JP6679935B2 - 冷間加工部品用鋼 - Google Patents
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0.48≦C+Si/7+Mn/5+Cr/9+2Mo/5+V≦0.58 (1)
0.03≦Ca/S≦0.15 (2)
Mn/Cr≦0.55 (3)
ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
冷間加工部品用鋼を高強度にするためには、十分な焼入れ性が必要である。しかしながら、焼入れ性が高すぎれば、冷間加工性が低下する。この場合、線材等の鋼材に対して伸線及び冷間鍛造等の冷間加工を実施する前に、鋼材の軟化を目的とした長時間の軟化熱処理を複数回実施しなければならない。そのため、Mo、V等の合金元素を多量に含有しなくても、製造コストが高くなる。したがって、長時間の軟化熱処理を複数回実施しなくても冷間加工が可能であり、かつ、適度な引張強度が得られる焼入れ性を有する鋼が望ましい。
0.48≦C+Si/7+Mn/5+Cr/9+2Mo/5+V≦0.58 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
冷間加工性はさらに、MnSに代表される硫化物系介在物(以下、硫化物という)の影響を受ける。具体的には、冷間加工用鋼の表面近傍に含まれる硫化物が微細であり、かつ、球状に近い形状であれば、冷間加工性が高まる。
0.03≦Ca/S≦0.15 (2)
ここで、式(2)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が不純物レベルの場合、式(2)の対応する元素記号には「0」が代入される。
一般的に、強度が高くなれば、耐水素脆化特性が低下する。しかしながら、上述の化学組成を有する冷間加工部品用鋼の場合、式(3)を満たせば、高強度であっても優れた耐水素脆化特性が得られる。
Mn/Cr≦0.55 (3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。F3=Mn/Crと定義する。F3は式(3)の左辺に相当する。以下、式(3)について説明する。
HR=Hc/Href (A)
Hcは、後述の実施例において、各試験番号の限界拡散水素量である。限界拡散水素量Hcは、各試験番号において、種々の濃度の水素を導入した試験片に対して定荷重試験を実施した場合の、破断しなかった試験片の最大水素量を意味する。
冷間加工性は、上記事項に加えて、鋼のマトリクス組織にも依存する。マトリクス組織中が主として初析フェライトとパーライトとの混合組織であり、かつ、初析フェライトの面積率が高ければ、冷間加工性に優れる。具体的には、冷間加工部品用鋼材の内部のマトリクス組織中において、初析フェライトとパーライトとの総面積率が全体の90%以上であり、かつ、初析フェライトの面積率が40%以上であれば、冷間加工性が高まる。この場合、球状化焼鈍処理を省略又は短時間化しても部品の成形が可能である。
0.48≦C+Si/7+Mn/5+Cr/9+2Mo/5+V≦0.58 (1)
0.03≦Ca/S≦0.15 (2)
Mn/Cr≦0.55 (3)
ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態の冷間加工部品用鋼の化学組成は、次の元素を含有する。
炭素(C)は、鋼の焼入れ性を高め、焼入れ及び焼戻し後の鋼の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、焼入れ性が高くなりすぎる。この場合、冷間加工部品用鋼の強度が高くなりすぎ、冷間加工性が低下する。したがって、C含有量は0.26〜0.40%である。C含有量の好ましい下限は0.28%であり、さらに好ましくは0.29%である。C含有量の好ましい上限は0.38%であり、さらに好ましくは0.37%である。
シリコン(Si)は、固溶強化によりフェライトを強化する。鋼の引張強度を下げたい場合、Si含有量はなるべく低いほうが好ましい。ただし、冷間加工部品の焼戻し硬さを高める場合、含有されてもよい。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の強度が高くなり過ぎ、鋼の冷間加工性が低下する。この場合、長時間の軟化熱処理が必要となり、コストが高くなる。したがって、Si含有量は0.20%以下である。Si含有量の好ましい上限は0.18%であり、さらに好ましくは、0.16%である。
マンガン(Mn)は、焼入れ性を高めて鋼の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、仕上げ圧延後の冷却時にフェライト変態の開始温度が低下して初析フェライトの面積率が低下する。Mn含有量が高すぎればさらに、硬質相であるベイナイトが生成するため、鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.40〜1.50%である。Mn含有量の好ましい下限は0.45%であり、さらに好ましくは0.48%である。Mn含有量の好ましい上限は1.20%であり、さらに好ましくは1.00%である。
硫黄(S)は不純物である。Sは硫化物を形成して鋼の冷間加工性を低下し、さらに、耐水素脆化特性を低下する。したがって、S含有量は0.020%以下である。S含有量の好ましい上限は0.010%であり、さらに好ましくは0.008%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。
燐(P)は不純物である。Pは、結晶粒界に偏析して鋼の冷間加工性を低下し、さらに、耐水素脆化特性を低下する。したがって、P含有量は0.020%以下である。P含有量の好ましい上限は0.015%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
クロム(Cr)はMnと同様に、焼入れ性を高めて鋼の強度を高める。Cr含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、焼入れ性は高まるが、後述の仕上げ圧延後の冷却時にフェライト変態の開始温度が低下して、初析フェライトの面積率が低下する。Cr含有量が高すぎればさらに、硬質相であるベイナイトが生成するため、鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Cr含有量は0.70〜1.60%である。Cr含有量の好ましい下限は0.90%であり、さらに好ましくは1.00%である。Cr含有量の好ましい上限は1.50%であり、さらに好ましくは1.40%である。
アルミニウム(Al)は鋼を脱酸する。Alはさらに、Nと結合してAlNを形成する。AlNは、ピンニング効果により熱間圧延時のオーステナイト粒を微細化し、ベイナイトの生成を抑制する。Al含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、粗大なAlNが生成して鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Al含有量は0.005〜0.060%である。Al含有量の好ましい下限は0.020%であり、さらに好ましくは0.024%である。Al含有量の好ましい上限は0.050%であり、さらに好ましくは0.045%である。本実施形態において、化学組成中のAl含有量は、鋼材中に含有する全Al量を意味する。
チタン(Ti)はN及びCと結合して、炭化物、窒化物又は炭窒化物(以下、炭窒化物等という)を形成する。Tiの炭窒化物等は、ピンニング効果により、熱間圧延時にオーステナイト粒を微細化して仕上げ圧延後の冷却過程でのベイナイトの生成を抑制し、フェライトの面積率を高める。Tiはさらに、鋼中に固溶するNを低減してBNの生成を抑制する。この場合、Bが固溶して鋼の焼入れ性を高める。Tiはさらに、Sと反応して硫化物の組成を変えて硫化物を微細化し、鋼の冷間加工性を高める。Ti含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Ti含有量が高すぎれば、仕上げ圧延時に微細なTi炭化物が析出して、フェライトの強度が高まり、鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Ti含有量は0.010〜0.050%である。Ti含有量の好ましい下限は0.020%であり、さらに好ましくは0.022%である。Ti含有量の好ましい上限は0.045%であり、さらに好ましくは0.040%である。
ボロン(B)は鋼の焼入れ性を高める。B含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、B含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。さらに、粗大なBNが生成して、鋼の冷間加工性が低下する。したがって、B含有量は0.0003〜0.0040%である。B含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.0010%である。B含有量の好ましい上限は0.0030%であり、さらに好ましくは0.0025%である。
窒素(N)は、鋼中のTiと結合して窒化物を生成し、熱間圧延時のオーステナイト粒を微細化し、さらに、冷間加工部品を焼入れする際の加熱時の異常粒成長を抑制する。N含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、N含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。さらに、NがBと結合して窒化物を生成し、固溶B量が低下する。この場合、鋼の焼入れ性が低下する。したがって、N含有量は0.0020〜0.0080%である。N含有量の好ましい下限は0.0030%であり、さらに好ましくは0.0035%である。N含有量の好ましい上限は0.0070%であり、さらに好ましくは0.0060%である。
カルシウム(Ca)は、硫化物に固溶して、硫化物を微細かつ球状化する。これにより、Caは鋼の冷間加工性を高める。Ca含有量が低すぎればこの効果が得られない。一方、Ca含有量が高すぎれば、粗大な酸化物が形成される。粗大な酸化物は鋼の冷間加工性を低下する。したがって、Ca含有量は0.0003〜0.0050%である。Ca含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.0007%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0035%であり、さらに好ましくは0.0030%であり、さらに好ましくは0.0025%である。
酸素(O)は不純物である。Oは酸化物を形成して鋼の冷間加工性を低下する。したがって、O含有量は0.0015%以下である。O含有量の好ましい上限は0.0013%であり、さらに好ましくは0.0012%である。O含有量はなるべく低い方が好ましい。
上述の冷間加工部品用鋼はさらに、Feの一部に代えて、Cu、Ni、Mo、及びVからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、鋼の焼入れ性を高める。
銅(Cu)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Cuは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Cu含有量が高すぎれば、焼入れ性が高くなりすぎて仕上げ圧延後にベイナイトが生成し、鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0〜0.50%である。Cu含有量の好ましい下限は0.015%であり、さらに好ましくは0.020%である。Cu含有量の好ましい上限は0.30%であり、さらに好ましくは0.20%である。
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Niは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、焼入れ性が高くなりすぎて仕上げ圧延後にベイナイトが生成し、鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Ni含有量は0〜0.30%である。Ni含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%である。Ni含有量の好ましい上限は0.20%であり、さらに好ましくは0.10%である。
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、仕上げ圧延後にベイナイト及びマルテンサイトが生成し、冷間加工性が低下する。したがって、Mo含有量は0〜0.05%である。Mo含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.008%である。Mo含有量の好ましい上限は0.03%であり、さらに好ましくは0.02%である。
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Vは鋼の焼入れ性を高める。Vはさらに、C及びNと結合して、炭化物、窒化物又は炭窒化物を形成して結晶粒を微細化する。しかしながら、V含有量が高すぎれば、炭化物及び炭窒化物が鋼の強度を高め、冷間加工性を低下する。したがって、V含有量は0〜0.05%である。V含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.004%である。V含有量の好ましい上限は0.03%であり、さらに好ましくは0.02%である。
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは、C及びNと結合して、炭化物、窒化物又は炭窒化物(炭窒化物等という)を形成する。Nb炭窒化物等は、ピンニング効果により熱間圧延時にオーステナイト粒を微細化し、仕上げ圧延後の冷却過程でのベイナイト生成を抑制し、初析フェライトの面積率を高める。Nb炭窒化物等はさらに、冷間加工部品を焼入れする際の加熱時の結晶粒の異常粒成長を抑制する。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、粗大な炭化物等が生成して鋼の冷間加工性が低下する。したがって、Nb含有量は0〜0.050%である。上記効果をより有効に得るためのNb含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。Nb含有量の好ましい上限は0.040%であり、さらに好ましくは0.030%である。
本実施形態の冷間加工部品用鋼の化学組成はさらに、式(1)を満たす。
0.48≦C+Si/7+Mn/5+Cr/9+2Mo/5+V≦0.58 (1)
式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が不純物レベルの場合、式(1)の対応する元素記号には「0」が代入される。
本実施形態の冷間加工部品用鋼の化学組成はさらに、式(2)を満たす。
0.03≦Ca/S≦0.15 (2)
ここで、式(2)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が不純物レベルの場合、式(2)の対応する元素記号には「0」が代入される。
上述の冷間加工部品用鋼の化学組成はさらに、式(3)を満たす。
Mn/Cr≦0.55 (3)
F3=Mn/Crと定義する。Mn及びCrは、焼入れ性を高める。さらに、上述のとおり、MnのCrに対する比率が適切であれば、優れた耐水素脆化特性が得られる。したがって、F3は耐水素脆化特性の指標となる。
冷間加工部品用鋼の内部のマトリクス組織は、主として初析フェライトとパーライトとからなる。ここで、冷間加工用部品の内部とは、表層の脱炭層よりも深い領域部分を意味する。たとえば、冷間加工部品用鋼が棒鋼又は線材の場合、D/4部(切断面(円形状)外周から径方向に直径D/4深さ位置を含む部分)は「内部」に相当する。また、冷間加工部品用鋼が板材又は鋼管の場合、t/4部(表面から板厚又は肉厚の1/4深さ位置を含む部分)は「内部」に相当する。
本発明の冷間加工部品用鋼の製造方法の一例として、棒鋼又は線材(棒線)の製造方法について説明する。本実施形態の冷間加工部品用鋼の製造方法は、ビレットを製造する工程(分塊圧延工程)と、製造されたビレットを棒線に圧延する工程(仕上圧延工程)とを含む。以下、各工程について詳述する。
初めに、上記化学組成を有する素材を準備する。たとえば、素材は次の方法で製造される。上述の化学組成を有する溶鋼を、転炉及び電気炉等を用いて製造する。溶鋼を用いて連続鋳造法により鋳片を製造する。又は、溶鋼を用いて造塊法によりインゴットを製造する。
分塊圧延工程により製造されたビレットに対してさらに熱間圧延を実施して、棒線等の冷間加工部品用鋼を製造する。ここでの圧延はたとえば、水平ロールスタンド、垂直ロールスタンドが交互に一列に配列された連続圧延機を用いた、連続圧延である。
仕上げ温度:750〜850℃
仕上げ温度は、仕上げ圧延機列の複数のスタンドのうち、最後にビレットを圧下するスタンド(以下、仕上げスタンドという)の出側でのビレット温度(℃)を意味する。仕上げ温度は、仕上げスタンドの出側に配置された赤外線放射温度計を用いて測定される。
仕上げ圧延後の鋼の冷却速度は、マトリクス組織に影響する。冷却速度が5.0℃/秒以上となれば、鋼中に硬質のベイナイト等が生成しやすくなり、初析フェライト及びパーライトの総面積率が90%未満となったり、初析フェライトの面積率が40%未満となる。冷却速度が5.0℃/秒未満であれば、冷却後の鋼材のマトリクス組織における初析フェライト及びパーライトの総面積率が90%以上となり、初析フェライトの面積率が40%以上となる。
加工速度Z:5〜15/秒
加工速度Z(/秒)は式(4)で定義される。
Z=−ln(1−R)/t (4)
式(4)中のRは仕上げ圧延機列による仕上げ圧延での断面減少率(%)である。tは仕上げ圧延時間(秒)である。
R=(A0−A)/A0 (5)
式(5)中のA0は、仕上げ圧延前のビレットの断面積(mm2)であり、Aは、仕上げ圧延後の棒線の断面積(mm2)である。
冷間加工部品はたとえば、上記冷間加工部品用鋼を用いて次の方法で製造される。上記冷間加工部品用鋼材に対して冷間加工を実施する。冷間加工はたとえば伸線加工、冷間鍛造加工等である。
冷間加工部品用線材を圧延方向と垂直な方向に切断し、10mmのサンプルを採取した。サンプルの切断面が被検面になるように樹脂埋めし、鏡面研磨を行った。その後、上述の方法でミクロ組織観察を実施して、初析フェライト及びパーライトの総面積率(%)と、初析フェライトの面積率(%)とを求めた。求めた結果を表2に示す。
各試験番号の線材の中心位置から、JIS Z2241(2011)に規定される14A号試験片を採取した。試験片の長手方向は線材の圧延方向であり、平行部の直径は6mm、標点距離は30mmであった。採取した試験片に対して、室温(25℃)で引張試験を実施して、引張強度(MPa)を求めた。得られた引張強度を表2に示す。引張強度が650MPa以下であれば、優れた冷間加工性を有すると判断した。
冷間加工部品用線材を圧延方向と垂直な方向に切断し、10mmのサンプルを採取した。サンプルを縦断し、線材の圧延方向を含む面(サンプルの縦断面)が被検面になるようにサンプルを樹脂埋めし、鏡面研磨を行った。
SPH=A/Aall (6)
各試験番号の線材の中心部から、機械加工により10個の円柱試験片を作製した。各円柱試験片の直径は10mm、長さは15mmであり、試験片の長手方向は線材の圧延方向であった。
各試験番号の線材に対して焼入れ及び焼戻しを実施して、線材の引張強度を約1200MPaに調整した。
HR=Hc/Href (A)
比HRが1.00よりも高ければ、耐水素脆化特性に優れると判断した。
表2に試験結果を示す。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.26〜0.40%、
Si:0.20%以下、
Mn:0.40〜1.50%、
S:0.020%以下、
P:0.020%以下、
Cr:0.70〜1.60%、
Al:0.005〜0.060%、
Ti:0.010〜0.050%、
B:0.0003〜0.0040%、
N:0.0020〜0.0080%、
Ca:0.0003〜0.0050%、
O:0.0015%以下、
Cu:0〜0.50%、
Ni:0〜0.30%、
Mo:0〜0.05%、
V:0〜0.05%、及び、
Nb:0〜0.050%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)〜式(3)を満たす化学組成を有し、
表層の脱炭層よりも深い領域部分のマトリクス組織において、パーライトと初析フェライトとの総面積率は90%以上であり、初析フェライトの面積率は40%以上である、冷間加工部品用鋼。
0.48≦C+Si/7+Mn/5+Cr/9+2Mo/5+V≦0.58 (1)
0.03≦Ca/S≦0.15 (2)
Mn/Cr≦0.55 (3)
ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項1に記載の冷間加工部品用鋼であって、
前記化学組成は、
Cu:0.015〜0.50%、
Ni:0.01〜0.30%、
Mo:0.005〜0.050%、及び、
V:0.003〜0.050%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、冷間加工部品用鋼。 - 請求項1又は請求項2に記載の冷間加工部品用鋼であって、
前記化学組成は、
Nb:0.003〜0.050%を含有する、冷間加工部品用鋼。
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