JP3563909B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵ハンドルの回動に応じて転舵輪を転舵させる操舵制御装置に関し、特に、操舵ハンドルに結合した操舵軸と転舵輪を転舵させる転舵機構とが機械的に分離され、これらの連結機構を電気的制御装置で置換した操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような操舵制御装置の一例を図7に示す(特公平6−98931)。操舵ハンドル120を取り付けた操舵軸121には操舵軸モータ122が設けられており、操舵軸モータ122によって操舵軸121を回転駆動することで操舵ハンドル120に操舵反力が付与される。また、転舵軸モータ130によって転舵軸132が回転駆動されると転舵軸先端のピニオン131と歯合したラック軸134が軸方向に沿って変位され、このラック軸134に連動して転舵輪133が転舵される。このとき、転舵変位量センサ137で検出される転舵量が、操舵角センサ123の検出結果を基に操舵変位量演算器144で演算された目標制御量と一致するように、転舵軸モータ制御回路141によって転舵軸モータ130が駆動制御される。
【0003】
また、通常、操舵角の中立域には一定の不感帯が設けられており、操舵ハンドル120によって操作された操舵角が、この不感帯内の操舵角であれば、その操舵角が操向車輪133に伝達されず、転舵輪133の転舵角がそのまま維持されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように操舵ハンドル120の操作量が転舵輪133に伝達されない不感帯を設けているが、従来の操舵制御では、不感帯の領域幅が一定の大きさに設定されているため、次のような場合には、車両の操縦安定性が低下するおそれがあった。例えば、同じハンドル操作がなされた場合にも、車両が高速で走行する高速走行時には、低速走行時に比べて車両の動きが敏感となり、ハンドル操作に対する車両の制御性が低下するおそれがあった。また、操舵ハンドル120を速く回転させるような操作をした場合には、操舵ハンドル120をゆっくりと回転させた場合に比べ、車両の動きが敏感となり、車両の制御性が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、車両の速度或いは操舵速度が変化した場合にも、ハンドル操作に対して適正な車両応答性を得ることができる操舵制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明にかかる操舵制御装置は、操舵ハンドルの回動に連動して転舵輪を転舵させると共に、転舵反力に応じた操舵反力を操舵ハンドルに付与する操舵制御装置において、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、操舵ハンドルと機械的に分離され、転舵輪に連結された転舵手段と、操舵角検出手段で検出された操舵角の値を変換し出力する舵角値出力手段と、舵角値出力手段から出力される舵角値に対して転舵輪の転舵量が追従するように、転舵手段を駆動制御する転舵制御手段とを備える。そして、この舵角値出力手段は、入力された操舵角が舵角値零に変換される不感帯を有しており、この不感帯の領域幅を車速が速くなるに連れて増大させるように補正することを特徴とする。
【0007】
この舵角値出力手段では、車速が速くなるに連れて、不感帯の領域幅を増大させる補正処理を行うので、車速に合った好適な不感帯を設定する。これにより、高速走行時においてもハンドル操作に対して適正な車両応答性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、第1の実施形態にかかる操舵制御装置の構成を概略的に示す。この操舵制御装置は、運転者が操作するマスタ部A、車輪を操向させるスレーブ部B、及び、マスタ部Aとスレーブ部Bとを電気的に制御する制御部Cで構成される。
【0012】
マスタ部Aは、操舵ハンドル1が取り付けられた操舵軸2と、操舵軸2を回転駆動する操舵軸モータ3とを備えると共に、操舵軸2には、操舵軸2の操舵角Θを検出するための操舵角センサ4、及び、操舵力を検出するための操舵力センサ5を設けている。
【0013】
スレーブ部Bは、転舵軸13を変位駆動する際の駆動源となる転舵軸モータ11を備えており、この転舵軸モータ11と転舵軸13との間には、転舵軸モータ11の回転運動を直線運動に変換して転舵軸13を軸方向に変位させる変換器12を設けている。転舵軸13の両端は、それぞれタイロッド15a,15b及びナックルアーム16a,16bを介して操向車輪14a,14bに各々接続されており、転舵軸13が軸方向に沿って変位することで、その変位量及び変位方向に応じて、各操向車輪14a,14bの転舵がなされる機構となっている。タイロッド15a,15bには、左右の操向車輪14a,14bからそれぞれタイロッド15a,15bに付与される軸力(転舵反力)を検出する転舵反力センサ18a,18bがそれぞれ取り付けられている。また、転舵軸13には、この転舵軸13の変位量を検出する転舵変位量センサ17が設けられており、転舵軸13の変位量を転舵変位量センサ17で検出することで、操向車輪14a,14bの実転舵量が検知できる。
【0014】
制御部Cは、操舵軸モータ3の駆動制御を行う操舵軸モータ制御回路21、転舵軸モータ11の駆動制御を行う転舵軸モータ制御回路26を備えており、各演算器から与えられる演算結果などをもとに、両モータの駆動制御を実施する。
【0015】
操舵軸モータ制御回路21には、操舵力演算器23及び転舵反力演算器24の演算結果が与えられる。操舵力演算器23は、操舵力センサ5の検出結果をもとに操舵軸2に付与された操舵力Tを演算すると共に、操舵力Tが付与された方向に操舵軸2を回転させるための制御量aT(aは操舵力ギヤ比に相当する係数)を演算する。転舵反力演算器24は、転舵反力センサ18a,18bの検出結果をもとに、転舵軸13に付与された転舵反力Fを演算する。操舵軸モータ制御回路21は、これら操舵力演算器23と転舵反力演算器24との演算結果をもとに、操舵軸2の回転制御量Mmを下記の(1)式によって算出し、回転制御量Mmに応じた反力制御信号を操舵軸モータ3に出力する。なお、(1)式中、Gmは出力信号のゲインを示すゲイン係数である。
【0016】
Mm=Gm・(aT−F) …(1)
転舵軸モータ制御回路26には、転舵変位量演算器22と目標制御量演算器25との演算結果が与えられる。転舵変位量演算器22は、転舵変位量センサ17の検出結果をもとに転舵軸13の変位量を転舵変位量Xとして求めると共に、転舵変位量Xに比例する制御量bX(bは操舵変位ギヤ比に相当する係数)を出力する。目標制御量演算器25は、後述する舵角演算器27から出力される舵角値Θsから、転舵制御、すなわち舵角値Θsに対応するように操向車輪14a,14bを転舵させる際の目標となる目標制御量θを演算する。転舵軸モータ制御回路26は、これら転舵変位量演算器22及び目標制御量演算器25の演算結果に基づき、操向車輪14a,14bの転舵量が目標制御量θとなるように転舵軸モータ11の駆動制御を行う。すなわち、転舵軸13の制御変位量Msを下記の(2)式によって算出し、制御変位量Msに応じた転舵制御信号を転舵軸モータ11に出力する。なお、(2)式中、Gsは出力信号のゲインを示すゲイン係数である。
【0017】
Ms=Gs・(θ−bX) …(2)
ここで、舵角演算器27について説明する。この舵角演算器27には、操舵角センサ4で検出された操舵角Θが入力されると共に、ここで車速センサ28の検出結果をもとに所定の舵角演算処理がなされ、その演算結果が舵角値Θsとして出力され、目標制御量演算器25に与えられる。この操舵角Θと舵角値Θsとの関係は、図2のグラフに示すようになっており、操舵角Θに対して舵角値Θsが求まるが、この関係は車速センサ28で検出された車速Vに応じて変化し、車速Vが速いほど、操舵角Θに対する舵角値Θsの変化率が低くなるように設定されている。さらに、この舵角演算器27には、中立舵角域に、入力された操舵角Θが舵角値0として出力される、いわゆる不感帯を有しており、この不感帯の領域幅wが車速Vに応じて補正されるように設定されている。すなわち、図2に示すように、車速V1における不感帯の領域幅はw1であるが、車速V1よりも速い車速V2における不感帯の領域幅は、w1よりも広いw2として補正され、さらに、車速V2よりも速い車速V3における不感帯の領域幅は、w2よりも広いw3として補正される。舵角演算器27では、このように車速Vと操舵角Θとをもとに、舵角値Θsを演算している。
【0018】
次に、このように構成される操舵制御装置の動作を説明する。車両が直進している状態から操舵ハンドル1が回転されると、このとき操舵角センサ4で検出された操舵角Θが舵角演算器27に入力され、車速センサ28の検出結果をもとに舵角演算が行われる。そして、この操舵角Θがこのときの車速Vに応じて定まる不感帯の領域内の値であれば、舵角演算器27からは舵角値0が出力され、この場合には、操舵ハンドル1の操舵量は操向車輪14a,14bに伝達されない。一方、操舵角Θがこのときの車速Vに応じて定まる不感帯の領域外の値であれば、舵角演算器27から該当する舵角値Θsが出力され、目標制御量演算器25では、舵角値Θsをもとに目標制御量θが演算される。転舵軸モータ制御回路26は、この目標制御量θと転舵変位量演算器22から出力される制御量bXとを用いて、式(2)により制御変位量Msを演算し、この制御変位量Msに応じた転舵制御信号を出力する。この転舵制御信号を受けて転舵軸モータ11が作動し、転舵軸13が変位して操向車輪14a,14bが転舵される。この操向車輪14a,14bの実転舵量に対応する転舵変位量Xが転舵変位量演算器22を介して転舵軸モータ制御回路26に与えられ、前出の(2)式に基づいて転舵軸モータ11のフィードバック制御がなされる。そして、θ≒bXとなった時点で転舵軸モータ11の動作が停止する。
【0019】
また、操向車輪14a、14bが転舵されると転舵反力Fが発生するため、操舵軸モータ制御回路21には、この転舵反力Fと操舵力Tに応じた制御量aTとが与えられ、前出の(1)式に基づいて操舵軸モータ3の駆動制御、すなわち操舵軸2に与えられる反力制御がなされる。そして、aT≒Fとなった時点で操舵軸モータ3の動作が停止する。
【0020】
この後、この反力を上回る操舵力Tで操舵ハンドル1を回すと、操舵角Θが増加するが、この操舵角Θがこのときの車速Vに応じて定まる不感帯の領域外の値であるとすると、操舵角Θの増加に伴って目標制御量θも増加する。このため、(2)式における制御変位量Msが増加して転舵軸13が変位駆動される。転舵軸13が変位すると転舵反力Fが増大するため、(1)式における回転制御量Mmが変化して、操舵反力が増大するように操舵軸モータ3が再び回転駆動される。この動作の繰り返しにより、操舵ハンドル1の舵角に対応した操向車輪14a,14bの転舵角が得られると共に、転舵反力に応じた操舵反力が得られる。なお、操舵ハンドル1を戻す際にも同様に、操舵ハンドル1の戻し回転角に対応して操向車輪14a、14bの転舵角が追従すると共に、操舵ハンドル1の操舵力Tも転舵反力Fに対応して減少する。
【0021】
ここで、制御部Cで行われる操舵制御処理について、図3のフローチャートに基づいて概略的に説明する。なお、このフローチャートは、イグニッションスイッチがオンされることで開始され、所定時間毎(例えば、2msec.)に実行される。
【0022】
まず、ステップ100(以下、「ステップ」を「S」と記す)において、予めROMに記憶された係数a(操舵力ギヤ比に相当する係数)、係数b(操舵変位ギヤ比に相当する係数)、Gm及びGsが読み込まれ、初期設定がなされる。
【0023】
続くS102では、操舵角センサ4で検出された操舵角Θ、操向車輪14a、14bの転舵角に対応する転舵変位量X、操舵力演算器23で演算された操舵力T、転舵反力演算器24で演算された転舵反力F及び車速センサ28で検出された車速Vがそれぞれ読み込まれる。
【0024】
続くS104では、読み込まれた操舵角Θ及び車速Vをもとに舵角値Θsが演算され、続くS106において、舵角値Θsに対応する目標制御量θが演算される。続くS108では、S102までに読み込まれた各値とS106の演算結果とを用いて、前出の(1)式より回転制御量Mmが演算されると共に、前出の(2)式より制御変位量Msが演算される。そして、S110において、S108の演算結果となる回転制御量Mmに応じた反力制御信号を操舵軸モータ3に出力すると共に、制御変位量Msに応じた転舵制御信号を転舵軸モータ11に出力する。
【0025】
このように制御部Cでは、このような制御処理を繰り返し実行することで車速Vを考慮した操舵制御を行っている。
【0026】
以上説明した第1の実施形態では、舵角演算器27で舵角演算することで、舵角値Θsを求める例を示したが、たとえば、車速V、操舵角Θ及び舵角値Θsの関係を予めマップ化しておき、舵角演算器27において、車速Vと操舵角Θとに基づいて、対応する舵角値Θsをマップ検索しても良い。
【0027】
また、第1の実施形態では、舵角演算器27を用いて、不感帯の領域幅wを車速Vに応じて補正する構成を例示したが、例えば、下記(3)式に示すように、(2)式における目標制御量θを車速Vに応じて補正してもよい。
【0028】
Ms=Gs・{(θ−θo)−bX} …(3)
(3)式中、θoは車速Vに応じて定まる補正量であり、この補正量θoは、車速Vが大きくなるに連れて増大する値である。そして、車速Vと補正量θoとの関係を予め記憶させておき、操舵制御の際に、車速Vの値をもとに補正量θoを設定すればよい。このように(2)式に代えて(3)式を用いた場合にも、第1の実施形態と同様に、車速Vに応じて不感帯の領域幅を補正することができる。
【0029】
次に、第2の実施形態にかかる操舵制御装置のブロック図を図4に示す。図中、図1と同一の機能を有する構成には同一の参照符号を付して示し、説明は省略する。
【0030】
この第2の実施形態では、第1の実施形態における舵角演算器27と車速センサ28に代えて、舵角演算器29と舵角速度演算器30とを備えている。舵角速度演算器30には操舵角センサ4で検出された操舵角Θが与えられ、この操舵角Θの変化速度となる舵角速度Θv(=dΘ/dt)が演算される。なお、この舵角速度Θvは、操舵ハンドル1を操作した速度となる操舵速度に対応する。舵角演算器29では演算された舵角速度Θvに基づいて所定の舵角演算処理がなされ、その演算結果が舵角値Θsとして出力され、目標制御量演算器25に与えられる。この操舵角Θと舵角値Θsとの関係は、図5のグラフに示すようになっており、操舵角Θに対して舵角値Θsが求まるが、この関係は舵角速度Θvに応じて変化し、舵角速度Θvが速いほど、操舵角Θに対する舵角値Θsの変化率が低くなるように設定されている。さらに、この舵角演算器29には、中立舵角域に、入力された操舵角Θが舵角値0として出力される、いわゆる不感帯を有しており、この不感帯の領域幅wが舵角速度Θvに応じて補正されるように設定されている。すなわち、図5に示すように、舵角速度Θv1における不感帯の領域幅はw1であるが、舵角速度Θv1よりも速い舵角速度Θv2における不感帯の領域幅は、w1よりも広いw2として補正され、さらに、舵角速度Θv2よりも速い舵角速度Θv3における不感帯の領域幅は、w2よりも広いw3として補正される。舵角演算器29では、このように舵角速度Θvと操舵角Θとをもとに、舵角値Θsを演算している。
【0031】
次に、このように構成される操舵制御装置の動作を説明する。車両が直進している状態から操舵ハンドル1が回転されると、このとき操舵角センサ4で検出された操舵角Θが舵角演算器29と舵角速度演算器30に与えられる。舵角速度演算器30では、この与えられた操舵角Θをもとに舵角速度Θvが演算される。また、舵角演算器29では、舵角速度演算器30の演算結果をもとに舵角演算が行われ、操舵角Θがこのときの舵角速度Θvに応じて定まる不感帯の領域内の値であれば、舵角演算器29からは舵角値0が出力され、この場合には、操舵ハンドル1の操舵量は操向車輪14a,14bに伝達されない。一方、操舵角Θがこのときの舵角速度Θvに応じて定まる不感帯の領域外の値であれば、舵角演算器29から該当する舵角値Θsが出力される。そして、目標制御量演算器25では、この舵角値Θsをもとに目標制御量θが演算される。転舵軸モータ制御回路26は、この目標制御量θと転舵変位量演算器22から出力される制御量bXとを用いて、式(2)により制御変位量Msを演算し、この制御変位量Msに応じた転舵制御信号を出力する。この転舵制御信号を受けて転舵軸モータ11が作動し、転舵軸13が変位して操向車輪14a,14bが転舵される。この操向車輪14a,14bの実転舵量に対応する転舵変位量Xが転舵変位量演算器22を介して転舵軸モータ制御回路26に与えられ、前出の(2)式に基づいて転舵軸モータ11のフィードバック制御がなされる。そして、θ≒bXとなった時点で転舵軸モータ11の動作が停止する。
【0032】
また、操向車輪14a、14bが転舵されると転舵反力Fが発生するため、操舵軸モータ制御回路21には、この転舵反力Fと操舵力Tに応じた制御量aTとが与えられ、前出の(1)式に基づいて操舵軸モータ3の駆動制御、すなわち操舵軸2に与えられる反力制御がなされる。そして、aT≒Fとなった時点で操舵軸モータ3の動作が停止する。
【0033】
この後、この反力を上回る操舵力Tで操舵ハンドル1を回すと、操舵角Θが増加するが、この操舵角Θがこのときの舵角速度Θvに応じて定まる不感帯の領域外の値であるとすると、操舵角Θの増加に伴って目標制御量θも増加する。このため、(2)式における制御変位量Msが増加して転舵軸13が変位駆動される。転舵軸13が変位すると転舵反力Fが増大するため、(1)式における回転制御量Mmが変化して、操舵反力が増大するように操舵軸モータ3が再び回転駆動される。この動作の繰り返しにより、操舵ハンドル1の舵角に対応した操向車輪14a,14bの転舵角が得られると共に、転舵反力に応じた操舵反力が得られる。なお、操舵ハンドル1を戻す際にも同様に、操舵ハンドル1の戻し回転角に対応して操向車輪14a、14bの転舵角が追従すると共に、操舵ハンドル1の操舵力Tも転舵反力Fに対応して減少する。
【0034】
ここで、制御部Cで行われる操舵制御処理について、図6のフローチャートに基づいて概略的に説明する。なお、このフローチャートは、イグニッションスイッチがオンされることで開始され、所定時間毎(例えば、2msec.)に実行される。
【0035】
まず、S200において、予めROMに記憶された係数a、b、Gm及びGsが読み込まれ、初期設定がなされる。
【0036】
続くS202では、操舵角センサ4で検出された操舵角Θ、操向車輪14a、14bの転舵角に対応する転舵変位量X、操舵力演算器23で演算された操舵力T及び転舵反力演算器24で演算された転舵反力Fがそれぞれ読み込まれる。
【0037】
続くS204では、例えば今回のルーチンで検出された操舵角Θと前回のルーチンで検出された操舵角Θとの差をもとに舵角速度Θvが演算され、続くS206では、操舵角Θと舵角速度Θvとをもとに舵角演算がなされ、舵角値Θsが求められる。
【0038】
続くS208では舵角値Θsに対応する目標制御量θが演算され、続くS210では、S202までに読み込まれた各値とS208の演算結果とを用いて、前出の(1)式より回転制御量Mmが演算されると共に、前出の(2)式より制御変位量Msが演算される。そして、S212において、S210の演算結果となる回転制御量Mmに応じた反力制御信号を操舵軸モータ3に出力すると共に、制御変位量Msに応じた転舵制御信号を転舵軸モータ11に出力する。
【0039】
このように制御部Cでは、このような制御処理を繰り返し実行することで舵角速度Θvを考慮した操舵制御を行っている。
【0040】
以上説明した第2の実施形態では、舵角演算器29で舵角演算することで、舵角値Θsを求める例を示したが、たとえば、操舵角Θ、舵角速度Θv及び舵角値Θsの関係を予めマップ化しておき、舵角演算器29において、操舵角Θと舵角速度Θvとに基づいて、対応する舵角値Θsをマップ検索しても良い。
【0041】
また、第2の実施形態では、舵角演算器29を用いて、不感帯の領域幅wを舵角速度Θvに応じて補正する構成を例示したが、例えば、下記(4)式に示すように、(2)式における目標制御量θを舵角速度Θv(=dΘ/dt)に応じて補正してもよい。なお、(4)式中、Csは係数である。
【0042】
Ms=Gs・{(θ−Cs・dΘ/dt)−bX} …(4)
この(4)式を用いて転舵軸モータ11の駆動制御を行った場合には、操舵ハンドル1の操作により目標制御量θが発生するが、この目標制御量θの値を舵角速度Θvの項で補正することで、操舵ハンドル1の操舵量が操向車輪14a,14bに伝達されない不感帯を設定できる。そして、Cs・dΘ/dtの値は、舵角速度の増加に伴って増大するため、不感帯の領域幅が舵角速度に応じて補正されることになる。このように(2)式に代えて(4)式を用いた場合にも、舵角速度Θvを考慮して不感帯の領域幅を補正することができる。
【0043】
さらに、下記(5)式に示すように、(2)式における目標制御量θを車速V及び舵角速度Θv(=dΘ/dt)に応じて補正することもできる。
【0044】
Ms=Gs・{(θ−θo−Cs・dΘ/dt)−bX} …(5)
(5)式中、θoは車速Vに応じて定まる補正量であり、この補正量θoは、車速Vが大きくなるに連れて増大する。そして、車速Vと補正量θoとの関係を予め記憶させておき、操舵制御の際に、車速Vの値をもとに補正量θoを設定すればよい。このように(2)式に代えて(5)式を用いた場合には、車速Vと舵角速度Θvとを考慮して不感帯の領域幅を設定することができる。
【0045】
また、以上説明した第1及び第2の実施形態では、転舵変位量センサ17の出力をフィードバックすることにより転舵軸モータ11の駆動制御を行う場合を例示したが、このようなフィードバック制御が行われる場合に限定するものではない。例えば、転舵軸モータ11をステップモータで構成し、このステップモータの回転量を目標制御量θに応じて算出し、この算出結果に基づいてステップモータの回転を制御してもよく、このような場合には、フィードバック制御は不要となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる操舵制御装置によれば、入力された操舵角が舵角値零に変換される不感帯を有し、車速の増加に応じてこの不感帯の領域幅を増大させるように補正する舵角値出力手段を備えたので、車両の高速走行時においてもハンドル操作に対して適正な車両応答性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる操舵制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車速Vに応じた操舵角Θと舵角値Θsとの関係を示すグラフである。
【図3】制御部で行われる操舵制御処理を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態にかかる操舵制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】舵角速度Θvに応じた操舵角Θと舵角値Θsとの関係を示すグラフである。
【図6】
制御部で行われる操舵制御処理を示すフローチャートである。
【図7】
従来の操舵制御装置を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
A…マスタ部、B…スレーブ部、C…制御部、1…操舵ハンドル、2…操舵軸、3…操舵軸モータ、4…操舵角センサ、5…操舵力センサ、11…転舵軸モータ、13…転舵軸(転舵手段)、14a,14b…操向車輪(転舵輪)、18a,18b…転舵反力センサ、21…操舵軸モータ制御回路、25…目標制御量演算器、26…転舵軸モータ制御回路(転舵制御手段)、27、29…舵角演算器(舵角値出力手段)、28…車速センサ、30…舵角速度演算器。

Claims (1)

  1. 操舵ハンドルの回動に連動して転舵輪を転舵させると共に、転舵反力に応じた操舵反力を前記操舵ハンドルに付与する操舵制御装置において、
    前記操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記操舵ハンドルと機械的に分離され、転舵輪に連結された転舵手段と、前記操舵角検出手段で検出された操舵角の値を変換し出力する舵角値出力手段と、前記舵角値出力手段から出力される舵角値に対して前記転舵輪の転舵量が追従するように、前記転舵手段を駆動制御する転舵制御手段とを備え、
    前記舵角値出力手段は、入力された操舵角が舵角値零に変換される不感帯を有しており、この不感帯の領域幅を前記車速が速くなるに連れて増大させるように補正することを特徴とする操舵制御装置。
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