JP4268825B2 - 熱間圧延型非調質棒鋼およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間圧延用非調質棒鋼およびその製造方法に関し、特に熱間圧延後非調質であっても、引張強さ700MPa以上、降伏比0.85以上且つ高靭性で、疲労特性および機械加工性に優れるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や建設機械に用いられる構造用部品には機械構造用炭素鋼や機械構造用合金鋼を焼入れ焼戻した調質部品や、焼入れ焼戻しによらず成分組成や組織の調整により強度を確保した非調質部品が用いられている。
【0003】
非調質部品に用いられる鋼は、VやNbを添加したフェライト・パーライト二相組織が一般的で、調質鋼に対し、引張強度を同程度にすると、降伏強度、絞り値、衝撃値が低く、一方、降伏強度を同程度とした場合、引張強度、すなわち、硬度が過度に上昇し、被削性が低下することが指摘されてきた。
【0004】
特開2001−123224号公報、特開2001−131680号公報は高強度、高降伏比、且つ高靭性な非調質鋼に関するもので、フェライト、ベイニチックフェライト、擬似マルテンサイトを有する組織を備えた鋼材を冷間加工後600℃以下で時効処理し、Cu、Ti−Nb系炭化物を析出させることを特徴とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実製造において複数の組織の比率を厳格に制御することは現実的でなく、また多量のCu添加による析出強化を利用する場合、高温割れ防止のため高価なNi添加が必要で、大量消費される構造部品として適当でない。
【0006】
そこで、本発明は、実機製造においても生産性が低下せず、安価な成分組成で引張強さ700Mpa以上、降伏比0.85以上の強度、降伏比且つ靭性が得られる熱間圧延型非調質棒鋼およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、非調質材で調質材に匹敵する強度、靭性が得られ、且つ被削性を損なわない棒鋼についてその成分組成、製造条件の観点から種々検討し、10nm以下の微細な析出物で析出強化した場合、鋼を過度に硬化させることなく降伏強度が上昇し、靭性や被削性を損なうことのないことを見出した。
【0008】
尚、本発明で熱間圧延型非調質棒鋼とは、棒鋼圧延後の冷却速度調整により、微細析出物を析出させ、製品に加工後調質処理を要しない棒鋼を意味する。
【0009】
本発明は以上の知見を基に更に検討を加えてなされたものである。すなわち、本発明は、
1.200倍の光学顕微鏡での断面組織観察で、フェライト面積率が95%以上であるフェライト単相組織を有し、フェライト相中に粒径が10nm未満の、Ti、Moの炭化物である微細析出物が全析出物の90%以上分散析出し、鋼組成が、質量%で、C≦0.15%、Si≦0.5%、Mn≦2%、Al≦0.1%、Ti:0.03〜0.35%、Mo:0.05〜0.8%、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、鋼組成として更に、下記式(1)を満足することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 ----- (1)
【0010】
2.200倍の光学顕微鏡での断面組織観察で、フェライト面積率が95%以上であるフェライト単相組織を有し、フェライト相中に粒径が10nm未満の、TiとMoとNb、V、Wの内の少なくとも一種とを含む炭化物である微細析出物が全析出物の90%以上分散析出し、鋼組成が、質量%で、C≦0.15%、Si≦0.5%、Mn≦2%、Al≦0.1%、Ti:0.03〜0.35%、Mo:0.05〜0.8%を含有し、更に質量%で、Nb≦0.08%、V≦0.15%、W≦1.5%の一種または二種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、鋼組成として更に、下記式(2)を満足することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(Nb/93)
+(V/51)+(W/184)}≦1.5 ----- (2)
但し、各元素は含有量(%)とし、含まれないものは0とする。
【0011】
3.鋼組成が請求項1または2に記載の鋼を1100℃以上に加熱後、仕上げ圧延温度800℃以上で熱間圧延し、その後の冷却において、700〜550℃を0.5℃/sec以下の冷却速度で冷却することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼の製造方法。
【0012】
4.鋼組成が請求項1または2に記載の鋼を1100℃以上に加熱後、仕上げ圧延温度800℃以上で熱間圧延し、その後の冷却において、700〜550℃を0.5℃/sec超えの冷却速度で冷却し、その後550〜700℃で10分間以上再加熱することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のミクロ組織、成分組成および製造条件について以下に詳細に説明する。
【0020】
1.ミクロ組織
本発明鋼はそのミクロ組織をフェライト単相組織に粒径10nm未満の微細析出物を含む組織に規定する。
【0021】
フェライト単相組織とした場合、調質材に匹敵する靭性が得られ、該組織中に微細析出物を分散析出させた場合、調質材に匹敵する高降伏強度が被削性を損なうことなく得られる。微細析出物は熱間圧延後の冷却速度の調整や、熱間圧延後の析出処理により析出させる。
【0022】
本発明では微細析出物は粒径10nm未満とする。析出物の粒径が10nm以上の場合、輸送機器、建機の機械構造用部品として必要な引張強さ700MPa以上が得られない。
【0023】
また、フェライト単相組織中に粒径10nm未満の微細析出物を析出させた場合、降伏比が0.85以上となり、降伏強度の上昇に対して引張強度の上昇が抑えられ鋼の硬化が小さく調質鋼に匹敵する被削性が得られる。母相、析出物のいずれかが本発明の規定外となった場合、降伏比は0.85未満となる。
【0024】
微細析出物の粒径は小さいほど強度向上に有効で、望ましくは5nm,更に望ましくは3nm以下とし、そのような微細析出物としてTi、Moを複合含有した炭化物、またそれらに更にNb、V、Wの一種または二種以上を含む炭化物が好ましい。
【0025】
これらの微細析出物の分布形態は特に規定しないが、母相中に均一分散(分散析出)することが望ましい。
【0026】
また、本発明において、微細析出物の大きさは、全析出物の90%以上で満足すれば、目的とする引張強さ700MPa以上が得られる。但し、10nm以上の大きさの析出物は析出物形成元素を消費し、強度に悪影響をあたえるため、50nm以下とすることが好ましい。
【0027】
上述した析出物とは別に少量のFe炭化物を含有しても本発明の効果は損なわれないが、平均粒径が1μm以上のFe炭化物を多量に含むと靭性を阻害するため、本発明においては含有されるFe炭化物の大きさ上限は1μm、含有率は全体の1%以下とすることが望ましい。
【0028】
微細析出物の全析出物に占める割合は、以下の方法により求める。電子顕微鏡試料を、ツインジェット法を用いた電解研磨法で作成し、加速電圧200kVで観察する。その際、微細析出物が母相に対して計測可能なコントラストになるように母相の結晶方位を制御し、析出物の数え落としを最低限にするために焦点を正焦点からずらしたデフォーカス法で観察を行う。
【0029】
また、析出物粒子の計測を行った領域の試料の厚さは電子エネルギー損失分光法を用いて、弾性散乱ピークと非弾性散乱ピーク強度を測定することで評価する。
【0030】
この方法により、粒子数の計測と試料厚さの計測を同じ領域について実行することができる。粒子数および粒子径の測定は試料の0.5×0.5μmの領域4箇所について行い、1μm2当たりに分布する析出物を粒径ごとの個数として算出する。
【0031】
この値と試料厚さから、析出物の1μm3当たりに分布する粒子径ごとの個数を算出し、径が10nm未満の析出物について、測定した全析出物に占める割合を算出する。
【0032】
また、本発明においてフェライト単相組織とは、断面組織観察(200倍の光学顕微鏡組織観察)でフェライト面積率95%以上とし、好ましくは98%以上とする。
【0033】
2.成分組成
本発明鋼は上述したミクロ組織で目的とする性能が得られるが、以下の成分組成が好ましい。
【0034】
C
Cは0.15%を超えて含有すると微細析出物が粗大化し、強度が低下するため0.15%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.03%以上0.12%以下である。
【0035】
Si
Siは冷間加工性を向上させるため添加する。0.5%をこえるとその効果が損なわれるようになるため、0.5%以下とする。より好ましくは0.15%以下である。
【0036】
Mn
Mnは強度、延性を向上させるため添加する。2%を超えるとその効果が損なわれるため2%以下とする。より好ましくは0.5%以上1.8%以下である。
【0037】
Al
Alは脱酸剤として作用する。またNとAlNを形成し、Bの焼入れ性効果を向上させる。0.1%を超えるとその効果が飽和するため0.1%以下とする。より好ましくは0.05%以下である。
【0038】
Ti
TiはTi系炭化物、MoとともにTi−Mo系炭化物を含む析出物を微細に析出させ、強度を向上させるため添加する。引張強度700MPa以上を確保するため0.03%以上とし、一方、0.35%を超えて添加すると析出物が粗大化し、強度、靭性が低下するため0.03〜0.35%とする。より好ましくは0.03〜0.20%である。
【0039】
Mo
MoはMo系炭化物、TiとともにTi−Mo系炭化物を含む析出物を微細に析出させ、強度を向上させるため添加する。引張強度700MPa以上を確保するため0.05%以上とし、一方、0.8%を超えて添加するとベイナイト等の低温変態相を形成し、微細析出物による析出強化が不足し、強度が低下するため0.05〜0.8%とする。より好ましくは0.15〜0.45%である。
【0040】
Moは拡散速度が遅く、Tiとともに析出する場合、析出物の成長速度が低下し、微細な析出物が得やすい。
【0041】
(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}
本パラメータは、析出物の大きさに影響を与えるもので、0.5以上、1.5以下とした場合、粒径10nm未満の微細析出物の形成が容易となり好ましい。微細なTi,Mo系炭化物では、炭化物中のTi、Moは原子比でTi/Moが0.2〜2.0、更に微細な炭化物では0.7〜1.5であることが観察された。
【0042】
更に、特性を向上させる場合、Nb、V、Wの一種または二種以上を添加することが好ましい。
【0043】
Nb
NbはTiと微細析出物を形成して強度向上に寄与する。また、組織を微細化し、結晶粒の整粒により延性を向上させる。0.08%を超えると過度に微細化し、延性が低下するため0.08%以下とする。より好ましくは0.04%以下である。
【0044】
V
VはTiと微細析出物を形成するが、0.15%を超えると析出物が粗大化するようになるため、0.15%以下とする。より好ましくは0.10%以下である。
【0045】
W
WはTiと微細析出物を形成するが、1.5%を超えると析出物が粗大化するようになるため、1.5%以下とする。より好ましくは1.0%以下である。
【0046】
これらの元素の添加においては、C、Ti、Mo、Nb、V、Wの原子比を規定することが炭化物の微細化に有効である。
【0047】
(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(Nb/93)+(V/51)+(W/192)}
本限定式は析出物の大きさに影響を与えるもので、(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(Nb/93)+(V/51)+(W/192)}を0.5以上、1.5以下とした場合、粒径10nm未満の微細析出物の形成が容易となる。
【0048】
Nb,V,Wの一種または二種以上を含む微細な炭化物の場合は、(Ti+Nb+V)/(Mo+W)が0.2〜2.0、更に微細な炭化物の場合は0.7〜1.5であることが観察された。
【0049】
また、本発明鋼では、部品成形時の被削性を向上させる場合は、S:0.03〜0.1%とし、Pb≦0.2%、Ca≦0.005%,B≦0.02%の一種または二種以上を添加することができる。
【0050】
強度、延性を向上させる場合、Ni,Crの一種または二種をNi≦2%、Cr≦2%の範囲で添加してもかまわない。
【0051】
さらに、棒鋼の靭性を向上させる場合、不可避不純物であるP,Nを、P≦0.040%、N≦80ppmに規制することが望ましい。
【0052】
尚、これらの元素の含有量や添加の有無により本発明の効果が損なわれることはない。
【0053】
3.製造条件
図1は本発明の熱間圧延棒鋼による非調質部品の概略製造工程図でS1は棒鋼製造工程、S2は搬送工程、S3は製品仕上げ過程を示す。棒線材製造工程(S1)で鋼塊を熱間圧延し棒鋼とし、製品仕上げ過程(S3)で棒鋼を熱間圧延加工し、所望の部品形状とした後、析出処理で微細析出物を析出させ引張強さ700MPa以上とする。尚、本発明において、棒鋼の寸法によっては熱間圧延後の冷却速度を調整し、析出処理を省略することも可能である。
【0054】
以下に望ましい製造工程について詳細に説明する。
【0055】
圧延加熱温度
圧延加熱温度は1100℃以上とする。本発明では、製品加工後の析出処理や圧延冷却過程で微細析出物を析出させるため、圧延時に溶解時から残存する炭化物を固溶させる。圧延加熱温度を1100℃未満とした場合、溶解時から残存するTi−Mo系炭化物等が固溶しないため1100℃以上とする。
【0056】
圧延後の冷却速度
冷却速度は、熱間圧延ままで微細析出物が析出するよう微細析出物の析出温度範囲の700〜550℃を、微細析出物が得られる限界冷却速度(0.5℃/sec)以下の冷却速度で冷却する。この場合であっても、低C系組成により母相はフェライト単相組織となる。
【0057】
析出処理
棒鋼の場合、その寸法によって、上述の冷却速度が得られない場合がある。そのような場合、製品成形後、析出処理を行う。析出処理では、母相をフェライト単相とし、強度向上に寄与する微細析出物を析出させることが必要で、加熱温度はベイナイトが生成しないよう550℃以上とし、700℃を超えると析出物が粗大化するため550〜700℃とする。
【0058】
また、微細なTi、Moなどの炭化物を生成、析出させるため該温度域において10分以上保持する。
【0059】
【実施例】
表1に示す組成の鋼を150kg真空溶解炉にて溶製し、160mm角に造塊後、ダミービレットに溶接し、種々の加熱温度、仕上げ温度でφ30mm,φ100mmの棒鋼に圧延した。棒鋼の径は550〜700℃の冷却速度を変化させるためφ30mm、φ100mmとした。φ30mmの棒鋼については一部のものを除いて時効処理を行った。
【0060】
供試鋼No.1〜10は本発明例、No.11〜15は比較例で成分組成および/または製造条件が本発明の範囲外であり、No.16は従来例でS45C調質材の非調質鋼である。
【0061】
それぞれの棒鋼について、組織観察を行い、降伏強さ、引張強さ、衝撃値を求めた。
【0062】
引張試験はJIS4号試験片により常温での降伏強さ、引張強さを、衝撃試験はJIS3号のUノッチ衝撃試験片により試験温度20℃での吸収エネルギーを求めた。引張強さ700MPa以上、降伏比0.85以上が本発明例である。
【0063】
組織観察は時効処理後、棒鋼断面を光学顕微鏡で観察し、また、透過型電子顕微鏡(TEM)で薄膜観察を行った。析出物はエネルギー分散型X線分光装置(EDX)により同定した。
【0064】
表2に試験結果を示す。No.1〜10はミクロ組織が本発明の規定を満足し、高強度、高靭性が得にくいとされるφ100mmのNo,8〜10を含めて700MPa以上の引張強さ、0.85以上の降伏比、100J/cm2以上の衝撃値であり、同強度の従来材(No.16)に比較して高靭性、高降伏比であった。
【0065】
一方、No.11〜15の比較例は、引張強さ、降伏比のいずれかまたは両者が本発明範囲外であった。
【0066】
No.11は圧延後の冷却速度が本発明範囲外で、時効処理を行わなかったため、微細析出物も観察されず、引張強さ、降伏比に劣る。
【0067】
No.12は圧延前の加熱温度が低く本発明範囲外で、引張強さ、降伏比に劣り、靭性も低い。低い加熱温度によりTi,Moが十分固溶せず、時効処理においてこれら残存物を核に析出が生じたため、粗大析出物が形成されたためと思われる。
【0068】
No.13は時効処理温度が本発明範囲外で高く、析出物が粗大化し、降伏比が低い。
【0069】
No.14はC量が多く、限定式を満足せず析出物が粗大化し、降伏比が低い。
【0070】
No.15はMo量、Ti量が本発明範囲外で、限定式を満足せず析出物が粗大化し、降伏比が低く、靭性も劣る。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、熱間圧延後、調質処理を行うことなく調質処理材と同等の強度、被削性を有する引張強さ700MPa以上の熱間圧延非調質棒鋼およびその製造方法が得られ、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明鋼の製造工程の一例を示す図。
Claims (4)
- 200倍の光学顕微鏡での断面組織観察で、フェライト面積率が95%以上であるフェライト単相組織を有し、フェライト相中に粒径が10nm未満の、Ti、Moの炭化物である微細析出物が全析出物の90%以上分散析出し、鋼組成が、質量%で、C≦0.15%、Si≦0.5%、Mn≦2%、Al≦0.1%、Ti:0.03〜0.35%、Mo:0.05〜0.8%、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、鋼組成として更に、下記式(1)を満足することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)}≦1.5 ----- (1) - 200倍の光学顕微鏡での断面組織観察で、フェライト面積率が95%以上であるフェライト単相組織を有し、フェライト相中に粒径が10nm未満の、TiとMoとNb、V、Wの内の少なくとも一種とを含む炭化物である微細析出物が全析出物の90%以上分散析出し、鋼組成が、質量%で、C≦0.15%、Si≦0.5%、Mn≦2%、Al≦0.1%、Ti:0.03〜0.35%、Mo:0.05〜0.8%を含有し、更に質量%で、Nb≦0.08%、V≦0.15%、W≦1.5%の一種または二種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、鋼組成として更に、下記式(2)を満足することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼。
0.5≦(C/12)/{(Ti/48)+(Mo/96)+(Nb/93)
+(V/51)+(W/184)}≦1.5 ----- (2)
但し、各元素は含有量(%)とし、含まれないものは0とする。 - 鋼組成が請求項1または2に記載の鋼を1100℃以上に加熱後、仕上げ圧延温度800℃以上で熱間圧延し、その後の冷却において、700〜550℃を0.5℃/sec以下の冷却速度で冷却することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼の製造方法。
- 鋼組成が請求項1または2に記載の鋼を1100℃以上に加熱後、仕上げ圧延温度800℃以上で熱間圧延し、その後の冷却において、700〜550℃を0.5℃/sec超えの冷却速度で冷却し、その後550〜700℃で10分間以上再加熱することを特徴とする、引張強さ700MPa以上で0.85以上の降伏比を有する熱間圧延型非調質棒鋼の製造方法。
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