JP3564314B2 - 高強度耐熱鋼、高強度耐熱鋼の製造方法及び高強度耐熱管部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、高強度耐熱鋼に関し、特に540℃以下の中高温域に適した低コストな高強度耐熱鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発電プラントにおける亜臨界圧ボイラ、超臨界圧ボイラならびに複合発電プラント廃熱回収ボイラの最高温部や超々臨界圧ボイラの準高温部における配管耐圧部材料の多くの部分を炭素鋼、及び1Cr鋼、2Cr鋼等の低合金鋼が占めている。
【0003】
低合金鋼としては、具体的に0.5Mo鋼(JIS STBA12)、1Cr−0.5Mo鋼(JIS 火STBA21、STBA22、STBA23)、2.25Cr−1Mo鋼(JIS STBA24)が用いられてきた。
【0004】
上記のように配管耐圧部材料の多くの部分を炭素鋼、及び1Cr鋼、2Cr鋼等の低合金鋼が占めているので、これら鋼が用いられている部分の材料強度を合金量を増やすことなく達成できれば発電プラントの製造コスト削減に大きく寄与することができる。
【0005】
本願出願人は、上記用途に好適な材料として特開平10−195593号公報にて重量%でC0.01〜0.1%、Si0.15〜0.5%以下、Mn0.4〜2%、V0.01〜0.3%、Nb0.01〜0.1%、残部Fe及び不可避的不純物からなる高温強度に優れた鋼を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の提案による耐熱鋼は、低コストでありながら従来の鋼に比べて高温強度が向上した有用な鋼である。しかし、そのコストを維持しながら、さらに高温強度を向上することが望まれる。
【0007】
そこで本願発明は、低コストでありながらより高温強度の優れた耐熱鋼及びその製造方法の提供を課題とする。また、本願発明は、そのような高温強度の優れた耐熱鋼を簡素化された製造工程により低コストで製造する方法の提供も課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は上記課題を解決するために次の技術手段を講じた。すなわち、本願発明は重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを主体とする組織からなることを特徴とする高強度耐熱鋼である。
本願発明の高強度耐熱鋼は、合金量が少ないにもかかわらず、ベイナイトを主体とする組織、望ましくはベイナイト単相組織とすることにより、550℃、104時間の外挿クリープ破断強度が130MPa以上という優れた特性を有する
。
【0009】
本願発明の高強度耐熱鋼においては、耐酸化性を重視する場合には、Si含有量を0.6%以上とすることが望ましい。また、Cr0.7%以下及びMo0.7%以下の1種又は2種を含有することができる。さらに、B0.005%以下を含有することができる。
【0010】
以上の本願発明高強度耐熱鋼は、重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなる鋼に1100〜1250℃の温度範囲内で焼きならし処理を施した後、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却する高強度耐熱鋼の製造方法により製造することができる。
【0011】
また、前記組成を有する鋳塊を得、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することによっても、前記高強度耐熱鋼を製造することができる。
【0012】
以上の本願発明製造方法において、オーステナイト再結晶温度域における熱間加工の後に、950度〜Ar3点の温度域で熱間加工を行い、しかる後に室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することができる。また、ベイナイト変態完了温度以下まで冷却した後に、A1点以下で焼戻し処理を行うことができる。
【0013】
本願発明により高強度耐熱管部材を製造する場合、前記組成の鋼に1100〜1250℃の温度範囲内で焼きならし処理を施した後、穿孔処理を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却すればよい。また、前記組成の鋳塊を得、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて穿孔処理し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することによっても高強度耐熱管部材を製造することができる。
【0014】
以下本願発明について更に詳しく述べる。
先ず、成分の限定理由について述べる。
Cは、V、Nb等と結合して微細な炭化物を形成して高温強度を確保するとともに、焼入れ性を向上させる。この効果を得るために、本願発明では0.06%以上含有せしめる。ただし、含有量が多くなると、溶接性を低下させるため、0.15%を上限とする。Cの望ましい含有量は、0.08〜0.12%である。
【0015】
Siは、脱酸材として製鋼上必要な元素であり、1.5%以下とした。また、Siは耐酸化性向上に有効な元素であり、この効果を期待する場合には、0.6%以上の添加量とすることが望ましい。
【0016】
Mnは、Siと同様に脱酸材として製鋼上必要な元素であるとともに、本願発明ではベイナイト形成のために含有せしめる。これらの効果を得るためには0.5%以上必要であるが、1.5%を超えるとA1点が低下するため、上限を1.5%とした。Mnの望ましい含有量は、0.8〜1.2%であり、この範囲で特に優れたクリープ破断特性が得られる。
【0017】
Vは、Cと結合してNaCl型の炭化物を形成する。この微細な炭化物は、高温でも非常に安定であり、転位の移動を阻害することによって高温強度を向上させる。この効果を得るために本願発明では0.05%以上含有せしめる。しかし、0.3%を超えて添加しても、それに見合うだけの効果が得られないので、0.3%以下とした。Vの望ましい含有量は、0.15〜0.25%である。
【0018】
Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上は、Vと同様NaCl型の炭化物を形成する。しかし、Vと異なりγ域での固溶度が極めて小さいことから、溶解後の冷却過程、熱間鍛造時に析出した粗大なNbC等の炭化物は、1100℃未満での焼きならしでは固溶せずに残存してしまう。このような粗大な炭化物は高温強度の向上にはあまり寄与しない。そこで、本願発明では、焼きならし温度を1100℃以上とすることにより、NbC等の炭化物を固溶させ、その後微細に析出させることとした。なお、この点については、詳しく後述する。
【0019】
Cr及びMoは、組織の均一性を向上して延性を高める作用がある。また、焼入れ性を向上する作用を有するため、これを含有せしめた場合には、C、Mn量を低減してもベイナイト組織を得られやすくする。また、CrはCr系炭化物を形成することにより、Moは母相内に固溶してクリープ破断強度を向上する効果を有する。しかし、各々0.7%を超えるとコストが上昇し本願発明の目的に合致しなくなるから0.7%以下とした。望ましいCr、Moの含有量は、0.3〜0.7%である。
【0020】
Bは、フェライトの生成を抑制し、焼入れ性を向上させる。したがって、C、Mn量を低減してもベイナイト組織を得られやすくする。しかし、多すぎるとホウ化物を形成して靱性、延性を低下させる。したがって、0.005%以下とした。
【0021】
次に製造方法について説明する。
本願発明製造方法は、焼きならしを1100〜1250℃という高温で行うことに大きな特徴がある。すなわち、本系の耐熱鋼は通常1100℃未満の温度域で焼きならしを行っていたが、本願発明ではNbC、その他の元素を十分に固溶させるために、1100℃以上の温度で焼きならしを行う。この高温の焼きならしにより焼入れ性が向上することにより組織がベイナイト化し、高温強度が向上する。しかし、1250℃を超えると著しく結晶粒が粗大化するため1250℃以下とした。なお、望ましい焼きならし温度は1150〜1200℃である。また、焼きならし温度は、必ずしも一定に保持する必要はなく、上記温度範囲であれば変動させても良い。
【0022】
本願発明では、上記の焼きならし後、オーステナイト(γ)再結晶温度域にて熱間加工を行う。この熱間加工により、再結晶を促進させて結晶粒を微細化するとともに、結晶粒内へNbC等の炭化物が均一微細に析出する。この様に微細なベイナイト化された組織を有するがために、本願発明にかかる耐熱鋼は高い強度を有している。
【0023】
加工温度は鋼の組成により変動するが、概ね950℃以上の温度とすれば、その目的を達成することができる。熱間加工の圧下比は、50%以上とする。50%未満では上記効果が十分得られないためであり、望ましくは70%以上の圧下比とする。なお、この熱間加工は、通常、熱間圧延として実施される。
【0024】
上記の熱間加工後に、仕上げの熱間加工(圧延)として、950℃〜Ar3点の温度域で仕上げ加工(圧延)を行うことができる。この仕上げ加工により、目的とする板厚、管寸法を得る。
【0025】
熱間加工終了後、室温又はベイナイト変態終了温度まで空冷又は強制冷却することにより、鋼の母相組織をベイナイト変態させて転位強化する。
【0026】
冷却終了後に、A1点以下で焼き戻し処理を行ってもよい。望ましい焼き戻し温度は、(A1点−50℃)〜A1点である。
【0027】
以上の製造方法は、所定組成の鋳塊を得、この鋳塊を熱間鍛造等の手段により板材を作成し、一旦冷却されたこの板材を所定温度まで加熱してから焼きならし、熱間加工を施すことを想定している。しかし、本願発明の高強度耐熱鋼は、この方法に限らず、鋳塊を得て、その鋳塊の冷却過程のオーステナイト再結晶温度域にて熱間加工し、その後所定の冷却をすることによっても実現できる。すなわち、炭化物、その他の元素が十分に固溶している状態の鋳塊にオーステナイト再結晶温度域において熱間加工を施して、前記の本願発明製造方法と同様の効果を得ようというものである。この製造方法によれば、鍛造、焼きならしのための再加熱を経ることなく、鋳塊から直接所望の鋼を得ることができるので、製造工程の簡略化、製造コストの削減を達成することができる。
【0028】
本願発明によりボイラチューブ等の管部材を製造する場合には、上記した本願発明の製造方法において、オーステナイト再結晶温度域にて熱間加工を行う代わりに、穿孔処理を施せばよい。この穿孔処理が熱間加工と同様の作用を果たし、高強度の耐熱鋼を得ることを可能とする。穿孔処理の具体的手段としては、傾斜穿孔、マンドレルミル方式、熱間押出方式等が掲げられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明高強度耐熱鋼を実施例に基づき説明する。
表1に示す化学組成の鋼を真空溶解した後、熱間鍛造して厚さ20mmの板材を得た。その後、1200℃で20minの焼きならし、1000℃で最終圧下比40%の熱間圧延を行った後、室温まで空冷した。ただし、表1の供試材No.15のみは焼きならし温度を1100℃とした。
表1中、供試材No.1〜14はその組成及び焼きならし温度が本願発明の範囲内の例、No.15はその組成が本願発明の範囲であるが焼きならし温度が本願発明の範囲外の例、No.16〜19はその組成が本願発明の範囲外の例である。
【0030】
得られた供試材のミクロ組織を観察するともに550℃、104時間の外挿クリープ破断強度、伸び、絞り、耐酸化性の評価を行った。結果を表2に示す。なお、耐酸化性は、550℃、3000hrにおける平均酸化スケール厚さにより評価した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
本願発明による供試材No.1〜14は、母相がベイナイト単相、またはベイナイトが主体でフェライトがわずかに存在する混相組織となっている。この組織は平均結晶粒径が数十μmであり、平均粒径数十nmの微細なNaCl型炭化物が均一に分散している。
【0034】
鋼組成は本願発明の範囲にあるが焼きならし温度が1100℃と本願発明より低い供試材No.15は、母相がフェライト単相であり、その母相中に平均粒径数十nmの微細なNaCl型炭化物が分散した組織を有する。
【0035】
以上のように、本願発明による供試材No.1〜14の母相がベイナイト単相、またはベイナイトが主体でフェライトがわずかに存在する混相組織であるのに対して供試材No.15の母相がフェライト単相組織となっているのは、焼きならし温度に差異があるからである。すなわち、本願発明による供試材No.1、3〜12は、1100℃以上の高温で焼きならしを行っているためにNbC、その他の元素が十分に固溶して焼入れ性が向上したためである。
【0036】
また、ベイナイト形成元素であるMn含有量が本願発明より低い供試材No.17は、フェライトが主体でベイナイトがわずかに存在する混相組織となっている。したがって、母相をベイナイトを主体とするためには、Mn含有量を0.5%以上とする必要がある。
【0037】
表1及び表2の供試材No.1〜4及び16から、Nbの増加とともにクリープ破断強度は向上するが、0.05%程度でその効果は飽和する傾向にあるので、Nb含有量は0.05%付近とすることが望ましい。
【0038】
また、表1及び表2の供試材No.3、5、6、17及び18から、Mnの増加ともにクリープ破断強度は向上するが、その効果は1.0%付近で最も顕著となり、それを超えると効果は減少することがわかる。したがって、Mn含有量は1.0%付近とすることが望ましい。
【0039】
さらに、表1及び表2の供試材No.3、7、8及び19から、Vの増加ともにクリープ破断強度は向上するが、その効果は0.2%付近で最も顕著となり、それを超えても添加コストに見合う強度向上は認められない。したがって、V含有量は0.2%付近とすることが望ましい。
【0040】
供試材No.15は、鋼組成は供試材No.1と同一でであるが焼きならし温度が1100℃と低いために母相がフェライト単相となった例であるが、そのクリープ破断強度は、供試材No.1と比べて明らかに劣っている。
【0041】
耐酸化性に着目してみると、供試材No.7及び10が他の供試材に比べて耐酸化性が向上している。これは、供試材No.7及び10が他の供試材よりSi含有量が多いためと推測される。
【0042】
次に、供試材No.3の組成を有する鋳塊を得、その冷却過程のオーステナイト再結晶温度域において熱間加工を施し、その後室温まで空冷した。その後、ミクロ組織を観察したところ、ベイナイト単相の母相中に平均粒径数十nmのNbCが均一に分散した組織を有していた。また、550℃、104時間の外挿クリープ破断強度を評価したところ、152MPaであった。
【0043】
また、供試材No.3の組成を有する鋳塊を得、その冷却過程のオーステナイト再結晶温度域において穿孔処理し、その後室温まで空冷した。その後、ミクロ組織を観察したところ、ベイナイト単相の母相中に平均粒径数十nmのNbCが均一に分散した組織を有していた。また、550℃、104時間の外挿クリープ破断強度を評価したところ、152MPaであった。
【0044】
以上のように、鋳造ままの状態から直接オーステナイト再結晶温度域において熱間加工を施すか、または穿孔処理することによっても高温強度を確保することができるので、製造工程の簡素化、製造コストの低減に寄与することができる。
【0045】
さらに、供試材No.3の組成を有する鋳塊を得、熱間鍛造して厚さ20mmの板材を得た。その後、1200℃で20minの焼きならし、1000℃で最終圧下比40%の熱間圧延、950℃で最終圧下比50%の仕上げ圧延を行った後、室温まで冷却した後、650℃で30min保持の焼きもどし処理を行った。その後、ミクロ組織を観察したところ、ベイナイト単相の母相中に平均粒径数十nmのNbCが均一に分散した組織を有していた。また、550℃、104時間の外挿クリープ破断強度を評価したところ、152MPaであった。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本願発明の耐熱鋼によれば、化学組成を特定するとともに、その組織をベイナイトを主体とすることにより、低合金でありながら従来にない優れたクリープ破断強度を有する。したがって、特に組織をベイナイト単相組織とすることによりこの効果は顕著となる。本願発明において、所定量のCr及びMoの1種又は2種を含有せしめることにより、焼入れ性を向上してベイナイト組織の単相化に寄与する。また、Bは、フェライトの生成を抑制することにより焼入れ性を向上してベイナイト組織の単相化に寄与する。
【0047】
本願発明の製造方法によれば、所定組成の鋼を1100〜1250℃の温度範囲内で焼きならし処理を施した後、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却する構成としたので、ベイナイトを主体とする組織とし、低合金でありながら従来にない優れたクリープ破断強度を有する高強度耐熱鋼を得ることができる。
【0048】
また、所定組成の鋳塊を得て、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却する高強度耐熱鋼の製造方法によれば、簡素化された製造工程で低コストで従来にない優れたクリープ破断強度を有する高強度耐熱鋼を得ることができる。
【0049】
ボイラチューブ等の管部材を製造する場合には、オーステナイト再結晶温度域にて穿孔処理を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却すればよく、この製造方法によれば低合金でありながら従来にない優れたクリープ破断強度を有する高強度耐熱管部材を得ることができる。
Claims (12)
- 重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを主体とする組織からなることを特徴とする高強度耐熱鋼。
- ベイナイト単相組織である請求項1に記載の高強度耐熱鋼。
- Siが0.6〜1.5%である請求項1又は請求項2に記載の高強度耐熱鋼。
- 550℃、104 時間の外挿クリープ破断強度が130MPa以上である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高強度耐熱鋼。
- Cr0.7%以下及びMo0.7%以下の1種又は2種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の高強度耐熱鋼。
- 重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなる鋼に1100〜1250℃の温度範囲内で焼きならし処理を施した後、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することを特徴とする高強度耐熱鋼の製造方法。
- 重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなる鋳塊を得て、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することを特徴とする高強度耐熱鋼の製造方法。
- オーステナイト再結晶温度域における熱間加工の後に、950度〜Ar3点の温度域で熱間加工を行い、しかる後に室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却する請求項6または7に記載の高強度耐熱鋼の製造方法。
- 室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却した後に、A1 点以下で焼戻し処理を行う請求項6〜8のいずれかに記載の高強度耐熱鋼の製造方法。
- 重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなる鋼に1100〜1250℃の温度範囲内で焼きならし処理を施した後、穿孔処理を施し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することを特徴とする高強度耐熱管部材の製造方法。
- 重量%でC0.06〜0.15%、Si1.5%以下、Mn0.5〜1.5%、V0.05〜0.3%、Nb、Ti、Ta、Hf、及びZrの1種又は2種以上で0.01〜0.1%、残部不可避的不純物及びFeからなる鋳塊を得、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて穿孔処理し、次いで室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却することを特徴とする高強度耐熱管部材の製造方法。
- 室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却した後に、A1 点以下で焼戻し処理を行う請求項10または11記載の記載の高強度耐熱管部材の製造方法。
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