JP3565123B2 - 高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造 - Google Patents

高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP3565123B2
JP3565123B2 JP37227899A JP37227899A JP3565123B2 JP 3565123 B2 JP3565123 B2 JP 3565123B2 JP 37227899 A JP37227899 A JP 37227899A JP 37227899 A JP37227899 A JP 37227899A JP 3565123 B2 JP3565123 B2 JP 3565123B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace body
furnace
ring block
body ring
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37227899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001181716A (ja
Inventor
昌男 藤田
啓孝 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP37227899A priority Critical patent/JP3565123B2/ja
Publication of JP2001181716A publication Critical patent/JP2001181716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3565123B2 publication Critical patent/JP3565123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉炉体の炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して炉体の解体、組み立てを行う高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高炉炉体を改修するに当たっては、まず、小ブロックに分割した炉体鉄皮片を現地に持ち込み、炉体基礎上で溶接により炉体鉄皮片を組み立て、その後400 〜600 枚のステーブを1枚づつ炉体鉄皮内に取り込み、所定の位置に取り付けた後、炉内のれんが積みを行っていた。このため高炉改修には、100 〜130 日の作業期間を要していた。
【0003】
これに対していわゆる炉体リング大ブロック工法では、炉体を鉄皮、ステーブ、耐火物ごとリング状に切断して解体する一方、組み立てについても事前に鉄皮、ステーブ、耐火物を数個のリング状に組み立て、この組み立てしたリングブロックを現地に持ち込み、これを組み立てるので70日以下の短期改修が可能になる。
【0004】
例えば、特公昭47−1846 号公報には、高炉を炉床部、朝顔部、炉胸部、炉口部等に分割した炉体リングブロックをそれぞれ高炉周辺の炉体組み立て高さとほぼ同じ高さの足場上で形成し、各炉体リングブロック毎に移動用足場を用いて順次横方向へ移動して高炉基礎上に積み重ね、全体を結合して一体に構成する技術が開示されている。
【0005】
また、特公昭53−39322号公報には、炉頂部から炉底部までの数個の炉体リングブロックを高炉の基礎外の場所で製作しておき、各炉体リングブロックを炉体支持柱の上に設けた高炉建設用の付設櫓を利用して、いわゆるリフトアップ工法により炉頂部から順次組み立て、最後に炉底部を高炉の基礎上に固定する方法が提案されている。
【0006】
高炉では、炉体基礎部の上端レベルは高炉の規模にかかわらず通常4〜6m程度の高さになる。これは高炉出銑口から流出する溶銑を下り勾配を有する出銑樋に流して、溶銑運搬用のトピードカーあるいは溶銑鍋等へ導入するためである。したがって、前述した従来技術の場合、各分割リングブロックは全て地上約7mの高さの架台上で組み立てる必要があり、高価な架台を要するばかりでなく高所作業が多くなり不安全な作業を余儀なくされる。
【0007】
高炉の解体または建設を炉体リングブロック工法で実施する際、4000〜5000mの高炉では1000〜2000t の炉体リングブロックを搬送する必要がある。高炉解体の場合、炉体基礎部の約7mの高いレベルから炉体リングブロックを低いレベルの炉体解体場に搬送し、また建設の場合、炉体地組場の低いレベルで新製作された炉体リングブロックを地上約7mの炉体基礎部上へ搬送する必要がある。
【0008】
重さが1000〜2000t もある炉体リングブロックを搬送するには、高さ約1.5 m の水平梁を備えた炉体用輸送台車を使用する。炉体用輸送台車には荷重分散用のパッキングビームを上架するので台車の高さは約3mになる。炉体用輸送台車上の炉体リングブロックを水平に移動して炉体基礎部の上に載置するには、炉体基礎部の高さ7mとのレベル差4mを補う積み荷レベル調整架構を用いて炉体用輸送台車上に載せた炉体リングブロックの高さを調整する必要がある。積み荷レベル調整架構は、解体する分割リングブロック数、または新製作の炉体リングブロック数だけ必要となると共に、炉体リングブロックの荷重に耐える剛性が必要となり製作費用が高くなる。
【0009】
このような問題点を解決するため、特開平10−102778 号公報には、搬送途中の適当な場所に炉体リングブロックを昇降する固定式吊換装置を設置しておき、炉体リングブロックの解体時には高炉炉体基礎より高いレベルに合わせた積荷レベル調整用架構をセットした炉体用輸送台車に載せて固定式吊換装置まで輸送する。そして固定式吊換装置により炉体リングブロックをリフトアップ状態として、積荷レベル調整用架構を除去した後、炉体リングブロックをリフトダウンして炉体用輸送台車に直接載せ、炉体リングブロックを保管用の置台上まで輸送する。
【0010】
一方、新製作の炉体リングブロックを低いレベルで地組みし、炉体用輸送台車に載荷して固定式吊換装置まで輸送した後、固定式吊換装置を用いて炉体リングブロックを高炉の炉体基礎部上に移動可能なレベルまでリフトアップする。続いて、積荷レベル調整用架構をセットした炉体用輸送台車に載せて、炉体基礎部まで搬送する高炉炉体構築方法が開示されている。
【0011】
特開平10−102778 号公報に開示された高炉炉体構築方法では、図14および図15に示す構造の炉体用輸送台車1を使用する。炉体用輸送台車1は、上面が平坦な長方形の台車本体2を備え、台車本体2の下部には空気を充填したタイヤ式の車輪3が多数配列されており、地面上を走行する。車軸上には油圧式の昇降シリンダ4が配設してあって台車本体2が昇降自在である。また、各車輪3は旋回レバー5を調整することにより車輪3の水平旋回が可能となっている。このため炉体用輸送台車1は車輪3を旋回することにより移動方向を自由に変更できる。炉体用輸送台車1には、前後進を可能とする走行用駆動装置を備えた自走式のものと、駆動装置のない従動式のものを長手方向に連結して使用される。炉体用輸送台車1は、連結台数の選択により長さが調節できると共に、並列して使用することにより幅の広いものにも対応可能である。
【0012】
図16に示すように、固定式吊換装置6は、地上に固定設置した平面長方形の4隅に配置された4本の支柱7と2本の水平梁8から構成される。図17に示すように、2本の水平梁8は4本の支柱7のスパンの長い側の頂部にさし渡され、その高さは炉体リングブロック11を積荷レベル調整架構14(図27参照)をセットした炉体用輸送台車1上に載荷する作業を考慮すると20m を超える高さとなる。2本の水平梁8上には、それぞれ離間してリフトジャッキ9が2個づつ計4個配置される。図17に示すように、4本の支柱7は平面長方形の4隅に配置されていて、長スパン側の水平距離は炉体リングブロック11の最大直径(例えば25m 程度)よりも大きくしてあり、炉体リングブロック11の水平搬入を可能にしている。支柱7の短スパン側は連結部材26により連結してある。
【0013】
炉体リングブロック11を用いて高炉炉体を構築する場合は、図18に示すように、所定の炉体地組場で地上約3mの高さを有する置台10上で炉体の上部から下部までを構成する複数の炉体ングブロック11が地組みされる。この時、各炉体リングブロック11は10箇所程度に配置した置台10に支持させ、荷重を分散する。
図19に示すように、置台10上の炉体リングブロック11を搬送するには、図20に示すように置台10を間引いて必要最小限の置台10により炉体リングブロック11を支持する。そして図21および図22に示すように、置台10に干渉しないように炉体リングブロック11の下に形成された間隙内に、パッキングビーム12(荷重を全長に分散させるために使用)を載せた4列の炉体用輸送台車1を引き込む。このとき、昇降シリンダ4(図14参照)により台車本体2を上昇させ、炉体用輸送台車1に炉体リングブロック11を支持させた状態として置台10と切り離す。
【0014】
図23に示すように、炉体リングブロック11を載荷した炉体用輸送台車1は、矢印方向への走行により支柱7の長いスパン側にかけ渡された水平梁8の下方を通って固定式吊換装置6の設置位置で停止する。図24および図25に示すように、炉体用輸送台車1上の炉体リングブロック11は、側面下端部に取り付けた吊ブラッケト13にリフトジャッキ9から垂下された吊ロッド24が連結される。
【0015】
図26に示すように、リフトジャッキ9の駆動により炉体リングブロック11を吊り上げて炉体用輸送台車1を矢印方向に退去させる。続いて図27に示すように、炉体リングブロック11の下面が地面より7m以上の高さレベルになるまでリフトアップした後、炉体リングブロック11の下方に、積荷レベル調整架構14をセットした炉体用輸送台車1が引き込まれる。なお、積荷レベル調整架構14は、調整架構本体27と、調整架構本体27の上に配置されたレール16と、レール16の上に設けた支持ブロック18を備えた移動台19とから形成されている。
【0016】
図28に示すように、リフトジャッキ9の駆動により炉体リングブロック11をリフトダウンして炉体用輸送台車1の積荷レベル調整架構14上に載荷する。図29に示すように、炉体用輸送台車1上の炉体リングブロック11を炉体基礎部15の近傍まで搬送し、積荷レベル調整架構14の上面に設けたレール16と高炉炉体基礎15上のレール17とを接続する。移動台19上の炉体リングブロック11は、駆動シリンダ20の駆動による矢印方向への摺動によりレール16上を水平に移動する。駆動シリンダ20は取り付け位置が変更可能になっており、炉体リングブロック11の移動に追従して設置位置を少しづつ前進させる。これにより炉体リングブロック11がレール16上からレール17上に徐々に移動され、最終的に高炉炉体基礎部15の中心部に位置させる。
【0017】
引き続き、高炉の炉体支柱からのリフト設備(図示せず)から垂下した吊具21により炉体リングブロック11をリフトアップし、、レール17上の支持ブロック18と共に移動台19を撤去する。次に搬送する炉体リングブロック11が高炉炉体基礎部15上に移動可能な高さまで炉体リングブロック11の下方にスペースをあける。かくして先にリフトアップした炉体リングブロック11の下側に次の炉体リングブロック11を移動させ、上下の炉体リングブロック11を接続し、さらにリフトアップする。このような操作を新製作のブロック数だけ繰り返して高炉炉体基礎上で一体化して炉体を完成させる。
【0018】
既存炉体をその炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して解体する場合には前記手順と逆になる。この場合、炉体用輸送台車1にセットした積荷レベル調整架構14上の炉体リングブロック11を固定式吊換装置6で吊り上げ、積荷レベル調整架構14を取り外した後、炉体用輸送台車1上にリフトダウンして炉体リングブロックを上架し直さねばならない。そして炉体用輸送台車1で炉体リングブロック11を炉体解体場まで搬送し、置台10上に載置する。
【0019】
このように特開平10−102778 号公報に開示された高炉炉体構築方法では、固定式吊換装置6を用いるため、炉体地組場または炉体解体場に炉体用輸送台車1を引き込む場合には、炉体用輸送台車1上の積荷レベル調整架構14を取り外した状態とする必要がある。このため炉体用輸送台車1上への積荷レベル調整架構14の着脱および固定式吊換装置6による炉体リングブロック11の炉体用輸送台車1への積み降ろしを繰り返すことが不可欠であり、作業能率が悪かった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
固定式吊換装置を用いて炉体リングブロックの炉体用輸送台車への積み降ろしを行う場合、前述のように炉体リングブロックの重量は2000t 近くになり、4本ある支柱1脚あたりの荷重負荷は固定式吊換装置の自重を含めると600tにもなる。支柱径は4.5 m 程度が必要となり、基礎面に加わる荷重は30t/m以上になるため、通常の地盤では地耐力が不足する。固定式吊換装置の基礎は、本格的な杭構造の基礎、あるいは設置面圧を下げるため受圧面をひろげたコンクリート構造の基礎として補強する必要がある。ここで、炉体リングブロックを載置して移動する炉体用輸送台車は多数の車輪を介して多点支持されているため、基礎面に加わる単位面積当たりの荷重は小さく、補強は軽微で済む。
【0021】
一方、移動式吊換装置を用いて炉体用輸送台車へ炉体リングブロックを積み降ろしを行う場合、炉体地組場または炉体解体場に移動式吊換装置を移動させて炉体リングブロックの積み降ろしを行うので、炉体リングブロックの数に対応する基礎面の補強が必要となり、前記固定式吊換装置を用いる場合よりも広い面積の補強を要する。工事上の一時的な基礎荷重負荷に対しては鋼製造スラブ等を敷設して荷重分散を図る方法が知られているが、これでは支柱間の不等沈下が問題となるため採用が困難である。固定式または移動式のいずれを採用するにしても、不等沈下を軽減するには基礎建設に多大な費用と建設工程を必要とするという問題点があった。
【0022】
本発明は前記固定式吊換装置または移動式吊換装置を用いて炉体リングブロックを積み降ろしを行う際に、基礎面に加わる荷重を確実に受け止め、安価かつ容易に施工できる高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1記載の本発明は、高炉炉体の炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して炉体の解体、組み立てを行う高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法であって、前記炉体リングブロックの吊り上げ箇所における該炉体リングブロック用吊換装置の支柱基礎面に荷重負荷分散用支持部材を敷設し、該荷重負荷分散用支持部材の上面に前記炉体リングブロックの重量以上の重さを有する重量物を載置して、前記支柱基礎面を予め強制沈下させておくことを特徴とする高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法である。
【0024】
請求項2記載の本発明は、前記支柱基礎面の地盤部にバラスを充填して転圧し、該バラス上に荷重負荷分散用支持部材を敷設することを特徴とする請求項1記載の高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法である。
請求項3記載の本発明は、高炉炉体の炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して炉体の解体、組み立てを行う高炉炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強構造であって、前記炉体リングブロックの吊り上げ箇所における該ロック用吊換装置の支柱基礎面に、前記炉体リングブロックの重量以上の重さを有する重量物を載置して前記支柱基礎面を予め強制沈下させた荷重負荷分散用支持部材を敷設したことを特徴とする高炉炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強構造である。
【0025】
請求項4記載の本発明は、前記荷重負荷分散支持部材が、前記支柱基礎面の地盤部に充填して転圧したバラスの上に敷設されていることを特徴とする請求項3記載の高炉炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強構造である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態では、炉体リングブロック用吊換装置として移動式吊換装置を使用する場合について説明するが、本発明は固定式吊換装置にも適用可能である。
本発明では、図1および図2に示すような移動式吊換装置22は、炉体リングブロック11を吊り上げる必要のある場所に移動自在となっている。移動式吊換装置22は、図16および図17に示す固定式吊換装置6と大部分は同じ構造であるので説明が重複するのを省略するが、4本の支柱7の下端部には、支柱7の短いスパン側の中心を結ぶ水平方向の下面が開放した矩形状切欠溝25が設けてある。この矩形状切欠溝25の高さと幅は、吊換装置用輸送台車23の高さを低くした状態における高さと幅より少し大きくなるように形成される。
【0027】
また、吊換装置用輸送台車23は、炉体用輸送台車1と同構造となっており、図14および図15に示すように、上面が平坦な長方形の台車本体2を備え、台車本体2の下部には空気を充填したタイヤ式の車輪3が多数配列されており、地面上を走行する。また、車軸上には油圧式の昇降シリンダ4が配設してあって台車本体2が昇降自在であり、また、各車輪3は旋回レバー5を調整することにより車輪3の水平旋回が可能である。
【0028】
移動式吊換装置22を形成する支柱7の短いスパン側で対向する矩形状切欠溝25内に、短いスパンの間隔より大きい長さに調節した左右に並列して1セットづつの吊換装置用輸送台車23を入り込ませた状態とする。その後に吊換装置用輸送台車23を昇降シリンダ4の作動による台車本体2の持ち上げで支柱7の下端面を地切り状態とし、逆に下降によって支柱7の下端面を着地状態とするようになっている。
【0029】
通常は、移動式吊換装置22を形成する4本の支柱7の下端面は接地状態である。移動式吊換装置22を移動させる際には、吊換装置用輸送台車23の台車本体2を昇降シリンダ4によって高さを低くした状態として吊換装置用輸送台車23を支柱7の下端部に形成した矩形状切欠溝25内に進入さる。続いて、昇降シリンダ4を伸長させて台車本体2の上面を矩形状切欠溝25の下面に接触させて移動式吊換装置22を持ち上げ、支柱7の下端面を地切り状態とする。これにより、吊換装置用輸送台車23による移動式吊換装置22の移動が可能になる。
【0030】
高炉炉体を構築する際には、図3および図4に示すように、置台10上に載置された新製作の炉体リングブロック11(ここでは、複数ある炉体リングブロックの1ブロックのみを示す)の位置まで移動式吊換装置22を移動させ、炉体リングブロック11の上端部にリフトジャッキ9から垂下された吊ロッド24を連結する。
図5に示すように、リフトジャッキ9の駆動により吊ロッド24を介して炉体リングブロック11を置台10からリフトアップする。この時、炉体リングブロック11の重量は2000t 近くあるため、移動式吊換装置22の自重を含めると支柱7には1脚当たり600tの荷重負荷が加わるため4本の支柱が不等沈下する危険性がある。
【0031】
そこで本発明では、移動式吊換装置で炉体リングブロックの吊り上げ作業を行う箇所の支柱基礎面に、荷重負荷分散用支持部材として例えば支柱用スラブ28を敷設する。支柱用スラブ28としては、製鉄所で発生した安価な鋼製の廃却スラブを利用することができる。また、廃却スラブの他、コンクリートブロック、廃却インゴットケース等も使用可能である。
【0032】
支柱用スラブ28は、支柱基礎面を構成する土砂の粒度や材質等の地盤条件がよければ、平坦に均した地面に直接敷設することも可能である。しかしながら、通常は、図6に示すように、地盤上に適当な厚さにバラス30を敷き詰め、ローラ転圧等により平面に仕上げ、その上に支柱用スラブ28を敷設するのが好ましい。なお、炉体リングブロック11を載置する置台10の地盤には置台用支持部材として置台用スラブ29を敷設する。
【0033】
そして、図8および図9に示すように、支柱用スラブ28の上に複数本の枕木31を並べてその上に面積の広い大型の載荷用スラブ32A を1枚載置し、この載荷用スラブ32A の上に小型の載荷用スラブ32B を600t以上の重量になるように順次載荷して多段に積み上げる。これにより支柱基礎面を予め強制沈下させておくので、支柱基礎面上での移動式吊換装置22による炉体リングブロック11の吊り上げ作業を許容不等沈下量(10mm)以下で実施することを可能とした。
【0034】
図10に示すように、支柱用スラブ28の上に載荷用スラブ32A 、32B を600t以上になるように載荷した直後に支柱基礎面が−20mmまで沈下し、数日で−30mmまで沈下が増加したが、その後は−30mmで一定であった。30日後に載荷用スラブ32A 、32B を取り除いた除荷時に約 10mm のスプリングバックがあり、−20mmになった。その後、移動式吊換装置22により炉体リングブロック11の吊り上げを行った負荷時には 5〜10mmの沈下量に止まり、−25〜−30mmのレベルを保ち、設計値の10mm以内に収めることができた。荷重負荷を解除した段階では−20mmのレベルに戻った。
【0035】
炉体地組場から炉体リングブロック11を搬送する場合には、図11に示すように、リフトジャッキ9により炉体リングブロック11を置台10からリフトアップして地面から7m以上の高さレベルに吊り下げた状態とする。吊換用輸送台車23の運転により移動式吊換装置22を、炉体組立場近傍の置台10から離れた位置に待機している炉体用輸送台車1(積荷レベル調整架構14をセット済)のところまで移動させる。図12に示すように、リフトジャッキ9により炉体リングブロック11をリフトダウンし、積荷レベル調整架構14上に載荷する。
【0036】
続いて、図13に示すように、炉体用輸送台車1を高炉の炉体基礎部15の近傍まで移動し、積荷レベル調整架構14が具備するレール16と炉体基礎部15上のレール17とを接続する。レール16上には支持ブロック18を配設した移動台19が設けてあり、移動台19上に載置された炉体リングブロック11は駆動シリンダ20を駆動して矢印方向への摺動により水平移動され、最終的に炉体基礎部15の中心に位置させる。
【0037】
引き続き、炉体支柱のリフト設備から垂下した吊具21により炉体リングブロック11をリフトアップし、炉体リングブロック11の下方に次に搬入する炉体リングブロック11が炉体基礎部15上に移動可能な高さとなるようにスペースをあける。かくして先にリフトアップした炉体リングブロック11の下側に次の炉体リングブロック11を移動させ、上下の炉体リングブロック11を接続し、さらにリフトアップする。このような操作を新作ブロック数だけ繰り返して炉体基礎部15上で一体化して高炉の炉体を完成させる。
【0038】
本発明の実施態様の場合、支柱用スラブ28を敷設する必要があるのは移動式吊換装置22により炉体リングブロック11を吊り下げた状態とする炉体組立場および図11のように移動式吊換装置22を炉体リングブロック11を吊り下げた状態で、炉体組立場近傍で待機している炉体用輸送台車1のところまで移動させる経路上である。置台10を介して炉体リングブロック11を支持する炉体組立場の基礎面および炉体リングブロック11を載置して炉体用輸送台車1が走行する搬送経路の基礎面は、基礎面にかかる単位面積あたりの負荷は小さいので置台用スラブ29をバラス30上に敷設するだけで十分で(図6参照)、予め強制沈下させておく必要はない。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、高炉炉体の炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して炉体の解体、組み立てを行うに際し、炉体リングブロック用吊換装置により炉体リングブロックの吊り上げ作業を行う箇所の支柱基礎面に支柱用スラブを荷重負荷分散用支持部材として敷設し、この荷重負荷分散用支持部材の上面に炉体リングブロック以上の重さを有する重量物としての載置用スラブを載置して前記支柱基礎面を予め強制沈下させ、炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強を行う。
【0040】
支柱用スラブには製鉄所の廃却スラブ、コンクリートブロック、廃却インゴットケース等の安価な重量物を使用でき、また基礎面補強工期が短縮されるので建設費が節減できる。地盤沈下量は場所により異なるが、荷重負荷分散用支持部材の上に少なくとも炉体リングブロックに相当する重量を有する重量物を載置して予め支柱基礎面を強制沈下させておく。このため、炉体リングブロック用吊換装置で炉体リングブロックを吊り上げるときに生じる支柱基礎面の沈下量を許容値以下に低減でき、かつ沈下量の偏差抑制が可能になるので、高炉炉体リングブロック工法の安定化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する移動式吊換装置を示す斜視図である。
【図2】本発明で使用する移動式吊換装置を示す正面図である。
【図3】本発明で使用する移動式吊換装置により炉体リングブロックを吊り上げる状況を示す正面図である。
【図4】図3のA−A矢視方向を示す側面図である。
【図5】本発明で使用する移動式吊換装置の支柱の下端部に支柱用スラブを敷設して炉体リングブロックを吊り上げる状況を示す斜視図である。
【図6】本発明の炉体リングブロックを吊り上げる箇所での移動式吊換装置の支柱基礎構造を示す断面図である。
【図7】本発明の炉体リングブロックを吊り上げる箇所での移動式吊換装置の支柱基礎構造を示す平面図である。
【図8】本発明の炉体リングブロックを吊り上げる箇所での移動式吊換装置の支柱基礎面を予め強制沈下させておく状況を示す断面図である。
【図9】本発明の炉体リングブロックを吊り上げる箇所での移動式吊換装置の支柱基礎面を予め強制沈下させておく状況を示す平面図である。
【図10】本発明の載荷スラブの載荷開始、スラブ除荷、炉体リングブロックの吊り上げ時における支柱基礎面の沈下量時間推移を示すグラフである。
【図11】本発明の移動式吊換装置によりリフトアップした炉体リングブロックを炉体輸送台車の積荷レベル調整架構上に移動させる状況を示す側面図である。
【図12】本発明の移動式吊換装置により新しい炉体リングブロックを炉体輸送台車の積荷レベル調整架構上に載荷した状況を示す説明図である。
【図13】本発明の炉体輸送台車の積荷レベル調整架構上に載荷した新しい炉体リングブロックを高炉炉体基礎上に移動させる状況を示す側面図である。
【図14】従来の炉体用輸送台車を示す側面図である。
【図15】従来の炉体用輸送台車を示す正面図である。
【図16】従来の固定式吊換装置を示す斜視図である。
【図17】従来の固定式吊換装置を示す平面図である
【図18】従来の新しい炉体リングブロックを炉体地組場の置台上に載置して複数個配列した状況を示す正面図である。
【図19】従来の新しい炉体リングブロックを炉体地組場に荷重分散するのに必要な個数の置台に支持させて載置した状況を示す正面図である。
【図20】従来の炉体リングブロックを最小限の置台に支持させて載置した状況を示す正面図である。
【図21】従来の炉体リングブロックを支持する最小限の置台に干渉しないように炉体用輸送台車を引き込んだ状況を示す正面図である。
【図22】従来の炉体リングブロックを支持する最小限の置台に干渉しないように炉体用輸送台車を引き込んだ状況を示す平面図である。
【図23】従来の炉体リングブロックを炉体輸送台車上に載荷して固定式吊換装置の方に搬送する状況を示す側面図である。
【図24】従来の炉体リングブロックを炉体輸送台車上から固定式吊換装置によりリフトアップする状況を示す正面図である。
【図25】従来の新しい炉体リングブロックを炉体輸送台車上から固定式吊換装置によりリフトアップする状況を示す平面図である。
【図26】従来の新しい炉体リングブロックを固定式吊換装置によりリフトアップして炉体輸送台車を移動させる状況を示す側面図である。
【図27】従来の新しい炉体リングブロックを固定式吊換装置によりリフトアップして炉体輸送台車を固定式吊換装置の位置に搬送する状況を示す側面図である。
【図28】従来の新しい炉体リングブロックを固定式吊換装置の位置に搬送して炉体輸送台車の積荷レベル調整架構上に載荷した状況を示す側面図である。
【図29】従来の炉体輸送台車の積荷レベル調整架構上に載荷した新しい炉体リングブロックを高炉炉体基礎上に移動させる状況を示す側面図である。
【符号の説明】
1 炉体用輸送台車
2 台車本体
3 車輪
4 昇降シリンダ
5 旋回レバー
6 固定式吊換装置
7 支柱
8 水平梁
9 リフトジャッキ
10 置台
11 炉体リングブロック
12 パッキングビーム
13 吊ブラケット
14 積荷レベル調整架構
15 炉体基礎部
16、17 レール
18 支持ブロック
19 移動台
20 駆動シリンダ
21 吊具
22 移動式吊換装置
23 吊換用輸送台車
24 吊ロッド
25 矩形状切欠溝
26 連結部材
27 調整架構本体
28 支柱用スラブ(荷重負荷分散用支持部材)
29 置台用スラブ
30 バラス
31 枕木
32A 、32B 載荷用スラブ(重量物)

Claims (4)

  1. 高炉炉体の炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して炉体の解体、組み立てを行う高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法であって、前記炉体リングブロックの吊り上げ箇所における該炉体リングブロック用吊換装置の支柱基礎面に荷重負荷分散用支持部材を敷設し、該荷重負荷分散用支持部材の上面に前記炉体リングブロックの重量以上の重さを有する重量物を載置して、前記支柱基礎面を予め強制沈下させておくことを特徴とする高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法。
  2. 前記支柱基礎面の地盤部にバラスを充填して転圧し、該バラス上に荷重負荷分散用支持部材を敷設することを特徴とする請求項1記載の高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法。
  3. 高炉炉体の炉頂部から炉底部までを複数の炉体リングブロックに分割して炉体の解体、組み立てを行う高炉炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強構造であって、前記炉体リングブロックの吊り上げ箇所における該ロック用吊換装置の支柱基礎面に、前記炉体リングブロックの重量以上の重さを有する重量物を載置して前記支柱基礎面を予め強制沈下させた荷重負荷分散用支持部材を敷設したことを特徴とする高炉炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強構造。
  4. 前記荷重負荷分散用支持部材が、前記支柱基礎面の地盤部に充填して転圧したバラスの上に敷設されていることを特徴とする請求項3記載の高炉炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強構造。
JP37227899A 1999-12-28 1999-12-28 高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造 Expired - Fee Related JP3565123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37227899A JP3565123B2 (ja) 1999-12-28 1999-12-28 高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37227899A JP3565123B2 (ja) 1999-12-28 1999-12-28 高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001181716A JP2001181716A (ja) 2001-07-03
JP3565123B2 true JP3565123B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=18500174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37227899A Expired - Fee Related JP3565123B2 (ja) 1999-12-28 1999-12-28 高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3565123B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113067A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Jfe Steel Kk 吊上装置の基礎構築方法及び基礎構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113067A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Jfe Steel Kk 吊上装置の基礎構築方法及び基礎構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001181716A (ja) 2001-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5507383B2 (ja) 重量物架設機および重量物の架設方法
JP2000319709A (ja) 高炉の短期改修・建設方法およびリング状ブロックの上架装置
JP3539885B2 (ja) 炉体リングブロックの移動式吊換装置及び高炉炉体解体方法並びに高炉炉体構築方法
KR101160273B1 (ko) 교량공사용 스트래들 캐리어
JP2012136339A (ja) 構造物の架設方法及び撤去方法
JP5473294B2 (ja) 天井クレーンの据付け方法及び据付けシステム
JP3565123B2 (ja) 高炉炉体リングブロック工法における炉体リングブロック用吊換装置の基礎補強方法および基礎補強構造
JP2000282116A5 (ja)
JP2001248161A (ja) 法面へのコンクリートブロックの据え付け方法およびコンクリートブロック据え付け用の台車ならびに装置
JP4841809B2 (ja) 高炉建設方法
JP2002339007A (ja) 高炉炉底部の解体方法
JP4737405B2 (ja) 吊上装置の基礎構築方法及び基礎構造
JP3583354B2 (ja) 高炉改修用炉体リングブロックの吊換装置
CN210439082U (zh) 一种复杂地段磁浮轨排铺设系统
JP3046552B2 (ja) 高炉炉体構築方法
JP2001262209A (ja) 高炉の組立方法及び組立装置
JP2004225161A (ja) 移動式吊換装置、高炉炉体構築装置、高炉炉体構築方法、高炉炉体解体方法および高炉炉体組み立て方法
JP3873549B2 (ja) 高炉の改修方法
CN113983822B (zh) 烧结机头部安装方法及装置
JP2001214210A (ja) 高炉構成部材の据え付け方法
JP4961268B2 (ja) プレキャスト床版の搬送方法及び搬送機構
JP5739237B2 (ja) 重量物の搬出方法及び搬入方法
JP2001003108A (ja) 高炉炉内レールの据付及び撤去方法
JP2004068477A (ja) ワーク搬送台車
JP3581005B2 (ja) 資材ストック装置及び資材搬送方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees