JP3562840B2 - 温室の環境制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、温室内の栽培環境を植物の成長に最適な状態に保つ、温室の環境制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
温室内で植物を栽培するとき、植物の成長を促進するために、ランプやファンなどの各種の環境調整機器を温室に設置する。そして、ランプの点灯・消灯やファンのオン・オフを制御して、温室の環境を植物の成長に適するように制御する。
【0003】
植物工場では、これらの環境調整機器の制御がすべて自動化されている。特に、コンピュータを用いた自動化が行われている。この植物工場によれば、多数の環境調整機器を用いて、温室内の栽培環境を植物の成長に最適な状態に保つことができるので、植物を効率的に育てることが可能になる。これにより、植物の安定的な供給が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
植物工場では、環境を制御するために、各種の環境調整機器を用いる。環境調整機器の中でも、暖房装置や冷房装置などは、電力などのエネルギを大量に消費する。この結果、環境を調節するために、暖房装置や冷房装置を長時間使用すると、植物工場の維持費が増加してしまう。
【0005】
また、例えば冷房装置を運転していたが、外気の急激な変化により、植物工場内の温度が下がり過ぎるような事態が発生することがある。このときには、暖房装置が作動して、エネルギの無駄な消費が生じる。
【0006】
この発明の目的は、このような欠点を除き、最小のエネルギにより温室内の環境を整えることを可能にする温室の環境制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、その目的を達成するため、太陽光を遮光する遮光カーテン装置と、室内を保温する保温カーテン装置と、空気を排気する天窓装置と、空気を強制的に排気する換気装置と、室内の温度を調整する冷房装置および暖房装置とを少なくとも1つ備える温室の環境を制御する温室の環境制御方法において、温室内の光強度を制御するかどうかを判断し、光強度を制御するとき、遮光カーテン装置を制御して、あらかじめ設定された光強度に温室内を保ち、温室内の温度を制御するかどうかを判断し、温度を制御する場合に温室を冷房するとき、温室に入射する太陽光のエネルギと温室内の機器の発熱と温室の壁面での熱貫流とから、温室に流入する熱エネルギ量を算出し、温室内外の空気の温度およびエンタルピから、天窓装置および換気装置の換気による熱エネルギの換気能力を算出し、温室に流入する熱エネルギと天窓装置の換気能力とに基づいて天窓装置を動作させ、天窓装置による冷房が不足のときに換気装置を動かし、換気装置による冷房が不足のときに冷房装置を動かし、温度を制御する場合に温室を暖房するとき、太陽光の光強度を測定し、測定した光強度が低くなったときに保温カーテン装置を動かして温室を保温状態にし、保温カーテン装置による暖房が不足のとき、温室に流入する熱エネルギ量から必要な熱エネルギを算出して暖房装置を動かし、温室内の湿度を制御するかどうかを判断し、湿度を制御するとき、温室内外の空気の絶対湿度およびエンタルピから換気で排出される空気中の水分の量と熱エネルギの損失とを算出し、この算出結果に基づいて換気装置を動かす。
【0008】
【作用】
これにより、温室内の光強度を制御する場合、遮光カーテン装置を制御して、あらかじめ設定された光強度に温室内を保つ。
【0009】
温室を冷房する場合、温室に入射する太陽光のエネルギと温室内の機器の発熱と温室の壁面での熱貫流とから、温室に流入する熱エネルギ量を算出し、温室内外の空気の温度およびエンタルピから、天窓装置および換気装置の換気による熱エネルギの換気能力を算出する。そして、温室に流入する熱エネルギと天窓装置の換気能力とに基づいて、天窓装置、換気装置、冷房装置の順に動かす。
【0010】
温室を暖房する場合、太陽光の光強度を測定する。そして、光強度が低くなったときに、保温カーテン装置、暖房装置の順に動かす。
【0011】
温室内の湿度を制御する場合、温室内外の空気の絶対湿度およびエンタルピから、換気で排出される空気中の水分の量と熱エネルギの損失とを算出する。そして、この算出結果に基づいて換気装置を動かす。
【0012】
これらの制御により、最小のエネルギで温室の環境を維持する。
【0013】
【実施例】
次に、この発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0014】
図5は、この発明を実施するための植物工場を示す概略図である。この植物工場は、栽培部3の植物の育成に最適な状態に温室1の栽培環境を保つために、コンピュータ2で環境調整機器を集中的に制御する。
【0015】
温室1は、潜熱により冷房をするためのパッド装置11と、保温および遮光をするためのサイドカーテン装置12と、太陽光を遮光するための遮光カーテン装置13と、補光ランプ装置14と、循環ファン装置15と、温室1を換気するための換気ファン装置16と、温室1の空気を入れ換えるための天窓装置17と、冷房装置18と、暖房装置19とを環境調整機器として備える。
【0016】
パッド装置11は、図6(a)に示すようなハニカムペーパ101で構成される。ハニカムペーパ101は、6角形状の透水性の柱部102に、空気111を通すための孔103を備える。パッド装置11は、図6(b)に示すように、図6(a)のハニカムペーパ101を並べて構成したパッド部104を備える。そして、パッド装置11のパッド部104に水112を注ぐと、孔103を通る空気111が水の気化潜熱により冷却される。つまり、図6(c)に示すように、パッド装置11の空気取り入れ側1Aを温室1の外側に取り付け、空気吹き出し側11Bを温室1内に取り付ければ、外気が冷却されて温室1内に流れ、温室1の冷房が可能になる。
【0017】
また、温室1は、栽培環境を調べるために、ハウス日射計21と、ハウス照度計22と、乾球温度計としてハウス温度計23と、湿球温度計としてハウス温度計24と、天井部の温度を計るハウス温度計25とをセンサとして備える。さらに、室外に、乾球温度計として外気温度計31と、湿球温度計として外気温度計32と、風向風速計33と、室外日射計34とをセンサとして備える。
【0018】
コンピュータ2は、各センサを用いて、温室1の各熱エネルギバランスを算出する。つまり、コンピュータ2は、太陽光の入射、壁面貫流、温室内発熱などに基づいて、温室1に入射するエネルギ量を次のように算出する。コンピュータ2は、温室1に入射する太陽光のエネルギ量A1[J/s]を、
A1=外日射強度×屋根光透過率×床面積 (1)
の式から算出する。
【0019】
栽培部3に入射する太陽光のエネルギ量A2[J/s]を、
A2=外日射強度×屋根光透過率×カーテン光透過率×床面積 (2)
の式から算出する。
【0020】
屋根貫流により入射するエネルギ量A3[J/s]を、
A3=(外気温−天井部気温)×屋根面積×天井熱貫流率 (3.1)
の式から算出する。
【0021】
天井貫流により天井部から栽培部3に入射するエネルギ量A4[J/s]を、遮光カーテン装置13が開状態になっているとき、
Figure 0003562840
の式から算出し、遮光カーテン装置13が閉状態になっているとき、
Figure 0003562840
の式から算出する。
【0022】
Figure 0003562840
の式から算出する。
【0023】
補光ランプ装置14により発生する発熱量A6[J/s]を、
A6=ランプ消費電力×灯数 (4)
の式から算出する。
【0024】
温室1に入射するエネルギ量A7[J/s]を、
A7=A1+A3+A5+A6 (5)
の式から算出する。
【0025】
栽培部3に入射するエネルギ量A8[J/s]を、
A8=A2+A4+A5+A6 (6)
の式から算出する。
【0026】
南面に入射する太陽光のエネルギ量A9[J/s]を、
Figure 0003562840
の式から算出する。
【0027】
次に、コンピュータ2は、温室1内外の空気の各エンタルピを算出する。まず、コンピュータ2は、乾球温度計である外気温度計31と湿球温度計である外気温度計32とから温室1外の空気のエンタルピB1を、
Figure 0003562840
の式から算出する。コンピュータ2は、式(8)を用いて、乾球温度計であるハウス温度計23と湿球温度計であるハウス温度計24とから、温室1の南側、中央部、天井部、北側および東側の空気のエンタルピB2〜B6を算出する。これらのエンタルピB2〜B6を算出する式を(9)〜(13)とする。また、温室1の南側は育苗部であり、東側はファンの手前である。
【0028】
コンピュータ2は、天窓装置17によるエネルギ換気能力を算出する。天窓装置17が全開状態になっているとき、換気速度が、
a.外気温と天井部との気温差
b.外の風速
の関数で表されるとして、コンピュータ2は、全開換気速度C1[g/s]を、
Figure 0003562840
の式から算出する。そして、コンピュータ2は、全開換気速度C1、外気のエンタルピB1および天井部のエンタルピB4を用いて、全開換気能力C2[J/s]を、
C2=C1×(B4−B1) (15)
の式から算出する。
【0029】
コンピュータ2は、パッド装置11と換気ファン装置16とを用いた場合の冷房能力を算出する。つまり、コンピュータ2は、式(8)で示される、外気のエンタルピB1を用いて、換気ファン装置16のファン1台当たりのエネルギ換気能力D1[J/s]を、
D1=ファンの換気速度×(ファン近傍のエンタルピ−B1) (16)
の式から算出する。この後、コンピュータ2は、式(6)で示される、栽培部3に入射するエネルギ量A8を用いて、排気温度D2[℃]を、
Figure 0003562840
の式から算出し、また、パッド装置11に通水をしているときには、
Figure 0003562840
の式から算出する。
【0030】
コンピュータ2は、これらの機器およびセンサを用いて、温室1の栽培環境を植物に最適な状態に保つために、図1〜4に示す制御をする。
【0031】
まず、コンピュータ2は、温室1の光強度の制御をするかどうかを判断する(ステップS1)。光強度の制御をする場合、コンピュータ2は、遮光カーテン装置13を用いる(ステップS2)。
【0032】
コンピュータ2には、最大日射強度と最低日射強度とがあらかじめ設定されている。最大日射強度は、植物に対する遮光レベルであり、最低日射強度は、補光ランプを用いるかどうかの判断をするための補光レベルである。コンピュータ2は、日射計を用いて温室1の日射強度を調べ、1分間の日射強度の平均値を算出し、さらに、過去15分間の日射強度の最大値を記憶する。
【0033】
コンピュータ2は、栽培部3の過去15分間の日射強度の最大値が最大日射強度以下になるように、遮光カーテン装置13を制御する。
【0034】
これにより、日射強度が急激に増加したときに、比較的緩慢な動作をする遮光カーテン装置13を日射強度の変化に追従させ、しかも、遮光カーテン装置13の無駄な動作や頻繁な開閉動作を不要にできる。
【0035】
遮光カーテン装置13は、遮光率の異なる2層の遮光カーテンを組み合わせて、4通りの遮光状態をつくる。つまり、遮光カーテン装置13は、遮光をしない状態、1層目の遮光カーテンだけを用いて遮光する状態、2層目の遮光カーテンだけを用いて遮光する状態、両方の遮光カーテンを用いて遮光する状態により、4通りの遮光をする。また、遮光カーテン装置13は、1層目の遮光カーテンを用いた遮光状態から2層目の遮光カーテンを用いた遮光状態に切り替えるとき、2層目の遮光カーテンを完全に閉じてから、1層目の遮光カーテンを開き始める。
【0036】
これにより、強い光が植物に当たらないので、植物に対する影響が少なくなる。コンピュータ2は、このような遮光カーテン装置13を制御する。
【0037】
しかし、コンピュータ2に対する最大日射強度の設定に誤りがあり、特に設定を高くし過ぎると、温室1の気温が制御できなくなる可能性がある。この場合には、植物が熱障害を受けて、植物の成長が阻害され、栽培ができなくなる。そこで、このようなことを防止するために、コンピュータ2は、限界日射強度E[W/m]を、
Figure 0003562840
の式から算出する。そして、日射強度の設定値が限界日射強度Eを越えた場合に、コンピュータ2は、限界日射強度Eにより遮光カーテン装置13を制御する。
【0038】
これにより、設定の誤りや、予想外に気温が上昇して換気ファン装置16の冷房能力が低下しても、自動的に光強度を下げて、植物の育成に最適な気温に温室1を保つことができる。
【0039】
次に、コンピュータ2は、サイドカーテン装置12を遮光のために制御するかどうかを判断する(ステップS3)。サイドカーテン装置12を遮光に用いるとき(ステップS4)、コンピュータ2は、式(7)で示される、南面に入射する太陽光のエネルギ量A9と、式(2)で示される、栽培部3に入射する太陽光のエネルギ量A2とを用いて、
条件1…外日射強度>最大日射強度
条件2…(A9/A2)>0.05
を同時に満足するときに、サイドカーテン装置12の南側のサイドカーテンを遮光に用いる。なお、常数0.05は、温室1の位置や運用状態に応じて変える値である。
【0040】
この制御のときに、コンピュータ2は、温室1の南側壁から入射する太陽光のエネルギを、温室1の経度と緯度から算出する。つまり、太陽の位置と温室1外の水平日射強度から計算する。
【0041】
これにより、この計算値からサイドカーテン装置12の南側のサイドカーテンを遮光カーテンとして運用するかどうかを決めるので、冷房に必要な負荷を抑えることができる。
【0042】
外日射強度から算出した室内日射強度が最低日射強度以下になったとき(ステップS5)、コンピュータ2は、補光ランプ装置14を運用して、光量の不足を補う(ステップS6)。このとき、コンピュータ2は、点灯や消灯の継続時間を10分以上とする。
【0043】
これにより、補光ランプ装置14の頻繁な点灯・消灯動作を防止できる。
【0044】
温室1に入射する太陽光が最終的に熱になるため、次に、コンピュータ2は、温室1の気温を制御するかどうかを判断する(ステップS7)。この制御をする場合、コンピュータ2は、式(1)〜(18)を用いて、温室1のエネルギバランスと環境調整機器の冷房・暖房能力を正確に算出する。コンピュータ2は、この算出結果から環境調整機器の最適な運用を決める。
【0045】
つまり、温室1の気温を制御する場合、冷房をするとき(ステップS8)、コンピュータ2は、天窓装置17の制御を最初にする(ステップS9)。このとき、コンピュータ2は、式(5)に示す、温室1に入射するエネルギ量A7と、式(15)に示す全開換気能力C2とを用いて、天窓装置17のエネルギ開度F1を、
F1=A7/C2 (19)
の式から算出する。エネルギ開度F1は、
0〜1
の値になる。次に、コンピュータ2は、エネルギ開度F1を用いて、天窓装置17の温度開度F2を、
Figure 0003562840
の式から算出する。ただし、コンピュータ2は、式(20)の中で温度開度を10秒毎に計算し、その値を、
−1〜1
とする。さらに、コンピュータ2は、エネルギ開度F1と温度開度F2を用いて、天窓開度F3を、
F3=F1+F2 (21)
の式から算出する。
【0046】
コンピュータ2は、この天窓開度F3より、天窓装置17を制御する。算出された天窓開度F3が「0」以下の場合、
条件1…室内相対湿度>制御目標値
条件2…(室内気温−制御目標値)>−2.0
を同時に満足するとき、コンピュータ2は、天窓装置17を制御して、風下側の天窓開度を「0.1」にする。また、天窓開度F3では、屋外の風向・風速により、次に示す3段階の制御をする。
【0047】
Figure 0003562840
この制限に際して、コンピュータ2は、5回の風速を検出して平均値を算出し、10分間の平均値を風速とする。また、最大風速を常時監視し、風速を記憶するメモリを、最大風速により更新する。そして、最大風速の更新が10分間発生しなければ、現在の風速を最大風速とする。
【0048】
コンピュータ2は、算出した天窓開度が、
条件1…「1」より大
条件2…室温>(制御目標値+2[℃])
を同時に満足するとき(ステップS10)、天窓装置17を全閉にして、換気ファン装置16による冷房に切り替える(ステップS11)。なお、条件2の中で、温度の2[℃]は、可変である。さらに、コンピュータ2は、切り替え時の入射エネルギをメモリに記憶し、入射エネルギの現在の値が、
条件1…メモリ値の80[%]以下
条件2…外気温<制御目標値
を同時に満足するとき、換気ファン装置16による冷房から天窓装置17による冷房に切り替える。
【0049】
このように、コンピュータ2は、天窓装置17を用いた温室1の冷房を優先する。
【0050】
換気ファン装置16は、ファンを5台運転するか、または、10台運転する。コンピュータ2は、ファンの運転台数を次のように算出する。コンピュータ2は、式(6)に示す、栽培部3に入射するエネルギ量A8と、式(16)に示す、換気ファン装置16のファン1台当たりのエネルギ換気能力D1とを用いて、エネルギ運転台数G1を、
G1=A8/D1 (22)
の式から算出する。次に、コンピュータ2は、温度運転台数G2を、
Figure 0003562840
の式から算出する。ただし、コンピュータ2は、この式の中で温度運転台数を10秒毎に計算し、その値を、
−10〜10
とする。さらに、コンピュータ2は、エネルギ運転台数G1と、温度運転台数G2とを用いて、運転台数G3を、
G3=G1+G2 (24)
の式から算出する。また、室温が湿球温度よりは高いが、外気温度より低くなり、冷房効率が低下した場合、コンピュータ2は、算出した運転台数に係わらず、ファンの運転台数を調節する。
【0051】
外気の気温が高く、湿度が低い場合には、換気ファン装置16だけでは、冷房の効果が少ない(ステップS12)。このとき、コンピュータ2は、パッド装置11を運用した冷房をする(ステップS13)。しかし、パッド装置11への通水を連続して行うと、パッド装置11の吹き出し温度が低くなり過ぎる場合がある。この場合、コンピュータ2は、パッド装置11からの吹き出し温度の制御目標値を、室温1の制御目標値より低くする。
【0052】
パッド装置11からの吹き出し温度を、制御目標値にするために、パッド装置11への目標通水率(含水率)H1を、
Figure 0003562840
の式から算出する。また、パッド装置11の現在の通水率H2を、
Figure 0003562840
の式から算出する。そして、コンピュータ2は、
条件1…H2<H1
を満足したときに、パッド装置11への通水をする。
【0053】
これにより、乾球温度計である外気温度計31や湿球温度計である外気温度計32により示される外気状態に係わらず、パッド装置11からの吹き出し温度を任意に制御することができる。さらに、パッド装置11の吹き出し温度を検出するセンサを不要にできる。
【0054】
このパッド装置11による冷房が不足すると(ステップS14)、コンピュータ2は、冷房装置18を用いる(ステップS15)。
【0055】
次に、コンピュータ2は、暖房の制御をするかどうかを判断する(ステップS16)。暖房をするとき、コンピュータ2は、サイドカーテン装置12の制御を最初にする(ステップS17)。
【0056】
サイドカーテン装置12は、夜間に温室1を保温し、また、冬季の夕暮れ時に温室1を保温する。このとき、コンピュータ2は、
条件1…外日射強度<5[W/m
条件2…外気温<(室内目標気温−3.0)
条件3…室内気温<(室内目標気温−3.0)
をすべて満足したとき、サイドカーテン装置12と遮光カーテン装置13とを用いて、保温動作をする。
【0057】
これにより、温室1の日射強度が5[W/m]より低くなったとき、太陽光による暖房効果がないと判断して、保温動作をさせる。
【0058】
さらに、温室1の温度が低下すると(ステップS18)、コンピュータ2は、暖房装置19を用いて、温室1の温度制御を開始する(ステップS19)。このとき、暖房装置19が複数備えられている場合、コンピュータ2は、エネルギバランスから暖房に必要な熱量を算出し、暖房装置19の運転台数を決める。そして、コンピュータ2は、
条件1…室内気温<(制御目標値−動作幅)
のとき、暖房装置19を起動する。ただし、動作幅は、温室1に入射するエネルギ状態により例えば、
1.0 1.5 2.0
のように変える。また、
条件2…室内気温≧制御目標値
を満足するとき、暖房装置19の運転を停止する。
【0059】
次に、コンピュータ2は、温室1の湿度を制御するかどうかを判断する(ステップS20)。湿度の制御により、植物からの水分蒸発の促進と、温室1の内壁面での露結を防止する。このために、湿度の制御で主に行われるのは、温室1の除湿である。除湿は、天窓または換気ファン装置16を運用して行う(ステップS21)。
【0060】
温室1を換気すると、温室1内の水蒸気や熱などが外に逃げるために、エネルギ損失となる。このために、コンピュータ2は、温室1内の絶対湿度とエンタルピとを算出する。空気1[g]の換気により、温室1内外の絶対湿度の差に相当する水が温室1から排出され、エンタルピ差に相当するエネルギが失われるので、コンピュータ2は、この損失を算出する。そして、コンピュータ2は、換気によるエネルギ損失と除湿の効果とを比較して、有利な方を選択する。
【0061】
このようにして、この実施例により、コンピュータ2は、各環境調整機器の特性を把握し、これにより各環境調整機器を制御するので、最小のエネルギによる温室1の運用が可能になる。
【0062】
ところで、コンピュータ2は、上記の他にも次のような制御をする。
【0063】
まず、CO(炭酸ガス)の供給は、次のようにする。コンピュータ2は、
条件1…(CO濃度−制御目標値)<−50[ppm]
を満足するとき、COを供給する制御をする。ただし、COを供給する場合、COの拡散時間を確保するために、供給と停止とを繰り返す。
【0064】
循環ファン装置15は、次のようにする。コンピュータ2は、
条件1…換気ファン装置16が停止中
条件2…温室1の室内風速設定>0
を同時に満足するとき、循環ファン装置15を運転する制御をする。
【0065】
培養液の濃度は、次のようにする。コンピュータ2は、
条件1…(培養液濃度−制御目標値)<−0.2
を満足するときに、培養液の原液を供給する制御をする。
【0066】
培養液のpH(水素イオン濃度)は、次のようにする。コンピュータ2は、
条件1…(培養液pH−制御目標値)<−1.0
を満足するときに、アルカリ液を培養液に供給する制御をする。また、
条件2…(培養液pH−制御目標値)>1.0
を満足するときに、酸液を培養液に供給する制御をする。
【0067】
培養液の温度は、次のようにする。コンピュータ2は、
条件1…(培養液の温度−制御目標値)<−1.0
を満足するときに、培養液をヒータで加熱し、
条件2…(培養液の温度−制御目標値)>1.0
を満足するときに、培養液をチラーで冷却する。ただし、制御の不感帯を、
±0.5
とする。
【0068】
培養液の供給は、次のようにする。培養液の供給は、水の2系統と培養液の4系統の6系統である。コンピュータ2は、この6系統の培養液の供給を独立して制御する。コンピュータ2は、培養液の供給時間と休止時間とを設定する。このとき、コンピュータ2は、培養液の休止時間Jを、
J=設定休止時間×(標準日射強度/過去1時間の平均日射強度)(27)
の式を用いて設定する。ただし、休止時間Jは、
条件1…J<設定休止時間×最大休止倍率
を満足する。なお、標準日射強度および最大休止倍率は、あらかじめ設定されるパラメータである。また、コンピュータ2は、朝、昼、夕の休止時間を、過去1時間の平均日射強度により修正する。さらに、コンピュータ2は、育苗部には、培養液の連続供給をする。
【0069】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明は、温室に使用される環境調節機器が互いに干渉することを防止し、かつ、太陽光からのエネルギを最大に利用するので、環境調節機器を効率的に運用できる。これにより、温室の維持運営をするために消費される電気などのエネルギを最小にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】この発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】この発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】この発明の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】この発明を実施するための植物工場を示す概略図である。
【図6】パッド装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 温室
2 コンピュータ
11 パッド装置
12 サイドカーテン装置
13 遮光カーテン装置
14 補光ランプ装置
15 循環ファン装置
16 換気ファン装置
17 天窓装置
18 冷房装置
19 暖房装置

Claims (1)

  1. 太陽光を遮光する遮光カーテン装置と、室内を保温する保温カーテン装置と、空気を排気する天窓装置と、空気を強制的に排気する換気装置と、室内の温度を調整する冷房装置および暖房装置とを少なくとも1つ備える温室の環境を制御する温室の環境制御方法において、
    温室内の光強度を制御するかどうかを判断し、
    光強度を制御するとき、遮光カーテン装置を制御して、あらかじめ設定された光強度に温室内を保ち、
    温室内の温度を制御するかどうかを判断し、
    温度を制御する場合に温室を冷房するとき、温室に入射する太陽光のエネルギと温室内の機器の発熱と温室の壁面での熱貫流とから、温室に流入する熱エネルギ量を算出し、
    温室内外の空気の温度およびエンタルピから、天窓装置および換気装置の換気による熱エネルギの換気能力を算出し、
    温室に流入する熱エネルギと天窓装置の換気能力とに基づいて天窓装置を動作させ、
    天窓装置による冷房が不足のときに換気装置を動かし、
    換気装置による冷房が不足のときに冷房装置を動かし、
    温度を制御する場合に温室を暖房するとき、太陽光の光強度を測定し、
    測定した光強度が低くなったときに保温カーテン装置を動かして温室を保温状態にし、
    保温カーテン装置による暖房が不足のとき、温室に流入する熱エネルギ量から必要な熱エネルギを算出して暖房装置を動かし、
    温室内の湿度を制御するかどうかを判断し、
    湿度を制御するとき、温室内外の空気の絶対湿度およびエンタルピから換気で排出される空気中の水分の量と熱エネルギの損失とを算出し、
    この算出結果に基づいて換気装置を動かすことを特徴とする温室の環境制御方法。
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