JP3563956B2 - 磁気カードリーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カードリーダに関する。より詳しくは、磁気カード以外の異物の挿入やマグネット板等の貼着を検出可能な磁気カードリーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
現金自動支払機等の磁気カードリーダのカード挿入口にマグネット板等が貼り付けられている場合、そのことを知らずに利用者が磁気カードリーダを利用すると、マグネット板の磁気によって記録データが破壊される虞がある。また、磁気カードリーダのカード挿入口に金属板等の異物が挿入されると、磁気カードリーダが誤動作や故障する虞がある。これらのため、磁気カードリーダは、カード挿入口近辺に記録データを破壊するような磁界が存在するか否かや、カード挿入口に挿入されたものが正規の磁気カードか否かを判別する必要がある。
【0003】
従来の磁気カードリーダは、カードリーダゲート部に磁気信号の存在を確認する専用の磁気ヘッドを設け、カード挿入口から挿入されたものが磁気信号を有する正規の磁気カードであることを確認した後にカード搬送路の途中に設けられたシャッタを開けて当該磁気カードを内部に取り込む構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁気信号の確認専用の磁気ヘッドを設置することで、挿入されたものが正規の磁気カードであるか否かについては判別可能ではあるが、カード挿入口に貼り付けられたマグネット板等の検出まではすることができなかった。このため、カード挿入口に貼り付けられたマグネット板等の検出をも可能にするためには、上記磁気ヘッドとは別個に磁気検出センサをカード挿入口の近傍に設けてマグネット板等の磁界を検出する必要がある。即ち、上記磁気ヘッドと磁気検出センサとをそれぞれ設置することが必要となって部品点数の増加を招き製造コストが上昇してしまう。また、上記磁気ヘッドによって磁気信号の存在を確認するためには、その動作原理より、磁気ヘッドに対して磁気カードを相対移動させる必要があり、シャッタの手前側に磁気カードを搬送するスペースが必要になって磁気カードリーダの小型化の制約になっている。
【0005】
本発明は、磁気カードの保磁力の識別が可能で、磁気カード以外の異物の挿入やカード挿入口近辺へのマグネット板等の貼り付けを検出可能な磁気カードリーダを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の磁気カードリーダは、少なくとも一側に空隙部を有するように並置された2つの主磁極に励磁コイルと検出コイルを巻回して磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって主磁極のうち一方の主磁極を通る磁束が他方の主磁極に対して変化するように設け、一方の主磁極の磁束の変化を検出コイルにより検出するようにしたものである。
【0007】
したがって、被検出体が挿入されていない状態では、各主磁極を通る磁束がバランスし検出コイルには出力が生じない。この状態より、カード挿入口から被検出体が挿入されると、この被検出体側に一方の主磁極側から磁束が漏れる。このため、2つの主磁極を通る磁束のバランスが崩れ、検出コイルに出力が生じる。被検出体の透磁率に応じて一方の主磁極側から被検出体側に漏れる磁束の大きさは変化するので、2つの主磁極を通る磁束のバランスの崩れ具合も変化し、また、透磁率と保磁力には一定の関係があるから、被検出体の保磁力に応じた検出コイルの出力値が得られることになる。また、カード挿入口の近辺にマグネット板等が貼り付けられた場合には、このマグネット板等によって形成される磁束により各主磁極を通る磁束のバランスが崩されるので、検出コイルに異常出力が常時生じる。
また、請求項1記載の磁気カードリーダは、被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの主磁極のうち一方の主磁極に作用する位置を通るように磁気センサ部を取り付けたものである。
したがって、一方の主磁極側から磁気ストライプ側に漏れる磁束は磁気ストライプの保磁力に応じたものとなり、2つの主磁極を通る磁束のバランスの崩れ具合が変化する。透磁率と保磁力との間には一定の関係があることから、磁気ストライプの保磁力に応じた検出コイルの出力が得られることになる。
また、請求項1記載の磁気カードリーダは、磁気センサ部はカード挿入口のカード走行平面に設けられている。
さらに、請求項1記載の磁気カードリーダは、磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して被検出体を判別するようにしたものである。磁気センサ部の出力の出力レベル、位相、周波数は、被検出体が磁気カードである場合、金属板である場合、磁石である場合によって異なる。したがって、予め記憶している基本パターンと比較することで被検出体の種類が異なる。
【0008】
また、請求項2記載の磁気カードリーダは、2つの主磁極のそれぞれに励磁コイルを巻回し、該励磁コイルはそれぞれの主磁極に流れる磁束が逆方向となるように励磁されてなるものである。
【0009】
各主磁極に励磁コイルをそれぞれ逆方向に巻回すると、各主磁極には互いに逆向きの磁束が発生し全体として1つの閉ループの磁束が形成される。したがって、カード挿入口に被検出体が挿入されても2つの主磁極を通る閉ループからこの被検出体側に漏れる磁束は僅かなものにとどまる。即ち、一方の主磁極側から被検出体側に漏れる磁束はこの被検出体に記録されているデータを損なうほどには大きくならず、記録データの健全性が維持される。
【0010】
また、請求項3記載の磁気カードリーダは、2つの主磁極の端部には被検出体による磁路形成の補助となる補助コア部が形成されており、2つの主磁極のそれぞれに検出コイルを巻回し、該検出コイルより差動出力を取り出すように構成したものである。
【0011】
したがって、一方の主磁極から被検出体側に漏れる磁束は、補助コア部によって被検出体側に導かれる。この磁束の漏れによって生じる2つの主磁極を通る磁束のバランス崩れは、2つの検出コイルの差動出力として取り出される。
【0012】
また、請求項4記載の磁気カードリーダは、主磁極及び補助コア部は高透磁率磁性材料により構成され、2つの主磁極は他側が連結部により連結されており、主磁極の両端に設けられた補助コア部は連結部とは逆側に突出して形成され、突出した補助コア部の間が励磁コイル又は検出コイルの巻線部とされたものである。
【0013】
2つの主磁極、連結部及び各補助コア部は、全体として略π字形状を成す。そして、各主磁極を通る磁束が全体として1つの閉ループを形成する場合には、当該磁束は一方の主磁極→空隙部→他方の主磁極→連結部→一方の主磁極の順序で又は逆の順序でループを構成する。各主磁極及び補助コア部は高透磁率磁性材料で構成されているので、かかる閉ループからの磁束の漏れは殆ど生じない。各主磁極の各補助コア部の間の部分を励磁コイル又は検出コイルの巻線部にすることで、両方の主磁極に対して各コイルを対称に巻くことが可能になり、各主磁極を通る磁束をバランスさせることができる。
【0016】
また、請求項5記載の磁気カードリーダのように、磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの主磁極のうちの一方の主磁極に作用する位置を通るように、カード挿入口のカード走行平面に対して主磁極をほぼ平行又はほぼ垂直に設けても良い。
【0017】
また、請求項6記載の磁気カードリーダのように、励磁コイルが巻回された励磁コア部と該励磁コア部を挟むとともに一側に空隙部を有するように並置されそれぞれ検出コイルを巻回した2つの検出コア部とにより磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって2つの検出コア部のうち一方の検出コア部を通る磁束が変化するように設け、被検出体による磁束の変化を検出コイルにより検出するようにしたものである。
【0018】
したがって、被検出体が挿入されていない状態では、2つの検出コア部を通る磁束がバランスしそれぞれの検出コイル間には差動出力が生じない。この状態より、カード挿入口から被検出体が挿入されると、被検出体側に一方の検出コア部側から磁束が漏れる。このため、各検出コア部を通る磁束のバランスが崩れ、各検出コイル間に差動出力が生じる。被検出体の透磁率に応じて一方の検出コア部側から漏れる磁束の大きさが変化して各検出コア部を通る磁束のバランスの崩れ具合も変化し、また、透磁率と保磁力には一定の関係があるので、被検出体の保磁力に応じた各検出コイル間の差動出力値が得られることになる。また、カード挿入口の近辺にマグネット板等が貼り付けられた場合には、このマグネット板等の磁束によって各検出コア部を通る磁束のバランスが崩されるので、各検出コイル間に異常な差動出力が常時生じる。
また、請求項6記載の磁気カードリーダは、被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの検出コアのうち一方の検出コアに作用する位置を通るように磁気センサ部を取り付けたものである。
したがって、一方の検出コア側から磁気ストライプ側に漏れる磁束は磁気ストライプの保磁力に応じたものとなり、2つの検出コアを通る磁束のバランスの崩れ具合が変化する。透磁率と保磁力との間には一定の関係があることから、磁気ストライプの保磁力に応じた検出コイルの出力が得られることになる。
また、請求項6記載の磁気カードリーダは、磁気センサ部はカード挿入口のカード走行平面に設けられている。
さらに、請求項6記載の磁気カードリーダは、磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して被検出体を判別するようにしたものである。磁気センサ部の出力の出力レベル、位相、周波数は、被検出体が磁気カードである場合、金属板である場合、磁石である場合によって異なる。したがって、予め記憶している基本パターンと比較することで被検出体の種類が異なる。
【0019】
また、請求項7記載の磁気カードリーダは、検出コイルが巻回された検出コア部と該検出コア部を挟むとともに一側に空隙部を有するように並置されそれぞれ励磁コイルを巻回した2つの励磁コア部とにより磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって2つの励磁コア部のうち一方の励磁コア部を通る磁束が変化するように設け、被検出体による磁束の変化を検出コイルにより検出するようにしたものである。
【0020】
したがって、被検出体が挿入されていない状態では、2つの励磁コア部を通る磁束がバランスし検出コア部に巻回された検出コイルには出力が生じない。この状態より、カード挿入口から被検出体が挿入されると、被検出体側に一方の励磁コア部側から磁束が漏れる。このため、各励磁コア部を通る磁束のバランスが崩れ、検出コイルに出力が生じる。磁気カードの被検出体の透磁率に応じて一方の励磁コア部側から漏れる磁束の大きさは変化するので各励磁コア部を通る磁束のバランスの崩れ具合も変化し、また、透磁率と保磁力には一定の関係があるので、被検出体の保磁力に応じた検出コイルの出力値が得られることになる。また、カード挿入口の近辺にマグネット板等が貼り付けられた場合には、このマグネット板等の磁束によって各励磁コア部を通る磁束のバランスが崩されるので、検出コイルに異常な出力が常時発生する。
また、請求項7記載の磁気カードリーダは、被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの励磁コア部のうち一方の励磁コア部に作用する位置を通るように磁気センサ部を取り付けたものである。
したがって、一方の励磁コア部側から磁気ストライプ側に漏れる磁束は磁気ストライプの保磁力に応じたものとなり、2つの励磁コア部を通る磁束のバランスの崩れ具合が変化する。透磁率と保磁力との間には一定の関係があることから、磁気ストライプの保磁力に応じた検出コイルの出力が得られることになる。
また、請求項7記載の磁気カードリーダは、磁気センサ部はカード挿入口のカード走行平面に設けられている。
さらに、請求項7記載の磁気カードリーダは、磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して被検出体を判別するようにしたものである。磁気センサ部の出力の出力レベル、位相、周波数は、被検出体が磁気カードである場合、金属板である場合、磁石である場合によって異なる。したがって、予め記憶している基本パターンと比較することで被検出体の種類が異なる。
【0021】
また、請求項8記載の磁気カードリーダは、被検出体が、カード挿入口に挿入される磁気カード又は金属板、もしくはカード挿入口に設置される磁石である。したがって、被検出体への磁束の漏れ具合は被検出体が磁気カード、金属板、磁石のいずれかによって異なるので、被検出体の種類に応じた検出コイルの出力が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1〜図5に本発明を適用した磁気カードリーダの実施形態の一例を示す。この磁気カードリーダは、少なくとも一側に空隙部1を有するように並置された2つの主磁極2に励磁コイル3と検出コイル4を巻回して構成された磁気センサ部5を有し、この磁気センサ部5をカード挿入口30に挿入される被検出体6によって2つの主磁極2のうち一方の主磁極2を通る磁束が変化するように設け、一方の主磁極2の磁束の変化を検出コイル4により検出している。本実施形態では、空隙部1を各主磁極2の一側のみに設け、各主磁極2の他側を連結部8によって連結している。
【0026】
2つの主磁極2の端部には、被検出体6による磁路形成の補助となる補助コア部7が形成されている。各補助コア部7は連結部8とは逆側に突出して形成されている。そして、各主磁極2及び各補助コア部7は、例えばフェライト等の高透磁率磁性材料により一体的に構成され、補助コア部7の間を励磁コイル3と検出コイル4を巻回する巻線部9としている。
【0027】
励磁コイル3は各主磁極2の巻線部9にそれぞれ巻回されている。各励磁コイル3は互いに反対回りに巻回されており、各主磁極2を通る磁束が互いに逆向きになって全体として閉ループの磁束Φ1が発生するようになっている。
【0028】
なお、各コイル3,4の引き出し線3a,4aは、各主磁極2を通る磁束がバランスするように各主磁極2に対して等しい位置関係になるように配置されている。即ち、各主磁極2から等距離に存在する仮想中間面に基づいた面対称の位置関係になるように、又は図22に示すように、各主磁極2が仮想中間軸Lを挟んで等距離に配置されていると考えた場合に同図(A)の方向(同図(B)の矢印A方向)からみて当該仮想中間軸Lに基づき点対称の位置関係になるように各コイル3,4の引き出し線3a,4aが配置されている。このように各コイル3,4の引き出し線3a,4aを配置することで、各主磁極2を通る磁束をバランスさせることができる。ただし、必ずしもかかる位置関係で各コイル3,4の引き出し線3a,4aを配置する必要はなく、各コイル3,4に接続された回路において電気的に補正して各主磁極2を通る磁束がバランスするようにしても良い。また、励磁コイル3には、各主磁極2及び各補助コア部7の高透磁率コア部材を磁気飽和させない領域で被検出体6の透磁率の検出を行うことができる程度の励磁電流が供給されている。
【0029】
この磁気センサ部5は、カード挿入口のカード走行平面Aに対して2つの主磁極2がほぼ平行となるように配置される。
【0030】
この磁気カードリーダの磁気センサ部5には、例えば図2に示す回路が接続されている。励磁コイル3は例えば交流電源10に接続されており、2つの主磁極2を通って閉ループとなる磁束Φ1を発生させる。磁気センサ部5の周辺に被検出体6が存在せず各主磁極2を通る磁束が等しい場合には、各主磁極2を通る磁束がバランスしており検出コイル4の出力は変化しない。この状態より磁気センサ部5に被検出体6が近づくと、一方の主磁極2から各補助コア部7を通って被検出体6に向けて漏れる磁束Φ2が発生し、各主磁極2を通る磁束のバランスが崩れる。磁束Φ2の漏れ具合は被検出体6の透磁率によって変化するので、透磁率の大きさに応じて検出コイル4の出力が変化する。検出コイル4の出力はアンプ回路11によって増幅された後、検波回路12及びピークホールド回路13によって半波整流されて包絡線検波され、被検出体6の透磁率に応じた大きさの出力信号となる。この場合、増幅と検波の順序は逆でも良い。被検出体6の透磁率と被検出体6の保磁力の大きさとの間には一定の関係があるため、予め保磁力の大きさに対応する検出コイル4の出力値を確認しておくことで、検出コイル4の出力に基づいて被検出体6の保磁力を識別することができる。
【0031】
即ち、この磁気センサ部5では、略π型形状の高透磁率コア部材に各励磁コイル3を磁束Φ1が閉ループとなるように巻き線し、検出コイル4は差動型となるように巻き線されている。このため、被検出体6が磁気センサ部5に近づくと、殆どの磁束Φ1は閉ループとなるが、被検出体6の媒体透磁率に依存した最低限の磁束Φ2が被検出体6に作用する。したがって、被検出体6には記録データを損なう程大きな磁束が作用することはなく、被検出体6のデータ記憶領域に対しても磁気センサ部5を動作させることができる。即ち、被検出体6が例えば図3に示す磁気カード14である場合には、この磁気カード14に設けられた磁気ストライプ15のうち記憶領域であるトラック16の間の空き領域(ガードバンド)17に磁気センサ部5を対向させても良いが、トラック16に対向させることもできる。したがって、磁気センサ部5の設置の自由度が向上し、カードリーダへの取り付けが容易になる。
【0032】
この磁気センサ部5は、例えば図4に示すように、カード挿入口30の被検出体6に対向し得る位置19に取り付けられている。ここで、磁気センサ部5が検出できる被検出体6としては、カード挿入口30から挿入される磁気カード14や金属板等の異物、もしくはカード挿入口30の近辺に貼り付けられたマグネット板等があるが、これらのうち被検出体6が磁気カード14である場合に当該磁気カード14の磁気ストライプ15が一方の主磁極2に作用しながら通過するような位置19に、磁気センサ部5は取り付けられている(図4)。カード挿入口30に磁気センサ部5を取り付けることで、磁気カード14を挿入した時点で磁気ストライプ15の保磁力を検出することができて以降のデータ再生等の処理を迅速に行うことができると共に、後述するように、カード挿入口30に貼り付けられたマグネット板等の検出も可能になる。
【0033】
カード挿入口30に正規の磁気カード14が挿入された場合には、磁気ストライプ(磁性層)15と磁気センサ部5とで構成される磁気回路の実効透磁率に依存した出力が磁気センサ部5から得られる。また、カード挿入口30に金属板等が挿入された場合には、金属板に発生する渦電流により発生する磁界に依存した出力が磁気センサ部5から得られる。さらに、カード挿入口30にマグネット板等が貼り付けられている場合には、マグネット板等の直流の磁界に影響された異常出力が継続して磁気センサ部5から得られる。
【0034】
つまり、カード挿入口30に正規の磁気カード14が挿入された場合と金属板等の異物が挿入された場合とでは、磁気センサ部5からの出力の位相が異なる。また、これらの場合とカード挿入口30の近辺にマグネット板等が貼り付けられた場合とでは磁気センサ部5からの出力の波形が異なり、且つマグネット板が貼り付けられている限り波形の異なった異常出力は継続される。これらの為、磁気センサ部5の出力に基づいてカード挿入口30に挿入されたものが正規の磁気カードであるか否か、カード挿入口30の近辺にマグネット板等が貼り付けられているか否かを検出することができる。さらに、カード挿入口30に正規の磁気カード14が挿入された場合については、磁気カード14の磁気ストライプ15の保磁力の大きさに応じて磁気センサ部5からの出力のレベルが異なるので、このレベルの差に基づいて磁気ストライプ15の保磁力を検出することができる。
【0035】
このカートリーダ18は、図5に示すように、上述した磁気センサ部5、レベル検出部20、位相検出部21、周波数検出部22、比較部23、基準パターンメモリ24、挿入物検出部25、コントローラ26、記録再生手段27、警報発生手段28及びカード挿入センサ29を備えて構成されている。磁気センサ部5からの出力信号はレベル検出部20、位相検出部21及び周波数検出部22にそれぞれ供給され、出力のレベルに関する情報、出力の位相に関する情報及び出力の周波数に関する情報が比較部23にそれぞれ供給される。比較部23ではこれらの情報とメモリ24に記憶されている各々の基本パターンとの比較が行われる。そして、カード挿入口30に挿入されたものが正規の磁気カード14であるか否かについての情報と、正規の磁気カード14である場合には磁気ストライプ15の保磁力の大きさに関する情報が挿入物検出部25からコントローラ26に出力される。コントローラ26は、カード挿入口30に挿入されたものが正規の磁気カード14である場合には、記録再生手段27を作動させる。即ち、カード搬送路の途中に設けられたシャッタを開いて磁気カード14を内部に引き込み、磁気ストライプ15の保磁力に対応した記録再生等を行う。一方、カード挿入口30に挿入されたものが金属板等の異物である場合には、コントローラ26は警報発生手段28を作動させて異物の挿入についての注意を喚起する。
【0036】
一方、カード挿入口30の近辺にマグネット板等が貼り付けられている場合には、カード挿入口30に何も挿入されていないときであっても、正規の磁気カード14や金属板等の異物が挿入された場合と異なる波形の信号が磁気センサ部5から常に継続して出力されることになる。この場合には、コントローラ26は警報発生手段28を作動させてマグネット板等の貼り付けについての注意を喚起する。即ち、カード取り引きが中止される。
【0037】
また、カード挿入口30に正規の磁気カード14や金属板等の異物が挿入されると、カード挿入センサ29はコントローラ26にオン信号を出力する。コントローラ26は、このオン信号を受けているにもかかわらず、磁気センサ部5からの出力を得ていない場合には、磁気カード14の表裏や前後が逆であると判断し、警報発生手段28を作動させて磁気カード14を正しい向きで挿入するように注意を喚起する。
【0038】
このように、磁気センサ部5をカード挿入口30に取り付けることで、カード挿入口30に正規の磁気カード14が正しい向きで挿入されている否か、カード挿入口30の近辺にマグネット板等が貼り付けられているか否かを判別することができ、また、正規の磁気カード14が挿入された場合には磁気ストライプ15の保磁力を識別することができる。したがって、正規の磁気カード14以外の異物の挿入を防止して磁気カードリーダの故障や誤動作を防止することができると共に、カード挿入口30に貼り付けられたマグネット板等によって磁気カード14の磁気ストライプ15に記録されているデータが破壊されてしまうのを防止することができる。
【0039】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、被検出体6のカード走行面Aに対して各主磁極2をほぼ平行となるように配置していたが、図6に示す磁気カードリーダの第2の実施形態のように、カード走行面Aに対して各主磁極2をほぼ垂直に配置しても良い。この場合、被検出体6と各主磁極2のそれぞれの位置関係が等しくなると各主磁極2を通る磁束がバランスして検出コイル4の出力が得られなくなるので、図示するように、被検出体6が一方の主磁極2の磁束のみに影響する位置に磁気センサ部5を設置し、即ち被検出体6が相対的に移動する経路に対して一方の主磁極2のみを対向させるように磁気センサ部5を設置し、被検出体6が一方の主磁極2に近づいた場合には各主磁極2を通る磁束のバランスが崩れるようにする。あるいは、被検出体6が相対移動する経路に対して両方の主磁極2が対向するように磁気センサ部5を設置する場合であっても、相対移動する被検出体6が一方の主磁極2を通る磁束にのみ影響を与えている段階で、即ち両方の主磁極2の磁束がバランスしていない状態で被検出体6の透磁率を検出するようにする。この場合、透磁率の検出後に被検出体6が両方の主磁極2に対向することになるので、このときには各主磁極2を流れる磁束の殆どが被検出体6を通ることになる。したがって、記録データを損なわない程度の強さの磁束を使用して透磁率を検出するようにするか、又は例えば磁気カード14の磁気ストライプ15のうち空き領域17に磁気センサ部5を対向させるようにすれば良い。
【0040】
また、上述の説明では、各主磁極2の両端部に補助コア部7を形成していたが、必ずしも両端部に補助コア部7を形成する必要はなく、各主磁極2の片側にのみ補助コア部7を形成しても良く、又は補助コア部7を省略しても良い。例えば、図7に示す磁気カードリーダの第3の実施形態や、図8に示す磁気カードリーダの第4の実施形態のように、補助コア部7を省略しても良い。
【0041】
また、上述の説明では、各主磁極2の励磁コイル3を互いに逆方向に巻回して各主磁極2を通る磁束の向きを逆向きにして閉ループとなる磁束Φ1を発生させるようにしていたが、図9に示す磁気カードリーダの第5の磁気カードリーダのように、各主磁極2の励磁コイル3を同一方向に巻回して各主磁極2を通る磁束が一方向に向かう磁束Φ3となるようにしても良い。この場合、被検出体6が近づくことで一方の主磁極2を通る磁束の殆どが被検出体6を通る磁束Φ2になるので、記録データを損なわない程度の強さの磁束を使用して透磁率を検出するか、又は例えば磁気カード14の磁気ストライプ15のうち空き領域17に磁気センサ部5が対向するようにすれば良い。
【0042】
また、上述の説明では、各主磁極2のそれぞれに励磁コイル3を巻回していたが、図10に示す磁気カードリーダの第6の実施形態のように、励磁コイル3は1つであっても良い。
【0043】
また、上述の説明では、2つの主磁極2に1つの検出コイル4を巻回していたが、例えば図11に示す磁気カードリーダの第7の実施形態のように、2つの主磁極2のそれぞれに検出コイル4を巻回し、各検出コイル4より差動出力を取り出すようにしても良い。
【0044】
また、図12に示す磁気カードリーダの第8の実施形態のように、2つの主磁極2を含むように大きく検出コイル4を巻いても良い。
【0045】
また、図13に示す磁気カードリーダの第9の実施形態のように、励磁コイル3が巻回された励磁コア部31と、この励磁コア部31を挟むとともに一側に空隙部1を有するように並置されそれぞれ検出コイル4が巻回された2つの検出コア部32とにより磁気センサ部5を構成しても良い。そして、この磁気センサ部5を、カード挿入口30に挿入された被検出体6によって一方の検出コア部32を通る磁束のみが変化させられるように設置し、被検出体6による磁束の変化を検出コイル4により検出するようにする。
【0046】
この場合、被検出体6が挿入されていない状態では、2つの検出コア部32を通る磁束がバランスしそれぞれの検出コイル4の間には差動出力が生じない。この状態より、カード挿入口30から被検出体6が挿入されて図示するように被検出体6が一方の検出コア部32と励磁コア部31とを連絡すると、一方の検出コア部32側から被検出体6を通じて励磁コア部31に流れる磁束Φ2が発生する。このため、2つの検出コア部32を通る磁束のバランスが崩れ、各検出コイル4間に差動出力が生じる。被検出体6の透磁率に応じて一方の検出コア部32側から漏れる磁束Φ2の大きさが変化するので、各検出コア部32を通る磁束のバランスの崩れ具合も変化し、また、透磁率と保磁力との間には一定の関係があるので、被検出体6の保磁力に応じた各検出コイル4間の差動出力値が得られることになる。また、カード挿入口30の近辺にマグネット板等が貼り付けられた場合には、このマグネット板等の磁束によって各検出コア部32を通る磁束のバランスが崩されるので、各検出コイル4の間に異常な差動出力が継続して発生する。この実施形態では、各検出コイル4に差動出力を発生させる磁束Φ2が各検出コア部32の間に発生し、また、各コイル3,4が巻回されている各コア部31,32の被検出体6とは反対側の部分にはコア材としてある程度のマスが存在しているので、磁気センサ部5を磁気カードリーダの所定位置に取り付けた場合に他の外部磁界、金属部材、磁性体等の影響を受け難くなり、磁気センサ5を被検出体6にのみ敏感に反応するものとすることができる。
【0047】
また、図14に示す磁気カードリーダの第10の実施形態のように、検出コイル4が巻回された検出コア部32と、該検出コア部32を挟むとともに一側に空隙部1を有するように並置されそれぞれ励磁コイル3を巻回した2つの励磁コア部31とにより磁気センサ部5を構成しても良い。そして、この磁気センサ部5を、カード挿入口30に挿入された被検出体6によって2つの励磁コア部31のうち一方の励磁コア部31を通る磁束のみが変化させられるように設置し、被検出体6による磁束の変化を上記検出コイル4により検出するようにしても良い。
【0048】
この場合、被検出体6が挿入されていない状態では、2つの励磁コア部31を通る磁束がバランスし検出コア部32に巻回された検出コイル4には出力が生じない。この状態より、カード挿入口30から被検出体6が挿入されて図示するように被検出体6が一方の励磁コア部31と検出コア部32とを連絡すると、一方の励磁コア部31側から検出コア部32側に流れる磁束Φ2が発生する。このため、2つの励磁コア部31を通る磁束のバランスが崩れ、検出コイル4に出力が生じる。被検出体6の透磁率に応じて一方の励磁コア部31側から漏れる磁束Φ2の大きさは変化するので各励磁コア部31を通る磁束のバランスの崩れ具合も変化し、また、透磁率と保磁力には一定の関係があるので、被検出体6の保磁力に応じた検出コイル4の出力値が得られることになる。また、カード挿入口30の近辺にマグネット板等が貼り付けられた場合には、このマグネット板等の磁束によって各励磁コア部31を通る磁束のバランスが崩されるので、検出コイル4に異常な出力が継続して発生する。この実施形態では、磁束Φ2が各励磁コア部31の間に発生し、また、各コイル3,4が巻回されている各コア部31,32の被検出体6とは反対側の部分にはコア材としてある程度のマスが存在しているので、磁気センサ部5を磁気カードリーダの所定位置に取り付けた場合に他の外部磁界、金属部材、磁性体等の影響を受け難くなり、磁気センサ部5を被検出体6にのみ敏感に反応するものとすることができる。
【0049】
また、上述の説明では、磁気センサ部5を磁気カードリーダのカード挿入口30に取り付けていたが、磁気センサ部5の取り付け位置はこの位置に限るものではなく、例えば磁気センサ部5を磁気カードリーダの奥側に取り付けても良い。この場合であっても上述の場合と同様に、挿入された磁気カード14が正規のものであるか否かの判別と、正規の磁気カード14である場合には磁気ストライプ15の保磁力の識別を行うことができる。
【0050】
さらに、上述の説明では、一方の主磁極2を通る磁束のみに被検出体6が作用するようにしていたが、一方の主磁極2に代えて他方の主磁極2を通る磁束のみに被検出体6が作用するようにしても良いことは勿論である。
【0051】
【実施例】
(実施例1)
カード挿入口30から挿入されたものが正規の磁気カード14であるか否かを判別することができること、及びカード挿入口30にマグネット板が貼り付けられた場合にこれを検出できることを確認するために実験を行った。図1に示す磁気センサ部5を備えた磁気カードリーダのカード挿入口30に正規の磁気カード14(保磁力300(Oe))を挿入した場合の磁気センサ部5の出力を図19に、正規の磁気カードの代わりにアルミ板を挿入した場合の磁気センサ部5の出力を図15に、正規の磁気カードの代わりに鉄、フェライト等の磁性体の板を挿入した場合の磁気センサ部5の出力を図16に、カード挿入口30にマグネット板を貼り付けた場合の磁気センサ部5の出力を図17にそれぞれ示す。なお、図15〜図17の縦軸の1目盛りは1Vである。
【0052】
図15と図16とを比較すると、各出力信号の位相は180度ずれている。即ち、各出力信号の位相のずれに基づいてカード挿入口30に挿入されたものがアルミ板等の非磁性体の板であるか或いは磁性体の板であるかを判別できることが確認できた。また、図15と図17を比較すると、各出力信号の波形が異なっている。即ち、各出力信号の波形に基づいてマグネット板等がカード挿入口30の近辺に貼り付けられていることを検出できることが確認できた。なお、カード挿入口3の近辺にマグネット板等が貼り付けられている場合には、カード挿入口30にカードが挿入されていないときにも図17の異常出力が継続して得られるので、このことからもマグネット板等が貼り付けられていることを検出できる。さらに、図16と図19を比較すると、各検出出力電圧波形のオーダが異なっている。即ち、正規の磁気カード14であるか或いは磁性体の板であるかをオーダの差に基づいて判別できることが確認できた。
(実施例2)
次に、正規の磁気カード14について、その保磁力の識別を実際に行った。磁気カードとして、実際に取り引きに使用されているものと同じ保磁力の3種類のカード、具体的には保磁力が300、650及び2750(Oe)の磁気カードを使用した。参考のために磁気カードを検出していない状態の出力についても確認した。磁気カードを検出していない状態の磁気センサ部5の出力を図18に、保磁力が300(Oe)の磁気カードを検出した場合の磁気センサ部5の出力を図19に、保磁力が650(Oe)の磁気カードを検出した場合の磁気センサ部5の出力を図20に、保磁力が2750(Oe)の磁気カードを検出した場合の磁気センサ部5の出力を図21にそれぞれ示す。なお、図18〜図20については縦軸の1目盛りが50mVであるのに対し、図21は縦軸の1目盛りが20mVである。これらの結果からも明らかなように、磁気カードの保磁力に応じて磁気センサ部5の出力が変化することが確認できた。即ち、磁気センサ部5の出力に基づいて磁気カードの保磁力を識別することが出来ることが確認できた。なお、サイン波の励磁電流を使用して駆動を行ったが、サイン波の励磁電流に限らず矩形波、三角波等の励磁電流を使用して駆動を行っても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の磁気カードリーダでは、少なくとも一側に空隙部を有するように並置された2つの主磁極に励磁コイルと検出コイルを巻回して磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって主磁極のうち一方の主磁極を通る磁束が他方の主磁極に対して変化するように設け、一方の主磁極の磁束の変化を検出コイルにより検出するようにしているので、検出コイルの出力に基づいてカード挿入口から挿入されたものが正規の磁気カードであるか否かを迅速に判別することができる。このため、異物の取込を防いで磁気カードリーダの故障や誤動作を未然に防止することができる。また、カード挿入口に挿入されたものが正規の磁気カードである場合には、磁気ストライプの保磁力を迅速に識別することができるので、直ちに磁気データの再生等を行うことができ、磁気カードリーダで磁気カードを使用する場合の取り引き時間を大幅に短縮することができる。さらに、カード挿入口にマグネット板等が貼り付けられている場合にはこのマグネット板の検出が可能になるので、予め磁気カードリーダの使用を停止等することができ、磁気カードのデータの破壊を未然に防止することが可能になる。加えて、各主磁極や補助コア部のコア部材を磁気飽和させない領域で使用することができるので、記録媒体に既に記録されているデータの破壊等を防止することができるとともに、磁気センサ部の設置の自由度が向上する。さらに、被検出体による磁束の変化に基づいて検出を行うので、磁気ヘッドを使用した場合等のように原理的に磁気カードを相対移動させなくても検出が可能であり、磁気カードの搬送路を短くして磁気カードリーダの小型化を図ることができる。また、挿入されたものが正規の磁気カードであるか否かの判別と、正規の磁気カードである場合にはその保磁力の大きさの識別と、カード挿入口にマグネット等が貼り付けられているか否かの判別を同一の磁気センサ部で行うことができるので、センサ類を別々に設置する必要がなくなり部品点数が減少し、磁気カードリーダの低コスト化と更なる小型化を図ることができる。
そして、被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの主磁極のうち一方の主磁極に作用する位置を通るように磁気センサ部を取り付けているので、磁気ストライプの保磁力を迅速に検出することができる。また、磁気センサ部はカード挿入口のカード走行平面に設けられている。さらに、磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して被検出体を判別するようにしている。
【0054】
また、請求項2記載の磁気カードリーダでは、2つの主磁極のそれぞれに励磁コイルを巻回し、該励磁コイルはそれぞれの主磁極に流れる磁束が逆方向となるように励磁されているので、発生する磁束のほとんどが各主磁極の内部を回るループとなり、被検出体側には透磁率の検出に必要な最低限の磁束しか作用しないため、すでに記録されている記録データの損傷を防止してデータの健全性維持を図ることができる。このため、例えば磁気カードの磁気ストライプのガードバンド等の空き領域に対向する位置のみならず記録領域に対向する位置にも磁気センサ部を設置することが可能になり、磁気センサ部の設置の自由度を向上させることが出来る。
【0055】
また、請求項3記載の磁気カードリーダでは、2つの主磁極の端部には被検出体による磁路形成の補助となる補助コア部が形成されており、2つの主磁極のそれぞれに検出コイルを巻回し、該検出コイルより差動出力を取り出すように構成したので、被検出体の透磁率を検出するための磁束を補助コア部によって検出体側に導くことができ、各検出コイルの差動出力の感度を向上させることができる。
【0056】
また、請求項4記載の磁気カードリーダのように、主磁極及び補助コア部を高透磁率磁性材料により構成し、2つの主磁極は他側を連結部により連結し、主磁極の両端に設けられた補助コア部を連結部とは逆側に突出して形成し、突出した補助コア部の間を励磁コイル又は検出コイルの巻線部にしても良く、かかる場合にも被検出体を迅速に検出することやカード挿入口に貼り付けられたマグネット板等の検出が可能であり、上述の各効果を奏することができる。
【0057】
そして、請求項5記載の磁気カードリーダのように、磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの主磁極のうちの一方の主磁極に作用する位置を通るように、カード挿入口のカード走行平面に対して主磁極をほぼ平行又はほぼ垂直に設けるようにしても良く、磁気ストライプの保磁力を迅速に検出することができる。
【0058】
また、請求項6記載の磁気カードリーダのように、励磁コイルが巻回された励磁コア部と該励磁コア部を挟むとともに一側に空隙部を有するように並置されそれぞれ検出コイルを巻回した2つの検出コア部とにより磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって2つの検出コア部のうち一方の検出コア部を通る磁束が変化するように設け、被検出体による磁束の変化を検出コイルにより検出するようにしても良く、また、請求項7記載の磁気カードセンサのように、検出コイルが巻回された検出コア部と該検出コア部を挟むとともに一側に空隙部を有するように並置されそれぞれ励磁コイルを巻回した2つの励磁コア部とにより磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって2つの励磁コア部のうち一方の励磁コア部を通る磁束が変化するように設け、被検出体による磁束の変化を検出コイルにより検出するようにしても良い。これらの場合であっても、上述の各効果を得ることが出来る。
そして、請求項6記載の磁気カードリーダでは、被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの検出コア部のうち一方の検出コア部に作用する位置を通るように磁気センサ部を取り付けているので、あるいは請求項7記載の磁気カードリーダでは、被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが2つの励磁コア部のうち一方の励磁コア部に作用する位置を通るように磁気センサ部を取り付けているので、磁気ストライプの保磁力を迅速に検出することができる。また、磁気センサ部はカード挿入口のカード走行平面に設けられている。さらに、磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して被検出体を判別するようにしている。
【0059】
また、請求項8記載の磁気カードリーダのように、被検出体がカード挿入口に挿入される磁気カード又は金属板、もしくはカード挿入口に設置される磁石であっても良く、上述の各効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気カードリーダの第1の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図2】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部に接続される回路図である。
【図3】磁気カードの磁気ストライプを示す平面図である。
【図4】本発明の磁気カードリーダのカード挿入口付近の斜視図である。
【図5】本発明の磁気カードリーダの第1の実施形態のブロック図である。
【図6】本発明の磁気カードリーダの第2の実施形態を示し、その磁気センサ部の略構成図である。
【図7】本発明の磁気カードリーダの第3の実施形態を示し、その磁気センサ部の略構成図である。
【図8】本発明の磁気カードリーダの第4の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図9】本発明の磁気カードリーダの第5の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図10】本発明の磁気カードリーダの第6の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図11】本発明の磁気カードリーダの第7の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図12】本発明の磁気カードリーダの第8の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図13】本発明の磁気カードリーダの第9の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図14】本発明の磁気カードリーダの第10の実施形態を示し、その磁気センサ部の概略構成図である。
【図15】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、アルミ板等の非磁性体の板を検出した場合の図である。
【図16】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、鉄,フェライト等の磁性体の板を検出した場合の図である。
【図17】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、カード挿入口にマグネット板が貼り付けられている状態の図である。
【図18】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、何も検出していない状態の図である。
【図19】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、保磁力が300(Oe)の磁気カードを検出した場合の図である。
【図20】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、保磁力が650(Oe)の磁気カードを検出した場合の図である。
【図21】本発明の磁気カードリーダの磁気センサ部の出力信号の例を示し、保磁力が2750(Oe)の磁気カードを検出した場合の図である。
【図22】励磁コイル及び検出コイルの引き出し線の配置を示し、(A)は主磁極を仮想中間軸に沿う方向から見た図、(B)は主磁極を仮想中間軸に直交する方向から見た図である。
【符号の説明】
1 空隙部
2 主磁極
3 励磁コイル
4 検出コイル
5 磁気センサ部
6 被検出体
7 補助コア部
8 連結部
9 巻線部
19 磁気検出位置
31 励磁コア部
32 検出コア部

Claims (8)

  1. 少なくとも一側に空隙部を有するように並置された2つの主磁極に励磁コイルと検出コイルを巻回して磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって上記主磁極のうち一方の主磁極を通る磁束が他方の主磁極に対して変化するように設け、上記一方の主磁極の磁束の変化を上記検出コイルにより検出するようにしてなると共に、上記被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが上記2つの主磁極のうち一方の主磁極に作用する位置を通るように上記磁気センサ部を取り付けてなり、且つ、上記磁気センサ部は上記カード挿入口のカード走行平面に設けられており、上記磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して前記被検出体を判別するようにしてなることを特徴とする磁気カードリーダ。
  2. 上記2つの主磁極のそれぞれに励磁コイルを巻回し、該励磁コイルは上記それぞれの主磁極に流れる磁束が逆方向となるように励磁されてなることを特徴とする請求項1記載の磁気カードリーダ。
  3. 上記2つの主磁極の端部には上記被検出体による磁路形成の補助となる補助コア部が形成されており、上記2つの主磁極のそれぞれに検出コイルを巻回し、該検出コイルより差動出力を取り出すように構成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気カードリーダ。
  4. 上記主磁極及び補助コア部は高透磁率磁性材料により構成され、上記2つの主磁極は他側が連結部により連結されており、上記主磁極の両端に設けられた上記補助コア部は上記連結部とは逆側に突出して形成され、上記突出した補助コア部の間が上記励磁コイル又は検出コイルの巻線部とされてなることを特徴とする請求項3記載の磁気カードリーダ。
  5. 記磁気カードに設けられた磁気ストライプが上記2つの主磁極のうちの一方の主磁極に作用する位置を通るように、上記カード挿入口のカード走行平面に対して上記主磁極をほぼ平行又はほぼ垂直に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の磁気カードリーダ。
  6. 励磁コイルが巻回された励磁コア部と該励磁コア部を挟むとともに一側に空隙部を有するように並置されそれぞれ検出コイルを巻回した2つの検出コア部とにより磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって上記2つの検出コア部のうち一方の検出コア部を通る磁束が変化するように設け、上記被検出体による磁束の変化を上記検出コイルにより検出するようにしてなると共に、上記被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが上記2つの検出コア部のうち一方の検出コア部に作用する位置を通るように上記磁気センサ部を取り付けてなり、且つ、上記磁気センサ部は上記カード挿入口のカード走行平面に設けられており、上記磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して前記被検出体を判別するようにしてなることを特徴とする磁気カードリーダ。
  7. 検出コイルが巻回された検出コア部と該検出コア部を挟むとともに一側に空隙部を有するように並置されそれぞれ励磁コイルを巻回した2つの励磁コア部とにより磁気センサ部を構成するとともに、該磁気センサ部をカード挿入口に挿入される被検出体によって上記2つの励磁コア部のうち一方の励磁コア部を通る磁束が変化するように設け、上記被検出体による磁束の変化を上記検出コイルにより検出するようにしてなると共に、上記被検出体は磁気カードであり、該磁気カードに設けられた磁気ストライプが上記2つの励磁コア部のうち一方の励磁コア部に作用する位置を通るように上記磁気センサ部を取り付けてなり、且つ、上記磁気センサ部は上記カード挿入口のカード走行平面に設けられており、上記磁気センサ部の出力により、出力信号のレベル、位相、周波数の少なくとも一つを検出し、これを基本パターンと比較して前記被検出体を判別するようにしてなることを特徴とする磁気カードリーダ。
  8. 上記被検出体は、上記カード挿入口に挿入される磁気カード又は金属板、もしくはカード挿入口に設置される磁石であることを特徴とする請求項1、6、7のいずれか記載の磁気カードリーダ。
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