、図3は本発明になる回転数制御装置15を電動工具の一種であるハンマドリルに取付けた例を示す一部断面図である。
【0017】
まず、電動機7の回転子1の一端にはモールド部品2が一体に取り付けられており、このモールド部品2は、磁石保持部品14とその内部に設けられた外周に複数の磁極を有する磁石13から成る。なお、外周に複数の磁極を有する磁石13の代わりに、磁石を複数個数埋め込んだ構成としても良い。
【0018】
回転数制御装置15は、この回転子1の一端に取付けられたモールド部品2に対向して配置され、回転数制御装置15内の最もモールド部品2に近い場所に検出器3が配置されている。
【0019】
検出器3は、モールド部品2内の磁石13の磁束を検出する磁性体と電圧発生用のコイルと樹脂製のボビンから成り、サブ基板16に固定的に設けられる。基板4には、従来の技術で述べた各構成部品が固定的に設けられている。検出器3とサブ基板16は電気的にも接続されており、検出器3の出力信号はサブ基板16とリード線5を経由して基板4へ供給される。
【0020】
ここで、回転数制御装置15の製造手順について説明する。
【0021】
まず、トライアック8・可変抵抗器VR1・IC・その他の電気部品を基板4に、検出器3をサブ基板16に、電気的に接続した上で固定し、基板4のユニットとサブ基板16のユニットを構成する。
【0022】
次に、基板4のユニットに設けたリード線5のリード線端部17をサブ基板16の所定箇所に固定し、基板4とサブ基板16のユニットをリード線5にて電気的に接続する。
【0023】
このように構成したものを、ケース6の開口部(図1の右側側面)から挿入する。挿入は、まずサブ基板16のユニットをケース6の奥側に位置する内壁面11に当接するまで押し込み、次いで基板4のユニットをケース6に挿入する。基板4のユニットを挿入する際に、基板4の端部18(図1では下側端部)でサブ基板16を図1の左方向に押すように挿入をすることで、サブ基板16を基板4とケース6の奥側に位置する内壁面11で挟持し、サブ基板16のユニットの位置決めを図る。
【0024】
ケース6に対して必要な部品をこのように挿入した状態で、基板4に取り付けられ且つケース6から冷却のために突設しているトライアック8と、ケース6を所定の治具で固定し、ケース6内にウレタン樹脂やシリコン樹脂等を充填する。
【0025】
なお、可変抵抗器VR1の操作のために設けたつまみ19は、最初から可変抵抗器VR1に取り付けて上記組立てを行っても良いし、ウレタン樹脂やシリコン樹脂等の充填作業終了後に取り付けても良い。つまみ19の側面部には、作業者が操作する際に滑らないよう凹凸が設けられており、加えて作業者が速度を設定するための目安となる目盛が書かれている。
【0026】
上記のように構成された回転数制御装置15は、図3に示すように電動工具(この場合はハンマドリル)の内部に配置され、つまみ19に対向する電動工具のハウジングの部分を孔部とすることにより、つまみ19の回転による設定速度の変更、即ち可変抵抗器VR1の抵抗値の変更を作業者ができるよう構成してある。
【0027】
なお、上記の回転数制御装置15の構成において、基板4とサブ基板16の電気的な接続をリード線5によって成したが、基板4とサブ基板16が接触する部位、即ち基板4がサブ基板16を押圧している部位にてリード線5を用いず、夫々の基板同士の接触によって電気的な接続を図っても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ケース内における検出器の位置を常に所定の位置に配置することができるので、検出対象であるモールド部品と検出器の距離を常に適正な距離とすることができ、検出器からの信号が安定するので、確実な回転数制御を行うことができる電動工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる回転数制御装置及び回転子の一部を示す一部断面図。
【図2】従来の回転数制御装置15の構造を示す一部断面図。
【図3】本発明になる回転数制御装置をハンマドリルに取付けた例を示す一部断面図。
【図4】回転数制御装置15を含めた電動工具全体の回路図。
【符号の説明】
1は回転子、2はモールド部品、3は検出器、4は基板、5はリード線、6はケース、7は電動機、8はトライアック、9はトライアック8のゲート、10はケース6から突出する部品、11はケース6の内壁面、12は検出器端面、13は磁石、14は磁石保持部品、15は回転数制御装置、16はサブ基板、17はリード線端部、18は基板4の端部、19はつまみである。
Claims (1)
- 磁石が装着された回転子を有する電動機と、前記磁石の磁束を検出し回転子の回転速度に応じた信号を出力する検出器と、作業者が任意に設定する可変抵抗器とを有し、該可変抵抗器を基板に載置し、該検出器と該基板を収納した状態で、内部に充填物を内蔵するケースを有する回転数制御装置を有する電動工具において、前記検出器をサブ基板に載置し、該サブ基板を前記基板と前記ケースの内壁面にて挟持することを特徴とする電動工具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP07337197A JP3565396B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 回転数制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP07337197A JP3565396B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 回転数制御装置 |
Publications (2)
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JPH10271764A JPH10271764A (ja) | 1998-10-09 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3565396B2 (ja) |
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1997
- 1997-03-26 JP JP07337197A patent/JP3565396B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10271764A (ja) | 1998-10-09 |
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