JP2001003108A - 高炉炉内レールの据付及び撤去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短期間で高炉における炉体マンテルブロック
搬送用の炉内レールの据付又は撤去を行うことができ、
かつ、衝撃等によるスライドユニットの破損も効果的に
防止することができる高炉炉内レールの据付及び撤去方
法を提供する。 【解決手段】 前、後部スライドユニット１９、２１を
用いて炉内レール構造体１０を炉外レール２５、２７上
を摺動させながら炉内側に向けて移動すると共に、レー
ル支持車輪２２を用いることによって炉内レール１６の
水平を維持しながら炉内側に引き込むことができる。従
って、短期間で炉内レール１６の据付を行うことがで
き、かつ、衝撃等による前部スライドユニット１９の破
損も効果的に防止することができる。高炉炉内レールの
撤去方法においても同様である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の新設や改修
に際して、高炉の炉底基礎部上に高炉の炉体マンテルを
搬入したり、炉底基礎部から搬出するために用いる移動
台車等の搬送装置を移動自在に載置する高炉炉内レール
の据付及び撤去方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、高炉の短期改修、建設方法とし
て、炉体を複数のリング状ブロックに分割して、炉底基
礎部に搬送し、リフトアップ工法により接合する方法が
開発されており、その一例が特開平９−１４３５２１号
公報に提案されている。この方法において、リング状ブ
ロックを横送り搬送するためには、炉外レールと炉内レ
ールが必要となる。ここに、炉内レールは、（１）複数
の炉内レールを多数の構成部材に細かく分割し、これら
の構成部材を小型揚重機を用いて炉底基礎部上まで搬入
した後、炉底基礎部に据え付けたり、（２）複数の炉内
レールを横方向連結部材で連結して炉内レール構造体を
製作し、その後、この炉内レール構造体を炉外レール上
を走行させて炉内方向に引き込み、炉内側で炉内レール
構造体をアウトリガークレーンで吊りながら、横引きし
て取り込み、炉底基礎部上に据え付けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した炉内
レールの据付方法は、未だ、以下の解決すべき課題を有
していた。即ち、据付方法（１）は、炉内への多数の構
成部材の搬入作業と、炉内で炉内レール間を連結する工
程が必要となり、工事日数が延長、また、レール面の水
平度調整等の据付精度を保つ上で問題がある。一方、据
付方法（２）は、炉頂装入装置等のハンドリングに必要
なアウトリガークレーンをレール据付工事に拘束させる
ことになり、工程遅延の原因となる。一方、炉内レール
の撤去作業は、上記した操作を逆の手順で行なうもので
あるため、同様な課題を有していた。

【０００４】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、短期間で高炉における炉内レールの据付又
は撤去を行うことができ、かつ、衝撃等によるスライド
ユニットの破損も効果的に防止することができる高炉炉
内レールの据付及び撤去方法を提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る高炉炉内レールの据付方法は、まず、平行間隔をあ
けて縦方向に延びる複数の炉内レールが据え付けられる
炉底基礎部のまわりに炉内レールと整合可能な複数の炉
外レールを敷設する。一方、複数の炉内レール同士を横
方向連結部材で連結することによって構成される炉内レ
ール構造体を製作し、炉内レールの前部下面に前部スラ
イドユニットを取付けると共に、炉内レールの後端にブ
ラケットを介して後部スライドユニットを取付ける。次
に、炉内レール構造体を前部及び後部スライドユニット
を介して炉内側に向けて炉外レール上を移動する。炉内
レール構造体の先端部が、炉外レールの炉内側端を通過
した後、炉内レール構造体の前部の下面にレール支持車
輪を取付け、レール支持車輪を介して炉内レール構造体
の前部を支持すると共に炉内レール構造体の後部を後部
スライドユニットで支持しながら炉内側に引き込む。炉
内レール構造体が炉内レール据付位置に達した後、炉内
レール構造体をレール構造体支持手段によって支持しつ
つ、レール支持車輪及び後部スライドユニットを介した
炉内レール構造体の支持を解除する。その後、昇降手段
を用いて炉内レール構造体を炉底基礎部上に降ろし、据
え付ける。ここで、炉内レールは、単体としての炉内レ
ールの他、炉内レールと炉内レールを補強するレール支
持部との組み合わせ体とすることもできる。また、スラ
イドユニットとしては、好ましくは、大荷重に耐えるこ
とができると共に摺動抵抗摩擦を可及的に低減できる低
摩擦樹脂板を用いる。このような低摩擦樹脂板の一つと
して、摩擦係数が０．０８以下であり、表面にテフロン
加工が施されているピラーフロロゴールドスライドユニ
ット（商品名）がある。

【０００６】このように、前、後部スライドユニットを
用いて炉内レール構造体を炉外レール上を摺動させなが
ら引き込むと共に、レール支持車輪を用いることによっ
て炉内レールの水平を維持しながら引き込むことができ
る。従って、短期間で高炉における炉内レールの据付を
行うことができる。

【０００７】また、上記した高炉炉内レールの据付方法
において、炉内レール構造体の炉内レールの前部下面に
取付けられた前部スライドユニットが、各炉外レールの
端部を通過する際、レール支持車輪を車輪走行面上に設
けた突起物上を通過させるようにすることもできる。こ
の場合、前部スライドユニットの摺動面を持ち上げるこ
とができるので、炉外レールの端部と前部スライドユニ
ットの接触による前部スライドユニットの損傷を確実に
防止することができる。

【０００８】前記目的に沿う本発明に係る高炉炉内レー
ルの撤去方法は、まず、平行間隔をあけて縦方向に延び
る複数の炉内レールが据え付けられている炉底基礎部の
まわりに炉内レールと整合可能な複数の炉外レールを敷
設する。次に、複数の炉内レール同士を横方向連結部材
で連結して構成された炉内レール構造体の各炉内レール
の前部下面に前部スライドユニットを取付けると共に炉
内レールの後端にブラケットを介して後部スライドユニ
ットを取付け、後部スライドユニットを介して炉内レー
ルの後端を炉外レールに支持させる。炉内レール構造体
の前部の下面に、炉内レール構造体を炉底基礎部上に支
持するレール支持車輪を取付ける。その後、炉内レール
構造体を炉外レール上で摺動させながら炉外に向けて移
動する。前部スライドユニットが炉外レールに載った
後、レール支持車輪を介した炉内レール構造体の前部の
支持を解除し、炉内レール構造体を炉底基礎部のまわり
の炉外レール上まで摺動しながら移送する。

【０００９】このように、炉内レール構造体をレール支
持車輪を用いて引き出すと共に、前、後部スライドユニ
ットを用いて炉外レール上を摺動させながら炉外に引き
出すことができる。従って、短期間で、高炉における炉
内レールの撤去を行うことができる。

【００１０】また、上記した高炉炉内レールの撤去方法
において、炉内レールの前部下面に取付けられた前部ス
ライドユニットが、各炉外レールの炉内側端部を通過す
る際、レール支持車輪を車輪走行面上に設けた突起物上
を通過させることにより前部スライドユニットの摺動面
を持ち上げ、炉外レールの端部と前部スライドユニット
の接触による前部スライドユニットの損傷を防止するこ
とができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。以下、図１〜図８を参照して、本発
明の一実施の形態に係る高炉炉内レールの据付及び撤去
方法について説明する。

【００１２】まず、図１及び図２を参照して、本発明の
一実施の形態に係る高炉炉内レールの据付方法の場合に
ついて説明する。図１及び図２に示すように、本実施の
形態では、高炉基礎１１は床面１３から所定の高さだけ
隆起した高炉載置面１４を有しており、高炉載置面１４
の中央部には、例えば、底板下コンクリートと、底板
と、炉底冷却パイプ等から構成される炉底基礎部１５が
載置されている。そして、炉底基礎部１５上には、炉内
レール１６を有する炉内レール構造体１０が据え付けら
れている。炉内レールとは、高炉基礎１１の上にあっ
て、炉体マンテル１２の据え付けられる領域内にマンテ
ル等の部品を搬入する為の搬送装置を載置するレールで
ある。本実施の形態では、高炉基礎１１の上に、既に円
形の炉底基礎部１５が設置され、その上に炉内レール１
６を据え付ける、あるいはその上から撤去する場合を用
いて説明する。炉内レール構造体１０上には移動台車２
８が載置されており、移動台車２８上には高炉の下側炉
体マンテル２９が載置されており、下側炉体マンテル２
９上には上側炉体マンテル３０が重合状態に載置されて
いる。そして、上側炉体マンテル３０は、新設時や改修
時に、炉体櫓３０ａによって、中空油圧ジャッキ３０ｂ
と懸垂棒３０ｃを介して吊支されている。そして、上、
下側炉体マンテル３０、２９の接合によって炉体マンテ
ル１２を形成してゆくことになる。

【００１３】図２及び図３に示すように、炉内レール構
造体１０は、Ｈ形鋼からなる平行に配列された複数（本
実施の形態では５本）の隣り合う炉内レール１６同士
を、同様にＨ形鋼からなる複数（本実施の形態では７
本）の横方向連結部材１７及び複数（本実施の形態では
８本）の斜め補強部材１８によって連結することによっ
て構成されている。かかる構成によって、炉内レール構
造体１０は、高炉の炉体マンテル１２をリング状ブロッ
クに分割して搬送する際の荷重を支持するために必要で
十分な剛性を有する。また、図３〜図７に示すように、
各炉内レール１６の前部下面には前部スライドユニット
１９が取付けられており、その後端にはブラケット２０
を介して後部スライドユニット２１が取付けられてい
る。そして、後述するように、これらの前、後部スライ
ドユニット１９、２１を介して、炉内レール構造体１０
を、高炉の外部から高炉内に摺動しながら取り入れるこ
とができると共に、高炉内から高炉の外部へ摺動しなが
ら取り出すことができる。なお、図３及び図４において
は、前、後部スライドユニット１９、２１の取付位置関
係を明確にするため、前、後部スライドユニット１９、
２１の取付位置を丸印で表している。

【００１４】図５〜図８に示すように、炉内レール構造
体１０の前部の下面には、炉内レール構造体１０を水平
に保持するためのレール支持車輪２２が取付ブラケット
２２ａを介して取付けられており、このレール支持車輪
２２は、図１に示すように、炉内レール１６の据付完了
時には炉内レール構造体１０から取り外されている。ま
た、図５〜図８に示すように、炉底基礎部１５の上面に
形成された車輪走行面２３上であって、後述する炉外レ
ール２５側をなす個所には突起物２４が形成されてい
る。そして、前部スライドユニット１９が、後述する炉
外レール２５の端部を通過する際、レール支持車輪２２
に突起物２４の上面を通過させることによって、前部ス
ライドユニット１９の摺動面を持ち上げ、炉外レール２
５の端部と前部スライドユニット１９との接触による前
部スライドユニット１９の損傷を防止することができる
構成としている。

【００１５】図１及び図２に示すように、高炉載置面１
４の前、後部には、炉内レール構造体１０を構成する炉
内レール１６とそれぞれ整合する複数の炉外レール２５
ａ、２５が幅方向に平行間隔をあけて敷設されている。
各炉外レール２５、２５ａのレール面は対応する炉内レ
ール１６のレール面と同一レベルになっている。また、
各炉外レール２５の前端部は炉底基礎部１５の周縁部ま
で延び、後端部は高炉基礎１１の周縁端部まで延びてい
る。

【００１６】図１及び図２に示すように、高炉基礎１１
に隣接した床面１３上には、車両側架台の一例である脚
柱架台２６が設置されており、脚柱架台２６の上面に
は、複数の炉外レール２５とそれぞれ整合可能な複数の
第２の炉外レール２７が幅方向に平行間隔をあけて敷設
されている。各第２の炉外レール２７のレール面は対応
する炉外レール２５のレール面と同一レベルになってい
る。

【００１７】図１に示すように、既に高炉基礎１１上に
据え付けられている状態の炉内レール構造体１０の炉内
レール１６上には、下面に複数のスライドユニット２８
ａを前、後方向に間隔をあけて取付けた移動台車２８が
載置されており、移動台車２８上には上、下側炉体マン
テル３０、２９からなる炉体マンテル１２がその重量の
大部分を中空油圧ジャッキ３０ｂで支持された状態で載
置されている。かかる構成によって、移動台車２８を炉
内レール１６、炉外レール２５、第２の炉外レール２７
上を摺動しながら移動することによって、新たな炉体マ
ンテル１２を高炉内に取り込んだり、逆に解体撤去する
高炉のマンテルを高炉外に取り出すことができる。

【００１８】次に、上記した構成を有する炉内レール構
造体１０、高炉基礎１１、炉外レール２５、第２の炉外
レール２７等を用いて、炉内レール構造体１０を炉底基
礎部１５に据え付ける高炉炉内レールの据付方法につい
て、特に、図４（ａ）〜（ｄ）及び図５（ａ）、（ｂ）
を参照して説明する。 （１）まず、炉底基礎部１５のまわりに、炉内レール１
６と整合可能な複数の炉外レール２５、２５ａを敷設す
る。 （２）製缶工場等において、複数の炉内レール１６同士
を横方向連結部材１７や斜め補強部材１８で連結して炉
内レール構造体１０を製作し、かつ、各炉内レール１６
の前部下面に前部スライドユニット１９を取付けると共
に、各炉内レール１６の後端にブラケット２０を介して
後部スライドユニット２１を取付ける。その後、図示し
ない揚重機を用いて、炉内レール構造体１０を第２の炉
外レール２７上に載置する。

【００１９】（３）脚柱架台２６を重量物輸送用車両等
を用いて高炉基礎１１の近傍まで搬送し、その後、第２
の炉外レール２７が炉外レール２５と整合するようにし
て、高炉基礎１１に隣接する床面１３上に脚柱架台２６
を設置する。 （４）炉内レール構造体１０を、図示しない牽引装置を
用いて、第２の炉外レール２７及び炉外レール２５に沿
って炉内側に向けて移動する。この際、各炉内レール１
６の前部と後部にはそれぞれ前部及び後部スライドユニ
ット１９、２１が取付けられているので、摺動抵抗が少
なく、炉内レール構造体１０を炉内側に向けて円滑に移
動することができる。 （５）炉内レール構造体１０の先端部が炉外レール２５
の炉内側端を通過した後、炉内レール構造体１０の前部
の下面にレール支持車輪２２を取付け、炉内レール構造
体１０の前部をレール支持車輪２２を介して炉底基礎部
１５上に支持しつつ、炉内レール構造体１０の後部を後
部スライドユニット２１で支持しながら炉内側に引き込
む。このようにレール支持車輪２２を用いることによっ
て、炉内レール構造体１０を水平状態に保持しながら引
き込む。

【００２０】（６）炉内レール構造体１０が炉内レール
据付位置に達した後、炉内レール構造体１０を、レール
構造体支持手段、例えば、図示しない油圧ジャッキ等の
昇降手段によって支持しつつ、レール支持車輪２２及び
後部スライドユニット２１を介した炉内レール構造体１
０の支持を解除する。 （７）その後、図示しない昇降手段の一例である油圧ジ
ャッキ等を用いて炉内レール構造体１０を炉底基礎部１
５上に降ろして据え付け、据付作業を完了する。このよ
うに、本実施の形態では、前、後部スライドユニット１
９、２１を用いて炉内レール構造体１０をマンテル搬送
用の炉外レール２５及び２７を流用し、その上を摺動さ
せながら引き込むと共に、レール支持車輪２２を用いる
ことによって炉内レール１６の水平を維持しながら引き
込むことができる。従って、短期間で炉内レール１６の
据え付けを行うことができる。

【００２１】また、このような高炉炉内レールの据付方
法においては、炉内レール１６の前部下面に取付けられ
た前部スライドユニット１９が、各炉外レール２５の炉
内側端部を通過する際、レール支持車輪２２を炉底基礎
部１５の車輪走行面２３上に設けた突起物２４上を通過
させるようにしたので、前部スライドユニット１９の摺
動面を持ち上げることができ、炉外レール２５の端部と
前部スライドユニット１９の接触による前部スライドユ
ニット１９の損傷を確実に防止することができる。ま
た、上記した手順で据え付けた炉内レール１６又は炉内
レール構造体１０の撤去作業は、上記した手順と逆の手
順で作業を行うことによって、容易に行うことができ
る。

【００２２】次に、上記した構成を有する炉内レール構
造体１０、高炉基礎１１、炉外レール２５、第２の炉外
レール２７等を用いることによって、上記した高炉炉内
レールの据付方法と異なった方法で据え付けられた炉内
レール構造体１０についても、以下に説明する高炉炉内
レールの撤去方法を用いることによって、容易に撤去す
ることができる。 （１）平行間隔をあけて縦方向に延びる複数の炉内レー
ル１６を具備する炉内レール構造体１０が据え付けられ
ている炉底基礎部１５のまわりに炉内レール１６と整合
可能な複数の炉外レール２５を敷設する。 （２）脚柱架台２６を保管個所から重量物輸送用車両等
を用いて高炉基礎１１の近傍まで搬送し、その後、第２
の炉外レール２７が炉外レール２５と整合するようにし
て、高炉基礎１１に隣接する床面１３上に脚柱架台２６
を設置する。

【００２３】（３）炉内レール構造体１０を炉底基礎部
１５から図示しない揚重機や油圧ジャッキ等の昇降手段
を用いて持ち上げる。 （４）炉内レール構造体１０を持ち上げた状態で、各炉
内レール１６の前部下面に前部スライドユニット１９を
取付けると共に各炉内レール１６の後端にブラケット２
０を介して後部スライドユニット２１を取付け、後部ス
ライドユニット２１を介して炉内レール１６の後端を炉
外レール２５に支持させる。

【００２４】（５）炉内レール構造体１０の前部の下面
に炉内レール構造体１０の水平を保持しながら炉底基礎
部１５上に支持するレール支持車輪２２を取付ける。 （６）炉内レール構造体１０を、牽引装置を用いて、片
方をレール支持車輪２２で支持した状態で、炉外レール
２５及び第２の炉外レール２７上を摺動させながら炉外
に向けて移動する。 （７）前部スライドユニット１９が炉外レール２５に載
った後、レール支持車輪２２を炉内レール構造体１０の
前部の下面から取り外して炉内レール構造体１０の前部
の支持を解除し、牽引装置を用いて、炉内レール構造体
１０を高炉基礎１１に隣接して配置されている脚柱架台
２６上の第２の炉外レール２７上まで摺動しながら移送
して、撤去作業を完了する。

【００２５】このように、前、後部スライドユニット１
９、２１を用いて炉内レール構造体１０を炉外レール２
５及び第２の炉外レール２７上を摺動させながら炉外に
引き出すと共に、レール支持車輪２２を用いることによ
って炉内レール１６の水平を維持しながら引き出すこと
ができる。従って、短期間で炉内レール１６の撤去を行
うことができる。

【００２６】また、上記した高炉炉内レールの撤去方法
において、炉内レール１６の前部下面に取付けられた前
部スライドユニット１９が、各炉外レール２５の炉内側
端部を通過する際、レール支持車輪２２の取付ブラケッ
ト２２ａと、炉内レール構造体１０との間に油圧シリン
ダ等の昇降手段を介設して、前部スライドユニット１９
を持ち上げることも考えられるが、本発明では、単に炉
底基礎部１５の車輪走行面２３上に突起物２４を設ける
といった極めて簡単な構造で、前部スライドユニット１
９の摺動面を簡単かつ確実に持ち上げ、炉外レール２５
の端部と前部スライドユニット１９の接触による前部ス
ライドユニット１９の損傷を防止することができる。

【００２７】

【実施例】内容積５０００ｍ³ の高炉の改修において、
最大１８００トンのリング状の炉体マンテル及び移動台
車の搬送に耐える４０トンの重量を有する炉内レール構
造体を、本発明に係る高炉炉内レールの据付方法を用い
て、２時間で据え付けることができた。

【００２８】以上、本発明を、一実施の形態を参照して
説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記
載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施
の形態や変形例も含むものである。例えば、前部及び後
部スライドユニットは、低摩擦樹脂板等のように摺動を
利用するもののみならず、チルタンク等のように転動を
利用するものを用いることもできる。また、本発明に係
る高炉炉内レールの据付及び撤去方法は、高炉の炉体マ
ンテルの移送用レールに限られるものではなく、一般的
なレールの延伸作業、即ち、延伸用レールを既設レール
上に搬送し、その先端に延伸用レールを敷設したり、逆
の手順で既設レールを順に撤去する場合にも有効に利用
できる。

【００２９】

【発明の効果】請求項１及び２記載の高炉炉内レールの
据付方法においては、前、後部スライドユニットを用い
て炉内レール構造体を炉外レール上を摺動させながら引
き込むと共に、レール支持車輪を用いることによって炉
内レールの水平を維持しながら引き込むことができる。
従って、短期間で高炉における炉内レールの据付を行う
ことができる。

【００３０】特に、請求項２記載の高炉炉内レールの据
付方法においては、レール支持車輪を炉内レール構造体
の前部の下面に取付け、炉内レールの前部下面に取付け
られた前部スライドユニットが、各炉外レールの端部を
通過する際、レール支持車輪を車輪走行面上に設けた突
起物上を通過させるという簡単な方法で、前部スライド
ユニットの摺動面を持ち上げることができるので、炉外
レールの端部と前部スライドユニットの接触による前部
スライドユニットの損傷を確実に防止することができ
る。

【００３１】請求項３及び４記載の高炉炉内レールの撤
去方法においては、炉内レール構造体をレール支持車輪
を用いて引き出すと共に、前、後部スライドユニットを
用いて炉外レール上を摺動させながら炉外に引き出すこ
とができる。従って、短期間で、高炉における炉内レー
ルの撤去を行うことができる。

【００３２】特に、請求項４記載の高炉炉内レールの撤
去方法においては、炉内レールの前部下面に取付けられ
た前部スライドユニットが、各炉外レールの端部を通過
する際、レール支持車輪を車輪走行面上に設けた突起物
上を通過させることにより前部スライドユニットの摺動
面を持ち上げるという簡単な方法で、炉外レールの端部
と前部スライドユニットの接触による前部スライドユニ
ットの損傷を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る高炉炉内レールの
据付方法によって炉内レール構造体が設置された状態の
高炉の炉体マンテルを示す正面図である。

【図２】同平面図である。

【図３】本発明の一実施の形態に係る高炉炉内レールの
据付方法によって設置される炉内レール構造体の平面図
である。

【図４】（ａ）〜（ｄ）は本発明の一実施の形態に係る
高炉炉内レールの据付方法の工程説明図である。

【図５】（ａ）、（ｂ）は本発明の一実施の形態に係る
高炉炉内レールの据付方法の工程詳細説明図である。

【図６】本発明の一実施の形態に係る高炉炉内レールの
据付方法の工程詳細説明図である。

【図７】本発明の一実施の形態に係る高炉炉内レールの
据付方法の工程詳細説明図である。

【図８】本発明の一実施の形態に係る高炉炉内レールの
据付方法に用いる車輪走行面上の突起物とレール支持車
輪との関係を示す説明図である。

【符号の説明】

１０：炉内レール構造体、１１：高炉基礎、１２：炉体
マンテル、１３：床面、１４：高炉載置面、１５：炉底
基礎部、１６：炉内レール、１７：横方向連結部材、１
８：斜め補強部材、１９：前部スライドユニット、２
０：ブラケット、２１：後部スライドユニット、２２：
レール支持車輪、２２ａ：取付ブラケット、２３：車輪
走行面、２４：突起物、２５：炉外レール、２５ａ：炉
外レール、２６：脚柱架台、２７：第２の炉外レール、
２８：移動台車、２８ａ：スライドユニット、２９：下
側炉体マンテル、３０：上側炉体マンテル、３０ａ：炉
体櫓、３０ｂ：中空油圧ジャッキ、３０ｃ：懸垂棒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 昌男 岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地な し） 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 小島 啓孝 岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地な し） 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Ｆターム(参考） 4K015 AA02 AA03

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １）平行間隔をあけて縦方向に延びる複
   数の炉内レールが据え付けられる炉底基礎部のまわりに
   前記炉内レールと整合可能な複数の炉外レールを敷設
   し、 ２）前記複数の炉内レール同士を横方向連結部材で連結
   することによって構成される炉内レール構造体を製作
   し、前記炉内レールの前部下面に前部スライドユニット
   を取付けると共に、前記炉内レールの後端にブラケット
   を介して後部スライドユニットを取付け、 ３）前記炉内レール構造体を前記前部及び後部スライド
   ユニットを介して炉内側に向けて前記炉外レール上を移
   動し、 ４）前記炉内レール構造体の先端部が、前記炉外レール
   の炉内側端を通過した後、該炉内レール構造体の前部の
   下面にレール支持車輪を取付け、該レール支持車輪を介
   して前記炉内レール構造体の前部を支持すると共に該炉
   内レール構造体の後部を前記後部スライドユニットで支
   持しながら炉内側に引き込み、 ５）前記炉内レール構造体が炉内レール据付位置に達し
   た後、該炉内レール構造体をレール構造体支持手段によ
   って支持しつつ、前記レール支持車輪及び前記後部スラ
   イドユニットを介した前記炉内レール構造体の支持を解
   除し、 ６）昇降手段を用いて前記炉内レール構造体を前記炉底
   基礎部上に降ろし、据え付けることを特徴とする高炉炉
   内レールの据付方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の高炉炉内レールの据付方
   法において、前記炉内レール構造体の前記炉内レールの
   前部下面に取付けられた前記前部スライドユニットが、
   前記各炉外レールの端部を通過する際、前記レール支持
   車輪を車輪走行面上に設けた突起物上を通過させること
   により前記前部スライドユニットの摺動面を持ち上げ、
   前記炉外レールの端部と前記前部スライドユニットの接
   触による該前部スライドユニットの損傷を防止すること
   を特徴とする高炉炉内レールの据付方法。
3. 【請求項３】 １）平行間隔をあけて縦方向に延びる複
   数の炉内レールが据え付けられている炉底基礎部のまわ
   りに前記炉内レールと整合可能な複数の炉外レールを敷
   設し、 ２）前記複数の炉内レール同士を横方向連結部材で連結
   して構成された炉内レール構造体の前記各炉内レールの
   前部下面に前部スライドユニットを取付けると共に前記
   炉内レールの後端にブラケットを介して後部スライドユ
   ニットを取付け、該後部スライドユニットを介して前記
   炉内レールの後端を前記炉外レールに支持させ、 ３）前記炉内レール構造体の前部の下面に、該炉内レー
   ル構造体を前記炉底基礎部上に支持するレール支持車輪
   を取付け、 ４）前記炉内レール構造体を前記炉外レール上で摺動さ
   せながら炉外に向けて移動し、 ５）前記前部スライドユニットが前記炉外レールに載っ
   た後、前記レール支持車輪を介した前記炉内レール構造
   体の前部の支持を解除し、 ６）前記炉内レール構造体を前記炉底基礎部まわりの炉
   外レール上まで摺動しながら移送することを特徴とする
   高炉炉内レールの撤去方法。
4. 【請求項４】 請求項３記載の高炉炉内レールの撤去方
   法において、前記炉内レールの前部下面に取付けられた
   前部スライドユニットが、前記各炉外レールの炉内側端
   部を通過する際、前記レール支持車輪を車輪走行面上に
   設けた突起物上を通過させることにより前記前部スライ
   ドユニットの摺動面を持ち上げ、前記炉外レールの端部
   と前記前部スライドユニットの接触による前記前部スラ
   イドユニットの損傷を防止することを特徴とする高炉炉
   内レールの撤去方法。