JP3563780B2 - 単結晶育成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は酸化物磁性材料、酸化物誘電材料、半導体材料等の物質として有用な単結晶を、原料棒と結晶との間で溶融帯を形成しながら製造・育成する方法(フローティングゾーン法:FZ法)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単結晶の作成法としては、熔融液に浸した棒又は種子結晶をゆっくり引き上げながら先端に付着してくる液を固化させることで単結晶を製造するCZ(チョコラルスキー;Czochralski)法が一般的である。当該方法は、ケイ素等に関しては、径10cm、長さ1mの桁の格子欠陥の非常に少ない半導体単結晶を作るのに利用されている。
【0003】
しかしながら、例えばルチルやYIG(イットリウム鉄ガーネット)等、結晶及び融液の熱伝導率が悪い物質については、CZ法で育成することが困難である。また分解溶融する物質や非コングルエントの物質のように、安定に共存する液相と固相の夫々の組成が異なる物質については、CZ法を用いて結晶を作成すると、当該結晶の組成が引上げ方向において徐々に変化してしまい、その結果、結晶内に歪みが生じ、高品質の結晶を育成することができない。
【0004】
そこで従来これらの物質の高品質単結晶の製造には、FZ法が用いられている。とりわけ回転楕円面鏡を用いて赤外線を集光させて加熱し溶融帯を形成して行うことを特徴とする所謂集光加熱式FZ法においては、大口径の結晶を育成するために様々な試みがなされている。例えば、特開昭63−274685号公報においては、結晶と溶融帯の界面付近を取り囲むように遮光物を設置した赤外線加熱単結晶製造装置が開示され、また特開昭63−291889号公報では、育成結晶の径よりも小さい径の原料棒を用いて単結晶を製造する方法が提案されている。更に実際のルチルの育成に関しては、第35回人口鉱物討論会(1990年10月、名古屋)において、結晶と溶融帯の界面付近を取り囲む遮光物を設置することによって赤外線集光加熱FZ法で、径25mm、長さ100mmのルチル単結晶の育成に成功した事例が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら当該方法はCZ法に比べると大口径の結晶を育成することが困難であり、生産性が低いという問題がある。
【0006】
本発明者がFZ法での単結晶製造を詳細に検討したところ、育成の際、原料棒1と単結晶2の融液3との界面4,5が、図2に示されるように、それぞれ融液3に対して凸形状となることが観察された。これは、集光加熱方式で溶融帯域を外側から加熱すると溶融帯が熱を吸収して内部まで十分に熱が伝わらず、溶融帯域が半径方向中心に向い低温となる温度分布を有することとなり、結晶および原料棒が中心に向かうに従い融けにくくなくなるからであると考えられる。
【0007】
大口径の単結晶を育成しようとすればするほど、図3に示されるように、凸部分が大きくなり、原料棒1の送り速度を一定にしていると、やがて原料棒1の凸部の先端と単結晶2の凸部の先端が接触し、その際の衝撃で融液が垂れてしまう。一方、原料棒の凸部の先端と単結晶の凸部の先端とが接触しないようにするために、原料棒の送り速度を調整して原料棒と単結晶の間の距離を長くとるようにすると、融液を原料棒と単結晶の間で保持している融液自体の表面張力が限界となり垂れてしまう。
【0008】
また大口径化すると、原料棒に混入した融液に不融な気体が、原料棒が融ける際に溶融帯の中央部に気泡として蓄積し、やがて大きくなった気泡が溶融体内に留まっていることができなくなり、溶融帯の側面から弾け出すこととなり、その際の衝撃でも融液が垂れてしまう。
【0009】
以上のように、従来の育成方法では大口径の結晶を安定して育成することが困難であった。
【0010】
そこで本発明は、従来のFZ法の問題に鑑み、より大口径の単結晶を安定して育成できる方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明にしたがい、原料棒として中空円筒形状のものを用いることで解決した。
【0012】
【作用】
上記手段を実施すると、図1に示されるように、原料棒1側の融液3に対する凸状界面4’の形成が抑えられ、したがって原料棒1と単結晶2とが接触しにくくなり、また融液内に存在する気泡も原料棒の中空空間6側へ逃げやすく、融液3の外表面から弾け出る場合に比べて、融液3の外表面に与える衝撃が少なくなり、したがって溶融帯3が安定に維持できることとなる。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて、具体的に説明する。
【0014】
実施例
純度99.9%の酸化チタン(チタニア;TiO2)粉末を円柱形ゴムチューブに詰め、直径10mmのガラス棒をチューブ軸線方向に沿って酸化チタン粉末中に差し込んだ。静水圧1000Kg/cm2でプレスし、その後ガラス棒を抜き取ることで、外径20mm、内径10mm、長さ300mmの中空円筒状に成形した。この中空円筒状原料を、内径30mm、長さ600mmのアルミナ管で構成された縦型管状炉内に配置し、酸素を管の下方から0.5リットル/hrで炉内部へ流通し、その4時間後から1300℃で1.5時間焼結し、焼結終了まで酸素の流通を続けることで、原料棒を作製した。
【0015】
当該原料棒を用い、回転楕円面鏡で赤外線を集光させて加熱する様式の炉において、育成雰囲気を炭酸ガス、育成方向をc軸、すなわち(001)面とし、育成速度を4mm/hr、上部シャフトの回転数を30rpm、下部シャフトの回転数を33rpmとして育成した。その際、溶融帯と単結晶との固液界面の外周部から鉛直方向で単結晶側に僅かにずれて離れた位置に、育成した単結晶を覆う管を設置した。原料棒の送り速度を調節しながら徐々に結晶を大口径化すると、直径が25mmのときに原料棒と単結晶の間の距離が9mmであった。その後さらに大口径化すると直径が30mmの単結晶まで育成することができた。
【0016】
比較例
純度99.9%の酸化チタン粉末を円柱形ゴムチューブに詰め、静水圧1000Kg/cm2でプレスすることで、外径20mmで長さ300mmの円柱状に成形した。これを、内径30mm、長さ600mmのアルミナ管で構成された縦型管状炉内に配置し、酸素を管の下方から0.5リットル/hrで炉内部へ流通し、その4時間後から1300℃で1.5時間焼結し、焼結終了まで酸素の流通を続けることで、原料棒を作製した。
【0017】
当該原料棒を用い、実施例1と同じ様にして単結晶を育成し大口径化を図ると、直径が25mmのときに原料棒と単結晶の間の距離が12mmであった。その後さらに大口径化すると直径が26mmのときに融液が垂れてしまった。
【0018】
【発明の効果】
原料棒と結晶との間で溶融帯を形成して単結晶を育成する方法において、中空円筒状の原料棒を用いて単結晶を育成すると、従来よりも大口径の単結晶を育成することが可能となった。
【0019】
外部から熱を照射する集光加熱方式や抵抗加熱方式のFZ法では、溶融帯中の原料棒側の凸部分の凸程度が、原料棒の円筒形状のために抑えられることとなり、溶融帯の原料棒と単結晶の間の距離が従来に比べて短くすることができ、溶融帯の表面張力に余裕ができる。
【0020】
また誘電加熱方式のFZ法では、集光加熱方式よりも元来、原料棒及び結晶の凸が少ないので凸程度が抑えられるというメリットは少ないが、原料棒に混入した融液に不融な気体が原料棒の中空空間側へ逃げやすく、融液の外表面から弾け出る場合に比べて、融液の外表面に与える衝撃が少なくなるメリットを集光加熱方式等と同じく奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法における単結晶育成の状態を説明する図である。
【図2】原料棒と結晶との間で溶融帯を形成して単結晶を育成する従来方法を説明する図である。
【図3】従来方法で大口径化する場合の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 原料棒
2 単結晶
3 溶融帯
4’ 固液界面
6 中空空間
Claims (1)
- 原料棒と結晶との間で溶融帯を形成して単結晶を育成する方法において、中空円筒状の原料棒を用いることを特徴とする単結晶の育成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22686094A JP3563780B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 単結晶育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22686094A JP3563780B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 単結晶育成方法 |
Publications (2)
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JPH0891978A JPH0891978A (ja) | 1996-04-09 |
JP3563780B2 true JP3563780B2 (ja) | 2004-09-08 |
Family
ID=16851711
Family Applications (1)
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JP22686094A Expired - Fee Related JP3563780B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 単結晶育成方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3563780B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-21 JP JP22686094A patent/JP3563780B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0891978A (ja) | 1996-04-09 |
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