JP3563732B2 - 圧縮符号化音声データの記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮符号化された音声データをパケット化して例えば光ディスク等の記録媒体に記録するための圧縮符号化音声データの記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、近年では、例えば音声用のCD(compact disk)と同じ直径12cmの光ディスクに、音声データだけでなく動画像データも圧縮して記録することができるようになっている。この種の光ディスクとしては、例えばCD−ROM(Read Only Memory)等が、教育用からカラオケ用に至るまで、幅広い分野に渡って普及している。
【0003】
図6は、この種の光ディスク上における、圧縮符号化された音声データAと動画像データVとの、物理的な記録フォーマットを示している。すなわち、音声データAと動画像データVとは、それぞれ物理的な基準データ量であるセクタSと称される単位で区切られている。そして、各セクタSは、それぞれを時分割的に配列したデータストリームDSとして、光ディスクに記録されている。
【0004】
ここで、各セクタSは、それぞれが、ヘッダ領域HAとデータ領域DAとから構成されている。このうち、ヘッダ領域HAには、データ領域DAに記録されたデータの種別等を示すための各種の管理情報が記録されている。また、上記データ領域DAには、圧縮符号化された音声データや動画像データ等が記録されることになる。
【0005】
一方、現在では、CDと同径の光ディスクに、約2時間分の映画に対応する動画像データと8種類の異なる言語の音声データとを、圧縮符号化して高密度で録するだけでなく、32種類の異なる言語の字幕等を表わす副映像データをも記録することができるようにした、通称DVD(Digital Video Disk)と称される光ディスクも開発されている。
【0006】
このDVDの場合、圧縮符号化された音声データや動画像データは、それぞれ上記セクタに対応したパケットと称される単位で区切られている。そして、各パケットは、それぞれを時分割的に配列したデータストリームとして、光ディスクに記録されている。また、各パケットは、セクタと同様に、それぞれがヘッダ領域とデータ領域とから構成されている。
【0007】
図7は、圧縮符号化された音声データの記録される複数(図示の場合は2つ)の音声パケットAP1,AP2を示している。これら音声パケットAP1,AP2は、ヘッダ領域PHAと音声データ領域ADAとから構成されている。このうち、パケットヘッダ領域PHAには、音声データ領域ADAに記録されたデータの種別等を示すための各種の管理情報が記録されている。
【0008】
また、上記音声データ領域ADAには、圧縮符号化された音声データが、フレームと称される単位で区切られて記録されている。そして、各フレームは、それぞれが、同期信号と、ある単位時間内でサンプリングした圧縮符号化音声データとを含んでいる。
【0009】
ここで、この圧縮符号化された音声データは、再生時に同期信号を検出して、フレーム単位で復号化処理を施すことにより、元の音声データに復元される。なお、1フレームの長さは、圧縮符号化音声データのサンプリング周波数が48kHzの場合、MPEGの規格では24msecとなり、AC−3の規格では32msecとなる。
【0010】
図8は、この圧縮符号化音声データからフレーム毎の同期信号を検出する手段を示している。すなわち、入力端子1に供給された圧縮符号化音声データのビットストリームは、そのまま出力端子2から取り出されて復号化処理に供されるとともに、同期パターン検出回路3及びフレーム長情報抽出回路4にそれぞれ供給される。
【0011】
このうち、同期パターン検出回路3は、入力されたビットストリーム中から同期信号のパターンを検出し、その検出された同期信号をフレーム同期検出回路5に出力している。このフレーム同期検出回路5は、同期窓発生回路6から出力される窓信号が開状態のときに、同期パターン検出回路3から出力された同期信号を、正規のフレーム同期信号と判断して、出力端子7に出力するとともに、上記フレーム長情報抽出回路4に出力している。
【0012】
このフレーム長情報抽出回路4は、フレーム同期検出回路5から出力されたフレーム同期信号に基づいて、ビットストリーム中からフレーム内に含まれるフレーム長情報を抽出し、その抽出されたフレーム長情報をフレーム長判別回路8に出力している。このフレーム長判別回路8は、入力されたフレーム長情報に基づいてフレーム長を判別し、その判別信号を上記同期窓発生回路6に出力している。そして、この同期窓発生回路6が、入力された判別信号に基づいて、各フレームの同期信号の発生予想位置で開状態となる窓信号を生成し、上記フレーム同期検出回路5に出力している。
【0013】
図9は、圧縮符号化音声データのビットストリームと、同期パターン検出回路3で検出された同期信号と、同期窓発生回路6から出力される窓信号との関係を示している。図9に示されているように、ビットストリーム中の各フレームの先頭で、同期パターン検出回路3により同期信号が検出され、この同期信号の検出された時点で、同期窓発生回路6から出力される窓信号が開状態(ハイレベル)となっている状態が、同期がとれていることを示している。
【0014】
ところで、上記のように、圧縮符号化音声データをフレーム単位で区切って、音声パケットAP1,AP2の音声データ領域ADAに記録していく場合、音声データ領域ADA内に、1つまたはその整数倍の数のフレームが、丁度ぴったりと無駄なく記録される、というようなことはめったにないことである。
【0015】
このため、音声データ領域ADAの容量、ひいては光ディスクの容量を無駄なく使用するためには、図7に斜線で示すように、1つのフレームK+1を、2つの音声パケットAP1,AP2に分割して記録する必要がある。しかしながら、このように1つのフレームを2つの音声パケットAP1,AP2に分割して記録すると、音声データの再生時に、同期信号を検出するのに数フレーム分の再生時間を要するため、音声の頭が途切れる等の問題が生じている。
【0016】
また、上記したDVDでは、最大で8つの音声ストリームを記録することができるので、ストリーム切り替え時つまり言語の切り替え時にも、音切れが生じることになる。さらに、例えば高速再生のような特殊再生時にも、音声パケットが連続的に読み出されないため、音切れが発生することになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、フレーム単位に区切られた圧縮符号化音声データをパケット化する従来の手段では、音声パケットの容量を無駄にしないために、1つのフレームを2つの音声パケットに分割して記録するようにしているために、通常の再生時、音声ストリームの切り替え時及び特殊再生時等に、音切れが生じるという問題を有している。
【0018】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、通常の再生時、音声ストリームの切り替え時及び特殊再生時等に、迅速に音声を再生し音切れをなくすことができるように、フレーム単位に区切られた圧縮符号化音声データをパケット化して記録することができる極めて良好な圧縮符号化音声データの記録方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る圧縮符号化音声データの記録方法は、物理的な基準データ量である固定長の1セクタを1パケットとし、フレーム単位で復号可能に圧縮された圧縮符号化音声データをパケット化して記録する方法を対象としている。
【0020】
そして、各パケットを1つまたはその整数倍の数のフレームで完結されるように設定する第1の工程と、この第1の工程で生成された各パケットを記録する第2の工程とを備えて、パケットが固定長でない場合には、パケットに付加データを付ける工程を有するようにしたものである。
【0021】
上記のような方法によれば、各パケットを1つまたはその整数倍の数のフレームで完結されるように設定して記録する際に、パケットが固定長でない場合には、パケットに付加データを付けるようにしている。
【0022】
このため、従来のように、1つのフレームが2つの音声パケットに分割して記録されなくなるので、同期信号の検出に時間がかからなくなり、通常の再生時や音声ストリームの切り替え時及び特殊再生時等に、迅速に音声を再生することができるようになり、音切れが生じることを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。すなわち、図1は、音声パケットAP11の構造を示している。この音声パケットAP11は、パケットヘッダ領域PHAと音声データ領域ADAとから構成されている。このうち、パケットヘッダ領域PHAには、音声データ領域ADAに記録されたデータの種別等を示すための各種の管理情報が記録されている。
【0024】
また、上記音声データ領域ADAには、圧縮符号化された音声データが、フレームと称される単位で区切られて記録されている。この場合、1つの音声データ領域ADAは、1つまたはその整数倍の数のフレームが、丁度ぴったりと無駄なく記録されるように設定されている。つまり、1つの音声データ領域ADAは、1つまたはその整数倍の数のフレームで完結されるように設定されている。
【0025】
このように、音声パケットAP11の音声データ領域ADAを設定することにより、従来のように、1つのフレームが2つの音声パケットに分割して記録されなくなるので、同期信号の検出に時間がかからなくなり、通常の再生時や音声ストリームの切り替え時及び特殊再生時等に、迅速に音声を再生することができるようになり、音切れが生じることを防止することができる。
【0026】
また、音声パケットAP11のパケット長を固定長にする場合には、音声パケットAP11に付加データを付ける。図2は、付加データとしてパディングパケットPPを設けた例を示している。また、図3は、付加データとしてスタッフィングSTを設けた例を示している。
【0027】
すなわち、図2において、音声パケットAP11は、パケットヘッダ領域PHAと、1つまたはその整数倍の数のフレームで完結された音声データ領域ADAとからなり、音声パケットAP11とパディングパケットPPとを加えたデータ量が固定になるように、パディングパケットPPで調整するようにしている。
【0028】
また、図3において、音声パケットAP11は、1つまたはその整数倍の数のフレームで完結された音声データ領域ADAと、スタッフィングSTが付加されたパケットヘッダ領域PHAとからなり、音声パケットAP11が固定長となるように、スタッフィングSTで調整するようにしている。
【0029】
なお、前述したMPEGの規格では、音声パケットは8バイト以上必要であるため、付加データが8バイト以上になる場合にはパディングパケットPPを使用し、付加データが7バイト以下の場合はスタッフィングSTを用いるようにすれば良いことになる。
【0030】
次に、図4は、フレーム単位の圧縮符号化音声データを、以上に説明したようにパケット化し、光ディスク等の記録媒体に記録する記録手段を示している。すなわち、入力端子11に供給されたアナログ音声信号は、A/D(アナログ/デジタル)変換回路12に供給されてデジタル音声データに変換された後、圧縮回路13に出力される。
【0031】
この圧縮回路13は、入力されたデジタル音声データに、AC−3等の規定に準拠した高能率圧縮符号化処理を施し、得られた圧縮符号化音声データをフレーム単位でパッキング回路14に出力している。このパッキング回路14は、フレーム単位で入力される圧縮符号化音声データを、ヘッダ付加回路15から出力されるヘッダデータとともにパケット化し、図1に示したような音声パケットAP11を生成している。
【0032】
なお、固定長のパケット化を行なう場合には、パッキング回路14は、パディングパケットPPやスタッフィングST等の付加データを付けることで、図2や図3に示した音声パケットAP11を生成している。
【0033】
そして、このパッキング回路14で生成された音声パケットAP11は、信号処理回路16に供給されてエラー訂正用のパリティ付加処理が施された後、変調回路17に出力される。この変調回路17は、入力されたデータに対して記録媒体18への記録に適した変調処理を施し、記録媒体18への記録に供させる。なお、この記録媒体18としては、例えば光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ及び半導体メモリ等、種々のものが使用可能である。
【0034】
次に、図5は、上記のようにパケット化されて記録媒体18に記録された圧縮符号化音声データを、記録媒体18から読み出して再生する再生手段を示している。すなわち、記録媒体18から読み取ったデータは、復調回路19で復調処理が施され、信号処理回路20に供給されてエラー訂正処理が施された後、分離回路21に出力される。
【0035】
この分離回路21は、パケット化されたデータからヘッダデータと圧縮符号化音声データとを分離している。なお、パケット化されたデータにパディングパケットPPやスタッフィングST等の付加データが付けられている場合には、分離回路21は、その付加データを取り除く動作も行なっている。この分離回路21で分離された圧縮符号化音声データは、フレーム単位で復号化回路22に供給される。
【0036】
この復号化回路22には、特殊再生時も含めてどのようなときでもフレーム単位で圧縮符号化音声データが供給されるので、フレーム同期取り込み処理を行なう必要がなく、そのまま入力された圧縮符号化音声データに伸張処理を施している。そして、この復号化回路22で復号化されたデジタル音声データは、D/A(デジタル/アナログ)変換回路23で元のアナログ音声信号に変換された後、増幅回路24で増幅されて、出力端子25から取り出される。
【0037】
なお、この発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、通常の再生時、音声ストリームの切り替え時及び特殊再生時等に、迅速に音声を再生し音切れをなくすことができるように、フレーム単位に区切られた圧縮符号化音声データをパケット化して記録することができる極めて良好な圧縮符号化音声データの記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す図。
【図2】同実施の形態の変形例を示す図。
【図3】同実施の形態の他の変形例を示す図。
【図4】同実施の形態における圧縮符号化された音声データの記録手段を示すブロック構成図。
【図5】同実施の形態における圧縮符号化された音声データの再生手段を示すブロック構成図。
【図6】光ディスク上における圧縮符号化された音声データと動画像データとの物理的な記録フォーマットを示す図。
【図7】同記録フォーマットにおける音声パケットとフレームとの関係を示す図。
【図8】同フレームから同期信号を検出する手段を示すブロック構成図。
【図9】同同期検出手段の動作を説明するために示すタイミング図。
【符号の説明】
11…入力端子、
12…A/D変換回路、
13…圧縮回路、
14…パッキング回路、
15…ヘッダ付加回路、
16…信号処理回路、
17…変調回路、
18…記録媒体、
19…復調回路、
20…信号処理回路、
21…分離回路、
22…復号化回路、
23…D/A変換回路、
24…増幅回路、
25…出力端子。

Claims (2)

  1. 物理的な基準データ量である固定長の1セクタを1パケットとし、フレーム単位で復号可能に圧縮された圧縮符号化音声データをパケット化して記録する圧縮符号化音声データの記録方法において、
    各パケットを1つまたはその整数倍の数のフレームで完結されるように設定する第1の工程と、この第1の工程で生成された各パケットを記録する第2の工程とを備えて、
    前記パケットが固定長でない場合には、前記パケットに付加データを付ける工程を有することを特徴とする圧縮符号化音声データの記録方法。
  2. 前記付加データが8バイト以上になる場合には、前記パケットに前記付加データを付け、前記付加データが7バイト以下の場合には、前記パケット内に前記付加データを付けることを特徴とする請求項1記載の圧縮符号化音声データの記録方法。
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